保育士に役立つ心理の資格|子どもの心理の学び方


この記事のポイント
- ✓保育士に役立つ心理の資格を整理
- ✓公認心理師の取り方と条件
- ✓保育士等キャリアアップ研修との違い
保育士として働きながら心理の資格を取りたいと考える人は、落ち着きにくい子どもへの関わり方や、悩みを抱えた保護者への対応に手応えを持ちたいと感じていることが多いはずです。保育士に役立つ心理の資格は1つではなく、保育の現場に特化したもの、発達の支援に強いもの、大学で学んだ心理学を証明するもの、国家資格まで、目的によって選ぶべきものが違います。
この記事では、保育士が目指せる主な心理の資格について、取るための条件、更新の有無、費用の考え方を各団体の公式の案内で確かめて整理します。あわせて、資格を取らなくても受けられる保育士等キャリアアップ研修との違い、子どもの心理を学ぶ順番、現場で学びを活かすときに守ることもまとめます。
保育士に心理の知識が求められる理由
保育士の仕事は、子どもの保育だけではありません。児童福祉法は、保育士の仕事を次のように定めています。
この法律で、保育士とは、第十八条の十八第三項に規定する保育士登録(次条第四号において「保育士登録」という。)を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。 出典: e-Gov法令検索(児童福祉法 第18条の4)
つまり、保護者への指導や助言も、法律に書かれた保育士の役割です。さらに児童福祉法は、保育所に勤める保育士に、地域の乳児や幼児の保育に関する相談に応じるための知識と技能を身につけるよう努めることも求めています(第48条の4)。
保育所保育指針が求める関わり方
こども家庭庁が公開している保育所保育指針では、子どもの気持ちを受け止める関わりが繰り返し書かれています。たとえば、養護のうち情緒の安定に関わる部分では、「一人一人の子どもの気持ちを受容し、共感しながら、子どもとの継続的な信頼関係を築いていく」とあります。保護者についても、「一人一人の保護者の状況やその意向を理解、受容し」たうえで援助することが求められています。
受容や共感は、心理の分野で学ぶ聴き方の中心にある考え方です。保育士が心理の資格に関心を持つのは、指針が求める関わり方を、経験や勘だけでなく理論の裏付けを持って実践したいからだといえます。指針の全文はこども家庭庁の保育のページで読めます。
現場で心理の知識が役立つ場面
- 集団の中で落ち着きにくい子ども、言葉の発達がゆっくりな子どもへの関わりを考えるとき
- 登園をしぶる子ども、きょうだいが生まれて不安定になった子どもの気持ちを読み取るとき
- 子育ての不安を打ち明けてくれた保護者の話を聴くとき
- 発達の相談機関や療育の事業所と連携し、子どもの様子を伝えるとき
- 園内の会議で、子どもの行動の背景を同僚と共有するとき
保育士が目指せる心理の資格の全体像
保育士に関わりの深い心理の資格を、取るための条件で整理すると次のようになります。
| 資格 | 認定するところ | 主な条件 | 更新 |
|---|---|---|---|
| 保育心理士(一種) | 公益社団法人大谷保育協会 | 保育士などの基礎資格と実務経験3年以上、講座の修了 | 5年ごと |
| 臨床発達心理士 | 一般社団法人臨床発達心理士認定運営機構 | 大学院での指定科目の修得や実務経験などの申請タイプごとの条件 | あり |
| 学校心理士・准学校心理士 | 一般社団法人学校心理士認定運営機構 | 大学院での科目修得や専門的な実務経験と認定試験 | あり |
| 認定心理士 | 公益社団法人日本心理学会 | 大学で心理学の所定の単位を修得して申請 | なし |
| 公認心理師 | 国(指定試験機関が試験を実施) | 大学と大学院で指定科目を修めるなどして国家試験に合格 | なし |
この表のうち、国家資格は公認心理師だけです。ほかは学会や協会が認定する資格ですが、心理学の研究者や専門職がつくる団体が運営しており、受験や申請に大学や大学院での学びを求めるものが多いのが特徴です。
保育士として働きながら比較的取り組みやすいのは、実務経験と講座の修了で取れる保育心理士です。大学で心理学を学んだ人なら、認定心理士を申請できる場合があります。発達の支援を専門にしたい人は臨床発達心理士、心理職として働く道まで考える人は公認心理師が目標になります。
保育の現場に特化した保育心理士
保育心理士は、公益社団法人大谷保育協会が認定する資格です。協会の案内では、子どもたちや保護者に向き合い、心のケアまでをカバーできる保育の専門家として位置づけられています。
一種と二種の違い
