介護老人保健施設の面接で聞かれること|現場が見ている点と、聞き返すこと


この記事のポイント
- ✓介護老人保健施設(老健)の面接で聞かれることを
- ✓現場が何を見ているかから整理しました
- ✓答えにくい質問への向き合い方
「老健の面接が近いのに、何を聞かれるのか想像がつかない」
このご相談、本当に多いんです。
特養やデイサービスの面接対策の情報はたくさんあるのに、老健に絞った話は意外と少ない。 だから、どこまで準備すればいいのか分からなくなってしまうんですよね。
大丈夫ですよ。 老健の面接には、はっきりした「見られている点」があります。
それは、老健が「家に帰るための施設」だということを、あなたが分かっているかどうか。 そして、医師や看護師、リハビリの職員と一緒に働く姿が想像できるかどうか。
この2つが分かっていれば、質問の多くは、そこから自然に答えられるようになります。
私はキャリアコンサルタントとして、介護や医療の職場へ転職する方の面接の準備をお手伝いしています。 この記事では、その中で見えてきた老健の面接の特徴を、職場の中で何が起きているかと結びつけながらお話しします。
聞かれることだけでなく、あなたから聞き返すべきことまで、順番に整理していきますね。
老健の面接が、ほかの施設の面接と違うところ
まず、老健がどんな職場なのかを確認しておきましょう。 面接の質問は、この職場の役割から生まれています。
介護老人保健施設は、病院を退院したあと、すぐに自宅に帰るのが難しい高齢者が入所し、リハビリテーションを受けながら在宅復帰を目指す施設です。 つまり、長く暮らす特別養護老人ホームとは、目的がまったく違います。
介護の求人を扱うサイトの記事でも、老健の面接について次のように書かれています。
介護老人保健施設(以下、老健)への転職・就職面接を控え、「老健特有の質問にはどう答えればいいの?」「志望動機はどのように伝えればいい?」と不安を感じていませんか。老健は在宅復帰支援という重要な役割を担っており、面接ではその役割への理解度や多職種連携への意欲が問われることが多いです。 出典: kaigojob.com
ここに書かれている「在宅復帰」と「多職種連携」が、老健の面接を読み解く2つの鍵です。
在宅復帰の実績が、施設の収入に関わっている
老健は、在宅復帰の取り組みの度合いによって、介護報酬の上で「超強化型」「在宅強化型」「加算型」「基本型」「その他型」といった区分に分かれています。 在宅復帰率やベッドの回転率、リハビリ専門職の配置などが高いほど、上の区分になり、施設が受け取る報酬も高くなります。
つまり、老健にとって在宅復帰は、理念であると同時に、経営の柱でもあるんです。
だから面接官は、「利用者さんに長くいてもらいたい」という気持ちだけで応募してくる人を、少し心配します。 入所と退所が頻繁にあること、利用者さんを家に帰すことが仕事の成果だということを、受け入れられるかを見ているのです。
多職種が同じフロアで働いている
国の人員の基準では、老健には常勤の医師、看護職員、介護職員、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、支援相談員、介護支援専門員、栄養士などを置くことになっています。 入所者100人あたり、看護と介護を合わせて34人以上、リハビリ職も1人以上が必要です。
特養では介護職が中心になって生活を組み立てますが、老健では、看護の判断やリハビリの計画に合わせて、介護職が動く場面がとても多い。 面接で「ほかの職種の意見をどう受け止めますか」と聞かれるのは、このためです。
当日の流れと、面接に出てくる人
老健の面接は、施設や法人によって流れが違いますが、よくある形をお伝えしておきます。 先に流れを知っておくだけで、当日の緊張はずいぶん和らぎますよ。
よくある流れ
・受付で名前を伝え、応接室や会議室に案内される ・面接(30分から1時間ほど) ・施設の見学(フロア、浴室、リハビリ室など) ・場合によって、簡単な作文や適性の検査
面接の前に見学を組み込む施設もあります。 見学の間も、実は面接の続きだと考えておくと安心です。 案内してくれる職員は、あなたが利用者さんにどう挨拶するか、フロアのどこに目を向けるかを、さりげなく見ています。
