在宅ワークの時間管理の方法と、仕事の記録を続けるための工夫

@SOHO編集部
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在宅ワークの時間管理の方法と、仕事の記録を続けるための工夫

この記事のポイント

  • ✓在宅ワークの時間管理の方法を
  • ✓会社員の在宅勤務と業務委託の在宅ワークに分けて解説します
  • ✓作業時間の記録の付け方

在宅ワークを始めてから、気づくと夜まで仕事をしている。逆に、家事や子どもの用事で何度も手が止まり、1日に何時間働いたのか自分でも分からない。在宅ワークの時間管理に悩む人の多くは、仕事と生活の境目が消えることに戸惑っています。

この記事では、在宅ワークの時間管理の方法を、会社に雇われて在宅勤務をしている人と、業務委託で在宅ワークを受けている人の両方に向けて整理します。始業と終業の区切り方、途中で仕事を離れる時間の扱い、作業時間の記録の付け方、記録を続けるための工夫を順に説明します。結論を先に書くと、在宅ワークの時間管理は「始まりと終わりを決める」「離れた時間を記録する」「記録を1か所に集める」の3つで、ほとんどの悩みが軽くなります。仕事の記録をチームや取引先と共有したい人向けに、プロジェクト管理のPinatecaの稼働記録の機能にも触れます。

在宅ワークの時間管理が難しくなる理由

在宅ワークの時間管理が難しいのは、本人の意志が弱いからではありません。働く場所と暮らす場所が同じになることで、時間の区切りを作ってくれていた仕組みが消えるからです。

会社に通っていたころは、通勤の電車、職場の始業のチャイム、周りの人が帰る様子が、自然に「仕事の始まり」と「仕事の終わり」を教えてくれました。在宅ワークではこの合図がすべてなくなり、自分で区切りを作らなければなりません。

区切りが消えると、次のようなことが起きやすくなります。

・朝、メールだけ確認するつもりがそのまま仕事を始め、始業の時刻があいまいになる
・夕食後にもう一度パソコンを開き、終業の時刻が毎日ずれていく
・洗濯や宅配の受け取り、子どもの迎えで何度も手が止まり、正味の作業時間が分からない
・休憩を取らずに座りっぱなしになる

中小企業の経営相談の窓口であるJ-Net21も、在宅勤務の時間管理では、まず仕事と私生活の時間をどう分けるかを決める必要があると説明しています。

在宅勤務の時間管理については、まず、労働時間とプライベートの時間を明確にわけて勤務する体制とするのかということを、検討する必要があります。また、テレワークにはほかの選択肢もありますので、まず導入目的を明確にする必要があります。 出典: j-net21.smrj.go.jp

これは会社向けの説明ですが、個人の在宅ワークにもそのまま当てはまります。仕事と生活を完全に分けるのか、ある程度混ざることを前提に記録で管理するのか。どちらを選ぶかで、時間管理のやり方が変わります。

子育て中の人から在宅ワークの相談を受けると、「時間が取れない」という悩みの正体が、実は「時間が細切れで、どれだけ働けたか分からない」ことだった、という場面がよくあります。記録を付けてみると、思っていたより働けている日もあれば、思っていたより短い日もある。まず実態を知ることが、時間管理の出発点です。

会社員の在宅勤務と、業務委託の在宅ワークの違い

在宅ワークと一口に言っても、会社に雇われて在宅で働く場合と、業務委託で仕事を受ける場合では、時間管理の責任の所在が違います。ここを押さえておくと、誰が何を決めるべきかがはっきりします。

働き方 時間を管理する責任 記録の主な目的
雇用されて在宅勤務 会社(使用者)にある 労働時間の把握、残業代の計算、健康の管理
業務委託の在宅ワーク 本人にある 見積もりと報酬の確認、働きすぎの防止、請求の根拠