保育心理士には一種と二種があります。協会の案内では、それぞれ次のように説明されています。
「保育心理士(一種)資格」の取得にあたっては、協会が定める基礎資格(保育士・幼稚園教諭等)を所持し、かつ基礎資格に基づく実務経験が3年以上ある方を対象としています。 所定の「保育心理士資格取得講座」を修了することで、資格を取得することができます。 出典: 公益社団法人 大谷保育協会
二種は、保育士を目指す人が短期大学などの養成校で、保育心理士の必修科目の単位を履修して取る資格です。すでに保育士として働いている人が目指すのは、一種のほうになります。
基礎資格には、保育士や幼稚園教諭のほか、社会福祉士、看護師、栄養士、児童指導員なども含まれています。協会への加入の有無にかかわらず、誰でも受講できると案内されています。講座はeラーニングで受けられる形が用意されているので、勤務の合間に学びやすい点も特徴です。
取得後は5年ごとに更新する
保育心理士(一種)の有効期限は5年で、更新には有効期限内に研修会の受講ポイントを20ポイント以上ためる必要があります。ポイントは、全国各地やオンラインで開かれるフォローアップ講座を受けてためます。
取得後は保育心理士会の会員となり、協会の案内では年会費が3,000円と書かれています。更新には事務手数料もかかります。講座の受講料と合わせて、資格を維持するための費用も事前に確かめておきます。受講料や講座の日程は年度によって変わるので、申し込む前に協会のページで最新の案内を確認します。
発達の支援に強い臨床発達心理士
臨床発達心理士は、一般社団法人臨床発達心理士認定運営機構が認定する資格です。機構の案内では、発達心理学を基礎とした、人の健やかな育ちを支援する専門家と説明されています。
申請の道は複数ある
臨床発達心理士の申請には、いくつかの申請タイプがあります。大学院で発達心理学に関する指定科目を修めた人が申請する道のほか、指定科目取得講習会で必要な科目を学ぶ仕組みも用意されています。公認心理師の資格を持つ人を対象にした臨床発達専門講習会もあります。
どのタイプで申請できるかは、学歴と実務経験の組み合わせで決まります。保育士としての経験がどこまで実務経験として認められるかもタイプごとに条件があるので、機構の資格取得を目指す方へのページで申請タイプの種類と指定科目の基準を確かめます。資格申請の説明会も開かれているので、まず説明会に参加して、自分がどのタイプに当てはまるかを確認するのが確実です。
保育士にとっての意味
臨床発達心理士は、子どもの発達の見立てや支援の計画づくりに関わる力を示す資格です。療育の事業所や児童発達支援の現場、自治体の発達相談などで活かせます。保育所で働き続ける場合も、発達が気になる子どもへの関わりを園内で提案する立場になりやすくなります。
ただし、大学院での学びや講習会への参加が必要になることが多く、保育心理士より準備に時間がかかります。数年がかりの目標として計画を立てる資格です。
大学の学びを生かす認定心理士と学校心理士
大学で心理学を学んだ経験がある保育士は、その学びを資格として証明できる場合があります。
認定心理士は試験なしで申請する
認定心理士は、公益社団法人日本心理学会が認定する資格です。学会の案内では、心理学の専門家として仕事をするために必要な、最小限の標準的な基礎学力と技能を修得していると学会が認定した人のことと説明されています。
試験はなく、大学で修得した心理学関係の単位が学会の基準を満たしているかを書類で審査します。心理学科以外の学科で心理学の科目を履修していた人も、単位の内容によっては申請できます。保育の養成課程で学んだ発達心理学や教育心理学の単位が認められる場合もあるので、大学の成績証明書を取り寄せ、日本心理学会の認定心理士のページにある単位認定の基準と照らし合わせます。
認定心理士は、心理学の基礎を学んだことの証明であって、相談の仕事をするための資格ではありません。履歴書で心理学の基礎知識を示したいときに役立つ資格と考えるのが適切です。
学校心理士は教育の現場向け
学校心理士は、一般社団法人学校心理士認定運営機構が認定する資格で、学校での子どもの学習や生活の支援に関わる専門性を示します。大学院での科目の修得や専門的な実務経験をもとに申請し、認定試験を受けます。2026年度の資格認定試験は受付を終えており、次の回の申請要項は機構のホームページで案内されます。
主な対象は学校の教員やスクールカウンセラーですが、准学校心理士という資格も設けられており、取得までの流れは機構の案内で確かめられます。小学校との接続を意識した保育に関心がある人は、選択肢の1つになります。
国家資格の公認心理師を目指す場合
