障害者支援施設の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと


この記事のポイント
- ✓障害者支援施設の面接で聞かれることを
- ✓入所施設の現場が何を見ているかという視点で整理します
- ✓不適切な対応を見たときの考え方への答え方と
障害者支援施設の面接を控えて、何を聞かれるのか不安になっている人は多いと思います。
「未経験だけど、大丈夫かな」 「利用者さんに叩かれたらどうしますか、なんて聞かれたら、何と答えればいいんだろう」
大丈夫ですよ。
面接で聞かれることには、ちゃんと理由があります。そして、その理由は、障害者支援施設という職場の特徴と、深くつながっているんです。
障害者支援施設は、利用者の暮らしを24時間支える入所施設です。夜は少ない人数で見守り、昼は介助と活動を支え、同じ建物で同じ顔ぶれと長い時間を過ごします。だから面接をする側は、「この人に、少人数の夜を任せられるか」「このチームの中で、長く一緒に働けるか」を見ています。
この記事では、障害者支援施設の面接でよく聞かれる質問を、現場が何を確かめたいのかという視点から整理します。そして、あなたの側から聞き返しておきたい質問も、最後にまとめました。面接は、施設があなたを選ぶ場であると同時に、あなたが施設を選ぶ場でもあります。
障害者支援施設の面接は、何を見ているのか
最初に、面接をする側が何を見ているのかを知っておきましょう。これが分かると、どの質問にも、落ち着いて答えられるようになります。
障害者支援施設で働く職場の特徴について、介護の求人サイトの記事では、次のように紹介されています。
職場環境については、チームワークを重視する施設が多く、コミュニケーション能力を活かしながら協力して業務に取り組める環境が整っています。多くの施設では、定期的な研修制度や資格取得支援制度を設けていることもあり、未経験からでもスキルアップを図ることができます。勤務形態は日勤のみの職場もあれば、24時間体制でサービスを提供する施設もあり、自分のライフスタイルに合わせて働き方を選択できる点も魅力です。 出典: kaigojob.com
ここに出てくる「チームワーク」「研修」「24時間体制」という3つの言葉が、そのまま面接で見られる点になります。
1つ目は、チームで働けるかです。障害者支援施設では、1人の利用者に、早番、日勤、遅番、夜勤と、1日に何人もの職員が関わります。自分の判断だけで動く人より、決まった手順を守り、引き継ぎを丁寧にし、困ったときに相談できる人が求められます。
2つ目は、学び続けられるかです。障害のある人への関わり方には、決まった正解がありません。行動の理由を考える、研修で学んだことを現場で試す。そういう姿勢があるかどうかは、経験の有無より重く見られることが多いんです。
3つ目は、24時間の勤務に向き合えるかです。国の基準(指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準)では、施設入所支援の夜間の生活支援員は、利用者60人以下なら1人以上とされています。実際にはもっと多く配置している施設もありますが、夜は少人数です。夜勤に入れるか、入れるならどのくらいの頻度か。これは、施設にとってシフトを組むうえでとても大切な情報です。
そしてもう1つ、この職場ならではの見られる点があります。それは、利用者の人権を大切にできる人かどうかです。入所施設は外から見えにくい場所になりやすく、国の基準でも、施設には虐待防止の委員会や研修、身体拘束を減らすための取り組みが義務づけられています。面接でも、この点を確かめる質問が増えています。
この4つを頭に置いて、次の節から、よく聞かれる質問を1つずつ見ていきましょう。
聞かれること1:志望動機「なぜ障害者支援施設なのか」
どの面接でも、まず聞かれるのが志望動機です。
ただ、障害者支援施設の面接では、「なぜ介護の仕事なのか」ではなく、「なぜ障害のある人の支援なのか」「なぜ入所施設なのか」まで踏み込んで聞かれることがあります。高齢者の介護施設やグループホーム、通所の事業所など、ほかにも選択肢がある中で、なぜここなのか。そこを知りたいんです。