雇われて在宅勤務をしている場合、労働時間を把握する責任は会社にあります。厚生労働省の「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」は、パソコンの使用時間の記録など客観的な記録をもとに始業と終業の時刻を確認することを原則の方法として挙げ、それが難しい場合は本人の申告で把握する方法を示しています(テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン)。つまり、会社員の在宅勤務では、まず会社の決まり(就業規則や在宅勤務の規程)に沿って記録を付けることが基本になります。

一方、業務委託で在宅ワークを受けている人は、労働基準法の労働時間の決まりが原則として当てはまりません。そのかわり、時間の使い方はすべて自分の判断になります。厚生労働省は、業務委託で自宅などから仕事をする働き方を「自営型テレワーク」と呼び、発注する側に向けたガイドラインで、納期は作業時間が長時間に及んで健康を害することがないよう設定し、1日8時間を作業時間の上限の目安とするよう求めています(自営型テレワークについて)。業務委託の人にとって、時間の記録は自分を守るための道具でもあります。

なお、会社員が副業として在宅ワークを受ける場合は、両方の立場が重なります。本業の勤務時間の扱いは会社の決まりに従い、副業の時間は自分で管理する形です。副業の可否や届け出の方法は会社によって違うので、勤め先の就業規則を確かめてください。副業や在宅勤務に合わせた就業規則の作り方については、リモートワーク・副業解禁に対応した就業規則の作成費用と注意点で、社会保険労務士に依頼するときの費用と注意点を解説しています。

在宅ワークの時間管理の基本、始まりと終わりの決め方

在宅ワークの時間管理で最初に取り組みたいのは、仕事の始まりと終わりを決めることです。通勤の代わりになる「区切りの合図」を自分で作ります。

始業の合図を決める

始業の合図は、毎朝同じ動作にするのが効果的です。たとえば次のようなものです。

・着替えて、仕事用の机に座る
・コーヒーを入れてから、パソコンを開く
・近所を10分歩いてから、仕事を始める

ポイントは、パソコンを開く前に1つ動作をはさむことです。寝起きのまま布団の中でメールを読み始めると、始業の時刻があいまいになり、終わりの時刻も延びていきます。

終業の合図を決める

終わりの合図は、始まりの合図より大切です。在宅ワークで働きすぎる人の多くは、終わり方を決めていません。

・終業の時刻にアラームを鳴らす
・翌日やることを3つ書き出してから、パソコンを閉じる
・仕事用のアプリやチャットの通知を、終業後は切る設定にする

翌日やることを書き出すと、頭の中の「やり残し」が紙に移り、夜に仕事のことを考え続けることが減ります。

仕事をする場所を決める

専用の部屋がなくても、仕事をする場所を決めておくと、区切りが付けやすくなります。食卓で仕事をする場合は、仕事が終わったらパソコンや書類を片付けて、食卓を食卓に戻す。それだけでも、仕事から離れた感覚が生まれます。

中抜けの時間をどう扱うか

在宅ワークでは、家事や育児、通院、宅配の受け取りなどで、仕事の途中に席を離れる時間が生まれます。この時間を「中抜け」と呼びます。中抜けの扱いを決めておかないと、記録が実態と合わなくなります。

雇われて在宅勤務をしている場合、厚生労働省のガイドラインは、中抜けの時間について、会社は把握してもよいし、把握せずに始業と終業の時刻だけを把握してもよい、としています。把握する場合は、休憩時間として扱って終業時刻を繰り下げる方法や、時間単位の年次有給休暇として扱う方法が例に挙がっています。どの扱いにするかは、あらかじめ就業規則などで決めておくことが重要とされています。

