進行管理表の作り方と、列の決め方・更新を続けるコツ


この記事のポイント
- ✓ExcelやGoogleスプレッドシートで手を動かせる手順で解説します
- ✓最初に決める列と決めない列
- ✓期限切れを色で知らせる設定
仕事の進行管理表を作ろうとして、列をいくつ並べればよいのか、どこまで細かく書けばよいのかで手が止まっている。作ってはみたものの、2週間もすると誰も更新しなくなった。進行管理表について調べている皆さんの多くは、こうした悩みを抱えているのではないでしょうか。
まず、安心してください。進行管理表は、立派な表を作ることより、毎週きちんと更新されることのほうがずっと大事です。結論を先に書くと、続く進行管理表は、列が少なく、状態の書き方が決まっていて、更新する日と人が決まっている表です。列は「作業」「担当」「期限」「状態」「次にやること」の5つを軸にし、残りは必要になってから加えるくらいでちょうどよい、というのが、品質管理の現場とフリーランスの仕事の両方で、多くの表が続いたり止まったりするのを見てきた中での結論です。
この記事では、進行管理表の作り方を、ExcelやGoogleスプレッドシートで手を動かせる手順で解説します。列の決め方、状態の選択肢の作り方、期限切れを色で知らせる設定、週の横軸で予定を並べる方法、更新を続けるための決まりまでを順に整理します。複数の人で同時に更新したい、遅れを自動で知らせたいといった、表で回すのが苦しくなった場面の選択肢として、無料から使えるプロジェクト管理のPinatecaにも後半で触れます。
進行管理表とは、仕事が予定どおり進んでいるかを確かめる表
進行管理表とは、1つの仕事(案件やプロジェクト)を作業に分けて、それぞれの担当、期限、進み具合を並べ、予定どおりに進んでいるかを確かめるための表のことです。進捗管理表、工程表と呼ばれることもあります。呼び方は職場によって違いますが、目的は同じです。
進行管理表が役に立つのは、次のような場面です。
・複数の人が関わる仕事で、誰が何をしているかを見える形にしたい
・複数の案件を同時に抱えていて、締切の重なりを確かめたい
・取引先や上司に、進み具合を短い時間で報告したい
・遅れが出たときに、どの作業が原因なのかをすぐに突き止めたい
逆に、1人で1日に終わる小さな仕事に進行管理表を作る必要はありません。表を作って更新する手間のほうが大きくなるからです。目安として、関わる人が2人以上、または期間が1週間以上の仕事から、進行管理表を作る価値が出てきます。
進行管理表を使う考え方として、横に時間の流れを並べる形と、作業を段階ごとの列に並べる形がよく紹介されています。
また、カンバンとは、タスクを可視化し進行をコントロールするタスク管理手法です。 活用することで、チームが完了させなければならない仕事の一覧および、チームメンバーの作業量が適切かどうかを視覚的に把握できます。 出典: lychee-redmine.jp
この記事では、まず表計算ソフトで作る一覧の形の進行管理表を基本にし、後半で、時間の流れを横に並べる形にも広げます。
進行管理表を作る前に決めておく3つのこと
いきなり表計算ソフトを開く前に、紙やメモに3つのことを書き出しておきます。ここを飛ばすと、後から列を作り直すことになり、その間に表の更新が止まってしまいます。
1. この表を一番よく見るのは誰か
担当者本人が毎日見るのか、チームのまとめ役が週に1回見るのか、取引先に月に1回見せるのか。一番よく見る人を決めると、どの列を左に並べるべきか、どこまで細かく書くべきかが決まります。全員の要望を1枚の表で満たそうとすると、列が増えて誰にとっても見にくい表になります。
2. 作業をどの大きさに分けるか
大きな仕事を作業に分けるとき、1つの作業の大きさの目安は「1人で1日から5日で終わる程度」です。半日で終わる作業まで細かく書くと、行が増えて更新が負担になります。逆に、1か月かかる作業を1行で書くと、その間の進み具合が見えません。迷ったら少し粗めに分け、遅れが出やすいところだけ後から細かくします。
3. 誰が、いつ更新するか
これが一番大事です。「気づいた人が更新する」は、誰も更新しないのと同じです。「担当者が、毎週金曜日の午後に自分の行を更新する」「まとめ役が、月曜日の朝に全体を確かめる」のように、人と曜日を決めておきます。
| 決めること | 決め方の例 |
|---|---|
| 一番よく見る人 | チームのまとめ役(週に1回) |
| 作業の大きさ | 1人で1日から5日で終わる程度 |
| 更新する人と日 | 担当者が毎週金曜日の午後に更新 |
進行管理表の列の決め方
