自宅でできる内職にはどんな種類があるか、初めてでも受けやすい仕事


この記事のポイント
- ✓自宅でできる内職の種類を
- ✓手作業の家内労働とパソコンを使う自営型テレワークに分けて整理します
- ✓初めてでも受けやすい仕事の見分け方
自宅でできる内職を探し始めた人がまず戸惑うのは、出てくる情報の質があまりに違うことです。役所のページには制度の説明があり、求人サイトには在宅ワークの募集があり、その間に「スマホだけで簡単」という広告が挟まっている。同じ「内職」という言葉が、まったく別のものを指しています。これ、知らない人が本当に多いんです。実は内職には法律上の名前があり、その名前で数えられている仕事と、まったく別の枠組みで扱われる仕事が混ざっています。区分が分かると、どの種類が自分に向いているのか、どこで探せばよいのか、契約で何を確かめるべきかが一度に整理できます。この記事では、自宅でできる内職を種類ごとに分け、初めてでも受けやすいのはどれか、始める前に必ず書面で受け取るものは何かを、公的な資料で確かめられる範囲だけを使って説明します。
内職の法律上の名前は「家内労働」
まず言葉を整理します。自宅に材料が届いて、それを加工して返し、仕上げた分だけ報酬を受け取る働き方には、家内労働という正式な名前があります。根拠になっているのは家内労働法という法律で、厚生労働省がこれにもとづいて施策を行い、毎年人数を数えて公表しています。
家内労働者とは、通常、自宅を作業場として、メーカーや問屋などの委託者から、部品や原材料の提供を受けて、一人または同居の親族とともに、物品の製造や加工などを行い、その労働に対して工賃を受け取る人をいいます。 令和7年10月1日現在、家内労働者数は85,177人(男性9,472人、女性75,705人)、委託者数は6,249者となっています。 出典: mhlw.go.jp
つまり、内職は「なんとなく自宅でやる作業」ではなく、法律で定義され、行政が数を把握している働き方です。この定義には3つの要素が入っています。自宅が作業場であること、委託者から部品や原材料の提供を受けること、そして報酬が工賃であること。この3つが揃うと家内労働になり、家内労働法が適用されます。
ここを押さえる意味は大きいです。家内労働にあたるなら、委託する側には法律上の義務が生じます。あとで詳しく書きますが、条件を書いた手帳を渡す義務、工賃を期限内に払う義務、安全を確保する義務などです。相手がこれを守らないとき、こちら側は「約束を破っている」ではなく「法律上の義務を果たしていない」と言えます。立場が変わります。
なお、家内労働者数は昭和48年度の1,844,400人をピークに減り続け、令和6年度は88,332人です。委託者数も6,481で、1委託者あたりの平均家内労働者数は13.6人です。規模は小さくなりましたが、制度としては現役で動いています。
手作業の内職には、どんな種類があるか
厚生労働省の家内労働概況調査では、家内労働者を業種で分けた数字が公表されています。貴金属製造やがん具花火製造などを含む「その他(雑貨等)」を除くと、最も多いのが繊維工業で20,432人、全体の23.1%です。衣服の縫製やニットの編立てが中心です。次が電気機械器具製造業で10,722人、12.1%で、代表的な作業はコネクター差しです。
この数字から、手作業の内職の中身が見えてきます。よく募集が出ている作業を種類ごとに挙げると、次のようになります。
第1が、貼る作業です。ラベル貼り、値札やバーコードのシール貼り、訂正シール貼りが含まれます。道具はピンセットと定規程度で始められます。
第2が、詰める作業です。袋詰め、封入、箱詰め、サンプルのセット組みです。チラシや説明書を決まった順で封筒に入れる仕事はこの分類です。
第3が、折る作業と組み立てる作業です。箱折り、紙製品の組み立て、ボールペンなどの文具の組み立て、アクセサリーのパーツ組み立て、造花づくりなどが該当します。
第4が、縫う作業と編む作業です。繊維工業が最も多い理由がここです。ミシンや編み機を使う作業は単価が上がりやすい一方、機械を持っていることが前提になり、危険有害業務に分類される場合があります。家内労働従事者のうち危険有害業務に従事している人は7,279人で8.0%、その73.4%が動力で駆動される機械を使う作業です。
第5が、電子部品を扱う作業です。コネクター差し、端子の取り付け、基板への部品の仮止めなどです。細かい作業に強い人に向いています。
