見やすい進捗管理表をエクセルで作るコツと、更新が続く書式の決め方

この記事のポイント
- ✓見やすい進捗管理表をエクセルで作るための項目の決め方
- ✓テーブル化やドロップダウン
- ✓条件付き書式を使った手順
エクセルで進捗管理表を作ったものの、項目を詰め込みすぎて誰も見なくなった、あるいは最初の1週間だけ更新されて、あとは止まってしまった。そんな経験はありませんか?見やすい進捗管理表に必要なのは、凝った装飾ではなく、「ひと目で遅れが分かること」と「更新が苦にならないこと」の2つです。
この記事では、エクセルで見やすい進捗管理表を作るための項目の決め方から、テーブル化、ドロップダウン、条件付き書式を使った具体的な手順、遅れを自動で色付けする数式、そして更新が続くための書式のルールまでを順番に説明します。チームでの共有や、エクセルでは手に負えなくなったときの選択肢にも触れます。
見やすい進捗管理表に共通する3つの条件
最初に、見やすい進捗管理表とはどういうものかを整理しておきます。見やすさは人によって感じ方が違うように思えますが、長く使われている表には共通点があります。
条件1:1行に1つの作業が並んでいる
1つの行に1つの作業(タスク)を書き、横に担当者や期限、状態を並べる形です。1つのセルに複数の作業を書いたり、セルを結合して見出しを作ったりすると、並べ替えや絞り込みができなくなります。見た目を整えるためのセルの結合は、進捗管理表ではできるだけ避けます。
条件2:状態が色で分かる
「未着手」「進行中」「完了」「保留」のような状態が、文字だけでなく色でも分かることです。何十行もある表を1行ずつ読む人はいません。色を見て「赤い行だけ確認すればいい」と分かる表が、見やすい表です。
条件3:更新する場所が少ない
更新のたびに書き換える場所が多い表は、続きません。状態と、必要なら実績の日付だけを変えればよい、という作りにしておくと、更新の手間が減り、表が古くなりにくくなります。
この3つは、どれもエクセルの標準の機能で実現できます。特別なテンプレートや、マクロ(作業を自動で行うための小さなプログラム)は必要ありません。
入れる項目を決める
進捗管理表の見やすさは、項目(列)の数で大きく変わります。項目が多いほど情報は増えますが、横に長くなって画面に収まらず、見づらくなります。まずは次の基本の項目から始め、必要になったものだけを追加していくのがおすすめです。
| 項目 | 内容 | 入力の形 |
|---|---|---|
| No. | 作業の通し番号 | 数字 |
| 作業名 | 何をするか。動詞で終える | 文字 |
| 担当者 | 誰がするか。1人に決める | 選択式 |
| 開始日 | 始める予定の日 | 日付 |
| 期限 | 終える予定の日 | 日付 |
| 状態 | 未着手、進行中、完了、保留 | 選択式 |
| 完了日 | 実際に終えた日 | 日付 |
| メモ | 止まっている理由など | 文字 |
ここで大切なのは、担当者を1人に決めることです。「田中・佐藤」のように2人の名前を書くと、どちらも相手がやると思い込んで作業が止まります。2人で進める作業なら、作業を分けるか、責任を持つ人を1人決めて担当者に書きます。
作業名は、「資料」ではなく「提案資料の初稿を作る」のように、動詞で終わる形で書くと、何をすれば完了なのかがはっきりします。完了の基準があいまいな作業は、いつまでも「進行中」のまま残り、表の見やすさを損ねる原因になります。
項目を追加したくなったときは、「その列を見て、誰が何を判断するのか」を考えてみてください。判断に使われない列は、入力の手間を増やすだけです。例えば「優先度」の列は、毎週の打ち合わせで優先度の高いものから話す運用があるなら役立ちますが、誰も見ないなら不要です。
エクセルで作る手順
項目が決まったら、エクセルで表を作っていきます。ここでは、見やすさと更新のしやすさを両立させるための手順を5つに分けて説明します。
手順1:見出しを入力してテーブルに変換する
1行目に項目名を入力し、2行目以降に作業を入力したら、表の範囲を選んで「テーブル」に変換します。テーブルとは、エクセルでデータのまとまりを1つの表として扱う機能のことです。Microsoftのサポートページでは、テーブルにすると見出し行にフィルターが付き、データの絞り込みや並べ替えをすばやく行えると説明されています。行に縞模様の色が付くので、横に長い行でも目で追いやすくなります。
