介護福祉士が現場以外で働く仕事|生かせる職種


この記事のポイント
- ✓介護福祉士が現場以外で働く仕事を
- ✓資格がそのまま要件になる職種から順に解説します
- ✓養成施設や実務者研修の教員
介護福祉士として働いてきて、「体力的に今の働き方を続けるのが難しい」「夜勤のない仕事に移りたい」「介護の経験をほかの形で生かしたい」と考えるのは、決して珍しいことではありません。結論を先に書くと、介護福祉士の資格と経験は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員、介護の教員のように、法律や国の基準で要件として名前が挙がっている仕事に直接つながっていて、直接の介護以外にも生かせる道は多くあります。この記事では、介護福祉士という資格が何を証明しているのかを整理したうえで、現場以外の主な職種、それぞれに必要な経験、移るときの準備までを順に説明します。
介護福祉士の資格が証明しているもの
現場以外の仕事を考える前に、介護福祉士という資格が法律の上でどういうものかを確かめておくと、生かせる仕事の範囲が見えやすくなります。社会福祉士及び介護福祉士法では、介護福祉士を次のように定めています。
この法律において「介護福祉士」とは、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であつて、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。 出典: e-Gov法令検索「社会福祉士及び介護福祉士法」
ここで注目したいのは、介護そのものに加えて、「その者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと」までが介護福祉士の仕事に含まれている点です。つまり、介護福祉士は、自分で介護をする人であると同時に、家族やほかの職員に介護の方法を教えられる人として位置づけられています。現場以外の仕事の多くは、この「教える」「伝える」「調整する」という部分を中心にした仕事です。
介護福祉士は、名前を名乗れる人が法律で限られている「名称独占」の資格です。介護の仕事そのものは資格がなくてもできますが、介護福祉士を名乗れるのは登録を受けた人だけです。このため、介護福祉士の資格は、介護の知識と技術を国の基準で身につけたことを示す目印として、介護の現場以外でも信頼の材料になります。
介護福祉士の資格を生かせる現場以外の仕事について、介護の求人サービスを運営する企業は次のように紹介しています。
介護福祉士の資格・経験を活かせる現場以外の仕事は、介護福祉士養成施設や福祉系高校の教員など多くあります。 出典: job.kiracare.jp
介護福祉士が現場以外で働く主な職種
介護福祉士の資格と経験を生かせる現場以外の仕事を、仕事の中心が何かで整理すると次のようになります。
| 職種 | 仕事の中心 | 介護福祉士との関係 |
|---|---|---|
| ケアマネジャー(介護支援専門員) | ケアプランの作成と関係者の調整 | 介護福祉士として5年以上の経験で試験を受けられる |
| 福祉用具専門相談員 | 福祉用具の選び方の助言 | 介護福祉士は法令で要件を満たす資格として挙げられている |
| 介護の養成施設の教員 | 介護福祉士を目指す人への授業 | 取得後5年以上の実務経験などが要件 |
| 実務者研修・初任者研修の講師 | 介護の研修での指導 | 介護福祉士としての経験が要件の中心 |
| 生活相談員・支援相談員 | 入所や利用の相談、家族との調整 | 要件は自治体や施設の種類で変わる |
| 介護の事業所の管理・運営 | 職員の配置、書類、運営の管理 | 現場の経験が判断の土台になる |
| 企業での仕事 | 介護用品の開発や営業、介護サービスの企画 | 現場を知る人として求められる |
| 在宅でできる仕事 | 介護の記事の執筆、研修の資料作り | 介護の知識と経験がそのまま中身になる |
ここからは、それぞれの仕事の中身と、移るときに必要な経験を説明します。
ケアマネジャー:介護福祉士から最も多く選ばれる道
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護が必要な人とその家族の話を聞き、どの介護サービスをどのくらい使うかを決める計画(ケアプラン)を作る仕事です。計画を作ったあとも、サービスを提供する事業所との連絡や、計画どおりに支援が進んでいるかの確認を続けます。直接の介護はほとんどなく、面談と書類の作成、関係者との調整が中心です。
