保育園の体育指導の資格|幼児体育の講座


この記事のポイント
- ✓保育園の体育指導に役立つ資格を
- ✓日本幼少年体育協会の幼児体育指導者検定の公式の案内と文部科学省の幼児期運動指針で確かめて解説
- ✓級ごとの受験資格と試験の内容
保育園の体育指導の資格を調べている人の多くは、保育士として運動あそびの時間をもっと上手に進めたい人か、体操の先生として保育園や幼稚園を回る仕事に就きたい人です。結論から言うと、保育園で体育を教えるために法律で必ず求められる資格はありません。そのうえで、幼児に運動を教える力を証明する民間の資格や講座があり、なかでも公益財団法人日本幼少年体育協会の幼児体育指導者検定は、保育や幼児教育の現場で長く使われてきた代表的なものです。この記事では、公式の案内で確かめた内容をもとに、資格の中身、級の選び方、費用の考え方、取ったあとの働き方を順番に整理します。
保育園の体育指導に必須の資格はあるのか
最初に押さえておきたいのは、保育園の体育指導そのものに必須の資格は無いという点です。保育園で子どもの保育にあたる職員には保育士の資格が必要ですが、これは子どもの保育全般を担うための国家資格で、体育の指導だけを対象にした資格ではありません。保育士は児童福祉法にもとづく国家資格で、保育所の職員として配置が求められています。
一方、園の外から来て体操や運動あそびを教える講師、いわゆる体操の先生には、法律で決まった資格の要件がありません。保育園が体操教室の会社と契約して講師を招く場合も、講師が保育士の資格を持っているとは限りません。体育大学やスポーツ系の専門学校を出た人、体操やスポーツの競技経験がある人、民間の指導者資格を取った人など、背景はさまざまです。
それでも資格が話題になるのは、幼児の体育には大人のスポーツとは違う知識が要るからです。幼児は体の大きさや骨の強さ、集中できる時間が大人や小学生と大きく違い、同じ跳び箱やマット運動でも、教え方や補助のしかたを誤るとけがにつながります。資格の勉強を通して、年齢ごとの発達の特徴、手本の見せ方、安全な補助のしかたを体系的に学べることが、資格を取る一番の意味です。
採用する側にとっても、資格は判断の手がかりになります。体操教室の会社や保育園が講師を採用するとき、未経験の応募者でも資格を持っていれば、最低限の知識を学んだことが分かります。保育士が資格を取れば、園の中で運動あそびの担当を任されるきっかけになることもあります。必須ではないものの、学んだ証として示せる点に価値がある資格だと考えると分かりやすくなります。
幼児の運動が重視されている背景
保育園の体育指導に関心が集まる背景には、子どもが体を動かす機会が減っているという問題があります。文部科学省は平成24年に幼児期運動指針をまとめ、幼稚園や保育所、家庭が幼児期の運動をどう考えればよいかを示しました。指針は、生活が便利になったことや遊ぶ場所と仲間と時間が減ったことで、子どもが体を動かす機会が減っていると指摘しています。
そのうえで、指針は1日に体を動かす時間の目安を次のように示しています。
幼稚園、保育所などに限らず、家庭や地域での活動も含めた一日の生活全体の身体活動を合わせて、幼児が様々な遊びを中心に、毎日、合計60分以上、楽しく体を動かすことが望ましい。 出典: 文部科学省 幼児期運動指針
指針がもう1つ強調しているのは、特定のスポーツの技術を教え込むより、遊びの中で多様な動きを経験させることが大切だという点です。指針は幼児期に身に付けたい動きを、立つ、回る、ぶら下がるといった「体のバランスをとる動き」、走る、跳ぶ、よけるといった「体を移動する動き」、投げる、捕る、押すといった「用具などを操作する動き」の3つに分けて整理しています。
