厚生労働省の短時間勤務制度、育児や介護で使える範囲と会社への申し出方 2026


この記事のポイント
- ✓厚生労働省の資料をもとに
- ✓短時間勤務制度の対象になる人と外される人
- ✓短時間勤務が難しい仕事の代替措置
育児休業から戻る時期が近づくと、多くの人が「フルタイムに戻れるだろうか」と不安になります。保育園の送り迎えに間に合う働き方ができるのか、会社に時短を申し出たら嫌な顔をされないか、給与はどのくらい下がるのか。そうした疑問を、厚生労働省の資料で確かめたい人も多いはずです。
結論から書きます。3歳未満の子を育てる人には、1日の所定労働時間を原則6時間にする短時間勤務制度を使う権利が、育児介護休業法で認められています。会社はこの制度を必ず用意しなければならず、要件を満たす人が希望すれば使えます。家族の介護をしている人にも、別の形の短時間勤務の仕組みがあります。
この記事では、厚生労働省の育児休業制度の特設サイトと、育児・介護休業法の解説パンフレットに書かれている内容をもとに、誰が使えるのか、どのくらい短くできるのか、給与やお金の支えはどうなるのか、どう申し出ればよいのかを順番に整理します。
短時間勤務制度とは。3歳未満の子を育てる人が1日6時間で働ける仕組み
短時間勤務制度は、育児介護休業法の第23条で会社に義務づけられている制度です。所定労働時間(会社の就業規則などで決められている、本来働くべき時間)を短くして働けるようにすることで、子育てと仕事を両立しやすくするのが目的です。
厚生労働省の育児休業制度の特設サイトでは、制度の中心がこう説明されています。
事業主は、3歳に満たない子を養育する労働者に対して、1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む短時間勤務制度を講じなければなりません。 出典: mhlw.go.jp
ここで大事なのは「講じなければなりません」という部分です。これは会社の義務であり、やるかやらないかを会社が選べるものではありません。厚生労働省の解説パンフレットでは、「措置を講じている」とは、短時間勤務制度が就業規則などに規定されて制度化された状態になっていることを指し、運用で行われているだけでは不十分だと説明されています。つまり、「上司に相談すれば時短にしてもらえることもある」という状態では足りず、就業規則などに制度として書かれている必要があるということです。
使える期間は、子が3歳になるまでです。男女の区別はなく、父親も母親も使えます。夫婦がそれぞれ同時に短時間勤務を使うこともできます。
もし自分の会社の就業規則に短時間勤務の規定が見当たらない場合でも、法律の義務がなくなるわけではありません。まずは人事部に「育児のための短時間勤務を使いたい」と伝えて、社内の手続きを確認しましょう。規定がない会社では、申し出をきっかけに整備が進むこともあります。
対象になる人、ならない人
短時間勤務制度の対象になるのは、3歳未満の子を育てる労働者のうち、次のすべてに当てはまる人です。
・1日の所定労働時間が6時間以下でないこと
・日々雇用される人(日雇いの人)でないこと
・短時間勤務を使う期間に、育児休業(産後パパ育休を含む)をしていないこと
1つ目の条件は、もともと1日6時間以下で働いているパートの人は対象外という意味です。すでに短い時間で働いている人には、制度を使う必要がないという考え方です。ただし、変形労働時間制(日によって所定労働時間が変わる働き方)で働いている人は、すべての労働日の所定労働時間が6時間以下でなければ対象になります。平均すると6時間以下でも、8時間の日がある人は対象です。
正社員だけでなく、契約社員やパートの人も、上の条件を満たせば対象になります。
一方で、会社と労働者の代表との間で労使協定を結んでいる場合には、次の人を対象外にできます。労使協定とは、会社と、労働者の過半数で作る労働組合(なければ労働者の過半数を代表する人)との間で結ぶ書面の約束のことです。
・その会社に継続して雇われた期間が1年未満の人
・1週間の所定労働日数が2日以下の人
・業務の性質や業務の実施体制から見て、短時間勤務が難しいと認められる業務に従事する人
ここで押さえておきたいのは、労使協定がなければ、これらの人も対象になるという点です。入社1年未満だから使えないと思い込まず、会社に労使協定があるかどうかを確認しましょう。
また、3つ目の「短時間勤務が難しい業務」には、厳しい条件があります。厚生労働省のパンフレットでは、指針に挙げられている業務は例示にすぎず、たとえばすでに1日6時間の短時間勤務制度を導入している職場のように、客観的にみて困難とは認められない業務を対象外にすることはできないと書かれています。「人手が足りないから」「お客様対応があるから」という理由だけで、職場全体を一律に対象外にすることは認められません。