ケアマネジャーになるには、都道府県が行う介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、そのあと実務研修を修了する必要があります。試験を受けるための条件は、介護保険法施行規則で次のように定められています。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 国家資格による業務 | 介護福祉士、社会福祉士、看護師などの資格にもとづく業務に従事した期間 |
| 相談援助の業務 | 老人福祉施設などで、生活の相談に応じて助言や指導を行う業務に従事した期間 |
| 必要な年数 | 上の2つを通算して5年以上 |
介護福祉士として介護の業務を5年以上続けていれば、この条件を満たします。条文は、e-Govの介護保険法施行規則で読めます。介護福祉士の資格を取った時点からの年数で数えるので、資格を取る前の介護の経験は、この国家資格による業務の期間には入らない点に注意します。試験の日程や申し込みの方法は都道府県ごとに違うので、住んでいる都道府県の案内で確かめます。
ケアマネジャーの仕事は、夜勤がなく日中の勤務が中心になることが多いため、体力面の負担を減らしたい介護福祉士がよく選ぶ道です。一方で、利用者や家族、医師、事業所など多くの人との調整が必要で、書類の量も多い仕事です。現場の介護とは違う種類の大変さがあることを知ったうえで目指すと、移ってからの行き違いが少なくなります。
福祉用具専門相談員:法令で要件に挙げられている仕事
福祉用具専門相談員は、車いすや介護用のベッド、歩行器、手すりなどの福祉用具を、介護が必要な人に貸し出したり販売したりするときに、どの用具が合うかを助言する仕事です。福祉用具の貸与(レンタル)や販売の事業所で働きます。
介護保険法施行令では、福祉用具専門相談員として認められる人に、保健師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・義肢装具士と並んで、介護福祉士が挙げられています。条文は、e-Govの介護保険法施行令の第4条で読めます。これらの資格を持たない人は、都道府県が指定する講習を修了する必要がありますが、介護福祉士はその講習を受けなくても要件を満たします。
福祉用具専門相談員の仕事は、利用者の自宅を訪問して体の状態や住まいの様子を確かめ、合う用具を提案し、使い方を説明することです。介護の現場で、利用者がどの動作でつまずきやすいか、介助する側がどこで負担を感じるかを見てきた経験は、用具を選ぶときの判断にそのまま生きます。用具の搬入や組み立てで体を使う場面はありますが、夜勤はなく、日中の訪問が中心です。
福祉用具の貸与の事業所で働く人が使える研修の助成金については、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で紹介しています。事業所が職員の研修に国の助成金を使える仕組みなので、転職先で研修を受けるときの参考になります。
介護の教員と研修の講師:経験を次の世代に伝える
介護福祉士の経験を生かして、介護を学ぶ人に教える仕事もあります。
介護福祉士の養成施設の教員
介護福祉士を目指す人が通う専門学校や短期大学などの養成施設では、専任の教員を配置することが国の基準で決められています。社会福祉士介護福祉士学校指定規則では、介護の領域を教える専任教員のうち1人は、介護福祉士の資格を取得したあと5年以上の実務経験を持つ人を配置することと定められています。条文は、e-Govの社会福祉士介護福祉士学校指定規則で読めます。
養成施設の教員になるには、実務経験に加えて、教員になるための講習の修了などが求められるのが一般的です。教員の採用は学校ごとに行われるので、目指す学校の募集要項で条件を確かめます。
実務者研修や初任者研修の講師
介護の仕事に就く人が受ける実務者研修や初任者研修でも、講師として介護福祉士が活躍しています。同じ指定規則では、実務者研修を行う施設の専任教員について、教員の講習会を修了したうえで、介護福祉士の資格を取得してから5年以上の実務経験を持つ人などとする要件が定められています。初任者研修の講師の要件は、研修を指定する都道府県の基準で決まっているので、講師を目指す地域の案内で確かめます。
研修の講師は、研修を行う会社や学校に雇われて働く形のほか、決まった日だけ授業を受け持つ非常勤の形もあります。現場で働きながら、休みの日に講師を務める人もいます。
教える仕事では、授業の資料を作ったり、受講者のレポートに講評を書いたりする機会が多くあります。分かりやすい文書を書く基本は、ビジネス文書検定の資格ガイドで、試験で問われる内容を確かめられます。
