介護の現場で役立つ資格|介護職の次に取るもの


この記事のポイント
- ✓介護の現場で役立つ資格を
- ✓介護職として働き始めた人が次に何を取ればよいかの順番で整理しました
- ✓実務者研修と介護福祉士
介護の現場で役立つ資格は数多くありますが、すべてを取る必要はありません。大切なのは、今の職場で何を任されたいのか、数年後にどんな役割に就きたいのかを決め、それに合う資格を順番に取ることです。
この記事は、介護職として働き始めた人や、初任者研修を終えて「次は何を取ればよいか」と考えている人に向けて書いています。介護福祉士を中心に、医療的ケア、認知症ケア、ケアマネジャー、現場の周辺で役立つ資格までを、受験の条件と日程、費用を抑える方法とあわせて整理します。
介護の現場で資格が意味を持つ理由
介護の仕事は無資格からでも始められますが、現場で働き続けるほど資格の意味が大きくなります。理由は3つあります。
1つ目は、資格によって任される仕事の範囲が変わることです。訪問介護で働くには初任者研修などの修了が必要ですし、たんの吸引や経管栄養といった医療的ケアは、所定の研修を修了して登録を受けた人でなければ行えません。資格は、できる仕事を広げる鍵になります。
2つ目は、人手の確保が業界全体の課題になっていることです。厚生労働省が都道府県の推計を集計した数字では、介護職員の必要数は2026年度に約240万人、2040年度に約272万人とされています。人を増やすだけでなく、1人ひとりが担える役割を広げることも求められており、資格を持つ職員への期待は高まっています。
3つ目は、資格が給与や役職と結び付きやすいことです。多くの事業所では、介護福祉士の資格手当や、資格と経験年数に応じた給与の段階を設けています。国の処遇改善加算も、職員が資格や経験に応じて昇給できる仕組みを整えることを要件の1つにしています。処遇改善加算とは、事業所が職員の賃金改善や研修の仕組みを整えた場合に、介護報酬が上乗せされる制度のことです。
ただし、資格手当の額や昇給の仕組みは事業所ごとに大きく違います。資格を取る前に、今の職場の就業規則や給与規程で、どの資格にいくらの手当が付くのかを確かめておくと、取る順番を決めやすくなります。
資格を選ぶ前に決めておく3つの軸
介護の資格を一覧で眺めると、20種類以上の名前が並び、どれから手を付けるべきか分からなくなります。選ぶ前に、次の3つの軸で自分の考えを整理しておくと迷いが減ります。
軸1:現場の介護を極めたいか、計画や相談に進みたいか
現場で利用者に直接関わる仕事を続けたい人は、介護福祉士、喀痰吸引等研修、認知症ケアの研修が中心になります。利用者や家族の相談に乗り、サービスの計画を作る側に進みたい人は、介護福祉士を取ったあとにケアマネジャーを目指す流れが一般的です。
軸2:今の職場で必要とされているか
同じ資格でも、職場によって役立ち方が違います。医療的ケアが必要な利用者が多い特別養護老人ホームでは喀痰吸引等研修が重宝されますし、認知症のある人が多いグループホームでは認知症ケアの研修が生きます。上司に「この職場で今、持っている人が足りない資格は何か」と聞いてみると、事業所が費用を負担してくれる資格が見えてくることもあります。
軸3:受験の条件を満たすまでの年数
介護の資格には、実務経験の年数が受験の条件になっているものがあります。介護福祉士は3年、ケアマネジャーは5年が目安です。条件を満たす時期から逆算して、その前に取れるものを先に取っておくと、時間を無駄にしません。
最初の段階で取る研修
介護の仕事を始めたばかりの人が最初に取るのは、介護職員初任者研修です。研修時間は130時間で、介護の基本的な知識と技術を学びます。訪問介護で働くための入口にもなっています。
介護職員初任者研修・・・・ 介護の基礎的な知識やスキルを身につけることができる研修です。ホームヘルパーを目指す方は、こちらの研修以上が必須となります。 研修時間:130時間 出典: 石川労働局「知ってみよう!介護の仕事」
