ポスティングのアルバイトは副業やシニアに向くか、仕事の流れと注意点


この記事のポイント
- ✓ポスティングのアルバイトの仕事の流れ
- ✓時給制と出来高制の違い
- ✓アルバイトと業務委託で変わる守られ方を解説
ポスティングのアルバイトは、決まった地域の家やマンションの郵便受けにチラシを入れて回る仕事です。人と話す場面が少なく、空いた時間に歩きながらできるため、本業のある人の副業や、体を動かしながら働きたいシニアの間で関心が高い仕事です。一方で、給料の決まり方が求人ごとに大きく違い、雇われて働く形と仕事を請け負う形のどちらなのかで、守られ方も変わります。この記事では、ポスティングのアルバイトの仕事の流れと、応募する前に確かめておきたい点を順に整理します。
ポスティングのアルバイトとはどんな仕事か
ポスティングとは、店や会社の広告のチラシ、地域の案内、学習塾の生徒募集などを、各家庭の郵便受けに直接入れて回る仕事のことです。新聞に折り込む広告と違って、新聞を取っていない家にも届けられるため、地域の店や不動産会社、学習塾などが広告の手段として使っています。
仕事を出しているのは、ポスティングを専門に請け負う会社が中心です。広告を出したい会社からチラシの配布を請け負い、配布する人を地域ごとに集めて仕事を割り振ります。求人サイトでは「ポスティングスタッフ」「チラシ配布スタッフ」「DM配達」などの名前で募集されています。DMとは、宛名の付いた案内の郵便物のことで、宛名のないチラシを配るポスティングとは少し仕事の中身が違います。
求人を見ると、働き方の条件には次のような特徴があります。
- 週1日や1日2〜3時間からの短い時間で働けるものが多い
- 事務所に寄らず、自宅から配布の場所へ直接向かえるものがある
- 徒歩、自転車、バイク、車など、移動の手段を選べるものがある
- 配る量に応じて報酬が決まる求人と、働いた時間で決まる求人がある
広告の多くがインターネットに移った今も、ポスティングの仕事が続いているのには理由があります。地域の飲食店、学習塾、不動産会社、リフォームの会社などは、店の近くに住む人に知ってもらうことが何より大切です。インターネットの広告は、地域を細かく絞り込むほど届く人が少なくなりますが、ポスティングなら「店から歩いて10分以内の家」のように、届けたい範囲に確実に紙を届けられます。新聞を取る家が減ったことで、新聞の折り込み広告の代わりとしてポスティングを使う会社もあります。
こうした事情から、ポスティングの仕事は地域に根ざした広告の手段として一定の需要があり、配る人の募集も各地で続いています。求人は住宅の多い地域ほど多く、自宅の近くで仕事を見つけやすいのも特徴です。
この4つめが、応募する前にいちばん確かめておきたい点です。次の節から詳しく説明します。
雇われて働くのか、仕事を請け負うのか
ポスティングの求人には、会社に雇われてアルバイトとして働く形と、会社から仕事を請け負う業務委託の形の2種類が混ざっています。求人の見出しに「アルバイト」と書かれていても、契約の中身を読むと業務委託になっていることもあります。
アルバイト(雇用)の場合
雇用とは、会社の指示のもとで働き、働いた分の賃金を受け取る契約のことです。アルバイトやパートは、この雇用の形です。雇用であれば、労働基準法などの働く人を守る法律が当てはまり、最低賃金を下回る賃金は認められません。仕事中や通勤中のけがには労災保険が使えます。
業務委託(請負)の場合
業務委託とは、会社から「このチラシをこの地域に配る」という仕事を請け負い、その成果に対して報酬を受け取る契約のことです。この場合、配る人は会社の従業員ではなく、個人で仕事を受ける事業者の扱いになります。最低賃金や労災保険といった、雇われて働く人を守る仕組みは、原則として当てはまりません。その代わり、働く時間や配る順番を自分で決めやすいという特徴があります。
応募前に確かめる方法
どちらの形なのかは、求人の「雇用形態」や「契約形態」の欄で確かめます。欄が無かったり、はっきりしなかったりするときは、面接や説明の場で「雇用契約ですか、業務委託契約ですか」と直接尋ねます。業務委託の場合は、報酬の計算方法、交通費の扱い、配り残しが出たときの扱い、けがをしたときの扱いを、契約の前に書面で確かめておきます。
| 項目 | アルバイト(雇用) | 業務委託 |
|---|---|---|
| 最低賃金 | 当てはまる | 原則として当てはまらない |
| 労災保険 | 使える | 原則として使えない(特別加入の制度あり) |
| 報酬の呼び方 | 賃金、給与 | 報酬 |