進行管理表で一番迷うのが、列の決め方です。結論から言うと、最初は次の5つを軸にし、必要に応じて少しだけ加えます。
最初に必ず設ける5つの列
| 列 | 書く内容 | 書き方の決まり |
|---|---|---|
| 作業 | 何をするか | 動詞で終わる短い文(「原稿を書く」) |
| 担当 | 誰がするか | 1人の名前。複数の名前を書かない |
| 期限 | いつまでに終えるか | 日付だけを入れる(「来週中」と書かない) |
| 状態 | いまどうなっているか | 決めた選択肢から選ぶ(後述) |
| 次にやること | 次の一手 | 状態が「完了」以外のときに一言 |
いちばん右の「次にやること」は、意外に見落とされる列です。状態が「作業中」と書かれているだけでは、どこまで進んでいて、次に何が起きるのかが分かりません。「初稿を水曜日に共有」「先方の返事待ち。金曜日に再度連絡」と一言あるだけで、表を見た人は状況をつかめます。
必要に応じて加える列
| 列 | 加えるとよい場面 |
|---|---|
| 番号 | 打ち合わせで「3番の件」と呼びたいとき |
| 開始日 | 作業の重なりや、横軸の予定表を作るとき |
| 案件名 | 複数の案件を1枚の表で管理するとき |
| 完了日 | 予定と実際のずれを振り返りたいとき |
| 備考 | どうしても書き残したいことがあるとき |
「工数(かかる時間)」「優先度」「進み具合の割合」などの列も、加えたくなる気持ちはよく分かります。ただ、列が1つ増えるごとに、更新の手間も1つ増えます。とくに進み具合の割合(30%、50%など)は、人によって感覚が違い、更新もされにくい列です。最初は入れずに、状態の選択肢で代わりにするほうが長続きします。
列の並べ方
人は表を左から右に読むので、左に「何の話か」(番号、作業)、中央に「誰がいつまでに」(担当、期限)、右に「いまどうなっていて、次に何をするか」(状態、次にやること)を並べると、自然な順で状況が頭に入ります。
状態の選択肢を決める
進行管理表が見にくくなる最大の原因は、状態の書き方がばらばらなことです。同じ「作業中」でも、「対応中」「着手」「進行中」「やってます」と書く人がいると、絞り込みもできず、遅れを見つけにくくなります。
そこで、状態は自由に書かせず、決まった選択肢から選ぶ形にします。選択肢の例は次のとおりです。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
| 未着手 | まだ始めていない |
| 作業中 | 担当者が手を動かしている |
| 確認待ち | 上司や取引先の確認を待っている |
| 保留 | ほかの作業や判断を待っていて、進められない |
| 完了 | 終わった |
ポイントは「確認待ち」と「保留」を分けることです。自分の手を離れて相手の返事を待っている作業と、何かが決まらないと進められない作業は、打つべき手が違います。確認待ちが多いなら相手に催促し、保留が多いなら判断する人に決めてもらう必要があります。
選択肢は多くても5つから6つまでにします。それ以上になると、どれを選べばよいか迷う時間が増え、結局使われなくなります。
Excelで進行管理表を作る手順
ここからは、Excelで進行管理表を作る手順を説明します。Googleスプレッドシートでも、メニューの名前は少し違いますが、同じ考え方で作れます。
手順1:見出しの行を作り、表の形にする
1行目に、番号、作業、担当、期限、状態、次にやること、の見出しを入力します。見出しを含めた範囲を選び、Ctrlキーを押しながらTキーを押すと、Excelの「テーブル」に変換できます。テーブルにすると、行を足したときに書式や設定が自動で引き継がれ、見出しのフィルターも自動で付きます。
手順2:状態の列にドロップダウンリストを設定する
状態の選択肢を決めた形で選ばせるには、ドロップダウンリストを使います。Microsoftのサポートページ「ドロップダウン リストを作成する」に沿うと、手順は次のとおりです。
- 別のシートに、状態の選択肢(未着手、作業中、確認待ち、保留、完了)を縦に入力します。
- 進行管理表の状態の列のセルを選びます。
- リボンの「データ」タブから「データの入力規則」を選びます。
- 「設定」タブの「入力値の種類」で「リスト」を選びます。
- 「ソース」で、選択肢を入力した範囲を選びます。
- 「ドロップダウン リストから選択する」にチェックを入れます。
同じページには、リストにない値が入力されたときにエラーのメッセージを出す設定も案内されています。「エラー メッセージ」タブで、スタイルを「停止」にすると、選択肢以外の値を入力できなくなります。最初はこの設定にしておくと、表記のばらつきを防げます。