相談や調整の仕事
介護の施設には、直接の介護を担当する職員のほかに、利用者や家族の相談に応じ、ほかの機関との調整を担当する職員がいます。
特別養護老人ホームやデイサービスなどで働く生活相談員は、施設への入所や利用の相談、契約の手続き、家族との連絡、市区町村やケアマネジャーとの調整を担当します。介護老人保健施設では、同じような役割の人を支援相談員と呼びます。
特別養護老人ホームの基準では、生活相談員は社会福祉法第19条第1項の各号(社会福祉主事の任用資格の要件で、社会福祉士や精神保健福祉士などが含まれます)に当てはまる人か、これと同等以上の能力があると認められる人でなければならないとされています。どのような人を同等以上と認めるかは自治体によって扱いが分かれることがあり、介護福祉士の資格や実務経験をどう扱うかも地域によって違う場合があります。生活相談員を目指すときは、働きたい地域の自治体の基準と、応募する施設の求人の条件の両方を確かめます。
相談や調整の仕事は、施設の中で働きながら直接の介護から少し離れられる働き方です。現場の介護の流れを知っている人は、家族の相談に具体的に答えられるため、施設の中でも頼りにされます。
事業所の管理と運営の仕事
介護の事業所には、事業所全体をまとめる管理者や、訪問介護の事業所でヘルパーの調整を担当するサービス提供責任者といった役割があります。
サービス提供責任者は、利用者ごとの訪問介護の計画を作り、どのヘルパーがいつ訪問するかを調整し、ヘルパーへの指導も行う役割です。介護福祉士は、この役割を担える資格として認められています。自分で訪問介護に出ることもありますが、調整と書類の仕事が多くを占めます。
事業所の管理者は、職員の採用や配置、勤務表の作成、介護報酬の請求、行政への書類の提出など、事業所の運営全体を担当します。現場の介護の経験は、職員の働き方を考えたり、利用者からの相談に答えたりするときの判断の土台になります。
管理や運営の仕事では、介護の知識に加えて、パソコンでの書類作成や数字の管理、職員との面談の力が求められます。現場のリーダーとして新人の指導や勤務表の作成を経験しておくと、管理の仕事に移りやすくなります。
企業や行政での仕事
介護の事業所の外にも、介護福祉士の経験を生かせる仕事があります。
介護用品や福祉用具を作るメーカーでは、現場で実際に使う人の目線を持った人材が、商品の企画や営業、使い方の説明会の講師として求められることがあります。介護の記録や請求のソフトを作る会社では、現場の流れを知る人が、導入の支援や使い方の問い合わせの対応を担当することもあります。介護サービスを始めたい企業が、現場を知る人に企画の相談をすることもあります。
介護の現場では、記録や請求の仕事をパソコンやタブレットで行う流れが進んでいて、AIを使って記録の作成を助ける仕組みも出てきています。こうした道具を現場に合わせて導入する仕事は、現場の経験とITの知識の両方が求められる分野です。AIを業務に生かす仕事の種類については、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。
行政の分野では、介護が必要かどうかを判断するための聞き取りを行う認定調査の仕事があります。認定調査は、市区町村の職員が行うほか、市区町村から委託を受けた事業者などが行います。調査員の募集の条件は自治体ごとに違うので、住んでいる地域の求人で確かめます。
在宅でできる仕事
介護福祉士の知識と経験は、在宅でできる仕事にも生かせます。代表的なのは、介護に関する記事の執筆です。介護の制度の解説、家族が自宅で介護するときのコツ、介護の仕事の始め方など、介護の経験を持つ人が書くからこそ具体的に書ける内容はたくさんあります。
執筆の仕事を受けるときは、これまでに書いた文章や、介護の現場で担当してきた仕事を、依頼する側に分かる形で示すことが大切です。書いた記事の見せ方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で紹介しています。介護の分野に詳しい書き手として実績を積んでいけば、専門性の高い記事を任されるようになり、単価の交渉もしやすくなります。単価の上げ方の考え方は、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で紹介しています。
ほかにも、介護の研修の教材や動画の台本作り、介護の事業所向けの書類のひな形作りなど、在宅で受けられる仕事があります。ただし、在宅の仕事だけで介護の現場と同じ程度の収入を得られるとは限らないので、最初は現場の仕事と組み合わせながら始めるのが現実的です。