第6が、検品と仕分けの作業です。届いた品物の数や状態を確認し、区分ごとに分けて返す仕事です。作業そのものは単純ですが、数を間違えないことが価値になるため、几帳面な人に向いています。
第7が、書く作業です。宛名書きや筆耕が含まれます。手書きの文字が求められる場面が残っているため、書道やペン字の経験がある人には有利な分野です。ただし、この分野は後述する悪質な募集が昔から多い領域でもあります。
内職の種類は地域差もあります。都道府県別では東京都が7,833人で最多、愛知県6,482人、大阪府6,144人と続きます。工業の集積地に仕事が集まるので、住んでいる地域によって出てくる募集の種類が変わります。
種類を選ぶときは、報酬の高さより「自分の家で回るか」で決めてください。届いた材料を置く場所があるか、家族が触らない場所を作れるか、作業を中断して再開しやすいか。この3つが満たせない仕事は、単価が高くても続きません。逆に、机の一角で完結する仕事は、1日30分ずつでも積み上がります。
パソコンを使う在宅の仕事は、別の区分になる
ここが混同されやすいところです。データ入力、文章の作成、画像の加工、資料づくりのように、パソコンやスマートフォンを使って自宅で行う仕事は、家内労働ではありません。原材料の提供を受けて物品を製造や加工するという定義に当てはまらないからです。
こちらは自営型テレワークという別の枠組みで扱われます。厚生労働省の自営型テレワークの適正な実施のためのガイドラインでは、自営型テレワークを「注文者から委託を受け、情報通信機器を活用して主として自宅又は自宅に準じた自ら選択した場所において、成果物の作成又は役務の提供を行う就労」と定義しています。法人形態の場合や、他人を使用している場合は除かれます。
ガイドラインでは登場人物も整理されています。自営型テレワークを行う人が自営型テレワーカー、仕事を直接注文する人が注文者、そして間に入る事業者が仲介事業者です。仲介事業者には3つの形があり、他者から業務の委託を受けて自営型テレワーカーに注文する者、自営型テレワーカーと注文者の間であっせんを業として行う者、そしてインターネットを介して注文者と受注者が直接受発注できるサービスを運営している者が含まれます。いわゆるクラウドソーシングの運営会社は3つ目に当たります。
区分が違うと、守られ方も違います。家内労働なら家内労働法の義務が働きますが、自営型テレワークは基本的に労働関係法令が適用されない委託の就労として扱われ、ガイドラインが守るべき事項を示す形になっています。ガイドラインの本文は厚生労働省の自営型テレワークのページから読めます。
つまり、内職を探すときは「手作業の家内労働を探しているのか、パソコンを使う自営型テレワークを探しているのか」を自分の中で決める必要があります。探す場所も、確かめる条件も変わります。
初めてでも受けやすい種類はどれか
初心者向けかどうかを、雰囲気ではなく条件で判断する軸を4つ挙げます。
第1の軸は、道具と機械が要らないかどうかです。ミシンや編み機を使う作業は単価が上がりやすい代わりに、機械を持っていることが前提になります。貼る、詰める、折るという3種類は、机とピンセットで始められます。最初の1件を選ぶなら、この3つが安全です。
第2の軸は、検品の基準がはっきりしているかどうかです。シールの位置や封入の順番のように、合っているか間違っているかが目で分かる作業は、自分で仕上がりを確認できます。逆に「きれいに見えるように」といった感覚的な基準の作業は、後で不良品の扱いでもめやすくなります。
第3の軸は、保管場所の大きさです。材料が段ボールで届く仕事は、置き場所が必要です。湿気や日光で使えなくなったとき、どちらが損失を負担するかという話になります。最初は小さく収まる仕事のほうが、家の中が回ります。
第4の軸は、最低工賃が定められている業務かどうかです。最低工賃とは、厚生労働大臣または都道府県労働局長が審議会の意見にもとづいて決める、委託者が支払うべき工賃の最低額です。地域別、業務別に定められており、決定されている業務なら委託者はその額以上を支払わなければなりません。自分がやろうとしている作業に最低工賃があるかどうかは、都道府県労働局または最寄りの労働基準監督署に問い合わせれば教えてもらえます。応募の前にここを聞いておくと、相場からかけ離れた条件を見分けられます。