テーブルにしておくと、新しい行を追加したときに、書式や数式、ドロップダウンの設定が自動で引き継がれます。行を追加するたびに書式を整える手間がなくなるので、更新が続きやすくなります。
手順2:担当者と状態をドロップダウンにする
担当者と状態の列は、手で入力させず、ドロップダウン(一覧から選ぶ形)にします。エクセルの「データの入力規則」という機能を使います。Microsoftのサポートページでも、ドロップダウンにすると、自分で作ったリストから項目を選べるようになり、ワークシートでの作業を効率的にできると案内されています。
選択式にすると、「完了」「完了済み」「済」のように表記がばらつくことがなくなります。表記がそろっていると、次の手順で設定する色付けや、進捗率の集計が正しく動きます。
ドロップダウンの選択肢は、表の外の別シートに一覧として書いておき、入力規則の「元の値」でその一覧を指定するのがおすすめです。メンバーが増えたときは、一覧に名前を1行追加するだけで、すべての行の選択肢に反映されます。状態の選択肢も同じ一覧のシートで管理しておくと、「確認待ち」のような状態を後から追加したいときに迷いません。
手順3:日付の列の表示をそろえる
開始日、期限、完了日の列は、表示の形式を「日付」にそろえます。曜日も表示させたい場合は、セルの書式設定のユーザー定義で「m/d(aaa)」のように指定すると、「10/3(金)」のように表示されます。曜日が見えると、週末をまたぐ期限に気づきやすくなります。
手順4:状態に応じて行に色を付ける
状態の列の値に応じて、行全体に色を付けます。ここで使うのが条件付き書式です。Microsoftのサポートページでは、条件付き書式について次のように説明されています。
条件付き書式は、データのパターンと傾向をより明確にするのに役立ちます。 それを使用するには、セルの値に基づいてセルの書式を決定するルールを作成します。 出典: support.microsoft.com
行全体に色を付けるには、表のデータ部分を選び、条件付き書式の「新しいルール」から「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます。状態がF列にある場合、完了の行を灰色にするなら数式に=$F2="完了"と入力し、書式で文字と塗りつぶしの色を選びます。列を表す「F」の前に「$」を付けるのがポイントで、こうするとどの列のセルもF列の値を見て色が決まり、行全体に色が付きます。
手順5:見出しの行を固定する
行が増えて下にスクロールすると、見出しが見えなくなり、どの列が何かが分からなくなります。「表示」タブの「ウィンドウ枠の固定」で先頭の行を固定しておくと、スクロールしても見出しが常に表示されます。作業名の列まで固定しておけば、横にスクロールしても作業名が見えたままになります。
遅れを自動で知らせる色付け
見やすい進捗管理表のいちばんの役目は、遅れている作業を見逃さないことです。条件付き書式の数式を使えば、期限を過ぎたのに完了していない行を、自動で目立たせられます。
期限がE列、状態がF列にある場合、次の数式でルールを作ります。
=AND(TODAY()>$E2,NOT($F2="完了"))
TODAY関数は、今日の日付を返す関数です。この数式は「今日が期限を過ぎていて、かつ状態が完了ではない」行を見つけます。NOT関数は、条件を打ち消す関数で、ここでは「完了ではない」という意味になります。書式には、薄い赤の塗りつぶしと濃い赤の文字のように、ひと目で分かる色を選びます。
あわせて、期限が近い作業を知らせるルールも作っておくと、遅れる前に手を打てます。例えば、期限まで3日以内で完了していない行を薄い黄色にするなら、次の数式です。
=AND($E2>=TODAY(),TODAY()+3>=$E2,NOT($F2="完了"))
ルールが複数あるときは、条件付き書式の「ルールの管理」で、上に並んでいるルールから順に適用されます。完了の灰色を一番上に置き、次に遅れの赤、その次に期限間近の黄色、という順にしておくと、完了した作業が赤や黄色で表示されることがありません。
色の数は、3色程度に絞るのが見やすさのコツです。色が多すぎると、どの色が何を意味するのかを覚えきれず、結局すべての行を読むことになります。表の上の余白に「赤は遅れ、黄色は期限まで3日以内、灰色は完了」と凡例を書いておくと、初めて見る人にも伝わります。
進捗率をひと目で見せる
表の上部に、全体の進み具合を数字で出しておくと、表を開いた瞬間に全体像がつかめます。状態の列から、完了した作業の数と割合を数式で出します。