面接官は誰が出てくるか
老健の面接に出てくる人は、次のような組み合わせが多いです。
・事務長や総務の担当者(勤務条件、給与、手続き) ・介護長や介護部門の主任(介護職の場合) ・看護師長(看護職の場合) ・施設長(多くは医師) ・支援相談員やリハビリ部門の責任者(職種によって)
面接官が複数いる場合は、それぞれ見ているところが違います。 事務長は、長く続けてくれるか、勤務の条件が合うかを。 介護長や看護師長は、フロアでチームに入ったときに一緒に働けるかを見ています。
私が面接の練習をお手伝いした方の中に、事務長にばかり向かって話してしまい、隣にいた介護長にほとんど目を向けなかった方がいました。 あとで結果を聞くと、不採用。 理由は分かりませんが、フロアの責任者に「一緒に働く姿」を見せられなかったことは、影響したと思います。
答えるときは、質問した人を中心に、ほかの面接官にも時々視線を向けてくださいね。
よく聞かれる質問と、現場が見ている点
ここからは、老健の面接でよく出る質問を、面接官が何を知りたいのかと一緒に見ていきます。 答えの例文を覚えるより、「なぜこれを聞くのか」を理解しておくほうが、本番で言葉が出てきやすくなります。
「なぜ特養ではなく、老健を選んだのですか」
老健の面接で、いちばん大切な質問です。 面接官は、あなたが老健の役割を理解しているかを確かめています。
「家から近いから」「求人が出ていたから」だけでは、どこでもよかったように聞こえてしまいます。 リハビリで回復していく過程に関わりたい、医療職と連携しながら学びたい、家に帰る人を送り出す仕事がしたい。 こうした、老健でなければ実現しにくい理由を1つ入れてください。
実体験から理由を語る方もいます。 介護の求人サイトでは、次のような志望動機の例が紹介されています。
子供の頃に祖母が介護老人保健施設のお世話になり、元気になって家に帰ってきたことから、介護の仕事に興味を持つようになりました。年配の方たちが住み慣れた自宅に帰って豊かな生活を送るためのお手伝いがしたいと思い、祖母がお世話になっていた御施設を志望いたしました。 出典: job.kiracare.jp
この例が伝わりやすいのは、「元気になって家に帰ってきた」という、老健の役割そのものが理由になっているからです。 あなた自身の経験に、似た場面がないか、一度振り返ってみてください。
「看護師やリハビリ職と意見が違ったら、どうしますか」
多職種連携への姿勢を見る質問です。 面接官が心配しているのは、「自分のやり方を曲げない人」と「何も言わずに従うだけの人」の両方です。
答えるときは、「まず相手の判断の理由を聞く」「利用者さんの様子で気づいたことは、事実として伝える」「最終的な判断は、職種の役割に沿って決める」という流れで話すと、バランスが伝わります。
「利用者さんができることを、時間がかかっても待てますか」
リハビリを軸にした施設ならではの質問です。 老健では、着替えや立ち上がりを、あえて本人に任せることがあります。 介助したほうが早い場面で、手を出さずに待てるかを見ています。
「待つことは、家に帰ったあとの生活を考えると必要だと思う」と伝えたうえで、「時間の余裕がないときはどうするか、チームで相談したい」と添えると、現実的な答えになります。
「夜勤はできますか。月に何回くらい入れますか」
老健の夜勤は、1フロアを介護職2人程度で見て、看護職は建物全体で1人、という体制も珍しくありません。 夜勤に入れる人がどれくらいいるかは、施設の運営に直結しています。
入れる回数は、正直に伝えてください。 ここで無理をすると、入ってから一番つらくなるのはあなたです。
「入所と退所が多いですが、大丈夫ですか」
老健では、3か月ごとに在宅復帰ができるかを検討する運用が一般的で、利用者さんの入れ替わりが早いです。 新しい方の情報を短い期間で覚え、記録を正確に残すことが求められます。
「顔と名前を覚えるのが得意です」だけでなく、「記録を読み返して情報を確認する習慣がある」と伝えると、老健の仕事の実態に沿った答えになります。
「記録は、どのように書いてきましたか」
