テレワークの労働時間管理で押さえる記録の方法と、チームでの運用

@SOHO編集部
@SOHO編集部
テレワークの労働時間管理で押さえる記録の方法と、チームでの運用

この記事のポイント

  • ✓テレワークの労働時間管理を
  • ✓厚生労働省のガイドラインに沿って整理します
  • ✓客観的な記録と自己申告の使い分け

テレワークを導入したものの、部下が何時から何時まで働いているのかが見えない。申告された時間を信じてよいのか分からず、かといって監視のような管理はしたくない。テレワークの労働時間管理に悩む管理者や労務の担当者は少なくありません。

この記事では、テレワークの労働時間管理について、厚生労働省のガイドラインに沿って、記録の方法、途中で仕事を離れる時間の扱い、労働時間制度ごとの注意点、長時間労働を防ぐ仕組みを整理します。後半では、チームで運用を回す手順と、記録の道具の比べ方も紹介します。結論を先に書くと、テレワークの労働時間管理は「記録の方法を決める」「中抜けの扱いを就業規則で決める」「時間外の連絡の決まりを作る」の3つを先に固めると、運用で迷う場面が大きく減ります。仕事の進み具合と稼働時間をまとめて見たいチーム向けに、プロジェクト管理のPinatecaにも触れます。

テレワークでも労働時間のルールはオフィスと同じ

最初に押さえておきたいのは、テレワークだからといって、労働時間の決まりが緩くなるわけではないことです。雇用されて働く人がテレワークをする場合も、労働基準法などの労働時間の決まりはオフィスで働く場合と同じように当てはまります。

具体的には、次のような決まりがテレワークにもそのまま当てはまります。

・会社には、働く人の労働時間を適切に把握する責任がある
・法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超えて働かせるには、労使で時間外労働の協定(いわゆる36協定)を結んで届け出る必要がある
・時間外労働、休日労働、深夜労働には割増賃金を支払う必要がある
・時間外労働には上限がある(原則として月45時間、年360時間)

厚生労働省は、労働時間の決まりと、会社が労働時間を把握するために講ずべき措置をまとめたガイドラインを、労働時間・休日のページで案内しています。テレワークについては、これを踏まえた「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」(以下、テレワークのガイドライン)が出ており、テレワーク特有の場面での扱いが説明されています(テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン)。

一方で、業務委託で仕事を受けるフリーランスは、雇用されていないため、労働基準法の労働時間の決まりは原則として当てはまりません。同じチームに社員と業務委託のメンバーが混ざっている場合は、社員の労働時間の管理と、業務委託のメンバーの稼働の確認を分けて考える必要があります。業務委託のメンバーに対して、始業と終業の時刻を指定したり、細かく作業を指示したりすると、実態として雇用に近いと判断されるおそれがあるので注意が必要です。

テレワークの労働時間管理で、現場が困っていること

テレワークの労働時間管理では、働く側も管理する側も、それぞれに悩みを抱えています。厚生労働省の委託調査をもとにした解説では、両者の課題が次のように紹介されています。

まず、在宅勤務の従業員がテレワーク時の課題として挙げている労働時間関係の事項(複数回答)は、「オフィス勤務時よりも勤怠管理や業務の進捗確認が難しい」(15.1%)、「長時間労働になりやすい」(10.6%)、「時間管理が難しい」(9.9%)である。 一方、企業側が感じている課題としては、「労働時間の申請が適性かどうかの確認が難しい」(34.2%)「勤怠管理が難しい」(31.8%)、「労働時間の適正な申告が徹底されていない」(6.1%)、「長時間労働になることが増えている」(2.8%)、「時間外労働等が増加し、割増賃金の支払いが増えている」と多岐にわたる。 出典: office.uchida.co.jp

働く側の課題より、会社側の課題の割合が大きいことが分かります。特に「申請が適正かどうかの確認が難しい」と答えた会社が34.2%あり、テレワークでは働く様子が見えないことによる不安が、管理する側に強く出ています。

ここで大切なのは、不安を減らす方法として「監視を強める」以外の道があることです。パソコンの画面を常に撮影するような管理は、働く人の負担と反発を生み、かえって正しい申告をさまたげることがあります。テレワークのガイドラインが示しているのは、記録の方法を決め、ずれがあれば補正し、長時間労働を防ぐ決まりを作る、という仕組みでの管理です。