担当の列にも、同じ方法でメンバーの名前のドロップダウンを設定しておくと、名前の書き方(「田中」「田中さん」「T」など)のばらつきがなくなります。
手順3:期限を過ぎた行に色を付ける
期限を過ぎたのに完了していない作業は、色で目立たせます。Excelの条件付き書式を使います。
- 表のデータの範囲(見出しを除く)を選びます。
- 「ホーム」タブの「条件付き書式」から「新しいルール」を選びます。
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。
- 期限がD列、状態がE列で、データが2行目から始まる場合、数式に =AND(TODAY()>$D2,NOT($E2="完了")) と入力します。
- 「書式」から、塗りつぶしの色(薄い赤など)を選び、確定します。
TODAY関数は、ファイルを開いた日の日付を返す関数です。この設定をしておくと、表を開くたびに、期限を過ぎて完了していない行が自動で色付きになります。同じ考え方で、期限まで3日以内の行を薄い黄色にするルールを加えると、遅れそうな作業にも早めに気づけます。その場合の数式は =AND($D2>=TODAY(),TODAY()+3>=$D2,NOT($E2="完了")) です。
手順4:見出しを固定し、絞り込めるようにする
行が増えてくると、下にスクロールしたときに見出しが見えなくなります。「表示」タブの「ウィンドウ枠の固定」で先頭の行を固定しておくと、どこまでスクロールしても見出しが表示されます。
テーブルに変換していれば、見出しのフィルターで「担当」を絞り込んで自分の作業だけを見たり、「状態」で「完了」を外して残っている作業だけを見たりできます。
| 手順 | 使う機能 | 効果 |
|---|---|---|
| 1 | テーブル | 行を足しても設定が引き継がれる |
| 2 | データの入力規則 | 状態と担当の書き方がそろう |
| 3 | 条件付き書式とTODAY関数 | 期限切れと期限間近が色で分かる |
| 4 | ウィンドウ枠の固定とフィルター | 行が増えても見やすい |
週の横軸で予定を並べる方法
一覧の形の進行管理表は、作業の状態を確かめるには便利ですが、作業どうしの時期の重なりは見えにくい形です。締切の重なりを見たいときは、表の右側に週ごとの列を並べ、作業の期間を色で塗る形に広げます。いわゆるガントチャートの簡易版です。
作り方の考え方は次のとおりです。
- 一覧の表に「開始日」の列を加えます。
- 表の右側の見出しの行に、週の始まりの日付(月曜日の日付)を横に並べます。たとえば、2026年10月12日、10月19日、10月26日、と1週間ずつ並べます。
- 週の列のセルに、条件付き書式で「開始日がその週の終わり以前で、期限がその週の始まり以降なら塗る」というルールを設定します。
開始日がC列、期限がD列、週の始まりの日付が1行目にあり、最初の週の列がH列の場合、H2のセルに設定する数式の例は =AND(H$1+6>=$C2,$D2>=H$1) です。このルールを週の列の全体に当てはめると、作業の期間が横棒のように塗られます。
この形にすると、同じ週に締切が集中している担当者や、前の作業が終わらないと始められない作業の重なりが、一目で分かるようになります。
ただし、週の列を増やしすぎると、表が横に長くなって見にくくなります。表で管理するなら、向こう8週から12週くらいまでにとどめ、それより先の予定は、まとめ役が別に持っておくのが現実的です。
進行管理表の更新が止まる原因と、続けるための決まり
進行管理表で一番多い失敗は、作った直後は丁寧に更新されていたのに、数週間で誰も更新しなくなることです。原因は、ほとんどの場合、表の作りではなく運用にあります。
更新が止まる原因
| 原因 | よくある状況 |
|---|---|
| 更新の担当と日が決まっていない | 「気づいた人が更新」で、結局誰も更新しない |
| 列が多すぎる | 1行の更新に時間がかかり、後回しになる |
| 表が見られていない | 更新しても誰も見ないので、更新する意味を感じない |
| 書き方がばらばら | 読みにくく、見る人も減る |
| ファイルが複数ある | どれが最新か分からず、更新先に迷う |
3つ目の「表が見られていない」は、見落とされがちな原因です。表は、見られて初めて更新する意味が生まれます。毎週の打ち合わせの最初の5分で、進行管理表を画面に映して、期限切れと確認待ちの行だけを確かめる。これを習慣にすると、担当者は「見られる」と分かっているので、打ち合わせの前に自然と更新するようになります。
続けるための5つの決まり
