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STNetの情報漏えいの可能性|STクラウドの専用ネットワークへの不正アクセス 担当者20,846名 調査結果と利用企業が確かめること 2026

@SOHO編集部
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STNetの情報漏えいの可能性|STクラウドの専用ネットワークへの不正アクセス 担当者20,846名 調査結果と利用企業が確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓STNetの情報漏洩として検索される件を
  • ✓2025年11月21日の初報と2026年1月21日の調査結果で整理
  • ✓STクラウドサーバーサービスの専用ネットワークへの不正アクセスで

STNetの情報漏洩として検索されている件は、株式会社STNetが2025年11月21日に初報を出し、2026年1月21日に「弊社ネットワークへの不正アクセスに関する調査結果のご報告」を出した件です。STクラウドサーバーサービスの構築や運用に関わる専用ネットワークが外部から不正アクセスを受け、STクラウドサーバーサービスやサーバー構築サービスを利用している一部の企業・団体の担当者の個人情報と、利用企業・団体のシステムに関係する情報(IDやパスワード等)が漏えいした可能性があるという内容です。調査結果では、個人情報の件数は20,846名、項目は会社名、氏名、メールアドレス、電話番号、生年月日(電話番号と生年月日は一部の担当者のみ)とされています。2026年11月1日時点で、STNetのニュースの一覧を見る限り、1月21日の調査結果のあとに新しい報告は出ていません。調査結果では、不正利用等の二次被害は確認されていないとされ、対象の担当者と企業・団体には個別に連絡しています。補償やお詫びの品については発表に書かれていません。

対象かもしれない人がまずすることは、STNetからの個別の連絡を確かめること、STクラウドサーバーサービスなどで構築しているシステムのパスワードを変えること、そして架空請求やフィッシングメール、迷惑電話に用心することです。

対象は、STクラウドサーバーサービスやサーバー構築サービスを利用している一部の企業・団体の担当者です。一般の家庭向けサービスの利用者は、発表の対象として挙げられていません。

この記事は、2026年11月1日時点でSTNetの公式発表を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道や解説記事に出ている推測や、発表に書かれていない事情は入れていません。

STNetで何が起きたのか

STNetは、自社のサイトで、データセンターやクラウドの法人向けサービスと、光回線の「ピカラ光」などの家庭向けサービスを案内している会社です。今回の件は、そのうち法人向けの「STクラウドサーバーサービス」の構築や運用に使う専用のネットワークで起きました。

発表の骨子は次のとおりです。

  • STクラウドサーバーサービスの構築や運用に関わる専用ネットワークが、外部から不正アクセスを受けた
  • STクラウドサーバーサービスやサーバー構築サービスを利用している一部の企業・団体の担当者に関する個人情報と、システムに関係する情報(ID・パスワード等)が漏えいした可能性がある
  • 不正アクセスがあった専用ネットワークにつながるファイルサーバーの全ファイル(約44万ファイル)を調べた結果、個人情報の件数は20,846名
  • 原因は、悪意のある第三者が専用ネットワークに不正にアクセスし、ネットワークにつながるサーバーに保存されていたリモートアクセス用の設定ファイルを使って不正に侵入したこと
  • 2026年1月21日の時点で、個人情報やシステムに関する情報の不正利用等の二次被害は確認されていない

ここで出てくる言葉を先に言い換えておきます。クラウドサーバーとは、会社が自前で機械を持つ代わりに、事業者の設備にあるサーバーを借りて使う仕組みのことです。サーバー構築サービスとは、その上で使うシステムを事業者が作るサービスと読めます。リモートアクセスとは、離れた場所からネットワークの中の機械に接続して操作することで、その接続のための設定を書いたファイルが、今回の侵入に使われました。

STNetの言い方は「漏えいした可能性がある」です。情報が実際に外へ持ち出された、使われたと確定したわけではありません。この記事でも、発表の言い方のまま書きます。

公表の経緯と2026年11月1日時点の状況

2026年11月1日時点で、公式に出ている報告は次のとおりです。

日付 出来事 分かったこと
2025年11月14日 不正なアクセスを検知 専用ネットワークをインターネットから遮断し、調査を開始
2025年11月18日 侵入の手段が判明 サーバーに保存されていたリモートアクセス用の設定ファイルを使った不正アクセスがあった。設定ファイルの利用権限をすべて無効化
2025年11月19日 個人情報が含まれると判明 不正アクセスがあったサーバーに、企業・団体の担当者に関する個人情報などが含まれていた
2025年11月20日 予防の措置 二段階認証を有効にしていないSTクラウドサーバーサービスの利用者の設定を、STNetが有効化
2025年11月21日 初報を公表 漏えいした可能性があること、個別の連絡、パスワード変更のお願い、窓口
2026年1月21日 調査結果を公表 約44万ファイルの調査、項目と件数20,846名、原因、二次被害は確認されていない
2026年11月1日時点 続報なし ニュースの一覧に、1月21日の調査結果のあとの報告は見当たらない