介護の求人情報サイトの記事でも、志望動機の例文をそのまま使わないように、と注意されています。
障害者支援施設の志望動機の例文が知りたい方は、この記事の「【経験別】障害者施設の志望動機の例文」をご確認ください。志望動機の例文は参考にする程度でそのまま使用しないようにしましょう。また、サービス形態が一緒だからといって志望動機を使い回してはいけません。自己分析と企業分析をして、自分ならではの志望動機を作成することが、内定の獲得につながるでしょう。 出典: job.kiracare.jp
使い回しの志望動機は、面接をする側にはすぐに分かります。
おすすめは、「きっかけ」「この施設を選んだ理由」「ここでしたいこと」の3つに分けて考えることです。
きっかけは、大きな出来事でなくてかまいません。家族や知人に障害のある人がいた。学生時代のボランティアで施設に行った。前の仕事で障害のある人と一緒に働いた。ニュースを見て関心を持った。どれも立派なきっかけです。
この施設を選んだ理由は、ホームページや見学で知ったことを具体的に入れます。「日中活動で農作業に取り組んでいることに惹かれた」「地域のグループホームへの移行に力を入れていると知った」「重度の方の支援について研修が充実していると聞いた」。施設ごとに違うことを1つでも入れると、使い回しではないことが伝わります。
ここでしたいことは、背伸びをしなくて大丈夫です。「まずは生活の介助を1つずつ確実に身につけたい」「利用者さんの小さな変化に気づける職員になりたい」。そのくらいの言葉のほうが、現場の人には誠実に響きます。
未経験の人は、前の仕事で身につけたことを1つ結びつけてみてください。接客の仕事なら相手の表情から気持ちを読み取ってきたこと、事務の仕事なら正確に記録を残してきたこと、工場の仕事なら決まった手順を守ってきたこと。障害者支援施設の仕事には、どれも生きてきます。
経験者の人は、前の職場で何を学び、なぜ次はこの施設なのかを話せるようにしておきましょう。「前の職場の悪口」にならないように、「前の職場では〇〇を経験したので、次は△△に取り組みたい」と、前向きな言葉に置き換えるのがこつです。
聞かれること2:夜勤とシフトの働き方
入所施設の面接で、ほぼ必ず聞かれるのが、夜勤とシフトについてです。
「夜勤はできますか」 「月に何回くらいなら入れますか」 「土日や年末年始の勤務は大丈夫ですか」
ここは、正直に答えることがいちばん大切です。
面接に受かりたいあまり、「何回でも大丈夫です」と答えてしまう人がいます。でも、入ってから「やっぱり無理でした」となると、あなた自身がつらくなりますし、施設のシフトにも大きな穴があきます。
子どもの送り迎えがある、家族の介護がある、持病があって夜勤は月に数回が限度。そういう事情があるなら、はっきり伝えてください。そのうえで、「日勤と早番は、平日も週末も入れます」のように、できることを一緒に伝えると、施設もシフトを考えやすくなります。
夜勤について聞かれたときに、あわせて確認しておきたいのが、夜勤の時間帯と休憩の扱いです。入所施設では、夕方から翌朝までの長い夜勤が組まれることがあります。労働基準法では、労働時間が8時間を超える場合、少なくとも1時間の休憩を与えなければならないとされています。仮眠の時間がどう扱われているかも含めて、答えるついでに「夜勤は何時から何時までですか」と聞いておくと、入ってからのずれを防げます。
夜勤ができないと不利になるのでは、と心配する人もいると思います。たしかに入所施設では、夜勤に入れる人が求められることが多いのは事実です。ただ、日勤だけの枠や、パートの枠を用意している施設もありますし、同じ法人の通所の事業所を紹介してもらえることもあります。自分の事情を正直に伝えることは、合わない職場を最初から避けることにもつながるんです。
聞かれること3:利用者の行動にどう向き合うか
障害者支援施設の面接では、こんな質問をされることがあります。