つまり、会社員の在宅勤務では、中抜けの扱いは会社の決まり次第です。在宅勤務を始める前に、次の3つを上司や人事に確認しておくと安心です。

・中抜けの時間は報告が必要か、必要ならどう報告するか
・中抜けした分、終業時刻を後ろにずらしてよいか
・時間単位の有給休暇は使えるか

業務委託で在宅ワークをしている人は、中抜けの扱いを自分で決められます。おすすめは、作業時間を「始まり」と「終わり」だけでなく、作業のかたまりごとに記録する方法です。9時から10時半まで作業、子どもの送迎で中断、11時から12時まで作業、というように、実際に手を動かした時間だけを記録すれば、中抜けを気にする必要がなくなります。

作業時間の記録の付け方、3つの方法

時間管理の土台になるのは記録です。記録の方法は大きく3つあり、仕事の内容と性格で向き不向きがあります。

方法1. 紙の手帳やノートに書く

一番手軽なのは、手帳に始まりと終わりの時刻を書く方法です。アプリの操作を覚える必要がなく、パソコンを開かなくても書けます。1日の終わりに合計を出し、週ごとに振り返ると、自分の働き方の癖が見えてきます。弱点は、集計に手間がかかることと、取引先や上司と共有しにくいことです。

方法2. 表計算に記録する

ExcelやGoogleスプレッドシートに、日付、開始時刻、終了時刻、作業内容、取引先の列を作って記録する方法です。終了時刻から開始時刻を引く計算式を入れておけば、作業時間が自動で出ます。取引先ごとや作業ごとの集計もできるので、業務委託で複数の仕事を受けている人に向いています。

列の例は次のとおりです。

日付 開始 終了 時間 取引先 作業内容
10月6日 9:00 10:30 1.5 A社 記事の構成づくり
10月6日 11:00 12:00 1.0 B社 データ入力

時間の列は、表計算の時刻の引き算に24を掛けると「1.5」のような数字になり、合計しやすくなります。

方法3. 時間記録のアプリやツールを使う

作業を始めるときにボタンを押し、終わるときにもう一度押すと時間が記録されるアプリもあります。押し忘れさえしなければ、記録の手間が一番少ない方法です。チームで使うツールなら、上司や取引先と記録を共有でき、報告の手間も省けます。

迷ったときは、仕事の形で選ぶと決めやすくなります。会社員の在宅勤務なら、会社が決めた勤怠の方法が最優先で、自分用の記録は手帳で十分です。業務委託で取引先が1〜2社なら表計算、時間単位で報酬を受け取る仕事や、取引先に稼働を報告する仕事が増えてきたら、共有できるツールを検討する、という順番です。

どの方法を選ぶにしても、最初の1週間は「正確さ」より「毎日付けること」を優先してください。5分単位でぴったり記録しようとすると疲れて続きません。30分単位の大まかな記録でも、付け続ければ十分に役立ちます。

仕事の記録を続けるための工夫

記録の大切さは分かっていても、続かないという声はとても多く聞きます。続けるための工夫を7つ紹介します。

工夫1. 記録する場所を1つにする

手帳にも書き、表計算にも入れ、チャットでも報告する、という三重の記録は続きません。記録は1か所に集め、報告が必要なときはそこから写すか、そのまま見せる形にします。

工夫2. 記録のきっかけを決める

「作業を始めるとき」「休憩に入るとき」「作業を終えるとき」の3つを、記録のきっかけにします。始業の合図や終業の合図と組み合わせると、記録が習慣になります。

工夫3. 1日の終わりにまとめて付けてもよいことにする

その場で記録できなかった日は、1日の終わりに思い出して付けてもかまいません。完璧に付けられない日があっても、空白にするより、だいたいの時間を書いておくほうが役に立ちます。

工夫4. 週に1度だけ振り返る

記録は付けるだけでは意味が薄く、振り返ってはじめて役に立ちます。週に1度、15分程度で合計時間と作業の内訳を見ます。「この作業は思ったより時間がかかる」「この時間帯は集中できている」といった気づきが、次の週の予定の立て方に生きます。

