公務員で副業に当たらない収入|資産運用と創作の線引き 2026


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この記事のポイント
- ✓公務員が許可なしに得られる収入の範囲を条文から整理しました
- ✓不動産や太陽光の規模基準
- ✓そして副業に当たらない場合でも必要になる税の手続きまで解説します
まず、安心してください。公務員が収入を増やす道は、すべて閉ざされているわけではありません。
公務員法が制限しているのは「営利企業を営むこと」と「報酬を得て事業または事務に従事すること」です。この2つに当たらない形の収入は、そもそも許可の対象になりません。つまり、副業に当たらない稼ぎ方は実際に存在します。
ただし、境目を自己判断で決めると危険です。同じ行為でも規模が変わると扱いが変わりますし、職場によって運用の幅もあります。この記事では、どの要件を満たせば「副業に当たらない」と言えるのか、どこから先が許可の対象になるのか、そして副業に当たらない場合でも必要になる手続きを、皆さんと一緒に順番に整理していきます。
リスクも正直に書きます。都合のいい部分だけ並べても、皆さんの役には立たないからです。
「副業に当たらない」を3つの要件で判断する
制限の根拠は、国家公務員なら国家公務員法第103条と第104条、地方公務員なら地方公務員法第38条です。条文を要素に分解すると、次の3つになります。
1つめは、営利を目的とする企業の役員等を兼ねていないか。2つめは、自ら営利企業を営んでいないか。3つめは、報酬を得て事業または事務に従事していないか。
この3つのどれにも当たらなければ、第38条の許可は要りません。逆に言えば、ひとつでも当たれば許可が必要です。
ここで押さえておきたいのは、判断の軸が「金額」ではないという点です。条文は金額の閾値を定めていません。判断されているのは行為の性質です。
たとえば「労働や役務を提供しているか」。提供していれば、報酬を得て事務に従事する形に近づきます。提供していなければ、その類型からは外れます。
もうひとつは「反復継続しているか」。継続的に事業として行っていれば、営利企業を営む形に近づきます。一度で終わる行為なら、事業とは呼びません。
この2つを頭に置いて、以下の類型を見ていってください。金額の大小ではなく、労務の提供と反復継続の有無で判断する。この視点を持つだけで、判断の精度が上がります。
資産の運用は原則として対象外
いちばん明確なのがここです。
株式、投資信託、債券
株式や投資信託の売買、債券の保有による利息、預貯金の利息は、労働や役務の提供を伴いません。自分の資産を動かしているだけなので、営利企業を営むことにも、事業に従事することにも当たりません。したがって原則として許可の対象外と扱われています。
外国為替の取引や暗号資産の売買も、同じ理屈で原則として対象外です。ただし、この後に書く条件が付きます。
必ず付いてくる4つの条件
対象外だからといって無条件ではありません。
第1に、勤務時間中に取引をしないこと。職務専念義務は地方公務員法第35条、国家公務員法第101条にあります。勤務時間中にスマートフォンで値動きを追っていれば、それだけで義務違反です。取引の回数が多い手法を選ぶと、この線を越えやすくなります。
第2に、職務上知り得た情報を使わないこと。秘密を守る義務は地方公務員法第34条です。加えて、上場企業の重要な情報を職務上知る立場にある方は、金融商品取引法のインサイダー取引規制の対象にもなります。許認可や指導監督の担当部署にいる方は特に注意が必要です。
第3に、法人を作って運用しないこと。資産管理のために会社を設立して役員になれば、営利企業の役員を兼ねる類型に当たります。ここで線を越える方がいます。
第4に、他人の資産を運用しないこと。他人から資金を預かって運用すれば、それは役務の提供であり、金融商品取引法上の問題にもなります。
職場に届け出が必要な場合もある
金融機関を所管する部署や、経済関係の政策に関わる部署では、内部の規程で保有する株式の届け出を求めている場合があります。法律上の許可とは別の話ですが、職場の規程は守る義務があります。自分の職場に該当する定めがあるか、一度確認しておいてください。
不動産と太陽光は規模で線が変わる
ここは「原則として対象外」とは言えない領域です。皆さんが最も間違いやすい部分なので、丁寧に書きます。
不動産の賃貸
不動産の賃貸は、規模が大きくなると「自ら営利企業を営む」に当たると扱われます。
国家公務員については、人事院の運用の中で数量の目安が示されてきました。独立家屋の賃貸であれば5棟以上、独立家屋以外の建物であれば10室以上、土地の賃貸であれば契約件数10件以上、賃貸料収入であれば年額500万円以上といった水準です。駐車場については、建築物である駐車場や機械設備を設けた駐車場、収容台数が一定以上のものが対象とされてきました。
