准看護師の志望動機をどう書くか|書き出しの型と、避けたい言い回し

長谷川 奈津
長谷川 奈津
准看護師の志望動機をどう書くか|書き出しの型と、避けたい言い回し

この記事のポイント

  • 書き出しの型と応募先別の言い換えで組み立てる手順をまとめました
  • 待遇や通勤の話を避ける理由
  • 思いつかないときの棚卸し

准看護師の志望動機を書こうとして、白紙の欄の前で手が止まる。この状態で検索してこの記事にたどり着く方は、本当に多いです。書けない理由はやる気の問題ではなく、ほとんどの場合「何を書けば評価されるのかの基準を知らないまま、いきなり文章にしようとしている」ことにあります。結論から言うと、志望動機は文才で書くものではなく、決まった順番に材料を並べる作業です。順番さえ決まれば、書き出しの一文は自動的に決まります。この記事では、書き出しの型、応募先ごとの言い換え、避けたほうがよい言い回し、そして書いたあとの点検までを順に整理します。

志望動機の欄で、採用側が本当に見ている一点

まず前提を揃えます。志望動機は「あなたが立派な人かどうか」を測る欄ではありません。採用する側が知りたいのは、もっと現実的なことです。すなわち、この人はうちの現場で長く続くのか、続く理由が本人の言葉で説明できているのか、という一点に尽きます。

医療や介護の現場では、採用してから数か月で辞めてしまうと、教育に充てた時間がそのまま損失になります。だから採用担当者は、応募書類のなかで「この人が辞めない理由」を探しています。志望動機はその材料を提出する欄です。裏を返すと、辞めない理由に結びつかない情報は、どれだけ丁寧に書いても評価につながりません。

ここが分かると、書く内容の取捨選択が一気に楽になります。たとえば「人の役に立ちたい」という気持ちは本物でしょうが、それだけでは応募先を選んだ理由になりません。全国のどの施設でも同じ文章が成立してしまうからです。逆に「療養病棟で長期の入院患者さんに関わる仕事を続けたいので、療養型の病床を持つ貴院を志望した」であれば、応募先を選んだ理由と、続けたい理由が同時に説明できています。

この違いを、私は書類の相談を受けるときにいつも「差し替えテスト」と呼んでいます。書いた志望動機の中の施設名を、別の施設名に差し替えても文章が成立してしまうなら、それはまだ志望動機になっていません。これ、知らない人が本当に多いんです。文章の上手さではなく、差し替えが効くかどうかで判断してください。

もう一つ、准看護師という資格の位置づけも押さえておきましょう。准看護師は都道府県知事の免許で、医師や歯科医師、看護師の指示を受けて療養上の世話や診療の補助を行う立場です。この「指示を受けて動く」という前提は法令上の役割の違いであり、上下関係の話ではありません。ただ、志望動機では自分の役割を正しく理解していることが伝わると、現場のイメージができている人だと受け取られます。資格や業務範囲の細かい要件は改正されることがあるため、正確な条件は都道府県の担当窓口や厚生労働省の案内で確認してください。

書き出しの型は3つだけ。順番を決めれば手が動く

志望動機は、次の3つのブロックを順番に置くだけで形になります。文章力ではなく、並べる順番の問題です。

第一のブロックは「結論」です。なぜこの応募先を選んだのかを、最初の一文で言い切ります。ここを最後に持ってくると、読み手は最後まで結論が分からないまま読むことになり、印象が薄くなります。書き出しは「貴院を志望したのは、〇〇だからです」の形で構いません。

第二のブロックは「根拠」です。結論の裏づけになる自分の経験を、具体的な場面で書きます。この場面が具体的であるほど、文章の説得力は上がります。第三のブロックは「接続」です。その経験を、応募先で今後どう使うのかを書きます。ここが抜けると、経験の自慢話で終わってしまいます。

この3つを、全体で300字前後にまとめるのが実務的な目安です。履歴書の志望動機欄は決して広くありません。書ききれない場合は職務経歴書に回し、履歴書側は要点だけを残します。パートやアルバイトの応募で欄が小さいときは150字程度でも成立します。

具体的に組み立ててみます。結論として「慢性期の患者さんに継続して関わる看護を続けたいため」と置く。根拠として「前職の療養病棟で、同じ患者さんを数か月単位で担当し、日々のわずかな変化を看護師に報告して早期の対応につながった経験がある」と置く。接続として「貴院でも、日常の観察と申し送りの精度で、チームの判断を支える役割を担いたい」と結ぶ。この3行で、志望動機はもう完成しています。