工夫5. 記録を見積もりに使う

業務委託の人は、記録を見積もりに使えます。たとえば1本の記事に平均3時間かかっていると分かれば、報酬が時間あたりいくらになっているかを計算でき、単価の交渉や仕事の選び方の材料になります。記録が自分の利益に直結すると分かると、続ける意味が実感できます。

工夫6. 記録しすぎない

作業内容を細かく書きすぎると、記録そのものが負担になります。取引先の名前と作業の種類が分かる程度で十分です。

工夫7. 記録のひな形を作っておく

毎回、取引先の名前や作業の種類を手で打つのは手間です。表計算ならプルダウンで選べるようにしておき、手帳なら取引先ごとに色を決めておくと、記録にかかる時間が数秒で済みます。

在宅ワークを始めたばかりの人の相談では、最初の1か月は記録を付けては忘れ、を繰り返す人がほとんどです。3日続かなかったからやめるのではなく、思い出した日から再開すれば大丈夫です。まずは1週間、大まかな記録から小さく試してみてください。

働きすぎを防ぐ決まりの作り方

在宅ワークでは、時間を記録していても、気づくと長時間働いていることがあります。働きすぎを防ぐには、記録に加えて決まりを作ることが有効です。

厚生労働省のテレワークのガイドラインは、会社向けに、長時間労働を防ぐ方法として、時間外や休日のメール送付の自粛、深夜や休日に社内システムへアクセスできないようにする設定、時間外に働ける時間帯や時間数の設定、長時間働いた人への注意喚起などを挙げています。これを個人の在宅ワークに置き換えると、次のような決まりになります。

・終業後と休日は、仕事のチャットとメールの通知を切る
・夜21時以降は仕事のパソコンを開かない、と決める
・1日の作業時間の上限を決め、超えそうな日は翌日に回す
・週に1日は仕事をしない日を作る

業務委託の在宅ワークでは、先ほどの自営型テレワークのガイドラインにある「1日8時間」を上限の目安にすると、納期の組み方を考えやすくなります。新しい仕事の依頼を受けるときは、記録から1週間に使える時間を出し、今抱えている仕事の時間を引いた残りで受けられるかを判断します。1日8時間を超える前提でしか終わらない納期なら、受ける前に納期の相談をするのが、長く続けるための線引きです。

集中を保つための時間の区切り方

在宅ワークでは、時間を長く取れても集中が続かないという悩みもよく聞きます。誰にも見られていない環境では、スマートフォンや家事に気を取られやすくなるためです。集中を保つには、作業時間を小さく区切る方法が役に立ちます。

25分作業して5分休む

よく知られているのが、25分作業して5分休むことを繰り返し、4回ごとに長めの休憩を取る方法です。タイマーが鳴るまでは1つの作業だけに取り組むと決めることで、メールやチャットに気を取られにくくなります。25分という長さが合わない人は、45分作業して10分休む、のように自分に合う長さに変えてかまいません。

作業の種類ごとに時間帯をまとめる

文章を書く、資料を作るといった集中が必要な作業と、メールの返信や事務処理のような細かい作業を、同じ時間帯に混ぜないようにします。メールの確認は1日3回(朝、昼、夕方)と決めておくと、集中の時間が途切れにくくなります。

通知を時間帯で切り替える

集中の時間帯はチャットやメールの通知を切り、細かい作業の時間帯にまとめて確認します。チームで在宅勤務をしている場合は、「この時間は集中のため返信が遅れます」と予定表に入れておくと、相手も安心して待てます。

作業を区切って記録すると、「25分の区切りが1日に何回できたか」も分かるようになります。正味の集中時間を数字でつかめると、1日に受けられる仕事の量を見積もりやすくなります。

在宅ワークの時間管理でよくある失敗

最後に、在宅ワークの時間管理でつまずきやすい失敗と、その立て直し方を整理します。

失敗1. 予定を詰め込みすぎる

在宅だと通勤の時間がなくなった分、その時間も仕事に使えると考えて予定を詰め込みがちです。実際には、家事や家族の用事で予定どおりに進まない日が多くあります。1日の予定は、使える時間の7割程度で組み、残りを予備にしておくと崩れにくくなります。

