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介護事務認定実務者の資格は在宅や扶養内の介護事務でどう役立つか

@SOHO編集部
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介護事務認定実務者の資格は在宅や扶養内の介護事務でどう役立つか

この記事のポイント

  • ✓介護事務認定実務者の資格が
  • ✓介護事務の仕事でどう役立つかを整理しました
  • ✓在宅で働ける範囲の現実

介護事務認定実務者は、介護事務の知識と技能を確かめる民間の資格です。介護保険の仕組みや、介護サービスの費用を請求する書類の作り方を学んだことを示せるため、介護の現場の事務の仕事を初めて目指す人にとって、学ぶ順番の目安と、応募のときの材料の両方になります。

ただし、この資格を取れば在宅で介護事務の仕事が見つかる、というわけではありません。介護事務の仕事の多くは事業所に出勤して行うもので、在宅でできる部分は限られています。一方で、短い時間のパートとして家庭と両立しやすく、扶養の範囲で働く人も多い仕事です。

この記事では、介護事務の仕事の中身、介護事務認定実務者の試験の形式、資格が仕事でどう役立つか、在宅で働ける範囲の現実、扶養内で働くときの収入と社会保険の線、仕事の探し方と学び方を、これから目指す人の目線で順に整理します。

介護事務とはどんな仕事か

介護事務とは、介護サービスを提供する事業所で、事務の仕事を担う職種です。介護保険のサービスを利用する人の情報を管理し、サービスの費用を請求する書類を作ることが、仕事の中心になります。

働く場所としては、次のような事業所があります。

  • 訪問介護の事業所(ホームヘルパーが利用者の家を訪ねてサービスを提供する)
  • 通所介護の事業所(デイサービスとも呼ばれ、利用者が日中に通う)
  • 介護老人福祉施設などの入所の施設
  • 居宅介護支援事業所(ケアマネジャーが介護の計画を作る)

事業所の規模や種類によって、事務の担当が1人だけのところもあれば、複数の事務の職員がいるところもあります。小さな事業所では、介護事務の仕事に加えて、電話の応対、来客の受付、職員の勤務表の作成補助など、事務全般を任されることもあります。

介護報酬の請求

介護事務の仕事でいちばん大切なのが、介護報酬の請求です。介護報酬とは、事業所が介護サービスを提供した対価として受け取る費用のことです。介護保険のサービスは、利用者が費用の一部(原則1割から3割)を負担し、残りは介護保険から支払われます。この介護保険から支払われる分を、事業所が毎月まとめて請求します。

請求先は、各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連と呼ばれます)です。自治体や国保連の案内では、サービスを提供した月の翌月10日までに、インターネットなどで国保連に請求する流れが示されています。毎月の月初めに締切がやってくるため、介護事務の仕事は月初めが特に忙しくなります。

請求に使う書類は、介護給付費明細書と呼ばれ、介護の現場ではレセプトとも呼ばれます。利用者ごとに、どのサービスを何回使ったか、それぞれの単位数(介護報酬の計算のもとになる点数)がいくつか、といった情報をまとめます。今は専用のソフトを使って作るのが一般的です。

利用者の負担分の請求と、日々の事務

利用者の自己負担分の請求書を作り、支払いを受け付けることも介護事務の仕事です。口座からの引き落としの手続きや、入金の確認、未払いがあった場合の連絡なども担当します。

このほか、利用者の契約書類の管理、介護保険の被保険者証の内容の確認、ケアマネジャーや市区町村とのやり取り、職員の実績の記録の取りまとめなど、日々の事務も幅広くあります。

介護事務の1か月の流れ

介護事務の仕事は、毎月の請求の締切を中心に、1か月の中で忙しさの波があります。事業所によって違いますが、おおまかな流れを例で示します。

月初め(1日から10日ごろ)

前の月に提供したサービスの実績を集め、請求の書類を作る、いちばん忙しい時期です。介護職員が書いたサービスの記録と、ケアマネジャーが作った計画を突き合わせ、回数や時間に食い違いがないかを確かめます。食い違いがあれば、担当の職員やケアマネジャーに確かめて直します。確認が済んだら、請求のソフトで明細書を作り、国保連に送ります。

月の半ば

利用者の自己負担分の請求書を作り、利用者や家族に送ります。口座からの引き落としの準備や、前の月の入金の確認もこの時期に行います。月初めの忙しさが落ち着くため、契約書類の整理や、新しく利用を始める人の手続きなど、溜まっていた事務を片付ける時期でもあります。