書き出しの一文で悩む人が多いので、使える型を挙げておきます。「〇〇の経験を、貴院の△△という体制のなかで活かしたいと考え、志望しました」「〇〇という働き方を続けたく、△△に力を入れている貴院を志望しました」「見学の際に拝見した〇〇の場面が印象に残り、この環境で働きたいと考えました」。いずれも、最初の一文に応募先の固有情報が入っている点が共通しています。

熱意の伝え方については、実際の体験を土台にするのが結局いちばん強いという指摘があります。

准看護師志望動機で熱意を伝えるためには、具体的な経験やエピソードを交えることが効果的です。たとえば、学生時代にボランティアで高齢者施設を訪問した経験や、家族の看病を通じて医療の重要性を痛感したエピソードなど、実際の体験を基にした情熱の表現が響きます。また、自分の強みや性格を強調することも大切です。「私は、患者さんに対する共感力があり、ストレスの多い環境でも冷静に対応できる自信があります」といった具体的な強みを挙げることで、熱意を具体化しましょう。最後に、未来へのビジョンを示し、「今後、地域医療に貢献するために、スキルアップを重ねていきたい」と結ぶことで、前向きな姿勢を伝えることができます。 出典: sugowish.com

つまり、抽象的な気持ちの表明ではなく、いつ、どこで、何をしたかが入っているかどうかが分かれ目になります。

応募先別に言い換える。同じ経験でも刺さり方が変わる

同じ経験でも、応募先によって前に出す面が変わります。ここを調整せずに一つの文章を使い回すと、先ほどの差し替えテストに引っかかります。

急性期の病院に応募する場合は、処置の件数が多く、指示を受けてから動くまでの速さが求められます。志望動機では、手順を守って正確に動けること、分からないことを抱え込まず早く確認する姿勢を前に出します。「報告が早い」は、この領域では立派な強みです。

慢性期や療養型の病棟であれば、同じ患者さんに長く関わる点が中心になります。日常生活の援助や、わずかな変化への気づきが評価対象です。「担当した患者さんの食事量の変化に気づいて看護師に伝えた」といった、地味だが継続的な観察の話が効きます。

クリニックや診療所は、少人数で回すため業務の幅が広くなります。診療の補助だけでなく、受付や物品管理まで担当することがあります。志望動機では、幅広い業務に前向きに関わる姿勢と、患者さんとの距離が近い環境を選んだ理由を書きます。

介護施設や老人保健施設では、医療職としての視点を生活の場に持ち込む役割になります。医師が常駐していない時間帯もあるため、観察して報告する力の重要性が高まります。看取りに関わる場面もあるので、その点をどう受け止めているかを自分の言葉で書けると、現場の理解がある人だと伝わります。

訪問看護のステーションでは、一人で訪問する時間が長く、その場で判断して連絡する場面が増えます。ここでは、単独で動くことへの適性と、連絡や記録を怠らない几帳面さが問われます。ただし、訪問看護は事業所によって准看護師の配置や同行の体制が異なるため、応募前に募集要項で確認してください。

健診センターや企業の健康管理室のように、決まった手順を数多くこなす職場もあります。この場合は、正確さと段取りの良さが中心になります。応募先の種類ごとに、前に出す強みを差し替える。この作業だけで、志望動機の通過率は目に見えて変わります。転職活動では、応募先の分類を先に決めてから文章を作るのが選び方の基本です。

避けたい言い回しは、条件面と否定形に集中している

書いてはいけない内容は、実はそれほど多くありません。集中しているのは条件面と否定形の2つです。

条件面とは、給与、賞与、休日、福利厚生、そして通勤の近さです。どれも職場を選ぶうえで重要な判断材料ですが、志望動機の欄に書くと「条件が良いところがあれば移るのだろう」と読まれてしまいます。

准看護師の中には、給与や福利厚生といった待遇面に魅力を感じ、就職・転職を検討している方もいるでしょう。もちろん、待遇面は職場を選ぶ上で重要な判断材料ですが、志望動機には適していないため注意が必要です。同様に、立地や通勤の利便性についても、敬遠される恐れがあるため、避けたほうが無難でしょう。志望動機は、あくまでも条件面以外で魅力に感じたことを言及する場にしてください。 出典: kango-oshigoto.jp

ただし、条件を完全に隠す必要はありません。面接で「働き方の希望はありますか」と聞かれた場面では、正直に答えてよい話です。書く場所を間違えないこと、それだけです。通勤時間についても、志望動機ではなく「長く続けられる体制として通いやすさも考慮しました」と補足で触れる程度に留めます。