- 更新する人と曜日を決める(担当者が金曜日の午後に自分の行を更新する)
- 毎週の打ち合わせで表を見る(期限切れと確認待ちの行だけ)
- ファイルは1つにする(共有のフォルダやクラウドで、最新版を1か所に保存する)
- 完了した行は月に1回、別のシートに移す(表を軽く保つ)
- 列を加えるときは、チームで合意してから(勝手に増やさない)
4つ目は、行が増えて表が重くなるのを防ぐための決まりです。完了した行を残したままにすると、残っている作業を探すのに時間がかかります。月末に「完了」の行を「完了済み」のシートへ移しておけば、メインのシートには進行中の作業だけが残ります。
編集部の書き手は、メーカーで品質管理をしていた頃、製品の改善の進行管理表を作ったことがあります。最初は列を15個ほど並べた立派な表を作ったものの、1か月もしないうちに、更新されるのは担当と状態の2つの列だけになっていました。思い切って列を6つに減らし、毎週の会議の冒頭で表を映すようにしたところ、ようやく表が回り始めました。表は、作った人が満足するためではなく、使う人が迷わないためにある。それを身をもって学んだ経験だったそうです。
Googleスプレッドシートで作るときの手順
Googleスプレッドシートでも、Excelと同じ考え方で進行管理表を作れます。複数の人が同じファイルを同時に開いて更新できるので、チームで使うならスプレッドシートのほうが扱いやすい場面も多いです。メニューの名前が少し違うので、Googleのヘルプに沿って主な手順を整理します。
状態の列にプルダウンを設定する
Googleのヘルプ「セル内にプルダウン リストを作成する」によると、プルダウンを作りたいセルの範囲を選び、上部の「挿入」から「プルダウン」をクリックするか、「データ」から「データの入力規則」を開いて「ルールを追加」をクリックします。セルに「@」を入力して、メニューから「プルダウン」を選ぶ方法もあります。
ヘルプには、「プロジェクトのステータス」や「優先度」などの用途に合わせて、あらかじめ用意されたプルダウンを挿入できるという案内もあります。最初はそれを使い、選択肢の名前だけ自分たちの決まりに合わせて直すと手早く作れます。
期限切れの行に色を付ける
条件付き書式は、Googleのヘルプ「Google スプレッドシートで条件付き書式ルールを使用する」に沿うと、範囲を選んで「表示形式」から「条件付き書式」をクリックし、「セルの書式設定の条件」で「カスタム数式」を選んで数式を入力します。数式の考え方は、Excelの場合と同じです。期限がD列、状態がE列なら、=AND(TODAY()>$D2,NOT($E2="完了")) と入力し、書式設定のスタイルで塗りつぶしの色を選びます。
変更の履歴を確かめられる
スプレッドシートは、誰がいつどこを変えたかを後から確かめられるのも利点です。期限が知らないうちに変わっていた、という場合も、履歴をたどれば経緯が分かります。ただし、履歴に頼りすぎず、期限を変えるときは「次にやること」の列や打ち合わせで理由を共有する決まりにしておくと、チームの中で認識がずれません。
| やりたいこと | Excel | Googleスプレッドシート |
|---|---|---|
| 状態を選択肢から選ばせる | 「データ」タブの「データの入力規則」 | 「挿入」の「プルダウン」、または「データ」の「データの入力規則」 |
| 期限切れに色を付ける | 「ホーム」タブの「条件付き書式」で数式を使う | 「表示形式」の「条件付き書式」で「カスタム数式」 |
| 複数人で同時に更新する | 保存場所と共有の設定しだい | 標準で同時に編集できる |
案件を複数抱えるときの進行管理表の分け方
案件が1つなら、1枚の表で十分です。案件が増えてくると、表をどう分けるかで迷います。分け方は大きく2つです。
1枚の表に「案件名」の列を加える
すべての案件の作業を1枚の表にまとめ、「案件名」の列で区別する方法です。担当者が自分の作業を一度に見渡せること、締切の重なりを案件をまたいで確かめられることが利点です。フィルターで案件名を絞り込めば、案件ごとの表としても使えます。
案件ごとにシートやファイルを分ける
案件ごとに関わる人が違う場合や、取引先に表を共有する場合は、案件ごとにシートやファイルを分けます。ほかの案件の情報を見せずに済むのが利点です。ただし、担当者が複数の案件を抱えていると、自分の作業を確かめるのに表をいくつも開く必要があり、見落としが起きやすくなります。
| 分け方 | 向いている場面 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 1枚の表に案件名の列 | 少人数のチームで複数の案件を回す | 行が増えたら完了分を別のシートに移す |
