介護職員初任者研修を無料で受ける方法|公的な支援と条件


この記事のポイント
- ✓介護資格の初任者研修を無料で受ける方法を
- ✓厚生労働省と東京都の公式情報で確認
- ✓自治体の資格取得支援事業
介護の仕事を始めたいと考えたとき、最初の資格として名前が挙がるのが介護職員初任者研修です。ただ、民間のスクールで受けると受講料がかかり、その金額はスクールや地域によって大きく違うため、費用が理由で一歩を踏み出せない人も少なくありません。実は、介護資格の初任者研修は、条件を満たせば受講料を負担せずに受けられる公的な仕組みがいくつもあります。この記事では、厚生労働省と東京都の公式の情報を確かめながら、無料で受けられる方法ごとの条件、申し込みの流れ、受講料以外にかかる費用、自分に合う方法の選び方までを順に説明します。
介護職員初任者研修とはどんな資格か
介護職員初任者研修は、介護の仕事に必要な基本の知識と技術を学ぶ研修です。以前は「ホームヘルパー2級」と呼ばれていた課程が、2013年4月に介護職員初任者研修に移行しました。国家試験に合格して取る資格ではなく、都道府県が指定した研修事業者の講座を受け、最後の修了評価に合格すると修了証明書が交付される仕組みです。
研修の時間は合計130時間です。厚生労働省の通知「介護員養成研修の取扱細則について」では、カリキュラムの時間とは別に、筆記試験による修了評価を1時間程度実施することが定められています。長野県の案内では、130時間の内訳を講義と演習で118時間、実習で12時間と説明しています。演習では、車いすへの移乗や食事、入浴、排せつの介助といった介護の技術を、実際に体を動かしながら学びます。
通信で学べる部分もあります。同じ通知では、教材を送って添削する通信学習の形で行う場合、各科目の上限を超えない範囲で最大40.5時間までとされています。つまり、残りの約90時間は教室に通うか、オンラインで講師とやり取りする形で受ける必要があります。「通信講座だから自宅だけで完結する」と考えていると、スクーリングと呼ばれる通学の日程が合わずに困ることがあるので注意してください。
この研修を修了すると、訪問介護の仕事で身体介護を担えるようになります。身体介護とは、食事や入浴、排せつなど、利用者の体に直接触れて行う介助のことです。施設の介護職でも、未経験者の採用の条件にしていたり、資格手当をつけていたりする事業所があります。介護の仕事のスタートラインとして位置づけられている研修だと考えると分かりやすいです。
なお、似た研修に生活援助従事者研修があります。こちらは59時間の研修で、訪問介護のうち掃除や洗濯、調理などの生活援助を中心に担う人向けです。身体介護まで担いたい人や、施設で働きたい人は、初任者研修を選ぶのが基本です。
130時間で学ぶ内容と修了評価の準備
無料の制度を使う場合も、研修の中身は有料の講座と同じです。厚生労働省の通知では、130時間の科目と時間数が次のように決められています。
| 科目 | 時間数 |
|---|---|
| 職務の理解 | 6時間 |
| 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
| 介護の基本 | 6時間 |
| 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
| 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
| 老化の理解 | 6時間 |
| 認知症の理解 | 6時間 |
| 障害の理解 | 3時間 |
| こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
| 振り返り | 4時間 |
時間の半分以上を占めるのが「こころとからだのしくみと生活支援技術」です。生活支援技術とは、移動、食事、入浴、排せつ、着替えなど、日々の暮らしを支える介助の技術のことです。この科目の中で、講師が受講者の介護技術の習得を確かめます。修了証明書は、この技術の評価と、最後の筆記の修了評価の両方で所定の水準を超えた人に交付されます。
修了評価の難しさについて、通知は「列挙・概説・説明できるレベル」を想定していると書いています。介護職の入口の研修なので、細かな暗記よりも、授業で学んだ基本を自分の言葉で説明できるかが問われます。習得が足りない場合は、事業者が補講などで到達目標に達するよう努めるとされています。
準備としては、毎回の授業のあとに、その日に学んだ介助の手順と注意点を短く書き出しておくのが効果的です。演習で体を動かして覚えたことも、言葉で説明できるようにしておくと、修了評価と実際の現場の両方で役立ちます。研修を受けている間に分からない点があれば、その日のうちに講師に質問してください。無料の制度でも、講師や研修事業者の対応は有料の受講者と変わりません。
