役に立つ検定|仕事で評価されるもの


この記事のポイント
- ✓仕事で評価されるかどうかの視点で解説します
- ✓国家検定と民間検定の違い
- ✓事務・お金・法律・IT・語学・ものづくりの分野別に評価されやすい検定
役に立つ検定を探している人の多くは、時間とお金をかけて取った検定が、就職や転職、今の職場での評価にきちんとつながるのかを知りたいはずです。結論から書くと、仕事で評価される検定は「求人の応募条件や社内の評価の基準に名前が出てくるもの」で、検定の知名度や難しさだけでは決まりません。この記事では、国家検定と民間検定の違いから始めて、分野ごとに評価されやすい検定、職種別の優先順位、選び方の基準、勉強の手順、履歴書への書き方までを順に説明します。
仕事で評価される検定とは何か
検定と資格は同じ意味で使われることが多いですが、厳密には少し違います。資格は、持っている人に特定の仕事が認められるもので、看護師や税理士のように持っていないとできない仕事がある資格もあります。検定は、知識や技能がどの水準にあるかを試験で測り、その結果を証明するものです。検定に合格しても、それだけで新しく仕事ができるようになるわけではありません。
検定は、実施する団体によって大きく2つに分かれます。1つは国が法律に基づいて行う国家検定、もう1つは民間の団体が独自に行う民間検定です。国家検定の代表が、厚生労働省が所管する技能検定です。厚生労働省は技能検定を次のように説明しています。
技能検定とは、働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度で、機械加工、建築大工やファイナンシャル・プランニングなど全部で133職種(※)の試験があります。試験に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。 出典: mhlw.go.jp
133職種のうち、都道府県が実施するものが111職種、指定試験機関が実施するものが22職種です(令和8年3月3日時点)。お金の知識を問うファイナンシャル・プランニング技能検定も、この技能検定の1つです。
一方、日商簿記検定やTOEIC、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は民間の団体が行う検定です。民間検定だから評価が低いということはなく、簿記やTOEICのように多くの企業の採用や昇進の基準に使われている民間検定もあります。
仕事で評価されるかどうかを決めるのは、国家か民間かではなく、次の2点です。
- 求人の応募条件や歓迎条件に、その検定の名前が出てくるか
- 勤め先の評価や資格手当の対象に、その検定が入っているか
この2点に当てはまる検定は、取ったことがそのまま仕事の評価につながります。どちらにも当てはまらない検定は、学びとしての価値はあっても、取っただけで仕事の評価が変わることは少なくなります。
検定が仕事で役に立つ3つの場面
検定が仕事で役に立つ場面は、大きく分けて3つあります。
1つ目は、就職や転職の応募のときです。経理の求人で「日商簿記2級以上」、外資系企業や海外との取引がある会社の求人で「TOEIC L&R 何点以上」と書かれているように、応募の条件として検定が使われることがあります。条件を満たしていないと書類で落とされることもあるため、目指す仕事の求人で多く求められる検定は、優先して取る価値があります。
2つ目は、今の職場での評価のときです。会社によっては、特定の検定に合格すると資格手当や合格の一時金が出たり、昇格の条件に検定が入っていたりします。どの検定が対象かは会社ごとに違うため、就業規則や人事の案内で確かめてください。会社が受験料を負担してくれる検定もあります。
3つ目は、仕事の質そのものを上げるときです。検定の勉強は、それまで経験で覚えていた仕事を、体系的な知識として整理し直す機会になります。例えば、経理の仕事をしている人が簿記の上位の級を学ぶと、日々の仕訳が決算書のどこにつながるのかが分かるようになり、仕事の判断が速く正確になります。
このほか、独立して個人で仕事を受ける人にとっては、検定が信頼の材料になる場面もあります。初めて仕事を頼む相手は、受ける人の力量を実績だけでは判断しきれないため、検定の合格は「一定の水準の知識がある」ことを示す分かりやすい手がかりになります。プロフィールに検定名と級を書いておくと、依頼する側が安心して声をかけやすくなります。