労働時間の把握は、客観的な記録が原則

テレワークのガイドラインは、労働時間の把握の方法を大きく2つに分けて説明しています。客観的な記録による方法と、本人の申告による方法です。

客観的な記録による把握

原則となるのは、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録をもとに、始業と終業の時刻を確認する方法です。テレワークのガイドラインは、テレワークで使う情報通信機器の使用時間の記録や、サテライトオフィス(会社が用意した自宅近くの仕事場)の入退場の記録で労働時間を把握する方法を挙げています。

具体的には、次のような記録が使われています。

・会社のパソコンの起動と終了の時刻
・社内システムやVPN(会社のネットワークに外から安全につなぐ仕組み)へのログインとログアウトの時刻
・勤怠管理のシステムでの打刻
・サテライトオフィスの入退室の記録

ただし、これらの記録が始業と終業の時刻を正しく反映しているとは限りません。パソコンを起動したまま家事をしていた、パソコンを使わずに電話や紙の作業をしていた、という場面もあるからです。記録をそのまま労働時間とみなすのではなく、実態と合っているかを確かめる運用が必要です。

本人の申告による把握

パソコンの記録が始業と終業の時刻を反映できない場合は、本人の申告で把握する方法も認められています。テレワークのガイドラインは、簡単な方法の例として、1日の終業時に始業と終業の時刻をメールなどで報告させる方法を挙げています。

自己申告で運用するときに会社がするべき3つのこと

本人の申告で労働時間を把握する場合、テレワークのガイドラインは、会社がしなければならない措置を示しています。ここを押さえておかないと、申告の仕組みが形だけになり、未払いの残業代や過重労働の問題につながります。

1. 申告のしかたを十分に説明する

働く人に対して、労働時間の実態を記録し、正しく申告するよう十分に説明します。あわせて、実際に部下の労働時間を管理する上司にも、申告の仕組みを正しく運用するよう説明します。説明の内容は、申告の締め切り、中抜けの報告のしかた、時間外に働いたときの扱いなどです。

2. ずれがあれば補正する

申告された時刻と、パソコンの使用状況などの事実との間に大きなずれがあると分かった場合は、労働時間を補正します。テレワークのガイドラインは、ずれの例として、申告された時間以外にメールが送られている、申告された終業時刻の外で長時間パソコンが起動していた、という場面を挙げています。

3. 正しい申告をさまたげない

申告できる残業時間に上限を設けるなど、正しい申告をさまたげる措置をしてはいけません。「残業は月10時間までしか申告できない」といった運用は、実際の労働時間を隠すことにつながり、会社が責任を問われる原因になります。

この3つを運用に落とし込むには、上司が月に1度、部下の申告と、パソコンやシステムの記録を見比べる時間を取るのが現実的です。ずれが見つかったときは、責める場ではなく、事情を聞いて補正する場にします。そうすることで、働く側も正しく申告することへの抵抗がなくなります。

労働時間制度ごとの注意点

テレワークでも、会社が採用している労働時間制度によって、管理の考え方が変わります。テレワークのガイドラインが示している主な注意点を整理します。

制度 内容 テレワークでの注意点
通常の労働時間制度 始業と終業の時刻が決まっている 始業と終業の時刻を把握する。中抜けの扱いを決める
フレックスタイム制 一定の期間の総労働時間の範囲で、始業と終業の時刻を本人が決める 会社は労働時間を適切に把握する
事業場外みなし労働時間制 労働時間の算定が難しいとき、決めた時間を働いたものとみなす 適用の条件を満たすか確認し、みなし時間が実態に合っているか労使で確認する
裁量労働制 対象業務について、決めた時間を働いたものとみなす 業務量や期限が過大で、時間配分の裁量が失われていないか確認する

フレックスタイム制はテレワークと相性がよい

フレックスタイム制は、清算期間(たとえば1か月)の総労働時間の範囲内で、本人が日々の始業と終業の時刻を決める制度です。テレワークのガイドラインは、中抜けの時間について本人が自ら時間を調整することができるなど、テレワークと組み合わせやすい制度だと説明しています。ただし、本人が時刻を決めるからといって、会社が労働時間を把握しなくてよいわけではありません。