無料で受けられる仕組みがある背景
なぜ、本来は数万円かかる研修を、公的な制度で無料にしているのか。理由は、介護の仕事に就く人が足りないからです。
厚生労働省が令和6年7月に公表した推計では、第9期介護保険事業計画のサービスの見込み量から都道府県が推計した介護職員の必要数を集計すると、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人になるとされています。2022年度の215万人と比べると、2026年度までに約25万人、2040年度までに約57万人を新たに確保する必要がある計算です。
第9期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を集計すると、2026年度には約240万人(+約25万人(6.3万人/年))、2040年度には約272万人(+約57万人(3.2万人/年))となった。 出典: 厚生労働省
1年あたりに直すと、2026年度までは毎年6.3万人ずつ増やす必要があります。この不足を埋めるために、国や自治体は、介護の仕事に就きたい人が最初の資格を取りやすくする支援を用意しています。研修の費用を公費で負担する代わりに、修了後に介護の仕事に就くことを条件にしている制度が多いのはこのためです。
民間のスクールや介護事業者にとっても、人材の確保は大きな課題です。資格を取った人に自社の事業所で働いてもらえるなら、研修費を負担しても採用の費用より安く済むという考え方から、受講料を0円にする講座を用意しているところもあります。無料の仕組みは、受講する人と、人を必要としている側の利害が一致して成り立っていると理解しておくと、それぞれの条件の意味が見えてきます。
無料で受ける方法の全体像
介護職員初任者研修を受講料なしで受ける方法は、大きく5つに分けられます。
| 方法 | 主な対象 | 受講料 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 自治体の資格取得支援事業 | 介護の仕事に就きたい人 | 無料 | 地域で介護の仕事に就く意思、就労相談 |
| ハローワークの公的職業訓練 | ハローワークで仕事を探している人 | 無料(テキスト代などは自己負担) | 求職の申し込み、ハローワークの受講あっせん |
| 働きながら取る制度 | 介護施設に雇われて働く人 | 無料 | 施設との雇用契約 |
| 民間スクールの就職条件つき講座 | スクールが紹介する事業所で働く人 | 実質0円 | 指定の事業所で一定期間働く |
| 教育訓練給付などの給付金 | 雇用保険に一定期間入っていた人など | 一部が後から戻る | 対象講座、加入期間 |
最初の4つは、受講料そのものを負担しなくてよい方法です。5つ目の給付金は、いったん受講料を払い、修了後に一部が戻る仕組みなので、完全に無料にはなりませんが、ほかの方法が使えない人の選択肢になります。
どの方法にも共通するのは、「介護の仕事に就くこと」を前提にしている点です。家族の介護に役立てたいだけで受けたい場合は、公的な無料の制度は使えないことが多いので、後の節で説明する注意点も確かめてください。
東京都の初任者研修等資格取得支援事業の例
自治体の支援事業の例として、東京都の初任者研修等資格取得支援事業を見ていきます。東京都福祉局の説明では、都内で介護業界への就労を希望する人を対象に、無料の介護職員初任者研修と生活援助従事者研修の講座を開いて、資格の取得を支援する事業です。実務は東京都福祉人材センターに委託されています。
介護職員初任者研修等を開講します。受講者の費用負担はありません。 資格取得後、福祉人材センター(以下、人材センター)にて福祉・介護の仕事の斡旋を受けることも可能です。 出典: 東京都福祉人材センター
対象は、東京都内で高齢者の介護の仕事に就くことを希望する人で、学生、既卒者、主婦や主夫、元気な高齢者、離職者、就業者が含まれます。住まいが都外でも、都内で働く意思があれば受講できるとされています。一方で、中学生以下の人、初任者研修と同等以上の資格を持っている人、すでに介護事業所で働いている人や就職が内定している人は対象外です。看護師の資格を持つ人も、その資格で介護の仕事ができるため対象になりません。
申し込みの流れは次のとおりです。
- 東京都福祉人材センターに求職票を登録する(来所のほか、求人サイト「福祉のお仕事」からインターネットでも登録できる)
- 講座検索のページで、開講地域、通学か通信か、平日コースか土日祝コースかなどの条件から講座を探し、第3希望まで選ぶ
