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アンケートをエクセルで集計する手順と、自由記述の回答の扱い方

@SOHO編集部
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アンケートをエクセルで集計する手順と、自由記述の回答の扱い方

この記事のポイント

  • ✓アンケートをエクセルで集計する手順を
  • ✓COUNTIF関数での単純集計
  • ✓ピボットテーブルでのクロス集計

アンケートの回答が集まったものの、エクセルを開いたところで手が止まってしまう人は多いものです。選択肢の回答を数えるだけなら関数1つで済みますが、年代別や部署別に分けて比べたい、自由記述の回答もまとめたい、となると、どこから手を付ければよいか迷います。

この記事では、アンケートをエクセルで集計する手順を、回答データの整え方、関数による単純集計、ピボットテーブルによるクロス集計、グラフの作り方、自由記述の回答の扱い方の順に説明します。エクセルでの集計がうまくいくかどうかは、関数の知識よりも、最初に回答データの形を整えられるかで決まります。回答をフォームで集めている場合は、Halictのように回答をCSVで書き出せるフォームの道具を使うと、整える手間を減らせます。

エクセルでアンケートを集計する前に知っておくこと

アンケートの集計とは、集まった回答を数えて、どの選択肢が何人、何割だったかを表にすることです。エクセルは多くの職場のパソコンに入っていて、関数とピボットテーブルを使えば、数百件程度のアンケートなら十分に集計できます。

集計には3つの種類がある

アンケートの集計は、大きく3つに分かれます。

種類 何をするか エクセルでの主な方法
単純集計 1つの設問について、選択肢ごとの人数と割合を出す COUNTIF関数、ピボットテーブル
クロス集計 2つの設問を掛け合わせ、属性ごとの違いを見る ピボットテーブル、COUNTIFS関数
自由記述の整理 文章の回答を読み、内容ごとに分類して数える 分類用の列を作り、COUNTIF関数で数える

単純集計は、GT集計(グランドトータルの略)とも呼ばれます。たとえば「満足」「やや満足」「やや不満」「不満」がそれぞれ何人いたかを数えるのが単純集計です。クロス集計は、その満足度を年代別や利用回数別に分けて、「20代は満足が多いが、50代は不満が多い」といった違いを見つけるための集計です。

エクセルで集計するメリットと限界

エクセルで集計するメリットは、追加の費用がかからないこと、集計の過程を自分で確かめられること、グラフまで同じファイルで作れることです。関数の式が残るので、あとから「この数字はどう出したのか」と聞かれても説明できます。

一方で、回答が数千件を超える場合や、毎週のように同じアンケートを集計する場合は、手作業の部分が負担になります。自由記述の回答が多いときも、1件ずつ読む時間がかかります。エクセルは「一度きりのアンケートを、数百件の規模で、自分の手で確かめながら集計する」場面にいちばん向いている道具だと考えておくと、ほかの道具を使うべきときの判断がしやすくなります。

作業に入る前に、元の回答データは必ず別のファイルとして保存しておきます。集計の途中で並べ替えや置換を繰り返すと、どこかで回答を書き換えてしまっても気づきにくいからです。元のデータには手を付けず、コピーしたファイルで集計する、という決まりを最初に作っておけば、数字が合わなくなったときにいつでも最初からやり直せます。

手順1 回答データを集計できる形に整える

エクセルでの集計がうまくいかない原因の多くは、関数の使い方ではなく、データの並べ方にあります。アンケートの集計方法を解説している記事でも、この点がはっきり書かれています。

アンケート結果を効率よく集計・分析するには、データの「入力形式」を整えることが非常に重要です。実際、エクセルでの集計作業がうまくいかない原因の多くは、「データの入力ルールがバラバラ」なことによるものです。 出典: mugen-corp.jp

1行に1人、1列に1設問で並べる

集計しやすい形は、1行に1人の回答者、1列に1つの設問を並べた表です。1行目には設問の名前を見出しとして入れ、2行目から回答を並べます。見出しの行は1行だけにし、セルの結合は使いません。結合したセルがあると、並べ替えやピボットテーブルがうまく動きません。

回答番号 年代 利用回数 満足度 良かった点 ご意見
1 30代 月1回以上 満足 説明の分かりやすさ 次回も参加したい
2 50代 初めて やや不満 会場の近さ 資料の字が小さかった
3 20代 月1回以上 やや満足 説明の分かりやすさ 特になし