事業場外みなし労働時間制は条件がある

事業場外みなし労働時間制は、会社の外で働き、労働時間を算定することが難しい場合に、決めた時間を働いたものとみなす制度です。テレワークのガイドラインは、テレワークでこの制度を使えるのは、パソコンなどが会社の指示で常に通信できる状態に置かれていないこと、そして随時会社の具体的な指示に基づいて働いていないこと、の2つをどちらも満たす場合としています。チャットで常に即時の返信を求めている、1日の作業の予定を細かく決めている、といった働き方では適用できない可能性があります。制度を使うかどうかは、社会保険労務士など専門家にも相談して判断してください。

中抜け、移動時間、休憩の扱い

テレワークでは、オフィスではあまり起きない時間の扱いが問題になります。代表的な3つを整理します。

中抜けの時間

家事や育児、通院などで、仕事の途中に一時的に業務から離れる時間を「中抜け」と呼びます。テレワークのガイドラインは、中抜けの時間について、会社は把握してもよいし、把握せずに始業と終業の時刻だけを把握してもよいとしています。

扱いの例としては、次の2つが挙がっています。

・中抜けの時間を把握する場合は、休憩時間として扱い終業時刻を繰り下げる、または時間単位の年次有給休暇として扱う
・中抜けの時間を把握しない場合は、始業と終業の間の時間を、休憩時間を除いて労働時間として扱う

どちらにするかは、あらかじめ就業規則などで決めておくことが重要とされています。把握する場合は、1日の終業時に中抜けの時間を報告してもらう方法が例に挙がっています。

勤務時間の途中でオフィスに移動する時間

午前は自宅でテレワーク、午後はオフィスに出勤する、という働き方では、移動時間の扱いが問題になります。テレワークのガイドラインは、移動の間に自由に過ごすことが保障されている時間は休憩時間として扱うことが考えられる一方、会社が急に出社を求めた場合など、自由に過ごすことが保障されていない移動時間は労働時間に当たるとしています。

休憩の取り方

労働基準法は、休憩を原則として一斉に与えることを定めていますが、テレワークのガイドラインは、テレワークをする人について、労使協定で一斉に与える原則の適用を外すことができると説明しています。在宅で働く人が各自の都合で休憩を取れるようにしたい場合は、労使協定の締結を検討します。

長時間労働を防ぐ仕組みの作り方

テレワークでは、仕事と私生活の境目があいまいになり、長時間労働になりやすい面があります。テレワークのガイドラインは、長時間労働を防ぐ手法として、次のようなものを挙げています。

時間外のメールの送付を控える

時間外にメールやチャットで業務の指示や報告が送られることが、長時間労働の要因の1つとされています。役職者や上司、同僚から時間外にメールを送ることを控えるよう決めるのが有効です。予約送信の機能を使い、夜に書いたメールは翌朝の始業時刻に届くようにする、という運用も取り入れやすい方法です。

社内システムへのアクセスを制限する

深夜や休日は、事前に許可を得ない限り社内システムにアクセスできないよう設定する方法です。働く側の意志に頼らず、仕組みで長時間労働を防げます。

時間外に働く手続きを決める

時間外や休日、深夜に働くことができる時間帯や時間数を労使の合意で決め、その手続きを就業規則などに明記し、働く人に書面などで示しておく方法です。

長時間働いた人に注意を促す

労働時間の記録をもとに管理者が声をかける方法や、勤怠管理のシステムで自動的に警告を出す方法があります。

勤務間インターバル制度を使う

終業から次の始業までに一定の休息時間を確保する勤務間インターバル制度も、テレワークでの長時間労働を抑える手段の1つとして挙げられています。

これらの中から、自社の働き方に合うものを2つか3つ選んで組み合わせるのが現実的です。全部を一度に入れると、運用の負担が大きくなり定着しません。

チームでテレワークの労働時間管理を回す手順

ここまでの内容を、チームの運用に落とし込む手順を5つにまとめます。

手順1. 就業規則と在宅勤務の規程を確認する

まず、現在の就業規則にテレワークの規定があるかを確認します。テレワークの対象者、始業と終業の時刻、中抜けの扱い、時間外労働の手続き、費用の負担などが決まっていない場合は、規程を整えます。厚生労働省は、テレワークの規程を作るためのモデル就業規則の手引きも出しています。

手順2. 記録の方法を決める

パソコンのログ、勤怠管理のシステム、終業時のメール報告のどれを使うかを決めます。客観的な記録を基本にし、それで把握できない部分を申告で補う、という組み合わせが一般的です。

