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JALの情報漏洩|委託先アマデウスへの不正アクセスで予約情報 約92,000名が外部から参照された形跡 対象者が確かめること 2026

@SOHO編集部
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JALの情報漏洩|委託先アマデウスへの不正アクセスで予約情報 約92,000名が外部から参照された形跡 対象者が確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓JALの情報漏洩の件を公式発表で整理
  • ✓委託先アマデウス社への不正アクセスで
  • ✓JAL・JTA便の予約情報が合計約92,000名分

JALの情報漏洩として報じられている件は、日本航空と日本トランスオーシャン航空(JTA)が2026年10月28日に発表したもので、予約や搭乗手続きを処理する旅客サービスシステムの委託先、Amadeus IT Group, S.A.(アマデウス社)のシステムが不正アクセスを受け、予約情報の一部が外部から参照された形跡があったと公表されています。 対象は合計約92,000名で、このうち約90,000名は予約番号、氏名、搭乗日、搭乗区間、搭乗クラス、約2,000名はそれに加えてメールアドレス、電話番号、パスポート番号、国籍、マイレージ番号などが対象です。 クレジットカード番号と各種パスワードの漏えいは無いと発表されています。

JALやJTAの便を予約したことがある人がまずすることは3つです。 JALグループを名乗るメールやSMS、電話のリンクや番号から手続きをしないこと。 個別の連絡が届いたら、その本文のリンクではなく、自分で開いた公式サイトか専用窓口で中身を確かめること。 パスポート番号が対象に入っている約2,000名は、番号を使った「本人確認」をうたう連絡に特に注意することです。

この記事では、日本航空と日本トランスオーシャン航空の公式発表に書かれている事実だけをもとに、対象の範囲、2つの区分の項目の違い、問い合わせ窓口、偽の連絡への備えを整理します。 内容は2026年10月29日時点の記載にもとづいています。 なお、公式発表のページは2026年10月29日時点でこちらの環境から直接開けなかったため、同じページをインターネットアーカイブ(Wayback Machine)が10月28日に保存した写しで本文を確かめています。

2026年10月28日の発表で分かったこと(公表の経緯)

発表の題は「Amadeus社が提供する旅客サービスシステムへの不正アクセスについて」で、日本航空と日本トランスオーシャン航空の連名です。 JTAの公式サイトのトップからも、この日本航空のページにリンクが張られています。

発表に書かれている経緯は、日付で並べると次のとおりです。

日付 出来事
2023年8月10日から2026年9月23日 予約記録が外部から参照された形跡がある期間
2026年10月23日 アマデウス社から、同社システムへの不正アクセスで予約情報の一部が外部から参照された形跡があったと報告を受けた
2026年10月28日 日本航空と日本トランスオーシャン航空が公表
2026年10月29日(木) 専用のお問い合わせ窓口を開設

発表の書き方で押さえておきたいのは、「漏えいした」ではなく「外部から参照された形跡があった」という表現になっている点です。 参照された形跡とは、第三者がシステムの中の予約情報を見た痕跡が残っていた、という意味です。 情報が持ち出されたかどうかまでは、発表の文面からは読み取れません。 この記事でも、事実の部分は公式の表現どおり「参照された形跡がある」と書きます。

2026年10月23日、日本航空・日本トランスオーシャン航空の予約・発券 / 搭乗手続きなどを統合的に処理する旅客サービスシステムの委託先であるAmadeus IT Group, S.A.社(以下「アマデウス社」)から、同社システムへの不正アクセスによって、お客さまの予約情報の一部が外部から参照された形跡があった旨の報告を受けました。 出典: jal.co.jp

2026年10月29日時点で確かめた範囲では、件数や項目を改めた続報や訂正は出ていません。 発表には続報の予定についての記載が無いため、変化があったときは公式サイトのお知らせで確かめることになります。

参照された形跡がある項目と、含まれていない項目

この件では、対象者が2つの区分に分かれ、区分ごとに項目が違います。 自分がどちらに当たるかで、気をつける点も変わります。

区分 人数 参照された形跡がある項目
区分1 約90,000名 予約番号、氏名、搭乗日、搭乗区間、搭乗クラス
区分2 約2,000名 区分1の項目に加え、メールアドレス、電話番号、パスポート番号、国籍、マイレージ番号、航空会社、便名、航空券番号、座席番号など
合計 約92,000名
会社が「漏えいはない」と明記したもの
クレジットカード番号
各種パスワード