この水準を超える規模なら、許可が必要になると考えるのが安全です。多くの自治体もこの考え方を参考にしています。
ただし、これらの数字は自動的に適用される法令の条文ではありません。自分の職場の規程を確認してください。そして相続でやむを得ず引き継いだ場合は、事情を説明すれば許可が出やすい類型です。放置して無許可の状態になるほうが問題になります。
太陽光発電の売電
太陽光発電による売電も、規模で扱いが変わります。出力が10キロワット以上のものは自営に当たる目安として扱われてきました。住宅の屋根に設置する一般的な規模なら対象外になりますが、土地に設備を並べる規模なら許可の対象です。
農業と山林
自家消費の範囲で作物を育てているだけなら、事業ではありません。しかし販売を目的とした規模になれば、営利企業を営む形に近づきます。家業として引き継いだ農地を維持している場合は、実態を説明して職場に相談するのが確実です。
判断に迷う規模になったら、自己判断で「これくらいなら大丈夫」と決めないでください。この領域は、後から実態が明らかになったときの影響が大きい部分です。
創作と執筆の線引き
ここは判断が難しい領域ですが、考え方の軸ははっきりしています。
一時的な収入と継続的な受注は別物
自分の作品を発表して得た印税や原稿料は、労務の提供に対する報酬と性質が違う部分があります。実際に、公務員として勤務しながら作品を発表していた例は過去にもあります。
一方で、依頼を受けて継続的に原稿を納めるなら、それは報酬を得て事務に従事する形です。この場合は許可の対象になると考えるのが安全です。
つまり、境目は「依頼されて継続的に役務を提供しているか」です。自分の意思で作ったものを発表して収入が生じる形と、注文を受けて納品する形は、性質が違います。
実務上の判断材料
判断に迷うときは、次の3点を見てください。
依頼者との間に継続的な契約があるか。あるなら、許可の対象になる可能性が高いです。納期と分量が相手に決められているか。決められているなら、役務の提供に近づきます。年間の収入がどのくらいになるか。規模が大きくなれば、事業として見られやすくなります。
文章を扱う仕事の報酬水準がどのくらいなのかは、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で職種単位に整理しています。自分の活動がどの規模になるのかを事前に把握しておくと、職場に相談するときの説明が具体的になります。
届け出の相談は早いほうがよい
「まだ収入が出ていないから相談は後で」と考える方が多いのですが、順序が逆です。始める前に制度として照会しておけば、後から実態を説明する手間がなくなります。聞くこと自体は不利になりません。
家業、相続、無報酬の活動
報酬を得ていない活動は、第3の類型に当たりません。ここは比較的すっきりしています。
無報酬の役員と地域活動
町内会やPTAの役員、地域の団体の運営を無報酬で手伝う行為は、報酬を得て従事する形ではありません。実務上も問題視されない扱いが一般的です。
ただし、営利を目的とする会社の役員を兼ねる場合は、報酬の有無にかかわらず第1の類型に当たりうるので注意してください。無報酬でも取締役になれば別の話になります。
家業の手伝い
家族が営む事業を無報酬で手伝う行為は、報酬を得ていないため第3の類型には当たりません。ただし、勤務時間外に限ることと、職務との利害関係がないことは前提です。
報酬を受け取る形になれば、許可が必要になります。家族間だから大丈夫という理屈は通りません。
相続で引き継いだ資産の管理
これは相談が多い類型です。親が持っていたアパートや農地を相続して、管理せざるを得なくなった。この場合は「やむを得ない事情」として扱われ、許可が出やすい類型です。
大事なのは、放置しないことです。規模が基準を超えているのに申請していない状態が続けば、それ自体が問題になります。事情があるほど、早く相談してください。
不要品の処分
自宅の不要品をフリマアプリで売る行為は、利益を目的とした仕入れがないため事業ではありません。生活で使っていたものを整理する行為です。
ただし、売るために仕入れる行為が始まれば性質が変わります。反復継続して差益を得る形は、営利企業を営むことに当たりうる領域です。
誤解されやすい形を6つ取り上げる
相談の場でよく出てくる形を、ひとつずつ見ていきます。どれも「これは副業ではないはず」と思われやすいものです。
ポイントや懸賞、キャッシュバック
買い物で付いたポイント、抽選で当たった賞品、クレジットカードのキャッシュバックは、役務の提供に対する報酬ではありません。公務員法上の兼業には当たりません。