この3つの場面のうち、どれを目的にするかで、選ぶべき検定は変わります。転職のためなら求人の条件、今の職場での評価のためなら社内の基準、仕事の質のためなら今の業務に直結する検定を選ぶのが近道です。
事務の仕事で評価されやすい検定
事務の仕事は求人の数が多い一方で、応募する人も多いため、検定で差がつきやすい分野です。
日商簿記検定
日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する簿記の検定で、1級・2級・3級・初級などの段階があります。簿記は、会社のお金の出入りを記録し、決算書を作るための技術です。経理の仕事では2級以上が応募条件になっていることが多く、3級は経理の基礎を学んだ証明として事務職全般で評価されます。
2級と3級、初級はネット試験でも受けられ、全国の試験会場で自分の都合のよい日を選んで受験できます。試験の種類や受験者のデータは日本商工会議所の簿記検定のページで公開されています。働きながら受けやすい点も、社会人に選ばれている理由です。経理以外の仕事でも、営業や企画の人が簿記を学ぶと、取引先の決算書を読んだり、自社の利益の仕組みを理解したりする力がつきます。
マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
ワード、エクセル、パワーポイントなどの操作のスキルを証明する検定で、株式会社オデッセイ コミュニケーションズが運営しています。事務の求人では「エクセルが使える人」が条件になっていることが多く、MOSはその「使える」を客観的に示す手段になります。
受験の方法は、毎日実施されている随時試験と、決まった日に全国の会場で行われる全国一斉試験の2つがあります。全国一斉試験は2026年12月までで終了することがMOSの公式サイトで告知されているため、これから受ける人は随時試験の会場と日程を確かめてください。受験料や試験の内容、合格証は、どちらの方法でも同じです。
ビジネス文書検定
社内外に出す文書を正しく書く力を測る検定です。報告書、案内状、お礼状などのビジネス文書の形式や、敬語の使い方、分かりやすい文の書き方を学べます。検定の内容と仕事への生かし方はビジネス文書検定で詳しく紹介しています。事務の仕事だけでなく、メールや資料でのやりとりが多い仕事全般で、文章の基本を身につける手段になります。
お金と法律の仕事で評価されやすい検定
お金や法律に関わる知識は、業種を問わず多くの仕事で使われます。
ファイナンシャル・プランニング技能検定
国家検定の技能検定の1つで、税金、保険、年金、住宅ローン、相続など、家計に関わるお金の知識を幅広く問います。3級から1級まであり、段階を追って受験します。金融機関、保険会社、不動産会社の窓口の仕事では評価されやすく、合格すると「ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗ることができます。
お金の知識は、仕事だけでなく自分の家計の見直しにも役立つため、職種に関係なく学ぶ人が多い検定です。会社の総務や人事の仕事では、社会保険や年金の基本を理解するのにも役立ちます。
ビジネス実務法務検定
東京商工会議所が実施する、仕事で必要な法律の知識を問う検定です。契約、取引、労務、知的財産など、会社の実務で出会う法律の基本を学べます。法務部門だけでなく、営業で契約書を扱う人や、総務で社内の決まりを作る人にも役立ちます。
法律の知識は、トラブルを未然に防ぐ力になります。契約書のどこを確かめればよいかが分かるようになると、取引先とのやりとりで判断に迷う場面が減ります。
ITと語学の分野で評価されやすい検定
ITと語学の検定は、多くの企業で採用や昇進の目安として使われています。
ITパスポート試験
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験で、ITを使う全ての社会人が身につけておきたい基礎知識を問います。出題はITの技術だけでなく、経営の考え方、法律、セキュリティまで含まれるため、IT企業以外の会社でも評価されます。
試験はコンピュータで受ける方式で、年間を通じて随時実施されています。自分の都合に合わせて受験日を選べるので、働きながら受けやすい試験です。ITの仕事を目指す人にとっては入口になり、その上には基本情報技術者試験などの段階があります。
ネットワークの仕事を目指す人には、ネットワーク機器の大手メーカーが認定するCCNA(シスコ技術者認定)もあります。ネットワークの設計や運用の基礎を問う資格で、インフラの仕事の入口として評価されています。