無資格で働いている人には、採用から1年以内に認知症介護基礎研修を受けることが求められています。これは、医療や福祉の資格を持たない職員に、認知症のある人への接し方の基本を学ばせることが事業者に義務付けられているためです。初任者研修を修了していれば、この研修を受ける義務の対象からは外れます。
初任者研修を就職後に取る場合は、事業所の資格取得支援制度を使えないか先に確かめます。入職から一定期間が過ぎた職員に受講費を負担する事業所は少なくありません。
現場の柱になる実務者研修と介護福祉士
介護の現場で最も役立つ資格を1つ挙げるなら、介護福祉士です。介護の分野で唯一の国家資格であり、現場のリーダーやサービス提供責任者、ケアマネジャーへの道の土台になります。
実務者研修
実務者研修は、介護福祉士の受験に必要な研修です。研修時間は450時間で、初任者研修を修了していれば130時間分が免除されます。医療的ケアの基礎(たんの吸引と経管栄養の講義と演習)や、利用者の状態に合わせた介護の計画の考え方を学びます。訪問介護のサービス提供責任者になる要件の1つにもなっているため、介護福祉士を受ける前の段階でも役立つ研修です。
介護福祉士の受験資格と試験
働きながら介護福祉士を目指す場合、受験に必要なのは「実務経験3年以上」と「実務者研修の修了」です。社会福祉振興・試験センターの受験の手引では、実務経験は従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上と定められています。在籍期間だけでなく、実際に介護の業務に就いた日数も数えられる点に注意が必要です。
第39回介護福祉士国家試験は、2027年1月31日(日)に筆記試験が行われ、合格発表は2027年3月23日の予定です。受験手数料は20,510円です。第38回試験の合格率は70.1%でした。
7 合 格 率 70.1% 出典: 厚生労働省「第38回介護福祉士国家試験合格発表について」
第38回試験からは、11の科目群を3つのパートに分け、合格基準に達したパートはその後2年間の受験が免除される「パート合格」の仕組みが導入されました。1回で全体の合格に届かなくても、得点できたパートを持ち越して次の年に残りのパートだけを受けられます。忙しい現場で勉強時間を取りにくい人にとって、計画を立てやすくなった変更です。日程や申し込みの方法は、社会福祉振興・試験センターで毎年確かめてください。
医療的ケアに関わる喀痰吸引等研修
喀痰吸引等研修とは、介護職員がたんの吸引と経管栄養(管を通して栄養を送ること)を行えるようになるための研修です。これらは本来、医師や看護職員が行う医療的な行為ですが、研修を修了して都道府県に登録を受けた介護職員は、決められた範囲で行えます。
研修には第1号、第2号、第3号の3つの区分があります。第1号と第2号は不特定の利用者を対象にした研修で、講義50時間の基本研修と演習、その後の実地研修で構成されます。第2号は、第1号よりも対象となる行為の範囲が狭くなっています。第3号は、特定の利用者に対してだけ行うための研修で、在宅で暮らす重い障害のある人を支える訪問の現場などで使われます。
この研修が役立つのは、医療的ケアが必要な利用者が多い職場です。特別養護老人ホームでは、夜間に看護職員がいない時間帯があり、その間にたんの吸引ができる介護職員がいることで利用者の安全が保たれます。研修の受講には事業所の協力(実地研修の場所や指導する看護職員の確保)が欠かせないため、個人で申し込むよりも職場の推薦で受けるのが一般的です。
介護福祉士の養成課程や実務者研修でも医療的ケアの基礎を学びますが、実際に行うには実地研修を修了し、登録を受ける必要があります。実務者研修の段階で講義を受けていれば、喀痰吸引等研修の一部が免除される場合があるので、受講の前に研修の実施機関に確かめます。
認知症ケアを深める研修