「原則6時間」の中身。5時間45分から6時間、他の時間を選べる場合
制度の中心は「1日の所定労働時間を原則として6時間とする措置」です。ここでいう「原則として6時間」には、少し幅があります。
厚生労働省のパンフレットによると、これは1日の所定労働時間を6時間とすることを原則としつつ、通常の所定労働時間が7時間45分の事業所で短縮後を5時間45分とする場合なども考えて、短縮後の所定労働時間を1日5時間45分から6時間までの範囲で認める趣旨だと説明されています。つまり、通常より2時間短くする形も、6時間ちょうどにする形も、どちらも法律の要件を満たします。
会社は、6時間の選択肢を必ず用意したうえで、それ以外の選択肢をあわせて設けることもできます。パンフレットでは、1日5時間や7時間とする措置、1週間のうち短縮する曜日を固定する措置、週休3日とする措置などをあわせて設けることが望ましいとされています。ただし、その場合でも、6時間の措置を実質的に選べる状態になっていることが必要です。「7時間の時短しかない」という制度では、法律の要件を満たしません。
働く側からすると、保育園の開園時間と通勤時間から逆算して、何時に退社する必要があるかを考えると、どの選択肢が合うかが見えてきます。たとえば、保育園のお迎えが18時までで、通勤に1時間かかるなら、17時には会社を出る必要があります。始業が9時で休憩が1時間の職場なら、6時間勤務で16時に退社でき、余裕を持ってお迎えに行けます。
会社によっては、始業時刻を早めたり遅らせたりする時差出勤と組み合わせられることもあります。短時間勤務と時差出勤を組み合わせられるかどうかは会社の制度次第なので、申し出の前に人事部に確認しておきましょう。
短時間勤務が難しい仕事の場合。代わりに用意される措置
労使協定で「短時間勤務が難しい業務」として対象外にされた人に対しても、会社は何もしなくてよいわけではありません。代わりの措置(代替措置)を用意することが義務づけられています。
厚生労働省の特設サイトでは、代替措置として次のいずれか1つ以上を設ける必要があるとしています。
・育児休業に関する制度に準ずる措置
・フレックスタイム制
・始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ(時差出勤の制度)
・保育施設の設置・運営等
・テレワーク等
最後のテレワーク等は、令和7年4月1日から追加されたものです。パンフレットによると、ここでいう在宅勤務等とは、自宅などの就業規則で定める場所での勤務で、保育所への送迎の便宜などを考えて在宅で働けるようにする措置である必要があります。必ずしもパソコンなどの情報通信技術を使う業務に限らないとも書かれています。
保育施設の設置・運営等の「これに準ずる便宜の供与」には、会社が労働者から頼まれてベビーシッターを手配し、その費用を負担することなども含まれます。
たとえば、工場のライン作業や交代制の勤務で短時間勤務が難しいと判断された人は、時差出勤で早番に固定してもらう、保育所のお迎えに間に合う時間帯の勤務を選べるようにする、といった代替措置を使うことになります。自分が対象外とされた場合は、どの代替措置が用意されているのかを人事部に必ず確認しましょう。
厚生労働省のパンフレットでは、在宅勤務や時差出勤の措置を講じるにあたって、夜間の勤務や長時間労働で心身の健康を損なわないよう配慮することが望ましいとされています。在宅勤務になったことで、子どもが寝た後の深夜まで仕事が続くような状態は避けるべきだということです。代替措置を使い始めたら、実際の労働時間が延びていないかを自分でも記録しておくと、上司との話し合いの材料になります。
3歳から小学校入学前。令和7年10月からの柔軟な働き方の措置
短時間勤務制度が義務になっているのは子が3歳になるまでですが、3歳になった途端にフルタイムに戻るのは負担が大きいのが現実です。そこで、令和7年10月1日から、新しい仕組みが始まりました。
会社は、3歳から小学校に入る前の子を育てる人のために、次の5つの中から2つ以上を選んで用意しなければなりません。働く人は、その中から1つを選んで使えます。
・始業時刻等の変更(フレックスタイム制や時差出勤)
・テレワーク等(1か月に10日以上使えるもの)
・保育施設の設置運営等
・養育両立支援休暇(1年に10日以上取れる休暇)の付与