ただし、金額が大きくなると税の扱いが出てきます。懸賞の賞金や賞品は一時所得として計算される場合があります。日常の範囲であれば気にする必要はありませんが、高額なものが当たったときは扱いを確認してください。
アンケートモニターやポイントサイト
ここは注意が必要です。アンケートに回答して報酬を受け取る形は、役務の提供に対する報酬に当たりうる領域です。単発で少額なら実務上問題にされにくいものの、継続的に回答して収入を得ている状態は、報酬を得て事務に従事する形に近づきます。
金額が小さいから大丈夫という理屈は、条文に根拠がありません。継続的に行う予定があるなら、職場に確認してください。
不動産の売却
自宅や相続した土地を売却して得た収入は、資産の譲渡です。事業ではありません。反復継続して売買する形になれば別ですが、一度の売却であれば兼業には当たりません。
税の側では譲渡所得として計算します。居住用財産の特別控除などの制度があるので、売却する前に国税庁の案内で扱いを確認しておくと、申告の段階で慌てずに済みます。
家族の名義で事業を行う
これは避けてください。実質的に自分が事業を運営していれば、名義を家族にしていても自ら営利企業を営む形と評価されます。名義を変えることは、判断を変える方法ではありません。
配偶者が自分の事業を独立して営んでいる場合は、そもそも本人の兼業ではないので問題になりません。判断の分かれ目は、誰が実際に事業を回しているかです。
無償のボランティアに実費が支払われる場合
交通費や資料代の実費が支払われるだけであれば、報酬とは扱われないのが一般的です。ただし実費を大きく超える額が支払われていれば、報酬と評価される余地があります。
判断が難しいときは、支払われる金額の根拠を確認しておいてください。実費精算であることが書類で分かる形になっていれば、説明がしやすくなります。
退職後を見据えた準備
在職中に将来の独立の準備をすること自体は、収入が生じなければ兼業には当たりません。技能を学ぶ、資格を取る、人脈を作る。これらは自由です。
ただし、在職中に報酬を受け取る形が始まれば、その時点から許可の対象になります。準備と開業の線をはっきりさせておいてください。私は皆さんに、この線を曖昧にしたまま進むことだけは避けてほしいと思っています。
公務員の兼業をめぐる環境は動いている
制度の運用は固定されていません。皆さんが思っているより、環境は変わってきています。
収入に不満を抱えて人材流出することを防ぐためや、公務員としての知識や経験を副業に活かして地域貢献することなどを目的に、公務員の副業解禁へ向けた動きは進んでいます。 出典: kigyo.gmo
この動きの先行例として、自治体が制度を用意した事例があります。
例えば、神戸市では平成29年4月に「地域貢献応援制度」を設け、市の職員が知識や経験を活かして市民の立場で地域における課題解決に取り組むことを目的とし、副業できる環境を整えています。 出典: kigyo.gmo
総務省も社会貢献活動に関する兼業の取扱いについて通知を出し、許可基準の明確化と公表を自治体に促してきました。その結果、基準を文書で示す自治体が増えています。
ここで皆さんにお伝えしたいのは、「副業に当たらない形」を探すことだけが道ではないという点です。制度として認められた枠組みに乗るほうが、結果的に自由度が高い場合があります。自分の職場に該当する制度があるかどうか、一度確認する価値があります。
そして時間の使い方についても、現実的に考える必要があります。
副業で収入アップを考えている方も多いと思いますが「時間がない」と感じて諦めている方も多いのではないでしょうか。しかし、スキマ時間を上手く利用して副業をすることで、本業とは異なる収入源を持つことが可能です。 出典: kigyo.gmo
ただし、隙間時間で完結する形を選ぶことと、隙間時間で無理を重ねることは違います。私は皆さんに、休息を削る設計だけは避けてほしいと思っています。体調を崩せば本業にも影響します。それは本末転倒です。
副業に当たらなくても消えない3つの義務
ここが最も大事な部分です。許可が不要であることと、何をしてもよいことは違います。
職務専念義務
地方公務員法第35条、国家公務員法第101条です。勤務時間中は職務に専念する義務があります。資産運用でも創作でも、勤務時間中に作業していれば義務違反です。
これは金額に関係ありません。勤務時間中に5分間だけ取引の画面を見た行為も、形式的にはこの義務に触れます。厳しく聞こえるかもしれませんが、実際に処分の理由として挙げられている要素です。
信用失墜行為の禁止
地方公務員法第33条、国家公務員法第99条です。公務員としての信用を傷つける行為が対象です。
活動の内容が市民の理解を得られるかという観点で見られます。判断が分かれやすいのは、特定の商品を宣伝する形の発信、政治的な内容を含む活動、職名や所属を連想させる形での発言です。許可が不要な活動であっても、この義務は効いています。