区分2の項目の最後には「など」が付いています。 発表に並んでいない項目が区分2に含まれる可能性は、この書き方からは否定できません。 自分の何が対象かを正確に知りたい人は、個別の連絡か専用窓口で確かめてください。

区分1の約90,000名については、メールアドレスや電話番号は項目に入っていません。 そのため、区分1の人に向けて、この件の情報だけを手がかりに偽のメールやSMSを送ることは難しい形です。 一方で、氏名と予約番号、搭乗日、区間がそろっているため、「○月○日の○○行きのご予約について」のように、本当の旅程を言い当てる文面が作れる点には注意が要ります。

区分2の約2,000名は、連絡先と旅券の情報まで対象に入っています。 メールアドレスと電話番号が分かっているので、本人に直接届く偽の連絡を作れる情報がそろっている、ということです。 後の節で、区分2の人向けの備えを分けて書きます。

原因と、会社の対応

原因について、発表に書かれているのは次のことです。

  • 委託先のアマデウス社のシステムへの不正アクセスによって、予約情報の一部が外部から参照された形跡があった
  • アマデウス社はすでに必要なセキュリティ対策を完了している
  • 現時点で、情報が不正に使用された事実は確認されていない
  • 運航への影響は無い

旅客サービスシステムとは、航空券の予約、発券、空港での搭乗手続きなどをまとめて処理する仕組みのことです。 航空会社が自社で持たず、専門の会社に委託して使うことが多い仕組みで、今回はその委託先の側で不正アクセスが起きた形です。 どのような経路で入られたのか、なぜ期間が2023年8月からと長いのかは、2026年10月29日時点の発表には書かれていません。 報道や解説で原因を推し量った記述が出ることがありますが、会社の発表に無いことは確かな情報として扱えません。

会社の対応として発表されているのは次の2つです。

  1. 対象の客に今後個別に連絡し、JALグループを装った不審メール、不審電話、偽サイトへの誘導などへの注意喚起を含め、必要な対応を行う
  2. 本件専用の問い合わせ窓口を設ける(2026年10月29日開設)

金銭的な補償やお詫びの品、マイルの付与などについては、2026年10月29日時点の発表に記載がありません。 この記事でも補償の有無は推し量りません。 「お詫びとしてマイルを付与するので、マイレージ番号とパスワードを入力してください」という連絡が来たら、それは発表に無い話なので、まず偽物を疑う材料になります。

自分が対象かを確かめる方法

自分が対象かどうかは、次の順で確かめます。

  1. 2023年8月10日から2026年9月23日までの間に、日本航空か日本トランスオーシャン航空の便名の予約をしたかを思い出す
  2. 会社からの個別の連絡を待つ。発表では、対象の客には今後個別に連絡するとされている
  3. 連絡を待つ間に不安があれば、専用のお問い合わせ窓口に電話で確かめる

ここで注意したいのは、対象が「予約記録の一部」とされている点です。 期間中にJALやJTAの便を予約した人が全員対象になるわけではありません。 逆に、自分で予約した覚えが無くても、家族や勤め先が代わりに予約した便に乗った人は、予約記録に自分の氏名が入っているので、対象に入る可能性があります。 出張や家族旅行で、ほかの人に予約を任せていた場合は、予約した本人と共有しておくと確認が早くなります。

個別の連絡がどの手段で届くのか(メール、郵便、電話など)は、発表には書かれていません。 手段が書かれていない以上、届いた連絡の手段だけで本物か偽物かを決めることはできません。 本物の連絡であっても、その本文のリンクを開くのではなく、ブックマークや自分で入力した公式サイト、公式アプリから中身を確かめる、という順番にしておくと安全です。

連絡の本文に、本当の予約番号や氏名、搭乗日が書かれていても、それだけでは本物の証拠になりません。 今回参照された形跡がある項目そのものなので、偽の連絡を作る側も同じ情報を持っている可能性があるからです。

問い合わせ窓口

この件の専用窓口は、発表に次のとおり載っています。

項目 内容
電話番号(日本国内から) 0120-25-6050 / 03-4332-7280
電話番号(海外から) +81-3-4332-7280
開設期間 2026年10月29日(木)から
受付時間 日本時間10時から17時(土日祝日を除く)

受付は平日の日中だけです。 仕事で日中に電話をかけにくい人は、昼休みの時間帯に混み合うことも考えて、早めの時間にかけるか、聞きたいことを先にメモにしておくと短く済みます。

