野村IRの「機関Navi」への不正アクセスと情報漏えい|第二報で約2,000件と元社員約250件 MIR@Iも停止 確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓野村の情報漏洩について
- ✓野村インベスター・リレーションズが2026年11月4日と11月6日の第二報で発表した「機関Navi」への不正アクセスを整理
- ✓機関投資家・アナリスト等の約2,000件と元社員の約250件で確認された項目
野村の情報漏洩として報じられている件は、野村インベスター・リレーションズ株式会社が2026年11月4日に発表した、機関投資家・アナリスト向けのIR情報提供サービス「機関Navi」への不正アクセスです。同社は11月2日に第三者による不正アクセスを確認し、その後、同サービスの情報が外部に漏えいしたことを確認したと発表しました。11月4日の発表では、漏えいした情報には氏名やメールアドレス等が含まれる可能性があり調査中とされていましたが、11月6日の第二報で、機関投資家・アナリスト等の約2,000件と、同社の元社員の約250件の漏えいが確認されたと発表されました。 個人投資家向けの「MIR@I」も、同じサーバーで動いているため予防的に止められています。 利用者がまずすることは、野村グループや関係者を名乗る不審なメール・電話・SMSのリンクや添付ファイルを開かず、パスワードや暗証番号を入力しないことです。
この記事は、2026年11月5日時点で野村インベスター・リレーションズのサイトに掲載されている発表(PDF)と、11月2日の緊急メンテナンスのお知らせを開き直し、その記載だけをもとに書いています。報道に出ている情報や、公式に書かれていない推測は入れていません。
2026年11月6日の第二報で分かったこと
野村IRは2026年11月6日に「機関投資家・アナリスト向けIR情報提供サービス「機関Navi」への不正アクセスおよび情報漏えいについて(第二報)」を出し、ダウンロードされたデータの確認等で、現時点で確認された情報の内容と件数を公表しました。対象となる情報の内容は、登録状況により異なるとしています。
| 区分 | 件数 | 漏えいが確認された情報 |
|---|---|---|
| 機関投資家・アナリスト等 | 約2,000件 | 氏名、メールアドレス、電話番号、所属会社の名称・住所・役職・部署名等 |
| 当社(野村IR)元社員 | 約250件 | 氏名、メールアドレス等 |
このほかに、公知情報である上場会社等の代表者の氏名と役職名があるとしています。第二報の要点は次のとおりです。
- 上の2つの区分に当たる人には、野村IRから案内する
- 現時点で、本件に起因する情報の不正利用等の二次被害は確認されていない
- 個人投資家向けのMIR@Iは予防的に停止したまま。不正アクセスの有無は引き続き調査中で、現時点で不正アクセスは確認されていない
- 問い合わせ先は、11月4日と同じ不正アクセス対応窓口(03-3276-3603、9:00から17:00、土日祝日を除く)
第二報でも、不正アクセスがいつからいつまで続いたか、どのような手口で入られたかは書かれていません。サービスの再開時期や、補償についての記載もありません。
野村インベスター・リレーションズの発表で何が起きたのか
「野村 情報漏洩」と検索した人の中には、野村證券の口座を持っていて「自分の口座の情報が漏れたのか」と心配している人も多いはずです。最初に押さえておきたいのは、今回の発表の主体が野村證券ではなく、野村グループの野村インベスター・リレーションズ株式会社(以下、野村IR)だという点です。野村IRは、上場企業の投資家向け広報(IR)を支援する会社で、今回の対象は同社が運営する「機関Navi」というサービスです。
発表の骨子を整理します。
- 2026年11月2日、「機関Navi」のシステムで第三者による不正アクセスを確認した
- その後、同サービスの情報が外部に漏えいしたことが確認された
- 漏えいした情報には、氏名やメールアドレス等が含まれる可能性があり、現在調査中
- 「機関Navi」はサービスを停止している
- 調査の対象には、過去に登録した人の情報も含まれる
