北海道ガスの不正アクセスと情報流出の可能性|LNG受発注システム 通知完了283件・通知未完了13件 会社名・氏名・メールアドレス・暗号化パスワード 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓北海道ガスの情報漏洩について
- ✓2026年5月7日の公表をもとに整理
- ✓子会社の北海道LNGが使う「LNG受発注システム」への不正アクセスで
北海道ガスの情報漏洩について、北海道ガス株式会社と子会社の北海道LNG株式会社は2026年5月7日、北海道LNGの「LNG受発注システム」のサーバーが外部から不正アクセスを受け、LNG取引先(法人)の担当者と両社の従業員の情報の一部が流出した可能性があると連名で発表しました。漏えいの可能性がある情報は、会社名、氏名、メールアドレス、システムへのログイン用パスワード(暗号化されたもの)です。件数は、本人への通知が完了した283件と、退職などで通知が完了していない13件と示されています。 このシステムを使っていた取引先の担当者、元担当者、両社の元従業員がまずすることは、同じパスワードを他のサービスで使っていればそれを変えること、そして北海道ガスや北海道LNG、取引先を装った不審なメールに注意することです。 2026年11月1日時点で公式の続報は出ておらず、外部専門機関との調査では、情報の不正利用などの二次被害は確認されていません。
この記事は、2026年11月1日時点で北海道ガスの公式発表「「LNG受発注システム」への不正アクセスに関するお詫びとお知らせ」を開き直し、お知らせの一覧で続報が出ていないかを確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。
北海道ガスの不正アクセスで何が起きたのか
北海道ガスは、北海道で都市ガスや電気を販売している会社です。北海道LNGは、北海道ガスが液化天然ガス(LNG)の配送を委託している子会社です。LNGとは、天然ガスを冷やして液体にしたもので、ガス管が通っていない地域の工場や施設に、タンクローリーなどで届けられます。
今回の件で不正アクセスを受けたのは、この北海道LNGが使っていた「LNG受発注システム」のサーバーです。受発注システムとは、取引先がLNGの注文を出し、会社がそれを受けて配送を手配するための仕組みのことです。取引先の担当者がログインして使うため、担当者の会社名や氏名、メールアドレス、ログイン用のパスワードが登録されていました。
発表の骨子は次のとおりです。
- 北海道LNGの「LNG受発注システム」のサーバーに対して、外部からの不正アクセスがあった
- LNG取引先(法人)の担当者と、北海道ガス・北海道LNGの従業員の情報の一部が流出した可能性があると分かった
- 漏えいの可能性がある情報は、会社名、氏名、メールアドレス、ログイン用パスワード(暗号化されたもの)
- 対象の人へは個別に案内しているが、退職などで本人への通知が完了していない人に向けて公表した
- 外部専門機関との調査では、現時点で情報の不正利用などの二次被害は確認されていない
「流出した可能性」「漏えいの可能性がある情報」という言い方は、会社の発表そのものの表現です。情報が実際に外へ持ち出されたと確定したわけではなく、その可能性があると分かった段階だということです。
発表が出た理由にも特徴があります。会社は、対象の人の多くには既に個別に連絡していました。それでも公表したのは、取引先の担当者が異動や退職をしていたり、従業員が退職していたりして、本人に連絡が届かない人がいたからです。発表の文面には、個人情報保護法の趣旨に則って公表すると書かれています。
公表の経緯:1月22日の痕跡の確認から5月7日の公表まで
発表に書かれている日付は2つです。
| 日付 | 出来事 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年1月22日 | 委託先でシステムへの不正アクセスの痕跡を確認 | 発覚後、直ちに個人情報保護委員会へ報告。不正アクセスの遮断や監視強化などの対策を実施 |
| 2026年5月7日 | 北海道ガスと北海道LNGが連名で公表 | 漏えいの可能性がある情報と件数、通知が完了していない人へのお願い、問い合わせ窓口を案内 |
