石川コンピュータ・センターの情報漏えいの可能性|2026年5月のメールサーバへの不正アクセス 添付ファイル付きメール1,929件 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓石川コンピュータ・センターの情報漏えいについて
- ✓2026年5月19日公表の添付ファイル分離メールサーバへの不正アクセスを整理
- ✓6月29日の最終報で確定した添付ファイル付きメール1,929件とメールアドレス14,071件の範囲
石川コンピュータ・センターの情報漏えいの可能性について、この記事で扱うのは、2026年5月19日に初めて公表された「添付ファイル分離メールサーバ」への不正アクセスの件です。2026年10月に公表された自治体向けサポートサイトの件とは、別の事案です。株式会社石川コンピュータ・センターは、5月27日の第二報と6月29日の最終報で、2026年4月24日から5月8日までに同社から外部へ送った添付ファイル付きのメール1,929件(添付ファイル2,551ファイル)と、90日分の送信ログに含まれていた同社以外のメールアドレス14,071件について、外部へ漏えいした可能性があると発表しました。2026年11月1日時点で、最終報のとおり、情報が窃取された痕跡は見つかっておらず、二次被害も確認されていません。 同社からメールを受け取ったことがある人がまずすることは、同社を名乗る身に覚えのない添付ファイル付きのメールを開かず、リンク先にアクセスせずに削除することです。 同社とやり取りのある自治体や医療機関、企業の担当者は、4月24日から5月8日に同社から受け取った添付ファイルの中身を確かめ、社内で共有しておきます。
この記事は、2026年11月1日時点で石川コンピュータ・センターの公式サイトの新着情報に掲載されている、5月19日の初報、5月27日の第二報、6月29日の最終報を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の件数や推測は入れていません。
2026年5月の件と10月のサポートサイトの件は別の事案
石川コンピュータ・センターは、石川県に本社を置き、自治体、医療、民間向けのシステムやデータセンターのサービスを提供している会社です。2026年には、不正アクセスに関する発表が2つの別々の件で出ています。検索すると両方の情報が混ざって出てくるので、最初に違いを整理します。
| 項目 | この記事で扱う件 | 10月の件(別の事案) |
|---|---|---|
| 初めての公表 | 2026年5月19日 | 2026年10月17日 |
| 対象になったもの | 同社の添付ファイル分離メールサーバ | 自治体関係者と販売店関係者向けのサポートサイト |
| 対象の情報 | 同社から外部へ送ったメールの情報(アドレス、件名、添付ファイルなど)とログ | サポートサイトのログイン情報、問い合わせ内容、添付ファイル |
| 2026年11月1日時点の段階 | 6月29日に最終報 | 10月27日に第2報 |
10月の件では、サポートサイトにあった問い合わせの内容や添付ファイルが対象になり、自治体ごとの影響も公表されています。10月の件の内容と、住民が知っておくことは、石川コンピュータ・センターの不正アクセス|自治体向けサポートサイトの問い合わせ16,132件が対象 漏えいの可能性と住民が知ること 2026で説明しています。
同社や自治体から届いた連絡がどちらの件のものか迷ったときは、連絡の中の言葉を見ます。「添付ファイル分離メールサーバ」「送信メール」とあれば5月の件、「サポートサイト」「問い合わせ」とあれば10月の件です。日付が2026年5月から6月の連絡なら5月の件、10月以降の連絡なら10月の件の可能性が高くなります。
5月の件の最終報では、不正アクセスが確認されたのは添付ファイル分離メールサーバだけで、同じネットワークにある他のサーバやネットワーク機器では不正アクセスの事実は確認されず、同社が提供する他のサービスへの影響もなかったとされています。つまり、5月の件の発表の範囲では、同社が自治体や医療機関向けに提供しているシステムの中のデータは対象になっていません。
添付ファイル分離メールサーバとは何か
今回の件を理解するうえで欠かせないのが、「添付ファイル分離メールサーバ」の仕組みです。同社は第二報で、この仕組みを次のように説明しています。