なお、これは受けやすさと直結する話ですが、委託する側が内職に仕事を出す理由も統計に出ています。令和5年度家内労働等実態調査では、委託の理由として「手作業であるから」が67.1%で最も多く、「コストが安くてすむから」が34.1%、「仕事量が変動するから」が29.1%でした。手でしかできない工程を、忙しい時期だけ外に出す。だから初心者にも門が開いていますが、同時に仕事量が安定しない前提でもあります。
報酬の形が2つあることを知っておく
家内労働の報酬は工賃と呼ばれ、仕上げた個数で決まる出来高払いです。自営型テレワークの報酬は、成果物や役務に対して決まります。どちらも時間で払われるものではないので、慣れるまでは時間あたりの金額が低く出ます。
具体的な水準は、厚生労働省の令和5年度家内労働等実態調査で確かめられます。令和5年9月分の工賃月収額は「2万円以上4万円未満」が29.7%で最も多く、1人あたりの平均工賃月収額は3万7,641円でした。1時間あたりの工賃額は「200円以上400円未満」が28.3%で最多、1,000円未満が約8割を占め、平均は522円です。働いている時間は、1か月の平均就業日数が17.5日、1日の平均就業時間が4.8時間です。
この数字を先に知っておくと、判断が正確になります。手作業の内職でどれだけ稼げるかという問いには、月に2万円から4万円のあたりが最も多いという答えが、公的な調査から出ています。副業として家計の足しにする、あるいは働くリズムを整える目的なら十分に機能します。一方で、これだけで生計を立てる設計は相場に合いません。
必要経費についても数字があります。必要経費がかかったと答えた人は全体の11.1%で、その人たちの平均必要経費額は8,151円でした。9割近くは経費ゼロで、道具も材料も委託者側が持つ形です。ただ、残りの1割はひと月に1万円近く自己負担しています。だから応募のときに、送料、梱包材、道具の費用を誰が持つのかを必ず確認してください。
契約の形と、必ず受け取るべき書面
ここが、トラブルを防ぐうえでいちばん効く部分です。
手作業の家内労働の場合、家内労働法が委託者に手帳の交付を義務づけています。厚生労働省の説明を引きます。
委託者は、家内労働者との間のトラブルの発生を防止するため、仕事内容、報酬等の委託の条件を明記した家内労働手帳を委託、物品の受領又は工賃支払のつど、家内労働者に交付しなければなりません。 出典: mhlw.go.jp
つまり、仕事を出すとき、品物を受け取るとき、工賃を支払うときの3つの場面それぞれで、条件を書いた手帳を渡す義務があります。伝票式の様式が定められています。手帳を出さない委託者は、この時点で義務を果たしていません。
実際にどれくらい守られているかも調査に出ています。家内労働者に仕事を委託するときの契約方法は、家内労働手帳によるものが78.3%、ノート類が16.1%、口約束が4.9%でした。8割近くは手帳ですが、2割は手帳以外です。ここに当たったときが、もめる分かれ目になります。
工賃の支払いにも決まりがあります。工賃は原則として現金でその全額を支払わなければならず、本人の同意がある場合に限り郵便為替や口座への振込にできます。そして、家内労働者から製品を受け取ってから1か月以内に支払わなければなりません。締切日を決めている場合は、その締切日から1か月以内です。「売れてから払う」という説明は、この決まりに合いません。
不良品の扱いも先に決めておいてください。令和5年度の調査では、不良品の取扱いをあらかじめ取り決めている委託者は60.1%で、4割は決めていません。実際の対応は「やり直させる」が42.1%、「自社で直す」が39.2%です。やり直しの手間を誰が負担するかを、始める前に言葉にしておく必要があります。
パソコンを使う自営型テレワークの場合は、ガイドラインが文書で明示すべき項目を並べています。注文者の氏名または名称と所在地と連絡先、注文年月日、仕事の内容、報酬額と支払期日と支払方法、諸経費の取扱い、成果物の納期、納品先と納品方法、検査をする場合の検収日、契約条件を変更する場合の取扱い、成果物に不備があった場合や納入が遅れた場合の取扱い、知的財産権の取扱い、個人情報などの取扱いの12項目です。電子メールやウェブサイト上の明示でも構いません。