心理職として、保育所の巡回相談や児童相談所、発達相談の現場で働きたい人にとって、最も確かな資格は公認心理師です。公認心理師法で定められた国家資格で、一般財団法人公認心理師試験研修センターが試験を実施しています。
受験資格を得るには、大学と大学院で指定科目を修めるか、大学で指定科目を修めたあとに認定された施設で実務経験を積む必要があります。保育の養成校を卒業した人がこれから目指す場合は、大学の心理学部への編入や、通信制大学で指定科目を修めることから始めることになります。
試験研修センターの案内では、第10回公認心理師試験は2027年3月7日に東京都と大阪府で行われ、受験の申し込みは2026年12月1日から12月25日までです。受験手数料は28,700円です。数年がかりの計画になるので、厚生労働省の公認心理師のページで7つの受験ルートを確かめ、自分の学歴で使える道を先に把握しておきます。
資格ではない保育士等キャリアアップ研修
心理の資格を検討する前に、知っておきたいのが保育士等キャリアアップ研修です。これは資格ではありませんが、保育士の専門性を高め、園の中でリーダー的な役割を担う人を育てるために国がガイドラインを定めた研修です。
心理に近い分野が含まれている
こども家庭庁が公開しているガイドラインでは、専門分野別研修として次の6つの分野が定められています。
- 乳児保育
- 幼児教育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー対応
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
研修時間は1分野15時間以上です。障害児保育の分野では障害の理解や個々の発達を促す関わりを、保護者支援・子育て支援の分野では保護者支援における面接技法などを学ぶ内容が例として示されています。心理の資格で学ぶ内容と重なる部分が多く、しかも勤め先の保育所を通じて受けられるのが特徴です。
心理の資格と組み合わせる
キャリアアップ研修は、修了した分野が園での役割や処遇の評価と結びつけられることがあります。研修の実施は都道府県などが行っており、日程や申し込み方法は都道府県のホームページで案内されています。
心理の資格を取るかどうか迷っている人は、まず障害児保育や保護者支援・子育て支援の分野を受けて、さらに深く学びたいと感じたら保育心理士や臨床発達心理士に進む、という順番も考えられます。研修で学んだ内容は、資格の講座を受けるときの土台にもなります。
目的別に見る資格の選び方
どの資格を選ぶかは、資格を取って何をしたいかで決まります。目的ごとに整理すると次のようになります。
| 目的 | 合いやすい資格や研修 | 準備にかかる時間の目安 |
|---|---|---|
| 担任として子どもや保護者への関わりを深めたい | 保育士等キャリアアップ研修、保育心理士 | 数か月から1年ほど |
| 発達が気になる子どもの支援を専門にしたい | 臨床発達心理士 | 講習会や大学院を含めて数年 |
| 大学で学んだ心理学を証明したい | 認定心理士 | 書類をそろえて申請するまで |
| 心理職として相談の仕事に就きたい | 公認心理師 | 大学と大学院を含めて数年以上 |
選ぶ前に確かめる4つのこと
- 受講や申請の条件:保育士としての実務経験の年数、大学での単位など、自分が条件を満たしているか
- 学び方:通学か、オンラインか、勤務と両立できる日程か
- 費用の総額:受講料のほか、申請料、年会費、更新の手数料まで含めていくらかかるか
- 取得後の使い道:今の園での役割や、将来の働き方にどうつながるか
特に費用は、受講料だけを見て決めないことが大切です。保育心理士のように更新の仕組みがある資格では、取得後も研修の受講や年会費が続きます。5年間でかかる費用を書き出してから比べると、無理のない選択ができます。
勤め先の園によっては、研修費や資格の取得費用を補助する制度を設けていることがあります。申し込む前に園長や事務の担当者に、補助の有無と条件を確かめておきます。補助を受けた場合、一定期間勤めることが条件になっている例もあるので、条件の書かれた書面を受け取って内容を確認しておくと、あとで行き違いが起きません。福祉の職場では、事業所が職員の研修に国の助成金を使える場合もあります。福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法では、人材開発支援助成金を研修に使う考え方を紹介しているので、園に相談するときの参考になります。
子どもの心理を学ぶ順番
資格の講座を受ける前でも、子どもの心理は学び始められます。働きながら学ぶ人に向けて、無理のない順番を整理します。