当社では、メール送信時に添付ファイルを分離し、メール本文に添付ファイルのダウンロード用URLを付与する仕組みを導入しております。受信者は、このURLにアクセスすることで添付ファイルをダウンロードできます。 出典: 株式会社石川コンピュータ・センター「不正アクセスによる情報漏えいの可能性に関するお詫びとお知らせ(第二報)」
かみくだくと、同社の社員がファイルを添付してメールを送ると、ファイルはいったんこのサーバに預けられ、受け取った人には「ここからダウンロードしてください」というURLだけが届く、という仕組みです。受け取る側から見ると、メール本文の中のURLを押してファイルを受け取る形になります。
この仕組みでは、ファイルを受け取ってもらうために、サーバ側にファイルが一定の期間保存されます。同社のサーバでは、過去2週間の添付ファイルをダウンロードできるようにしていたと第二報に書かれています。そのため、4月24日から5月8日までに送ったメールの添付ファイルがサーバに残っていました。
また、このサーバのログ(動作の記録)には、添付ファイルの有無にかかわらず、すべてのメールの送信と、受信者のダウンロードの記録が残っていました。ログにも、差出人と宛先のメールアドレス、メールの件名などが含まれていたため、添付ファイル付きのメールより広い範囲の宛先が対象になっています。
公表の経緯と、それぞれの発表で分かったこと
5月の件は、3回の発表で中身が固まりました。日付順に並べます。
| 日付 | 出来事・発表 | 分かったこと |
|---|---|---|
| 2026年5月8日 | (発生) | 添付ファイル分離メールサーバの送信機能が止まり、外部へのメール送信をこのサーバを通さない形に切り替えた |
| 2026年5月14日 | (発覚) | 止まった原因を調べるためメーカーにログを渡して調査を頼んだ結果、サイバー攻撃によるものと認識し、サーバを完全に遮断 |
| 2026年5月19日 | 初報 | 送信メールの情報が外部に漏えいした可能性を否定できない。判明している情報はメールアドレスと添付ファイル |
| 2026年5月27日 | 第二報 | 仕組みの説明、発覚の経緯、対象の情報と件数を公表。外部への漏えいと不正利用の事実は確認されていない |
| 2026年6月29日 | 最終報 | 原因を公表。情報が窃取された痕跡は見つからなかった。件数は第二報から変更なし |
ここで注意したいのは、5月8日に送信の機能が止まったあとも、ダウンロードの機能は止まっていなかったという点です。第二報によると、5月14日に完全に遮断するまでの間、添付ファイルをダウンロードできる状態になっていました。送信が止まってから攻撃と分かるまでの6日間に、原因の調査が進められていたということです。
最終報は、外部のセキュリティ専門機関による調査と社内の調査が終わったことを受けたものです。同社は、引き続き関係機関と連携して監視を続けるとしています。
初報から最終報までに変わったこと
3回の発表を並べると、分かったことが段階的に増えていったことが分かります。古い発表だけを読むと、範囲を広く受け取ったり狭く受け取ったりしやすいので、変わった点を整理します。
| 項目 | 5月19日の初報 | 5月27日の第二報 | 6月29日の最終報 |
|---|---|---|---|
| 対象の情報 | メールアドレス、添付ファイル | 送信メール情報とログ情報に分けて項目を明記 | 第二報から変更なし(確定情報) |
| 件数 | 記載なし | 1,929件、2,551ファイル、14,071件 | 第二報から変更なし |
| 他のサーバやサービスへの影響 | 記載なし | 影響なし | 不正アクセスの事実なし、影響なし |
| 原因 | 記載なし | 記載なし | ダウンロード用Webシステムの脆弱性 |
| 窃取の痕跡 | 調査中 | 漏えいと不正利用の事実は確認されていない | 窃取された痕跡は見つからなかった |
| 窓口 | 記載なし | 記載なし | 品質管理室 076-268-8320 |
初報の段階では「メールアドレス、添付ファイル」とだけ書かれていたため、メール本文も含まれるのか、いつの期間なのかが分かりませんでした。第二報で期間と項目、件数が示され、最終報でそれが確定した形です。この記事では、最終報の内容をもとに書いています。
漏えいの可能性がある情報と、含まれない情報