失敗2. 休憩を取らない

誰にも声をかけられない環境では、昼食を机でとりながら作業を続け、休憩を取らないまま夕方になることがあります。休憩の時刻もアラームで決め、席を立って体を動かす時間にします。

失敗3. 記録を付けても見返さない

記録を付けることが目的になり、振り返りをしないままのことがあります。週に1度の振り返りの時刻を予定表に入れ、合計時間と作業の内訳を見る習慣を作ります。

失敗4. 仕事と家事の線引きを家族と共有していない

自分では仕事中のつもりでも、家族からは家にいる人に見えるため、用事を頼まれやすくなります。仕事の時間を家族と共有し、急ぎでない用事は休憩の時間にまとめてもらうよう話しておくと、中抜けが減ります。

子育てや介護と両立するときの時間の組み立て方

在宅ワークを選ぶ人の中には、子育てや家族の介護と両立したい人が多くいます。家庭の予定に合わせて時間を組み立てるときは、次の順で考えると無理のない形になります。

手順1. 動かせない予定を先に書き出す

保育園や学校の送迎、食事の支度、通院の付き添いなど、時刻が決まっていて動かせない予定を、1週間の表に先に書き込みます。

手順2. 集中できる時間帯を見つける

残った時間の中から、まとまって集中できる時間帯を探します。子どもが園や学校にいる時間、早朝、昼寝の時間などです。集中が必要な作業(文章を書く、資料を作る)はこの時間に入れます。

手順3. 細切れの時間に合う作業を決める

10分や15分の細切れの時間には、メールの返信、データの確認、翌日の準備など、途中で止めても困らない作業を入れます。細切れの時間で何をするかを決めておくと、時間を無駄にしたという後悔が減ります。

手順4. 家族と予定を共有する

家族に仕事の時間を知らせておくと、声をかけられるタイミングが変わります。紙のカレンダーに仕事の時間を書いておくだけでも効果があります。

家族の介護と両立する場合は、通院の付き添いや急な体調の変化など、予定が前日や当日に決まることが多くなります。介護の予定は週の初めにまとめて確かめ、急に入りやすい曜日には締め切りのある作業を入れないようにすると、取引先に迷惑をかけずに済みます。勤め先に在宅勤務とあわせて使える介護休暇や短時間勤務の制度があるかも確かめておきましょう。制度の有無や使い方は会社によって違うので、人事の窓口で確認してください。

業務委託で仕事を受けている人は、取引先に「平日の午後は連絡が遅れることがある」と最初に伝えておくと、相手も予定を組みやすくなります。事情をすべて話す必要はありませんが、連絡の取れる時間帯を共有しておくことは、信頼関係を保つうえで大切です。

子どもが小さいうちは、予定どおりにいかない日の方が多いものです。1週間の合計時間で考え、1日単位で予定が崩れても週の中で取り戻せればよい、という気持ちで組み立てると、自分を責めずに続けられます。

会社員の在宅勤務で、時間を申告するときに知っておきたいこと

雇われて在宅勤務をしている人の多くは、始業と終業の時刻を自分で申告しています。パソコンの記録で時間を把握する会社もありますが、パソコンを使わない作業がある、私物の端末を使っている、といった理由で、本人の申告に頼る会社も少なくありません。

厚生労働省のテレワークのガイドラインは、本人の申告で労働時間を把握する場合について、会社がしなければならないことを3つ挙げています。

・働く人に、労働時間の実態を記録して正しく申告するよう十分に説明すること
・申告された時刻と、パソコンの使用状況などの事実に大きなずれがあると分かったときは、労働時間を補正すること
・申告できる残業時間に上限を設けるなど、正しい申告をさまたげる措置をしてはならないこと