痕跡が見つかったのは2026年1月22日で、公表は5月7日です。この間に、会社は対象の人へ個別の案内を進めていました。公表の時点で通知が完了していたのが283件、完了していなかったのが13件です。つまり、この発表は「新しく起きた事案の第一報」というより、「連絡が届かない人に向けた呼びかけ」という性格が強いものです。
発表の該当部分を引用します。
対象となる方へは個別にご案内を実施しておりますが、退職等により、ご本人への通知が完了していない方へ向け、個人情報保護法の趣旨に則り、公表いたします。 出典: hokkaido-gas.co.jp
2026年11月1日時点で、北海道ガスのお知らせの一覧には、2026年5月7日のこのお知らせ以降、本件の続報は見当たりません。お知らせの一覧は2026年10月29日の掲載まで確かめました。通知が完了していなかった13件のその後や、調査の最終的な結果も、公式には出ていません。
続報を確かめたいときは、北海道ガスの公式サイトのお知らせの一覧を見てください。北海道ガスのお知らせは、ニュースリリースやガス料金の案内と同じ一覧に並んでいるため、「不正アクセス」「LNG」の語で探すと見つけやすくなります。
対象となる人と件数の内訳
発表で示された件数は、通知の状況で2つに分かれています。合計の件数は発表に書かれていないため、この記事でも内訳のまま示します。
| 区分 | 件数 | 内訳 |
|---|---|---|
| ご本人通知完了 | 283件 | 公式に内訳の記載なし |
| ご本人通知未完了(北海道ガス) | 9件 | 取引先の元ご担当者様 6件、元従業員 3件 |
| ご本人通知未完了(北海道LNG) | 4件 | 取引先の元ご担当者様 3件、元従業員 1件 |
対象は、LNG受発注システムを使っていた次の人たちです。
- LNG取引先(法人)の担当者
- 北海道ガスの従業員
- 北海道LNGの従業員
通知が完了していない13件は、すべて「元」担当者と「元」従業員です。取引先の会社で担当を外れたり退職したりした人、両社を退職した人に、会社からの連絡が届かなかったと読み取れます。
一般の家庭のガスや電気の利用者について、発表は何も書いていません。対象として挙げられているのは、受発注システムを使っていた取引先の担当者と、両社の従業員だけです。家庭で北海道ガスと契約している人が「自分の情報も漏れたのでは」と心配になって調べた場合、この発表の対象の書き方には家庭の利用者は入っていません。ただ、会社が「家庭の利用者は含まれない」と明記しているわけではないので、気になる人は窓口に確かめてください。
件数の単位が「件」である点にも触れておきます。発表は人数ではなく件数で示しているため、この記事でも件数として書いています。
漏えいの可能性がある情報と、暗号化されたパスワードの意味
漏えいの可能性がある情報として発表に挙げられているのは、次の4つです。
| 項目 | 補足 |
|---|---|
| 会社名 | 取引先の担当者の場合は、勤めている取引先の会社の名前 |
| 氏名 | 担当者や従業員の名前 |
| メールアドレス | システムに登録していたもの。仕事用のアドレスが多いと考えられる |
| ログイン用パスワード | 暗号化されたもの |
発表には、含まれない情報の一覧は載っていません。住所や電話番号、取引の内容、請求や支払いの情報について、発表は触れていません。触れていないことを「含まれない」と言い切ることはできないので、この記事でも書いていないことは書いていないものとして扱います。
パスワードが「暗号化されたもの」と書かれている点は、読み手にとって大事な情報です。暗号化とは、元の文字列をそのままでは読めない形に変えて保存することです。システムに保存されたパスワードが暗号化されていれば、データを手に入れた側も、すぐには元のパスワードを読み取れません。
ただし、暗号化されていれば絶対に安全というわけではありません。短いパスワードや、よく使われる言葉や数字の並びは、時間をかけて試されると元の文字列を割り出されることがあります。会社が「暗号化されたもの」と書いているのは事実として受け止めつつ、利用者の側では、同じパスワードを他で使っていないかを確かめておくのが現実的です。
会社名、氏名、メールアドレスがそろっている点にも注意が要ります。この3つがあれば、「〇〇株式会社の△△様」と宛名を正しく書いたメールを送れます。宛名が正確なメールは、本物の取引先からの連絡に見えやすくなります。とくに法人の担当者は、仕事柄、取引先からのメールを開く機会が多いので、なりすましのメールに気づきにくい立場にあります。