電話をかける前に手元に用意しておくとよいものは、予約の確認メールや予約番号、搭乗日と区間、JALマイレージバンクの会員なら会員番号です。 自分が区分1と区分2のどちらに当たるか、個別の連絡はいつどの手段で届くのか、を聞くと、その後の動きを決めやすくなります。

逆に、窓口を名乗る相手から電話がかかってきて、パスワードやカード番号を聞かれた場合は、その電話には答えません。 発表では、クレジットカード番号と各種パスワードは漏えいしていないとされています。 漏れていない情報を電話で聞き出そうとする時点で、確かめる価値のある連絡だと判断できます。 いったん切って、上の表の番号に自分からかけ直してください。

対象者がまずすること(区分別に)

この件で漏れたとされる項目には、パスワードもカード番号も含まれていません。 そのため、最初にすることはパスワードの変更ではなく、「JALグループを名乗る連絡にどう応じるか」を決めておくことです。

約90,000名(区分1)の人

区分1の項目は、予約番号、氏名、搭乗日、搭乗区間、搭乗クラスです。 連絡先は含まれていないので、すぐに偽のメールが届く形ではありません。 ただし、ほかのサービスで漏れたメールアドレスや電話番号と組み合わさると、旅程を言い当てる偽の連絡が作れます。

区分1の人が押さえておくことは次のとおりです。

  • 航空会社を名乗るメールやSMSのリンクから、予約の確認や変更をしない
  • 予約の確認は、公式サイトか公式アプリに自分でログインして行う
  • 「予約が取り消された」「払い戻しの手続きが必要」という連絡が来たら、予約の画面で本当かを確かめる

約2,000名(区分2)の人

区分2の人は、メールアドレス、電話番号、マイレージ番号、航空券番号、パスポート番号、国籍まで対象に入っています。 本人に直接届く連絡を作れる情報がそろっているので、区分1より一段注意が要ります。

区分2の人が押さえておくことは次のとおりです。

  • マイレージの会員サイトには、メールのリンクからではなく、公式アプリやブックマークから入る
  • マイルの履歴を公式アプリで見て、身に覚えの無い交換や利用が無いかを確かめる
  • 会員サイトのパスワードを、ほかのサービスと使い回している場合は、ほかのサービスの側を別のパスワードに変える
  • 二段階認証など、ログインのときに追加の確認を求める設定ができるサービスでは、設定しておく

パスワードは漏れていないと発表されているので、この件だけを理由に会員サイトのパスワードを変える必要は、発表からは読み取れません。 ただ、マイレージ番号とメールアドレスが分かっていると、ログイン画面をまねた偽のサイトに誘う連絡が作りやすくなります。 使い回しのパスワードを持っている人は、この機会に見直しておくと安心です。 多要素認証の仕組みや比べ方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版で解説しています。

ほかのサービスで、自分のメールアドレスがすでに漏れていないかを調べる方法は、漏えいを調べる方法の記事にまとめています。

パスポート番号が対象に入っている人

区分2の人が一番気になるのは、パスポート番号でしょう。 発表に書かれているのは、パスポート番号と国籍が「外部から参照された形跡がある項目」に含まれる、ということだけです。 パスポートそのもの(冊子)がなくなったわけではありません。 パスポート番号が参照されたことを理由に、パスポートを作り直す必要があるかどうかは、発表には書かれていません。 この記事でも、作り直しの要否は断定しません。 気になる人は、まず専用窓口で自分の対象項目を確かめたうえで、住んでいる都道府県のパスポートの窓口に相談してください。

外務省は、2026年2月18日の報道発表で、他人になりすまして不正に取得されたパスポートが、他人名義での借金や、詐欺に使う携帯電話の契約、銀行口座の開設に悪用されるおそれがあると説明し、パスポートの申請窓口で本人確認の審査を厳しくする期間を設けています。 パスポート番号や氏名を手がかりに、本人になりすまそうとする動きがあり得るということです。 そのため、区分2の人は次の点に気をつけます。

  • 「パスポートの確認のため」として、パスポートの写真ページの画像を送るよう求める連絡には応じない
  • 航空会社を名乗って、パスポートの有効期限や生年月日を電話で聞き直す連絡には、その電話では答えない
  • 身に覚えの無い借り入れや携帯電話の契約の案内が届いたら、その会社の公式の窓口に確かめる