対象の情報は、6月29日の最終報で確定情報として示されています。第二報の内容と件数から変更はないと明記されています。
| 区分 | 期間 | 含まれる項目 | 件数 | 含まれないと書かれているもの |
|---|---|---|---|---|
| 同社から外部に送信されたメール情報 | 2026年4月24日(金)1時00分から5月8日(金)18時16分まで | 差出人メールアドレス、宛先メールアドレス、メールサイズ、メールタイトル、添付ファイル | 添付ファイル付きメールの総件数1,929件、添付ファイル数2,551ファイル | メール本文 |
| ログ情報(90日分) | 2026年2月7日(土)0時00分から5月8日(金)18時16分まで | 差出人メールアドレス、宛先メールアドレス、メールサイズ、メールタイトル | ログに含まれていた同社以外のメールアドレス数14,071件(重複を除く) | メール本文、添付ファイル |
メールタイトルとは、メールの件名のことです。メールサイズは、メールのデータの大きさです。
2つの区分の違いを読み分けておきます。
- 上の区分は、4月24日から5月8日までの約2週間に送られた、添付ファイル付きのメールです。添付ファイルそのものが含まれるので、ファイルの中身が対象になります
- 下の区分は、2月7日から5月8日までの約3か月の送信の記録です。こちらには添付ファイルもメール本文も含まれず、誰から誰に、どんな件名で送ったかの記録が対象です
- 14,071件は、重複を除いた、同社以外のメールアドレスの数です。人数や会社の数とは限りません
添付ファイルに何が書かれていたのかは、発表には書かれていません。見積書、仕様書、作業の報告書など、取引先とのやり取りで使うファイルはさまざまですが、どれが含まれていたかを推測で書くことはしません。添付ファイルを受け取った側が、自分の手元に届いたメールで確かめるのが確実です。
原因として発表されたこと
6月29日の最終報で、原因が公表されました。
今回確認されたサイバー攻撃は、添付ファイル分離メールサーバ上で動作する「添付ファイルダウンロード用Webシステム」の脆弱性を悪用した不正アクセスによるものであり、その結果、メール送信機能の停止およびメールに関連するファイルへ一時的にアクセス可能な状態となっていたことが判明しております。 出典: 株式会社石川コンピュータ・センター「不正アクセスによる情報漏えいの可能性に関するお詫びとお知らせ(最終報)」
脆弱性とは、ソフトウェアの作りの弱いところで、攻撃者が本来できない操作をするために使われるものです。今回は、受信者が添付ファイルをダウンロードするための画面(Webシステム)の弱いところが使われたとされています。どの製品の、どの脆弱性だったのかは、最終報には書かれていません。
調査の結果としては、次の2点が明記されています。
- 不正アクセスが確認されたのは添付ファイル分離メールサーバだけで、同じネットワークにある他のサーバやネットワーク機器では、不正アクセスの事実は確認されなかった。同社が提供する他のサービスへの影響もなかった
- 専門機関の調査で、情報が窃取された痕跡は見つからなかった
時系列と合わせて読むと、攻撃の結果として、まずメールの送信の機能が止まり、それが5月8日に表に出たことになります。同社は送信をこのサーバを通さない形に切り替えて業務を続け、止まった原因をメーカーと調べる中で、5月14日にサイバー攻撃だと分かりました。この間、受信者がファイルを受け取るためのダウンロードの機能は動いていたため、最終報の言う「メールに関連するファイルへ一時的にアクセス可能な状態」が続いていたことになります。
「痕跡は見つからなかった」は、「盗まれていないと確定した」とは同じ意味ではありません。同社が題でも本文でも「漏えいの可能性」と書いているのは、ファイルにアクセスできる状態があった以上、可能性を否定しきれないためです。
同社の対応と、受信者への連絡
同社が発表している対応は次のとおりです。
- 5月14日に添付ファイル分離メールサーバを完全に遮断し、不正アクセスの経路の遮断など初動対応を実施(初報、第二報)
- 外部の専門機関と連携して調査を進め、6月29日に調査を完了(最終報)
- 対象の添付ファイル付きメールの送信先に対応を続ける(第二報)
- 影響があった可能性のある客の特定を進め、該当する客には速やかに連絡する予定(初報)