月の後半

国保連から、請求の審査の結果が届きます。書類に誤りがあって差し戻されたもの(返戻と呼ばれます)があれば、原因を調べて直し、次の請求に備えます。翌月の請求に向けて、サービスの記録が日々きちんと入力されているかを確かめておくと、月初めの作業が楽になります。

このように、介護事務は月の中で忙しさの波がはっきりしています。パートで働く場合は、月初めだけ勤務時間を延ばしてほしいと頼まれることもあるため、面接のときに確かめておきます。

介護保険の仕組みの基本

介護事務の仕事を理解するには、介護保険の仕組みの基本を知っておく必要があります。資格の勉強でも最初に学ぶ部分です。

介護保険は、40歳以上の人が保険料を納め、介護が必要になったときにサービスを利用できる仕組みです。65歳以上の人は第1号被保険者、40歳から64歳までで医療保険に加入している人は第2号被保険者と呼ばれます。

介護保険のサービスを使うには、市区町村に申請して、要介護認定を受ける必要があります。認定の結果は、介護の必要の度合いに応じて、要支援1と2、要介護1から5までの段階に分かれます。

段階ごとに、1か月に介護保険で利用できるサービスの量の上限が決められており、これを区分支給限度基準額と呼びます。上限を超えてサービスを使った分は、全額が利用者の負担になります。介護事務では、利用者ごとにこの上限を超えていないかを確かめることも大切な仕事です。

サービスの費用は、介護報酬の単位数で計算されます。単位数に、地域ごとに決められた1単位あたりの金額をかけて、費用を出します。都市部ほど人件費が高いため、1単位あたりの金額も高めに決められています。

こうした仕組みは、言葉だけを読むと難しく感じますが、実際に例題で計算してみると、流れがつかめるようになります。

介護事務認定実務者とはどんな資格か

介護事務認定実務者は、全国医療福祉教育協会が実施する民間の資格です。国家資格ではなく、この資格がなければ介護事務の仕事ができない、というものではありません。介護事務の仕事は、資格がなくても就くことができます。

それでも、この資格を学ぶ意味があるのは、介護保険の制度、介護サービスの種類、介護報酬の計算、介護給付費明細書の作り方といった、介護事務の仕事に必要な知識を体系的に学べるからです。初めて介護の業界に入る人にとっては、仕事で出てくる言葉や流れをあらかじめ知っておくことで、職場に入ってから覚えることを減らせます。

試験の形式

試験の形式は、主催団体と連携する通信講座の案内では、次のように説明されています。

  • 受験資格はなく、誰でも受けられる
  • 自宅で受ける「在宅受験」と、会場で受ける「会場受験」がある
  • 毎月実施されている
  • 学科(マークシート)20問と、実技(マークシート)2例
  • テキストや資料を見ながら解答できる
  • 合格の目安は、原則として学科と実技それぞれで正答率6割以上

受験料や試験の日程、申し込みの方法は変わることがあります。受験を考えたら、主催団体の最新の案内で確かめます。

資料を見ながら受けられる理由

この試験の特徴は、テキストや資料を見ながら解答できる点です。これは、介護事務の実際の仕事が、介護報酬の単位数の一覧や制度の資料を見ながら進めるものだからです。すべてを暗記している必要はなく、必要な情報をどこで調べればよいかを知っていて、正しく計算できることが求められます。

暗記が苦手な人でも取り組みやすい一方で、資料を見ればすぐ解けるほど簡単なわけではありません。実技の問題では、介護報酬の計算と明細書の作成を、限られた時間の中で正確に行う必要があります。資料のどこに何が書いてあるかを、学習の段階で手に覚えさせておくことが合格への近道です。

資格が仕事でどう役立つか

介護事務認定実務者の資格は、仕事の場面で次のように役立ちます。

応募のときに、学んだことを示せる

介護事務の求人の中には、資格を応募の条件にしていないものも多くあります。それでも、未経験から応募する場合、資格を持っていることは「介護保険の基礎を学んできた」ことを示す材料になります。履歴書に書けるだけでなく、面接で「どんな勉強をしたか」を具体的に話すきっかけにもなります。

職場に入ってからの立ち上がりが早くなる

介護事務の職場では、「区分支給限度基準額」「加算」「サービスコード」など、初めて聞く人には分かりにくい言葉が日常的に飛び交います。資格の勉強でこうした言葉に触れておくと、先輩の説明が理解しやすくなり、仕事を覚える速さが変わります。