パスポートの写真ページの画像は、番号だけでなく顔写真と生年月日までそろう情報です。 番号が参照されたことよりも、偽の連絡で画像を渡してしまうことのほうが、取り返しのつかない結果につながります。

偽のメール・SMS・電話の見分け方

発表で会社自身が、JALグループを装った不審メール、不審電話、偽サイトへの誘導に注意するよう呼びかけています。 警察庁も、フィッシングのメールの文面には「個人情報の漏えい」「不正アクセス検知」といった言葉で急がせるものが多いと注意しています。 今回の件は、まさにその言葉がそのまま使える状況です。

見分けるときの考え方は、次の4つに集約できます。

  1. 本文のリンクを開かない。予約やマイルの確認は、公式サイトか公式アプリに自分で入って行う
  2. 本当の予約番号や旅程が書かれていても、本物の証拠にしない
  3. カード番号、パスワード、ワンタイムパスワードを入力させる、または電話で聞く連絡には応じない
  4. 「今日中」「24時間以内」と急がせる連絡ほど、窓口で確かめてから動く

職場で偽メールへの備えを学ぶ仕組みを作りたい人には、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドが参考になります。 偽メールのよくある型と、訓練の進め方を整理した記事です。

偽のサイトにIDやパスワードを入力してしまった場合は、同じIDとパスワードを使っている全てのサービスで、すぐにパスワードを変えます。 カード番号を入力してしまった場合は、カード会社に連絡して利用の停止を相談します。 お金をだまし取られた場合は、最寄りの警察署に相談してください。 相談するときのために、届いたメールやSMSは消さずに残しておきます。

家族や同行者、出張で予約した人の場合

航空券の予約では、1つの予約記録に複数の人の氏名が入ることがよくあります。 家族旅行で親がまとめて予約した場合、子どもや配偶者の氏名も同じ予約記録に入ります。 今回の発表は「人数」で対象を数えているので、同じ予約に入っていた家族も、それぞれ対象の1人になっている可能性があります。

家族で共有しておくとよいことは次のとおりです。

  • 期間中にJALやJTAの便で、誰がどの旅程に乗ったか
  • 予約したときの連絡先(メールアドレスと電話番号)が誰のものか
  • 航空会社を名乗る連絡でお金や暗証番号の話が出たら、家族に相談してから動く
  • 問い合わせに使う専用窓口の番号(0120-25-6050 / 03-4332-7280)

個別の連絡は、予約記録に登録された連絡先に届くと考えるのが自然です。 連絡先を親の番号にしていた場合、子どもの分の連絡も親に届くかもしれません。 家族の中で連絡を受け取った人が、ほかの家族にも中身を伝える役割を決めておくと、偽の連絡との見分けがしやすくなります。

勤め先の出張で、会社の手配の担当者や旅行会社が予約した人も、予約記録には自分の氏名が入っています。 この場合、会社からの個別の連絡は、予約を入れた担当者や旅行会社の連絡先に届くことも考えられます。 出張で期間中にJALやJTAの便に乗った人は、勤め先の総務や出張手配の担当者に、連絡が届いていないかを聞いておくと安心です。 勤め先の側では、社員の出張の予約がまとめて対象に入っている可能性もあるので、社内への注意喚起を出すかどうかを判断する材料になります。

海外から問い合わせる場合と、海外に住む人

対象の期間には国際線の予約も含まれるため、海外に住んでいる人や、海外から日本に来た人も対象に入っている可能性があります。 区分2の項目に国籍とパスポート番号が含まれているのは、国際線の予約でこれらの情報が入力されることが多いためと考えられますが、発表に理由は書かれていません。

海外から専用窓口に問い合わせるときの番号は、+81-3-4332-7280 です。 受付時間は日本時間の10時から17時(土日祝日を除く)なので、住んでいる国の時差を計算してからかけます。 例えば日本より8時間遅い国なら、日本の10時から17時は、現地の同じ日の2時から9時に当たります。 国際電話の料金はかけた側の負担になるのが一般的なので、聞きたいことを先にまとめておくと短く済みます。

海外に住む家族や知人がJALやJTAの便を使っていた場合は、この件の発表があったことと、窓口の番号を伝えておくと親切です。 日本語の報道に触れる機会が少ない人ほど、発表そのものを知らないまま、旅程を言い当てる偽の連絡を受け取る可能性があります。