- 自筆で書いた申込書(裏面に課題作文がある)を、人材センターに持参するか郵送する。締め切りは希望する講座の開講日の約15日前
- 就労についての相談を受ける。来所なら窓口で、郵送なら相談員からの電話で、30分から1時間程度
- 開講日の10日前を目安に受講決定の通知が届き、研修事業者から受講の案内が届く
令和8年度は5月15日に申し込みの受け付けが始まり、6月以降に順次講座が開かれています。講座は先着順で、定員に達すると締め切り前でも受け付けが終わります。事業期間の終わりが近づくほど申し込める講座が少なくなるため、利用したい人は早めに動くのが確実です。
注意したいのは、受講が決まった後の変更やキャンセルが原則できないことと、途中で辞退すると、その年度に限らず事業に再び申し込めなくなることです。すべての研修日程に出席できることが申し込みの条件になっているので、仕事や家庭の予定と照らし合わせてから申し込んでください。
東京都以外でも、多くの道府県や市区町村が、介護の人材を確保するための研修費の支援を行っています。ただし、受講料を無料にする形、後から費用を補助する形、介護の仕事に就いた後に補助する形など、仕組みは地域ごとに違います。住んでいる地域や働きたい地域の福祉人材センター、または都道府県の介護人材の担当窓口で確かめるのが近道です。
ハローワークの職業訓練で受ける方法
ハローワークで仕事を探している人は、公的職業訓練を使って初任者研修を受けられることがあります。公的職業訓練は「ハロートレーニング」とも呼ばれ、厚生労働省は離職者向けの訓練を次のように説明しています。
主に雇用保険を受給している求職者の方を対象に、就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練を無料(テキスト代等は自己負担)を実施しています。 出典: 厚生労働省
離職者向けの訓練の中には、民間の教育機関に委託して行う「委託訓練」があり、その例として介護サービス科が挙げられています。介護の訓練コースでは、初任者研修の修了を目標に含めているものがあります。訓練の期間はおおむね3か月から2年で、コースによって内容と期間が違います。
雇用保険を受け取れない人のためには、求職者支援訓練があります。こちらも受講料は無料で、テキスト代などは自己負担です。さらに、本人の収入が月8万円以下、世帯全体の収入が月30万円以下、世帯の金融資産が300万円以下などの条件を満たし、訓練の実施日すべてに出席すれば、職業訓練受講手当として月10万円の給付金を受け取りながら訓練を受けられます。給付金の条件を満たさない場合でも、無料の訓練だけを受けることはできます。
どちらの訓練も、まずハローワークで求職の申し込みをし、訓練の相談をすることから始まります。地域や時期によって開かれるコースが違うので、介護のコースがあるか、初任者研修の修了が含まれているかを窓口で確かめてください。訓練には選考があることが多く、定員を超えると受けられない場合もあります。
働きながら無料で取る方法
すぐに収入が必要な人は、介護の事業所で働きながら研修を受ける方法が向いています。
東京都の例では、介護職員就業促進事業という制度があります。利用する人は対象の施設と最長6か月の有期雇用契約を結び、施設で働きながら初任者研修などの資格の取得を目指します。勤務時間の中で研修に通うため、その時間にも給与が支払われ、受講費も無料です。雇用期間が終わった後も、施設と本人の双方が同意すれば働き続けられます。令和8年度は、遅くとも11月1日までに雇用が始まっている必要があるとされているので、今年度の募集にはもう間に合わない可能性があります。次の年度の募集を待つか、ほかの方法と比べて検討してください。
自治体の制度とは別に、介護事業所が独自に資格取得の支援制度を設けていることもあります。無資格で採用し、入社後に研修費を会社が負担する形や、修了後に受講料を全額支給する形などがあります。求人票に「資格取得支援あり」と書かれていても、中身は事業所によって大きく違うため、面接で次の点を確かめておくと安心です。
- 研修費を会社が直接払うのか、いったん自分で払って後から支給されるのか
- 研修に通う時間が勤務時間として扱われ、給与が出るのか
- 一定期間内に退職した場合に、研修費を返す決まりがあるか
- どの研修事業者の講座を受けるのか、日程を選べるのか
働きながら取る方法は、収入を得ながら現場の経験も積めるのが利点です。一方で、研修の内容を現場ですぐに使う場面が多く、慣れない仕事と勉強を同時に進める負担もあります。
民間スクールの実質0円の仕組みと確かめること
民間の研修スクールでも、受講料を0円にする講座が見られます。多くは、スクールを運営する会社が人材紹介や介護事業も手がけていて、修了後に紹介する事業所で働くことを条件にしています。事業所が採用の費用として研修費を負担するので、受講する人は払わなくてよい、という仕組みです。
