RARファイルをMacで解凍する方法と、パスワードつきや分割ファイルの開き方

@SOHO編集部
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RARファイルをMacで解凍する方法と、パスワードつきや分割ファイルの開き方

この記事のポイント

  • ✓RARファイルをMacで解凍する方法を
  • ✓ダブルクリックで.cpgzができてしまう理由
  • ✓The UnarchiverとKekaの使い方

取引先から届いたRARファイルをMacでダブルクリックしたら、見慣れない「.cpgz」というファイルができて、それをまたダブルクリックすると今度は元のRARに戻ってしまう。RARファイルをMacで解凍しようとした人の多くが、まずこの堂々めぐりにつかまります。結論から言うと、RARはMacのFinderが案内している形式ではないため、無料の解凍アプリを1本入れるか、ターミナルのコマンドで展開するのが確実です。この記事では、アプリを使う方法、ターミナルを使う方法、パスワードつきのRARと分割されたRARの開き方、それでも開けないときの切り分けまでを順に説明します。解凍したあとのファイルを案件ごとに整理する道具の1つとして、Macのファイル管理アプリの Atriens にも触れます。

RARファイルとは何か、なぜMacでは開きにくいのか

RARは、複数のファイルやフォルダを1つにまとめ、容量を小さくして受け渡すための圧縮形式の1つです。役割はZIPと同じで、写真や動画の素材、設計データ、ゲームのファイルなど、数が多く容量の大きいデータをまとめて送るときに使われます。ZIPと比べて圧縮率が高い、壊れたときの修復用データを付けられる、1つの大きなファイルを複数に分けて送れる、といった特徴があり、Windowsで定番の圧縮ソフト「WinRAR」を使っている人がよく作ります。

一方のMacでは、圧縮と解凍の標準の手段はZIPです。Appleの公式ヘルプでも、Finderで扱う圧縮ファイルとして案内されているのはZIPだけです。

1つの項目を圧縮すると、圧縮ファイルには元の項目の名前に拡張子「.zip」が付いた名前が付けられます。複数の項目を同時に圧縮すると、圧縮ファイルには「アーカイブ.zip」という名前が付けられます。 出典: support.apple.com

つまり、Windowsの人がWinRARで作ったファイルを、Macの人がFinderで開こうとすると、作る側と開く側で前提がずれます。送った側は「いつもの圧縮ファイル」のつもりで、受け取った側は「なぜか開けない」となるわけです。どちらかが悪いのではなく、使っている道具の標準が違うだけです。

デザインの仕事でも、この行き違いはよく起きます。印刷会社や動画の編集担当がWindows中心の職場だと、入稿データや素材がRARで届くことがあります。色の指定がCMYKとRGBで食い違うのと同じで、「相手の標準を知っていれば慌てずに済む」種類の問題です。

ダブルクリックすると「.cpgz」ができる理由

FinderでRARファイルをダブルクリックすると、Macに最初から入っている「アーカイブユーティリティ」が起動します。編集部で、中身の分かっているRARファイルを用意して最新のmacOSで試したところ、展開されたのは中身のファイルではなく、「a.rar.cpgz」という名前の新しいファイルでした。

この.cpgzは、アーカイブユーティリティがRARを正しく読めなかったときに、ファイルを別の形式で圧縮し直したものです。中身は取り出されていません。この.cpgzをさらにダブルクリックすると、今度は圧縮を戻す動きになり、元のRARが出てきます。これが「RARと.cpgzが交互にできる」堂々めぐりの正体です。

ここから分かる対処は2つです。

1つ目は、.cpgzができた時点で、それ以上ダブルクリックを繰り返さないことです。何度やっても結果は同じで、同じフォルダに似た名前のファイルが増えるだけです。できてしまった.cpgzは、元のRARが残っていることを確かめたうえで、ゴミ箱に入れて構いません。

2つ目は、RARを読める道具で開き直すことです。次の章から説明する方法のどれかを選べば、中身をきちんと取り出せます。

なお、Appleのヘルプには、ZIPファイルを開けないときの確認点として、展開した項目を保存できる空き容量があるか、受け取ったファイル自体に問題がないか、の2つが挙がっています。RARでも同じで、空き容量が足りない場合や、ダウンロードが途中で切れた場合は、どの道具を使っても展開に失敗します。

方法1:The Unarchiverで解凍する(いちばん手軽)