老健では、看護、リハビリ、相談員、ケアマネジャーが、介護職の記録を読んで判断をします。 食事の量、排泄の様子、夜の眠り、立ち上がりのときのふらつき。 こうした小さな変化が、在宅復帰ができるかを決める材料になるからです。
最近は、紙ではなくタブレットやパソコンで記録する施設が増えています。 面接官が知りたいのは、機械が得意かどうかより、「ほかの職種が読んで役に立つ記録を書けるか」です。 「気づいたことは、数字や本人の言葉で残すようにしていた」と具体的に話せると、評価されやすくなります。
「感染症の対策で、気をつけてきたことはありますか」
老健は、病院から退院してきた方を受け入れる施設です。 入所の前後で体調が変わりやすく、インフルエンザや感染性胃腸炎などが広がると、フロア全体の運営に影響します。
手洗いや手袋の交換の手順、嘔吐物の処理のしかたなど、前の職場で身につけたことを1つ具体的に話してください。 未経験の方なら、「手順を覚えて、決まったとおりに守る」と伝えるだけでも十分です。
「前の職場を辞めた理由を教えてください」
どの施設でも聞かれますが、老健では「人間関係」「多職種とのすれ違い」が理由の場合、同じことが繰り返されないかを慎重に見られます。 答え方は、後の章で詳しくお話ししますね。
職種別に聞かれやすいこと
同じ老健の面接でも、応募する職種によって、深く聞かれることが変わります。
介護職
・介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士などの資格の状況 ・喀痰吸引等研修を受けているか、受ける意思があるか ・認知症の方への対応の経験 ・入浴や排泄の介助で気をつけていること ・リハビリ職の指示を日常の介助にどう取り入れるか
経験者であれば、前の職場での役割も聞かれます。 転職の面接の例として、次のような回答が紹介されています。
回答例「介護老人保健施設で◯年間、主任として働いてきました。介護職としてさらに専門性を高めたいと考え、このたび転職を決意しました。御法人を志望した理由は、行政と連携したモデル事業などの先進的な取り組みをおこなっている点に惹かれたからです。ご縁をいただけた際には、これまでの経験を活かしチームづくりに力を入れ、研修会などにも積極的に参加して知見を深めたいと考えております。人手不足が深刻な介護業界ですが、職員が働きやすい環境づくりと利用者さま目線の介護の提供を両立させるために、これからも尽力していく所存です」 出典: job-medley.com
この例のように、応募先の法人が実際に取り組んでいることに触れると、「調べてきた人」だと伝わります。 法人のホームページや広報誌に目を通しておきましょう。
看護職
・急変時の対応の経験と、医師への報告のしかた ・夜勤で看護職が1人になる体制に対応できるか ・介護職への指示や指導の経験 ・服薬の管理や、感染症の対策の経験
老健の看護職は、病院のように医師がすぐそばにいるとは限りません。 「自分で判断して、必要なら医師に連絡する」力が求められます。
支援相談員
・家族との面談や、入所の調整の経験 ・病院やケアマネジャーとの連絡の経験 ・在宅復帰に向けて、退所後のサービスをどう組み立てるか
リハビリ職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)
・短い入所期間の中で、在宅復帰に向けた目標をどう立てるか ・退所前の自宅訪問や、住宅改修の助言の経験 ・介護職に、日常の介助の中でできる訓練をどう伝えるか ・通所リハビリや訪問リハビリとの兼務に対応できるか
病院のリハビリ室と違い、老健では訓練室の外の時間のほうがずっと長いです。 「訓練室で歩けても、フロアの生活で歩かなければ家には帰れない」という視点を持っているかが、よく見られています。 介護職と一緒に、生活の場面をリハビリにしていく姿勢を話せると、強い印象を残せます。
未経験の方
未経験で応募する場合は、資格や技術より、「続けられるか」と「教わる姿勢があるか」を中心に見られます。 介護の仕事に興味を持ったきっかけ、体力に不安がないか、研修を受ける意思があるかを、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。