先頭に回答番号の列を入れておくと、並べ替えたあとでも元の順番に戻せますし、自由記述の回答を分類するときに「何番の回答か」を指し示せます。

選択肢の表記をそろえる

紙のアンケートを手で入力した場合、同じ回答なのに「満足」「満足している」「〇」のように表記が揺れることがあります。表記が違うと、関数は別の回答として数えます。入力の前に選択肢の一覧を決め、その言葉だけを使うようにします。入力規則のドロップダウンリストを設定すると、決めた選択肢以外は入力できなくなるので、表記の揺れを防げます。

数字で入力する方法もあります。「満足」を4、「やや満足」を3のように番号で入れておくと、平均値を出すときに便利です。ただし、番号だけでは表を見た人が意味を取り違えやすいので、別のシートに番号と選択肢の対応表を残しておきます。

複数回答の設問は列を分ける

「当てはまるものをすべて選んでください」という複数回答の設問は、1つのセルに「価格,品質,デザイン」のようにまとめて入れると、そのままでは数えにくくなります。選択肢ごとに列を分け、選んだら1、選ばなかったら0を入れる形にすると、列の合計がそのまま選んだ人数になります。

無回答と対象外を区別する

回答が空欄のままのセルは、「答えなかった」のか「その設問の対象ではなかった」のかが分からなくなります。無回答は「無回答」と入力する、対象外は「対象外」と入力する、と決めておくと、割合を出すときに分母をどう取るかで迷いません。

手順2 COUNTIF関数で単純集計をする

データが整ったら、設問ごとに選択肢の人数を数えます。いちばん手軽なのはCOUNTIF関数です。COUNTIF関数とは、指定した範囲の中で、条件に合うセルがいくつあるかを数える関数のことです。MicrosoftのCOUNTIF関数の説明では、「=COUNTIF(範囲, 検索条件)」の形で使うと案内されています。

集計表の作り方

回答のシートとは別に集計用のシートを作り、A列に選択肢、B列に人数、C列に割合を並べます。満足度の回答がD2からD201に入っているとすると、B2には次のように入れます。

=COUNTIF(回答!$D$2:$D$201,A2)

範囲に「$」を付けて固定しておくと、下の行に式をコピーしても範囲がずれません。A2に「満足」、A3に「やや満足」と並べておけば、式をコピーするだけで全選択肢の人数が出ます。最後の行には合計を出し、回答者数と一致するかを確かめます。合計が合わない場合は、表記の揺れや空欄が残っている合図です。

割合の出し方と分母の決め方

割合は「その選択肢の人数÷合計」で出し、表示形式をパーセントにします。このとき、分母に無回答を含めるかどうかを決めておく必要があります。無回答を含めた全員を分母にすると、回答者全体の中での割合になり、無回答を除くと、答えた人の中での割合になります。どちらを使ったかを表の下に書いておくと、報告を受けた人が数字を読み違えません。

回答が200件で、満足と答えた人が84人なら、満足の割合は42%です。少人数のアンケートでは1人の違いで割合が大きく動くので、割合と一緒に人数も必ず表に残します。

複数回答の設問を数える

手順1で選択肢ごとに0と1の列を作っておけば、SUM関数で列の合計を出すだけで、その選択肢を選んだ人数が分かります。複数回答の割合は、分母を回答者数にするのが一般的です。選択肢ごとの割合を足すと100%を超えますが、これは1人が複数を選んでいるためで、誤りではありません。表の下に「複数回答のため合計は100%になりません」と添えておくと親切です。

平均値を出す設問

満足度を4段階や5段階の番号で入力している場合は、AVERAGE関数で平均値を出せます。平均値は全体の傾向を1つの数字で示せる便利な指標ですが、「満足」と「不満」に大きく分かれた場合も、ほどほどの平均値になってしまいます。平均値だけを報告せず、選択肢ごとの人数の表も一緒に示すのが安全です。

手順3 ピボットテーブルでクロス集計をする

年代別、利用回数別などに分けて比べたいときは、ピボットテーブルを使います。ピボットテーブルとは、表のデータを、行と列に好きな項目を並べて自動で集計してくれるエクセルの機能のことです。関数を1つずつ書かなくても、項目を引っぱって並べるだけで集計表ができます。

ピボットテーブルを作る手順

Microsoftのピボットテーブルの作り方の説明では、Windows版のExcelで次の順に操作すると案内されています。

  1. 回答の表の中のセルを1つ選ぶ
  2. [挿入]から[ピボットテーブル]を選ぶ
  3. ピボットテーブルを作る場所として[新しいワークシート]か[既存のワークシート]を選ぶ
  4. [OK]を選ぶ