完了の数は=COUNTIF(F:F,"完了")、全体の作業の数は見出しを除いて=COUNTA(F:F)-1で数えられます。完了の数を全体の数で割り、セルの表示形式をパーセントにすれば、進捗率になります。例えば、全40件のうち26件が完了していれば、進捗率は65%です。
同じ考え方で、遅れている作業の数を表示しておくのも効果的です。「遅れ3件」のように数字で見えると、打ち合わせでまず何を話すべきかがはっきりします。数字を大きめの文字にして、表の左上に配置しておくと、表を開いた人の目に最初に入ります。遅れの件数は、このあとの印刷の工夫の節で紹介する「判定」の列を作っておけば、COUNTIF関数でその列の「遅れ」を数えるだけで出せます。進捗率と遅れの件数の2つの数字が並んでいれば、表の中身を読まなくても、プロジェクトが順調かどうかの見当がつきます。
担当者ごとの完了の数を出したい場合は、COUNTIFS関数で「担当者が田中、かつ状態が完了」のように複数の条件で数えられます。ただし、担当者ごとの数字を表に出すと、人を比べる道具に見えてしまうことがあります。チームで使う表では、全体の進捗率と遅れの件数だけを出し、担当者ごとの数字は必要なときに確かめる程度にしておくほうが、気持ちよく更新してもらえます。
日付の列でガントチャート風に見せる
作業の期間を横棒で見せるガントチャートも、エクセルの条件付き書式で作れます。ガントチャートとは、作業ごとの期間を横棒で並べ、いつ何をしているかを時間の流れで見せる図のことです。
作り方は、表の右側に日付を1日ずつ横に並べた列を作り、開始日から期限までの間に入るセルを塗る、というものです。日付の列の先頭が J1 セルにある場合、J2 セルから右下の範囲を選び、条件付き書式で次の数式を設定します。
=AND(J$1>=$D2,$E2>=J$1)
D列が開始日、E列が期限です。日付の行には「$」を付けて1行目を固定し、開始日と期限の列には「$」を付けて列を固定するのがポイントです。今日の列だけ縦に色を付けるルール=J$1=TODAY()を加えると、今日の位置が線のように見え、どの作業が遅れているかが分かりやすくなります。
ただし、エクセルのガントチャートは、作業が数十件、期間が数か月になると横に長くなりすぎて、見やすさが落ちます。日付の列を1日ずつではなく1週間ずつにする、終わった作業の行は非表示にする、といった工夫で、画面に収まる範囲を保ちます。
更新が続く書式のルール
どれほど見やすく作っても、更新が止まった進捗管理表は役に立ちません。更新が続くかどうかは、表の作りと運用のルールで決まります。
入力する場所を最小にする
毎日や毎週の更新で触るのは、状態と完了日、メモの3つだけ、という作りにします。進捗率や色付けは数式と条件付き書式に任せ、人が手で書き換える場所を減らします。数式の入ったセルは、色を変えておくか、シートの保護で書き換えられないようにしておくと、うっかり壊すことがありません。
更新の時刻を決める
「毎週月曜の朝会の前までに、自分の担当の状態を更新する」のように、更新の時刻を決めます。いつ更新してもよい表は、いつまでも更新されません。打ち合わせで表を画面に映して確認する運用にすると、更新していないことがその場で分かるので、自然と更新が続きます。
最終更新の日付を書く
表の上部に「最終更新日」を書く欄を作ります。表を見た人が、この情報がいつの時点のものかを判断できるようにするためです。更新日が2週間前のまま止まっていれば、表がもう使われていない合図です。
行を消さずに残す
完了した作業の行は、削除せずに残します。削除すると、あとで「あの作業はいつ終わったのか」を確かめられなくなります。見やすさのために完了した行を隠したい場合は、テーブルのフィルターで状態が完了の行を非表示にします。
ファイルの版を増やさない
「進捗管理表_最新.xlsx」「進捗管理表_最新2.xlsx」のように、ファイルを複製して更新していくと、どれが本当の最新版か分からなくなります。チームで使う場合は、OneDriveやSharePointなどに1つのファイルを保存し、全員が同じファイルを開いて更新する形にします。Microsoft 365のエクセルなら、複数の人が同じブックを同時に編集する共同編集の機能が使えます。
用途別に見た、進捗管理表の型
進捗管理表と一口に言っても、使う人や目的で、ちょうどよい形は変わります。よくある4つの用途ごとに、項目の選び方と見せ方の違いを整理します。
自分ひとりのタスク管理