・短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの)
つまり、短時間勤務は、3歳以降も会社が選べば使い続けられる選択肢の1つになっています。会社が短時間勤務を選んでいなければ、3歳以降は時短ではなく、フレックスタイム制やテレワークなど別の形で両立を図ることになります。会社がどの2つを選ぶかを決めるときには、過半数の労働者で作る労働組合などから意見を聞く機会を設けることも義務です。
さらに会社は、子が3歳になるまでの適切な時期(1歳11か月から2歳11か月の時期までの1年間)に、本人に対して、会社が選んだ措置の内容や申し出先を個別に知らせ、使う意向を確認しなければなりません。面談や書面で説明を受けたときに、3歳以降の働き方の希望を具体的に伝えておきましょう。
介護のための短時間勤務。3年以上の間に2回以上使える
短時間勤務は育児だけの制度ではありません。要介護状態の家族を介護する人にも、会社は短時間勤務などの措置を用意しなければなりません。要介護状態とは、けがや病気、障害などで、2週間以上にわたり常に介護が必要な状態のことです。
介護の場合、会社は次のいずれかの措置を、利用を始めてから連続する3年以上の期間の中で、2回以上使えるように用意する義務があります。
・短時間勤務の制度(1日の所定労働時間の短縮、週や月の所定労働時間の短縮、隔日勤務や特定の曜日だけの勤務など)
・フレックスタイム制
・時差出勤の制度
・介護サービスの費用の助成など
育児の場合と違い、介護の短時間勤務には「1日6時間」という決まりはありません。ただし、厚生労働省のパンフレットでは、所定労働時間が8時間の場合は2時間以上、7時間以上の場合は1時間以上の短縮が望ましいとされています。
3年間の数え方は、労働者が短時間勤務などの利用を始める日として申し出た日から起算します。介護休業(対象家族1人につき通算93日まで)を、短時間勤務の期間の間に挟んで取ることもできます。たとえば、親が退院した直後は介護休業で介護サービスの手配をし、その後は短時間勤務で通院の付き添いや見守りと仕事を両立する、といった使い方です。
介護の短時間勤務も、労使協定で、継続して雇われた期間が1年未満の人と、1週間の所定労働日数が2日以下の人は対象外にできます。
給与と賞与はどうなるか。減らしてよい範囲と、不利益にあたる扱い
短時間勤務を使うと、働く時間が減る分、給与も減るのが一般的です。法律上、働かなかった時間について会社が賃金を払わないことは問題ありません。
ただし、減らし方には限度があります。厚生労働省のパンフレットでは、短時間勤務の適用期間中に現に働かなかった時間について賃金を払わないことは不利益な取扱いにあたらない一方で、賞与や退職金の算定で、短縮された時間の合計を超えて働かなかったものとして扱うことは、「不利益な算定」にあたると説明されています。
たとえば、所定労働時間8時間の人が6時間勤務を選んだ場合、基本給を8分の6にすることは認められます。一方で、「短時間勤務の人は賞与の評価を一律に最低ランクにする」「短縮された時間以上に賞与を減らす」といった扱いは、法律が禁止する不利益な取扱いにあたる可能性があります。
短時間勤務を申し出たことや使ったことを理由に、解雇、雇止め、降格、本人の希望しない配置転換などをすることも禁止されています。短時間勤務を使ったから昇進の対象から外すという扱いも、問題になり得ます。
給与明細を受け取ったら、基本給や手当が勤務時間の割合どおりに計算されているかを確認しましょう。通勤手当のように、勤務時間と関係なく実費で払われている手当まで減らされている場合は、根拠を人事部に確認する価値があります。
お金の支え。育児時短就業給付金と、年金の養育特例
短時間勤務で給与が減ることを補う仕組みも、令和7年4月から始まっています。
育児時短就業給付金は、2歳未満の子を育てるために所定労働時間を短くして働く雇用保険の加入者に支給される給付です。厚生労働省の特設サイトでは、一定の要件を満たす人に、短時間勤務中の賃金の10%相当額が支給されると説明されています。給付額と賃金の合計が短時間勤務を始める前の賃金を超えないように、給付率は調整されます。
この給付は、育児休業から引き続いて同じ子について時短を始めた場合のほか、時短を始める前の2年間に一定の加入期間がある場合に受けられます。支給は、子が2歳になる日の前日が属する月までです。手続きは原則として会社がハローワークに対して行うので、時短を始めるときに会社の担当者に申請を依頼しましょう。