この考え方は、保育園の体育指導の中身にそのまま関わります。整列して順番に跳び箱を跳ぶだけの時間より、鬼遊びやボール遊び、リズムに合わせた体操など、子どもが夢中になって多くの動きを経験できる時間のほうが、指針の考え方に沿っています。幼児体育の資格の講座でも、手本と補助の技術に加えて、ゲームあそびやリズム体操の指導方法が重視されているのは、こうした流れがあるからです。
保育園の側から見ると、保育士が毎日の保育の中で体を動かす遊びを組み立てられることと、専門の講師が月に数回来て体操を教えることの両方に意味があります。資格を学ぶ人は、自分がどちらの立場で関わりたいのかを意識しておくと、講座の選び方がはっきりします。
幼児体育指導者検定とはどんな資格か
保育園の体育指導の資格として最も名前が挙がるのが、公益財団法人日本幼少年体育協会の幼児体育指導者検定です。協会はこの検定を、子どもに体育や運動あそびを「たのしく」「わかりやすく」「安全に」指導できる幼児体育指導者のスキルを身に付ける検定だと説明しています。
協会の案内によると、昭和51年から約38,000人(令和4年12月現在)が資格を取り、幼稚園や保育園、スポーツ施設などで働いています。受験者として想定されているのは、保育士や幼稚園教諭の資格を取ったうえでほかの人と差をつけたい人、正課体育の知識と技術を身に付けたい人、スポーツインストラクターとして子どもに運動を教える仕事に就きたい人、そして保育士や幼稚園教諭を目指す学生です。学校ごとの団体受験の制度もあり、養成校の学生がまとまって受けることもあります。
資格は、学科試験と実技試験に合格することで取得できます。3級から5級はWEBでの試験だけで受けられ、2級からは会場での学科と実技の試験になります。2級の試験は2日間で、その2日間の中で学科試験の範囲の理論講習と実技試験に向けた実技講習が行われるため、事前に予習や練習をしておく必要はないと案内されています。
2級で学ぶ内容は、座学と実技に分かれています。
- 座学は、発育発達、幼児体育論、スポーツ指導論の3つ
- 実技は、リズム体操の手本、マット運動の手本と補助、とび箱種目の手本と補助、なわとび種目の手本と補助
- 試験の種目ではないものの、ゲームあそび、基本運動、なわとびの指導方法の実技講習もある
ここで注目したいのは「手本と補助」という言葉です。幼児の体育指導では、子どもが見てまねしやすい正確な手本を見せることと、子どもが失敗してもけがをしないように体を支える補助ができることが、指導者の基本の技術になります。資格の試験でもこの2つが中心に据えられています。
なお、1回で合格できなかった人には、追試験やレポートの提出といった支援があると案内されています。2日目の合格発表のあとに追試験が行われる流れで、知識を正しく身に付けてもらうことを重視した仕組みです。
級ごとの受験資格と内容の違い
幼児体育指導者検定には、4・5級、2・3級、1級、プロフェッサー、準検定員・検定員という段階があります。協会の申し込みの案内で、受験資格は次のように示されています。
| 級 | 受験資格 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 4・5級 | 15歳以上なら誰でも | 指導者としての心構えと基本的な知識。テキストで学び、WEBの選択問題で受ける |
| 3級 | 17歳以上なら誰でも | テキストとWEBの学科講習、WEBの実技講習の映像で学び、WEBで受ける |
| 2級 | 17歳以上なら誰でも | 2日間の講習と試験。手本と補助の基本、基礎的な理論 |
| 1級 | 1年以上の実務経験と2級の取得 | 2級の技術の洗練と、ゲーム遊びの計画と実践。事前のレポート課題あり |
| プロフェッサー | 3年以上の実務経験、1級の取得、サポートスタッフへの3回以上の参加 | 手本と補助の洗練と、計画力と実践力 |
選び方の目安は、自分が今どの段階にいるかで決まります。保育士を目指している学生や、まず幼児体育の考え方を知りたい人は、WEBで受けられる4・5級や3級から始めると負担が小さくなります。保育園で運動あそびを担当している人や、体操の先生として働きたい人は、手本と補助を実際に体で学べる2級が出発点になります。