介護の現場では、認知症のある利用者と接する機会が非常に多くあります。認知症ケアの研修は、どの職場で働いていても役立つ分野です。
認知症介護基礎研修
前の節で触れたとおり、無資格の介護職員が最初に受ける研修です。eラーニングで受けられる形が整っており、認知症の基本的な理解と、本人の気持ちに沿った接し方を学びます。
認知症介護実践者研修とリーダー研修
認知症介護実践者研修は、都道府県や政令指定都市が実施する研修で、認知症のある人の状態を観察し、その人らしい生活を支えるケアの計画を立てる力を身につけます。現場での経験がある程度ある職員が対象で、受講の条件や日程は実施する自治体ごとに決まっています。その上には、職場のチームを引っ張る立場の人向けの認知症介護実践リーダー研修があります。
グループホームなど認知症のある人を対象にしたサービスでは、管理者や計画を作る担当者に、これらの研修の修了が求められる場面があります。グループホームで長く働きたい人や、将来管理者を目指す人には、早めに受けておく価値がある研修です。
民間の認知症ケアの資格
認知症ケアについては、民間の団体が認定する資格もいくつかあります。国や自治体の研修とは位置付けが違い、取ったことで任される仕事の範囲が広がるわけではありません。学びを深める目的で取るのはよいことですが、費用をかける前に、今の職場で評価の対象になるかを確かめておきます。
職場の種類ごとに役立つ資格
介護の現場で役立つ資格は、働く場所によって優先順位が変わります。同じ介護職でも、施設と訪問、高齢者と障害のある人の支援では、求められる知識が違うためです。代表的な職場ごとに整理します。
特別養護老人ホームと介護老人保健施設
介助の量が多く、医療的なケアが必要な利用者も多い職場です。介護福祉士に加えて、喀痰吸引等研修の修了者が求められます。夜勤の時間帯に看護職員がいない施設では、たんの吸引ができる介護職員がいるかどうかが、利用者の受け入れに関わることもあります。また、看取りの場面に立ち会うことも多いため、終末期のケアについての研修を職場で受ける機会があれば積極的に参加しておくと役立ちます。
デイサービス
日中の通いの場であるデイサービスでは、送迎の運転、入浴の介助、体操やレクリエーションの進行が中心になります。普通自動車免許のほか、機能訓練の補助に関わる知識や、レクリエーションの企画の力が評価されます。介護福祉士を持つ職員は、生活相談員として利用者や家族との窓口を任されることもあります。
訪問介護
1人で利用者の自宅に入る訪問介護では、初任者研修以上の修了が働く条件です。経験を積むと、サービス提供責任者として訪問の計画を作り、ヘルパーの調整を担う道があります。サービス提供責任者には、介護福祉士または実務者研修の修了が求められるため、訪問介護で長く働きたい人にとって実務者研修は早めに取っておきたい研修です。
グループホーム
認知症のある人が少人数で暮らすグループホームでは、認知症ケアの研修が最も役立ちます。計画を作る担当者や管理者になるには、認知症介護実践者研修などの修了が求められる場面があります。生活全体を支える職場なので、調理や家事の段取りの力も日々の仕事で生きます。
障害福祉の現場
障害のある人の支援の現場では、高齢者の介護とは違う研修が役立ちます。たとえば視覚に障害のある人の外出を支える仕事や、知的障害や精神障害のある人の行動を支える仕事には、それぞれ専用の研修があります。高齢者の介護の資格を持っている人が障害福祉の現場に移る場合も、こうした研修を追加で受けることで任される仕事が広がります。研修の名前と要件は、勤め先のある都道府県の障害福祉の担当課で確かめてください。
計画と相談に進むケアマネジャー
現場の経験を積んだあと、利用者や家族の相談に乗り、サービスの計画を作る側に進みたい人が目指すのがケアマネジャー(介護支援専門員)です。ケアマネジャーとは、介護が必要な人の状態に合わせて、どのサービスをどう組み合わせるかの計画(ケアプラン)を作る専門職のことです。
受験の条件