手順3. 全員に説明する

働く人と管理する上司の両方に、記録の方法、申告の締め切り、中抜けの報告のしかた、時間外に働くときの手続きを説明します。説明の資料は1枚にまとめ、いつでも見返せる場所に保存します。

手順4. 1か月試して、ずれを確認する

最初の1か月は試行の期間とし、申告とシステムの記録のずれ、中抜けの報告の漏れ、時間外のメールの状況を確認します。

手順5. 月に1度見直す

月末に、労働時間の合計、時間外労働の時間、中抜けの報告の状況を見て、運用を直します。時間外労働が多い人がいれば、業務量の配分を見直す材料にします。

就業規則や在宅勤務の規程に書いておきたい項目

運用で迷う場面の多くは、決まりが文書になっていないことから起きます。テレワークの労働時間管理について、就業規則や在宅勤務の規程に書いておきたい項目を整理します。

・対象者:テレワークができる人の範囲と、申請と許可の手続き
・始業と終業の時刻:オフィスと同じか、ずらせるか
・労働時間の把握の方法:パソコンの記録、勤怠のシステム、終業時の報告のどれを使うか
・中抜けの扱い:報告の要否、休憩として終業時刻を繰り下げるか、時間単位の有給休暇にするか
・時間外、休日、深夜の労働:事前の申請と許可の手続き、働ける時間帯
・時間外の連絡:上司や同僚からの時間外のメールやチャットの扱い
・休憩:一斉に取るか、各自で取るか(各自で取る場合は労使協定が必要)
・費用の負担:通信費や電気代、機器の扱い

書き方の見本としては、厚生労働省が出しているテレワークのモデル就業規則の手引きが参考になります。自社の働き方に合わせて直す必要があるので、社会保険労務士に相談しながら作ると安心です。

終業時の報告のひな形

本人の申告で労働時間を把握する場合は、報告の形をそろえておくと、集計とずれの確認が楽になります。チャットやメールで送る報告の例です。

・日付
・始業の時刻と終業の時刻
・中抜けの時間(あれば時刻と理由の区分。「私用」「通院」など)
・時間外に働いた時間(あれば、事前の許可の有無)
・今日の主な作業と、明日の予定

報告の項目が多すぎると続かないので、5項目程度にとどめます。毎日の報告が負担になる場合は、勤怠のシステムの打刻に切り替え、作業の内容はプロジェクト管理の道具で共有する、という分け方もできます。

テレワークでも欠かせない、健康の確認

テレワークでは、働く人の顔色や疲れた様子が見えにくくなります。労働時間の記録は、賃金の計算だけでなく、健康を守るための材料でもあります。

テレワークのガイドラインは、テレワークをする人にも、オフィスで働く人と同じように労働安全衛生法の決まりが当てはまると説明しています。主なものは次のとおりです。

・健康診断と、その結果を受けた措置
・長時間働いた人に対する医師の面接指導と、そのための労働時間の状況の把握
・ストレスチェックと、その結果を受けた措置

ガイドラインに付いている確認表では、週40時間を超えて働いた時間が月80時間を超えた人に、その状況を知らせているか、その人から申し出があった場合に医師による面接指導をしているか、を確かめる項目が並んでいます。面接指導はオンラインで行うこともできると説明されています。

ここから分かるのは、テレワークでも労働時間を正しく把握していないと、面接指導が必要な人を見落としてしまうということです。月末に時間外労働の時間を集計し、多い人には上司から声をかけ、業務量の調整や面接指導の案内につなげる流れを、運用の中に組み込んでおきます。

健康の確認は数字だけでは足りません。週に1度の1対1の短い面談や、チャットでの何気ないやり取りの中で、「最近眠れているか」「仕事量に無理はないか」を聞く機会を作ると、数字に出る前の変化に気づきやすくなります。

管理者が毎月見ておきたい4つの数字

テレワークの労働時間管理を形だけにしないためには、管理者が毎月決まった数字を見ることが大切です。見るべき数字は多くありません。次の4つで十分です。

数字 見る理由
1人ごとの時間外労働の時間 上限規制を守れているか、業務が偏っていないか
深夜と休日に働いた回数 時間外の連絡の決まりが守られているか
申告と記録のずれの件数 申告の仕組みが正しく回っているか
中抜けの報告の件数 中抜けの扱いが決まりどおりに運用されているか