1級とプロフェッサーは、実務経験が受験の条件になっている点に注意が必要です。1級は1年以上、プロフェッサーは3年以上の実務経験が求められ、2級を取る前の経験も数えてよいとされています。体操教室で講師として働きながら上の級を目指す人が多いのは、この仕組みのためです。プロフェッサー以上を目指す場合は、検定の会場で運営を手伝うサポートスタッフの経験が最低3回必要とされています。
2級の試験では、リズム体操の課題曲に協会の「やさい体操」が使われ、1級の受験時にも、課題曲を一人で踊れるように練習しておくよう案内されています。体を動かす試験なので、運動に自信がない人ほど、講習の時間をしっかり使うことが大切です。
資格の費用と更新の仕組み
費用は、受験料、資格会員登録料、更新料の3つに分けて考えます。協会は合格後の手続きを次のように案内しています。
受験後、級を取得された方に資格会員登録料のお知らせをお送りします。資格会員登録料(4,000円)をお支払い頂いた方に、資格会員証と認定証をお送りします。 出典: 日本幼少年体育協会 幼児体育指導者検定とは
合格しただけでは認定証は届かず、資格会員登録料を払って初めて資格会員証と認定証が送られる仕組みです。さらに、級を取ったあとは2年ごとに更新の手続きが必要で、更新料は4,000円と案内されています。期限が切れてしまった場合でも、足りない分の更新料を払えば資格を取り直せるとされています。
受験料は、級や会場、個人受験か団体受験かによって変わるため、受ける前に協会の申し込みのページで必ず確かめてください。2級以上は会場で2日間の講習と試験を受けるため、会場までの交通費や、遠方なら宿泊費も考えておく必要があります。WEBで受けられる3級から5級は、テキスト代と受験料が中心になります。
費用を考えるときに見落としやすいのが、2年ごとの更新料です。資格を取ったあとも、仕事で使い続けるなら更新を続ける必要があります。保育園や体操教室で働いていて、勤め先が研修の費用を負担してくれる制度があるなら、受験の前に確かめておくと自己負担を抑えられます。保育や福祉の事業所が職員の研修に使える国の助成金については、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で、人材開発支援助成金の仕組みと申請の流れを解説しています。対象は事業主なので、勤め先に相談する材料として読んでおくと話が進めやすくなります。
保育士の資格と幼児体育の資格はどちらを先に取るか
保育園で働くことを目指す人からよく出る迷いが、保育士の資格と幼児体育の資格のどちらを先に取るべきかという点です。答えは、目指す働き方で変わります。
保育園の職員として子どもの保育を担いたいなら、先に必要なのは保育士の資格です。保育所には保育士を配置することが国の基準で求められていて、担任として子どもを受け持つには保育士の資格が欠かせません。幼児体育の資格は、保育士として働き始めてから、運動あそびの得意分野を作るために取っても遅くありません。養成校の学生であれば、在学中に団体受験の制度を使って2級や3級を取っておくと、就職活動の場で運動あそびに力を入れてきたことを示せます。
体操教室の講師として、複数の園を回って体育を教えたいなら、保育士の資格は必須ではありません。この場合は、幼児体育の資格で基本の知識と技術を身に付け、アシスタントとして現場の経験を積む順番が近道になります。ただ、子どもの発達や保育の考え方を深く理解している講師は、園の保育士と話がかみ合いやすく、信頼を得やすいのも確かです。体育の講師として働きながら、保育の知識を学び足していく人もいます。