ケアマネジャーになるには、都道府県が実施する介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、その後の実務研修を修了する必要があります。受験するには、介護福祉士などの資格に基づく業務や、相談援助の業務での実務経験が必要です。東京都の受験要項では、次のように書かれています。
保健・福祉・医療分野で原則として5年以上かつ900日以上の実務経験を有する者 出典: 東京都福祉局「令和8年度東京都介護支援専門員実務研修受講試験の実施」
対象となる資格や業務の範囲は細かく決められているので、受験する都道府県の受験要項で必ず確かめてください。
試験の日程と難しさ
令和8年度(第29回)の試験は、2026年10月11日(日)に実施されました。東京都の場合、受験手数料は払込手数料を含めて12,548円です。厚生労働省が公表している前年の第28回試験では、受験者50,601人のうち合格者は12,961人で、合格率は25.6%でした。介護福祉士と比べると合格率が低く、計画的な準備が欠かせない試験です。
試験は、介護保険の制度やケアプランの作り方を問う「介護支援分野」と、医療や福祉の知識を問う「保健医療福祉サービス分野」で構成されます。現場で身につけた知識だけでは足りない部分が多いので、制度の勉強に時間を割く必要があります。
現場の周辺で役立つ資格と技能
介護の現場では、介護そのものの資格以外にも役立つものがあります。
普通自動車免許
デイサービスや訪問介護では、送迎や移動に車を使うことが多く、運転できる職員は重宝されます。求人で「普通自動車免許(AT限定可)」が条件になっていることも珍しくありません。免許を持っていない人は、介護の資格よりも先に取っておくと、応募できる求人の幅が広がります。
福祉用具専門相談員
福祉用具専門相談員は、車いすや介護用ベッドなどの福祉用具を貸し出したり販売したりする事業所で、利用者に合った用具を選ぶ役割を担う職種です。都道府県の指定を受けた講習を修了すると就けます。介護の現場で福祉用具の使い方を知っていると、利用者の負担も職員の負担も減らせるため、現場で働く人にも役立つ知識です。福祉用具を扱う事業所では、職員の研修に国の助成金を使う動きもあります。研修の組み立て方は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で整理しています。
記録と文書の力
介護の現場では、毎日の記録、家族への連絡、事故の報告書、会議の資料など、文書を書く場面が数多くあります。介護福祉士やケアマネジャーに進むほど、その比重は大きくなります。文書の書き方を体系立てて確かめたい人には、ビジネス文書検定が参考になります。資格ガイドでは、級ごとの出題範囲と難しさを確認できます。
相談の仕事に進む国家資格
介護の現場から、利用者や家族の相談に乗る仕事に進む道は、ケアマネジャーだけではありません。社会福祉士と精神保健福祉士という国家資格もあります。
社会福祉士とは、病気や障害、生活の困りごとを抱える人の相談に乗り、必要な制度やサービスにつなぐ専門職のことです。地域包括支援センターや病院の相談室、福祉事務所などで働いています。精神保健福祉士は、精神に障害のある人の生活や仕事への復帰を支える専門職で、精神科の病院や障害福祉の事業所で働いています。
どちらも、福祉系の大学で必要な科目を学ぶか、養成施設で学ぶなどして受験資格を得る必要があり、介護の実務経験だけでは受験できません。働きながら目指す場合は、通信制の養成施設を使う人が多くみられます。試験は介護福祉士と同じく社会福祉振興・試験センターが実施しているので、受験資格の道筋は同センターの資格取得ルート図で確かめられます。
介護福祉士として現場の経験を積んだうえで社会福祉士を取ると、介護と相談の両方が分かる人材として、施設の生活相談員や地域の相談窓口で力を発揮できます。現場の介護から少し距離を置き、制度と人をつなぐ仕事に関心がある人は、選択肢の1つとして覚えておいてください。