同じ説明には、データは1行の見出しを持つ列にまとめる必要があると書かれています。手順1で整えた表がそのまま使えるのはこのためです。

年代別の満足度を出す

ピボットテーブルを作ると、画面の右側に[ピボットテーブル フィールド]という一覧が出ます。ここで「年代」を[行]に、「満足度」を[列]に、「回答番号」を[値]に引っぱって入れます。値の集計方法が「合計」になっていたら「個数」に変えます。これで、年代ごとに満足度の各選択肢が何人いるかの表ができます。

人数の表ができたら、値の表示方法を「行集計に対する比率」に変えると、年代ごとの割合で比べられます。20代の満足が60%、50代の満足が30%のように、属性による違いがはっきり見えるようになります。

回答を追加したら更新する

ピボットテーブルは、元の表に回答を追加しても自動では変わりません。Microsoftの説明でも、元のデータに新しいデータを加えたら、ピボットテーブルを右クリックして[更新]を選ぶよう案内されています。回答の受付が続いているあいだに集計するときは、報告の前に必ず更新します。元の表を「テーブル」に変換しておくと、行を追加したときに範囲が自動で広がるので、範囲の選び直しが要らなくなります。

COUNTIFS関数でクロス集計する方法

ピボットテーブルに慣れていない場合は、COUNTIFS関数でもクロス集計ができます。COUNTIFS関数とは、複数の条件をすべて満たすセルの数を数える関数です。たとえば「30代で、満足と答えた人」の数は、年代の列と満足度の列にそれぞれ条件を指定して数えます。式で作った表は、報告書の決まった形に合わせやすいのが利点です。ただし、設問や選択肢が多いと式の数が増えるので、まずピボットテーブルで全体を眺め、報告に使う表だけを関数で作り直すと効率がよくなります。

クロス集計で気をつけること

クロス集計では、分けたあとの1つのグループの人数が少なくなりがちです。たとえば60代の回答者が5人しかいないと、1人の回答で割合が20%も動きます。人数の少ないグループは「参考値」と書き添えるか、隣の年代とまとめて「50代以上」にするなど、比べられる大きさに整えてから読み取ります。

手順4 グラフで結果を見える形にする

集計表ができたら、グラフにすると傾向が一目で伝わります。エクセルでは、集計表を選んで[挿入]からグラフの種類を選ぶだけで作れます。ピボットテーブルからは、ピボットグラフという、ピボットテーブルと連動するグラフも作れます。

設問に合うグラフの選び方

伝えたいこと 向いているグラフ
1つの設問の選択肢の割合 帯グラフ、円グラフ
選択肢ごとの人数の多い少ない 横棒グラフ
属性ごとの割合の違い 100%積み上げ横棒グラフ
複数回答の設問 横棒グラフ(多い順に並べる)
時期による変化 折れ線グラフ

円グラフは割合を示すのに使われますが、選択肢が5つを超えると細かい扇形が並んで読みにくくなります。選択肢が多いときや、属性ごとに比べたいときは、100%積み上げ横棒グラフが向いています。年代ごとに1本ずつ帯を並べると、満足の割合の違いが横に並んで比べやすくなります。

見やすいグラフにするための調整

グラフを作ったら、次の点を整えます。

・グラフのタイトルに設問の内容と回答者数を入れる(例:「満足度(回答者200人)」)
・選択肢の並び順を、「満足」から「不満」のように意味の順にそろえる
・色は、肯定的な回答と否定的な回答で色の系統を分ける
・数値のラベルを表示し、目盛りを読まなくても値が分かるようにする
・複数回答の設問は、選んだ人の多い順に並べる

とくに並び順は見落としやすい点です。エクセルは集計表の並びのままグラフを作るので、集計表の段階で選択肢の順番を整えておくと、グラフでの手直しが要らなくなります。

手順5 自由記述の回答を分類して数える

「ご意見をご自由にお書きください」のような自由記述の設問は、関数だけでは集計できません。文章を読み、内容ごとに分類してから数える必要があります。数が多いと大変ですが、選択式の設問では拾えない具体的な声が集まる大事な設問です。