どちらの道でも、資格を取ることが目的にならないように注意が必要です。資格の講座で学んだ手本と補助の技術は、使わなければ鈍ります。取ったあとに、どの現場でどれくらいの頻度で子どもを前に指導するのかを、取る前から考えておくことが、費用と時間を無駄にしないための一番の備えです。
協会の講習会と、ほかの学び方
資格の試験とは別に、協会は幼児体育健康教育講習会を開いています。幼稚園や保育園、運動施設などで子どもと関わる人を中心に、現場で役立つ知識と技術を1日の集中講座で学ぶもので、難しい試験はないと案内されています。講座は1つあたり1時間から2時間で、運動会のマスゲーム(バルーン)や手軽に楽しめる運動あそび、運動歌あそびといった運動・実技系と、手品あそびや折り紙、バルーンアートといった理論系に分かれています。開催は6月から8月の夏休みの期間が中心です。
検定は資格として認定証が出るのに対し、講習会は指導の引き出しを増やすための場です。保育士としてすでに働いていて、来月の運動会の出し物に使えるアイデアがほしい人には講習会が向いています。体操の先生として働くために、手本と補助の技術を証明したい人には検定が向いています。
ほかにも、幼児の運動指導に関わる資格や講座は、学会や民間の団体、スポーツの団体がそれぞれ独自に設けています。名前に「運動保育士」「幼児体育指導員」「キッズコーチ」などが付くものがありますが、認定する団体、学ぶ時間、試験の有無、費用、更新の要否は団体ごとに大きく違います。選ぶときは、次の点を公式の案内で比べてください。
- 認定する団体が公益法人か、一般社団法人か、民間企業か
- 実技の講習と試験があるか、テキストとWEBの試験だけか
- 受講料、登録料、更新料の合計がいくらになるか
- 資格の更新や継続の研修が必要か
- 取ったあとに、団体から仕事の紹介や研修の機会があるか
無料の説明会や体験の講座を開いている団体もあります。申し込む前に参加して、講師がどのように手本を見せ、受講者の質問にどう答えているかを自分の目で見ると、教材の説明だけでは分からない講座の雰囲気がつかめます。資料を取り寄せるときは、受講料のほかに教材費や登録料、更新料が別にかからないか、返金の条件はどうなっているかも確かめておくと安心です。
民間の資格は、どれが正しいということはありません。大切なのは、自分が身に付けたい技術を、その講座が実際に教えているかどうかです。体を使った手本と補助を学びたいなら実技のある講座、知識を体系的に整理したいならテキスト中心の講座、というように目的から選ぶと失敗が減ります。
保育園の体育指導で求められる安全の知識
幼児の体育指導で、資格の勉強以上に現場で問われるのが安全への配慮です。マット運動、跳び箱、鉄棒、なわとびは、どれも子どもが夢中になれる種目ですが、着地の失敗や順番待ちの列での接触など、けがにつながる場面も多くあります。
現場でよく意識されるのは、次のような点です。
- 子どもの人数に対して、補助と見守りに入る大人の数が足りているか
- マットのずれ、跳び箱の段の固定、床の滑りやすさを始める前に確かめたか
- 順番を待つ子どもの位置が、跳ぶ子どもや走る子どもの動線と重なっていないか
- その日の体調、前の日の様子、アレルギーや持病など、保育士から引き継ぐべき情報を聞いたか
- 子どもができない動きを無理にやらせず、易しい段階に戻せる準備があるか
外部の講師として園に入る場合、子ども一人ひとりの体調や特性を一番よく知っているのは担任の保育士です。始める前の短い打ち合わせで、今日の参加人数と気をつける子どもを確かめておくことが、事故を防ぐうえで欠かせません。万一けがが起きたときの連絡の流れや、保険の扱いも、契約の段階で園と確かめておきます。
資格の講座で学ぶ補助の技術は、こうした安全の配慮の土台になります。ただ、技術があっても、子どもの人数が多すぎる、時間が足りない、といった環境の問題までは補えません。体育の時間の組み立ては、講師と園が一緒に考えるものだと理解しておくと、現場での信頼につながります。