この仕組み自体は珍しいものではありませんが、申し込む前に必ず確かめたい点があります。
- 就職先の候補はどの地域の、どの種類の事業所か(施設か、訪問介護か)
- 決められた期間内に就職しなかった場合や、早く辞めた場合に、受講料を請求されるか
- 受講料以外に、教材費や入学金、修了証の発行料などがかからないか
- 補講や振替の受講ができるか、その場合に費用がかかるか
条件を満たせなかったときに受講料を後から請求される契約になっていることがあります。説明を受けたら、口頭だけで判断せず、契約書や規約の文面を読んでから申し込んでください。「無料」とだけ強調し、条件の説明があいまいな講座には慎重になったほうが安全です。契約の内容で困ったときは、消費者ホットライン(188)に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口につながります。申し込む前の段階でも相談できるので、条件の読み方に迷ったら一人で決めずに相談してください。
教育訓練給付で受講料の一部を取り戻す
受講料なしの方法がどれも合わない場合は、雇用保険の教育訓練給付金を使うと、払った受講料の一部が後から戻ります。教育訓練給付金とは、働く人のスキルアップを支えるために、雇用保険から受講費用の一部が支給される制度のことです。
厚生労働省の案内では、一般教育訓練は受講費用の20%(上限10万円)、特定一般教育訓練は受講費用の40%(上限20万円)が修了後に支給されます。特定一般教育訓練では、資格を取って修了後1年以内に雇用保険に入って働いた場合、合計で50%(上限25万円)まで支給されます。初任者研修の講座がどちらの給付の対象として指定されているかは講座ごとに違うため、厚生労働省の教育訓練講座の検索システムで、受けたい講座が指定されているかを確かめてください。
給付を受けるには、受講を始める日の時点で雇用保険の加入期間が原則1年以上あることなどが条件です。離職している人は、離職から1年以内であることも条件になります。申請は住まいを管轄するハローワークで行います。
ひとり親家庭の人には、自治体が受講費の一部を支給する自立支援教育訓練給付金という制度もあります。支給の割合や対象の講座、受講前に必要な手続きは自治体の要綱で決まるため、住まいの市区町村の窓口で、申し込む前に相談してください。受講を始めた後に相談しても対象にならない場合があります。
受講料が無料でもかかる費用と注意点
受講料が無料の制度でも、研修を終えるまでにまったくお金がかからないわけではありません。東京都の資格取得支援事業の利用者向けの案内では、次の費用は自己負担とされています。
- 研修会場までの交通費
- 昼食代
- 通信形式の場合のレポート提出の郵送費(事業者による)
また、実習のある講座では健康診断の受診が必要な場合があり、事業者によっては受診料をいったん立て替えることがあります。ハローワークの職業訓練でも、テキスト代などは自己負担です。
通学の日数が多い講座ほど、交通費と昼食代は積み重なります。講座検索のページや事業者の案内で通学の日数を確かめ、1回あたりの交通費に日数をかけて見積もっておくと安心です。今の仕事を減らして通う場合は、その間の収入の減り方も合わせて計算しておくと、途中で困らずに済みます。
日程の面でも注意が必要です。初任者研修は130時間のカリキュラムをすべて受ける必要があり、欠席した授業は補講で埋めなければ修了できません。補講の条件や費用は事業者によって違い、必ず受けられるとは限りません。東京都の事業では、原則としてすべての研修日程に出席できることが申し込みの条件です。子どもの行事や仕事の繁忙期と重ならないか、申し込む前にカレンダーで確かめてください。
自分に合う方法の選び方
ここまでの方法を、今の状況別に整理します。
| 今の状況 | まず検討したい方法 |
|---|---|
| 離職して雇用保険の基本手当を受け取っている | ハローワークの公的職業訓練 |
| 離職しているが雇用保険を受け取れない | 求職者支援訓練、自治体の資格取得支援事業 |
| すぐに収入が必要 | 働きながら取る制度、資格取得支援のある事業所への就職 |
| 今の仕事を続けながら介護職への転職を準備したい | 自治体の資格取得支援事業の土日祝コース |
| 学生で、卒業後に介護の仕事に就きたい | 自治体の資格取得支援事業(学校の推薦が必要な場合あり) |
| 雇用保険に1年以上入っていて、好きな講座を選びたい | 教育訓練給付の対象講座 |