TOEIC Listening & Reading Test
英語の聞き取りと読解の力をスコアで測るテストで、リスニング約45分・100問とリーディング75分・100問の合計約2時間で200問に答えるマークシート方式です。合否ではなくスコアで結果が出るため、企業が採用や昇進の目安として「何点以上」と条件を決めやすく、多くの企業で使われています。結果は試験日から17日後に申込サイトで表示されます。
実用英語技能検定(英検)
公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語の検定で、5級から1級まで段階があり、準2級プラスという段階も設けられています。読む・聞く・書く・話すの4つの技能を測るため、英語の総合的な力を示せます。学生の進学で使われることが多い検定ですが、準1級以上は仕事でも評価されることがあります。
ものづくりと現場の仕事で評価される技能検定
製造業や建設業、サービス業の現場で働く人には、技能検定が評価の基準になることが多くあります。
技能検定には、機械加工、電気機器組立て、建築大工、左官、造園、ウェブデザイン、ファイナンシャル・プランニングなど、さまざまな職種があります。多くの職種で特級・1級・2級・3級などの等級に分かれていて、実技試験と学科試験の両方に合格すると、その等級の技能士と名乗ることができます。
技能検定は国家検定なので、全国どこでも同じ基準で評価されます。製造業の会社では、技能士の資格を持つ人に手当を出したり、昇格の条件にしたりしているところがあります。また、職種によっては、技能検定に合格していることが、仕事を受ける際の条件や、職場の技術力を示す材料になることもあります。
技能検定というと工場や建設の現場の検定という印象を持つ人が多いですが、事務や在宅の仕事に関係する職種もあります。例えば、ウェブデザインの職種はWebサイトの制作の技能を、ファイナンシャル・プランニングの職種はお金の相談の知識を、それぞれ国家検定として評価するものです。指定試験機関が実施する22職種の中には、こうしたサービスの分野の職種が多く含まれています。自分の仕事に近い職種がないかを、厚生労働省の技能検定職種一覧で一度確かめておくと、思わぬ選択肢が見つかることがあります。
技能士の資格は、合格した職種と等級が合格証書に記載され、名刺や会社の紹介ページに書くことができます。国家検定であることが取引先にも伝わりやすいため、個人で仕事を受ける人にとっても信頼の材料になります。
技能検定の多くは都道府県の職業能力開発協会が実施しています。自分の仕事に関係する職種があるか、受験にどのくらいの実務経験が必要かは、職種と等級によって違うため、地域の職業能力開発協会で確かめてください。
検定と実務経験はどちらが評価されるか
検定を取ろうか迷っている人からよく出る疑問が、「検定と実務経験は、どちらが評価されるのか」というものです。答えは、仕事に就く前と就いた後で変わります。
未経験の仕事に応募するときは、検定が大きな意味を持ちます。採用する側は、応募者がその仕事の基礎知識を持っているかを、実務経験で判断できないためです。未経験から経理を目指す人が日商簿記2級を持っていれば、仕訳や決算の基本を学んだことが一目で伝わります。
一方、同じ分野で数年働いた後は、実務経験のほうが重く見られるようになります。どんな会社で、どんな規模の仕事を、どこまで任されてきたかが評価の中心になり、検定はその経験を裏付ける材料という位置づけに変わります。
つまり、検定と実務経験は競い合うものではなく、順番に積み上げていくものです。未経験の段階では検定で入口を開き、仕事に就いたら実務経験を積み、経験を積んだ後に上の級の検定で知識を整理し直す。この繰り返しが、仕事で評価され続けるための確実な流れです。
実務経験が長い人が検定を取るときは、経験だけでは身につきにくい部分を補う意識を持つと効果的です。現場で覚えた手順を、なぜそうするのかという理屈から学び直すと、後輩に教えたり、仕事のやり方を見直したりするときに役立ちます。
検定の難しさと勉強時間の考え方
検定を選ぶときは、合格までにどのくらいの時間がかかるかも見積もっておく必要があります。難しさは、合格率だけでなく、試験の範囲の広さと、自分がすでに持っている知識で決まります。
例えば、同じ簿記の検定でも、経理の仕事をしている人と、まったく初めての人とでは、合格までにかかる時間が大きく違います。ITパスポート試験も、パソコンを日常的に使っている人と、ほとんど使ったことがない人では、勉強の量が変わります。主催団体や教材の出版社が示している勉強時間の目安は、あくまで平均的な人を想定したものだと考えてください。