資格を活かせる働き方
幼児体育の資格を活かせる働き方は、大きく3つに分かれます。
1つ目は、保育士や幼稚園教諭として、園の中で運動あそびの担当を務める道です。資格そのもので給料が大きく上がるとは限りませんが、運動会の種目づくりや、毎日の外遊びの組み立てを任される場面が増えます。保育士の資格を持つ人が幼児体育を学ぶと、保育の視点と運動指導の視点の両方で子どもを見られるようになり、園の中での役割が広がります。
2つ目は、体操教室を運営する会社の講師として働く道です。こうした会社は、契約している保育園や幼稚園に講師を派遣して正課体育を行ったり、放課後の課外教室を開いたりしています。正社員として働く形のほか、アルバイトや契約社員で週に数日働く形もあります。協会の案内でも、資格の取得者が幼稚園や保育園、スポーツ施設などで働いているとされています。
3つ目は、個人で業務委託の契約を結び、保育園や学童保育、地域の子ども向け教室で講師を務める道です。会社に所属しない分、報酬の決め方や移動の時間、教材や道具の用意、けがへの備えを自分で考える必要があります。業務委託の場合、報酬は雇用の給料ではなく事業の収入として扱われ、確定申告や保険の手続きも自分で行います。始める前に、契約書で報酬の額と支払いの時期、キャンセルの扱い、事故が起きたときの責任の分け方を確かめておくことが大切です。
どの働き方でも、資格は入り口の1つにすぎません。採用や契約の場で評価されるのは、実際に子どもを前にして、どんな手本を見せ、どう補助し、どう楽しませたかという経験です。体操教室でアシスタントとして経験を積みながら上の級を目指す、保育士として働きながら講習会で引き出しを増やす、といった進め方が現実的です。
年齢ごとの運動あそびの組み立て方
資格の勉強で学ぶ知識を、実際の保育の時間にどう落とし込むかを、幼児期運動指針の整理に沿って見ていきます。指針は、幼児の発達は一様ではないと断ったうえで、年齢ごとの特徴と経験しておきたい動きの目安を示しています。
3歳から4歳ごろは、基本的な動きが未熟な段階から、遊びの経験を通して少しずつ上手になっていく時期です。指針は、滑り台やブランコ、鉄棒などの固定遊具や、室内の巧技台やマットを使い、立つ、座る、転がる、ぶら下がるといったバランスをとる動きや、歩く、走る、跳ぶ、這うといった移動する動きを経験しておきたいとしています。この年齢では、上手にできたかどうかより、自分から何度も繰り返したくなる環境を用意することが大切です。マットを坂道のように重ねて転がる、低い平均台を渡るなど、怖さを感じにくい遊びから始めます。
4歳から5歳ごろは、それまでの動きが定着し始め、友達と一緒に動く楽しさを感じるようになる時期です。なわ跳びやボール遊びのように、体全体でリズムをとったり、道具を操作したりする遊びで、投げる、捕る、蹴る、押す、引くといった動きを経験させたいと指針は述べています。自分たちでルールを作ることにも興味を示すので、ボール当てや簡単なリレーなど、ルールのある遊びを取り入れやすくなります。
5歳から6歳ごろは、無駄な動きや力みが減り、動きが滑らかになる時期です。全力で走ったり跳んだりすることに心地よさを感じ、ボールをつきながら走るような、動きを組み合わせた遊びにも挑戦できるようになります。さまざまなルールの鬼遊びや、チームで役割を分ける遊びが向いています。
指導する側が意識したいのは、同じクラスの中でも発達の差が大きいということです。跳び箱を5段跳べる子どもと、2段でも怖がる子どもが同じ時間の中にいます。全員に同じ課題を出すのではなく、段の高さや踏み切りの位置を変えた場所を複数用意し、子どもが自分で選べるようにすると、どの子どもも達成感を持って終えられます。資格の講座で学ぶ補助の技術は、こうした段階づけの場面で生きてきます。
体操講師の求人や契約を選ぶときの確認点