報酬の支払期日についても目安が示されています。注文者が検査をするかどうかを問わず、成果物を受け取った日または役務の提供を受けた日から起算して30日以内とし、長くても60日以内とすることとされています。仲介事業者の手数料についても、額、発生条件、徴収時期をあらかじめ明示してから徴収することとされています。そして、正当な理由なく自己の指定する物を強制して購入させたり、役務を強制して利用させないことも明記されています。
条件を口約束で始めてしまい、後から「言った言わない」になるケースが実際に多いです。書面をもらってから作業を始める。この順番だけは崩さないでください。
募集はどこで探すのか
種類が決まったら、次は探す場所です。手作業の内職が求人サイトに出にくいのには、はっきりした理由があります。
令和5年度家内労働等実態調査では、委託者が新しく家内労働者を募集する方法が調べられています。最も多い回答は「新規に募集していない」で28.7%、次が「家内労働者を介する」17.3%、その次が「チラシ・貼紙」14.9%でした。つまり、いま仕事を出している事業者の3割近くは新しい人を探しておらず、探している場合でも今いる人からの紹介と地元の貼り紙が中心です。全国に向けて求人広告を出す形にはなっていません。
そうなると、探す経路を変える必要があります。無料で使えて実在の募集にたどり着けるのは、主に次の4つです。
第1に、住んでいる市区町村の窓口です。自治体によって名前は違いますが、産業振興課や商工労政課、女性就業支援の担当が内職のあっせんを扱っていることがあります。電話で「自宅でできる内職を探しています。市内で内職のあっせんをしている窓口はありますか」と聞けば足ります。扱っていない自治体でも、近隣の市区町村や労働局の相談先を教えてもらえることがあります。
第2に、都道府県労働局と労働基準監督署です。最低工賃の有無と金額を確認できるのはここです。応募の前に相場を知れるので、最初に当たる価値があります。
第3に、ハローワークです。内職そのものは雇用ではないため求人票として出ることは少ないのですが、在宅でできるパートや軽作業の短時間勤務が出ていることがあります。ハローワークインターネットサービスで自宅から検索できます。
第4に、パソコンを使う在宅の仕事を探すなら、自営型テレワークの総合支援サイトであるHOME WORKERS WEBです。契約の考え方や注意すべき募集の見分け方もまとまっています。
この4つに加えて、地域の掲示板やスーパーの貼り紙も見てください。「チラシ・貼紙」が14.9%という数字は、オンラインで見つからない募集が歩いて数分のところに貼ってある可能性を示しています。
内職を続けている人は、どんな人たちなのか
どんな人がやっている仕事なのかを知っておくと、自分に合うかどうかが判断しやすくなります。令和5年度家内労働等実態調査には、家内労働者の姿がかなり細かく出ています。
性別は、女性が88.3%、男性が11.7%です。類型別では、家事や育児の合間に行う内職が89.5%、世帯主が本業として行う専業が4.9%、農業などの合間に行う副業が5.7%です。世帯との関係を見ると、家内労働者本人が世帯主以外の者である割合が74.6%を占めます。つまり、主たる家計の柱としてではなく、家計を支える収入として使われているのが標準的な姿です。
年齢は高めです。平均年齢は60.1歳で、70歳以上が31.7%を占めます。令和2年度の平均は58.9歳だったので、3年間で1.2歳上がっています。担い手の高齢化が進んでいて、これが「新規に募集していない」が28.7%である一方で「家内労働者の確保困難」が仕事量の減少理由の23.6%に挙がっている状況につながっています。仕事はあるのに人がいない、という地域が実際にあります。
続いている年数も特徴的です。従事している経験年数は10年以上が45.0%で最も多く、平均経験年数は11.4年です。短期で稼いで離れる仕事ではなく、生活のリズムの一部として10年単位で続く仕事として成り立っています。
ここから読み取れる、実務的な意味が2つあります。1つは、新しく入る人にとって門が閉じているわけではないという点です。人の確保に困っている委託者がいるのだから、地元の窓口を通じてたずねる価値があります。もう1つは、始めるなら短期の視点で見ないほうが得だという点です。最初の数か月は自分の作業速度を測る期間で、その後に量が増えていく形が多いからです。
危ない募集の見分け方
内職を探す人をねらった商法は昔からあり、厚生労働省が名前を付けて注意喚起しています。同省のページには具体的な手口が3つ挙げられています。