ずれの例としては、申告した時間の外にメールが送られている、申告した終業時刻のあとも長時間パソコンが起動していた、といった場面が挙げられています。

働く側から見ると、ここから分かるのは「実際に働いた時間をそのまま申告することが前提になっている」ということです。終業時刻を申告したあとにメールの返信だけ済ませる、という働き方を続けると、記録と実態がずれていきます。終業を申告したら仕事のパソコンは閉じる。どうしても対応が必要なときは、その時間も申告する。この2つを守るだけで、記録の信頼性が保たれ、自分の働きすぎにも気づきやすくなります。

申告のしかたは会社によって違います。終業時にメールやチャットで始業と終業の時刻を報告する方法、勤怠管理のシステムで打刻する方法などがあります。在宅勤務を始めるときに、申告の方法と締め切り、中抜けの報告のしかたを確かめておきましょう。

在宅ワークの1日の時間割の例

時間管理の考え方は分かっても、実際にどう1日を組めばよいか迷う人も多いはずです。ここでは、在宅ワークでよくある3つの働き方について、時間割の例を紹介します。あくまで例なので、自分の生活に合わせて時間をずらしてください。

例1. 雇われて在宅勤務をしている人

時間 すること
8:45 着替えて机に座る。今日やることを3つ確認
9:00〜12:00 集中が必要な作業(資料づくり、分析)
12:00〜13:00 休憩。家の外に出て歩く
13:00〜15:00 打ち合わせ、メールやチャットの返信
15:00〜17:30 細かい作業、翌日の準備
17:30 終業の申告。翌日やることを書き出し、通知を切る

会社の始業と終業の時刻に合わせ、午前に集中が必要な作業、午後に人とのやり取りを入れるのが基本の形です。

例2. 子育てをしながら業務委託の在宅ワークをしている人

時間 すること
5:30〜6:30 家族が起きる前の集中時間(文章を書く作業)
9:30〜12:00 子どもが園にいる間の作業
13:00〜15:30 作業の続き、取引先への連絡
夜 原則として仕事をしない。急ぎのときだけ30分

子どもが家にいない時間に作業をまとめ、夜は休む前提で組みます。1日の作業時間は5時間前後になり、1週間の合計で見通しを立てます。

例3. 会社員が副業として在宅ワークを受けている人

曜日 すること
平日の夜 1日1時間まで。メールの返信と細かい作業
土曜の午前 3時間。集中が必要な作業
日曜 休む

副業は本業の疲れが残る時間に入るため、上限を低めに設定することが大切です。平日は1日1時間、週末に3時間というように、週の合計で8時間程度から始め、本業に影響が出ないか様子を見ます。本業の勤め先が副業の時間の報告を求める場合もあるので、就業規則を確かめておきましょう。

仕事の記録を共有したいときの選択肢

業務委託で時間単位の仕事を受けている人や、チームで在宅勤務をしている人は、記録を自分だけでなく取引先や上司と共有する必要があります。共有のたびに表計算のファイルを送ると、最新版がどれか分からなくなり、集計のやり直しも起きます。

記録を共有する道具を選ぶときは、次の点を確かめます。

・記録の単位(何分刻みで入力できるか)
・取引先別、作業別の集計ができるか
・請求や報告に使える形で書き出せるか
・入力する人と、見るだけの人の扱い

選択肢の1つが、プロジェクト管理のPinatecaに追加できる「稼働タイムシート」です。公式の料金ページによると、週のタイムシートに0.5時間刻みで稼働を入力し、担当者別、案件別、作業別に集計してCSVで書き出せます。稼働報告書や業務完了報告書を印刷してPDFにすることもでき、時間単位、案件単位、月額固定の3つの契約の形に対応しています。料金は入力する人1人あたり月額980円(税抜、年払いなら1人あたり月額780円)で、見るだけ、承認するだけの管理者は人数に数えないと案内されています。