介護の現場の職員と話が通じやすくなる

介護事務は、介護職員やケアマネジャーと連携して仕事を進めます。サービスの記録に抜けがあれば、介護職員に確かめる必要がありますし、計画と実績が合わなければ、ケアマネジャーとやり取りする必要があります。制度の仕組みを知っていると、こうしたやり取りがスムーズになります。

家族の介護にも役立つ

資格で学ぶ介護保険の知識は、仕事だけでなく、自分の家族が介護保険のサービスを使うときにも役立ちます。要介護認定の流れや、サービスの使い方、自己負担の仕組みを知っておくことで、いざというときに慌てずに済みます。

逆に言えば、資格を持っているだけで給与が上がる、採用が約束される、というものではありません。資格は入口の知識を示すもので、実際の仕事で信頼されるかどうかは、正確さと丁寧さの積み重ねで決まります。

在宅で介護事務の仕事はできるのか

「介護事務の資格を取って、在宅で働きたい」と考える人は少なくありません。結論から書くと、介護事務の仕事を完全に在宅で行える求人は、多くありません。

理由の1つは、介護事務の仕事が、事業所の中にある書類や情報を扱うことです。利用者の契約書類、職員が書いたサービスの記録、介護保険の被保険者証の写しなど、紙の書類も多く残っています。利用者の個人情報を扱うため、事業所の外に持ち出すことには慎重にならざるを得ません。

もう1つの理由は、介護事務が事業所の中での連絡役を担っていることです。介護職員に記録の抜けを確かめる、来客や電話に応じる、利用者の家族からの問い合わせに答える、といった仕事は、事業所にいるからこそできるものです。

一方で、介護の記録や請求の仕組みがデジタルになってきたことで、事務の一部を事業所の外から行う働き方も出てきています。請求のソフトがインターネット上で使えるものであれば、技術的には自宅から作業することもできます。ただ、実際に在宅でできるかどうかは、事業所の方針と、情報の扱いの決まりによります。

在宅で働きたい場合の現実的な道は、次のようなものです。

  • まずは事業所に勤めて、介護事務の実務の経験を積む
  • 経験を積んだあとで、在宅の勤務を一部認めている事業所に移る、または今の職場で在宅の勤務を相談する
  • 介護の業界の知識を生かして、介護の分野の記事を書く仕事など、在宅でできる関連の仕事に広げる

いきなり在宅を目指すより、まずは事業所で実務を経験することが、結果として在宅の働き方に近づく早道になります。

扶養内で働くときに知っておきたい線

介護事務は、短い時間のパートとして募集されることも多く、家族の扶養の範囲で働く人も少なくありません。扶養の範囲で働く場合に、知っておきたい収入の線を整理します。ここで挙げる数字は、令和8年の時点で公式の案内に載っているものです。

健康保険の扶養

家族の健康保険の扶養に入るための収入の線は、日本年金機構の案内で次のように説明されています。

年間収入130万円未満(60歳以上または障害者の場合は、年間収入180万円未満)かつ 同居の場合:収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満 出典: nenkin.go.jp

同じ案内では、扶養の認定日が令和7年10月1日以降で、認定を受ける人が19歳以上23歳未満の場合は、年間収入150万円未満に変わると説明されています(配偶者は除きます)。

ここでいう年間収入は、過去の収入ではなく、これから先の1年間の見込みの収入で判断されるのが一般的です。月ごとの収入が多い時期が続くと、扶養から外れることもあります。どう判断されるかは、加入している健康保険の窓口で確かめます。

勤め先の社会保険に入る線

パートで働く人も、条件を満たすと、勤め先の健康保険と厚生年金に自分で加入することになります。厚生労働省の案内では、短時間で働く人が加入の対象になる主な条件として、週の決められた労働時間が20時間以上であること、2か月を超えて雇われる見込みがあること、学生でないことが挙げられています。

勤め先の規模の条件もあり、現在は従業員が51人以上の事業所が対象です。厚生労働省の案内によると、2027年10月からは36人から50人の事業所にも広がります。

以前は「月額8.8万円以上」という賃金の条件もありましたが、厚生労働省の社会保険の適用拡大の案内によると、この賃金の条件は2026年10月に撤廃されました。いわゆる「106万円の壁」を気にする必要はなくなり、今は週の労働時間で判断されます。