分類の手順

自由記述の回答は、次の順で整理します。

  1. 回答を1件ずつ読み、「特になし」「なし」のような内容のない回答に印を付ける
  2. 残った回答から、似た内容のものを集めて仮の分類名を付ける(例:「資料」「会場」「時間」「講師」)
  3. 回答のシートに「分類」の列を追加し、1件ずつ分類名を入力する
  4. 1件の回答に複数の内容が含まれる場合は、分類の列を2つ用意するか、内容ごとに行を分ける
  5. 分類の列をCOUNTIF関数で数え、件数の多い順に並べる

分類名は最初から細かく作りすぎないのがコツです。最初は5つから8つ程度の大きな分類で始め、件数の多い分類だけをさらに分けると、作業が行き詰まりません。

分類を人によってぶれさせない工夫

複数の人で分類するときは、分類名ごとに「どんな回答を入れるか」の説明と例を1行ずつ書いた表を作っておきます。最初の30件ほどを2人が別々に分類し、結果を突き合わせてずれを話し合うと、そのあとの判断がそろいます。

自由記述には、選択式の結果の理由が書かれていることがよくあります。満足度が「不満」の人の自由記述だけを抜き出して読むと、何が不満の原因になっているかが見えてきます。オートフィルターで満足度を「不満」に絞り込み、その行の自由記述を読むだけでできる作業です。

区切り文字で分けたいとき

「良かった点」を「、」で区切って複数書いてもらった回答は、TEXTSPLIT関数で分けられます。TEXTSPLIT関数とは、指定した区切り文字で文字列を分けて、別々のセルに並べる関数のことです。Microsoftの説明では、この関数が使えるのはMicrosoft 365のExcelとExcel 2024(Windows版とMac版)とされています。それより前の版では、[データ]タブの「区切り位置」の機能で列を分けられます。

個人情報の扱い

自由記述には、名前や連絡先、職場が特定できる内容が書かれていることがあります。報告書に回答を引用するときは、固有名詞を伏せ、誰の回答か分からない形に直します。集計用のファイルを社外の人と共有する場合も、自由記述の列を外すか、伏せた版を作ってから渡します。

エクセルとほかの道具の使い分け

アンケートの集計はエクセルだけでなく、Googleスプレッドシートや、フォームの道具に付いている集計画面でもできます。それぞれの得意な場面を知っておくと、無理にエクセルで全部をこなそうとしなくて済みます。

フォームの集計画面で足りる場面

Googleフォームなどのフォームの道具には、回答の概要を設問ごとのグラフで見せてくれる画面があります。回答の受付中に途中経過を確かめる、選択肢の割合をざっと把握する、といった用途なら、この画面で十分です。一方で、年代別に分けて比べるクロス集計や、自由記述の分類はこの画面ではできないことが多く、そこから先はエクセルやスプレッドシートの出番になります。

Googleスプレッドシートを使う場面

複数の人で同時に集計を進めたいときや、回答の受付中もデータを自動で取り込みたいときは、Googleスプレッドシートが便利です。Googleのヘルプでは、フォームの回答をリンクしたスプレッドシートに保存できると案内されています。COUNTIF関数やピボットテーブルはスプレッドシートにもあり、考え方はエクセルとほとんど同じです。最終的な報告書をエクセルの形で求められている場合は、スプレッドシートで集計してから、エクセルの形式でダウンロードする方法もあります。

エクセルが向いている場面

社外とのファイルのやり取りが多い職場や、決まった形の報告書の様式がエクセルで用意されている職場では、最初からエクセルで集計したほうが手戻りがありません。インターネットにつながらない環境で作業する場合や、回答に個人情報が含まれていてクラウドに上げたくない場合も、手元のエクセルで集計するのが安心です。

フォームで集めた回答をエクセルに取り込む

最近はアンケートを紙ではなく、Webのフォームで集めることが増えました。フォームで集めると入力の手間が省け、表記の揺れも起きません。エクセルで集計するには、フォームの回答をCSVという形式で書き出して取り込みます。CSVとは、項目をカンマで区切って並べただけの、多くのソフトで読めるデータの形式です。

Googleフォームの回答を書き出す

Googleフォームの場合、Googleのヘルプでは、フォームを開いて上部の[回答]をクリックし、その他のアイコンから[回答をダウンロード(.csv)]を選ぶ手順が案内されています。同じヘルプには、ダウンロードした回答はタイムスタンプ順には並んでいないと書かれているので、取り込んだあとに日時の列で並べ替えます。