資格を取って体操の先生として働こうとするとき、求人や契約の条件の読み方で働きやすさが大きく変わります。応募や契約の前に、少なくとも次の点を確かめておくと、入ってからの食い違いを防げます。
- 雇用か業務委託か。雇用なら社会保険や雇用保険の扱い、業務委託なら報酬の計算の単位(1回、1コマ、月額)と支払いの時期
- 1日に回る園の数と移動の手段。移動の時間が報酬や給料の対象になるか、交通費が出るか
- 研修の有無と期間。未経験から採用する会社では、先輩講師のアシスタントとして現場に入る期間が設けられていることが多い
- 使う道具の負担。マットや跳び箱を園の備品で使うのか、講師が持ち込むのか
- 子どもがけがをしたときの対応と保険。会社や園がどの保険に入っているか、講師個人で備える必要があるか
- 雨の日や園の行事で中止になったときの報酬の扱い
求人の文面で「未経験歓迎」「資格不問」と書かれていても、実際には研修の期間中の待遇が違うことがあります。面接では、最初の数か月の働き方と、ひとりで担当を任されるまでの流れを具体的に聞いておくと安心です。業務委託の契約では、口頭の約束だけで始めず、報酬や中止の扱いを書面に残しておくことが、長く続けるための基本になります。
報酬や給料の水準は、地域や会社、担当するコマの数によって大きく変わるため、ここで一律の金額は示せません。複数の求人を見比べ、1時間あたりに直すといくらになるのか、移動の時間を含めるとどうなるのかを自分で計算してみると、条件の良し悪しが見えやすくなります。
資格を取るまでの進め方
保育園の体育指導の資格を目指すときの流れを、幼児体育指導者検定を例に整理します。
- 自分の目的を決める。保育士として園の運動あそびを深めたいのか、体操の先生として働きたいのかで、目指す級が変わる
- 受ける級を決める。初めてなら4・5級か3級、実技を学びたいなら2級から始める
- 協会の実施日程のページで、受けたい級の日程と会場を確かめる。2級は2日間の日程を空けておく
- 申し込みの流れに沿って申し込み、受験料を確かめて払う
- WEBの級ならテキストで学んで受験し、2級なら当日の講習を受けて学科と実技の試験に臨む
- 合格したら資格会員登録料を払い、資格会員証と認定証を受け取る
- 2年ごとの更新を忘れないように、認定証の有効期限を記録しておく
2級の試験に向けては、体力面の準備もしておくと安心です。協会は事前の予習や練習は必要ないとしていますが、2日間にわたって手本と補助の実技を繰り返すので、普段運動をしていない人は、ストレッチやなわとびなど軽い運動に慣れておくと当日が楽になります。課題曲のリズム体操は、当日の録音は許されているものの、動画の撮影は禁止されています。
受験の時期は、仕事の繁忙期を避けて選ぶのがおすすめです。保育園で働いている人なら、運動会や発表会の準備が重なる時期は練習の時間を取りにくくなります。日程の一覧を早めに確かめ、職場の行事の予定と照らし合わせて、無理のない回を選んでください。
履歴書に書くときは、認定証に書かれている名称と級をそのまま写します。団体名も添えて「公益財団法人日本幼少年体育協会 幼児体育指導者検定2級 合格」のように書くと、採用する側が内容を確かめやすくなります。
指導の記録を形にして次の仕事につなげる
体操の先生として働く人、とくに業務委託で複数の園を回る人にとっては、自分の指導の中身を相手に伝える力も大切です。園長や主任の保育士は、講師を選ぶときに「この人に任せたら、どんな時間になるのか」を知りたがっています。資格の名前だけでは、その疑問に答えきれません。
役立つのは、指導案と実施の記録を整理しておくことです。対象の年齢、人数、ねらい、使った道具、流れ、子どもの反応、次回への改善点を、1回ごとに短く書き残します。個人が特定される情報や写真は載せず、園の許可がない内容は外に出さないことが前提です。こうした記録を重ねると、新しい園に提案するときに、年齢ごとの指導の例として示せるようになります。