アプリを1本入れて済ませたい人に、まず候補になるのが「The Unarchiver」です。Mac App Storeで無料で配布されていて、入れたあとは、RARファイルをダブルクリックするだけで中身が取り出せるようになります。App Storeの説明では、対応形式を次のように書いています。

The Unarchiverは多くの異なる種類のアーカイブファイルを展開できる小さくて使いやすいプログラムです。 Zip、RAR (バージョン5を含む)、7-zip、Tar、Gzip、Bzip2などの一般的なフォーマットを開くことができます。 出典: apps.apple.com

RARには古い形式(RAR4)と新しい形式(RAR5)があり、最近のWinRARで作ったファイルはRAR5のことが多いです。The UnarchiverはRAR5にも対応していると明記しているので、相手がどちらで作ったかを気にせずに使えます。

使い方の流れは次のとおりです。

  1. Mac App Storeで「The Unarchiver」を検索し、[入手]を押してインストールする
  2. The Unarchiverを一度開き、対応形式の一覧でRARにチェックが入っていることを確かめる
  3. RARファイルを右クリック(またはControlキーを押しながらクリック)し、[このアプリケーションで開く]から[The Unarchiver]を選ぶ
  4. 同じフォルダに、中身の入ったフォルダが作られる

手順3で「このアプリケーションで開く」を使うのは、最初の1回だけで構いません。RARファイルの情報を開き(Command+I)、[このアプリケーションで開く]でThe Unarchiverを選んで[すべてを変更]を押すと、以後はダブルクリックでThe Unarchiverが動くようになります。標準のアーカイブユーティリティが起動して.cpgzが増える、という状態から抜け出せます。

解凍したファイルの保存先は、The Unarchiverの設定で変えられます。初めは元のファイルと同じフォルダに取り出されるので、ダウンロードフォルダが散らかりやすい人は、設定画面で保存先の扱いを確かめておくと、案件のフォルダへ直接取り出す運用にしやすくなります。

方法2:Kekaで解凍する(圧縮もしたい人向け)

解凍だけでなく、自分からも7zや分割ファイルを作って送りたい人には「Keka」が向いています。公式サイトでは、展開できる形式としてZIP、RAR、7Z、TAR、DMG、ISOなど多くの形式を挙げています。作成できる形式にはZIP、7Z、TARなどが並び、パスワードを付けて暗号化した圧縮ファイルや、大きなファイルを複数に分けた圧縮ファイルも作れます。

入手の方法は2通りあります。公式サイトからダウンロードする方法と、Mac App Storeで購入する方法です。公式サイトには、App Store版はWebサイト版と同じ内容で、購入すると開発を支援できると書かれています。まず試したいだけなら公式サイト版で始め、使い続けると決めたらApp Store版に切り替える、という順番でも困りません。

使い方はシンプルです。

  1. Kekaを入れたら、RARファイルを右クリックし、[このアプリケーションで開く]から[Keka]を選ぶ
  2. 中身が同じフォルダに取り出される
  3. Dockに追加したKekaのアイコンへRARファイルをドラッグしても展開できる

Kekaは、展開するときに保存先を選べるため、受け取ったデータを案件のフォルダへ直接取り出したい人にも扱いやすい作りです。The UnarchiverとKekaのどちらを選んでも、RARを開くという目的は果たせます。迷ったら、解凍だけならThe Unarchiver、自分も圧縮して送るならKeka、と決めてしまうのが早いです。

アプリを入れる前に確かめておきたいのは、入手先です。「RAR 解凍 Mac」で検索すると、似た名前の有料アプリや、広告の多いダウンロードサイトが混ざって表示されます。Mac App Storeか、開発元の公式サイトから入れるようにすれば、余計なソフトが一緒に入る心配を減らせます。

方法3:ターミナルで解凍する(アプリを入れたくない人向け)

会社のMacでアプリの追加が制限されている、あるいは手早くコマンドで済ませたい、という人はターミナルを使う方法があります。

Macに最初から入っているtarで展開する

意外に知られていませんが、Macに最初から入っているtarコマンドは、多くのRARファイルを読めます。tarはlibarchiveという部品を使っていて、この部品がRARの読み込みに対応しているためです。編集部で、RAR4とRAR5の見本ファイルを最新のmacOSのターミナルで試したところ、どちらも中身の一覧を表示でき、展開もできました。