Pinateca本体は、5人までのチームでボード10個までなら無料で使えるプロジェクト管理の道具で、カンバンやガントチャートで仕事の進み具合を管理できます。仕事の進み具合と稼働の記録を同じ場所で扱えるので、取引先から「今月は何時間でしたか」「あの作業はどこまで進みましたか」と聞かれたときに、1つの画面を見せて答えられます。稼働タイムシートは追加のオプションなので、まずは無料の範囲で仕事の管理だけを試し、記録の共有が必要になってから申し込む、という順で進められます。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

時間管理ができる人が、在宅の仕事で選ばれる理由

在宅ワークの時間管理は、自分の暮らしを守るためだけのものではありません。仕事を依頼する側から見ると、時間の見通しを立てられる人は安心して任せられる相手です。

業務委託の仕事では、発注する側は受け手の働く様子を直接見られません。そのため、「いつまでにできるか」「どのくらい時間がかかりそうか」を前もって伝えられる人、遅れそうなときに早めに相談できる人が、継続して仕事を頼まれる傾向があります。作業時間の記録があれば、こうした見通しを根拠のある数字で伝えられます。

在宅でできる仕事は、事務、文章、デザイン、開発、相談の支援など幅広くあります。業務の進め方そのものを整える支援の仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、仕事の中身と求められる経験を紹介しています。在宅勤務の時間管理の仕組みづくりを手伝う力は、こうした仕事にもつながります。資格を活かして在宅で働きたい人は、医療機関の事務の資格である医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)や、書類作成の専門職である行政書士の解説も参考になります。

フリーランスと発注者の仲介を20年見てきた運営者として感じるのは、長く在宅ワークを続けている人ほど、自分の時間の使い方を数字で把握していることです。何に何時間かかるかが分かっている人は、無理な納期を断れ、条件の合う仕事を選べます。仲介の手数料が乗らない手数料0%で直接やり取りする関係では、時間の見積もりと報酬の話を発注者と率直にしやすく、発注者は同じ予算で頼める量が増え、受け手は手取りが厚くなります。時間の記録は、その話し合いの土台になります。

在宅ワークの時間管理は、最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。始まりと終わりの合図を1つずつ決め、1週間だけ大まかに記録を付けてみる。小さく試して、合わないところを直していけば、自分に合った働き方の形が見えてきます。

よくある質問

Q. 在宅ワークの時間管理は、まず何から始めればよいですか?

仕事の始まりと終わりの合図を1つずつ決めることから始めてください。たとえば、着替えてから机に座る、終業時刻にアラームを鳴らして翌日やることを書き出す、といった動作です。あわせて1週間だけ、30分単位の大まかな作業時間の記録を付けると、自分の働き方の実態が見えてきます。

Q. 在宅勤務中に家事や育児で席を離れた時間はどう扱いますか?

雇われて在宅勤務をしている場合、途中で仕事を離れる時間の扱いは会社の就業規則などの決まりによります。休憩として扱って終業時刻をずらす、時間単位の有給休暇にするなどの方法があるので、上司や人事に確認してください。業務委託の場合は、実際に作業した時間だけを記録すれば迷いません。

Q. 作業時間の記録が続きません。どうすればよいですか?

記録する場所を1か所に絞り、作業を始めるとき、休憩に入るとき、終えるときの3つを記録のきっかけにしてください。その場で付けられなかった日は、1日の終わりにまとめて付けてもかまいません。正確さより毎日付けることを優先し、30分単位の大まかな記録から始めると続けやすくなります。

Q. 業務委託の在宅ワークで働きすぎないためには、どうすればよいですか?

1日の作業時間の上限を決め、新しい依頼は記録から出した空き時間の範囲で受けるようにしてください。厚生労働省の自営型テレワークのガイドラインは、1日8時間を作業時間の上限の目安としています。終業後と休日は仕事の通知を切り、週に1日は仕事をしない日を作ることも、長く続けるうえで役立ちます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月23日最終更新:2026年10月19日
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