ひとりで使う表なら、担当者の列は不要です。作業名、期限、状態、メモの4列で十分に回ります。副業や在宅の仕事で複数の依頼を並行させているなら、「依頼主」の列を追加し、フィルターで依頼主ごとに絞り込めるようにしておくと便利です。毎朝、期限の早い順に並べ替えて、上から3つを今日やることに決める、という使い方が続けやすい形です。
チームのプロジェクト管理
複数の人で進めるプロジェクトでは、担当者と開始日の列が欠かせません。作業どうしのつながり(この作業が終わらないと次に進めない、という関係)がある場合は、「前の作業のNo.」を書く列を追加すると、遅れがどこに波及するかが分かります。毎週の打ち合わせで画面に映す前提で、遅れの件数と進捗率を表の左上に出しておきます。
外部の人と共有する表
外注先や取引先と共有する表では、社内向けのメモや、相手に見せる必要のない列を別のシートに分けます。共有用のシートには、相手が更新する列と、こちらが更新する列を色で分けておくと、どちらが何を書けばよいかが迷わず伝わります。相手が更新する列は薄い黄色、こちらが更新する列は白、のように決めて、凡例を表の上に書いておきます。
制作物の進行管理
記事や動画、デザインのように、1つの制作物が「構成」「下書き」「確認」「修正」「納品」と段階を踏む仕事では、段階ごとに列を作り、各段階の完了日を入れていく形が向いています。どの制作物がどの段階で止まっているかが横に並んで見えるので、確認待ちの滞留にすぐ気づけます。段階が5つ以上あるなら、状態の列に段階の名前をドロップダウンで並べ、条件付き書式で段階ごとに色を変える方法もあります。
どの型でも、最初に「この表を見て、誰が、何を判断するのか」を決めてから項目を選ぶのが、見やすさへの近道です。
週に1回の振り返りで表を育てる
進捗管理表は、作った日がいちばん完成度の低い日です。使いながら少しずつ直していくことで、チームに合った見やすい表に育っていきます。
週に1回、10分程度の振り返りの時間を取り、次の3つを確かめてみてください。
1つ目は、遅れの赤い行の理由です。同じ理由で遅れている作業が複数あれば、作業の進め方そのものに問題がある合図です。メモの列に遅れの理由を書く決まりにしておくと、振り返りで原因が見えやすくなります。
2つ目は、使われていない列です。誰も入力していない列、入力されていても誰も見ていない列があれば、思い切って削除するか、別のシートに移します。列が減るほど、表は見やすくなります。
3つ目は、入力のばらつきです。作業名の書き方が人によって違う、期限が空欄のままの行がある、といったばらつきは、ルールが伝わっていない合図です。ドロップダウンの選択肢を見直したり、入力例を1行目に残したりして、迷わず入力できる形に直します。
振り返りで表を直したら、変更した内容を表の説明のシートに1行追記しておきます。いつ、何を、なぜ変えたかが残っていると、あとから入ったメンバーにも表の意図が伝わります。
スマートフォンで確認するときの工夫
外出先や移動中に、スマートフォンで進捗を確かめたい場面もあります。エクセルの表は、パソコンの横長の画面を前提に作ることが多いので、スマートフォンの縦長の画面では、横に何度もスクロールしないと全体が見えません。
スマートフォンで見る機会が多いなら、確認用のシートを別に作るのが手軽です。作業名、担当者、期限、状態の4列だけを、元のシートから参照する数式で表示させます。確認用のシートは見るだけにして、更新は元のシートで行う決まりにしておけば、入力のばらつきも防げます。
元のシートを直接見る場合でも、作業名の列を固定し、状態の列を作業名のすぐ右に置いておくと、横にスクロールしなくても「何が、どの状態か」までは1画面で分かります。列の並び順を、見る人が最初に知りたい順にそろえることも、見やすさを左右する大事な工夫です。
印刷やPDFで共有するときの工夫
会議の資料として印刷したり、PDFにしてメールで送ったりする場合は、画面で見るときとは別の工夫が必要です。
まず、印刷の範囲を決めます。表の右側にガントチャート風の日付の列を作っている場合、そのまま印刷すると何枚にも分かれてしまいます。「ページレイアウト」タブで印刷範囲を設定し、用紙を横向きにして、「1ページに収める」設定を使うと、1枚に収まります。文字が小さくなりすぎる場合は、印刷用に列を絞ったシートを別に用意します。
次に、見出しの行を各ページに印刷する設定をします。「ページレイアウト」タブの「印刷タイトル」で、先頭の行を「タイトル行」に指定すると、2ページ目以降にも見出しが印刷されます。