移る先ごとの1日の流れ
現場以外の仕事を選ぶときは、仕事の名前だけでなく、1日をどう過ごすのかを知っておくと、自分に合うかどうかを判断しやすくなります。代表的な職種の一般的な流れを紹介します。
ケアマネジャーの1日
居宅介護支援の事業所で働くケアマネジャーは、朝に事業所でその日の予定とメールを確かめ、午前と午後に利用者の自宅を訪問して面談を行います。訪問では、体の状態や暮らしの変化、サービスへの要望を聞き取ります。事業所に戻ったあとは、面談の記録をまとめ、サービスを提供する事業所や医療機関と電話やメールで連絡を取り、ケアプランの見直しや書類の作成を進めます。月の初めには、前の月のサービスの実績を確かめる作業が集中します。
福祉用具専門相談員の1日
福祉用具の事業所で働く福祉用具専門相談員は、ケアマネジャーからの依頼を受けて利用者の自宅を訪問し、体の状態や家の中の段差、廊下の幅などを確かめます。そのうえで合う用具を提案し、搬入の日には組み立てと使い方の説明を行います。貸し出したあとも定期的に訪問して、用具が合っているか、壊れていないかを確かめます。移動が多く、車の運転が求められることもよくあります。
研修の講師の1日
実務者研修や初任者研修の講師は、授業のある日に教室で講義と演習を担当します。介護の技術の演習では、ベッドや車いすを使って、受講者に介助の方法を実際に体験してもらいます。授業のない時間には、資料の準備や受講者の課題の確認を行います。非常勤の講師として、授業のある日だけ働く人も多くいます。
どの仕事にも共通しているのは、利用者と接する時間が現場の介護より短くなり、その分、記録と調整と説明の時間が長くなることです。この変化を前向きに受け止められるかが、現場以外の仕事を続けられるかどうかの分かれ目になります。
介護福祉士の次に取ると役立つ資格
現場以外の仕事を目指すとき、介護福祉士に加えて別の資格を取っておくと、選べる仕事の幅が広がります。
まず挙げられるのが、先に紹介したケアマネジャーです。介護福祉士として5年以上の経験があれば試験を受けられるので、現場で経験を積みながら目指せる資格です。ケアマネジャーの資格を持っていると、居宅介護支援の事業所だけでなく、施設のケアマネジャーや、地域の相談の窓口でも働く道が開けます。
次に、社会福祉士があります。社会福祉士は、福祉に関する相談に応じ、助言や関係者との調整を行う国家資格で、生活相談員や地域の相談の窓口、病院の相談員などの仕事に直結します。受験資格を得るための道は学歴や実務経験によって分かれているので、試験を実施する社会福祉振興・試験センターの案内で、自分に当てはまる道を確かめます。
住まいの環境を整える分野に関心がある人には、東京商工会議所が実施する福祉住環境コーディネーター検定試験があります。高齢の人や障害のある人が暮らしやすい住まいについて学べる検定で、福祉用具の事業所や住宅のリフォームの会社で知識を生かせます。試験の方式や日程は東京商工会議所の検定サイトで確かめられます。
資格を選ぶときは、資格の数を増やすことより、移りたい仕事に直接つながるものを優先します。ケアマネジャーを目指すのか、相談の仕事を目指すのか、住まいや用具の仕事を目指すのかで、次に取る資格が決まります。
職務経歴書に書いておきたいこと
介護の現場から現場以外の仕事に応募するとき、職務経歴書には、介護の仕事の中で「教える」「伝える」「調整する」場面を担当した経験を具体的に書いておくと評価されやすくなります。
たとえば、次のような経験は、現場以外の仕事でそのまま強みになります。
- 新人の職員に介助の方法を教え、独り立ちまでの指導を担当した
- 家族に自宅での介護の方法や福祉用具の使い方を説明した
- ケアマネジャーや看護職員、医師と連絡を取り合い、利用者の状態の変化を伝えた
- 勤務表の作成やフロアのリーダーとして、職員の配置を考えた
- 施設の行事や研修の企画、資料の作成を担当した
経験を書くときは、「何人の新人を指導したか」「どのくらいの期間、リーダーを務めたか」のように、数字で示せるところは数字で示します。介護の現場を知らない企業の採用担当者にも伝わるよう、専門用語は言い換えて書くことも大切です。
面接では、なぜ現場以外の仕事を選ぶのかを聞かれることがよくあります。「体がきつい」「夜勤がつらい」という理由だけでなく、現場で感じたことをもとに、新しい仕事で何をしたいのかを話せるよう準備しておきます。たとえば、「家族への説明を担当する中で、介護が始まる前の段階から関わりたいと感じた」という理由は、ケアマネジャーや相談の仕事を目指す動機として伝わりやすいものです。