家族の介護に役立てたいだけの場合、東京都の事業は、家族の介護だけを目的に利用することはできないとしています。その場合は、自治体や地域包括支援センターが開く家族介護の教室など、別の学びの場を探すのが現実的です。地域包括支援センターとは、高齢者の暮らしや介護の相談を受ける、市区町村が設けた窓口のことです。
時期も選び方に影響します。自治体の事業は年度ごとに予算を組んで行うため、東京都の例のように春に受け付けが始まり、年度の終わりが近づくほど申し込める講座が減っていきます。ハローワークの訓練も、コースごとに募集の期間が決まっています。秋や冬に思い立った場合は、今年度に残っている講座を確かめると同時に、次の年度の募集開始の時期も聞いておくと、計画を立てやすくなります。
迷ったときは、ハローワークか、住んでいる地域の福祉人材センターに相談すると、その地域で今使える制度をまとめて教えてもらえます。窓口に行く前に、いつから研修を受けたいか、週に何日通えるか、修了後にどのような事業所で働きたいかを書き出しておくと、相談がスムーズです。
申し込みの前に準備しておくこと
無料の制度は、申し込みの手続きが有料の講座より多いことがあります。慌てないように、次の準備を先に済ませておくとスムーズです。
- 研修に通える曜日と時間帯、通える範囲の地域を決めておく
- 修了後にどのような事業所で働きたいか(特別養護老人ホームなどの施設か、訪問介護か、デイサービスか)を考えておく
- 自治体の事業を使う場合は、福祉人材センターへの求職票の登録を済ませておく
- ハローワークの訓練を使う場合は、求職の申し込みをし、訓練の説明会の日程を確かめる
- 申込書の課題作文に備えて、介護の仕事を目指す理由を短く書き出しておく
東京都の事業では、申込書は自筆で作り、課題作文も含まれます。申し込みのときの就労相談では、介護の仕事に就く意思を確かめられ、意思が確かめられない場合や資格を取る見込みがないと判断された場合は、申し込みが受け付けられない可能性があると案内されています。「なぜ介護の仕事をしたいのか」「どのような働き方を考えているのか」を、自分の言葉で話せるようにしておくことが大切です。
学生が東京都の事業に申し込む場合は、学校の推薦が必要です。推薦者は進路指導の担当者や担任の先生、大学ならキャリアセンターの職員とされています。推薦書の準備には時間がかかることがあるので、希望する講座の締め切りから逆算して学校に相談してください。
外国籍の人は、介護の仕事に就ける在留資格を持っているかを先に確かめる必要があります。東京都の案内では、日本語の能力の基準は設けていないものの、自分で手続きができるか、申込書を自筆で書けるか、相談員との面談に1人で応じられるかなどを確かめるとしています。
修了後の就職先の探し方
無料の制度の多くは修了後に介護の仕事に就くことが前提なので、研修の途中から就職先を探し始めると、修了から働き始めるまでの間が空きにくくなります。
東京都の資格取得支援事業を使った人は、修了後に東京都福祉人材センターで福祉や介護の仕事のあっせんを受けられます。福祉人材センターとは、福祉や介護の仕事を探す人と事業所をつなぐ公的な窓口のことで、各都道府県に設けられています。ハローワークの訓練を受けた人は、訓練の期間中からハローワークの就職支援を受けられます。
求人を比べるときは、給与の額だけでなく、次の点も確かめておくと、入ってからの食い違いを防げます。
- 夜勤があるか、ある場合は月に何回程度か
- 資格手当がつくか、初任者研修の修了で対象になるか
- 実務者研修や介護福祉士を目指す人への支援があるか
- 入職後の研修や、先輩が付いて教える期間があるか
研修の実習や施設の見学で訪れた事業所が、そのまま就職先の候補になることもあります。実習のときに職員の雰囲気や仕事の進め方をよく見ておくと、職場選びの判断材料になります。
履歴書への書き方と、修了証明書の扱い
研修を修了すると、研修事業者から修了証明書が交付されます。履歴書の資格欄には、正式な名前で「介護職員初任者研修 修了」と書きます。年月は修了証明書に書かれた修了の日に合わせてください。「ヘルパー2級」は以前の課程の名前なので、新しく修了した人は使いません。
修了証明書は、就職のときや、訪問介護の事業所に勤めるときに提示を求められることがあります。なくすと再発行の手続きが必要になり、研修事業者が廃業していると手続きが複雑になることもあるため、原本は大切に保管し、写しをとっておくと安心です。厚生労働省の通知では、研修を修了した訪問介護員の名簿は都道府県が管理するとされています。
研修を修了した後の働き方と次の一歩
初任者研修を修了したら、次の段階として実務者研修があります。実務者研修は、介護福祉士の国家試験を実務経験のルートで受けるときに必要になる研修です。厚生労働省の教育訓練給付の案内では、介護福祉士実務者研修も給付の対象となる講座の例に挙げられています。働きながら次の資格を目指す場合も、給付の対象になるか確かめておくと費用を抑えられます。