否定形とは、前職や前の職場への不満です。「人間関係が悪かった」「教育体制がなかった」「残業が多すぎた」。事実だったとしても、志望動機に書くと、次の職場でも同じことを言う人だと受け取られます。転職理由として聞かれた場合は、不満を希望に変換して答えます。たとえば「教育体制がなかった」は「継続的に学べる環境で働きたい」に、「残業が多かった」は「体調を管理しながら長く勤めたい」に置き換えます。事実は変えず、向きだけを変えるという発想です。

そのほか、注意しておきたい言い回しがいくつかあります。ひとつは、資格取得を目的だと読める書き方です。働きながら正看護師を目指す方は少なくありませんが、志望動機の中心を進学に置くと「学校に行く準備期間として応募している」と読まれかねません。学業と勤務の両立をどう考えているか、勤務にどう責任を持つかを添えてください。もうひとつは、就業規則や勤務体制について確認せずに断定することです。夜勤や日勤の体制は施設ごとに違うため、募集要項を読み、面接で確認するのが確実です。

そして、テンプレートの丸写しも避けたいところです。例文はあくまで骨格を確認するために使い、必ず自分の経験に差し替えてください。同じ文章が同じ求人に複数届くことは、実際に起きています。

志望動機が思いつかないときの、材料の集め方

「書くことがない」と言う方の多くは、材料がないのではなく、材料が言語化されていないだけです。次の順番で棚卸しをすると、必ず何かは出てきます。

第一に、これまでの経験を箇条書きで全部出します。勤務先の種類、担当した病棟や利用者の層、任されていた業務、続けた期間。うまく書こうとせず、単語で並べます。第二に、その中で自分が苦にならなかったこと、逆に負担が大きかったことに印をつけます。第三に、苦にならなかったことの共通点を探します。ここが仕事選びの軸になります。

自分自身の理解が先に必要だという点は、次のようにも指摘されています。

志望動機では、応募先はもちろんですが、自分自身への理解も欠かせません。なぜなら、働く上で重視したい点や得意不得意が不明瞭なままだと、仕事選びの軸がブレてしまうためです。何から手を付けたらいいのか分からないという准看護師の方は、これまでの学びや経験を箇条書きで洗い出し、自身の看護観を整理してみると良いでしょう。考えがクリアになれば、自分の強みや能力をどのように活かせるかもイメージしやすくなるといえます。 出典: kango-oshigoto.jp

未経験や資格を取ったばかりの方は、実務経験の代わりに学校での実習を材料にします。実習先の種類、印象に残った場面、そこで自分がどう動いたか。ここに具体性があれば、経験年数の不足は補えます。ブランクがある方は、空白期間に何をしていたかを一行で説明し、復帰にあたって何を準備しているかを添えます。育児や介護のための離職は珍しいことではなく、隠すより経緯を短く書くほうが印象は良くなります。

応募先の情報も材料になります。公式サイトの診療科、病床の種類、地域での役割、力を入れている取り組み。見学に行ける施設であれば、見学時に見たものが最強の材料になります。見学の場で見た具体的な光景は、他の応募者が書けない一文になります。

書類作成の相談を受けていて気づくのは、材料が出ないのではなく、出した材料を「こんなことは書くほどではない」と自分で捨ててしまう方が多いことです。日々の申し送りを丁寧にしていた、物品の補充を切らさなかった、患者さんの名前をすぐ覚えた。こうした地味な行動こそ、現場では歓迎されます。捨てる前に、一度全部机に出してください。

例文は骨組みだけ借りる。中身は必ず自分のものに差し替える

例文を探して検索する方は多いのですが、例文の正しい使い方は「そのまま提出する」ではなく「並び順を確認する」です。ここでは状況別に骨組みだけを示します。カギ括弧の中は、必ず自分の経験に置き換えてください。

経験者が同じ領域に応募する場合の骨組みは、こうなります。「〇年間、療養病棟で高齢の入院患者さんの日常生活援助と診療の補助を担当してきました。同じ方に長く関わるなかで、前日との違いに気づいて看護師に報告し、早めの対応につながった経験があります。慢性期の看護を継続して学べる環境で働きたいと考え、療養病床を持つ貴院を志望しました」。結論が最後に来ていますが、口頭ではこの順でも成立します。書類では結論を先頭に移してください。