- 個人投資家向けの「MIR@I」は、同じサーバー上で動いているため予防的に停止した。不正アクセスの有無は調査中
11月4日の発表は、情報が外部に漏えいしたこと自体は「確認されました」と書いていました。一方で、何の情報が漏れたのかは「氏名やメールアドレス等が含まれる可能性があり、現在調査中」という段階でした。11月6日の第二報で、現時点で確認された情報の内容と件数が示されました。
野村證券の口座の情報、取引の記録、ログインのパスワードが漏れたという発表ではありません。野村證券のサービスについては、この発表は何も触れていません。
「機関Navi」と「MIR@I」はどんなサービスか
発表は、2つのサービスを次のように説明しています。
| サービス | 対象 | 内容 | 現在の状態 |
|---|---|---|---|
| 機関Navi | 機関投資家・アナリスト | 企業の決算等説明会に関わる情報を提供し、説明会への出席管理を支援するIR情報提供サービス | 不正アクセスを確認、情報の漏えいを確認、サービス停止中 |
| MIR@I | 個人投資家 | 企業情報や説明会の情報を提供し、企業と個人投資家との接点をつくるサービス | 同じサーバーで動いているため予防的に停止、不正アクセスの有無は調査中 |
機関投資家とは、年金基金や保険会社、投資信託の運用会社のように、お客から預かったお金をまとめて運用する組織のことです。アナリストは、企業の業績や株価を分析して、投資の判断の材料をまとめる専門家です。上場企業は決算を発表したあとに説明会を開き、こうした人たちに業績や今後の見通しを説明します。機関Naviは、その説明会の案内と出席の管理を支える仕組みです。
説明会の出席を管理するということは、誰が、どの会社の、どの説明会に申し込んだかが記録されているということです。どんな情報が登録されていたかは発表に書かれていませんが、利用者の氏名やメールアドレスが含まれる可能性があると発表されているのは、こうした仕組みの性質から読めば自然なことです。
MIR@Iは、個人投資家が企業の説明会に参加したり、企業の情報を見たりするためのサービスです。機関Naviとは利用者が違いますが、同じサーバー上で動いているため、念のため止められています。MIR@Iに不正アクセスがあったかどうかは、2026年11月6日の第二報の時点で引き続き調査中で、現時点で不正アクセスは確認されていないとされています。
MIR@Iの利用者は、機関Naviの利用者と違い、仕事ではなく個人として投資をしている人が中心です。個人のメールアドレスで登録している人が多いと考えられるので、家族と共有している端末や、普段の買い物で使っているメールアドレスにも、偽の連絡が届く可能性を頭に入れておきましょう。発表はMIR@Iの情報が漏れたとは書いていません。いまの段階で慌ててアカウントを削除したり、ほかのサービスまで解約したりする必要はありません。止まっているサービスの続報を待ちながら、不審な連絡に応じないことを続けるのが、いちばん確実な備えです。
個人投資家向けのサービスでは、説明会への参加の申し込みのほかに、企業の情報を読むための登録をしている人もいます。どの企業の説明会に申し込んだかを覚えていない場合は、メールの受信箱でMIR@Iからの案内を検索すると、登録の有無と使ったメールアドレスが分かります。
公表の経緯と、時点ごとに分かったこと
野村IRは、11月2日、11月4日、11月6日の3回、サイトでお知らせを出しています。
| 日付 | お知らせ | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年11月2日 | 「【重要】機関投資家・アナリスト向けIR情報配信サービス 緊急メンテナンス実施のお知らせ」 | 11月2日(月)からメンテナンス完了まで、対象サービスとWebサイトにアクセスできない。期間中の説明会への参加方法は別途メールで案内 |
| 2026年11月4日 | 「機関投資家・アナリスト向けIR情報提供サービス「機関Navi」への不正アクセスおよび情報漏えいについて」 | 11月2日に不正アクセスを確認、その後情報の漏えいを確認。氏名やメールアドレス等が含まれる可能性、調査中。MIR@Iも予防的に停止 |