メールアドレスが含まれていることから来る、もう1つの注意もあります。仕事用のメールアドレスは、名刺や会社のサイトにも載っていて、もともと外部の人に知られているものです。それでも、「LNGを北海道ガスグループから買っている会社の、発注の担当者」という情報と結びつくと、ガスの料金や配送、設備の点検を話題にした、それらしいメールを作られやすくなります。エネルギーの価格が話題になる時期には、料金の改定や補助を装った連絡にも気をつけておきます。
従業員の場合も同じです。北海道ガスや北海道LNGの従業員だった人の氏名とメールアドレスが結びつくと、社内の連絡や人事の手続きを装ったメールの材料になりえます。退職した人は、前の勤め先を名乗る「書類の再提出」「手続きの確認」などの連絡に、本物かどうかを確かめてから応じるようにしてください。
原因:委託先の子会社のサーバーへの外部からの不正アクセス
発表で説明されている原因は、北海道LNGの「LNG受発注システム」のサーバーに対する外部からの不正アクセスです。北海道ガスから見ると、北海道LNGは配送を委託している子会社なので、発表では「委託先において本システムへの不正アクセスの痕跡が確認されました」と書かれています。
どのような方法で不正アクセスを受けたのか、侵入の経路や悪用された弱点については、発表には書かれていません。この記事でも推測で書くことはしません。
不正アクセスの痕跡とは、システムの記録などに残った、本来の利用者ではない者が入り込んだ跡のことです。痕跡が見つかった段階では、何がどこまで見られたか、持ち出されたかが分からないこともあります。今回の発表が「流出した可能性」という表現になっているのは、そうした事情によるものと考えられます。
会社は、発覚後に外部からの不正アクセスを遮断し、監視を強めるなどの対策を講じていて、現在は安全な状態を確保していると説明しています。LNG受発注システムそのものの使用を止めたかどうか、新しい仕組みに切り替えたかどうかは、発表には書かれていません。取引先の担当者として今もシステムを使っている人は、ログインの方法やパスワードの再設定について、北海道LNGや北海道ガスの担当者から案内が来ていないかを確かめてください。
会社の対応
発表に書かれている会社の対応は、次のとおりです。
- 発覚後、直ちに個人情報保護委員会へ報告した
- 外部からの不正アクセスの遮断や、監視の強化などのセキュリティ対策を講じた
- 対象の人へ個別に案内を行った(2026年5月7日時点で283件が通知完了)
- 退職などで通知が完了していない13件の人に向けて、公表した
- 外部専門機関と調査を行い、現時点で情報の不正利用などの二次被害は確認されていない
- 再発防止とセキュリティの強化に努める
お詫びの品や金銭の補償については、発表には書かれていません。会社が発表していないことを推測で書くことはしません。
個人情報保護委員会への報告は、法律で事業者に求められている手続きです。委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者が委員会への漏えい等の報告をしなければならない場合として、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等や、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。不正アクセスにより個人データが漏えいした場合は、その例の1つとして示されています。今回、会社が本人への通知に加えて公表に踏み切ったのも、連絡が届かない人に情報を届けるための対応です。
2026年11月1日時点で分かっていることと分かっていないこと
発表を読み直すと、分かっていることと、公表されていないことがはっきり分かれます。読み手が判断を誤らないよう、両方を並べて整理します。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 分かっていること | 2026年1月22日に、委託先でLNG受発注システムへの不正アクセスの痕跡を確認した |
| 分かっていること | 漏えいの可能性がある情報は、会社名、氏名、メールアドレス、暗号化されたログイン用パスワード |