| 税金の扱い | 給与所得 | 事業所得や雑所得 |
| 働き方の自由 | 会社の指示に従う | 進め方を自分で決めやすい |
時給制と出来高制、給料の決まり方の違い
ポスティングの給料の決まり方は、大きく分けて時給制と出来高制の2つです。
時給制
時給制は、働いた時間に応じて給料が決まる形です。求人サイトでは、都市部で時給1,200円台から1,700円程度の募集が見られます。配る量に関係なく時間で給料が決まるので、慣れないうちでも収入の見通しを立てやすいのが利点です。その分、1時間に配る量の目安や、配布の範囲が決められていることが多くあります。
出来高制
出来高制は、配った枚数や件数に応じて報酬が決まる形です。チラシ1枚あたりの単価が決まっていて、配った枚数を掛けた金額が報酬になります。慣れて手早く配れるようになるほど、時間あたりの収入は上がります。反対に、慣れないうちや、坂道の多い地域、戸建ての家が点在する地域では、時間あたりの収入が低くなりがちです。
アルバイトで出来高制のときは保障給がある
アルバイトとして雇われているのに出来高制で給料が決まる場合、労働基準法には次の決まりがあります。
出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。 出典: e-Gov 法令検索(労働基準法 第27条)
これは保障給と呼ばれる仕組みで、雇われて働く人の給料が出来高だけで決まり、働いた時間に見合わない額になることを防ぐためのものです。あわせて、最低賃金も当てはまります。アルバイトの契約なのに、働いた時間で割ると最低賃金を大きく下回る、という状態は認められません。最低賃金は都道府県ごとに決まっていて、毎年秋ごろに改定されます。自分の地域の額は、厚生労働省や都道府県労働局のページで確かめられます。
一方、業務委託の場合は、この保障給や最低賃金は原則として当てはまりません。出来高の報酬で契約する場合は、1時間に何枚配れるかを自分で試算し、時間あたりの収入がいくらになるかを確かめてから受けることが大切です。
時間あたりの収入を自分で試算する
出来高制の求人を見るときは、提示された単価をそのまま比べるのではなく、1時間あたりにいくらになるかを自分で試算します。計算は難しくありません。
試算の式は「1枚あたりの単価 × 1時間に配れる枚数」です。1時間に配れる枚数は、配る地域の様子で大きく変わります。郵便受けが1か所に並ぶ大きなマンションが多い地域では短い時間で多くの枚数を配れますが、戸建ての家が点在する地域や坂道の多い地域では、歩く時間が長くなり枚数が伸びません。
たとえば、仮に1枚あたり4円で、1時間に250枚配れるなら、1時間あたりの収入は1,000円です。同じ単価でも、1時間に150枚しか配れない地域なら600円にとどまります。単価が少し高くても、配りにくい地域なら時間あたりの収入は下がる、ということです。
試算するときは、次の時間も忘れずに含めます。
- チラシを受け取りに行く時間、または自宅で受け取る時間
- 複数のチラシを組み合わせるセット作業の時間
- 配る地域までの移動の時間
- 配り終えたあとの報告の時間
これらを含めると、実際の時間あたりの収入は、配っている時間だけで計算した額より下がります。最初の数回は、かかった時間を記録しておき、自分の実際の数字で判断するのが確実です。
求人票で確かめておきたい項目
応募する前に、求人票や説明の場で確かめておきたい項目をまとめます。同じ「ポスティング」の求人でも、条件の違いで働きやすさは大きく変わります。
交通費と道具
配る地域までの交通費が出るか、自転車やバイクを貸してもらえるか、チラシを運ぶかばんや台車が用意されているかを確かめます。自分の車やバイクを使う場合、ガソリン代や駐車場の代金の扱いも確かめておきます。
配る量と期限
1回に配る量、配り終えるまでの期限、ノルマ(決められた最低量)の有無を確かめます。「ノルマなし」と書かれていても、期限までに配り終える必要がある場合は、実質的に1日に配る量が決まります。
雨の日の扱い
雨の日に配るかどうか、配る場合のチラシの扱い(濡れないように袋に入れるなど)を確かめます。雨の日は休みにできる会社もあれば、期限の関係で配る必要がある会社もあります。
報告の方法と支払いの時期
配った結果の報告を紙で出すのか、アプリで送るのか、写真が必要かを確かめます。給料や報酬の支払いが、日払い、週払い、月払いのどれかも、生活の計画に関わる大切な点です。
配り残しの扱い
期限までに配り切れなかったときにどうするか、残りのチラシをどこに返すかを確かめます。配り残しの扱いがはっきりしないと、トラブルの元になります。