もう1つ知っておきたいのが、年金の養育特例です。日本年金機構のページによると、子が3歳になるまでの養育期間中に標準報酬月額(保険料と年金額の計算に使う月給の区分)が下がった場合でも、申し出れば、養育を始める前の標準報酬月額で将来の年金額を計算してもらえる仕組みです。保険料は下がった給与で計算されるので、払う保険料は少なくなり、将来の年金は減らないという形になります。
この特例は、本人が「厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書」を会社経由で提出しないと使えません。申し出より前の期間は、申出日の前月までの2年間についてさかのぼって認められます。くわしくは日本年金機構の養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置のページで確認できます。時短を始めたら忘れずに会社に提出を頼みましょう。
会社への申し出方。手続きと確認しておくこと
短時間勤務の手続きは、法律では細かく決められておらず、会社が就業規則などで定めます。厚生労働省のパンフレットでは、会社は手続きが労働者の過重な負担にならないよう配慮しつつ、他の制度の手続きも参考にして適切に定めることが求められるとしています。そのうえで、育児休業などと同じように「1か月前までに申し出る」という決まりは問題ないとされています。一方で、適用期間を1か月単位に限ることは望ましくないとされています。
申し出は、次の順番で進めるとスムーズです。
- 就業規則で、申し出の期限と申請書の様式を確認する
- 保育園の開園時間と通勤時間から、希望する勤務時間を決める
- 直属の上司に、時短を始めたい時期と勤務時間を口頭で伝える
- 人事部に、所定の申請書(なければメールなどの書面)で正式に申し出る
- 給与や賞与の扱い、育児時短就業給付金と年金の養育特例の手続きを確認する
申請書やメールには、次の項目を書いておくと確実です。
・対象となる子の氏名と生年月日
・短時間勤務を始める日と終える日(子が3歳になる前日までの範囲で)
・希望する始業時刻と終業時刻
・あわせて残業の免除などを請求するかどうか
育児休業からの復帰と同時に時短を始める人は、育児休業の申し出の段階で、復帰後の働き方についてもあわせて相談しておくと、職場の体制づくりが進めやすくなります。
残業の免除や時間外労働の制限と組み合わせる
短時間勤務を使っていても、残業を頼まれると結局お迎えに間に合わない、ということが起こります。そこで知っておきたいのが、残業に関する3つの制度です。
・所定外労働の制限(残業の免除):小学校に入る前の子を育てる人が請求すると、会社は所定労働時間を超えて働かせてはいけない
・時間外労働の制限:小学校に入る前の子を育てる人が請求すると、法定の労働時間を超える残業は1か月24時間、1年150時間までになる
・深夜業の制限:小学校に入る前の子を育てる人が請求すると、午後10時から午前5時までの間は働かせてはいけない
残業の免除は、令和7年4月から、3歳未満の子から小学校に入る前の子を育てる人に対象が広がりました。厚生労働省のパンフレットでは、残業の免除は短時間勤務の期間と重なって請求することもできると説明されています。
いずれも1回の請求で1か月以上1年以内(深夜業は6か月以内)の期間を決め、開始の1か月前までに請求します。短時間勤務と残業の免除を同時に申し出ておけば、6時間勤務で確実に定時に帰れる状態を作れます。
注意したいのは、残業の免除と時間外労働の制限は、期間が重ならないように請求する決まりになっている点です。厚生労働省のパンフレットでは、所定外労働の制限の期間は、時間外労働の制限の期間と一部または全部が重複しないようにしなければならないとされています。短時間勤務中は残業の免除を選び、時短を終えてフルタイムに戻った後は時間外労働の制限に切り替える、といった使い分けを考えておくと計画が立てやすくなります。
時短なのに仕事が減らないとき。職場と話し合っておくこと
短時間勤務を使い始めた人がよくつまずくのが、勤務時間は短くなったのに、任される仕事の量がフルタイムのときと変わらないという問題です。結果として、昼休みを削ったり、持ち帰りで仕事をしたりして、制度を使っている意味がなくなってしまいます。
これを防ぐには、時短を始める前に、上司と次の点を話し合っておくことが大切です。
・担当する業務の範囲(どの仕事を続け、どの仕事を他の人に引き継ぐか)
・締め切りのある仕事の配分(夕方以降に発生しやすい仕事を誰が受けるか)
・急ぎの対応が必要なときの連絡方法と、代わりに対応する人
・評価の基準(勤務時間に応じた目標の設定になっているか)