今後の発表で確かめたいこと

2026年10月29日時点の発表では、まだ分かっていないことがいくつもあります。 続報が出たときに、次の点が書かれているかを見ると、自分に関係する変化を見落とさずに済みます。

  • 不正アクセスの経路と、期間が2023年8月10日からと長い理由
  • 区分2の「など」に含まれる項目の詳しい中身
  • 対象者への個別の連絡の手段と時期
  • 参照された形跡がある情報が、外に持ち出されたかどうか
  • 他の航空会社や旅行会社の予約記録に、同じ委託先の件の影響が広がっているかどうか

特に連絡の手段は、届いた連絡が本物かを見分けるうえで大きな手がかりになります。 会社が「メールでお知らせする」「郵送でお知らせする」と明らかにした後も、その手段で届く偽の連絡は作れるので、本文のリンクから手続きをしないという決まりは続けてください。

困ったときの相談先も確かめておきます。 勧誘や契約のトラブルで相談先が分からないときは、消費者庁の「消費者ホットライン」188に電話すると、近くの消費生活センターなどの窓口を案内してもらえます。 参考: 消費者庁「消費者ホットライン」

届いた連絡を確かめる手順(例で整理)

実際に「JALグループ」を名乗るメールが届いたときの確かめ方を、例で整理します。 例えば、次のような文面が届いたとします。

「お客さまの予約情報が外部から参照された可能性があります。安全のため、24時間以内に下記のリンクから本人確認を行ってください。予約番号:ABC123 搭乗日:2025年8月10日 区間:羽田から那覇」

この文面には、本当の予約番号や旅程が書かれているかもしれません。 それでも、次の順で確かめます。

  1. 本文のリンクは押さない。ブラウザのブックマークか、自分で入力した公式サイト、または公式アプリを開く
  2. 公式サイトのお知らせに、同じ内容の案内が出ているかを見る
  3. 公式サイトで見つからなければ、専用窓口(0120-25-6050)に電話して、同じ連絡を送っているかを聞く
  4. 偽物と分かったら、メールは削除せずに残し、必要なら窓口や警察に見せられるようにする

発表では、会社が対象者に個別に連絡するとしていますが、その中で「24時間以内に本人確認を」と求めるかどうかは書かれていません。 期限を区切って入力を急がせる書き方は、偽の連絡でよく使われる型です。 本物の連絡であっても、公式サイトや窓口で確かめてから動いて不利になることは、まずありません。

電話の場合も考え方は同じです。 相手が予約番号や旅程を正しく言っても、その電話でカード番号やパスワード、パスポートの写真を求められたら答えずに切り、専用窓口に自分からかけ直します。

委託先の事故と、旅行の予約の考え方

今回の件は、航空会社そのものではなく、予約を処理するシステムの委託先で起きたものです。 航空券の予約は、航空会社の公式サイトのほかに、旅行会社や予約サイト、勤め先の出張手配の仕組みなど、いくつもの経路から入ります。 どの経路で予約しても、最後は航空会社の予約記録に入るため、利用者の側から「この経路なら安全」と選び分けることはできません。

利用者の側でできるのは、予約の後に届く連絡の扱いを決めておくことです。 予約の確認、変更、払い戻しは、予約した経路の公式サイトかアプリで行う。 予約の確認メールは、予約番号を控えるために保存し、そのメールのリンクから手続きをする習慣はやめる。 この2つを守るだけで、旅程を言い当てる偽の連絡に乗せられる余地は小さくなります。

また、予約の際に入力する情報も見直す価値があります。 マイレージの会員番号、パスポートの情報、連絡先は、国際線の予約では入力が必要になる場面があります。 必要な場面では入力するしかありませんが、パスポートの情報を事前に会員情報に保存しておくかどうかは、自分で選べる場合があります。 使う頻度と、漏れたときの影響を比べて決めるとよいでしょう。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で仕事をしているフリーランスや副業の人の中には、取引先の出張や来日する関係者の航空券の手配を請け負っている人もいます。 秘書業務やオンラインアシスタント、イベントの運営支援などの仕事では、他人の氏名やパスポートの情報を預かって予約を入れることがあります。

その場合、今回の件は自分の旅程だけの話ではありません。 自分が予約を入れた相手が、対象の期間にJALやJTAの便に乗っていれば、その人の情報が対象に入っている可能性があります。 会社からの個別の連絡は、予約記録の連絡先に届くはずなので、予約の連絡先を自分にしていた場合は、自分のところに届く連絡を本人に伝える役目が生じることも考えられます。