社会保険と雇用保険の扱い
アルバイトとして働く場合、働く時間によっては、社会保険や雇用保険に加入することになります。
雇用保険は、1週間の所定の労働時間が20時間以上で、31日以上続けて雇われる見込みがある場合に加入するのが原則です。ポスティングのように週に数時間の働き方なら、多くの場合は加入の対象になりません。
健康保険と厚生年金の社会保険は、短い時間で働く人の場合、週20時間以上、2か月を超えて雇われる見込みがある、学生でない、という要件があり、勤め先の規模の要件もあります。以前あった月額8.8万円以上という賃金の要件は、2026年10月に撤廃されました。週に数時間の働き方なら、多くの場合は対象になりません。
本業のある人がポスティングを副業にする場合、雇用保険は2つの会社で同時に加入することはできないのが原則です。加入の対象になるかどうかは、働く時間や会社の規模で変わるので、契約の前に会社に確かめます。
ポスティングの一日の流れ
仕事の流れは会社によって違いますが、おおむね次のような順番で進みます。
1. チラシを受け取る
配るチラシは、事務所に取りに行く形と、自宅に届けてもらう形があります。自宅に届く形なら、事務所に通う時間がかからず、空いた時間に仕事を始められます。複数の種類のチラシを1部ずつ組み合わせて配る場合は、配る前に自宅で組み合わせる作業(セット作業)が必要になることもあります。
2. 配布の地域と範囲を確かめる
会社から、配る地域の地図と、配る枚数、配らない家の一覧などが渡されます。最近は、スマートフォンのアプリで地図を見ながら配り、配った経路を記録する会社も増えています。「チラシお断り」と書かれた家や、管理会社が配布を禁じているマンションは、配らないように指示されるのが普通です。
3. 配って回る
地図に沿って、郵便受けに1部ずつ入れて回ります。郵便受けからチラシがはみ出さないように奥まで入れる、雨の日は濡れないように入れる、といった基本の決まりがあります。マンションでは、建物の入口の集合郵便受けに入れられるかどうかを、管理の掲示で確かめます。
4. 報告する
配り終えたら、配った範囲と枚数、配れなかった場所とその理由を会社に報告します。アプリの経路の記録で報告を兼ねる会社もあります。配り残しのチラシは、会社の指示に従って返却します。勝手に捨てることは、報酬の不正受け取りとみなされる重大な問題になります。
手早く正確に配るためのコツ
慣れてくると、同じ量を短い時間で配れるようになります。時給制でも出来高制でも、手早く正確に配れることは、体への負担を減らし、仕事を任され続けることにつながります。
道順を先に決める
配り始める前に地図を見て、同じ道を何度も通らない順番を決めます。行き止まりの道や坂の上の家を最後に残すと、戻る距離が長くなります。地図に配り終えた場所の印を付けながら進むと、配り漏れと二重の配布を防げます。
チラシの束を扱いやすくする
チラシの束は、すぐに1部ずつ取り出せるように、向きをそろえてかばんに入れます。複数の種類を組み合わせて配る場合は、セット作業の段階で折り方と重ね方をそろえておくと、郵便受けに入れる動作が速くなります。
1軒ごとの動作を同じにする
郵便受けの前で迷う時間が積み重なると、全体の時間が延びます。「表示を確かめる、奥まで入れる、はみ出していないか見る」という同じ動作を毎回繰り返すと、手早さと正確さが両立します。
時間帯を選ぶ
通勤や通学の時間帯は人通りが多く、マンションの入口も混み合います。住人の出入りが少ない時間帯を選ぶと、配りやすく、住人に気を使わせることも減ります。早朝や夜遅くは、物音で住人を驚かせることがあるので避けます。
副業として始めるときに確かめること
本業のある人がポスティングを副業にするときは、仕事を始める前に確かめておきたいことが3つあります。
勤め先の就業規則
副業を認めるかどうかは、勤め先の就業規則で決まります。厚生労働省のモデル就業規則には、副業・兼業についての条文があり、会社が副業を禁止したり制限したりできるのは、仕事に支障が出る場合、会社の秘密が漏れる場合、会社の名誉や信用を傷つける場合、競業で会社の利益を害する場合に限るという考え方が示されています。ただし、実際の扱いは会社ごとに違うので、まず自分の勤め先の規則を読み、届け出が必要なら手続きを済ませてから始めます。
税金の申告
副業の収入があると、確定申告が必要になる場合があります。国税庁の案内では、給与を1か所から受けている人で、給与以外の所得の合計が20万円を超える人は確定申告が必要とされています。ポスティングを業務委託で受けた報酬は、この「給与以外の所得」にあたり、報酬から交通費などの経費を差し引いた額で判断します。