| 2026年11月6日 | 「機関投資家・アナリスト向けIR情報提供サービス「機関Navi」への不正アクセスおよび情報漏えいについて(第二報)」 | 漏えいが確認された情報と件数を公表。機関投資家・アナリスト等 約2,000件、元社員 約250件。二次被害は確認されていない。MIR@Iへの不正アクセスは現時点で確認されていない |
11月2日の時点では「緊急メンテナンス」とだけ書かれ、不正アクセスには触れていませんでした。11月4日の発表で、メンテナンスの理由が不正アクセスだったことと、情報の漏えいが確認されたことが明らかになりました。同じ内容の発表は、野村ホールディングスのサイトのお知らせにも11月4日付で掲載されています。
11月4日の発表の冒頭を、原文のまま引用します。
当社が運営する機関投資家・アナリスト向けIR情報提供サービス「機関Navi」のシステムにおいて、第三者による不正アクセスを確認しました。また、その後、同サービスにおける情報が外部に漏えいしたことが確認されましたので、お知らせいたします。 出典: 野村インベスター・リレーションズ株式会社「機関投資家・アナリスト向けIR情報提供サービス「機関Navi」への不正アクセスおよび情報漏えいについて」
発表には、不正アクセスがいつから始まっていたか、漏えいをいつ確認したかの具体的な日時は書かれていません。11月2日に不正アクセスを確認したこと、その後に漏えいを確認したこと、の順番だけが示されています。
漏えいした可能性がある情報と、件数
11月4日の発表と11月6日の第二報に書かれている情報を表にします。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 漏えいの事実 | 同サービスの情報が外部に漏えいしたことを確認 |
| 含まれる可能性がある項目(11月4日) | 氏名やメールアドレス等(現在調査中) |
| 漏えいが確認された情報(11月6日の第二報) | 機関投資家・アナリスト等:氏名、メールアドレス、電話番号、所属会社の名称・住所・役職・部署名等。元社員:氏名、メールアドレス等 |
| 件数(11月6日の第二報) | 機関投資家・アナリスト等 約2,000件、元社員 約250件(現時点で確認されたもの) |
| 調査の対象 | 過去に登録した人の情報も含む |
| 含まれないと明記された項目 | 記載なし |
11月4日の発表では、「氏名やメールアドレス等」の「等」に何が入るのかは書かれていませんでした。11月6日の第二報で、機関投資家・アナリスト等については電話番号と、所属会社の名称・住所・役職・部署名等も含まれることが示されました。申し込んだ説明会の記録が含まれるかどうかは、第二報にも書かれていません。読み手の側で項目を広げて推測せず、公式の発表で確かめるのが確実です。
件数は、第二報で現時点で確認されたものとして示されました。過去に登録した人の情報も調査の対象になっていたので、いまは使っていなくても、以前に機関Naviに登録したことがある人は、対象に含まれる可能性があります。
含まれないと明記された項目がないことにも注意が必要です。ほかの事案では「クレジットカード情報は含まれない」「パスワードは含まれない」と書かれることがありますが、今回の発表には第二報も含めてそうした記載がありません。機関Naviにログインのパスワードを登録していた人は、念のため同じパスワードをほかで使っていないかを確かめておくと安心です。
「確認」「可能性」「調査中」の読み分け方
今回の発表には、確かさの違う言葉が並んでいます。発表を正しく読むために、それぞれが何を意味するかを整理します。
「確認しました」「確認されました」と書かれているのは、会社が事実として認めたことです。今回は、第三者による不正アクセスがあったことと、同サービスの情報が外部に漏えいしたことの2つがこれに当たります。
「可能性があり」と書かれているのは、そうであるかもしれないが、まだ確かめ切れていないことです。今回は、漏えいした情報に氏名やメールアドレス等が含まれるという点がこれに当たります。
「調査中」と書かれているのは、まだ答えが出ていないことです。今回は、漏えいした情報の内容、MIR@Iへの不正アクセスの有無、不正アクセスの経緯と影響範囲がこれに当たります。