文字化けしたときの対処

CSVのファイルをエクセルでそのまま開くと、日本語が意味の分からない記号に化けることがあります。これは、ファイルの文字の記録の仕方(文字コード)と、エクセルが読み取ろうとする方式が合っていないために起きます。化けたときは、ファイルを直接開かず、エクセルの[データ]タブから[テキストまたはCSVから]を選んで取り込み、文字コードに「UTF-8」を指定すると読めることが多くあります。

回答を書き出しやすいフォームを選ぶ

フォームの道具を選ぶときは、作りやすさだけでなく、回答をどんな形で書き出せるかを確かめておくと、集計の手間が大きく変わります。設問ごとに列が分かれ、1行に1人の回答が並ぶCSVで書き出せれば、手順1の整える作業がほとんど要りません。

候補の1つに、フォームを作って回答を管理できるHalictがあります。公式サイトによると、集まった回答は一覧で確認でき、1回の操作でCSVに書き出して集計や共有に使えます。料金ページでは、メンバー1人までのフリープランが0円で、フォームの数も受け取る回答の数も無制限、CSVの書き出しもフリープランに含まれると案内されています。メンバー3人までのスタータープランは月額2,980円(税抜き)で、Googleスプレッドシートとの連携が加わります。回答ごとに担当と対応の状況を残せるので、アンケートの自由記述に返事が必要な声が混ざる場合にも使えます。Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

同じアンケートを繰り返し集計するときのひな形づくり

研修のあとの満足度調査や、毎月の利用者アンケートのように、同じ設問で何度も集計する場合は、毎回ゼロから表を作るのではなく、集計用のひな形を1つ作っておくと作業が大きく減ります。

回答のシートと集計のシートを分ける

ひな形の基本は、回答を貼り付けるシートと、集計結果を出すシートを分けることです。回答のシートには見出しの行だけを残し、毎回そこへ新しい回答を貼り付けます。集計のシートには、回答のシートを参照するCOUNTIF関数やピボットテーブル、グラフをあらかじめ用意しておきます。回答を貼り付けてピボットテーブルを更新すれば、集計表とグラフが一度にでき上がります。

このとき、回答のシートは「テーブル」に変換しておきます。テーブルとは、エクセルで表の範囲を1つのまとまりとして扱う機能のことで、行を追加すると範囲が自動で広がります。関数やピボットテーブルの参照先をテーブルにしておけば、回答の件数が毎回変わっても範囲を直す必要がありません。

前回との比べ方を決めておく

繰り返しのアンケートでは、今回の結果だけでなく、前回からどう変わったかが知りたくなります。集計のシートに「前回」「今回」「差」の3つの列を用意し、前回の割合を値として貼り付けておくと、変化がすぐに分かります。ただし、回答者数が少ないと、たまたまの違いで割合が上下します。数ポイントの増減に一喜一憂せず、3回、4回と続けて同じ方向に動いているかを見るほうが、判断を誤りにくくなります。

手順書を1枚残す

ひな形を作った人が異動や退職をすると、次の担当者が使い方を分からずに困ることがよくあります。回答をどこに貼るか、どのボタンで更新するか、分母に何を使っているかを、ひな形のファイルの最初のシートに書いておきます。設計図の書き込みと同じで、作った本人には当たり前のことほど書き残されず、あとで困る原因になります。

集計の前に決めておきたい設計

アンケートの集計で苦労するかどうかは、実はアンケートを配る前の段階でかなり決まっています。これからアンケートを作る人は、次の点を先に決めておくと、エクセルでの集計がずっと楽になります。

集計表の形から逆算して設問を作る

アンケートを作る前に、最後に作りたい集計表とグラフを紙に描いてみます。「年代別に満足度を比べたい」なら、年代を尋ねる設問と満足度の設問が必要で、年代の区切り方もそこで決まります。描いてみると、集計に使わない設問や、比べたいのに尋ねていない項目に気づけます。

選択肢の数と順番をそろえる

満足度のように段階で答えてもらう設問は、アンケート全体で段階の数と並び順をそろえます。ある設問は4段階、別の設問は5段階、並び順も「満足が左」と「不満が左」が混ざっていると、集計表とグラフをそろえるたびに手直しが必要になります。「どちらともいえない」を入れるかどうかも、全体で統一しておくと比べやすくなります。

自由記述は目的を絞って尋ねる

「ご意見をご自由に」とだけ尋ねると、回答の内容が広がりすぎて分類が難しくなります。「改善してほしい点を1つ挙げてください」「満足した理由を教えてください」のように、何について書いてほしいかを絞ると、回答が集まりやすく、分類もしやすくなります。自由記述の設問は多くても2つから3つにとどめると、回答する人の負担も軽くなります。