| 分かっていること | 本人への通知が完了したのは283件、完了していないのは13件 |
| 分かっていること | 個人情報保護委員会へ報告し、不正アクセスの遮断と監視の強化を行った |
| 分かっていること | 現時点で、情報の不正利用などの二次被害は確認されていない |
| 公表されていないこと | 侵入の経路や、悪用された弱点の中身 |
| 公表されていないこと | 含まれない情報の一覧(住所や電話番号、取引の内容などの扱い) |
| 公表されていないこと | 通知が完了していない13件の、その後の状況 |
| 公表されていないこと | お詫びや補償の有無 |
「公表されていないこと」は、起きていないという意味ではありません。会社がお知らせに書いていない、という意味です。たとえば含まれない情報の一覧がないからといって、取引の内容が対象に入っていると考える根拠もなければ、入っていないと言い切る根拠もありません。気になる点がある人は、推測で不安を広げるより、窓口に電話して確かめるほうが早く確実に答えにたどり着けます。
この発表は2026年5月7日に出たもので、2026年11月1日時点で半年近くが経っています。その間に続報が出ていないことは、新たな被害が見つかっていない状況とも読めます。ただ、会社が「調査が終わった」と発表したわけでもないので、通知が届いていない人は、引き続き不審な連絡に気をつけておくのが安全です。
自分が対象かを確かめる方法
対象かどうかを確かめる方法は、立場によって変わります。
取引先の担当者として今もLNG受発注システムを使っている人は、会社からの個別の案内が届いているはずです。登録していたメールアドレスの受信箱を見直してください。発表の時点で通知が完了していた283件には、現在の担当者が多く含まれていると考えられます。
取引先で担当を外れた人や、会社を辞めた人は、元の勤め先のメールアドレスに案内が届いていても、本人は読めない状態になっています。2026年5月7日の発表で通知が完了していないとされた13件のうち、取引先の元担当者は北海道ガスの分が6件、北海道LNGの分が3件です。過去にLNGの発注の担当をしていた覚えがある人は、この中に入っている可能性があります。
北海道ガスや北海道LNGを退職した人も同じです。通知が完了していない元従業員は、北海道ガスの分が3件、北海道LNGの分が1件です。在職中にLNG受発注システムのアカウントを持っていた人は、対象に入っている可能性があります。
確実に確かめたいときは、発表に載っている北海道ガス(株)お客さまセンターに問い合わせてください。自分が対象かどうか分からないまま不安を抱えるより、当時の勤め先と時期を伝えて確かめてもらうほうが、次に何をすればよいかがはっきりします。電話番号と受付時間は、後の「問い合わせ窓口」の節にまとめています。
取引先の会社として、担当者の交代が多い部署を持っている場合は、過去にシステムを使っていた担当者の一覧を確かめ、退職者や異動者に連絡が届いているかを社内で点検しておくと安心です。会社の情報システムの担当者に、この件を共有しておくのもよい方法です。
取引先の担当者がすること
会社が呼びかけていることと、漏えいの可能性がある情報の中身から、取引先の担当者がすることを整理します。
パスワードの見直し
LNG受発注システムで使っていたパスワードは暗号化されていたと発表されています。それでも、同じパスワードを仕事用のメールや他の取引先のシステム、社内のシステムで使っている場合は、そちらを変えておくのが安全です。
変える順番は、仕事用のメールのアカウントが先です。メールのアカウントに入られると、他のシステムのパスワードの再設定のメールを受け取られてしまうからです。そのうえで、お金や契約に関わるシステム、社内のファイル共有のサービスへと進めます。パスワードの変え方と順番は、パスワードが漏洩したらどうなるで詳しく説明しています。
パスワードを変えるのと合わせて、多要素認証も設定しておくと安心です。多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンのアプリや確認コードなど別の手段でも本人を確かめる仕組みのことです。会社として導入を考えるときの選び方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較で紹介しています。
取引先や北海道ガスを装うメールへの備え