数字は、個人を責めるために使うのではなく、仕組みを直すために使います。たとえば、深夜に働いた回数が多いチームがあれば、その時間帯にしか来ない取引先の連絡があるのか、締め切りの設定に無理があるのかを確かめます。申告と記録のずれが多い人がいれば、申告のしかたが伝わっていない可能性があります。

数字を見る時間は、月に1度30分程度で足ります。見る日を決めて予定表に入れておくと、忙しい月でも抜けません。

テレワークの労働時間管理でよくある失敗

最後に、テレワークの労働時間管理でつまずきやすい失敗と、その立て直し方を整理します。

失敗1. 決まりを作らないまま始める

急いでテレワークを始め、中抜けの扱いや時間外の連絡の決まりがないまま運用しているケースです。人によって申告のしかたがばらばらになり、あとから揃えるのが大変になります。まずは中抜けの扱いと時間外の連絡の決まりの2つだけでも、就業規則や運用の文書に書き出します。

失敗2. 記録を取るだけで見ていない

パソコンのログや勤怠のシステムで記録は取れているのに、誰も見ていないケースです。記録は見てはじめて意味があります。前の節の4つの数字を、毎月決まった日に見る担当者を決めます。

失敗3. 監視を強めすぎる

不安から、画面の定期的な撮影や、キーボードの操作の記録など、細かく監視する仕組みを入れるケースです。働く人の負担が大きく、信頼関係を損なうことがあります。労働時間の把握に必要な範囲の記録にとどめ、何のために、何を記録するのかを働く人に説明します。

失敗4. 業務委託のメンバーを社員と同じように管理する

業務委託のメンバーに始業と終業の時刻を指定し、社員と同じ勤怠の報告を求めるケースです。雇用の実態があると判断されるおそれがあります。業務委託のメンバーとは、成果物や稼働の報告の方法を契約で決め、働く時間帯の指定は避けます。

記録の道具を選ぶときの比べ方

テレワークの労働時間管理に使う道具は、大きく次の4つに分かれます。

道具 向いている場面 気をつける点
勤怠管理のシステム 社員が多い、給与計算と連携したい 導入と運用に費用がかかる
パソコンのログの記録 客観的な記録を取りたい 実態とずれる場面がある。取りすぎると監視と受け止められる
メールやチャットでの報告 少人数、まず始めたい 集計が手作業になる。報告漏れが起きやすい
表計算での記録 少人数、費用をかけたくない 最新版の管理、改ざんの防止

道具を選ぶときは、記録の取りやすさだけでなく、仕事の進み具合と合わせて見られるかも大切です。労働時間の数字だけを見ても、その時間で何が進んだのかが分からなければ、業務量の配分を見直す材料になりません。

進み具合と稼働をあわせて見たいときの選択肢

社員の勤怠は勤怠管理のシステムで、仕事の進み具合はプロジェクト管理の道具で、と分けて管理しているチームでも、業務委託のメンバーの稼働は別に記録していることがよくあります。稼働の記録が表計算やメールに散らばると、月末の集計と請求の確認に時間がかかります。

選択肢の1つが、プロジェクト管理のPinatecaです。公式サイトによると、カンバン、ガント、カレンダー、リストなど8種類のボードとチャットが、5人まで、ボード10個までなら無料で使えます。追加のオプションの「稼働タイムシート」では、週のタイムシートに0.5時間刻みで稼働を入力し、担当者別、案件別、作業別に集計してCSVで書き出せます。週ごとの提出と承認、稼働報告書や業務完了報告書の印刷にも対応しており、料金は入力する人1人あたり月額980円(税抜、年払いなら1人あたり月額780円)で、見るだけ、承認するだけの管理者は人数に数えないと案内されています。

カードで仕事の進み具合を、タイムシートで稼働を記録しておけば、「この案件にどれだけの時間がかかっているか」「誰に負荷が偏っているか」を同じ場所で確かめられます。社員の法定の労働時間の管理は勤怠管理の仕組みで行い、業務委託のメンバーの稼働の確認と案件ごとの時間の把握にPinatecaを使う、という使い分けが考えられます。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

テレワークで働く側が気をつけたいこと

ここまでは主に管理する側の話でしたが、テレワークで働く側にも、労働時間の管理で気をつけたいことがあります。

・始業と終業の時刻は、実際の時刻をそのまま申告する
・終業を申告したあとに仕事をした場合は、その時間も申告する
・中抜けの報告のしかたを、最初に上司に確認しておく
・時間外に連絡が来ても、急ぎでなければ翌日の始業後に対応してよいか、チームの決まりを確かめる