手順は次のとおりです。

  1. ターミナルを開く(Finderの[アプリケーション]から[ユーティリティ]を開くか、Spotlightで「ターミナル」と入力)
  2. cd と半角スペースを入力し、RARファイルのあるフォルダをターミナルの画面へドラッグしてreturnキーを押す
  3. 中身を確かめるときは tar -tvf ファイル名.rar と入力する
  4. 展開するときは tar -xf ファイル名.rar と入力する

ファイル名を打つのが面倒なときは、tar -xf まで入力したあと、RARファイルをターミナルにドラッグすると、ファイルの場所がそのまま入ります。

ただし、tarにはできないこともあります。パスワードで暗号化されたRARは展開できません。分割されたRARや、特殊な圧縮方法を使ったRARでも失敗することがあります。tarで「この形式は読めない」といった表示が出たら、アプリか、次のunarを使ってください。

Homebrewでunarを入れて展開する

開発の仕事でHomebrew(Macに開発用の道具を入れるための仕組み)を使っている人は、The Unarchiverと同じ部品で動くコマンド版「unar」を入れる方法があります。Homebrewの公式の一覧では、unarを「複数の形式に対応したコマンドラインの展開ツール」として配布しています。

  1. ターミナルで brew install unar と入力する
  2. 中身を見るときは lsar ファイル名.rar
  3. 展開するときは unar ファイル名.rar
  4. 保存先を指定するときは unar -o 保存先のフォルダ ファイル名.rar

古い解説記事では「brew install unrar」と書かれていることがありますが、unrarは現在のHomebrewの公式の一覧には見当たりません。RARの開発元が配る「rar」も、Homebrewでは使えない扱いになっています。古い手順をそのまま打って「見つからない」と表示されても、Macが壊れているわけではありません。unarを使えば足ります。

ターミナルを使う方法は、ファイルが100個あっても同じ1行で済むのが利点です。決まった形式のデータが毎週届くような仕事なら、手順を1行のメモにしておくだけで、作業の時間が目に見えて縮みます。

パスワードつきのRARファイルを開く方法

RARには、中身を暗号化してパスワードを付ける機能があります。顧客の個人情報や未発表の作品のように、途中で誰かに見られては困るデータを送るときに使われます。

The UnarchiverやKekaでパスワードつきのRARを開くと、展開の途中でパスワードの入力画面が出ます。送り主から別に伝えられたパスワードを入れれば、そのまま中身が取り出されます。unarの場合は、unar -p パスワード ファイル名.rar のように指定します。前の章で触れたとおり、Mac標準のtarは暗号化されたRARを展開できません。

パスワードの入力でつまずきやすい点が3つあります。

1つ目は、全角と半角の取り違えです。日本語入力がオンのまま打つと、見た目は同じでも全角の文字になり、正しいパスワードでも通りません。英数字の入力に切り替えてから打ちます。

2つ目は、コピーしたときの余分な空白です。メールやチャットからパスワードをコピーすると、前後に空白や改行が付いてくることがあります。うまくいかないときは、手で打ち直してみます。

3つ目は、大文字と小文字です。RARのパスワードは大文字と小文字を区別します。「Abc」と「abc」は別のパスワードです。

そして、パスワードは忘れたら取り出せないものだと考えてください。「パスワードを解除するソフト」をうたうものもありますが、作った本人でもない限り、送り主に聞き直すのがいちばん早く、確実です。仕事のやり取りなら、パスワードはファイルと別のメールやチャットで送ってもらう、という決まりを先に相手と共有しておくと、聞き直しの手間も減ります。

分割されたRARファイルを開く方法

容量の大きなデータを送るとき、RARは1つのファイルを複数に分けて作れます。分割RARのファイル名には、大きく2つの付け方があります。

・新しい付け方:「データ.part1.rar」「データ.part2.rar」「データ.part3.rar」のように、partと番号が付く
・古い付け方:「データ.rar」「データ.r00」「データ.r01」のように、2つ目以降の拡張子が「.r」と番号になる

開き方の基本は、すべてのファイルを同じフォルダにそろえてから、最初の1つだけを開くことです。新しい付け方なら「part1.rar」、古い付け方なら「.rar」で終わるファイルが最初の1つです。The UnarchiverやKeka、unarは、最初のファイルを開くと残りのファイルを自動で探して、つなげて展開します。