1つ目は、内職講習会と称して多額の受講料を取り、実際に委託した仕事には条件をつけて買いたたいたり、仕上がり具合を理由に買い上げを拒否するものです。2つ目は、相当の工賃収入が得られると宣伝して高額の機械を市価の2倍くらいで売りつけ、工賃の取り決めはあいまいにしておくものです。3つ目は、宛名書きの内職で、報酬を通信販売のダイレクトメールへの申込数に応じた歩合にしたり、返還すると言って担保金を集めておきながらなかなか返さないものです。パソコンを使って自宅で簡単にできる内職という広告で講習料を取る形も出てきていると書かれています。
判断の基準は単純です。仕事を始めるためにこちらからお金を出す必要があるなら、それは仕事ではなく販売です。登録料、教材費、機械の購入、保証金、いずれも同じです。工賃は製品を受け取ってから1か月以内に支払われるもので、こちらが先に払うものではありません。
金額の目安も使えます。平均工賃月収額は3万7,641円、1時間あたりの平均は522円でした。この相場から大きく外れた収入をうたう募集は、相場を知らないか、知っていてあえて外しているかのどちらかです。
すでにお金を払ってしまった場合や、契約の取り消しを考えている場合は、消費生活センターに相談してください。相談窓口の案内は消費者庁のサイトから確認できます。契約や報酬の支払いでもめた場合は、厚生労働省が委託しているフリーランス・トラブル110番で弁護士に無料相談ができます。事情が複雑な場合や金額が大きい場合は、早めに弁護士に相談してください。
内職の収入にかかる税金の扱い
内職の工賃は給与ではないので、給与所得ではありません。事業所得または雑所得として扱われ、原則は実際にかかった経費を差し引いて所得を計算します。ただし、内職には専用の特例があります。
国税庁のタックスアンサーによれば、家内労働者等の場合、実際にかかった経費がそれより少なくても、必要経費として69万円までが認められます。令和7年分は65万円、令和2年分から令和6年分までは55万円で、69万円は令和8年12月1日に施行されて令和8年分から適用される金額です。
ここで言う家内労働者等には、家内労働法に規定する家内労働者のほか、外交員、集金人、電力量計の検針人、そして特定の相手に継続して人的な役務を提供することを業務にしている人が含まれます。シルバー人材センターから仕事を受けている人も該当します。
金額の目安も示されています。この特例に当てはまる所得しかない人で、その年の総収入金額が173万円以下なら、総所得金額が基礎控除額の104万円以下となるため本人に所得税はかかりません。総収入金額が131万円以下であれば、扶養している家族の所得税の計算上、配偶者控除や扶養控除の対象になります。ただし控除を受ける扶養者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者控除は受けられません。
注意点として、給与の収入金額が69万円以上ある場合はこの特例を受けられません。パート勤めと内職を掛け持ちしている場合はここで扱いが変わります。給与の収入が69万円未満のときは、69万円からその給与に係る給与所得控除額を差し引いた残額と、実際にかかった経費を比べて高いほうが必要経費になります。詳しい条件は国税庁の家内労働者等の必要経費の特例に載っています。一般にはこのように扱われますが、収入の組み合わせや金額で結論が変わるため、個別の判断は税務署か税理士に確認してください。
手作業の内職から次に広げる道
内職を数か月続けた人から必ず出てくる相談があります。作業には慣れたけれど、このままずっと同じ工賃なのだろうかという不安です。出来高の手作業は、速さが上限に届くとそこで収入が止まります。だから、続けながら並行して1つ準備するという進み方をおすすめしています。
書類を整える力は、そのまま在宅の事務の仕事につながります。文書の型や敬語の使い方を体系的に学べるビジネス文書検定は、内容の難易度が高くないのに実務でそのまま使えます。技術職の方向に興味があるなら、ネットワークの基礎を扱うCCNA(シスコ技術者認定)が定番の入口です。
進む前に相場を知っておくと、安すぎる募集を避けられます。文章を書く仕事の水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場、開発系の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場にまとまっています。職業分類にもとづいた数字なので、募集側の言い値と比べる基準になります。