注意したいのは、ポスティングをアルバイトとして受けた場合です。この場合、ポスティングの給料も給与なので、給与を2か所から受けていることになります。国税庁の案内では、給与を2か所以上から受けている人で、年末調整をされなかった給与の収入金額と給与以外の所得の合計が20万円を超える人は、確定申告が必要とされています。副業のアルバイトの給料は年末調整されないのが普通なので、年間の給料が20万円を超えたら申告が必要になると考えておきます。細かい条件は人によって変わるので、迷ったら税務署に確かめます。
住民税
所得税の申告が要らない場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。住民税は、副業の分も合わせて翌年に計算されます。会社の給料から天引きされる住民税が増えることで、勤め先に副業が伝わるきっかけになることもあります。
シニアがポスティングを続けるために
ポスティングは、年齢を問わない求人が多く、シニアの応募も多い仕事です。歩くことが中心なので、体を動かす習慣づくりとして始める人もいます。続けるためには、次の点に気を付けます。
体力と配る量を合わせる
1回の配布で歩く距離は、地域や配る量によっては数キロメートルになります。最初から多くの量を引き受けず、短い時間、少ない量から始めて、自分のペースをつかみます。チラシの束は思ったより重く、背中のかばんや手押しの台車を使うと体への負担を減らせます。
季節ごとの注意
夏は熱中症、冬は日が短く足元が暗くなることに注意が要ります。夏は涼しい朝や夕方に配る、こまめに水分をとる、体調が悪い日は休む、と決めておきます。出来高制だと無理をしがちですが、体調を崩してしまっては続けられません。
年金を受け取っている人
年金を受け取りながら働く場合、厚生年金に加入して働くと、給料と年金の合計によっては年金の一部が止まる仕組みがあります。在職老齢年金と呼ばれる仕組みで、日本年金機構によると、令和8年4月から、年金が止まり始める基準は1か月あたり65万円に引き上げられています。ポスティングのアルバイトは短い時間の働き方が多く、厚生年金に加入しない場合はこの仕組みの対象になりません。加入するかどうかは、働く時間や会社の規模で変わるので、契約の前に確かめます。
配ってはいけない場所とトラブルを避ける心得
ポスティングで最も多いトラブルは、配ってほしくない家にチラシが入ることへの苦情です。
「チラシお断り」の表示は必ず守る
郵便受けに「チラシお断り」「投函禁止」と書かれている家には配りません。会社からの指示がなくても、表示を見つけたら配らないのが基本です。苦情は会社に入り、同じ地域の仕事全体に影響することがあります。
マンションの管理の決まりを確かめる
マンションや団地では、管理組合や管理会社が、共用の場所への立ち入りやチラシの配布を禁じていることがあります。入口や郵便受けの近くに掲示があるので、必ず確かめます。管理人から立ち去るよう求められたら、従って退出します。
刑法には、正当な理由がないのに人の住居や人が管理する建物に入ったり、求められても退出しなかったりした場合の罰則があります(第130条、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金)。集合住宅の共用の場所に入ってチラシを配る行為が、この罪に問われた事例もあります。配布を禁じる掲示がある建物には入らないことが、自分を守ることにもなります。
苦情を受けたとき
住人から直接苦情を受けたときは、その場で言い争わず、謝って会社に報告します。チラシを回収してほしいと言われた場合も、会社の指示に従って対応します。
安全に配るための備え
外を回る仕事なので、移動中の安全への備えも欠かせません。
自転車やバイクで回るとき
自転車で配る場合は、交通ルールを守ることが前提です。警察庁は、自転車の交通違反に対して、反則金を納める仕組み(青切符)を導入しています。スマートフォンの地図を見ながらの走行や、歩道の走り方には特に気を付けます。ヘルメットの着用も、警察庁が重要性を呼びかけています。
バイクや車で回る場合は、駐車の場所に注意します。短い時間でも、駐車が禁じられた場所に止めて配ると、違反になります。
犬や夜道への備え
庭で犬を放している家では、門の中に入らず、門の外の郵便受けに入れられない場合は配らない判断も必要です。暗くなってからの配布は、足元の危険が増え、住人を驚かせることにもなるので、できるだけ明るい時間に終えます。