分割RARでよくある失敗は次のとおりです。

・1つだけダウンロードが終わっていない。ブラウザのダウンロードが途中で止まったファイルが混ざっていると、最後まで展開できません。ファイルの容量を見比べ、最後の1つ以外がすべて同じ容量になっているかを確かめます
・ファイルが別々のフォルダにある。メールの添付を何通かに分けて受け取ると、保存先がばらばらになりがちです。1つのフォルダに集めてから開きます
・2つ目以降のファイルを開いてしまう。part2.rarから開くと、途中からのデータとして扱われ、エラーになります
・ファイル名を変えてしまった。分かりやすくしようと名前を変えると、つながりが分からなくなります。受け取った名前のまま開きます

数が多い分割RARを毎回開く仕事なら、どれか1つが欠けていないか、届いたファイルの数を先に送り主と確かめておくと、やり直しが減ります。

そもそもRARファイルかどうかを確かめる

開けないと思っていたファイルが、実はRARではなかった、ということもあります。Macの初期の設定では、Finderでファイルの拡張子(名前の最後の「.rar」「.zip」の部分)が表示されないことがあるためです。名前が「データ」としか見えていないと、形式が分からないまま開こうとしてしまいます。

拡張子を表示するには、Finderを前面にした状態で、メニューバーの[Finder]から[設定]を開き、[詳細]の中にある「すべてのファイル名拡張子を表示」をオンにします。これで、届いたファイルが「.rar」なのか「.zip」なのか「.7z」なのかが一目で分かります。

拡張子が分かると、次の判断がしやすくなります。

・「.zip」なら、Finderのダブルクリックで開ける。開けないなら、空き容量かファイルの破損を疑う
・「.rar」「.r00」「.part1.rar」なら、この記事の方法で開く
・「.7z」なら、The UnarchiverかKekaで開く
・「.exe」なら、Windows用のプログラムで、Macでは基本的に使えない。自分で展開する形式の圧縮ファイルのこともあるが、送り主に確かめるのが先

また、情報を見る画面(ファイルを選んでCommand+I)では、種類と容量を確かめられます。容量が0バイトや極端に小さい場合は、ダウンロードが失敗している可能性が高く、どのアプリでも開けません。形式と容量の2つを最初に見るだけで、無駄な試行錯誤をかなり減らせます。

解凍できないときの切り分け

アプリを入れても解凍できない場合は、原因を順に絞り込みます。思いつくままに試すより、次の順で確かめるほうが早く片付きます。

  1. 空き容量:展開後のファイルは、RARファイルより大きくなります。圧縮率の高いデータなら、数倍の容量が必要です。Appleメニューの[システム設定]から[一般]、[ストレージ]の順に開き、空き容量を確かめます
  2. ダウンロードの途中切れ:ファイルの容量が、送り主の伝えた容量や、ダウンロードページに書かれた容量と合っているかを見ます。小さければ、ダウンロードし直します
  3. 分割ファイルの欠け:前の章のとおり、全部そろっているか、同じフォルダにあるかを確かめます
  4. パスワード:入力画面が出たのに通らない場合は、全角と半角、余分な空白、大文字と小文字を見直します
  5. ファイル名が長すぎる、記号が多い:Windowsで付けた長い日本語の名前や、記号の多い名前のファイルが中に入っていると、展開の途中で止まることがあります。保存先を浅いフォルダ(デスクトップの直下など)に変えて試します
  6. 別の道具で試す:The Unarchiverで失敗したらKeka、Kekaで失敗したらunar、と道具を替えると通ることがあります

ここまで試しても開けない場合は、ファイルそのものが壊れている可能性が高くなります。送り主に、もう一度圧縮して送り直してもらうのがいちばん確実です。Appleのヘルプでも、ZIPを開けないときはほかの人に再送を頼むよう案内しています。相手に頼むときは「Macで開いています。できればZIPで送っていただけると助かります」と一言添えると、次からの行き違いも防げます。

知らない送り主のRARファイルを開く前に確かめること

RARは、中身を開けるまで何が入っているか分かりにくい形式です。仕事の取引先から届いたものなら心配は少ないですが、見覚えのない相手からのメールや、無料配布をうたうWebサイトから入手したRARには注意が必要です。