集計でよく起きるつまずきと直し方

最後に、エクセルでアンケートを集計するときによく起きるつまずきを、原因と直し方の組み合わせで整理します。

起きること 主な原因 直し方
合計が回答者数と合わない 表記の揺れ、空欄、余分な空白 フィルターで一覧を見て表記をそろえる。TRIM関数で空白を取る
COUNTIFの結果が0になる 全角と半角、数字と文字列の違い 検索条件のセルと回答のセルの表記を見比べる
ピボットテーブルに新しい回答が出ない 更新していない、範囲が固定されている 右クリックで更新する。元の表をテーブルに変換する
グラフの並び順がおかしい 集計表の並びがそのまま使われる 集計表で選択肢の順番を並べ替えてから作る
割合の合計が100%を超える 複数回答の設問 誤りではない。表の下に注記する

現場で集計を手伝っていると、いちばん時間を取られるのは関数の式ではなく、こうした小さな食い違いを探す作業です。工事の数量を拾う仕事でも同じですが、最後に「合計が合っているか」を必ず確かめる習慣があるだけで、報告の前に気づける誤りがぐっと増えます。

集計の仕事に関わる人へ

アンケートの集計は、社内の担当者だけでなく、外部の人に頼まれることも多い仕事です。集計表とグラフを整えて報告書にまとめる作業は、在宅で受けられる事務やデータ整理の仕事として募集が出ています。

20年近く在宅ワークの市場を見てきた運営者の立場から言えば、集計の仕事で長く頼まれる人は、関数に詳しい人よりも、「この数字はこう出した」と説明を添えて渡せる人です。依頼する側は、数字そのものより、その数字を自分の上司に説明できるかを気にしています。集計の手順と分母の取り方を1枚にまとめて納品するだけで、次の依頼につながりやすくなります。仲介の手数料が乗らない直接の取引なら、同じ予算で依頼者は分析まで頼めて、受ける側の手取りも厚くなります。

アンケートの結果を業務の改善や生成AIの活用につなげる支援まで関わりたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で仕事の中身を確かめられます。調査の設計や分析を本業にしている人の収入の目安は、研究者の年収・単価相場にまとめています。経営の課題を数字で整理する力を体系立てて身につけたい人には、中小企業診断士の資格も1つの道です。介護や福祉の事業所でアンケートや記録のデジタル化を進めたい場合は、介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で補助金を使った進め方を紹介しています。集計の結果を日々の業務の仕組みに組み込みたい場合は、アプリケーション開発のお仕事で、業務の道具を作る仕事の内容も確かめてみてください。

よくある質問

Q. アンケートの集計はCOUNTIF関数とピボットテーブルのどちらを使えばよいですか?

1つの設問の選択肢ごとの人数を出すだけなら、COUNTIF関数で十分です。年代別や部署別に分けて比べるクロス集計をしたいときは、ピボットテーブルのほうが早く集計できます。まずピボットテーブルで全体を眺め、報告書に載せる表だけを関数で作り直すと、手間と見た目の両方を整えやすくなります。

Q. 複数回答の設問の割合を足すと100%を超えるのは誤りですか?

誤りではありません。1人が複数の選択肢を選べるため、選択肢ごとの割合を足すと100%を超えます。分母は回答者数にするのが一般的です。報告書では表やグラフの下に「複数回答のため合計は100%になりません」と添えておくと、読む人が誤りと受け取らずに済みます。

Q. 自由記述の回答が多すぎて読み切れないときはどうすればよいですか?

まず「特になし」のような内容のない回答を除き、残りを5つから8つ程度の大きな分類に分けて数えます。満足度が低い人の回答だけを先に読むなど、目的に合わせて読む順番を決めるのも有効です。件数の多い分類だけを細かく分け直すと、すべてを同じ深さで読まなくても全体の傾向がつかめます。

Q. フォームの回答のCSVをエクセルで開くと文字化けします。どうすればよいですか?

ファイルをそのまま開かず、エクセルの[データ]タブから[テキストまたはCSVから]を選んで取り込み、文字コードにUTF-8を指定すると読めることが多くあります。文字化けは、ファイルの文字コードとエクセルの読み取り方が合っていないときに起きます。取り込んだあとは、回答の日時の列で並べ替えてから集計を始めてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月23日最終更新:2026年10月12日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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