厚生労働省の指針では、会社は短時間勤務を使う労働者が就業しつつ子を養育することを実質的に容易にする内容のものとすることに配慮するよう求められています。制度があっても、実際には帰れない状態では、その趣旨に沿っているとはいえません。
話し合いの場では、「できないこと」だけでなく「できること」も具体的に伝えると、上司も業務の配分を考えやすくなります。たとえば「午前中の会議と資料作成は引き続き担当できる」「夕方の顧客対応は難しいが、翌朝一番に対応できる」のように、時間帯で区切って伝えると伝わりやすくなります。
時短を始めて1か月ほど経ったら、実際の働き方を振り返り、業務の量や配分を見直す面談を上司に申し込むのもよい方法です。厚生労働省は、育児休業からの復帰時や短時間勤務の利用期間中なども、定期的に面談を行うことが望ましいとしています。子どもの成長や保育園の状況によって必要な配慮は変わるので、一度決めた働き方を固定せず、こまめに調整していくことが長く続けるこつです。
パートや契約社員が短時間勤務を使うときの注意点
短時間勤務制度は正社員だけのものではありません。契約社員やパートで働く人も、1日の所定労働時間が6時間を超えていて、ほかの要件を満たしていれば対象になります。たとえば、1日7時間、週5日で働くパートの人は、短時間勤務を申し出て1日6時間にすることができます。
期間を決めて雇われている人の場合、時短を申し出たことを理由に契約を更新しない(雇止めする)ことは、不利益な取扱いとして禁止されています。更新の時期が近い人は、更新の面談で時短を希望していることを伝えたうえで、更新の判断がそれと無関係に行われているかに注意しておきましょう。
パートの人が気をつけたいのは、勤務時間を短くしたことで社会保険や雇用保険の加入条件から外れてしまう場合があることです。厚生年金と健康保険には、勤め先の規模などに応じて、短時間で働く人が加入するための条件として週20時間以上などの要件があり、雇用保険にも週20時間以上という条件があります。時短の結果、週の所定労働時間が20時間を下回ると、加入の扱いが変わる可能性があります。そうなると育児時短就業給付金の対象からも外れてしまうため、何時間まで短くするかは、会社の担当者と加入の条件を確認してから決めるのが安全です。
また、もともと1日6時間以下で働いている人は短時間勤務制度の対象外ですが、残業の免除や時間外労働の制限、子の看護等休暇などの制度は使えます。勤務時間を短くする以外の方法で両立を図れないか、あわせて検討してみましょう。
時短を終える時期と、フルタイムに戻る準備
短時間勤務は、子が3歳になる前日まで使えますが、必ずしもその日まで使い続ける必要はありません。子どもの成長や家庭の状況に合わせて、途中でフルタイムに戻ることもできます。逆に、会社の就業規則で3歳を超えて小学校入学前まで、あるいは小学校低学年まで時短を使えるようにしている会社もあります。法律より手厚い制度を用意している会社は少なくないので、自分の会社の上限を確認しておきましょう。
フルタイムに戻る時期を考えるときは、次の点を見比べると判断しやすくなります。
・保育園の延長保育の有無と料金(夕方のお迎えを遅くできるか)
・配偶者や家族とお迎えを分担できるか
・病児保育やファミリー・サポート・センターなど、急な発熱のときに頼れる先があるか
・会社のテレワークやフレックスタイム制を組み合わせられるか
3歳以降は、先に紹介した柔軟な働き方の措置の中から、会社が用意した制度を選んで使えます。短時間勤務からいきなりフルタイムの出社に戻るのではなく、テレワークや時差出勤を挟んで段階的に戻すと、家庭の負担を急に大きくせずに済みます。
フルタイムに戻ると、育児時短就業給付金の支給は終わり、給与は元の水準に戻ります。年金の養育特例は、子が3歳になるまでの期間が対象なので、時短を終えた後も3歳までの間に標準報酬月額が下がっている月があれば対象になります。戻る時期が決まったら、給与計算や社会保険の手続きに漏れがないよう、人事部に早めに伝えておきましょう。
断られたとき、不利益を受けたときの相談先
会社が短時間勤務を認めない、時短を申し出たら嫌がらせを受けた、といった場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。受付は平日の8時30分から17時15分で、相談は無料です。
労働局は、会社に対して助言や指導を行うほか、労働局長が当事者の間に入って紛争解決の援助を行う仕組みもあります。裁判と比べて費用も時間もかからないので、社内で話がまとまらないときは、早めに相談してみましょう。
相談の前に、次のような記録をそろえておくと話が早く進みます。