最終報では、今後の取り組みとして次の3つが挙げられています。
- 脆弱性の管理と対応の手順の見直し(運用面の強化)
- システムの防御と監視の体制の構築(技術面の強化)
- 全社の管理の体制の見直し(組織面の強化)
補償やお詫びの品についての記載は、3回の発表のどれにもありません。発表に無いことは、この記事でもあるとは書きません。
自分が対象かを確かめる方法
対象になりうるのは、同社からメールを受け取った人です。個人だけでなく、同社と取引のある自治体、医療機関、企業の担当者が多く含まれると考えられますが、どの組織が対象かは発表されていません。
確かめる手順は次のとおりです。
- 自分のメールソフトで、差出人のアドレスの末尾が「@icc.co.jp」のメールを検索する
- 受信日が2026年4月24日から5月8日のものの中に、本文にダウンロード用のURLが書かれたメールがあるかを見る。あれば、その添付ファイルが上の区分に当たる可能性があります
- 受信日が2026年2月7日から5月8日のものがあれば、自分のメールアドレスと、そのメールの件名が下の区分に当たる可能性があります
- 同社から個別の連絡が届いているかを見る。初報では該当する客に連絡する予定とされ、第二報では送信先への対応を続けるとされています
社内の共有アドレスや、異動した前任者のアドレスで受け取っていたこともあります。組織で同社とやり取りしている場合は、システムの担当部署に、上の期間の受信があったかを確かめてもらうと漏れがありません。
同社を名乗るメールが届いたときの確かめ方
今回の件のあと、同社の社員を名乗るメールが届いて迷ったときは、次の順番で確かめると判断しやすくなります。
- 差出人の表示名ではなく、メールアドレスそのものを見る。表示名は誰でも自由に付けられるので、名前が合っていても安心材料になりません
- 本文の署名にある電話番号ではなく、名刺や過去の契約書、同社の公式サイトに載っている番号を探す
- その番号に電話し、「このメールを送ったか」を担当者に確かめる。メールに返信して確かめるのは避けます
- 担当者が送っていないと分かったら、メールを開かずに削除し、組織のシステムの担当者に伝える
- 担当者が送ったと分かったら、念のためダウンロード用URLのアドレスが、これまで受け取っていたものと同じ形かを見てから開く
電話で確かめるのは手間に感じますが、取引先の担当者にとっても、偽のメールに気づくきっかけになります。とくに、振込先の変更、急ぎの支払い、ログインの依頼の3つは、電話で確かめるまで動かないと決めておくと、件名を使った偽のメールの多くは防げます。
メールを受け取った人と組織の担当者がすること
今回の件で特に気をつけたいのは、メールアドレスとメールの件名がセットで知られた可能性があることです。実際にやり取りしていた相手と件名がそろうと、そのやり取りの続きを装ったメールが本物らしく見えます。同社も最終報で、身に覚えのない不審なメールや添付ファイル付きメールを受け取ったら、開いたり、添付ファイルを実行したり、リンク先にアクセスしたりせず、すぐに削除するよう呼びかけています。
受け取った人は、次のことをしておくと安心です。
- 同社の社員を名乗るメールで、いつもと違う差出人のアドレス、急ぎの支払いの依頼、パスワード付きの圧縮ファイル、見覚えのないダウンロード用URLがあれば、開かずに、知っている電話番号で同社の担当者に確かめる
- 以前のやり取りの件名に「Re:」を付けただけの返信で、中身がちぐはぐなメールに注意する。件名だけで本物と判断しない
- 添付ファイルを開いて「マクロを有効にしてください」「コンテンツの有効化」と表示されたら、そこで閉じる
- 誤って開いてしまったら、パソコンをネットワークから外し、組織のシステムの担当者に連絡する
組織の担当者は、4月24日から5月8日に同社から受け取った添付ファイルの中身を確かめます。もしファイルに住民や患者、顧客の個人情報が含まれていたなら、それは自分の組織が預かっている情報にも関わります。その場合の扱いは組織ごとの決まりや契約で変わるので、同社の窓口と、組織の個人情報の担当部署に相談してください。
フィッシングメールを短い時間で振り分ける手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で詳しく説明しています。自分のメールアドレスが別の漏えいの件にも含まれていないかを調べたいときは、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩が参考になります。