答えにくい質問への向き合い方
面接の準備で、多くの方がいちばん悩むのが、答えにくい質問です。 ここは、少し丁寧にお話しさせてくださいね。
前の職場を辞めた理由が、人間関係だったとき
こういう相談がよくあります。 「看護師さんとの関係がつらくて辞めた。でも、そのまま言ったら落とされそう」
嘘をつく必要はありません。 ただ、「誰が悪かったか」ではなく、「その経験から何を学び、次にどうしたいか」に重心を置いて話すと、印象はまったく変わります。
たとえば、「職種の間で報告の基準が決まっておらず、行き違いが続いたことが負担でした。次の職場では、連絡のしかたが整っているところで、チームの一員として働きたいと考えています」。 こう伝えると、面接官は「この人は、仕組みの問題を冷静に見られる人だ」と受け取ります。
短い期間で辞めた経験があるとき
短期間の離職は、面接官が必ず気にするところです。 隠そうとすると、かえって話が不自然になります。
「入ってみて、夜勤の体制が聞いていた内容と違った」など、事実を短く伝えたうえで、「だから今回は、見学と面接で体制を確かめてから決めたい」と話してください。 これは、後で触れる「聞き返すこと」にもつながります。
ブランクがあるとき
子育てや介護、体調のことで、しばらく働いていなかった。 それは、恥ずかしいことではありません。
「ブランクの間に、何をしていたか」と「今、働ける状態が整っているか」を、落ち着いて伝えれば十分です。 不安があるなら、「最初は日勤中心で慣れたい」と希望を伝えてもいいんです。
心の不調で休んだことがあるとき
体調のことを、どこまで話すか。 これは、とても迷いますよね。
働くうえで配慮が必要なことがあるなら、伝えておくほうが、入ってからの負担は小さくなります。 一方で、今は回復していて、仕事に影響がないのであれば、詳しく話す義務はありません。
私自身、会社員を辞めてキャリアコンサルタントとして独立する前に、心身の疲れから休職した時期がありました。 その後の面接で、休職のことを聞かれて、頭が真っ白になった経験があります。 うまく言えなかった自分を責めましたが、今振り返ると、準備していなかっただけでした。
話すと決めた内容を、一度紙に書いてみてください。 声に出して読んでみるだけで、本番での言葉はずっと落ち着きます。
こちらから聞き返すこと
面接の最後に「何か質問はありますか」と聞かれたとき。 ここは、あなたが施設を選ぶための大切な時間です。
老健は、施設ごとに体制の差が大きい職場です。 入ってから「思っていたのと違う」とならないように、次のような点を聞いてみてください。
人員の体制
・日中と夜勤で、1フロアに何人の介護職と看護職が入っているか ・夜勤の看護職は、建物全体で何人か ・ユニット型か、従来型か ・通所リハビリテーションと兼務することはあるか
「夜勤の体制を教えていただけますか」と聞くのは、まったく失礼ではありません。 むしろ、働く姿を具体的に考えている人だと受け取られます。
在宅復帰の取り組み
・施設の区分(在宅強化型など)と、在宅復帰の取り組みで大切にしていること ・入所と退所は、月にどれくらいあるか ・退所前の自宅訪問に、介護職も同行するか
入所と退所の頻度が分かると、仕事の忙しさや、記録の量が想像しやすくなります。
教育と資格
・入職後の研修の期間と、指導担当がつくか ・喀痰吸引等研修や、資格取得の費用の支援があるか ・介護福祉士の受験に向けた支援があるか
働く条件
・残業は月にどれくらいあるか ・有給休暇は、実際にどれくらい取れているか ・処遇改善の加算は、どのように給与に反映されているか
条件の話を聞くのが気まずい、という方も多いです。
「長く働きたいので、確認させてください」と一言添えれば、嫌な顔をされることはまずありません。
聞き返す質問は、2〜3個に絞って、メモを見ながら聞いて大丈夫です。 全部を面接で聞けなかったら、見学のときや、内定の後の面談で確かめる方法もあります。
面接の前日までにやっておく準備
面接の準備というと、想定される質問への答えを暗記しようとする方が多いです。