税金の扶養

配偶者控除や扶養控除の対象になる収入の線も、令和8年分から変わっています。給与だけの場合、配偶者控除や扶養控除の対象になるのは、給与の収入が136万円以下の場合です。いわゆる「103万円の壁」は、今の数字ではありません。

扶養の範囲で働くかどうかは、家族の収入、家計の事情、将来の年金なども含めて考える必要があります。勤め先に社会保険の加入の対象になるかを確かめ、扶養に入っている健康保険の窓口や、税務署で、自分の場合の扱いを確かめてから働く時間を決めます。

医療事務との違い

介護事務と並んでよく比べられるのが、医療事務です。どちらも保険の請求を担う事務の仕事ですが、違いがあります。

項目 介護事務 医療事務
働く場所 介護サービスの事業所 病院、診療所など
扱う保険 介護保険 健康保険などの医療保険
請求の書類 介護給付費明細書 診療報酬明細書
窓口の仕事 利用者や家族の対応が中心 患者の受付と会計が中心

医療事務は、病院の受付や会計など、患者と直接接する窓口の仕事が多いのが特徴です。介護事務は、利用者が毎日窓口に来るわけではなく、事業所の中での書類の仕事や、職員との連絡が中心になります。

請求の仕組みも違います。医療の請求は、患者が受けた診療や処方の内容をもとに計算します。介護の請求は、ケアマネジャーが作った計画と、実際に提供したサービスの記録をもとに計算します。

どちらが向いているかは、人と接することと書類の仕事のどちらを好むか、働きたい地域にどちらの求人が多いか、で考えると選びやすくなります。両方の知識を持っていると、医療と介護の両方のサービスを提供する事業所で働く道も開けます。医療事務の資格の情報は、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)の解説でも確かめられます。

介護事務に向いている人

介護事務の仕事に向いているのは、次のような人です。

1つ目は、細かい確認を苦にしない人です。介護報酬の請求では、サービスの回数や時間が1つ違うだけで、請求が差し戻されたり、利用者の負担額が間違ったりします。記録と計画を1件ずつ照らし合わせる作業を、丁寧に続けられることが大切です。

2つ目は、人とのやり取りが苦にならない人です。介護事務は書類の仕事が中心ですが、記録の抜けを介護職員に確かめる、利用者の家族からの問い合わせに答える、といった場面も多くあります。相手の立場を考えて、言いにくいことも穏やかに伝えられる人は、職場で頼りにされます。

3つ目は、制度の変化に合わせて学び続けられる人です。介護保険の制度は定期的に見直され、そのたびに単位数や加算の決まりが変わります。改定のたびに新しい内容を確かめ、仕事のやり方を合わせていく必要があります。

パソコンの操作に慣れていることも、今の介護事務では欠かせません。請求のソフトや表計算のソフトを使う場面が多いため、基本的な操作ができると、仕事を覚えるのが早くなります。

利用者の個人情報の扱い

介護事務は、利用者の氏名や住所だけでなく、心身の状態や介護の必要の度合い、家族の状況など、とても繊細な個人情報を扱う仕事です。

事業所では、個人情報の扱いの決まりが定められています。書類を机の上に出しっぱなしにしない、パソコンの画面を離れるときはロックする、書類を事業所の外に持ち出さない、といった基本を守ることが求められます。

電話で問い合わせを受けたときも注意が必要です。相手が本当に利用者の家族かどうかを確かめずに、利用者の情報を伝えてしまうことは避けます。分からないときは、上司や担当のケアマネジャーに確かめてから答えます。

こうした情報の扱いの厳しさが、介護事務の仕事を在宅で行いにくい理由の1つでもあります。在宅での勤務を検討する事業所でも、情報の扱いの決まりをどう守るかが、最初に問われる点になります。

介護事務の仕事の探し方

介護事務の仕事を探す方法は、いくつかあります。

ハローワーク

ハローワークには、地域の介護事業所の求人が多く集まります。窓口で相談すれば、未経験でも応募しやすい求人や、短い時間で働ける求人を一緒に探してもらえます。

求人サイト

介護の業界に特化した求人サイトや、一般の求人サイトでも、介護事務の求人を探せます。「介護事務」「医療事務」「受付」などの言葉で検索すると、幅広く見つかります。

事業所への直接の問い合わせ

近所の介護事業所に、事務の募集をしていないか直接問い合わせる方法もあります。小さな事業所では、求人を広く出さずに、知り合いの紹介などで事務の職員を見つけていることもあります。