秘密を守る義務
地方公務員法第34条、国家公務員法第100条です。職務上知り得た秘密を漏らしてはならないという規定で、退職後も続きます。
創作や執筆で自分の経験を書くとき、ここが問題になります。守秘義務に触れる情報は、形を変えても書けません。判断に迷う内容なら、書かない選択をしてください。
この3つは、許可制度とは独立して効いています。「許可が要らないから自由」という理解は誤りです。ここを取り違えて問題になる例が実際にあります。
税と手続きは「副業でない」でも発生する
公務員法の話と、税の話は別の制度です。ここを混同すると、思わぬ問題が起きます。
確定申告が必要になる場合
給与を受け取っている方は、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要です。この判断の対象は売上ではなく、経費を引いた所得です。
不動産の賃貸収入、太陽光の売電収入、原稿料、講演の謝金はいずれも所得として計算します。株式の譲渡益についても、特定口座で源泉徴収ありを選んでいれば原則として申告が不要になりますが、複数の口座で損益を通算したい場合などは申告することになります。
判断の基準になる金額は税制改正で見直されます。実際に申告する年の要件は、国税庁の案内で確認してください。古い情報のまま判断すると、必要な申告を落とすことになります。
住民税の扱い
所得税の確定申告をすれば、その内容が住民税の計算に反映されます。住民税は勤務先が給与から差し引いて納める仕組みが原則なので、税額の通知が勤務先に届きます。
これを避けるために申告をしないという選択は、税法上の義務を果たさない状態になります。申告漏れが後から判明した場合、税の問題と服務の問題が同時に発生します。隠す前提で設計しないでください。
帳簿と記録
不動産賃貸や太陽光の売電のように継続的な収入がある場合、収入と支出の記録を残す必要があります。年に一度まとめてやろうとすると、必ず抜けが出ます。
会計ソフトを使えば作業は軽くなります。freeeやマネーフォワードのようなサービスは個人向けの機能を持っていますが、どのソフトでも領収書を残す作業は自分でやる必要があります。月に一度、封筒に入れるだけでも年末の負担が変わります。
契約の条件を文字で残す
報酬を受け取る形が生じるなら、条件を書面で残しておくことが自分を守ります。取引条件に何を書くべきかはフリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリストに必要項目を整理しました。報酬が支払われない事態に備える手順は未払い報酬を回収する!弁護士の着手金・成功報酬と支払督促の流れ【2026年最新】にまとめています。
手続きの書類に不安があるとき
職場への照会や届け出の文書は、型を知っているかどうかで負担が変わります。ビジネス文書検定の学習範囲には照会文や報告文の構成が含まれていますので、何を先に書き、何を根拠として添えるかの整理に使えます。
判断に迷ったときの確認手順
最後に、実際に動くときの手順をまとめます。順番に意味があります。
手順1、自分の身分と根拠法を確認する。国の職員なら国家公務員法、自治体の職員なら地方公務員法、公立学校の教員なら教育公務員特例法も関わります。非常勤や会計年度任用職員は適用範囲が異なる部分があります。
手順2、職場の規程を読む。兼業の取扱要領、許可基準、様式がイントラネットに置かれていることが増えました。許可が不要な行為の例示があれば、それが自分の職場の判断基準です。
手順3、制度として人事担当に照会する。「私がこれをやってよいか」ではなく「この種の行為は許可の対象になるか」と聞きます。前者は個別の判断を求める形になり、担当者も慎重になります。後者なら制度の説明として答えやすくなります。
手順4、聞いた内容を記録する。日付、部署、回答の内容をメモに残してください。後から解釈が問題になったときに、確認した記録があることは大きな違いを生みます。
手順5、税の扱いを先に決める。始めてから慌てる方が多い部分です。申告が必要になるのか、記録を何で残すのかを先に決めておきます。
手順6、記録の形を先に決める。何を、どこに、いつ残すのかを決めておきます。収入の記録、支出の領収書、職場に照会した内容、相手先とのやり取り。この4つを別々のフォルダに分けておくだけで、後から必要になったときに探す時間がなくなります。
この6つを済ませてから動くのと、動いてから調べるのでは、結果がまったく変わります。
そしてもうひとつ、皆さんにお伝えしたいことがあります。判断に迷った状態で走り出さないことです。迷いながら続けていると、常に後ろめたさを抱えたまま作業することになります。これは本業の集中力にも影響します。確認を取って、白黒をはっきりさせてから始めるほうが、結果的に長く続きます。