取った資格を評価につなげる方法
資格は取っただけでは評価につながらないことがあります。取ったあとに、職場や転職先にどう伝えるかも大切です。
職場の面談で伝える
資格を取ったら、上司との面談の機会に、取った資格と、それを使って担いたい役割を具体的に伝えます。「喀痰吸引等研修を修了したので、夜勤の医療的ケアを担当したい」「実務者研修を修了したので、新人の指導を任せてほしい」のように、役割と結び付けて話すと、配置や手当の見直しにつながりやすくなります。
手当の申請を忘れない
資格手当は、申請しなければ支給が始まらない事業所もあります。合格証や修了証の写しを人事の担当に出す手続きが必要かどうかを確かめます。介護福祉士は、試験に合格しただけでは名乗れず、登録の手続きを済ませて登録証の交付を受ける必要がある点にも注意してください。
履歴書に正しく書く
転職するときは、履歴書の資格欄に正式な名称で書きます。国家資格の介護福祉士は「介護福祉士 登録」、研修は「介護職員初任者研修 修了」「介護福祉士実務者研修 修了」のように、取得の形に合わせて書き分けます。修了した年月は、修了証に書かれた日付で確かめます。研修の名前を略したり、民間の資格と国家資格を混ぜて並べたりすると、採用担当者が内容を読み取りにくくなります。
取る順番の例
ここまでの資格を、目指す方向ごとに並べると次のようになります。年数は実務経験の目安で、実際には職場の事情や本人の状況で前後します。
| 目指す方向 | 1年目まで | 3年目まで | 5年目以降 |
|---|---|---|---|
| 現場の介護を極める | 初任者研修 | 実務者研修、喀痰吸引等研修 | 介護福祉士、認知症介護実践者研修 |
| 計画と相談に進む | 初任者研修 | 実務者研修 | 介護福祉士、ケアマネジャー |
| 認知症ケアに強くなる | 認知症介護基礎研修、初任者研修 | 実務者研修、認知症介護実践者研修 | 介護福祉士、実践リーダー研修 |
どの道を選んでも、実務者研修と介護福祉士は共通の通過点になっています。迷ったときは、まず実務経験3年での介護福祉士の受験を目標に置き、そのあとの方向はそれまでの現場の経験で決めるので十分です。
費用を抑えて資格を取る方法
介護の資格は、研修費や受験手数料がかさみます。費用を抑える方法を知っておくと、取りたい資格を先送りせずに済みます。
事業所の資格取得支援
もっとも多く使われているのが、勤め先の資格取得支援制度です。受講費の全額や一部を事業所が負担したり、研修の日を勤務扱いにしたりする事業所があります。一方で、「取得後一定期間勤めなければ費用の返還を求める」といった条件が付く場合もあります。支援を受ける前に、条件を書面で確かめておきます。
教育訓練給付
教育訓練給付とは、厚生労働大臣が指定した講座を受けた人に、受講費の一部が雇用保険から支給される制度のことです。実務者研修や初任者研修の講座の中にも、指定を受けているものがあります。給付の対象になるかどうかは、雇用保険に入っていた期間などの条件で決まるので、受講前にハローワークで確かめます。制度の全体像は厚生労働省の教育訓練給付のページで確認できます。
自治体の補助
都道府県や市区町村によっては、介護の研修の受講費を独自に補助しているところがあります。認知症介護基礎研修の受講費用を全額補助している区もあります。住んでいる自治体や勤め先のある自治体の介護保険の担当課のページを確認してください。
介護福祉士の受験までの1年間の計画
介護福祉士の受験を決めたら、試験日から逆算して1年間の計画を立てると、仕事と両立しやすくなります。第39回試験を例にすると、次のような流れになります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 前の年の秋から冬 | 実務経験の日数を数え、実務者研修の講座を選んで申し込む |