漏えいの事実は確認されているのに、何が漏れたかが分からない、という順番に違和感を覚える人もいるかもしれません。不正アクセスの調査では、外部にデータが送られた痕跡は早い段階で見つかっても、その中身を特定するのに時間がかかることがよくあります。会社にとっては、中身が分かるのを待たずに、分かったところから知らせることが求められます。
個人情報保護委員会は、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等を報告の対象として挙げ、発覚したらまずは速やかに報告するよう求めています。今回のような途中段階の発表は、こうした考え方に沿ったものと読めます。続報で件数や項目が明らかになることが多いので、最初の発表だけで判断を終えず、続報を確かめる姿勢が大切です。
原因として発表されていること
原因について、発表に書かれているのは「第三者による不正アクセス」という点だけです。どこから、どのような手口で入られたのかは書かれていません。
発表は、外部の専門家と関係各社と連携して、不正アクセスの経緯、影響範囲、情報漏えいの内容を調べているとしています。原因は「調査中と発表」と受け取るのが正確です。
ここ数週間、企業がメール配信を任せている外部のサービスへの不正アクセスの発表が続いています。ただ、今回の発表は「機関Navi」のシステムそのものへの不正アクセスと書いていて、外部のメール配信サービスが原因だとは書いていません。ほかの事案と同じ原因だと決めつけて読まないようにしてください。
野村證券の別の件との違い
野村グループでは、ほかにも情報漏えいの可能性に関する発表が出ています。野村證券は2026年10月に、i-Portのメール配信を委託していた先への不正アクセスについて発表しました。この件は、今回の機関Naviの件とは発表した会社も、対象のサービスも、経路も違う別の事案です。i-Portの件の内容は、野村證券の情報漏えいの可能性|i-Portのメール配信委託先への不正アクセスの範囲と確かめることで整理しています。
2つの件の数字や対象を混ぜて読むと、自分が対象かどうかの判断を誤ります。今回の件で確かめるべきなのは、機関NaviかMIR@Iに登録したことがあるかどうかです。野村證券の口座を持っているだけで、機関NaviやMIR@Iを使ったことがない人は、今回の発表の対象ではありません。
野村IRの対応
11月4日の発表と11月6日の第二報に書かれている野村IRの対応は、次のとおりです。
- 機関Naviのサービスを停止している
- MIR@Iを予防的に停止している
- 外部の専門家と関係各社と連携し、経緯、影響範囲、漏えいの内容を調べている
- 調査結果を踏まえて、必要な対応と再発防止策を講じる
- 情報漏えいの対象であることが確認された人には、同社から案内する。第二報では、機関投資家・アナリスト等と元社員の区分に当たる人に案内するとしている
- 今後知らせるべき事項が分かったら、公式のWebサイト等で知らせる
- 本件に便乗した不審なメール、電話、SMS等への注意を呼びかけている
補償やお詫びの品、サービスの再開時期については、第二報にも記載がありません。11月2日のお知らせでは、メンテナンス期間中の説明会への参加方法を別途メールで案内するとしていました。
対象の人への案内は、対象であることが確認されたあとに届く形です。案内が来ていないからといって、対象外だと決まったわけではありません。調査が続いている間は、続報を確かめるようにしてください。
11月2日のお知らせには、問い合わせ先としてマーケティング部のメールアドレスが書かれていましたが、11月4日の発表では、本件の問い合わせ先として不正アクセス対応窓口の電話番号とお問い合わせフォームが示されています。今回の件で問い合わせるときは、11月4日の発表に載っている窓口を使うのが確実です。
自分が対象かを確かめる方法
対象になりうるのは、機関Naviに登録している人と、過去に登録したことがある人です。機関投資家の運用担当者、証券会社や調査会社のアナリスト、IRの説明会に出席している金融機関の担当者などが当たります。MIR@Iの利用者は、不正アクセスの有無が調査中という段階です。
確かめる手順は次のとおりです。
- 機関NaviやMIR@Iに登録したことがあるかを思い出す。仕事のメールの受信箱で、機関Naviからの説明会の案内や出席の確認のメールを検索すると、登録の有無が分かります。