経験の年数ごとの進み方
現場以外の仕事に移るときの進み方は、介護福祉士としての経験の年数によって変わります。
介護福祉士を取ってから5年未満の人
ケアマネジャーの試験や養成施設の教員の要件は、介護福祉士を取ってからの実務経験で決まるため、この段階ではまだ条件を満たしていないことが多くなります。すぐに移れる現場以外の仕事としては、介護福祉士であれば要件を満たせる福祉用具専門相談員や、訪問介護のサービス提供責任者などがあります。ケアマネジャーを将来の目標にするなら、現場の仕事を続けながら、相談や記録の仕事を少しずつ担当させてもらい、5年の経験を積む間に準備を進めます。
介護福祉士を取ってから5年以上の人
ケアマネジャーの試験を受けられるようになり、養成施設や実務者研修の教員の要件にも手が届く段階です。現場でリーダーや新人の指導を担当してきた人は、その経験を生かして、教える仕事や管理の仕事も選べます。どの道を選ぶかは、利用者や家族と関わりたいのか、職員や学生に教えたいのか、事業所の運営に関わりたいのかで考えます。
年齢を重ねてから移りたい人
体力の面で現場の仕事を続けることが難しくなってから移る場合は、経験の長さそのものが強みになります。長く現場で働いてきた人の話は、研修の受講者や新人の職員にとって説得力があり、家族の相談に応じる場面でも信頼を得やすくなります。一方で、パソコンでの書類作成に慣れていない場合は、移る前に基本の操作を身につけておくと、移ったあとの負担を減らせます。
移る前に、今の職場で試せること
現場以外の仕事に移る前に、今の職場で試せることもあります。いきなり転職するより、まず今の職場で役割を広げてみると、自分に合うかどうかを確かめられます。
1つは、施設の中の委員会や研修の担当を引き受けることです。介護の施設では、事故の防止や感染症の対策、職員の研修などを話し合う委員会が開かれていることが多く、その資料作りや研修の講師を担当すると、教える仕事や管理の仕事の一部を経験できます。
もう1つは、家族への説明や、ケアマネジャーとの連絡を担当させてもらうことです。相談や調整の仕事に興味がある人は、日々の介護の中でこうした役割を担うことで、仕事の進め方や自分の向き不向きが分かります。
こうした経験は、転職するときの職務経歴書にも書ける実績になります。今の職場で役割を広げてみて、それでも現場以外の仕事に移りたいと感じたら、そのときに求人を探し始めても遅くはありません。
現場以外の求人を探すときの見方
現場以外の仕事の求人は、介護の現場の求人に比べて数が少なく、募集の時期も不定期なことが多いので、探し方にも工夫が必要です。
求人票では、まず仕事内容の欄を細かく読みます。「生活相談員」と書かれていても、人手が不足しているときは介護の業務も兼ねる、と書かれていることがあります。現場から離れたい理由が体力面にある場合は、介護の業務をどの程度兼ねるのかを面接で確かめておきます。
次に、応募の条件にある資格と経験の年数を確かめます。ケアマネジャーの求人では実務の経験が求められることがあり、研修の講師の求人では、介護福祉士としての経験の年数が条件になることがほとんどです。条件に少し届かない場合でも、応募できるかを問い合わせてみると、経験の中身で判断してもらえることもあります。
最後に、勤務の時間と休みの日を確かめます。日勤だけの仕事でも、利用者の家族との面談のために夕方や土曜日に働く日がある仕事もあります。家庭の事情で働ける時間が限られている人は、その点を最初に伝えておくと、入職後の行き違いを防げます。介護の分野に強い転職の窓口やハローワークの相談員に、現場以外の仕事を探していることを伝えておくと、表に出にくい求人を紹介してもらえることもあります。
現場以外の仕事に移るときの準備
現場以外の仕事に移るときは、次の準備をしておくと、選考でも入職後でも困りにくくなります。
まず、自分の経験を年数と中身で整理しておきます。ケアマネジャーの試験や教員の要件は、介護福祉士を取ってからの実務経験の年数で決まります。働いた事業所の名前、期間、担当した仕事の内容を記録しておき、必要なときに実務経験証明書を前の職場に頼めるようにしておきます。
次に、パソコンの操作に慣れておきます。現場以外の仕事は、ほぼすべてが書類の作成やメールでのやりとりを伴います。文書の作成と表計算の基本を身につけておくと、移ったあとの負担が大きく変わります。