会社名、氏名、メールアドレスがそろっていると、宛名の正しいなりすましのメールを送れます。法人の担当者が気をつけたいのは、次のような連絡です。
- 北海道ガスや北海道LNGを名乗り、「システムの再登録が必要」としてログイン画面に似せたページへ誘導するメール
- 「振込先の口座が変わった」として、請求の支払先の変更を求めるメール
- 「調査のため」として、添付ファイルを開かせたり、社内の情報を求めたりするメール
振込先の変更の連絡は、とくに慎重に扱います。取引先を装って支払先の口座を変えさせる手口は、金額が大きくなりやすいからです。メールで振込先の変更を求められたら、そのメールに返信するのではなく、ふだんの連絡先に電話をして本当かどうかを確かめます。
メールが本物かどうかの見分け方は、フィッシング詐欺メールの見分け方で、開く前に確かめる点と、開いてしまった後の対処をまとめています。社内の担当者全員で備えたい場合は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果で、訓練の進め方を紹介しています。
今もシステムを使っている取引先が社内で確かめること
LNG受発注システムを今も使っている取引先の会社は、担当者個人の対応に加えて、会社としても確かめておきたいことがあります。発表は個人への注意喚起の形をとっていますが、システムを使っているのは会社の業務だからです。
まず、社内でこのシステムのアカウントを持っている人、持っていた人を洗い出します。現在の担当者だけでなく、過去に担当していた人も含めます。発表で通知が完了していない取引先の元担当者が、北海道ガスの分で6件、北海道LNGの分で3件あったことからも分かるとおり、過去の担当者に連絡が届いていないことがあります。退職した人の連絡先が分かる場合は、本件を伝えておくと親切です。
次に、そのアカウントで使っていたパスワードが、社内の他のシステムと同じになっていないかを確かめます。同じパスワードを、社内のメール、ファイル共有、経理や発注の他のシステムで使っていた場合は、そちらを優先して変えます。担当者が1人で複数のシステムを受け持っている小さな会社ほど、パスワードが共通になっていることがあります。
そのうえで、北海道ガスや北海道LNGからの案内が社内のどこに届いているかを確かめます。個別の案内が担当者のメールアドレスに届いていても、担当者が休んでいたり、迷惑メールに振り分けられていたりすると、会社として把握できていないことがあります。案内を受け取った担当者がいれば、その内容を社内で共有しておきます。
最後に、取引に関わるメールの扱いを見直します。LNGの注文や請求のやりとりで、メールで口座の変更や支払いの依頼が来た場合は、電話などの別の手段で確かめる決まりを、担当者全員で共有しておきます。今回の件で漏えいの可能性があるのは会社名、氏名、メールアドレスで、この3つは取引先を装うメールに使われやすい組み合わせだからです。
元担当者と元従業員がすること
通知が完了していない13件は、すべて元担当者と元従業員です。発表は、この人たちに向けて次のようにお願いしています。
本件に該当する可能性がある方(取引先の元ご担当者様および両社の元従業員の方)で、弊社からの個別連絡がお手元に届いていない方におかれましては、念のため不審なメール等に十分ご注意いただきますようお願い申し上げます。 出典: hokkaido-gas.co.jp
元担当者と元従業員の場合、システムに登録していたメールアドレスは、前の勤め先のものであることが多いはずです。そのアドレスは今は使えないか、前の勤め先が管理しています。そのため、漏えいの可能性がある情報のうち、本人に直接関わってくるのは、氏名と、当時使っていたパスワードです。
元担当者と元従業員がすることは、次の2つです。
- 当時システムで使っていたパスワードと同じか似たものを、今も個人のメールや他のサービスで使っていれば変える
- 前の勤め先の名前や、北海道ガス、北海道LNGの名前を出した不審な連絡に注意する
1つ目は、異動や転職の後もパスワードを変えずに使い続けている人に当てはまります。仕事で使っていたパスワードを、個人のサービスでも同じように使っていた場合は、そちらを先に変えます。自分のメールアドレスが過去の漏えいに含まれていないかを調べたい人は、Have I Been Pwnedの使い方で確かめ方を紹介しています。