テレワークでは、写真の撮影や画像の編集のように、作業に集中すると時間の感覚がなくなりやすい仕事もあります。作業の区切りごとに時刻を記録する習慣を付けておくと、申告と実態のずれを防げます。正しい申告は、自分の健康と正当な賃金を守るための基本です。

業務委託でテレワークのチームに加わっている人は、労働時間の申告ではなく、稼働の報告や成果物の納品で仕事を示す立場になります。時間単位の報酬で契約している場合は、作業した日と時間、作業の内容を記録し、月末にまとめて報告するのが一般的です。報告の形や締め切りは契約の段階で決めておき、発注する側から始業と終業の時刻の報告を求められた場合は、契約の内容と合っているかを確かめましょう。厚生労働省は、業務委託で自宅などから仕事をする働き方を自営型テレワークと呼び、発注する側に向けて、作業時間が長くなりすぎないよう、1日8時間を上限の目安として納期を設定するよう求めています。働く時間を自分で決められる立場だからこそ、記録を付けて働きすぎに気づける状態にしておくことが大切です。

テレワークの労働時間管理と、業務改善の仕事

テレワークの労働時間管理は、労務の担当者だけの仕事ではありません。規程づくり、ツールの選定、運用の定着まで、外部の専門家の支援を受ける会社も増えています。

中小企業の経営課題を診断し、改善を助ける国家資格として中小企業診断士があり、テレワークの導入と業務の見直しを一体で支援する場面もあります。生成AIや業務ツールを現場に定着させる支援は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、仕事の中身と求められる経験を紹介しています。テレワークの環境整備にかかる費用には、国の助成金が使える場合があります。対象や金額は年度で変わるので、テレワーク 助成金 2026で今年度の内容を確かめてください。

フリーランスと発注者の仲介を20年見てきた運営者として感じるのは、テレワークでうまく回っているチームほど、時間の管理と仕事の進み具合の共有を分けずに考えていることです。何時間働いたかだけでなく、その時間で何が進んだかが見えていると、業務委託のメンバーにも安心して仕事を任せられます。仲介の手数料が乗らない手数料0%で直接やり取りする関係では、稼働と成果を率直に共有できる相手ほど長く付き合いが続き、発注者は同じ予算で頼める量が増え、受け手は手取りが厚くなります。

テレワークの労働時間管理は、一度に完璧な仕組みを作る必要はありません。記録の方法、中抜けの扱い、時間外の連絡の決まりの3つから決め、1か月試して直す。その繰り返しで、働く人も管理する人も安心できる運用に近づいていきます。

よくある質問

Q. テレワークの労働時間は、どうやって把握すればよいですか?

厚生労働省のテレワークのガイドラインは、パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録をもとに始業と終業の時刻を確認する方法を原則としています。記録が実態を反映できない場合は、終業時に始業と終業の時刻をメールなどで報告してもらう自己申告の方法も認められています。その場合は、申告のしかたの説明やずれの補正などの措置が必要です。

Q. テレワーク中の中抜けの時間は、労働時間から引いてよいですか?

中抜けの時間は、会社が把握して休憩時間として扱い、終業時刻を繰り下げる方法や、時間単位の年次有給休暇として扱う方法があります。把握しない場合は、始業から終業までを休憩時間を除いて労働時間として扱います。どの扱いにするかは、あらかじめ就業規則などで決めておくことが重要です。

Q. 自己申告の残業時間に上限を設けてもよいですか?

設けてはいけません。テレワークのガイドラインは、申告できる時間外労働の時間数に上限を設けるなど、正しい申告をさまたげる措置をしてはならないとしています。実際の労働時間と申告に大きなずれがあると分かった場合は、労働時間を補正する必要があります。業務量そのものを見直すことが、残業を減らす正しい方法です。

Q. テレワークで長時間労働を防ぐには、何から始めればよいですか?

時間外のメールやチャットの送付を控える決まりづくりから始めるのが取り入れやすい方法です。あわせて、深夜や休日の社内システムへのアクセス制限、時間外に働くときの事前の手続き、長時間働いた人への声かけなどを組み合わせます。全部を一度に入れず、自社に合うものを2つか3つ選んで運用してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月10日最終更新:2026年10月20日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却

M&A・事業売却

会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方