開く前に確かめたいのは次の3点です。

・送り主と、送られてくる理由に心当たりがあるか。請求書や荷物の不在通知を装って、圧縮ファイルを開かせる手口は昔からあります
・中身の一覧を先に見る。The Unarchiverを使わなくても、ターミナルの tar -tvf や lsar で中身の名前だけを表示できます。「.exe」「.app」「.command」「.scr」のような実行するファイルが混ざっていたら、開かずに送り主に確認します
・パスワードがメール本文に一緒に書かれていないか。正規の業務でも使われる方法ですが、ウイルス対策ソフトの検査をすり抜けるために、パスワードつきの圧縮ファイルを送る攻撃もあります

Macにはもともと、インターネットから入手したアプリを初めて開くときに確認を求める仕組みがあります。この確認画面が出たら、そのまま開かずに、本当に必要なアプリかを考える習慣をつけてください。迷ったときに相談できる窓口として、IPA(情報処理推進機構)の情報セキュリティ安心相談窓口があります。

Macから相手にファイルを送るときは、どの形式で圧縮するか

受け取る側の悩みが分かると、送る側に回ったときの判断もしやすくなります。Macから相手に素材や納品物を送るとき、どの形式で圧縮すればよいかを場面ごとに整理します。

いちばん無難なのはZIPです。Finderで送りたいファイルやフォルダを選び、右クリックして[圧縮]を選ぶだけで作れます。WindowsでもMacでも、追加のアプリなしで開けるため、相手の環境が分からないときはZIPにしておけば行き違いが起きません。

ただし、FinderのZIPにはパスワードを付ける項目がありません。個人情報や未発表のデザインのように、途中で見られては困るデータを送るなら、Kekaのように暗号化に対応したアプリを使います。Kekaの公式サイトでは、7zにはAES-256という強い暗号を、ZIPには互換性を優先した古い方式の暗号を使うと説明しています。相手がWindowsの標準機能だけで開く可能性があるならZIP、相手も解凍アプリを入れているなら7z、と使い分けます。

もう1つ気をつけたいのが、Macで作ったZIPに入る余分なファイルです。MacでZIPを作ると、Windowsで開いたときに「__MACOSX」という名前のフォルダや、名前が「._」で始まる小さなファイルが一緒に見えることがあります。これはMacがファイルの付加情報を保存するためのもので、中身の作品には関係ありません。相手が戸惑いそうなら、「__MACOSXというフォルダは削除して構いません」と一言添えておきます。

容量が大きく、メールに添付できない場合は、圧縮ファイルを分割するより、クラウドの共有リンクで送るほうが受け取る側の負担は軽くなります。分割ファイルは、前の章で書いたように1つ欠けるだけで全部が開けなくなるからです。

相手にZIPで送り直してもらうときの頼み方

RARが届いて開けなかったとき、そのまま「開けません」と返すと、相手はどこを直せばよいか分かりません。次のように、こちらの環境と、してほしいことを具体的に書くと、1回のやり取りで片付きます。

・「Macで作業しているため、RAR形式だと開けない場合があります。お手数ですが、ZIP形式で送っていただけますでしょうか」
・「分割されたファイルのうち、part3が届いていないようです。全部で何個に分けたかを教えていただけますか」
・「パスワードの入力画面で止まっています。パスワードを別のメールで送っていただけますか」

責める言い方にせず、相手が次に何をすればよいかだけを伝えるのがこつです。ファイルの受け渡しは、仕事の中身とは別の、小さな共同作業だと考えると、言葉も選びやすくなります。

解凍したあとのファイルを整理する

RARを開けたら、次に困るのが、取り出したファイルの保存先です。ダウンロードフォルダに「データ」「データ 2」「データ.part1.rar」「a.rar.cpgz」が並び、どれが最新か分からなくなる。素材を何度も受け取る仕事ほど、この散らかりは時間を奪います。

整理のこつは、デザインで余白を決めるのと同じで、最初に「型」を作ることです。

・受け取ったRARは、案件のフォルダの中に「受領」のような名前のフォルダを作って保存する
・解凍した中身は、同じ案件の「素材」フォルダへ移す
・展開に成功したら、RARと分割ファイルは「受領」に残し、ダウンロードフォルダからは削除する
・.cpgzのような失敗の跡は、その場でゴミ箱へ入れる