| 案件ごとに分ける | 案件ごとに関わる人が違う、取引先と共有する | 担当者が自分の作業を見落としやすい |
迷ったら、社内用は1枚の表にまとめ、取引先と共有する分だけ案件ごとに切り出す、という組み合わせが扱いやすい形です。
遅れが出たときの進行管理表の使い方
進行管理表の本当の出番は、遅れが出たときです。色の付いた期限切れの行を見つけたら、次の順で対応します。
- 遅れている作業の「次にやること」を確かめ、何が原因で止まっているかを担当者に聞きます。
- その作業が遅れると、後ろのどの作業に影響するかを確かめます。週の横軸の予定表があれば、重なりがすぐに分かります。
- 期限を延ばすのか、人を加えるのか、作業の範囲を減らすのかを決めます。
- 決めた内容を表に反映し、期限を変えた理由を「次にやること」の列に一言残します。
大事なのは、遅れを責めるために表を使わないことです。遅れが表に正直に書かれるのは、書いても責められないと担当者が分かっているときだけです。遅れを隠す空気ができると、表は「予定どおり」と書かれたまま、実際の仕事だけが遅れていく、という一番困った状態になります。
遅れを早めに見つけるには、期限の当日ではなく、期限の数日前に声をかける習慣が役立ちます。先に紹介した、期限まで3日以内の行を薄い黄色にする設定は、そのためのものです。毎週の打ち合わせで黄色の行を確かめ、「この作業は予定どおり終わりそうですか」と一言聞くだけで、担当者は困っていることを話しやすくなります。期限を過ぎてから対応するより、期限の前に手を打つほうが、取れる選択肢はずっと多く残っています。進行管理表は、過去の記録ではなく、これから起きることに先回りするための道具だと考えると、使い方が変わってきます。
表で回すのが苦しくなったときの選択肢
ExcelやGoogleスプレッドシートの進行管理表は、費用をかけずに始められ、多くの人が使い慣れているという大きな利点があります。少人数の仕事なら、ここまでの作り方で十分に回せます。
一方で、次のような状況になってくると、表で回すのが苦しくなってきます。
・複数の人が同時に同じファイルを更新して、上書きや食い違いが起きる
・期限が近づいたことや遅れたことを、担当者に自動で知らせたい
・作業ごとの相談のやり取りが、メールやチャットに散らばって追いきれない
・一覧の形と、横軸の予定の形を、同じデータで切り替えて見たい
・案件が増えて、ファイルが案件ごとに分かれ、全体が見渡せない
こうした場面の選択肢の1つが、プロジェクト管理のPinatecaです。公式サイトによると、Pinatecaは、カンバン、ガントチャート、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードを、無料のプランから使えるプロジェクト管理の道具です。
この記事で作った進行管理表と対応させると、次のように置き換えられます。
| 表計算ソフトの進行管理表 | Pinatecaでの形 |
|---|---|
| 一覧の表 | リストのボード(表で全件を並べ、絞り込んで一括で直せる) |
| 状態の列 | カンバンのボード(状態ごとの列にカードを並べて動かす) |
| 週の横軸の予定表 | ガントのボード(カードの期間が横棒で並び、バーを動かして日付を変えられる) |
| 担当者ごとの負荷 | リソースのボード(人やチームごとに負荷の偏りを見る) |
| 次にやること・備考の列 | カードごとのコメントと、内蔵のチャット |
公式サイトでは、ガントのボードについて、今日の線で遅れているタスクがすぐに分かること、担当者別やラベル別に絞り込めることが紹介されています。自分宛てのメンションや担当の割り当て、締切は受信箱に集まるので、表を開いて自分の行を探す必要がありません。見積もりの工数や優先度、顧客名など、必要な項目をカードに加えられるカスタムフィールドもあります。ChatGPTやClaudeから、会話でボードを読んだりカードを動かしたりする仕組み(MCP)にも対応しています。
料金は公式の料金のページによると、5人まで、ボード10個までのフリープランが0円で、期限はなく、クレジットカードの登録も要りません。ガントやカレンダーなど8種類のボードは、フリープランからすべて使えます。6人目または11個目のボードからは、スタンダードプランが1人あたり月額500円(年払いなら1人あたり月額400円、税抜)です。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