ステップ1:発達の道筋を押さえる
最初に学ぶのは、年齢ごとの心と体の発達の道筋です。保育士養成課程で学んだ発達心理学の教科書を読み直すところから始めると、現場の経験と結びつけながら理解できます。保育所保育指針の解説には、乳児、1歳以上3歳未満児、3歳以上児のそれぞれの発達の特徴が書かれているので、あわせて読むと整理しやすくなります。
ステップ2:愛着と情緒の安定を学ぶ
次に学びたいのが、子どもと身近な大人との信頼関係を指す愛着の考え方です。愛着とは、子どもが特定の大人を安心のよりどころとして頼る結びつきのことです。登園時に泣く子どもや、担任が替わって不安定になる子どもへの関わりを考えるうえで、土台になる考え方です。
ステップ3:観察と記録の仕方を身につける
子どもの行動の背景を考えるには、思い込みではなく事実を記録することが欠かせません。「いつ、どこで、誰と、何をしていたときに、どんな行動があったか」を書き分ける練習をします。記録がたまると、特定の時間帯や活動で行動が起きやすいといった傾向が見えてきます。
ステップ4:保護者の話を聴く技術を練習する
最後に、保護者の話を聴く技術を練習します。相手の話を遮らずに聴く、話の要点を言い換えて返す、気持ちの言葉を拾って返す、といった技法は、同僚と役を決めて練習すると身につきやすくなります。キャリアアップ研修の保護者支援・子育て支援の分野でも、面接技法が扱われます。
気になる子どもへの関わりに学びを活かす
心理の学びが最も役立つのは、集団の中で困りごとを抱えている子どもへの関わりを考える場面です。ここでは、学んだ考え方を日々の保育に落とし込む手順を整理します。
行動の前後を見る
子どもが友だちをたたく、部屋を飛び出すといった行動が続くとき、行動そのものだけを見ていると「やめさせる」ことに意識が向きがちです。心理の分野では、行動の直前に何があったか、行動のあとに周りがどう反応したかを合わせて見る考え方を学びます。
たとえば、片付けの時間になると部屋を飛び出す子どもがいる場合、直前に「遊びを急に終わらせられた」こと、飛び出したあとに「保育士が追いかけて一対一で関わってもらえた」ことが重なっているかもしれません。そうであれば、片付けの5分前に予告する、片付けを手伝う役割を任せる、といった工夫で行動が変わる可能性があります。
環境を先に整える
子どもの行動を変えようとする前に、環境を見直すことも大切です。製作の時間に集中できない子どもには、刺激の少ない席を用意する、手順を絵カードで示す、といった工夫が考えられます。障害児保育の研修でも、個々の発達を促す環境づくりが学ぶ内容に含まれています。
できたことを具体的に伝える
望ましい行動が見られたときは、その場で具体的に伝えます。「えらいね」より「おもちゃを箱に戻せたね」のほうが、子どもは何がよかったのかを理解しやすくなります。小さな成功を積み重ねることが、子どもの自信と情緒の安定につながります。
園内で共有する
気になる子どもへの関わりは、担任一人で抱えず、園内の会議で共有します。観察記録をもとに、いつ、どんな場面で行動が起きやすいかを同僚と確かめ、関わり方をそろえることで、子どもは安心して過ごしやすくなります。
保護者との面談で心理の学びを活かす
子育ての不安を抱えた保護者との面談は、保育士にとって緊張する場面の1つです。心理の分野で学ぶ聴き方を使うと、面談を落ち着いて進めやすくなります。
面談の前に準備すること
面談の前に、伝えたい子どもの様子を事実として書き出します。「よくできていること」と「園で工夫していること」を先に用意しておき、気になる点だけを伝える面談にならないようにします。場所は、他の保護者や子どもの目が届かない部屋を選び、時間の目安を最初に伝えておきます。
最初は保護者の話を聴く
面談の始めは、保育士から話すより、保護者に家庭での様子を尋ねるほうが話が進みやすくなります。「最近、おうちではどんな様子ですか」のように、自由に答えられる形で尋ねます。保護者の話の中に「心配」「疲れた」といった気持ちの言葉が出てきたら、「心配なんですね」と受け止めて返します。
一緒に考える姿勢を示す
園での様子を伝えるときは、評価ではなく事実を伝え、「園ではこう関わってみています。おうちではいかがですか」と保護者と一緒に考える形にします。保護者が否定的に受け止めた様子のときは、その場で結論を急がず、次の面談の機会を約束して終えることも大切です。
面談のあとに記録する
面談が終わったら、話した内容と次の約束を記録し、園長や主任と共有します。記録は、次の面談で話をつなげるためにも、専門機関に相談するときに経過を説明するためにも役立ちます。