自分にとっての難しさを知るには、最初に公式のサンプル問題を解いてみるのが一番です。正解できた割合を見れば、どのくらい勉強すれば合格の水準に届くのかがおおよそ分かります。半分以上解けるなら、数週間から数か月の勉強で合格が見えてきます。ほとんど解けない場合は、下の級から始めるか、勉強の期間を長めに取る計画を立ててください。
勉強の時間は、1日に何時間取れるかではなく、1週間に何時間取れるかで考えると現実的です。平日に毎日30分、休日に2時間ずつ取れれば、1週間で約6時間になります。これを続けると、1か月で約25時間、3か月で約75時間の勉強ができます。
職種別に見た検定の優先順位
ここまでの検定を、職種ごとにどの順番で取るとよいかで整理します。
| 目指す仕事 | 最初に取る検定 | 次に目指す検定 |
|---|---|---|
| 一般事務 | MOS(ワード・エクセル) | 日商簿記3級、ビジネス文書検定 |
| 経理 | 日商簿記3級 | 日商簿記2級 |
| 営業・販売 | 日商簿記3級、ビジネス実務法務検定 | FP技能検定 |
| 金融・保険・不動産の窓口 | FP技能検定3級 | FP技能検定2級 |
| ITの仕事 | ITパスポート試験 | 基本情報技術者試験、CCNA |
| 外資系・海外取引のある会社 | TOEIC L&R | 英検準1級 |
| 製造・建設の現場 | 仕事に関係する技能検定の3級・2級 | 同じ職種の1級 |
表は目安で、実際の優先順位は目指す求人によって変わります。最も確実なのは、気になる職種の求人を10件ほど見て、応募条件と歓迎条件に書かれている検定を数えることです。多く出てくる検定から取れば、時間とお金のむだを減らせます。
検定を選ぶときに迷ったら確かめたいこと
検定は数が多く、似た名前のものもたくさんあります。迷ったときは、次の4つを確かめると判断しやすくなります。
1つ目は、主催団体と試験の中身が公開されているかです。仕事で評価される検定は、主催団体が試験の範囲、合格の基準、受験者数などを公開していることが多くあります。講座を受ければ誰でも認定証がもらえるものは、学びにはなっても、仕事の評価にはつながりにくい傾向があります。
2つ目は、更新や有効期限があるかです。検定の多くは一度合格すれば有効ですが、一部の資格は数年ごとに更新が必要です。TOEICのようにスコアで結果が出るテストは、期限がなくても、企業から「何年以内のスコア」を求められることがあります。
3つ目は、受験の費用と勉強の時間です。受験料のほか、テキスト代、講座の受講料も含めて見積もってください。勉強の時間は、目安の時間を週の勉強時間で割ると、合格までの月数が分かります。
4つ目は、受験の方法と日程です。コンピュータで随時受けられる検定は、自分の予定に合わせやすい一方、年に1回か2回しか試験がない検定は、日程を逃すと次の機会まで半年から1年待つことになります。
効率よく合格するための勉強の手順
働きながら検定を目指す人に向けて、どの検定にも使える勉強の手順を紹介します。
- 公式の試験範囲と過去の問題を見る。最初に、何がどのくらい出るのかをつかむ
- テキストを1冊決めて、最初から最後まで一度読み通す。分からない部分があっても止まらずに進む
- 問題集を解き、間違えた問題に印を付ける
- 印を付けた問題の部分だけテキストに戻って読み直す
- 間違えた問題を、解けるようになるまで繰り返し解き直す
- 試験の2週間前からは、時間を計って本番と同じ形式で解く
ポイントは、教材を増やしすぎないことです。テキストと問題集をそれぞれ1冊に絞り、同じ教材を繰り返すほうが、知識が定着します。また、毎日少しずつでも続けることが大切です。平日は通勤の時間に30分、休日に2時間というように、勉強の時間を生活の中に組み込むと、無理なく続けられます。
勉強を始める前に、まず試験の申し込みをしてしまうのも有効な方法です。試験日が決まると、そこから逆算して計画を立てられ、先延ばしを防げます。
試験の直前と当日の過ごし方
勉強の成果を本番で出し切るには、直前の過ごし方も大切です。
試験の1週間前からは、新しい教材に手を出さず、これまで使ってきた問題集で間違えた問題だけを解き直します。この時期に新しい論点を覚えようとすると、すでに覚えたことまで混乱しやすくなります。自分で書き出した要点のメモを見返して、覚えたことを確かめる時間に充ててください。