「利用者さんに叩かれたり、大きな声を出されたりしたら、どうしますか」
この質問、未経験の人ほど戸惑うと思います。「我慢します」と答えればいいのか、「優しく注意します」と答えればいいのか。
実は、面接をする側が見ているのは、我慢強さではありません。
障害者支援施設には、言葉で気持ちを伝えるのが難しい人も暮らしています。不安や体の不調が、叩く、大声を出すといった行動で表れることがあります。面接をする側が知りたいのは、そういう場面で、あなたが「その人を責める」のではなく「理由を考えようとする」人かどうか。そして、1人で抱え込まずに、周りに助けを求められる人かどうかなんです。
答え方の例を挙げてみます。
「まずは自分と周りの利用者さんの安全を確保して、ほかの職員に助けを求めます。そのうえで、なぜその行動が起きたのか、直前に何があったのかを記録に残して、先輩や担当の方と一緒に考えたいと思います」
この答えには、大切なことが3つ入っています。安全を最初に考えること。1人で対応しないこと。行動には理由があると考えて、記録と相談につなげること。
未経験で、実際にどうするかは分からないという人は、「経験がないので、最初は先輩のやり方を見て学びたいです。ただ、行動には何か理由があると考えて、1人で判断せずに相談するようにしたいと思います」と答えても大丈夫です。分からないことを分からないと言えることも、この職場では大切な力です。
こういう相談をよく受けます。「怖いと思ってしまう自分は、向いていないのでしょうか」。
いいえ、そんなことはありません。怖いと感じるのは自然なことです。大切なのは、怖さを1人で抱えないこと。面接でも、「正直、最初は戸惑うと思いますが、そのときは周りに相談しながら慣れていきたいです」と伝えてかまいません。
聞かれること4:チームで働くことと、記録について
チームで働けるかどうかを確かめるために、こんな質問をされることもあります。
「先輩とやり方が合わないとき、どうしますか」 「前の職場で、意見がぶつかったときはどうしましたか」 「パソコンでの記録は大丈夫ですか」
1つ目と2つ目の質問で見られているのは、自分の意見を押し通す人か、チームの中で折り合いをつけられる人かです。
障害者支援施設では、支援の方法を個別支援計画にもとづいて決めます。国の基準でも、施設は利用者の意向や障害の特性などを踏まえた計画を作り、それにもとづいて支援することが基本とされています。だから、答えるときは「まず先輩のやり方の理由を聞いてみます。そのうえで疑問が残れば、計画や会議の場で相談したいです」のように、個人同士でぶつかるのではなく、チームの決まりに沿って話し合う姿勢を伝えるのがよいと思います。
記録についての質問は、軽く見られがちですが、実はとても大切です。入所施設では、日勤から夜勤へ、夜勤から日勤へと、記録で支援をつないでいます。国の基準では、サービスの提供の記録や個別支援計画などは、提供した日から5年間保存しなければならないとされています。
最近は、記録をパソコンやタブレットで入力する施設が増えています。仙台市のある障害者支援施設が公開している1日の流れでは、日中の活動が終わったあとに、支援員が活動日誌をパソコンで入力することになっています。パソコンが苦手な人は、「文字の入力はゆっくりですが、決まった形の入力なら覚えられます」と、できる範囲を伝えておけば大丈夫です。
私自身、転職したばかりのころ、記録の書き方に戸惑ったことがありました。前の職場とは書式も言葉づかいも違っていて、最初の数週間は先輩の記録を何度も読み返しました。でも、読むうちに「この施設では、何を大事に書いているのか」が分かってきて、それが仕事全体の理解にもつながったんです。記録は、職場の考え方がいちばんよく表れる場所なのかもしれません。
聞かれること5:不適切な対応を見たら、どうするか
最近の障害者支援施設の面接で、聞かれることが増えている質問があります。
「もし、ほかの職員が利用者さんに不適切な対応をしているのを見たら、どうしますか」
少しどきっとする質問ですよね。