文章で相手に伝える力を伸ばしたい人には、ビジネス文書検定の考え方も参考になります。報告書や依頼文を、読み手に誤解なく伝わる形で書く力を測る検定で、園への報告や提案書づくりにそのまま応用できます。自分の実績を一覧にして見せる方法は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で紹介しているポートフォリオの組み立て方が参考になります。職種は違っても、実績を相手の知りたい順に並べるという考え方は同じです。
運営者として見てきた、子ども向けの指導の仕事が長く続く人
在宅ワークとフリーランスの仕事の仲介を2004年から続け、個人で仕事を受ける人の働き方を長く見てきた運営者の立場から言えるのは、長く続く人ほど、単発の指導で終わらせず、相手の園にとって「この人に任せると楽」という関係を作っているということです。
体育の講師であれば、毎回の時間を楽しく終えるだけでなく、保育士が翌日からの外遊びで使える遊びを1つ伝えて帰る、運動会の前には練習の進め方を一緒に考える、といった小さな積み重ねが信頼になります。資格は、その関係を作り始めるための名刺のようなものです。
もう1つ見てきたのは、間に入る会社を通さず、園と講師が直接契約する形の良さです。中間の手数料が差し引かれない直接の取引では、同じ予算でも園は回数や内容を手厚くでき、講師は手取りが厚くなります。双方が得をする形を作るには、契約の条件を書面で確かめ、責任の範囲をはっきりさせることが欠かせません。仲介の手数料をとらず、手数料0%で依頼者と直接やり取りできる仕組みを用意してきたのも、この形が長く続く仕事を生むと考えてきたからです。
幼児体育の研究や養成に関わる道を考える人もいます。大学や研究機関で子どもの運動発達を研究する仕事の収入の目安は、研究者の年収・単価相場で分野ごとの相場をまとめています。現場で指導を重ねた経験は、研究や養成の仕事に進むときにも生きる財産になります。保育園の体育指導の資格は、どの道に進むにしても、子どもの体と心の育ちを支える知識を整理する最初の一歩になります。
よくある質問
Q. 保育園で体操を教えるのに資格は必要ですか?
保育園で体操や運動あそびを教えるために、法律で必ず求められる資格はありません。保育士の資格は保育全般を担うための国家資格で、体育の指導だけの資格ではありません。ただ、幼児の発達や安全な補助の知識を学んだ証として、日本幼少年体育協会の幼児体育指導者検定などの民間の資格を取る人が多くいます。
Q. 幼児体育指導者検定は何級から受ければよいですか?
まず考え方を知りたい人や学生は、WEBで受けられる4・5級(15歳以上)や3級(17歳以上)から始めると負担が小さくなります。実際に手本と補助の技術を身に付けたい人は、2日間の講習と試験で学べる2級(17歳以上)が出発点です。1級は1年以上、プロフェッサーは3年以上の実務経験が受験の条件です。
Q. 合格したあとにかかる費用はありますか?
日本幼少年体育協会の案内では、合格して級を取った人は資格会員登録料4,000円を払うと資格会員証と認定証が届きます。級を取ったあとは2年ごとに更新の手続きが必要で、更新料は4,000円です。受験料は級や会場で変わるため、申し込みの前に協会の公式の案内で確かめてください。
Q. 資格を取ると体操の先生として働けますか?
資格があれば、体操教室を運営する会社の講師や、保育園と業務委託の契約を結ぶ講師に応募する際の判断材料になります。ただ、採用や契約で重く見られるのは、子どもを前にした指導の経験です。アシスタントとして経験を積みながら上の級を目指すなど、資格と経験を並行して伸ばす進め方が現実的です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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