コンピュータで受ける検定は、画面での操作に慣れておくことも必要です。ITパスポート試験や日商簿記のネット試験は、主催団体が体験用の画面や操作の説明を用意していることがあります。紙の問題集だけで勉強してきた人は、画面で問題を読み、選択肢をクリックし、見直しの印を付ける操作を事前に試しておくと、本番で戸惑いません。
当日は、受験票や本人確認の書類など、持ち物を前の日に揃えておきます。会場までの経路と所要時間も確かめておき、余裕を持って到着するようにしてください。試験中に分からない問題があっても、そこで時間を使いすぎず、解ける問題から先に解いていくと、全体の点数を落とさずに済みます。
検定の費用を抑える方法
検定の受験料は数千円から1万円台のものが多いですが、テキストや講座の費用を含めると、それなりの出費になります。費用を抑える方法をいくつか紹介します。
1つ目は、勤め先の補助を確かめることです。会社によっては、業務に関係する検定の受験料を負担したり、合格したら受験料を払い戻したりする制度があります。人事の担当や就業規則で確かめてください。
2つ目は、雇用保険の教育訓練給付金です。厚生労働大臣が指定した講座を受けて修了すると、受講料の一部が支給されます。一般教育訓練の場合は、受講料などの経費の20%(上限10万円)が修了後に支給されます。簿記やITの講座の中にも指定を受けているものがあり、対象かどうかは教育訓練講座検索システムで調べられます。受給には雇用保険に加入していた期間などの条件があるため、ハローワークで確かめてください。
3つ目は、独学の教材を工夫することです。主催団体が公式のサンプル問題や過去の問題を公開している検定は、それを使うだけでも出題の傾向をつかめます。図書館でテキストを借りて、自分に合うものを確かめてから買うのも、むだな出費を減らす方法です。
立場別に見た検定の選び方
同じ検定でも、今の立場によって役に立ち方が違います。
学生の人は、就職活動で企業に示しやすい検定を優先すると効果的です。TOEIC L&R、日商簿記、ITパスポート試験は、業種を問わず多くの企業が知っている検定で、学んだ姿勢を示す材料になります。
社会人になって数年の人は、今の仕事の専門性を深める検定と、次に目指す仕事に必要な検定を、1つずつ選ぶとよいでしょう。今の仕事に直結する検定は社内の評価につながり、次の仕事のための検定は転職の準備になります。
子育てや介護で働く時間が限られている人は、試験日を自分で選べる検定を選ぶと続けやすくなります。コンピュータで随時受けられる検定は、家族の予定に合わせて受験日を決められます。
40代以降の人や、定年後も働きたい人は、これまでの経験と組み合わせられる検定を選ぶと強みになります。経理の経験がある人がFP技能検定を取る、現場の経験がある人が技能検定の上の等級を取るといったように、経験の上に検定を重ねると、採用する側に伝わりやすい経歴になります。
「役に立たない」と言われる検定の見分け方
検定の中には、「取っても役に立たない」と言われるものもあります。役に立たないかどうかは目的によって変わりますが、仕事の評価を目的にするなら、次のような検定は注意が必要です。
- 講座を受けるだけで、試験なしに認定証がもらえる
- 主催団体の情報や、試験の範囲・合格の基準が公開されていない
- 受講料や教材費が高額なのに、仕事につながる根拠が示されていない
- 「合格すれば仕事を紹介する」「在宅で高収入」といった勧誘で申し込みを急がせる
こうした検定が悪いわけではなく、趣味や教養として学ぶ価値はあります。ただ、仕事の評価を目的に取るなら、求人の条件に名前が出てくるかを先に確かめてください。高額な講座の契約で困ったときは、消費生活センターに相談できます。
合格した後にやること
検定に合格したら、それを仕事の評価につなげるための手続きと行動があります。
まず、勤め先に報告することです。資格手当や合格の一時金の制度がある会社では、合格証の写しを人事に提出する手続きが必要なことがあります。申請しないと手当が出ないこともあるため、合格したら早めに確かめてください。
次に、学んだ知識を実際の仕事で使うことです。検定で学んだことは、使わないと時間とともに忘れていきます。簿記を学んだら仕訳を自分で確かめてみる、エクセルの検定に合格したら日々の集計を関数で自動化してみるというように、すぐに仕事で使うと、知識が経験に変わります。