これは、あなたが利用者の人権を大切にできる人かどうかを確かめる質問です。そして、施設がこの問題に真剣に取り組んでいるかどうかを示す質問でもあります。
障害者虐待防止法の第16条では、障害者福祉施設の職員による虐待を受けたと思われる障害者を見つけた人は、速やかに市町村に通報しなければならないと定められています。同じ条文で、通報した職員は、そのことを理由に解雇などの不利益な扱いを受けないとされています。
また、国の基準では、施設は虐待防止のための委員会を定期的に開き、職員に研修を行い、担当者を置くことが義務づけられています。
こうした仕組みを知っていることを伝えると、面接をする側はとても安心します。答え方の例を挙げてみます。
「見なかったことにはしません。まずは施設の虐待防止の担当の方や上司に、見たことを事実のまま報告します。障害者虐待防止法で、施設の職員には通報の義務があることも知っているので、必要なら決められた手順に沿って対応したいと思います」
ここで大切なのは、「その職員を自分で注意します」とだけ答えないことです。個人で解決しようとすると、職員同士の対立になったり、うやむやになったりすることがあります。施設の仕組みに沿って報告する、という姿勢を伝えてください。
反対に、この質問に対して面接官が「うちではそういうことはありません」とだけ答えて、それ以上の説明がない場合は、少し注意して見てもいいかもしれません。虐待防止の取り組みを具体的に説明してくれる施設のほうが、安心して働ける職場であることが多いんです。
聞かれること6:体と心の健康、長く働けるか
入所施設の仕事は、体を使う場面が多い仕事です。そのため、健康や体力について聞かれることもあります。
「腰痛などの持病はありますか」 「体力には自信がありますか」 「通勤の手段はどうしますか」
健康については、隠す必要はありませんが、すべてを話す必要もありません。仕事に影響することだけを、対策と一緒に伝えれば十分です。「以前腰を痛めたことがあるので、介助のときは福祉用具の使い方をしっかり学びたいです」と伝えれば、前向きな印象になります。
通勤についての質問は、入所施設では意外と大切です。郊外に建てられた施設も多く、早番や夜勤明けの時間には公共交通機関がないこともあります。車での通勤が必要かどうかは、応募の前に確かめておきましょう。
ここで1つ知っておいてほしいことがあります。
面接では、仕事の適性や能力と関係のないことを聞くべきではない、という考え方があります。厚生労働省は、公正な採用選考の考え方として、本籍や出身地、家族の職業や収入、思想や信条など、本人の責任ではないことや、本来自由であるべきことを採用選考で聞かないよう、事業主に呼びかけています。
もし、答えにくい質問をされたら、「その質問は仕事にどう関係するのでしょうか」と、やわらかく聞き返してかまいません。※明らかに不適切な質問が続く場合は、応募先の都道府県の労働局などに相談することもできます。
長く働けるかどうかを聞かれたときは、無理に「何十年でも」と言う必要はありません。「まずは3年、しっかり経験を積みたいと考えています」のように、自分なりの見通しを伝えれば大丈夫です。
面接で聞き返しておきたいこと
面接の最後に、「何か質問はありますか」と聞かれることがほとんどです。
ここで「特にありません」と答えてしまうのは、とてももったいないことです。障害者支援施設は、施設ごとに働き方の違いがとても大きい職場です。入ってから「思っていたのと違った」とならないために、この時間を使って、次のようなことを聞いてみてください。
・夜勤は何時から何時までで、何人で担当していますか。仮眠や休憩はどう取っていますか ・月の夜勤の回数は、どのくらいの方が多いですか ・利用者の方の障害支援区分は、どのくらいの方が多いですか。医療的なケアが必要な方はいますか ・新しく入った人が、1人で勤務に入るまで、どのくらいの期間がありますか ・迷ったときに相談する先輩は決まっていますか ・強度行動障害支援者養成研修などの研修は、勤務の中で受けられますか ・同じ法人の中で、ほかの事業所への異動はありますか ・夜勤手当や処遇改善の手当は、給与の中でどのように支給されていますか