- 野村IRから案内が届いていないかを確かめる。対象であることが確認された人には、同社から案内があるとされています。
- 野村IRのサイトのお知らせで続報を確かめる。
- 分からないことは、不正アクセス対応窓口に電話かお問い合わせフォームで聞く。
案内のメールが届いたら、メールのリンクから開くのではなく、野村IRのサイトを自分で開いて同じ内容のお知らせがあるかを確かめてから読むと安全です。
利用者がすること
今回、第二報で漏えいが確認されたのは、氏名とメールアドレス、電話番号、所属会社の名称・住所・役職・部署名等です。この組み合わせが使われやすいのは、本人の名前と勤務先を入れた、もっともらしいメールや電話です。
機関Naviの利用者は、仕事で日常的に説明会の案内メールを受け取っています。そのため、次のような偽のメールには特に注意が必要です。
- 説明会の日程変更や出席の再登録を求め、リンクから入力させるメール
- メンテナンスの終了を知らせ、ログインし直すよう求めるメール
- 説明資料や決算の資料を装った添付ファイル付きのメール
- 不正アクセスのお詫びを装い、補償の手続きとして個人情報を入力させるメール
発表は、不審な連絡を受けたら、記載されたリンクへのアクセス、添付ファイルの開封、パスワードや暗証番号等の入力・回答をせず、窓口に連絡するよう求めています。
利用者がすることを順に並べます。
- 野村IRや野村グループ、関係者を名乗る連絡のリンクと添付ファイルを開かない。
- パスワードや暗証番号を、メールや電話で求められても答えない。
- 機関NaviやMIR@Iと同じパスワードをほかのサービスで使っている場合は、ほかのサービスのパスワードを変えて、使い回しをやめる。
- 仕事のメールの迷惑メールの設定と、社内の情報システム部門への報告の手順を確かめる。
- 野村IRのサイトで続報を確かめる。
パスワードの使い回しをやめる手順と、ログインに追加の確認を設ける方法は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較で解説しています。組織で偽のメールへの備えを進めるなら、フィッシングメール模擬訓練の効果と従業員教育ガイドも参考になります。
説明会の案内メールを見分ける具体的な方法
機関Naviの利用者にとって、説明会の案内メールは日常の仕事の一部です。だからこそ、偽物が紛れ込むと気づきにくくなります。届いたメールが本物かどうかを見分けるときに、確かめる点を順に並べます。
- 差出人のアドレスを、表示名ではなくアドレスそのもので確かめる。表示名は誰でも自由に付けられるので、「野村IR」と表示されていても本物とは限りません。
- メールの中のリンクにマウスを重ね、実際の行き先のURLを確かめる。見慣れないドメインや、本物によく似た綴りのドメインに向かうものは開かないでください。
- 説明会の申し込みや出席の登録は、メールのリンクからではなく、自分で保存しておいたブックマークや、企業のIRのページから入る。
- 添付ファイルは、心当たりのない資料なら開かない。特に、圧縮ファイルや、開くとマクロ(自動で動く小さなプログラム)を有効にするよう求めるファイルには注意が必要です。
- ログインや本人確認を求めるメールは、リンクを開く前に、送り主とされる会社に普段の連絡先で確かめる。
2026年11月6日の第二報の時点で、機関Naviはサービスを停止しています。停止中の説明会への参加方法は別途メールで案内するとされていましたが、そうしたメールに見せかけた偽物が届く可能性もあります。参加方法の案内に心当たりがあっても、URLやドメインを確かめてから開くようにしてください。
偽のメールの典型的な形と、開いてしまったときの対処は、フィッシング詐欺メールの見分け方と対処法で詳しく説明しています。
メールアドレスが漏れたかもしれないときに起きやすいこと
氏名とメールアドレスは、それだけでお金を引き出せる情報ではありません。それでも、漏れると次のようなことが起きやすくなります。
- 迷惑メールが増える
- 名前を入れた偽のメールが届き、偽のログイン画面に誘導される
- 同じメールアドレスで登録しているほかのサービスに、ログインを試みられる