領域を変える場合は、変える理由が必要です。「これまで急性期の病棟で、限られた時間のなかで正確に動くことを身につけてきました。一方で、患者さんの生活そのものに関わる時間が短いことに物足りなさを感じるようになりました。生活の場での看護に関わりたいと考え、介護老人保健施設である貴施設を志望しました」。前職の否定ではなく、自分の関心の変化として書くのがポイントです。

未経験や資格取得後まもない場合は、実習を材料にします。「実習で訪問看護に同行した際、ご自宅での生活に合わせて援助の形が変わることを知り、生活の場での看護に関心を持ちました。まずは基礎的な処置と観察を確実に身につけたいと考え、幅広い症例に関われる貴院を志望しました」。できないことを隠すのではなく、何から身につけたいかを書くと、教育する側がイメージしやすくなります。

ブランクからの復帰であれば、空白期間の説明と、復帰への準備を短く入れます。「家庭の事情で〇年間現場を離れていましたが、その間に復職支援の研修を受け、基本的な手技を確認しました。段階的に業務に慣れながら長く勤めたいと考え、教育体制のある貴院を志望しました」。準備の中身が具体的であるほど、ブランクは不利になりません。

パートやアルバイトでの応募では、勤務可能な時間帯と、その働き方を選ぶ理由を簡潔に添えます。「日中の時間帯に安定して勤務でき、外来での診療補助の経験を活かせると考えて志望しました」。短い欄でも、応募先を選んだ理由が一つ入っていれば十分です。

例文をそのまま使うことのリスクは、面接の深掘りで露見する点にあります。書いていない経験について質問されると答えられません。骨組みを借りて中身を入れ替える、というやり方を守ってください。

正看護師を目指す場合、志望動機の重心をどこに置くか

働きながら看護師の資格取得を目指す方は多く、進学支援の制度を設けている職場もあります。この場合、志望動機で扱いを間違えると評価が下がるので注意が必要です。

避けたいのは、進学が目的で就職が手段だと読める書き方です。「学費を貯めるために働きたい」「進学までのあいだ勤務したい」と書くと、採用する側は在籍期間の短さを想定します。教育に時間を割いた直後に退職されると、現場の負担になるからです。

書くのであれば、進学を「その職場で働き続けるための計画の一部」として位置づけます。「貴院で慢性期の看護を継続して学びながら、将来的には看護師資格の取得も視野に入れ、より広い役割を担えるようになりたい」といった形です。今の職場での貢献が主で、進学が従になっている構造にします。

進学支援制度がある職場に応募する場合は、制度の利用を前提として書いてよいかを確認してから書いてください。制度には在籍年数などの条件が付いていることがあり、条件は職場ごとに異なります。募集要項に書かれていない場合は、面接の逆質問で確認するのが確実です。断定的に「制度を使わせてもらいます」と書くのは避けます。

准看護師から看護師になるための課程には、修業年数や実務経験の要件があり、通う課程の種類によって条件が変わります。要件は制度改正で変わることがあるため、学校の募集要項と、都道府県の担当窓口、厚生労働省の案内で最新の内容を確認してください。志望動機に進学の話を書く以上、制度の理解が曖昧だと面接で崩れます。

面接で口頭に直すときは、短く切って言い切る

書いた志望動機は、面接でそのまま暗唱するものではありません。書き言葉と話し言葉では、伝わる長さが違います。口頭で伝えるときの目安は60秒以内、文字にすると200字前後です。

やり方は単純で、書いた3ブロックのうち、結論と接続を必ず残し、根拠のエピソードを一つに絞ります。長く話すほど熱意が伝わるということはなく、むしろ要点がぼやけます。話し始めは「〇〇のため、貴院を志望しました」と言い切り、そのあとに理由を続けます。

面接では、志望動機に続けて深掘りの質問が来ます。「その経験で難しかったことは」「うちを選んだ決め手は」「他にどこを受けていますか」。ここで書類と話す内容がずれると、書類を誰かに作ってもらったのではと疑われます。だから、書類は自分の言葉で書いておく必要があります。テンプレートを丸写しすると、この深掘りで必ず崩れます。

暗記が苦手な方は、全文を覚えるのではなく、キーワードを3つだけ覚えます。たとえば「療養病棟」「変化に気づく」「申し送り」の3語を覚えておけば、当日の言葉で組み立て直せます。多少言い回しが変わっても問題ありません。むしろ、その場の言葉で話すほうが自然に聞こえます。