全部を聞く必要はありません。自分にとってとくに大切なことを、2つか3つに絞って聞けば十分です。
手当の出し方を聞くのは、失礼なことではありません。職員の賃金を改善するための処遇改善の加算は、2024年度に「福祉・介護職員等処遇改善加算」に一本化されましたが、それを基本給に含めるのか、毎月の手当にするのか、一時金にするのかは施設によって違います。求人票の金額だけでは比べにくいところなので、確かめておくと安心です。
介護の仕事全体の中で、給与の水準がどのくらいなのかを知っておきたい人は、介護職員の年収・単価相場で相場を見てから面接に行くと、提示された条件を落ち着いて判断できます。
もう1つ、ぜひお願いしたいのが、見学です。「面接の前後に、少し施設の中を見せていただくことはできますか」と聞いてみてください。職員同士の声のかけ方、利用者さんへの話しかけ方、建物の雰囲気。数十分いるだけで、求人票からは分からないことがたくさん伝わってきます。
職種や雇用の形によって、聞かれることは少し変わる
ここまでは、生活支援員として応募する場合を中心にお話ししてきました。障害者支援施設には、ほかの職種の募集もあります。職種や雇用の形によって、面接で重く見られる点は少しずつ違います。
看護職員として応募する場合は、医療的なケアへの向き合い方をよく聞かれます。国の基準では、生活介護を行う施設に看護職員を1人以上置くことになっていますが、病院と違って医師が常にいるわけではありません。服薬の管理、てんかん発作への対応、飲み込む力が弱い人の食事、たんの吸引や経管栄養など、生活の場での健康管理を、生活支援員と協力しながら担います。
面接では、「夜間に体調が急変したとき、電話で相談を受けたらどう対応しますか」「生活支援員の人たちに、医療的な注意点をどう伝えますか」といった質問が出ることがあります。病院での経験をそのまま当てはめるのではなく、生活の場に合わせて、ほかの職種と一緒に考える姿勢を伝えるのが大切です。条件を比べたい看護職員の人は、看護師の年収・単価相場で、病院や他の施設との違いを確かめておくと、提示された条件を判断しやすくなります。
経験を積んだ人が、サービス管理責任者として応募する場合は、個別支援計画の作り方や、職員への指導について聞かれます。サービス管理責任者は、利用者60人以下の施設なら1人以上置くことになっている、支援の中心となる立場です。「本人の意向をどう計画に反映させてきたか」「職員によって対応がばらばらなとき、どうまとめてきたか」を、自分の経験から具体的に話せるようにしておきましょう。
パートとして応募する場合は、働ける時間と、担当する業務の範囲を確認されることが多いです。朝の食事や入浴の時間帯だけ、日中活動の時間だけ、というように、施設が人手を必要としている時間帯と、あなたが働ける時間帯が合うかどうかが大切になります。パートでも、利用者の安全にかかわる介助を担当するなら、研修や引き継ぎにどう参加するのかを聞いておくと安心です。
どの職種で応募する場合でも、共通して見られているのは、この記事の最初にお話しした4つの点です。チームで働けるか、学び続けられるか、24時間の勤務に向き合えるか、利用者の人権を大切にできるか。職種ごとの質問も、この4つのどれかにつながっていると考えると、答えを準備しやすくなります。
面接の前に準備しておきたいこと
最後に、面接の前に準備しておきたいことをまとめます。
まず、施設のことを調べておきましょう。ホームページがあれば、施設の理念、日中活動の内容、年間の行事、法人がほかにどんな事業所を運営しているかを見ておきます。施設によっては、1日の流れや職員の構成を公開しているところもあります。前にも触れた仙台市の障害者支援施設では、起床から就寝、夜間の見回りまでの流れと、そのとき支援員が何をするのかが紹介されています。こうした情報に目を通しておくと、面接での質問にも具体的に答えやすくなります。