ログの区分だけに当たる人がすること
ログの区分は、添付ファイルが無いメールも含めた、すべての送信の記録です。2月7日から5月8日までに同社から何かしらのメールを受け取った人は、添付ファイルの有無にかかわらず、自分のアドレスと、そのメールの件名、送られた日時が記録に残っていました。
この区分に当たる人について、知られた可能性があるのは次のような事実です。
- 自分のメールアドレスが使われていること
- 石川コンピュータ・センターとメールのやり取りがあったこと
- そのメールの件名と、送られた日時、メールの大きさ
添付ファイルもメール本文も含まれないので、この区分だけなら、やり取りの中身までは知られていません。それでも、「同社とやり取りがある人」と分かっていれば、同社を名乗る偽のメールを送る相手として選ばれやすくなります。することは、受け取った人の節で挙げたことと同じで、同社を名乗る身に覚えのないメールのリンクや添付ファイルを開かないことが中心です。
メールアドレスそのものは、変えなくても構いません。パスワードは対象の情報に入っていないためです。ただ、仕事のメールアドレスに迷惑メールが増えたと感じたら、メールソフトの迷惑メールの設定を見直し、組織のシステムの担当者に伝えておくと、同じ組織のほかの人が守られやすくなります。
組織の担当者が社内で確かめる手順
同社とやり取りしている組織は、自治体、医療機関、企業などさまざまです。組織の中で誰が同社とメールをしていたかは、個人の受信箱を見ないと分からないことが多いので、次の順番で確かめると漏れがありません。
- 組織のメールシステムの管理者が、2026年2月7日から5月8日までの、差出人アドレスの末尾が「@icc.co.jp」の受信の記録を洗い出す
- そのうち4月24日から5月8日に受信した、本文にダウンロード用のURLがあるメールを抜き出し、受け取った人の一覧を作る
- 受け取った人に、ダウンロードしたファイルの中身を確かめてもらう。ファイルが手元に無い場合は、同社の担当者に何を送ったかを確かめる
- ファイルに組織が預かっている個人情報(住民、患者、顧客、職員など)が含まれていたら、組織の個人情報の担当部署に知らせる
- 確かめた結果と、同社とのやり取りの記録を残しておく
4つ目の場合、その個人情報をどう扱うかは、組織と同社との契約や、組織の決まりで変わります。この記事では判断を断定できないので、同社の品質管理室と、組織の担当部署で相談してください。同社の最終報では、情報が窃取された痕跡は見つかっていないとされているので、まずは事実を確かめて記録することが先です。
あわせて、職員に向けて「同社を名乗るメールの添付ファイルやリンクは、送り主に電話で確かめてから開く」と一言伝えておくと、件名を使った偽のメールへの備えになります。
ダウンロード用URLでファイルを受け取る側が日ごろからできること
今回の件は、ファイルを送る側のサーバで起きたことで、受け取る側に落ち度があったわけではありません。それでも、ダウンロード用URLでファイルを受け取る仕組みは多くの取引で使われているので、受け取る側が日ごろからできることを整理しておきます。
- ダウンロードしたファイルは、仕事が終わったら手元から削除するか、決まった保存先に移す。デスクトップやダウンロードのフォルダに残したままにしない
- ダウンロード用URLが書かれたメールを、必要がなくなったら削除する。URLの有効期限が切れていても、件名やアドレスの記録は残るため
- 取引先ごとに、ファイルが届くときのURLの形を覚えておく。いつもと違う形のURLが届いたら、開く前に送り主に確かめる
- 個人情報を含むファイルは、取引先と受け渡しの方法を決めておく。メールで受け取るのか、共有のフォルダで受け取るのかを決めておくと、例外のメールに気づきやすくなります
送る側の会社がどれだけ対策をしても、受け取ったファイルが受け取った側の手元で長く残っていれば、そこが次の弱いところになります。今回の発表をきっかけに、受信箱とダウンロードのフォルダを一度整理しておくと、ほかの取引先との間でも同じ備えになります。
件名とアドレスが知られたときに起きやすいこと