働きながら学ぶ時間のつくり方
保育士の仕事はシフトが不規則で、持ち帰りの作業もあり、学ぶ時間を確保するのが難しいと感じる人が多いはずです。続けやすい学び方を整理します。
- 週の中で学ぶ曜日と時間を先に決める。毎日でなくても、週に2回、30分ずつと決めると続けやすい
- 通勤や休憩の時間には、短い章を読む、用語を覚えるなど、細切れでできることを割り当てる
- 現場で気になった場面をメモに残し、その日の学びと結びつける。理論と経験がつながると記憶に残りやすい
- 同じ資格を目指す同僚がいれば、月に1回ほど学んだことを話し合う時間をつくる
- 受講料の負担を減らせる制度がないか、勤め先の研修制度や自治体の支援を先に確かめる
学びは長く続けることで力になります。最初から多くの時間を取ろうとせず、無理のない量から始めることが、途中で止まらないための工夫です。
保育士自身の心を守るための学び
心理の学びは、子どもや保護者のためだけでなく、保育士自身の心の健康を守るためにも役立ちます。保育の仕事は、子どもの安全に気を配り続け、保護者や同僚との関係にも気を使う仕事です。疲れがたまっていることに自分で気づきにくいのも特徴です。
ストレスのサインを知る
心理の講座では、ストレスが体と心にどう表れるかを学びます。眠りが浅くなる、食欲が落ちる、休日も仕事のことが頭から離れない、以前は楽しめたことが楽しめない、といった変化は、ストレスがたまっているサインです。こうしたサインを知っておくと、自分の変化に早めに気づけます。
一人で抱え込まない
困難な保護者対応や、気になる子どもへの関わりで悩んだときは、一人で抱え込まずに園長や主任、同僚に相談します。心理の専門職の世界でも、経験を積んだ人に相談の受け方を見てもらい、助言をもらう仕組みが大切にされています。園内で気軽に相談できる関係をつくることは、保育の質を保つためにも欠かせません。
相談できる窓口を知っておく
職場で相談しにくいときは、外の窓口も使えます。厚生労働省のまもろうよ こころには、電話やSNSで相談できる窓口がまとめられています。心の不調が続くときは、早めに医療機関を受診することも考えます。
資格を取ったあとのキャリアの広がり
心理の資格を取ったあとの働き方は、保育所の担任を続けるだけではありません。資格や学びの深さに応じて、次のような道が考えられます。
- 保育所の中で、障害児保育や保護者支援の担当として、園内の相談役を担う
- 主任や副園長として、職員の育成や保護者対応の方針づくりに関わる
- 児童発達支援や放課後等デイサービスなどの療育の現場に移り、発達の支援を専門にする
- 自治体の子育て支援の窓口や、子育て支援センターで地域の保護者の相談に応じる
- 公認心理師を取得し、心理職として巡回相談や発達相談の現場で働く
どの道に進むかで、必要な資格も変わります。今の園で役割を広げたい人はキャリアアップ研修と保育心理士、療育の現場に移りたい人は臨床発達心理士、心理職を目指す人は公認心理師というように、目指す働き方から逆算して資格を選ぶと、遠回りを避けられます。
学びを現場で活かすときに守ること
心理の資格や知識を身につけたあとも、保育士として守るべき線があります。
診断名を口にしない
発達が気になる子どもについて、保護者に「発達障害だと思います」と伝えることは避けます。発達の診断は医師が行うものです。保育士が伝えるのは、園での具体的な様子と、専門の相談機関があるという情報です。「集団で話を聞くときに、立ち歩くことが多いです」「個別に声をかけると、取り組めることが増えています」のように、事実と関わりの工夫を伝えます。
専門機関につなぐ
子どもの発達や家庭の状況で気になることがあるときは、園長や主任と相談したうえで、市区町村の保健センターや子育ての相談窓口、児童発達支援センターなどの専門機関につなぎます。心理の知識は、一人で抱え込むためではなく、適切な機関に早くつなぐための判断に使うものです。
秘密を守る
児童福祉法は、保育士が正当な理由なく、業務で知った人の秘密を漏らしてはならないと定めています(第18条の22)。保育士でなくなったあとも同じです。研修や勉強会で事例を発表するときは、園の了解を得たうえで、子どもや家庭が特定されないように内容を変えます。記録をパソコンやスマートフォンに保存する場合も、園の決まりに従って管理します。
履歴書の資格欄の書き方
心理の資格を取ったら、履歴書の資格欄に正しく書けるようにしておきます。基本は、取得した年月と、各団体が使っている正式な名前を書くことです。
- 保育士:「保育士 登録」と書く。保育士は登録を受けて初めて名乗れる資格