どんな仕事が在宅で動いているかを職種単位で見たい場合は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事やアプリケーション開発のお仕事が参考になります。専門的に見えても、入口の依頼は資料の整理や下調べということが珍しくありません。単価を上げていく道筋を段階で追いたい方にはWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップがあります。
急ぐ必要はありません。手を動かす仕事を続けながら、月に数時間だけ次の準備に使う。在宅で長く働いている人がいちばん多く取っている形です。
在宅の仕事を長く見てきた立場からの考察
20年この市場を見てきた立場から言えば、内職でもパソコンの仕事でも、長く安定している人に共通しているのは作業の速さではありません。相手から見て「この人に任せると自分が楽になる」状態を作っていることです。届いた材料の数が足りないことに先に気づいて連絡する、不良になりそうな癖を報告する。この小さなやりとりが積み上がった相手には、次の波が回ってきます。工賃の単価が同じでも、年間の受注量で差がつくのはここです。
運営者として見てきた限りで、もう1つはっきりしていることがあります。手取りの厚さは、単価よりも間に何段あるかで決まるという点です。家内労働の世界でも、委託者と家内労働者の間に代理人が入る形があり、その数は令和6年10月1日時点で365人分と調査に出ています。代理人が入る事情は距離や時間の問題で、それ自体が悪いわけではありません。ただ、段が増えれば予算は途中で目減りします。中間マージンが乗らない直接の取引なら、同じ予算で依頼側はより多く頼めて、受け手には手数料0%のぶんだけ厚く残ります。額面の単価が少し低く見えても、手元に残る額では逆転することが珍しくありません。
最後に、法律の話を1つ足します。家内労働法とフリーランス・事業者間取引適正化等法の適用関係については、厚生労働省が令和7年2月27日付けで通達を出して整理しています。手作業の内職であっても、取引の形によって適用される法律が変わりえます。自分の仕事がどちらの枠組みに入るのかが分からないときは、都道府県労働局に聞くのがいちばん早いです。法律は、知っていれば自分を守る側に立ってくれます。
よくある質問
Q. 自宅でできる内職にはどんな種類がありますか?
手作業の家内労働と、パソコンを使う自営型テレワークに大きく分かれます。手作業では、ラベルや値札のシール貼り、袋詰めや封入、箱折りやアクセサリーの組み立て、縫製や編立て、コネクター差しなどの電子部品の作業、宛名書きや筆耕があります。業種別の人数では繊維工業が23.1%、電気機械器具製造業が12.1%を占めています。
Q. 初めて内職をするなら、どの種類を選べばよいですか?
機械が要らず、検品の基準が目で分かり、材料の保管場所が小さく収まる作業から始めるのが安全です。貼る、詰める、折るの3種類がこれに当たります。あわせて、その業務に最低工賃が定められているかを都道府県労働局か労働基準監督署に確認しておくと、相場から外れた条件を見分けられます。
Q. 内職の契約で必ず受け取るべき書面は何ですか?
手作業の家内労働では、家内労働法により、委託者は仕事内容や報酬などの条件を書いた家内労働手帳を、委託時、物品の受領時、工賃支払時のつど交付しなければなりません。パソコンを使う自営型テレワークでは、仕事の内容、報酬額、支払期日と支払方法、諸経費の取扱い、納期、検収日などを文書で明示することがガイドラインで求められています。
Q. 登録料や機械の購入を求められたら応じるべきですか?
応じないでください。厚生労働省は、内職講習会と称して受講料を取る手口、高額な機械を市価の2倍程度で売りつける手口、担保金を集めて返さない手口を注意喚起しています。工賃は製品を受け取ってから1か月以内に支払われるもので、こちらが先に払うものではありません。すでに支払った場合は消費生活センターに相談してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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