そして、次の段階を決めることです。同じ検定の上の級を目指すのか、別の分野の検定を取るのかを、仕事の目標に合わせて決めます。1つ合格すると勉強の習慣がついているため、次の検定にも取り組みやすい時期です。
履歴書に検定を書くときの注意点
取った検定は、履歴書に正しく書くことで評価の材料になります。書くときは、次の点に注意してください。
- 検定名は正式名称で書く(「簿記2級」ではなく「日本商工会議所簿記検定試験2級 合格」)
- 級やスコアまで書く
- 取得した年月を書き、古い順に並べる
- TOEICは「TOEIC Listening & Reading Test 何点 取得」のように、テストの名前とスコアを書く
- 勉強中の検定は「取得に向けて勉強中」と書いてもよい
応募する仕事に関係のない検定を全部並べると、かえって何を強みにしているのかが伝わりにくくなります。応募する仕事に関係する検定を中心に書き、ほかの検定は数を絞ったほうが、読み手に伝わりやすい履歴書になります。
検定で得た力を在宅の仕事にいかす
検定で身につけた知識は、会社の中だけでなく、在宅で受ける仕事にもいかせます。簿記の知識を持つ人が個人事業主の帳簿づけを手伝ったり、FPの知識を持つ人がお金の記事を書いたり、エクセルのスキルを持つ人がデータの集計の仕事を受けたりする形です。
記事を書く仕事では、検定の勉強で身につけた正確な知識が強みになります。お金や法律、ITの記事では、制度や数字を正しく書ける書き手が求められています。経験を積んで報酬を上げていく方法はWebライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で詳しく説明しています。デザインの仕事に関心がある人は、仕事の相場をデザイナーの年収・単価相場で確かめておくと、検定の先にどんな仕事があるのかをつかみやすくなります。
在宅ワークや業務委託の仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、検定を仕事につなげている人は、合格したことを書くだけでなく、「その知識で何ができるか」を具体的に示しています。簿記の検定なら「月末の帳簿の締めまで任せられる」、エクセルの検定なら「集計表の自動化まで対応できる」というように、依頼者の困りごとに置き換えて伝えると、仕事を任されやすくなります。
また、手数料0%で依頼者と直接やりとりできる仕組みでは、依頼する側は同じ予算でより多くの作業を頼め、受ける側は報酬がそのまま手元に残ります。検定で身につけた専門の知識を持つ人ほど、中間の差し引きのない取引で、知識に見合った手取りを確保しやすくなります。
役に立つ検定を選ぶときは、知名度や難しさではなく、目指す仕事の求人と勤め先の評価の基準に名前が出てくるかで判断し、多く求められるものから順に取るのが確実な道です。受験の方法や日程、受験料は見直されることがあるため、申し込む前には各検定の主催団体の公式の案内を必ず確かめてください。
よくある質問
Q. 就職や転職で一番役に立つ検定は何ですか?
目指す仕事によって変わります。経理なら日商簿記2級、一般事務ならMOSと日商簿記3級、外資系の会社ならTOEIC L&R、ITの仕事ならITパスポート試験が多くの求人で求められています。気になる職種の求人を10件ほど見て、応募条件に多く出てくる検定から取るのが確実です。
Q. 国家検定と民間検定はどちらが評価されますか?
国家か民間かだけで評価が決まるわけではありません。国家検定の技能検定は全国で同じ基準で評価されますが、日商簿記やTOEICのように、民間検定でも多くの企業の採用や昇進の基準に使われているものがあります。求人の条件や勤め先の評価の基準に名前が出てくるかで判断してください。
Q. 働きながらでも受けやすい検定はありますか?
コンピュータで受ける方式の検定は、試験日を自分で選べるため働きながらでも受けやすくなっています。ITパスポート試験は年間を通じて随時実施され、日商簿記の2級と3級もネット試験で受けられます。MOSも毎日実施されている随時試験で受験できます。
Q. 検定は履歴書にいくつ書けばよいですか?
数の決まりはありませんが、応募する仕事に関係する検定を中心に書くのが基本です。関係のない検定を全部並べると、何を強みにしているのかが伝わりにくくなります。検定名は正式名称で書き、級やスコア、取得した年月を添えてください。勉強中の検定は「取得に向けて勉強中」と書いてもかまいません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