2つ目は、氏名と前の勤め先の名前が結びついていることから来る注意です。「以前ご担当いただいた件で」と、前の勤め先の取引を装う連絡が来ることも考えられます。心当たりのない連絡には応じず、気になるときは北海道ガスの窓口に確かめてください。
不審なメールを受け取ったときの社内での扱い
法人の担当者の場合、不審なメールを受け取ったときの動き方を、個人の判断に任せず社内で決めておくと、被害を防ぎやすくなります。今回のように会社名と氏名とメールアドレスがそろっている場合は、狙いを定めたメールが届くことも考えられるからです。
社内で決めておきたいのは、次の流れです。
- 不審なメールを受け取ったら、リンクや添付ファイルを開かずに、情報システムの担当者か上司に知らせる
- 知らせを受けた担当者は、同じメールが他の社員にも届いていないかを確かめる
- 取引先の名前が出ているメールなら、ふだん使っている電話番号などで取引先に事実を確かめる
- 誤って開いてしまった場合は、パソコンをネットワークから外し、すぐに担当者へ連絡する
- 起きたことと対応を記録に残し、同じ手口が来たときに備える
この流れが決まっていれば、「開いてしまったことを言い出しにくい」という空気を減らせます。報告が早いほど、被害を小さく抑えられます。
北海道ガスや北海道LNGを名乗るメールについては、発表に載っている窓口が確かめ先になります。メールに書かれた電話番号やURLではなく、北海道ガス(株)お客さまセンターの番号に自分からかけて確かめてください。
担当の交代や退職のときにアカウントを整理する
今回の件で本人への通知が届かなかった13件は、すべて取引先の元担当者と両社の元従業員でした。担当の交代や退職のときに、取引先のシステムのアカウントや連絡先が整理されないまま残っていると、何か起きたときに連絡が本人に届きません。
取引先のシステムを使う会社の側で、担当が替わるときに確かめておきたいことは次のとおりです。
- 取引先のシステムに、前の担当者の名前とメールアドレスで登録されたアカウントが残っていないか
- 残っている場合は、取引先に連絡してアカウントを新しい担当者に切り替えるか、削除してもらう
- 前の担当者が使っていたパスワードを、新しい担当者がそのまま引き継いでいないか
- 取引先からの連絡先として、担当者個人ではなく部署の共有のメールアドレスを登録できないか
部署の共有のメールアドレスを登録しておくと、担当者が替わっても連絡が途切れにくくなります。ただし共有のアドレスは複数の人がパスワードを知ることになるので、多要素認証を設定し、担当者が辞めたときはパスワードを変えるようにします。
退職する人の側でも、できることがあります。仕事で使っていたパスワードを個人のサービスで使っていた場合は、退職を機に変えておくことです。辞めた後に前の勤め先の取引先で漏えいが起きても、自分の個人のアカウントにまで影響が広がるのを防げます。
問い合わせ窓口
発表に載っている本件の問い合わせ先は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 窓口 | 北海道ガス(株)お客さまセンター |
| 電話番号 | 011-792-8263 |
| 受付時間 | 9:00から17:00(土日・祝日を除く) |
北海道LNGの対象の人も、この北海道ガスのお客さまセンターが窓口です。発表は北海道ガスと北海道LNGの連名で出されていて、問い合わせ先は1つにまとめられています。
電話をする前に、次のことを手元に用意しておくと話が早く進みます。
- LNG受発注システムを使っていた時期
- 当時の勤め先の会社名と部署
- システムに登録していたメールアドレス
- 会社から案内を受けた場合は、その日付と内容
北海道ガスのお客さまセンターは、ガスや電気の契約の問い合わせも受ける窓口です。電話がつながったら、最初に「LNG受発注システムへの不正アクセスの件」と伝えると、担当につないでもらいやすくなります。
窓口の側から、電話でパスワードを尋ねられることは考えにくいので、もし北海道ガスを名乗る相手から電話がかかってきてパスワードや口座の情報を尋ねられたら、一度切って、表の番号に自分からかけ直して確かめてください。
在宅で仕事をする人が気をつけたいこと
法人の担当者として受発注システムを使っていた人の中には、その後独立して、在宅で仕事を受けるようになった人もいるはずです。その場合は、今回の件で注意することが少し増えます。