緊張して頭が真っ白になる方は、最初の一文だけを丸暗記しておくと立て直せます。話し始めさえ出れば、残りは自分の経験なので続きます。

書いたあとの点検。無料でできる範囲でここまでやる

書き終えたら、提出前に点検します。ここを飛ばす人が多いのですが、効果の割に手間がかからない工程です。

点検の観点は5つです。ひとつ、施設名を差し替えても成立しないか。ふたつ、条件面と前職の不満が入っていないか。みっつ、経験が具体的な場面で書かれているか。よっつ、応募先で何をするかまで書かれているか。いつつ、誤字と敬称の間違いがないか。特に施設名の表記は要注意で、医療法人の名称と病院名を取り違えると、その一点で印象が落ちます。

読み上げによる点検も有効です。声に出して読むと、文が長すぎる箇所や、主語が抜けている箇所がすぐ分かります。一文が80字を超えていたら、句点で切れる場所を探してください。

第三者に読んでもらえるなら、それに越したことはありません。無料で相談できる手段はいくつかあります。ハローワークの職業相談窓口では、応募書類の相談に対応しています。ナースセンターのような看護職向けの無料の相談窓口もあります。人材紹介会社の添削サービスも無料で使えることが多いですが、担当者によって助言の質に差が出る点は理解しておいてください。おすすめなのは、複数の人に見てもらい、共通して指摘された箇所だけ直す方法です。全員の意見を取り入れると、文章が誰のものでもなくなります。

なお、応募書類の書き方は職種を問わず共通する部分があります。看護職全般の書き方については、志望動機と自己PRの例文を並べた看護師の転職用履歴書の書き方|志望動機と自己PRの例文が参考になります。書式の基本や自己PRとの書き分けを押さえたうえで、准看護師としての内容に差し替えるのが早道です。

書類作成そのものの型を体系的に学びたい方は、ビジネス文書の検定を目安にする方法もあります。文書の構成や敬語の使い方を体系的に扱うビジネス文書検定は、医療職向けの資格ではありませんが、伝わる文章の組み立てを整理するには使えます。志望動機の書き方が身につくと、その後の報告書や記録の書き方にも波及します。

提出まわりの実務。中身が良くても、ここで損をすることがある

内容が整っても、提出の形で印象を落とすことがあります。労力はかからないので、最後に押さえておきましょう。

手書きかパソコンかで迷う方が多いのですが、募集要項に指定があればそれに従うのが唯一の正解です。指定がない場合はどちらでも構いません。手書きは字の丁寧さが伝わる一方、書き損じの修正ができず時間がかかります。パソコンは修正と使い回しが利きますが、応募先ごとに志望動機を差し替えるのを忘れやすいという弱点があります。使い回しの跡が残るのがいちばん避けたい失敗です。前の応募先の名称が残っていた書類は、その時点で読まれなくなります。

修正液や修正テープは使わないのが原則です。書き損じたら新しい用紙に書き直します。誤字を消した跡がある書類は、記録の正確さが求められる職種では特に印象が悪くなります。

写真は、清潔感が伝わるものを用意します。撮影から時間が経った写真や、私服のスナップを切り抜いたものは避けてください。

郵送する場合は、折らずに入るサイズの封筒を使い、書類はクリアファイルに入れます。宛名は「〇〇病院 採用ご担当者様」のように、担当者名が分かればその名前を使います。法人名と施設名の表記は、公式サイトの表記に合わせてください。「医療法人社団」の有無まで含めて正確に書くと、細部まで確認する人だという印象になります。送付状を添えるかどうかは任意ですが、添えるなら応募の経緯を3行程度でまとめます。

メールや応募フォームで送る場合は、ファイル名にも気を配ります。「履歴書.pdf」ではなく「履歴書_氏名_日付.pdf」のように、受け取った側が探しやすい名前にします。ファイル形式は、指定がなければPDFが無難です。文字が崩れず、相手の環境に左右されないためです。

提出後に連絡がない場合、いつまで待つかも決めておくと気持ちが楽になります。募集要項に選考期間の記載があればそれに従い、記載がなければ1週間から2週間ほどを目安に問い合わせる方が多いようです。問い合わせ自体は失礼にあたりません。

市場の側から見た、志望動機という書類の意味

ここからは、少し引いた視点で書きます。応募書類は、応募者と職場のあいだにある情報の差を埋めるための道具です。職場は応募者の中身を知らない。応募者は職場の中身を知らない。この差が大きいほど、採用後のすれ違いが起きます。