焦らなくて大丈夫です。順番を守ってください。
20年この市場を見てきた立場からの観察
運営者として見てきた限りでは、公務員の方が収入を増やす道を探すとき、「制限が少ない形」を探すことに時間を使いすぎる傾向があります。
気持ちは分かります。規則に触れたくないという思いは当然です。ただ、制限が少ない形とは、多くの場合「自分の技能を使わない形」でもあります。資産運用は元手が必要で、増えるかどうかは自分の努力の外にあります。この方向だけを探していると、いつまでも元手の話で止まってしまいます。
長く続いている方に共通しているのは、自分が既に持っている段取りの力を持ち出している点です。制度を正確に読む力、手順を文書に落とす力、複数の関係者の合意を作る力。行政の現場で身につくこうした力は、外から見ると需要のある技能です。企業が外部に切り出したい業務を見ると、要件を整理して手順書に落とす役割が必ず並んでいます。生成AIの社内活用を進めたい企業が外部の支援を探す動きは続いていて、AIコンサル・業務活用支援のお仕事ではどんな業務が切り出されているかを職種ガイドとして整理しました。専門家である必要はなく、業務を整理する役割から関わる道があります。
もうひとつ、20年この市場を見てきて感じることを書きます。長く続く方は、単発の作業を数えるのではなく「この人に任せると楽だ」と思われる関係づくりに時間を使っています。連絡が早い、確認の粒度が適切、期限の前に状況を伝える。どれも技能ではなく段取りの話です。そして依頼する側は、これを何より評価します。人を探す手間が減るからです。
額面と手取りの違いについても触れておきます。同じ報酬額でも、仲介の手数料が引かれてから受け取るのと、引かれずに受け取るのとでは、手元に残る金額が変わります。手数料0%の直接取引なら、依頼する側は同じ予算でより多く頼めますし、受ける側の手取りは厚くなります。どちらかが損をする構造ではありません。公務員の兼業は許可の範囲で量を抑える形になることが多いので、限られた時間に対して手元に残る割合が厚いかどうかは、続けられるかどうかに直接効いてきます。
専門資格を持つ方が本業との線をどう引いているかは会計士の副業ガイド|監査法人勤務でもできる高収入の稼ぎ方【2026年版】が参考になります。守秘義務と利害関係の整理は、公務員の場合も考え方が共通しています。
最後にもう一度書きます。制度の解釈を検索で確定させないでください。答えを持っているのは皆さんの職場の人事担当です。聞くこと自体は不利になりません。そして聞いた記録が、後々皆さんを守ります。
よくある質問
Q. 株式投資やFXは公務員でも許可なしにできますか?
資産の運用は労働や役務の提供を伴わないため、原則として許可の対象外と扱われています。ただし勤務時間中に取引をすれば職務専念義務に触れ、職務上知り得た情報を使えば秘密を守る義務やインサイダー取引規制の問題になります。資産管理会社を作って役員になると営利企業の役員を兼ねる形に当たります。
Q. 不動産の賃貸はどこから許可が必要になりますか?
規模で判断が変わります。国家公務員については、独立家屋5棟以上、独立家屋以外の建物10室以上、土地の賃貸で契約件数10件以上、賃貸料収入が年額500万円以上といった水準が自営の目安として扱われてきました。多くの自治体もこれを参考にしています。相続で引き継いだ場合は事情を説明して申請してください。
Q. 副業に当たらないなら確定申告も不要ですか?
公務員法の話と税の話は別の制度です。給与以外の所得が20万円を超えれば確定申告が必要になります。判断の対象は売上ではなく経費を引いた所得です。不動産収入、売電収入、原稿料、謝金はいずれも所得として計算します。判断の基準額は改正されるため、申告する年の要件を国税庁の案内で確認してください。
Q. 家族の事業を手伝うのは副業になりますか?
無報酬で手伝う場合は、報酬を得て従事する類型には当たりません。ただし勤務時間外に限ること、職務との利害関係がないことが前提です。報酬を受け取る形になれば許可が必要になり、家族間であっても扱いは変わりません。営利を目的とする会社の役員を兼ねる場合は、無報酬でも別の類型に当たりうるので注意してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
前田 壮一@SOHO編集部
元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身
大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。
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