- 漏えいの事案に便乗した「補償の手続き」や「調査への協力」を装う連絡が届く
3つ目は、パスワードを使い回していると被害につながります。今回の発表には、機関Naviのパスワードが含まれないという記載がありません。ほかのサービスで同じパスワードを使っている場合は、ほかのサービスのほうを先に変えておくと安心です。パスワードが漏れたかもしれないときの順番は、パスワードが漏れたときにすることで整理しています。
4つ目は、漏えいが報じられた直後によく見られる形です。発表は、対象であることが確認された人には同社から案内するとしていますが、補償の手続きについては何も書いていません。補償を口実に口座番号やカードの番号を入力させる連絡は、偽物を疑ってください。
不審なメールを開いてしまったとき
気をつけていても、忙しい時期に説明会の案内に紛れた偽のメールを開いてしまうことはありえます。開いてしまったときに、被害を広げないための順番を整理します。
- リンクを開いただけで、何も入力していない場合は、そのページを閉じます。入力していなければ、多くの場合はそれ以上の被害につながりにくいとされていますが、職場の端末なら情報システム部門に知らせておきます。
- IDやパスワードを入力してしまった場合は、すぐにそのサービスのパスワードを変えます。同じパスワードをほかのサービスでも使っていれば、そちらも変えます。
- 添付ファイルを開いてしまった場合は、端末をネットワークから切り離し、情報システム部門の指示を待ちます。自分の判断でファイルを削除したり、端末を初期化したりすると、調査に必要な記録が失われることがあります。
- カードの番号や口座の情報を入力してしまった場合は、カード会社や金融機関の公式の窓口にすぐ連絡します。
- 野村IRや野村グループを名乗る偽のメールだった場合は、不正アクセス対応窓口にも知らせます。
入力してしまった情報の種類ごとの対応は、前の節で紹介したフィッシング詐欺メールの記事の中でも触れています。大切なのは、恥ずかしがって隠さず、早く知らせることです。職場で報告が早いほど、同じメールを受け取ったほかの人を守れます。
金融の仕事をしている人が気をつけたい点
機関Naviの利用者の多くは、仕事として投資の判断に関わる人です。第二報では、氏名とメールアドレスに加えて、所属会社の名称・住所・役職・部署名等の漏えいも確認されています。勤務先や役職が知られると、その人だけに向けた偽のメールが作られることがあります。不特定多数にばらまくメールとは違い、名前や仕事の内容に合わせた文面になるので、見分けにくくなります。
職場のメールで不審なものを受け取ったら、自分だけで判断せず、情報システム部門やコンプライアンスの担当部署に知らせるのが基本です。金融機関の多くは、不審なメールの報告の手順を社内で定めています。報告が早いほど、同じメールを受け取った同僚が誤って開くのを防げます。
また、説明会の出席の記録は、どの企業に関心を持っているかを示す情報でもあります。第二報を含め、今回の発表では、出席の記録が漏れたかどうかは書かれていません。気になる場合は、窓口に問い合わせて確かめるのが確実です。推測で社内に「出席の記録も漏れた」と伝えると、確かめられていない情報が広がってしまいます。
上場企業のIRの担当者で、機関Naviを通じて説明会を案内していた会社は、投資家から問い合わせを受けることもあるでしょう。その場合も、野村IRの発表に書かれている範囲で答え、分からないことは野村IRの窓口を案内するのが確実です。
上場企業のIR担当者がすること
機関Naviは、機関投資家やアナリストが使うサービスですが、その先には説明会を開く上場企業があります。説明会の案内や出席の管理を機関Naviに頼っていた会社のIR担当者にも、確かめておきたいことがあります。
1つ目は、自社の説明会の運営への影響です。機関Naviが止まっている間、説明会の案内や出席の確認をどう進めるかを、野村IRの担当者と確かめます。11月2日のお知らせでは、メンテナンス期間中の説明会への参加方法を別途メールで案内するとしていました。自社の説明会の参加者にどんな案内が届いているかを把握しておくと、投資家から問い合わせを受けたときに答えやすくなります。