最後に、色に頼りすぎないことです。白黒で印刷すると、赤と灰色の区別がつかなくなることがあります。表に「判定」の列を1つ追加し、=IF(AND(TODAY()>$E2,NOT($F2="完了")),"遅れ","")のような数式で、遅れている行に文字で「遅れ」と表示させておけば、白黒でも遅れが伝わります。
テンプレートを使うときの注意
エクセルの進捗管理表は、ネット上に多くのテンプレートが公開されていて、エクセルの新規作成の画面からも探せます。ゼロから作るより早く始められますが、使う前に確かめておきたい点があります。
1つ目は、項目が多すぎないかです。テンプレートは多くの人に使えるよう、項目を多めに用意していることがよくあります。自分たちに必要のない列は、使い始める前に削除しておきます。
2つ目は、セルの結合が多くないかです。見た目を整えるためにセルが結合されているテンプレートは、並べ替えや絞り込みがうまく動かないことがあります。結合を解除し、テーブルに変換できる形に直してから使います。
3つ目は、マクロが入っていないかです。マクロの入ったファイルは、会社のセキュリティの設定で開けなかったり、警告が表示されたりすることがあります。出どころの分からないテンプレートのマクロは、有効にしないのが安全です。
テンプレートは、項目や色の使い方の参考として眺め、実際に使う表は、この記事の手順で自分たちに合わせて作り直すのがいちばん確実です。
進捗管理表でよくある失敗
見やすい表を作ろうとして、かえって見づらくなる失敗にも、よくある型があります。作る前に知っておくと、遠回りをせずに済みます。
1つ目は、最初から項目を作り込みすぎることです。予定工数、実績工数、優先度、カテゴリー、関連資料のリンクと、思いつく項目をすべて入れると、表が横に長くなり、入力の手間も増えます。基本の項目で2週間ほど運用してから、足りないと感じた項目だけを追加します。
2つ目は、色を使いすぎることです。担当者ごと、カテゴリーごとに色分けすると、遅れを示す赤が埋もれてしまいます。色は「状態」のためだけに使い、それ以外は白か淡い灰色にしておきます。
3つ目は、1つのシートに複数のプロジェクトを詰め込むことです。プロジェクトごとにシートを分けるか、プロジェクト名の列を作ってフィルターで切り替えられるようにします。シートの名前は、プロジェクト名を短く付けておくと、目的のシートを探しやすくなります。
4つ目は、作業の粒度がばらばらなことです。「サイトを作る」という大きな作業と、「画像を1枚差し替える」という小さな作業が同じ表に並ぶと、進捗率が実態とずれます。1つの作業は、1日から1週間程度で終わる大きさにそろえると、進捗率が実態に近づきます。
5つ目は、表を作った人しか使い方を知らないことです。色のルール、更新の時刻、ドロップダウンの選択肢の追加方法などを、別のシートに簡単に書いておきます。作った人が異動したり休んだりしても、表の運用が止まりません。
6つ目は、遅れた作業の期限を黙って書き換えることです。期限を過ぎるたびに新しい日付に直していくと、表の上では遅れが一つもないように見えますが、実際にはプロジェクト全体が後ろにずれています。期限を変えるときは、元の期限を残す「当初の期限」の列を作るか、メモの列に「10/3から10/10へ変更」のように書いておきます。期限の変更が何回あったかが見えると、見積もりの甘さに気づき、次の計画に生かせます。
クラウドソーシングで在宅の仕事を請け負っていると、依頼する側から進捗管理表を共有されることがあります。見やすい表を渡してくれる依頼者とは、確認のやり取りが少なく済み、作業に集中できます。反対に、どこを更新すればよいか分からない表だと、確認のメッセージが何往復も続きます。表の見やすさは、チームの中だけでなく、外部の人と仕事をするときの進めやすさにも直結します。
エクセルで限界を感じたときの選択肢
エクセルの進捗管理表は、数人のチームで、作業が数十件程度までなら十分に機能します。一方で、次のような状態になったら、専用のツールを検討する時期です。
・同時に編集する人が増え、誰かの更新が上書きされる
・作業ごとのやり取りがメールやチャットに散らばり、表と結びつかない
・期限が近い作業を、担当者に自動で知らせたい
・カンバン(状態ごとの列にカードを並べる形)やカレンダーなど、別の見せ方も使いたい
専用のツールを選ぶときは、エクセルの表から移しやすいか、無料でどこまで使えるか、メンバーが増えたときの費用はいくらか、を比べます。