メール本文が含まれていなくても、件名とアドレスだけで分かることは意外と多くあります。たとえば「○○市 システム改修の見積書について」という件名なら、どの組織の誰が、同社とどんな話をしているかがおおよそ分かります。攻撃者はこうした情報を使って、次のようなメールを作ることがあります。
| 偽のメールの形 | 見分けるときの手がかり |
|---|---|
| 過去のやり取りの件名をそのまま使い、「修正版をお送りします」とファイルを付ける | 差出人のアドレスの綴りが少し違う、署名の電話番号が違う、いつもの担当者の言い回しと違う |
| 「ダウンロード期限が切れたので、こちらから再取得してください」とURLを示す | これまで受け取っていたダウンロード用URLとアドレスの形が違う、期限切れの連絡そのものに心当たりがない |
| 「請求先の口座が変わりました」と振込先の変更を求める | 振込先の変更は、メールだけで受け付けず、電話で担当者に確かめるのが原則 |
| 「システムの不具合でパスワードの再設定が必要です」とログイン画面に誘う | 同社が発表の中でパスワードの再設定を求めた記載はない |
ここに挙げたのは、見分け方を説明するための例です。同社の発表では、2026年6月29日時点で情報を悪用した二次被害や、攻撃者による情報の公開は確認されていないとされています。
2026年11月1日時点で分かっていないこと
最終報で調査は終わったとされていますが、発表に書かれていないことも残っています。分からないことを推測で埋めないために、書かれていないことをはっきりさせておきます。
- 添付ファイル付きのメール1,929件が、どの組織や個人に宛てたものか
- 添付ファイルの中に、個人情報がどれだけ含まれていたか
- 脆弱性があった製品の名前と、どんな弱点だったのか
- 送信先への個別の連絡が、いつまでに、どんな形で終わったのか
- 補償やお詫びの有無
1つ目と2つ目は、受け取った側が自分の手元で確かめられることです。3つ目は、同社の発表には書かれていません。同社は、新たな事実が判明したら公式サイトで知らせるとしてきたので、続報があれば新着情報に出るはずです。2026年11月1日時点で、5月の件について最終報より新しい発表は出ていません。
問い合わせ窓口
最終報に載っている窓口は次のとおりです。
| 窓口 | 連絡先 |
|---|---|
| 株式会社石川コンピュータ・センター 品質管理室 | 電話 076-268-8320 |
受付時間は、最終報には書かれていません。問い合わせるときは、メールを受け取った自分のアドレス、受信した日付、件名を手元に用意しておくと、やり取りが早く済みます。10月のサポートサイトの件とは別の件なので、「2026年5月の添付ファイル分離メールサーバの件」と最初に伝えると、話が混ざりません。
問い合わせで確かめておくとよいのは、次のような点です。
- 自分の組織や自分宛てに、4月24日から5月8日の添付ファイル付きのメールが送られていたか
- 送られていた場合、どのファイルだったか
- 自分のメールアドレスが、ログの区分に含まれていたか
- 同社から個別の連絡が予定されているか、すでに送られているか
同社の手元には送信の記録があるので、自分の側で受信の記録が見つからない場合でも、同社に確かめれば分かることがあります。ただし、電話で個別の情報を確かめるときは、同社の側でも本人や担当者の確認が必要になるはずなので、所属と名前、受け取ったアドレスを伝えられるようにしておきます。
同社の発表は、すべて公式サイトの新着情報に掲載されています。電話をかけるときは、届いたメールに書かれた番号ではなく、公式サイトで確かめた番号を使います。
在宅で仕事をする人が気をつけること
同社のような会社とメールでやり取りする取引先には、在宅で業務委託の仕事を受けている人もいます。在宅で働く人は、取引先から顧客の名簿、原稿、デザインのデータなどを預かり、メールの添付ファイルやダウンロード用のURLで受け渡しする場面が多くあります。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等を挙げ、その例に「個人データを格納しているサーバー等において、外部からの不正アクセスによりデータが窃取された場合」を示しています。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。