2つ目は、投資家やアナリストからの問い合わせへの答え方です。発表の範囲を超えて「出席者の情報は漏れていません」「漏れたのは一部です」と答えるのは避けてください。分かっていることは野村IRの発表に書かれている範囲だけです。答えられないことは、野村IRの不正アクセス対応窓口を案内するのが確実です。
3つ目は、自社の名前をかたる偽の案内への備えです。説明会の案内は、企業の名前で送られることが多いものです。偽の説明会の案内が自社の名前で出回ると、投資家が被害に遭うだけでなく、自社の信頼にも関わります。自社のIRのページに、説明会の案内をどのアドレスから送っているか、どこで申し込みを受け付けているかを示しておくと、投資家が本物を見分けやすくなります。
4つ目は、社内での情報の共有です。IRの担当者だけでなく、広報や総務、情報システム部門にも状況を伝えておくと、問い合わせや不審なメールに組織として対応できます。
続報で確かめたいこと
2026年11月6日の第二報の時点でも、調査は途中の段階です。続報が出たときに確かめたい点を並べておきます。
| 項目 | 2026年11月6日の第二報の時点 | 続報で確かめたいこと |
|---|---|---|
| 漏えいした項目 | 機関投資家・アナリスト等は氏名、メールアドレス、電話番号、所属会社の名称・住所・役職・部署名等。元社員は氏名、メールアドレス等 | 説明会の出席の記録などが含まれるか |
| 件数 | 機関投資家・アナリスト等 約2,000件、元社員 約250件(現時点で確認されたもの) | 件数が変わるか |
| 期間 | 記載なし | 不正アクセスがいつからいつまで続いたか |
| 原因 | 第三者による不正アクセス | どこから、どのように入られたか |
| MIR@I | 予防的に停止、不正アクセスの有無は調査中(現時点で不正アクセスは確認されていない) | 不正アクセスがあったかどうか |
| サービスの再開 | 記載なし | 再開の時期と、再開後に利用者がすること |
| 対象者への案内 | 機関投資家・アナリスト等と元社員の区分に当たる人に案内する | 案内の方法と時期 |
続報は、野村IRのサイトのニュースのページに出ると考えられます。発表は「公式ウェブサイト等を通じて速やかにお知らせします」と書いています。報道で先に数字が出ることもありますが、自分が対象かどうかの判断は、野村IRの発表で確かめるのが確実です。
ブックマークしておくなら、ニュースの一覧よりも、発表のPDFを載せたお知らせのページのほうが、続報がどこに出たかを追いやすくなります。
問い合わせ窓口
11月4日の発表と11月6日の第二報に載っている問い合わせ先は、次のとおりです。
| 窓口 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 野村インベスター・リレーションズ株式会社 不正アクセス対応窓口 |
| 電話番号 | 03-3276-3603 |
| 受付時間 | 9:00から17:00(土日祝日を除く) |
| お問い合わせフォーム | 野村IRのサイトの不正アクセス対応のお問い合わせフォーム |
電話をかける前に、登録していたサービスの名前(機関NaviかMIR@Iか)、登録に使ったメールアドレス、届いた不審な連絡があればその日時と内容を手元にまとめておくと、やり取りが短く済みます。
受付は平日の日中に限られているので、土日祝日に気づいたことは、お問い合わせフォームで先に送っておくか、内容を記録して翌営業日に電話するとよいでしょう。
窓口の電話番号は、必ず野村IRの発表で確かめてから使ってください。届いたメールやSMSに書かれた電話番号は、偽物の可能性があります。
在宅で仕事をする人が気をつけたいこと
金融や投資に関わる仕事の中には、決算資料の翻訳、説明会の書き起こし、IR資料のデザインや校正など、在宅で請け負えるものがあります。こうした仕事を受けていて、取引先から機関NaviやMIR@Iの案内を転送されたり、自分で登録したりしていた人は、自分も対象になりうるかを確かめておきましょう。