その候補の1つが、カンバンやガントチャートなどのボードで仕事を管理するツールのPinatecaです。公式の料金ページによると、フリープランは5人まで・ボード10個まで無料で、期限はなく、クレジットカードの登録も不要です。カンバン、ガント、カレンダー、リストなど全8種類のボードと、チャットやコメント、カスタムフィールドも無料プランから使えると案内されています。公式サイトでは、ガントボードはカードの期間がそのまま横棒で並び、バーをドラッグすると開始日も締切もその場で変わり、今日の位置の線で遅れているタスクが分かると説明されています。6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円、年払いなら1人あたり月額400円、いずれも税抜)で、機能はフリープランと同じとされています。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
なお、エクセルには、集計や計算を自由に組める強みがあります。工数や費用の計算はエクセルで続け、日々の進み具合と期限の管理だけを専用のツールに移す、という分け方も十分に成り立ちます。
進捗管理のスキルを仕事に生かすという視点
最後に、進捗管理表を作り、運用するスキルが、副業やフリーランスの仕事でどう役立つかを考えてみます。
進捗管理表を自分で作れる人は、依頼された作業の段取りを自分で組み、遅れる前に相談できる人として信頼されます。在宅ワークの仲介サイトを長く運営してきた立場から言えば、長く依頼が続く人ほど、納期の前に途中経過を共有し、「この人に任せると進み具合が見えるので安心」という関係を作っています。手数料0%で直接取引できる仕組みなら、こうした信頼関係がそのまま次の依頼につながりやすく、受け手の手取りも厚く残ります。
エクセルでの管理表づくりや業務の効率化を、AIの活用も含めて手伝う仕事は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。進捗管理のツールそのものを作る側に興味がある人は、アプリケーション開発のお仕事と、収入の目安が分かるソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。
記事の制作のように、締め切りのある仕事を複数並行させる人にとっても、進捗管理表は欠かせない道具です。書く仕事の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確かめられます。また、事業者の側でツールの利用料が膨らんできた場合は、中小企業のSaaS費用管理術2026|サブスクコストを30%削減する方法で、契約中のサービスを見直す考え方を紹介しています。
見やすい進捗管理表は、項目を絞り、状態を色で見せ、更新する場所を減らすことで作れます。まずは基本の8項目で表を作り、2週間運用してから、足りないところを足していきましょう。
よくある質問
Q. 進捗管理表に最低限入れるべき項目は何ですか?
作業名、担当者、期限、状態の4つがあれば、進捗管理表として機能します。そこに通し番号、開始日、完了日、メモを加えた8項目が基本の形です。項目を増やすほど入力の手間が増えるので、2週間ほど運用してから、判断に使う項目だけを追加するのがおすすめです。
Q. 期限を過ぎた作業を自動で赤くするにはどうすればよいですか?
条件付き書式の「数式を使用して、書式設定するセルを決定」で、期限がE列、状態がF列なら=AND(TODAY()>$E2,NOT($F2="完了"))というルールを作り、赤の塗りつぶしを設定します。列の前に「$」を付けると、行全体に色が付きます。
Q. チームで同じ進捗管理表を更新するときの注意点は何ですか?
ファイルを複製せず、OneDriveやSharePointなどに保存した1つのファイルを全員で更新することです。Microsoft 365のエクセルなら共同編集が使えます。あわせて、更新の時刻を決め、表の上部に最終更新日を書く欄を作っておくと、表が古くなるのを防げます。
Q. エクセルから専用の進捗管理ツールに移る目安はありますか?
同時に編集する人が増えて更新が上書きされる、作業ごとのやり取りが表と結びつかない、期限の通知を自動にしたい、といった状態になったら検討の時期です。数人のチームで作業が数十件程度なら、エクセルでも十分に管理できます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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