求人を見るときの確認点

求人を見るときは、次の点を確かめます。

  • 介護事務だけを担当するのか、受付や介護の補助も兼ねるのか
  • 使っている請求のソフトの名前と、教えてもらえる体制があるか
  • 月初めの請求の時期に、勤務時間が延びることがあるか
  • 扶養の範囲で働けるよう、勤務時間を調整できるか
  • 事務の担当が自分1人なのか、複数いるのか

特に、事務の担当が1人だけの小さな事業所では、休みを取りにくい、相談できる相手がいない、といった悩みが出やすくなります。未経験から始めるなら、先輩の事務の職員がいる事業所のほうが、仕事を覚えやすい環境です。

未経験から応募するときの準備

介護事務の経験がない人が応募するときは、次の点を意識して準備すると、採用する側に安心してもらいやすくなります。

履歴書には学んだ中身を書く

資格を取った場合は、資格の名前だけでなく、「介護保険の仕組みと介護報酬の計算、介護給付費明細書の作成を学びました」のように、学んだ中身を一言添えます。まだ勉強中の場合も、「現在、介護事務認定実務者の資格の取得に向けて学習中」と書いておけば、意欲と準備の状況が伝わります。

前の仕事の経験をつなげる

介護の業界が初めてでも、前の仕事の経験が生きる場面はあります。一般の事務、経理、販売の会計、接客など、正確に数字を扱った経験や、人と丁寧に話した経験は、そのまま介護事務に生かせます。面接では、前の仕事でどんな工夫をして間違いを防いでいたかを、具体的に話せるようにしておきます。

働ける時間を正直に伝える

家庭の事情で働ける時間が限られている場合は、最初に正直に伝えます。月初めの忙しい時期に勤務を延ばせるかどうかも、事業所にとっては大切な情報です。無理な約束をして、あとで勤務を続けられなくなるより、最初に条件をすり合わせておくほうが、お互いに長く働けます。

事業所の雰囲気を見ておく

面接のときに、事務の職員が何人いるか、請求のソフトは何を使っているか、仕事を教えてくれる人はいるか、を聞いておきます。可能であれば、事務の席の様子を見せてもらうと、働く姿を想像しやすくなります。

働き始めてから最初の3か月

介護事務の仕事を始めたら、最初の3か月は、請求の流れを一通り経験することを目標にします。

1か月目は、先輩の作業を見ながら、事業所の利用者の顔ぶれや、サービスの種類、記録の保管場所を覚える時期です。請求の作業は、先輩の横で流れを見せてもらい、分からない言葉を書き留めておきます。

2か月目は、一部の利用者の分の請求を、自分で作ってみる時期です。作ったものは必ず先輩に確かめてもらい、間違えた点を記録しておきます。同じ間違いを2回しないことを意識するだけで、上達の速さが変わります。

3か月目には、返戻の対応など、少し難しい作業にも関わるようになります。返戻の原因を調べることは、請求の仕組みを深く理解するいちばんの近道です。

この3か月を丁寧に過ごすと、4か月目以降は、自分で請求の流れを回せるようになっていきます。資格の勉強で学んだ知識が、実際の仕事の中でつながっていくのを感じられる時期でもあります。

資格の学び方

介護事務認定実務者の学び方は、大きく分けて2つあります。

通信講座で学ぶ

教材が届き、自宅で自分のペースで学ぶ方法です。主催団体の試験に対応した講座では、受講中に在宅で試験を受けられる仕組みを用意しているものもあります。家事や育児の合間に学びたい人に向いています。費用は講座によって違うため、各講座の案内で確かめます。

独学で学ぶ

市販のテキストで学ぶ方法です。費用を抑えられる反面、介護報酬の計算や明細書の作成は、最初は戸惑いやすい部分です。独学で進める場合は、例題を繰り返し解いて、計算の流れを手に覚えさせます。

どちらの方法でも、学ぶときに意識したいのは、制度の数字や単位数が改定されることです。介護報酬は原則として3年ごとに見直され、その間にも細かな改定があります。古いテキストで学ぶと、今の制度と違う内容を覚えてしまうおそれがあります。教材を選ぶときは、いつの制度に対応しているかを確かめます。

学習の進め方の例

初めて学ぶ人の学習の進め方の例を示します。

  1. 介護保険の仕組み(誰が保険料を払い、誰がサービスを使えるか)を理解する
  2. 介護サービスの種類と、それぞれの特徴を知る
  3. 介護報酬の単位数と、加算や減算の考え方を学ぶ
  4. 例題で、介護報酬を計算する練習をする
  5. 介護給付費明細書の書き方を学び、実際に書いてみる
  6. 過去の問題や模擬の問題で、時間内に解く練習をする