次に、自分の事情を整理しておきます。夜勤に入れる回数、働ける曜日、通勤の手段、健康面で配慮してほしいこと。これを紙に書いておくと、面接で落ち着いて伝えられます。
履歴書に書いた内容と、面接で話す内容がずれないようにしておくことも大切です。志望動機や前の仕事の説明は、面接官が履歴書を見ながら聞いてきます。書いたことをもう一度読み返し、「なぜそう書いたのか」を自分の言葉で話せるようにしておきましょう。
施設によっては、面接の前後に、半日ほどの職場体験や実習をすすめてくれるところもあります。実際に利用者さんと過ごしてみると、自分に合うかどうかがよく分かりますし、施設の側もあなたの人柄を知ることができます。声をかけてもらったら、できるだけ受けてみてください。
服装は、清潔感のある服を選べば大丈夫です。見学を兼ねる場合は、施設の中を歩くことも考えて、動きやすい靴を選びましょう。
そして、緊張してうまく話せなかったとしても、自分を責めないでください。障害者支援施設の面接で見られているのは、話のうまさではありません。利用者さんのことを大切に考えようとしているか、分からないことを素直に聞けるか、チームの中で一緒に働けそうか。そういう人柄は、言葉が少しつかえても、ちゃんと伝わります。
この市場を長く見てきた立場から感じるのは、福祉の仕事で長く続いている人ほど、面接の段階で「自分に合う職場か」をしっかり確かめている、ということです。受かることだけを目標にすると、入ってからのずれに苦しみます。面接を、お互いを知る時間として使えた人は、働き始めてからも無理をしすぎずに続けていけることが多いんです。
面接に向けて自分の経験や強みを整理したいときは、誰かに話を聞いてもらうのも1つの方法です。職場・転職・キャリア相談のお仕事では、キャリアの相談にどんな種類があり、どんな人が相談を受けているのかが紹介されています。また、働く人の相談に向き合う国家資格としてキャリアコンサルタントがあり、どんな専門家が転職やキャリアの相談を受けているのかを知る手がかりになります。
面接は、あなたが試される場であると同時に、あなたが施設を確かめる場です。聞かれることの意味を知り、聞き返したいことを準備しておけば、きっと落ち着いて臨めます。あなたは一人じゃありません。
よくある質問
Q. 障害者支援施設の面接は、未経験でも受かりますか?
受かる可能性は十分にあります。障害者支援施設の面接では、経験の有無より、チームで働けるか、分からないことを素直に聞けるか、利用者の人権を大切にできるかが見られることが多いです。前の仕事で身につけた記録の正確さや手順を守る力など、生かせることを1つ結びつけて伝えると印象がよくなります。
Q. 夜勤ができないと、面接で不利になりますか?
入所施設では夜勤に入れる人が求められることが多いのは事実ですが、日勤だけの枠やパートの枠を用意している施設もあります。できないことを隠して入ると、あとでつらくなるので、事情は正直に伝え、日勤や早番、週末など、できる勤務をあわせて伝えるのがおすすめです。
Q. 「利用者に叩かれたらどうしますか」と聞かれたら、どう答えればよいですか?
我慢強さを伝える必要はありません。まず自分と周りの安全を確保してほかの職員に助けを求めること、行動には理由があると考えて直前の状況を記録すること、1人で判断せずに先輩や担当者と相談することを伝えると、現場が求めている姿勢が伝わります。怖さを感じるのは自然なことです。
Q. 面接の最後の逆質問では、何を聞けばよいですか?
夜勤の時間帯と人数、仮眠や休憩の取り方、新人が1人で勤務に入るまでの期間、利用者の障害支援区分の傾向、研修の受け方、手当の出し方などから、自分にとって大切なことを2つか3つに絞って聞くのがおすすめです。あわせて施設の見学をお願いすると、職場の雰囲気を確かめられます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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