志望動機を丁寧に書く意味は、採用されるためだけではありません。書く過程で「自分は何を続けたいのか」がはっきりするため、条件だけで選んで入職し、数か月で辞めるという事態を減らせます。結果的に、これは応募者側の利益になります。転職を繰り返すほど、次の応募で説明すべきことが増えていくからです。

准看護師として働き続けるか、正看護師の資格取得を目指すかで迷っている方は、資格ごとの位置づけや進学ルートを一度整理しておくと、志望動機の方向も定まります。年収の考え方や資格取得の道筋をまとめた准看護師の転職ガイド|正看護師との年収差と資格取得ルートでは、その全体像を扱っています。進学を視野に入れるなら、その計画を志望動機にどう織り込むかを先に決めておくべきです。

働き方の選択肢を広げたい方に向けては、臨床の経験を在宅の仕事に振り向ける道もあります。医療知識を使った文章の仕事や相談対応など、通勤を伴わない働き方をまとめた看護師におすすめの在宅ワーク5選|臨床経験を活かす副業【2026年版】は、常勤を続けながら収入源を分散したい方の参考になります。医療の記事を書く仕事に関心があるなら、文章を書く職種の報酬水準をまとめた著述家,記者,編集者の年収・単価相場で相場の感覚をつかんでおくと、依頼を受けるときの判断がしやすくなります。

運営者として見てきた、書類と続きやすさの関係

在宅ワークと業務委託の市場を20年運営してきた立場から言えば、書類を丁寧に作る人ほど、その後の仕事が長く続いています。理由は精神論ではありません。書類を作る過程で条件と希望を突き合わせているため、入った先とのずれが最初から小さいのです。逆に、条件だけを見て応募した方は、入ってから「思っていた仕事と違う」となり、また探し直すことになります。

もう一つ、運営者として見てきた限りでは、間に入る事業者が増えるほど、働く側の手取りは薄くなります。同じ予算でも、中間で差し引かれる分がなければ、依頼する側はより多く頼めるし、受ける側の手取りは厚くなる。手数料0%で直接つながる仕組みを続けているのは、この構造を働く側に返したいからです。医療職の求人は紹介を経由することが多い領域ですが、副業や在宅の仕事を探すときには、間にいくつの事業者が入っているかを一度確認してみてください。

そして、資格や実務の説明が求められるのは医療分野に限りません。求人サイトに掲載されている業務委託の案件でも、自己紹介文の作りは応募の通過率を左右します。たとえばAIコンサル・業務活用支援のお仕事のような専門性の高い分野では、経歴の羅列ではなく「どの場面で何を解決したか」が書けているかが分かれ目になります。開発系の仕事をまとめたアプリケーション開発のお仕事でも同じで、使える技術の一覧より、担当した工程と役割のほうが読まれます。

志望動機の型は、実は業種を問いません。結論、根拠、接続。この3ブロックを、相手に合わせて中身だけ入れ替える。この作業を一度覚えてしまえば、次に応募する場面でも、書き出しで手が止まることはなくなります。法律の相談を受けているといつも思うのですが、備えを先にした人ほど、あとで揉めません。書類も同じで、先に整理した人ほど、あとで困らないのです。

よくある質問

Q. 准看護師の志望動機は何文字くらいが適切ですか?

履歴書の欄に書く場合は300字前後が目安です。欄が小さいときは150字程度でも成立します。長く書くより、応募先を選んだ理由、その根拠になる経験、入職後に何をするかの3点が入っているかを優先してください。書ききれない内容は職務経歴書に回すのが実務的です。

Q. 給与や通勤の近さを志望動機に書いてはいけませんか?

書かないほうが無難です。条件面や立地は職場選びで重要ですが、志望動機に書くと条件次第で移る人だと読まれます。面接で働き方の希望を聞かれた場面では正直に答えて構いません。書く場所を分けるという考え方で対応してください。

Q. 実務経験がなくても志望動機は書けますか?

書けます。実務経験の代わりに、学校での実習で印象に残った場面と、そこで自分がどう動いたかを具体的に書きます。実習先の種類や関わった患者さんの層まで書けると、現場のイメージができている人だと伝わります。経験年数の不足は具体性で補えます。

Q. 志望動機を無料で添削してもらう方法はありますか?

ハローワークの職業相談窓口や、看護職向けの無料の相談窓口で応募書類の相談ができます。人材紹介会社の添削も無料で使えることが多いです。複数の人に見てもらい、共通して指摘された箇所だけ直すと、文章が自分のものでなくなるのを防げます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年5月3日最終更新:2026年9月12日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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