業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末やアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐに取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。
今回の件をきっかけに、ファイルの受け渡しについて次の点を見直しておくと安心です。
- 取引先から受け取った添付ファイルや、ダウンロードしたファイルを、仕事が終わったあとも手元に残していないか
- 個人情報を含むファイルを送るとき、取引先が指定した方法を使っているか
- 取引先を名乗るメールで振込先の変更やログインを求められたとき、電話で確かめる相手を決めているか
- 仕事のメールアカウントに多要素認証を設定しているか
フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。受け取ったファイルを決めた期間で削除する、怪しいメールは取引先に確かめてから開く、といった地味な手当てが、そのまま取引先からの評価につながっていきます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま次の依頼と手取りの厚さに結びつきます。
情報を守る知識を仕事に生かす
情報の守り方は、自分の身を守る知識であると同時に、仕事として求められる力でもあります。企業の中には、社員向けのセキュリティの研修資料の作成、取引先向けの注意喚起の文面づくり、ファイル共有の手順の見直しの手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。今回のように、同じ会社の別々の件を発表から読み分け、「どの期間の、どの情報が対象か」「受け取った側は何をすればよいか」を整理する作業も、その一つです。
セキュリティの仕事を在宅で受けたい場合、いきなり専門的な診断の仕事を目指す必要はありません。まずは自分のアカウントとファイルの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
石川コンピュータ・センターの5月の件は、2026年6月29日の最終報で調査が終わり、2026年11月1日時点で、窃取の痕跡も二次被害も確認されていない段階です。同社からメールを受け取ったことがある人は、同社を名乗る身に覚えのないメールを開かずに削除し、組織の担当者は該当する期間の添付ファイルの中身を確かめ、10月の件とあわせて続報は同社の新着情報で確かめてください。
よくある質問
Q. 石川コンピュータ・センターの5月の件と10月の件は同じものですか?
別の事案です。5月の件は、2026年5月19日に公表された添付ファイル分離メールサーバへの不正アクセスで、同社から外部に送ったメールの情報が対象です。10月の件は、2026年10月17日に公表された自治体関係者と販売店関係者向けのサポートサイトへの不正アクセスで、問い合わせ内容などが対象です。
Q. メールの本文は漏えいの可能性がある情報に含まれますか?
含まれません。2026年6月29日の最終報では、送信メールの情報について「メール本文は含まれておりません」、ログ情報について「メール本文、添付ファイルは含まれておりません」と明記されています。対象は差出人と宛先のメールアドレス、メールサイズ、メールタイトル、そして4月24日から5月8日の添付ファイルです。
Q. 情報は実際に盗まれたのですか?
最終報では、外部の専門機関の調査で情報が窃取された痕跡は見つからなかったとされています。ただし、ファイルにアクセスできる状態があったことから、同社は「外部への漏えいの可能性がある」と表現しています。情報を悪用した二次被害や、攻撃者による情報の公開も、最終報の時点で確認されていません。
Q. 問い合わせ先はどこですか?
最終報に載っている窓口は、株式会社石川コンピュータ・センターの品質管理室(電話 076-268-8320)です。受付時間は書かれていません。問い合わせるときは、受け取ったメールの日付と件名、自分のアドレスを用意し、2026年5月の添付ファイル分離メールサーバの件だと最初に伝えると話が混ざりません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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