| 春から夏 | 実務者研修を受けながら、過去の試験問題で出題の傾向をつかむ |
| 7月から9月上旬 | 受験の申し込み。実務経験証明書を勤め先に作ってもらう |
| 9月から12月 | 苦手な科目群を中心に勉強し、模擬試験で時間配分を確かめる |
| 1月末 | 筆記試験 |
| 3月 | 合格発表のあと、登録の手続きをする |
とくに注意したいのが、実務経験証明書です。受験の申し込みには、勤め先の事業所に実務経験を証明する書類を作ってもらう必要があります。過去に複数の事業所で働いていた人は、それぞれの事業所に依頼しなければならず、退職した職場への依頼には時間がかかることがあります。申し込みの直前に慌てないよう、春のうちに依頼しておくと安心です。
実務者研修は、申し込みの時点で修了していなくても、試験の年度末までに修了する見込みであれば受験を申し込めます。ただし、見込みで申し込んだ場合は期限までに修了の証明を出す必要があるので、研修の日程に余裕を持たせておきます。
資格を取るときに気をつけたいこと
介護の資格を取るときには、費用や時間を無駄にしないために、いくつか気をつけたい点があります。
民間の資格と公的な研修を区別する
介護の分野には、国家資格、国や自治体が定めた研修、民間の団体が認定する資格が混在しています。民間の資格の中には、取っても任される仕事の範囲が変わらないものや、職場で評価の対象にならないものもあります。受講料が高い講座ほど慎重に、「この資格を持っていると何ができるようになるのか」「今の職場で評価されるのか」を確かめてから申し込みます。
講座の選び方
同じ実務者研修でも、講座によって通学の日数、スクーリングの曜日、振替の受けやすさが違います。夜勤のある職場で働いている人は、勤務の都合で欠席したときに別の日に振り替えられるかどうかを必ず確かめます。料金だけで選ぶと、振替ができずに修了が遅れることがあります。
費用の返還条件を確かめる
事業所の支援で資格を取る場合、一定期間内に辞めると費用の返還を求められる条件が付いていることがあります。支援を受ける前に、返還の条件と期間を書面で受け取っておくと、あとで転職を考えたときに困りません。
資格の勉強を続けるためのコツ
介護の仕事をしながら資格の勉強を続けるのは簡単ではありません。夜勤明けや休日の時間を使うことになるため、続けるための工夫が必要です。
現場の出来事と結び付ける
介護福祉士やケアマネジャーの試験では、制度の知識だけでなく、現場の場面を想定した問題が多く出ます。勉強した内容を、翌日の勤務で「この利用者の場合はどうだろう」と考えると、知識が定着しやすくなります。テキストを読むだけで終わらせず、現場で使う場面を思い浮かべながら学ぶのが近道です。
過去の問題を先に見る
試験のある資格は、テキストを最初から読む前に、過去の試験問題を一度見ておくと、どこが問われるのかが分かります。社会福祉振興・試験センターは介護福祉士の過去の試験問題を公開しています。出題の傾向をつかんでからテキストに戻ると、読むべきところに力を注げます。
同じ目標の仲間を作る
同じ職場で同じ資格を目指す人がいれば、勉強の進み具合を話し合うだけでも続けやすくなります。事業所によっては、受験前に勉強会を開いているところもあります。1人で抱え込まないことが、忙しい現場で勉強を続けるための工夫になります。
勉強の時間を先に決める
夜勤のある勤務では、毎日同じ時間に勉強するのが難しくなります。勤務表が出た時点で、日勤の日の夜に30分、休日の午前に1時間というように、勉強の時間を先に予定へ入れておくと、後回しになりにくくなります。短い時間でも続けることが、試験の直前に慌てないための一番の備えです。
運営者の立場から見た、資格と働き方の広がり
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年あまり続けてきた運営者として見てきた範囲では、介護の資格と現場経験を持つ人が、その専門性を生かして在宅の仕事を組み合わせる例が増えています。介護の情報サイトの記事、事業所の研修資料、介護の資格講座の教材の監修といった仕事は、資格を持ち、現場を知っている人でなければ書けない内容が求められます。