最初の2つは、ふだんの生活の中で介護保険のニュースや市区町村の案内を読むことでも理解が深まります。住んでいる市区町村が配っている介護保険の手引きは、制度の全体像が分かりやすくまとめられていることが多く、学び始めの教材としても役立ちます。計算の練習に入ったら、1日に数問ずつでも毎日続けるほうが、週末にまとめて解くより手順が身につきやすくなります。

関連する資格と、その先のキャリア

介護事務の仕事を続けていくと、さらに知識を広げたいと考える人もいます。

医療機関の事務に関心がある人は、医療事務の資格に進む道があります。介護と医療は密接につながっているため、両方の請求の仕組みを知っている人は、医療と介護の両方のサービスを提供する事業所などで重宝されます。

介護の現場そのものに関わりたい人は、介護職員初任者研修などの研修を受けて、介護の仕事に進む道もあります。事務の経験があると、記録の大切さや制度の仕組みが分かっているため、現場でも役立ちます。

事務の仕事として力を伸ばしたい人には、書類の作成の力を磨く道もあります。介護の事業所では、利用者や家族への案内文、行政への提出書類など、正確な文章が求められる場面が多くあります。ビジネスの文書の書き方を体系的に学べるビジネス文書検定のような資格は、事務の仕事全般の基礎を固めるのに役立ちます。

また、介護の事業所が職員の研修に使える助成金の制度もあります。勤め先が職員の資格の取得を支援している場合は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法のような制度の情報も参考になります。

介護の分野で働く人を見てきて感じること

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、介護の分野の知識を持つ人は、事業所の外でもその知識を生かす場面が増えています。介護保険の制度を正しく理解している人は、介護の分野の記事の執筆や監修、介護の事業所向けのソフトの使い方の説明資料の作成など、在宅でできる仕事にもつながっています。

こうした仕事では、制度を正しく分かりやすく伝える力が評価されます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、専門知識を持つ人の手取りが厚くなり、発注する側も専門家に直接頼みやすくなります。介護事務で身につけた正確さと制度の知識は、そうした取引の土台になります。

介護の分野の文章の仕事に関心がある人は、自分の書いたものをまとめる方法として、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】も参考になります。介護の事業所で使われる記録や請求の仕組みを作る側に関心がある人は、業務の仕組みを作るアプリケーション開発のお仕事のような仕事もあります。

介護事務認定実務者の資格は、介護事務の世界に入るための地図のようなものです。資格そのものより、学んだ知識を職場で正確に使い続けることが、信頼される介護事務の職員への道になります。

よくある質問

Q. 介護事務認定実務者の資格がないと介護事務の仕事はできませんか?

資格がなくても介護事務の仕事に就くことはできます。介護事務認定実務者は民間の資格で、国家資格のように仕事をするために必須のものではありません。ただ、介護保険の仕組みや介護報酬の請求の流れを体系的に学べるため、未経験から応募するときに学んだことを示す材料になり、職場に入ってからの立ち上がりも早くなります。

Q. 介護事務認定実務者の試験は難しいですか?

主催団体と連携する通信講座の案内では、受験資格はなく、テキストや資料を見ながら解答でき、合格の目安は学科と実技それぞれで正答率6割以上とされています。暗記が苦手な人でも取り組みやすい一方、実技では介護報酬の計算と明細書の作成を時間内に正確に行う必要があり、例題を繰り返し解く練習が欠かせません。

Q. 介護事務は在宅でできる仕事ですか?

完全に在宅で行える求人は多くありません。介護事務は事業所の中の書類や利用者の個人情報を扱い、介護職員との連絡役も担うため、出勤して行うのが一般的です。まず事業所で実務の経験を積み、在宅の勤務を一部認めている事業所に移る、介護の知識を生かした在宅の仕事に広げる、といった道が現実的です。

Q. 扶養内で介護事務のパートをするときは何に気をつければよいですか?

健康保険の扶養は年間収入130万円未満(19歳以上23歳未満は150万円未満)が目安です。勤め先の社会保険は、週20時間以上などの条件を満たすと加入の対象になり、月額8.8万円以上の賃金の条件は2026年10月に撤廃されました。自分の場合の扱いは、健康保険の窓口や勤め先で確かめてから勤務時間を決めてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月1日最終更新:2026年10月16日
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