ここでは、私が面接の練習でお伝えしている準備のしかたを、順番にお話しします。
応募する老健のことを、3つだけ調べる
法人や施設のホームページを見て、次の3つだけメモしておきます。
・施設の区分や、在宅復帰について書かれていること ・併設しているサービス(通所リハビリ、訪問リハビリ、居宅介護支援など) ・法人として力を入れている取り組み(研修、地域の活動など)
全部を覚える必要はありません。 「ホームページで、退所前に自宅を訪問していると拝見しました」と一言言えるだけで、面接官の受け止め方は変わります。
経験を、場面で1つずつ思い出す
「老健で活かせる経験」を、場面で思い出しておきます。 たとえば、次のような場面です。
・利用者さんの様子の変化に気づいて、看護師に伝えた場面 ・時間はかかったけれど、本人に任せて自分でできた場面 ・家族から不安を打ち明けられて、話を聞いた場面
場面で覚えておくと、質問の言い方が変わっても、その場面を話せば答えになります。 未経験の方は、家族の介護や、接客の仕事での経験でもかまいません。
声に出して、一度だけ練習する
家族や友人に面接官の役をお願いして、声に出して答えてみます。 相手がいなければ、スマートフォンで自分の声を録音するだけでも効果があります。
練習のときに気をつけてほしいのは、「うまく言えたか」ではなく、「長すぎないか」です。 1つの質問への答えは、1分前後が目安です。 話しすぎてしまう方は、結論を先に言う練習をしてみてください。
前日は、持ち物と道順だけ確認して休む
前日の夜に、答えを何度も見直す方がいます。
持ち物をかばんに入れ、施設までの道順と所要時間を確かめたら、あとは休みましょう。 老健は駅から離れた場所にあることも多いので、送迎バスや路線バスの時間も確認しておくと安心です。
内定のあとに確かめること
面接が終わり、内定の連絡を受けたら、ほっとしますよね。
労働条件は、書面で受け取る
働く条件は、法律で書面などで明示することが事業主に義務づけられています。 給与、勤務時間、休日、夜勤の有無、試用期間、契約の期間などを、書面で確かめてください。
とくに、次の点は面接での説明と違っていないか見ておきましょう。
・基本給と、夜勤手当や資格手当などの内訳 ・試用期間中の給与や条件 ・夜勤の回数の目安 ・配属されるフロアや、通所リハビリとの兼務の有無
口頭で聞いた内容と書面が違うときは、入職の前に遠慮なく質問してください。 入ってからでは、言い出しにくくなってしまいます。
入職日までに、体調と生活のリズムを整える
老健の仕事は、移乗や入浴の介助で体を使います。 前の仕事から間が空いている方は、軽い運動や、朝型の生活に少しずつ戻しておくと、最初の数週間が楽になります。
夜勤がある職場なら、家族と生活の時間の調整も、入職前に話し合っておきましょう。
迷っているなら、返事の期限を確認する
複数の施設から内定をもらって迷っている、というご相談もよくあります。 その場合は、返事の期限を確認し、必要なら少し時間をもらってかまいません。
迷ったときは、給与の額だけでなく、見学で感じた職員どうしの雰囲気を思い出してください。 毎日過ごす場所の空気は、数字以上に、あなたの働きやすさを左右します。
当日の身だしなみと、見学で見るところ
最後に、当日の準備と、見学での見どころをお話しします。
身だしなみ
服装の指定がなければ、スーツか、落ち着いた色のオフィスカジュアルが無難です。 見学でフロアに入ることを考えて、歩きやすい靴を選んでください。
爪は短く、髪はまとめておきます。 介護や看護の面接では、「この人が利用者さんの体に触れたとき、安全か」という目でも見られています。 香りの強い整髪料や香水は、控えましょう。
持ち物
・履歴書、職務経歴書(写しを自分用にも持つ) ・資格の証明書の写し(求められた場合) ・筆記用具と、聞きたいことを書いたメモ ・上履き(見学がある場合、指定されることがあります)
見学で見るところ
見学は、施設があなたを見る時間であると同時に、あなたが施設を見る時間です。