長く依頼が続く人ほど、資格の名前を並べるよりも「現場でこう使った」という具体的な経験を文章にできる人です。介護福祉士やケアマネジャーの資格は、こうした仕事を受けるときにも信頼の裏付けになります。また、仲介の手数料が間に乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%で直接やり取りできる場を使うと、資格と経験の価値がそのまま報酬に反映されやすくなります。
次の1か月でやること
最後に、介護の現場で役立つ資格を取るために、次の1か月で何をすればよいかを整理します。
- 今の職場で、どの資格にどんな手当や役割が付くかを就業規則と上司への確認で調べる
- 自分の実務経験の日数を数え、介護福祉士の受験資格を満たす時期を確かめる
- 事業所の資格取得支援制度と、教育訓練給付の対象講座を調べる
- 実務者研修の講座の日程を2つ以上見比べ、勤務と両立できるものを選ぶ
- 介護福祉士の過去の試験問題を1年分解いてみて、苦手な分野を把握する
あわせて、日々の記録の書き方も見直しておくと、資格の勉強にも役立ちます。介護福祉士の試験には、利用者の状態を読み取り、適切な対応を選ぶ問題が多く出ます。普段の記録で「いつ、何が起きて、どう対応したか」を簡潔に書く習慣があると、問題文の要点をつかむ力も伸びます。文書を書く力を客観的に確かめたい人は、ビジネス文書検定の資格ガイドで、級ごとに求められる水準を確認してみてください。
資格は、取ることそのものよりも、取ったあとに現場でどう使うかで価値が決まります。今の職場で求められている役割と、数年後の自分の姿を照らし合わせて、1つずつ順番に取っていくことが、遠回りに見えて一番確実な道です。どの資格から始めるか迷ったときは、実務者研修と介護福祉士を軸に計画を立ててください。
よくある質問
Q. 介護職が最初に取るべき資格は何ですか?
最初に取ることが多いのは介護職員初任者研修です。研修時間は130時間で、介護の基本的な知識と技術を学びます。訪問介護で働くための入口にもなります。無資格で施設に勤めている場合は、採用から1年以内に認知症介護基礎研修を受けることが求められますが、初任者研修を修了していればこの研修の対象から外れます。
Q. 介護福祉士は働きながら何年で受験できますか?
実務経験3年以上と実務者研修の修了がそろえば受験できます。実務経験は従業期間1,095日以上かつ従事日数540日以上と定められているため、勤務日数が少ないと3年では届かないことがあります。試験は年1回で、第39回は2027年1月31日に行われます。第38回試験からは、合格したパートを2年間持ち越せる仕組みが始まっています。
Q. ケアマネジャーの試験は難しいですか?
介護福祉士と比べると難しい試験です。厚生労働省の公表では、第28回試験の合格率は25.6%でした。受験には保健・福祉・医療分野で原則として5年以上かつ900日以上の実務経験が必要です。介護保険の制度やケアプランの作り方など、現場の経験だけでは身につかない知識が問われるので、計画的に勉強の時間を確保してください。
Q. 資格を取る費用を抑える方法はありますか?
勤め先の資格取得支援制度を使う方法が最も一般的です。受講費の全部や一部を事業所が負担してくれることがあります。ほかに、厚生労働大臣が指定した講座なら雇用保険の教育訓練給付を受けられる場合があり、自治体が独自に受講費を補助している例もあります。支援に返還の条件が付いていないかは、受ける前に書面で確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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