取引先や本人に知らせるかどうかは、次の2つで考えます。 1つは、業務委託の契約や秘密保持の取り決めに、情報に関する事故があったときの報告の定めがあるかです。 定めがあれば、契約どおりに報告します。 もう1つは、今回の件が、自分の不注意による漏えいではなく、航空会社の委託先で起きたことだという点です。 自分に報告の義務がある形ではなくても、「航空会社の発表で、予約情報の一部が外部から参照された形跡があるとされた。対象かどうかは個別の連絡か専用窓口で確かめられる」と事実を伝えておくと、相手は自分で確かめる手を打てます。

個人情報保護委員会は、事業者が個人データを漏えいした場合などに報告が義務になる場合を公式ページで示しています。 参考: 個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」 自分が預かった情報の扱いで判断に迷うときは、同じページで案内されている個人情報保護法相談ダイヤルで、状況を伝えて確かめるのが確実です。

独自データの考察。委託先の事故は、在宅で働く人にとっても他人事ではない

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、情報の事故は、情報を集めた会社そのものよりも、その会社が仕事を任せた先で起きることが少なくありません。 今回の件も、航空会社が予約の処理を任せていたシステムの会社で起きました。 在宅で仕事を受ける人は、取引先から見れば「仕事を任せる先」、つまり委託先の立場です。 預かった顧客名簿や原稿、旅程の情報を、自分のパソコンやメール、クラウドでどう守っているかは、取引先にとっては自社の情報の守り方の一部になります。

運営者として見てきた実感では、長く仕事が続く人ほど、仕事を受ける段階で「預かった情報をどこに保存し、仕事が終わったらどう削除するか」「事故があったら誰にいつ知らせるか」を取引先と話しています。 こうした取り決めは、手数料のような目に見える条件よりも、「この人には安心して任せられる」という評価につながりやすいものです。 直接取引で中間の手数料が乗らない関係なら、その分を情報の扱いの丁寧さにかける余裕も生まれます。

情報の守り方を仕事にする道もあります。 委託先の管理や社員向けの注意喚起の資料づくりなど、中小企業のセキュリティ対策を支援する仕事は、求められる場面が増えている分野です。 AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、@SOHOで扱っているこの分野の仕事の内容と、求められるスキルを紹介しています。 中小企業がセキュリティ対策に使える支援の制度は、中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法で整理しています。 不正アクセスの仕組みをネットワークの基礎から学ぶなら、CCNA(シスコ技術者認定)のような資格が入口になります。

最後に、この記事の数字と項目は、2026年10月28日の日本航空と日本トランスオーシャン航空の発表(2026年10月29日時点の記載)にもとづいています。 対象の範囲や会社の対応が今後変わる可能性があるので、公式サイトのお知らせか専用窓口で最新の情報を確かめてから動くことを基本にしてください。

よくある質問

Q. JALの便を予約したことがあります。自分の情報も漏れたのですか?

発表では、2023年8月10日から2026年9月23日の間の、JALとJTAの便名の予約記録の一部が外部から参照された形跡があるとされています。期間中に予約した人の全員ではありません。対象の人には会社から個別に連絡するとされているので、不安なときは専用窓口(0120-25-6050、平日10時から17時)で確かめてください。

Q. クレジットカード番号やパスワードは漏れていますか?

発表では、クレジットカード番号と各種パスワードの漏えいは無いと明記されています。カード番号やパスワードを確認のためと聞く連絡が来たら、発表と合わない話なので応じず、公式サイトや専用窓口に自分から確かめてください。

Q. パスポート番号が対象に入っていたら、作り直す必要がありますか?

発表には、パスポートを作り直す必要があるかどうかは書かれていません。パスポート番号が含まれるのは約2,000名の区分です。まず専用窓口で自分の対象項目を確かめ、作り直しを考えるときは住んでいる都道府県のパスポートの窓口に相談してください。写真ページの画像を求める連絡には応じないでください。

Q. 専用窓口はいつ、何時に電話できますか?

2026年10月29日(木)に開設され、受付は日本時間10時から17時(土日祝日を除く)です。番号は日本国内から0120-25-6050または03-4332-7280、海外からは+81-3-4332-7280です。予約番号や搭乗日を手元に用意してからかけると話が早くなります。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月29日
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