けがをしたとき
アルバイトとして雇われている場合、配っている途中のけがには労災保険が使えます。けがをしたら会社にすぐ報告します。業務委託の場合は原則として労災保険の対象外ですが、厚生労働省によると、令和6年11月1日から、企業から業務委託を受けて働くフリーランスも、労災保険に自分で加入できる「特別加入」の対象になっています。業務委託で継続して配るなら、加入を検討する価値があります。
業務委託で受けるときに知っておきたい法律
ポスティングを業務委託で受ける場合、働く人を守る労働の法律は原則として当てはまりませんが、個人で仕事を受ける人を守る法律があります。2024年11月に施行された、いわゆるフリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)です。
厚生労働省の説明によると、この法律は、個人で働くフリーランスに仕事を頼む会社に対して、仕事を頼むときに取引の条件をはっきり示すこと、成果物を受け取った日から原則60日以内に報酬を支払うこと、ハラスメントへの対策の体制を整えることなどを義務付けています。
ポスティングに当てはめると、配る量、地域、期限、報酬の額と計算方法、支払いの期日などを、会社が書面やメールで示す必要があるということです。口頭の説明だけで仕事を始めるよう求められた場合は、条件を書面やメールで送ってほしいと頼むことができます。条件が書かれたものが手元にあれば、報酬の計算をめぐって行き違いが起きたときにも確かめられます。
契約や報酬のトラブルで困ったときは、厚生労働省が設けている「フリーランス・トラブル110番」で、弁護士に無料で相談できます。業務委託で仕事を受ける前に、こうした相談先があることを知っておくだけでも、困ったときの動き方が変わります。
向いている人、向いていない人
ここで、ポスティングのアルバイトがどんな人に向いているかを整理します。
向いている人
- 人と話すより、黙々と体を動かす仕事が好きな人
- 決まった時間に縛られず、空いた時間に働きたい人
- 歩くことが苦にならず、体を動かす習慣を作りたい人
- 地図を見て効率のよい道順を考えるのが好きな人
- 決まりを守り、配れなかった場所も正直に報告できる人
向いていない人
- 雨や暑さ、寒さの中で外にいるのがつらい人
- 短い時間で大きな収入を得たい人
- 足腰や膝に不安があり、長く歩くと痛む人
- 細かい決まり(配らない家、マンションの掲示)を確かめるのが面倒な人
向いていない項目に当てはまっても、短い時間、少ない量から試してみて、自分に合うかを確かめる方法があります。ポスティングは週1日から始められる求人が多いので、試しやすい仕事です。合わないと感じたら、無理に続けず、ほかの働き方を探すのも1つの判断です。
配布の地図と記録の扱いに気を付ける
ポスティングの仕事では、配布の地域の地図、配らない家の一覧、配った経路の記録といった情報を扱います。これらは、どの家がどこにあり、どの家がチラシを断っているかといった、地域の住人に関わる情報です。
情報の扱いで気を付けたいのは次の点です。
- 会社から渡された地図や一覧を、ほかの人に見せたり、SNSに載せたりしない
- 配っている途中の写真を撮るときは、家の表札や郵便受けの名前が写らないようにする
- 経路を記録するアプリを使う場合は、仕事が終わったら記録を止める設定を確かめる
- 仕事を辞めるときは、紙の地図や一覧を会社に返し、スマートフォンに保存した画像は削除する
経路の記録のアプリは、位置情報を使います。仕事の時間以外も記録が続く設定になっていると、自宅の位置や私的な行動まで記録されることがあります。アプリの位置情報の設定を「使用中のみ」にする、仕事が終わったらアプリを閉じる、といった基本の設定を最初に確かめておくと安心です。
情報の扱いは、地味ですが信用に直結します。配布の会社にとって、住人からの信頼は仕事の土台なので、情報を丁寧に扱う人は長く仕事を任されやすくなります。
怪しい募集を見分ける
ポスティングの募集の中には、仕事を紹介する代わりに、先にお金を払わせようとするものが紛れていることがあります。
お金を先に求められたら立ち止まる
「登録料」「研修費」「チラシの購入代」「保証金」など、仕事を始める前にお金を払うよう求められたら、その場で契約しないことです。普通のポスティングの仕事で、働く側が先にお金を払うことはありません。