こうしておくと、あとで「最初に届いたデータはどれだったか」を確かめたいときにも、受け取った状態のファイルがすぐ見つかります。

Macの標準のFinderでも、この型は作れます。ただ、外付けディスクやNAS(ネットワークにつないで使う共有のディスク)に素材がある場合は、案件ごとにFinderのウインドウを何枚も開くことになりがちです。そうした場面で使える選択肢の1つが Atriens です。Macのファイル管理アプリで、外付けディスクやNAS、iCloud Driveにある場所を、案件ごとのまとまりとして同じサイドバーに並べられます。並べてもファイル自体は元の場所から動きません。ZIPの作成と展開、同じファイルの重複探し、フォルダごとに開けるターミナルも備えています。RARの展開そのものは公式の機能に記載がないため、RARは前の章までの方法で開き、取り出したあとの整理にAtriensを使う、という分担になります。Macの中で使う機能は無料で、有料になるのはiPhoneやiPadから使う場合だけです。Atriensは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

仕事でファイルを受け渡すときに決めておくこと

RARが開けない問題は、技術の問題であると同時に、取り決めの問題でもあります。発注する側と受ける側で、最初に次のことを決めておくだけで、ほとんどの行き違いはなくなります。

・圧縮の形式:Macで開く人がいるなら、基本はZIPにする。RARで送る場合は、RAR5か、パスワードを付けるかを伝える
・分割の有無:分割するなら、ファイルの数と合計の容量を本文に書く
・パスワードの渡し方:ファイルとは別の経路で送る
・受け取った側の連絡:解凍できたら一言返す。開けなかったら、どの段階で止まったかを書いて返す

フリーランスや在宅の仕事を長く見てきた運営者の立場から言えば、こうした受け渡しの決まりを最初に自分から提案できる人ほど、継続の依頼につながりやすい傾向があります。腕の良し悪し以前に、「この人とならやり取りが楽だ」と思ってもらえることが、次の仕事を呼びます。ファイルの形式の話は小さく見えますが、毎回のやり取りで少しずつ相手の時間を節約していることになります。

デザインの仕事に限らず、素材の受け渡しが多い職種の相場を知っておくと、受け渡しの手間を見積もりに含めるかどうかも判断しやすくなります。デザインの報酬の目安はデザイナーの年収・単価相場で、職種ごとの単価の幅や経験年数による違いを確かめられます。アプリやWebの制作でファイルのやり取りが多い仕事の内容は、アプリケーション開発のお仕事で、求められる技術や案件の種類とあわせて紹介しています。

在宅で作業の環境を整える費用を考えている人は、テレワーク 助成金 2026で、テレワークの導入に使える国の助成金の種類と、申請の流れを確かめられます。会社としてMacや通信の環境を整える場合の参考になります。

道具は、使い方を知っていれば怖くありません。デザインが才能ではなくスキルであるのと同じで、ファイルの扱いも、一度覚えた手順を繰り返すうちに自然と身につきます。RARが届いても慌てず、この記事の順番で開いてみてください。

よくある質問

Q. MacでRARファイルをダブルクリックすると.cpgzができるのはなぜですか?

Mac標準のアーカイブユーティリティがRARを正しく読めず、ファイルを別の形式で圧縮し直してしまうためです。.cpgzをさらに開くと元のRARに戻るだけなので、繰り返さずに止めてください。The UnarchiverやKekaなどRARに対応したアプリで開き直せば、中身を取り出せます。

Q. アプリを入れずにMacでRARを解凍する方法はありますか?

ターミナルを使えば、Macに最初から入っているtarコマンドで多くのRARファイルを展開できます。「tar -xf ファイル名.rar」と入力します。ただし、パスワードつきのRARや一部の分割RARは展開できないことがあり、その場合は解凍アプリかunarを使います。

Q. 分割されたRARファイルはどれを開けばよいですか?

すべてのファイルを同じフォルダにそろえてから、最初の1つだけを開きます。名前に「part1.rar」が付くものか、拡張子が「.rar」のものが最初です。対応したアプリなら残りを自動で探してつなげます。1つでも欠けていると最後まで展開できません。

Q. RARのパスワードが通らないときは何を確かめればよいですか?

日本語入力がオンのまま全角で打っていないか、コピーしたときに前後へ空白や改行が付いていないか、大文字と小文字が合っているかを確かめます。それでも通らない場合は、送り主にパスワードを確認し直すのがいちばん確実です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年6月4日最終更新:2026年10月18日
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