・職員が利用者さんに声をかけるときの口調が穏やかか ・看護職と介護職が、フロアで普通に言葉を交わしているか ・リハビリ室だけでなく、フロアでも体を動かす取り組みがあるか ・ナースコールが鳴り続けていないか ・においや、共用の場所の清潔さ
とくに、職員どうしの会話の雰囲気は、求人票からは絶対に分からない情報です。 数分でいいので、耳を澄ませてみてください。
給与の相場と、面接の前に整えておくこと
面接で給与や条件の話になったとき、相場を知らないと、提示された金額が妥当なのか判断できません。
介護職として応募する方は、経験年数や地域ごとの目安を介護職員の年収・単価相場で確かめておくと安心です。 老健は夜勤手当の水準が比較的高い施設として知られていますが、手当の額や夜勤の回数は施設によって差があります。 月給だけでなく、夜勤の回数と手当を掛け合わせて比べてくださいね。
看護職の方は、病院や訪問看護と比べたときの位置を看護師の年収・単価相場で確かめられます。 老健の看護職は、夜勤の回数が病院より少なくなる施設もあり、働き方と給与の釣り合いで選ぶ方が多いです。
面接の準備を、1人で抱え込まなくても大丈夫です。 志望動機や退職理由の整理は、話を聞いてくれる相手がいるだけで、驚くほど進みます。 キャリアの相談を専門にしている人がどんな支援をしているのかは、職場・転職・キャリア相談のお仕事で紹介しています。 相談を受ける側の資格については、キャリアコンサルタントの解説にまとまっています。
在宅ワークや介護の求人の市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、面接でうまく話せたかどうかより、「聞き返した内容」が、入った後の満足度を大きく左右していると感じます。 夜勤の体制や入退所の頻度を確かめてから入った人ほど、最初の数か月でつまずきにくい。 条件を確かめることは、わがままではなく、長く働くための準備なんです。
老健の面接で見られているのは、完璧な答えではありません。 家に帰る人を支える仕事を理解していること。 ほかの職種と一緒に、利用者さんを見ていけること。
その2つを、あなた自身の言葉で伝えられれば十分です。 あなたは一人じゃありません。 準備した分だけ、当日のあなたを支えてくれますよ。
よくある質問
Q. 老健の面接で、特養との違いを聞かれたらどう答えればよいですか?
老健はリハビリを受けながら在宅復帰を目指す施設で、特養は長く暮らす施設だという役割の違いを押さえたうえで、老健を選んだ理由を1つ添えます。回復していく過程に関わりたい、医療職やリハビリ職と連携しながら学びたい、家に帰る人を送り出したいなど、老健でなければ実現しにくい理由を自分の経験と結びつけて話すと伝わりやすくなります。
Q. 面接の逆質問で、夜勤の体制を聞いても失礼になりませんか?
失礼にはなりません。老健は施設によって、1フロアの夜勤の人数や、看護職が建物全体で何人いるかが大きく違います。「長く働きたいので確認させてください」と一言添えて聞けば、働く姿を具体的に考えている人だと受け取られます。入所と退所の頻度や、研修の期間もあわせて聞いておくと、入ってからの忙しさを想像しやすくなります。
Q. 前の職場を人間関係で辞めた場合、正直に話すべきですか?
嘘をつく必要はありませんが、誰が悪かったかではなく、その経験から何を学び次にどうしたいかに重心を置いて話します。たとえば、職種の間の報告の基準が決まっておらず行き違いが続いたことが負担だった、次は連絡のしかたが整った職場でチームの一員として働きたい、と伝えると、冷静に状況を見られる人だと受け取られやすくなります。
Q. 老健の面接には、どんな服装で行けばよいですか?
指定がなければ、スーツか落ち着いた色のオフィスカジュアルが無難です。見学でフロアに入ることが多いので、歩きやすい靴を選び、上履きの指定がないかも確認します。爪は短く、髪はまとめ、香りの強い整髪料や香水は控えます。介護や看護の面接では、利用者さんの体に触れたときに安全かという目でも見られています。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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