仕事を紹介するので収入が得られると誘い、そのために必要だとして商品や登録料の支払いを求める取引は、特定商取引法で「業務提供誘引販売取引」として規制されています。こうした取引では、契約の書面を受け取った日から20日間はクーリング・オフができます。困ったときは、消費者ホットライン(188)で、地域の消費生活センターにつないでもらえます。
求人の書き方で注意したいもの
「誰でも簡単に高収入」「1日1時間で月に数十万円」のように、仕事の中身に比べて収入を強く打ち出す求人は、条件を慎重に確かめます。会社の所在地や連絡先がはっきりしない、契約の書面を出さない、といった場合も応募を見送るのが無難です。応募の前に、会社の名前で検索して所在地や電話番号が実在するかを確かめる、説明の場で契約の書面の写しをもらえるかを尋ねる、といった確認をしておくと、怪しい募集に巻き込まれる危険を減らせます。
ポスティングから広がる仕事と、運営者として見てきたこと
最後に、ポスティングの経験が、ほかの仕事にどうつながるかを整理します。
ポスティングで地域を歩いていると、どの地域にどんな家が多いか、どんなチラシが目に付きやすいかが体感で分かってきます。この感覚は、チラシを作る側の仕事にも生きます。地域の店のチラシのデザインや文章を引き受ける仕事は、在宅でもできる仕事の1つです。デザインの仕事の相場は、デザイナーの年収・単価相場で確認できます。チラシの文章を書く仕事に興味があるなら、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、書く仕事の単価が上がる流れを整理しています。
運営者として長くフリーランスや在宅ワークの現場を見てきた限りでは、長く仕事が続く人ほど、相手の手間を減らす小さな工夫を欠かしません。ポスティングでいえば、配れなかった場所を理由とともに正確に報告する、苦情が来る前に掲示を確かめる、といった行動です。こうした積み重ねが「この人に任せると安心だ」という評価につながり、条件のよい地域や継続の仕事を任されることにつながります。仲介の手数料がかからない直接取引の仕事では、同じ予算で発注者はより多く頼め、受ける側の手取りも厚くなります。そうした仕事を受けるときにも、この信頼の積み重ねが土台になります。
情報の扱いに気を配る力は、どの仕事でも求められます。地図や住所の情報を丁寧に扱う感覚を、さらに仕事として広げたい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、情報の守り方に関わる仕事の内容を紹介しています。報告書や連絡の文章を正確に書く力を確かめたい人には、ビジネス文書検定の資格ガイドも参考になります。
よくある質問
Q. ポスティングのアルバイトは、時給制と出来高制のどちらを選ぶとよいですか?
初めてなら、収入の見通しを立てやすい時給制から始めるのが無難です。出来高制は、慣れて手早く配れるようになると時間あたりの収入が上がりますが、慣れないうちは低くなりがちです。アルバイトとして雇われる出来高制なら、保障給と最低賃金の決まりが当てはまります。業務委託の出来高制では当てはまらないので、事前に試算します。
Q. 副業でポスティングをすると、確定申告は必要ですか?
アルバイトとして給与を受ける場合は、年末調整されない給与と給与以外の所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要になります。業務委託の報酬なら、経費を引いた所得が20万円を超えると必要です。所得税の申告が要らなくても、住民税の申告が別に必要になることがあります。迷ったら税務署や市区町村に確かめます。
Q. 「チラシお断り」の表示がある家に配ってしまったらどうすればよいですか?
気づいた時点で会社に報告し、指示に従って対応します。住人から苦情を受けた場合は、その場で言い争わずに謝り、会社に伝えます。チラシの回収を求められたら、会社の指示どおりに回収します。次からは、配る前に郵便受けやマンションの掲示を確かめる習慣を付けておくと防げます。
Q. 登録料を払えばポスティングの仕事を紹介すると言われました。払っても大丈夫ですか?
普通のポスティングの仕事で、働く側が先にお金を払うことはありません。仕事の紹介を理由に登録料や商品の購入を求める取引は、特定商取引法の規制の対象になっています。その場で契約せず、迷ったら消費者ホットライン(188)に相談してください。地域の消費生活センターにつないでもらえます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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