在宅の仕事では、取引先から預かった資料や名簿を自分の端末で扱います。フリーランスや個人事業主も、取引先の個人情報をデータベースとして扱っていれば、個人情報保護法の「個人情報取扱事業者」に当たる場合があります。個人情報保護委員会は、不正アクセスなど不正の目的で行われたおそれのある漏えい等や、本人の数が1,000人を超える漏えい等を報告の対象として挙げ、発覚したらまずは速やかに報告するよう求めています。詳しくは個人情報保護委員会「漏えい等の対応とお役立ち資料」で確かめてください。自分が報告の対象になるかは事情で変わるので、迷ったときは同委員会の相談窓口で確かめるのが確実です。
在宅の働き手が自分でできる備えは、次のとおりです。
- 仕事で登録したサービスと、使ったメールアドレスを一覧にしておく
- 仕事用と個人用でメールアドレスとパスワードを分ける
- 案件が終わったら、預かった資料を契約の取り決めに沿って削除する
- 取引先を名乗る急ぎの依頼は、普段の連絡手段で確かめ直す
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く仕事を任される人ほど、預かった資料の扱いを最初に取引先と確かめ、終わったら片付けることを習慣にしています。情報の扱いをきちんと説明できることは、それ自体が仕事の信頼になります。
金融とセキュリティの知識を仕事に生かす
今回の件では、IRの仕組みを知っていると何の情報が狙われうるかを読み取りやすく、認証や不正アクセスの仕組みを知っていると、利用者が何をすればよいかを判断しやすくなります。中小企業でも、こうした事案をきっかけに、社内の認証の見直しや従業員への注意喚起を進める動きが出てきます。費用を抑えながら対策を進める方法は、中小企業のサイバーセキュリティ対策とIT導入補助金で整理しています。
文書で正確に伝える力も、こうした場面で役に立ちます。発表の内容を社内向けに整理したり、取引先への案内文を作ったりするときに、確かめられた事実と調査中のことを分けて書く力が求められます。文書の書き方を体系立てて学びたい人は、ビジネス文書検定の資格ガイドで試験の内容を確かめられます。セキュリティに関わる在宅の仕事の種類と探し方は、@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。
野村IRの件は、2026年11月6日の第二報で、現時点で確認された漏えいの項目と件数が示されましたが、原因の詳しい内容とサービスの再開時期はまだ分かっていません。続報は野村IRのサイトのお知らせで確かめてください。
よくある質問
Q. 野村の情報漏洩は、野村證券の口座の情報が漏れたのですか?
2026年11月4日の発表の主体は、野村證券ではなく野村インベスター・リレーションズ株式会社です。対象は機関投資家・アナリスト向けの「機関Navi」で、11月6日の第二報では、機関投資家・アナリスト等の約2,000件と元社員の約250件で氏名やメールアドレス等の漏えいが確認されています。野村證券の口座や取引の情報が漏れたという発表ではありません。
Q. 何件の情報が漏えいしたのですか?
野村IRは2026年11月6日の第二報で、現時点で確認された件数として、機関投資家・アナリスト等の約2,000件(氏名、メールアドレス、電話番号、所属会社の名称・住所・役職・部署名等)と、同社の元社員の約250件(氏名、メールアドレス等)を公表しました。対象となる情報の内容は登録状況により異なります。
Q. MIR@Iを使っていましたが、情報は漏れましたか?
個人投資家向けのMIR@Iは、機関Naviと同じサーバーで動いているため予防的に停止されています。MIR@Iへの不正アクセスの有無は、11月6日の第二報の時点で引き続き調査中で、現時点で不正アクセスは確認されていないとされています。調査は続いているので、野村IRのサイトで続報を確かめてください。
Q. 野村IRの問い合わせ先はどこですか?
野村インベスター・リレーションズ株式会社 不正アクセス対応窓口で、電話番号は03-3276-3603、受付時間は9:00から17:00(土日祝日を除く)です。同社のサイトにお問い合わせフォームもあります。届いたメールやSMSに書かれた番号ではなく、発表で確かめた番号を使ってください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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