さらに、移りたい仕事の実際の様子を知っておきます。ケアマネジャーや生活相談員として働いている人に話を聞くと、仕事の大変さややりがいを具体的に知ることができます。今の職場にそうした職種の人がいれば、仕事の一部を手伝わせてもらうのも役立ちます。
最後に、収入の変化を確かめておきます。夜勤のある現場から日勤だけの仕事に移ると、夜勤の手当がなくなる分、収入が下がることがあります。求人の給与を比べるときは、基本給だけでなく手当の内訳まで見て判断します。
現場以外の仕事が向いている人、向いていない人
現場以外の仕事が向いているのは、利用者や家族の話をじっくり聞くことが好きな人、書類の作成や段取りを考えることが苦にならない人、人に教えることにやりがいを感じる人です。介護の現場で、新人の指導や家族への説明を任されることが多かった人は、その経験が現場以外の仕事でそのまま強みになります。
一方で、利用者と直接ふれ合う時間を大切にしたい人や、体を動かす仕事のほうが性に合う人は、現場以外の仕事に移ると物足りなさを感じることがあります。その場合は、現場の仕事を続けながら、リーダーや研修の講師などの役割を少しずつ担う形のほうが合っているかもしれません。
現場を離れることが目的になってしまうと、移ったあとに思っていた仕事と違うと感じることがあります。何から離れたいのか、何をしたいのかを分けて考えると、自分に合う仕事を選びやすくなります。
介護福祉士の経験を現場以外で生かす考え方
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた範囲では、介護の経験を生かして仕事の幅を広げていく人には共通点があります。資格の名前より、現場で何を見て、何を工夫してきたかを自分の言葉で説明できる人ほど、現場以外の仕事でも早く信頼を得ています。介護の記事の執筆でも、研修の講師でも、依頼する側が求めているのは、教科書の知識ではなく、現場を知る人だからこそ書ける具体的な中身です。
仕事を個人で受ける場合、依頼する側と受ける側が直接やりとりし、仲介の手数料が乗らない形だと、同じ予算で依頼する側は多くの仕事を頼め、受ける側の手元に残る額も厚くなります。介護の経験を生かした執筆や資料作りのように、専門性で選ばれる仕事ほど、この形で関係を長く続けている例が多く見られます。
介護福祉士の資格は、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員、教員の要件として法令に名前が挙がっている、生かし方の幅の広い資格です。まずは自分の実務経験の年数と中身を整理し、目指したい仕事の要件と照らし合わせることから始めると、次に進む道がはっきりします。教える仕事や書類を扱う仕事を目指す人は、ビジネス文書検定の資格ガイドもあわせて確かめておくと、文書の基本を身につける手がかりになります。
よくある質問
Q. 介護福祉士が夜勤のない仕事に移るにはどの職種がよいですか?
ケアマネジャー、福祉用具専門相談員、生活相談員、研修の講師などは、日中の勤務が中心になることが多い職種です。介護福祉士は福祉用具専門相談員の要件を満たす資格として法令に挙げられているため、講習を受けずに働き始められます。夜勤の手当がなくなると収入が変わることがあるので、求人の手当の内訳まで確かめて比べます。
Q. 介護福祉士として何年働けばケアマネジャーの試験を受けられますか?
介護保険法施行規則では、介護福祉士などの資格にもとづく業務と相談援助の業務を通算して5年以上の経験が条件とされています。資格にもとづく業務の期間は、介護福祉士の資格を取ってからの期間で数えます。試験は都道府県が実施するので、日程と申し込みの方法は住んでいる都道府県の案内で確かめます。
Q. 介護福祉士の資格で介護の学校の先生になれますか?
なれる道があります。社会福祉士介護福祉士学校指定規則では、養成施設で介護の領域を教える専任教員のうち1人は、介護福祉士の資格を取得してから5年以上の実務経験を持つ人とされています。実務経験に加えて教員の講習の修了などが求められるのが一般的なので、目指す学校の募集要項で条件を確かめます。
Q. 介護福祉士の経験を生かして在宅でできる仕事はありますか?
介護に関する記事の執筆、研修の教材や動画の台本作り、事業所向けの書類のひな形作りなどがあります。介護の現場を知る人だからこそ書ける具体的な内容が求められます。在宅の仕事だけで現場と同じ程度の収入を得られるとは限らないので、最初は現場の仕事と組み合わせながら、実績を少しずつ積んでいくのが現実的です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