- 保育心理士:「公益社団法人大谷保育協会 保育心理士(一種)取得」のように認定団体を添える
- 臨床発達心理士、学校心理士、認定心理士:資格名に「取得」を付け、必要に応じて認定団体の名前を添える
- 公認心理師:「公認心理師 登録」と書く
キャリアアップ研修は資格ではないので、資格欄ではなく職歴や自己紹介の欄に「保育士等キャリアアップ研修(障害児保育)修了」のように書きます。保護者向けのおたよりや園内の報告書を書く力を示したいときは、文書作成の資格も役立ちます。ビジネス文書検定は、社内文書や社外文書を正しく書く力を測る検定で、記録や報告の多い仕事で評価されやすい資格です。
心理の学びを活かせる在宅の仕事
保育と心理の両方の知識を持つ人は、園の外でも活躍の場があります。在宅でできる仕事にも、学びが活きる場面があります。
子育てや発達に関する記事を書く仕事
Webメディアでは、子育ての悩みや子どもの発達に関する記事の需要があります。保育の現場を知り、心理学の基礎を学んだ人は、保護者に寄り添った記事を根拠を示しながら書ける書き手として頼まれやすくなります。ただし、医療や発達の診断に関わる内容は、公的機関や学会の資料を出典として示すことが求められます。
記事の仕事を始めるには、書いた文章をまとめた実績の一覧が必要です。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、未経験から実績の一覧を作る手順を紹介しています。単価の上げ方はWebライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で整理しています。
調査や研究に関わる道
大学院で発達心理学を学んだ人は、子育て支援の調査や保育の研究に関わる道もあります。研究職の働き方と収入の目安は、研究者の年収・単価相場で確かめられます。
運営者の視点から見た資格の活かし方
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた立場から見ると、保育や子育ての分野で継続して仕事を頼まれている人には共通点があります。資格の名前を前に出すより、現場で見てきた子どもの姿と、学んだ理論を結びつけて語れることです。依頼する側から見ると、「心理の資格を持っている人」よりも「保護者が何に悩むかを知っていて、根拠を示して書ける人」のほうが安心して任せられます。
また、仲介の手数料がかからない直接のやり取りでは、依頼する側は同じ予算でより多くの記事や監修を頼め、受ける側は受け取る報酬が目減りしません。保育の現場で働きながら少しずつ仕事を受ける人にとって、手取りがそのまま残ることは、学び続けるための費用を支える力にもなります。資格は学びの区切りであり、その学びを子どもと保護者のためにどう使うかを考え続けることが、保育士としての専門性を高める道です。
よくある質問
Q. 保育士が取りやすい心理の資格はどれですか?
保育士として実務経験が3年以上ある人なら、公益社団法人大谷保育協会の保育心理士(一種)が取り組みやすい資格です。所定の講座を修了すれば取得でき、eラーニングで受けられる形も用意されています。大学で心理学の単位を修得している人は、日本心理学会の認定心理士を書類審査で申請できる場合があります。
Q. 保育心理士は国家資格ですか?
保育心理士は国家資格ではなく、公益社団法人大谷保育協会が認定する資格です。心の支援に関わる国家資格は公認心理師だけです。保育心理士(一種)は有効期限が5年で、更新には研修会の受講ポイントを20ポイント以上ためる必要があります。受講料や手数料は協会の最新の案内で確かめます。
Q. 資格を取らずに心理の知識を深める方法はありますか?
保育士等キャリアアップ研修の障害児保育や保護者支援・子育て支援の分野が選択肢になります。1分野15時間以上の研修で、障害の理解や保護者支援の面接技法などを学べます。都道府県などが実施しており、日程や申し込み方法は都道府県のホームページで案内されています。勤め先の園を通じて申し込む形が一般的です。
Q. 心理の資格があれば保護者に発達の見立てを伝えてもよいですか?
発達の診断は医師が行うもので、保育士が診断名を伝えることは避けます。保護者には、園での具体的な様子と関わりの工夫を事実として伝え、専門の相談機関があることを紹介します。気になることがあるときは、園長や主任と相談したうえで、保健センターや児童発達支援センターなどにつなぎます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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