介護の現場では、介護の記録や家族への連絡、事業所の中で回す文書など、文章を書く場面も多くあります。文書の書き方の基本を体系的に学びたい人には、ビジネス文書検定の資格ガイドが参考になります。ビジネス文書検定は、ビジネス文書の形式や表記、敬語の使い方を問う検定で、事業所の事務や相談の仕事にも役立ちます。
介護の現場の経験は、在宅の仕事にも生かせます。介護や福祉の記事を書く仕事では、現場を知っている書き手が求められています。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、実績が少ない段階でも見本の記事を用意して応募する方法を紹介しています。介護の仕事を続けながら、記事の執筆を副業にする道もあります。
事業所の側でも、職員のスキルアップに使える助成金があります。介護や福祉の事業所が職員の研修に使える助成金の仕組みは、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で解説しています。勤め先に研修の支援を相談するときの材料にもなります。
運営者として見てきた、資格を仕事につなげる人の傾向
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、資格を取った後に長く仕事を続けている人には共通点があります。資格を取ること自体をゴールにせず、取った後にどこで、どのような働き方をするかを先に決めている点です。無料の制度の多くが「修了後に介護の仕事に就くこと」を条件にしているのは、制度を作る側も同じことを重視しているからだと言えます。
もう1つの傾向は、長く続く人ほど、目の前の作業だけでなく「この人に任せると安心」という信頼の積み重ねを大切にしていることです。介護の現場でも、在宅の仕事でも、相手の困りごとを先回りして聞き取り、記録や報告をきちんと残す人に、次の仕事や相談が集まります。
働き方を広げて在宅の仕事を受けるようになったら、取引の形にも目を向けてください。仲介の手数料が差し引かれない直接取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼むことができ、受ける側は報酬を目減りさせずに受け取れます。手数料0%の直接取引は、金額の大小よりも、双方が納得できる関係を長く続けやすいという意味で、専門の経験を持つ人の働き方に合った形です。
初任者研修を無料で受けるために最初にすることは、住んでいる地域の福祉人材センターかハローワークに相談することです。制度ごとに募集の時期と締め切りがあるので、思い立った時点で問い合わせ、今年度に申し込める講座があるかを確かめてください。
よくある質問
Q. 介護職員初任者研修は本当に無料で受けられますか?
受けられます。自治体の資格取得支援事業、ハローワークの公的職業訓練、働きながら資格を取る制度などでは、受講料の負担がありません。ただし、多くは修了後に介護の仕事に就くことが条件です。交通費や昼食代、テキスト代、健康診断の費用は自己負担になる場合があるので、申し込む前に何が無料で何が自己負担かを確かめてください。
Q. 家族の介護のために初任者研修を無料で受けることはできますか?
東京都の初任者研修等資格取得支援事業は、介護の仕事に就くことを希望する人が対象で、家族の介護だけを目的に利用することはできないとしています。ほかの自治体の制度やハローワークの職業訓練も、就職を前提にしたものが中心です。家族の介護に役立てたい場合は、自治体や地域包括支援センターが開く家族介護の教室なども探してください。
Q. 通信講座なら自宅だけで修了できますか?
自宅だけでは修了できません。厚生労働省の通知では、通信学習で行えるのは各科目の上限の範囲で最大40.5時間までとされ、130時間のうち残りは通学などで受ける必要があります。演習では介助の技術を実際に体を動かして学ぶため、スクーリングの日程に通えるかを申し込む前に確かめてください。最後には筆記の修了評価もあります。
Q. 無料の講座を途中でやめるとどうなりますか?
制度によって扱いが違います。東京都の資格取得支援事業では、受講が決まった後の変更やキャンセルは原則できず、途中で辞退すると年度を問わず再び申し込めなくなります。民間スクールの就職条件つきの講座では、条件を満たさないと受講料を請求される契約になっていることがあります。申し込む前に規約や契約書の文面を読んでください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却
会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