道具を変えても、この記事で整理した考え方はそのまま使えます。列は少なく、状態の書き方を決め、更新する人と日を決め、毎週見る。この4つがそろっていれば、表計算ソフトでも専用の道具でも、進行管理はきちんと回ります。
外部の協力者と進行管理表を共有するときの注意
最後に、フリーランスや外部の協力者と進行管理表を共有するときの注意点を整理します。社内だけで使う表と違い、気をつけたいことがいくつかあります。
見せてよい情報だけを共有する
社内の表には、予算、ほかの取引先の名前、社内の評価など、外部に見せるべきでない情報が含まれていることがあります。外部と共有する表は、社内の表から必要な列だけを抜き出した別の表にするか、外部の人が見られる範囲を限られる道具を使います。
期限の意味をそろえる
「期限」が、作業を終える日なのか、先方に届ける日なのか、確認まで終える日なのかで、外部の協力者の動き方は変わります。表の見出しに「納品日(先方に届ける日)」のように意味を書いておくと、食い違いを防げます。
更新の決まりを最初に伝える
外部の協力者に表の更新を頼むなら、更新する曜日と、状態の選択肢の意味を最初に伝えます。外部の人は、社内の暗黙の決まりを知りません。最初に1枚の説明を渡しておくだけで、表の質は大きく変わります。
フリーランスと発注者のやり取りを長く見てきた運営者の立場から言うと、外部との仕事がうまく回っている発注者ほど、進行管理表の共有の仕方が丁寧です。何をいつまでに、どの状態になったら次に進むのかが表で共有されていれば、受ける側は迷わずに動けます。中間の手数料が乗らない直接の取引であれば、発注者は同じ予算でより多くを頼め、受ける側も手元に残る報酬が厚くなります。進行の見える化は、その関係を長く続けるための土台です。
進行管理表の作り方や業務の流れの整理を、外部の専門家に手伝ってもらう選択肢もあります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、業務の効率化やツールの導入を手伝う仕事の内容が紹介されています。社内の進行管理を専用の仕組みにしたい場合は、アプリケーション開発のお仕事で、依頼できる内容と進め方を確かめておくとよいでしょう。デザインや制作の仕事を外部に頼む機会が多い場合は、デザイナーの年収・単価相場で相場を知っておくと、進行の計画と予算を一緒に組み立てやすくなります。
ツールの費用が気になる場合は、中小企業のSaaS費用管理術2026|サブスクコストを30%削減する方法で、契約しているサービスの費用の見直し方が紹介されています。製造の現場で工程の管理を仕組みにしたい場合は、中小製造業のDX推進|生産管理SaaS比較2026|補助金活用の完全ガイドもあわせて読むと、選び方の参考になります。
よくある質問
Q. 進行管理表にはどの列を入れればよいですか?
最初は「作業」「担当」「期限」「状態」「次にやること」の5つを軸にするのがおすすめです。必要に応じて、番号、開始日、案件名などを加えます。列が増えるほど更新の手間も増えるので、進み具合の割合や工数の列は、本当に使う場面が出てきてから加えるほうが、表が長続きします。
Q. 進行管理表の状態の書き方がばらばらになるのを防ぐには?
状態を自由に書かせず、未着手、作業中、確認待ち、保留、完了のような決まった選択肢から選ぶ形にします。Excelではリボンの「データ」タブの「データの入力規則」で「リスト」を選ぶと、ドロップダウンで選べるようになります。エラーのメッセージのスタイルを「停止」にすると、選択肢以外の値を入力できなくなります。
Q. 期限を過ぎた作業を自動で目立たせる方法はありますか?
Excelの条件付き書式で、「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選び、期限が今日より前で、状態が完了でない行に色を付けるルールを作ります。期限がD列、状態がE列なら、=AND(TODAY()>$D2,NOT($E2="完了")) のような数式です。表を開くたびに、期限切れの行が自動で色付きになります。
Q. 進行管理表が更新されなくなるのはなぜですか?
多くの場合、更新する人と日が決まっていない、列が多すぎる、表が誰にも見られていない、のどれかが原因です。担当者が毎週決まった曜日に自分の行を更新し、毎週の打ち合わせで表を画面に映して確かめる、という決まりを作ると、更新が続きやすくなります。ファイルは1つにまとめておくことも大切です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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