・短時間勤務を申し出た日付と方法(申請書やメールの控え)
・会社や上司からの返答の内容
・就業規則の短時間勤務の規定
・給与明細(不利益な扱いを受けた場合)
上司から口頭で言われたことは、日付と内容をその日のうちにメモしておきましょう。上司や同僚が制度の利用をやめるよう圧力をかけるような言動を防ぐことも、会社の義務とされています。
時短勤務中のキャリアと、副業という選択肢
短時間勤務を使うと、仕事の量や任される役割が変わり、キャリアが止まってしまうのではと不安に感じる人もいます。運営者として長く在宅ワークの市場を見てきた立場から言えば、時短の期間を上手に過ごしている人には共通点があります。限られた時間で成果を出すために仕事の進め方を見直し、その経験を「短い時間で成果を出せる人」という強みに変えていることです。
時短の期間に、在宅でできる小さな副業を始める人もいます。会社の就業規則で副業が認められているかを確かめたうえで、子どもが寝た後の時間などを使って、自分のスキルを社外で試すという形です。ただし、短時間勤務は子育てのための制度なので、副業で疲れ切ってしまっては本末転倒です。無理のない範囲で、将来の働き方の選択肢を広げる準備と考えるのがよいでしょう。
業務委託で仕事を受けるときは、報酬の支払い時期や修正の範囲など、取引の条件を最初に書面で確認しておくことが大切です。作業時間が限られる人ほど、あいまいな条件の仕事に時間を取られると負担が大きくなります。
独自データで見る、時短と両立しやすい仕事
短時間勤務と両立しやすいのは、作業の時間帯を自分で決めやすく、成果を納品物で区切れる仕事です。
文章を書く仕事は、その代表例です。著述家,記者,編集者の年収・単価相場では、書く仕事の収入の分布を確認できます。業務の文書を正確に書く力は、本業でも副業でも評価されやすく、ビジネス文書検定で基本を体系的に学べます。
開発の仕事も、在宅で進めやすい分野です。アプリケーション開発のお仕事では、業務委託で受けられる開発案件の種類を整理しています。開発職の収入水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。
業務委託で仕事を受けるときの契約の注意点は、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストで、発注書や契約書に必ず書いておくべき項目を整理しています。
仲介の手数料がかからない直接取引なら、同じ依頼額でも受け手の手取りは厚くなり、作業時間が限られる時期でも収入を保ちやすくなります。短時間勤務制度で本業の働き方を整えながら、自分のペースで社外の仕事も育てていくことが、子育て期のキャリアを途切れさせない現実的な方法です。
よくある質問
Q. 短時間勤務制度は何歳まで使えますか?
育児介護休業法で会社に義務づけられている短時間勤務制度は、子が3歳になるまでです。3歳から小学校に入る前までは、令和7年10月から、会社が始業時刻の変更、テレワーク等、保育施設の設置運営等、養育両立支援休暇、短時間勤務の5つから2つ以上を選んで用意し、働く人がその中から1つを選んで使う仕組みになりました。
Q. 入社1年未満でも短時間勤務を使えますか?
法律上は使えます。会社と労働者の代表が労使協定を結んでいる場合に限り、継続して雇われた期間が1年未満の人を対象外にできます。労使協定がなければ入社1年未満でも対象です。自分の会社に労使協定があるかどうかは、就業規則とあわせて人事部に確認してください。
Q. 短時間勤務中の給与はどのくらい減りますか?
働かなかった時間の分だけ給与を減らすことは認められており、たとえば8時間勤務の人が6時間勤務にすれば、基本給が8分の6になるのが一般的です。ただし、賞与や退職金で短縮した時間を超えて働かなかったものとして扱うことは不利益な算定にあたります。2歳未満の子の場合は育児時短就業給付金で時短中の賃金の10%相当額が支給される仕組みもあります。
Q. 会社に短時間勤務を断られたらどうすればよいですか?
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に無料で相談できます。受付は平日8時30分から17時15分です。労働局は会社への助言や指導、紛争解決の援助を行います。相談の前に、申し出た日付と方法、会社の返答、就業規則の規定、給与明細などをそろえておくと話が早く進みます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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