在宅で仕事をする人は、取引先のシステムにログインしたり、取引先から顧客の情報や資料を預かったりする立場になることがあります。前の勤め先で使っていたパスワードを、今の仕事のアカウントでも使っていると、今回のような件が、今の取引先の情報にまで影響するおそれがあります。
取引先の情報を預かる立場として、意識したいことは次のとおりです。
- 取引先ごとに別のパスワードを使い、パスワード管理アプリで記録する
- 取引先から預かったファイルは、仕事が終わったら取り決めに沿って削除する
- 取引先を名乗る振込先の変更や、急ぎの支払いの依頼は、別の連絡手段で確かめる
- 自分のアカウントに不審なログインの通知が来たら、すぐに取引先にも知らせる
個人で仕事を受けていても、取引先から預かった個人情報を漏らしてしまえば、取引先が個人情報保護委員会への報告などの対応を迫られることがあります。前の節で触れた委員会のページは、事業者がどんな場合に報告をするかを知る手がかりになります。
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運営の現場から見えること
フリーランスや在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、企業間の取引でつまずくきっかけは、派手な攻撃よりも、担当の交代や退職のときの引き継ぎの抜けであることが多くあります。前の担当者のアカウントが残ったまま、パスワードも変わらないまま、何年も使われ続けている形です。
今回の件で通知が届かなかった13件が、すべて元担当者と元従業員だったことは、その点をよく表しています。担当が替わったら、システムのアカウントを整理し、パスワードを変え、連絡先を新しい担当者に切り替える。こうした地味な作業を続けている取引先ほど、何か起きたときの連絡も早く届きます。
取引先の情報を預かる側にとっても、連絡先の管理は信頼の土台になります。漏えいの発表があったときに、自社のどの担当者が対象で、誰に何を伝えたかをすぐに答えられる会社は、取引先からも安心して仕事を任されます。担当者の一覧と、各システムのアカウントの棚卸しを年に一度でも行っておくと、こうした場面で慌てずに済みます。
在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事に関心がある人は、@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、仕事の種類と探し方を紹介しています。
よくある質問
Q. 家庭で北海道ガスと契約していますが、自分の情報も対象ですか?
2026年5月7日の発表で対象とされているのは、LNG受発注システムを使っていたLNG取引先(法人)の担当者と、北海道ガス・北海道LNGの従業員です。家庭の利用者については発表に書かれていません。気になる場合は、北海道ガス(株)お客さまセンター(011-792-8263、9:00から17:00、土日・祝日を除く)に確かめてください。
Q. パスワードは暗号化されていたのに、変える必要はありますか?
発表では、ログイン用パスワードは暗号化されたものと書かれています。暗号化されていても、短いものや推測しやすいものは時間をかけて割り出されることがあります。同じパスワードや似たパスワードを他のサービスで使っている場合は、念のため変えておくと安心です。仕事用のメールのアカウントから先に見直します。
Q. 以前、取引先の担当者でしたが連絡が来ていません。どうすればよいですか?
発表は、取引先の元担当者と両社の元従業員で、個別の連絡が届いていない人に、念のため不審なメールなどに十分注意するよう呼びかけています。当時使っていたパスワードを今も他で使っていれば変えてください。対象かどうかを確かめたいときは、北海道ガス(株)お客さまセンターに問い合わせます。
Q. 情報は悪用されていますか?
発表では、外部専門機関との調査で、現時点において情報の不正利用などの二次被害は確認されていないと説明されています。2026年11月1日時点で、北海道ガスのお知らせの一覧に本件の続報は出ていません。被害が確認されていない段階でも、宛名の正しい不審なメールには注意を続けてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方