初報の題は「弊社ネットワークへの不正アクセスに関するお詫びとご報告」、調査結果の題は「弊社ネットワークへの不正アクセスに関する調査結果のご報告」です。どちらもSTNetのサイトのニュースの一覧に載っています。調査結果では、不正アクセスを認識してから緊急対策本部を立ち上げ、外部のセキュリティ専門機関等の協力を得て対応を進め、社内調査が完了したと説明しています。

不正アクセスがあった専用ネットワークに接続しているファイルサーバーに格納されていた全ファイル(約44万ファイル)を対象として、個人情報やシステムに関する情報が記載されているファイルの調査を実施いたしました。 出典: 株式会社STNet「弊社ネットワークへの不正アクセスに関する調査結果のご報告」

2026年1月21日の調査結果のあと、STNetのニュースの一覧には、事務所の移転やサービスの受付時間などのお知らせが並んでいますが、この件の続報は見当たりません。

初報と調査結果で変わったこと

2025年11月21日の初報と、2026年1月21日の調査結果を並べると、次の点が分かるようになりました。

点 初報(2025年11月21日) 調査結果(2026年1月21日)
個人情報の項目 氏名・メールアドレス等 会社名、氏名、メールアドレス、電話番号(一部)、生年月日(一部)
件数 記載なし 20,846名
システムの情報 システムに関係する情報 ID・パスワード等
調査の範囲 調査を進めている 専用ネットワークにつながるファイルサーバーの全ファイル(約44万ファイル)
二次被害 記載なし 不正利用等の二次被害は確認されていない
原因 設定ファイルを使った不正アクセスがあった 専用ネットワークへの不正アクセスと、サーバーに保存されていた設定ファイルを使った不正侵入
運用の状況 調査中 ネットワークのセキュリティ点検はすべて完了し、すべてのサービスを安全に運用

初報の時点では、件数も項目の全体も分かっていませんでした。調査結果で、約44万のファイルを一つずつ調べた結果として、件数と項目が示されました。初報だけを読んで「どれくらいの規模か分からない」と感じていた人は、調査結果の数字で範囲をつかめます。

一方で、初報で求められたパスワードの変更と、不審な電話やメールへの注意は、調査結果のあとも変わらず必要な手当てです。調査結果で二次被害は確認されていないとされていても、漏えいした可能性がある情報が使われないとは限らないからです。

漏えいした可能性がある項目

調査結果では、漏えいした可能性がある情報を2つに分けて説明しています。

区分 内容 件数
企業・団体の担当者に関する個人情報 会社名、氏名、メールアドレス、電話番号(一部の担当者のみ)、生年月日(一部の担当者のみ) 20,846名
企業・団体のシステムに関する情報 初報では「システムに関係する情報」、調査結果では「ID・パスワード等」と説明 件数の記載なし

項目を、発表の書き方に合わせて分けると次のようになります。

区分 内容
漏えいした可能性がある項目(発表に記載) 会社名、氏名、メールアドレス、電話番号(一部)、生年月日(一部)、システムに関する情報(ID・パスワード等)
会社が「含まれない」と明記した項目 発表に明記はない

電話番号と生年月日は、一部の担当者のみが対象とされています。自分がその一部に入るかどうかは、STNetからの個別の連絡で確かめてください。

システムに関する情報は、利用企業・団体が使っているシステムのIDやパスワード等です。こちらは担当者個人の情報というより、企業・団体のシステムそのものに関わる情報です。STNetは、情報が漏えいした可能性がある企業・団体に個別に連絡しているとしています。

20,846名と約44万ファイルの数字の読み方

この件では、2つの数字が出てきます。調べたファイルの数の約44万ファイルと、個人情報の件数の20,846名です。

約44万ファイルは、不正アクセスがあった専用ネットワークにつながるファイルサーバーに保存されていたファイルの全体です。STNetは、そのすべてを対象に、個人情報やシステムに関する情報が書かれたファイルを調べました。44万のファイルすべてに個人情報が書かれていたわけではありません。

20,846名は、調べた結果として、漏えいした可能性がある企業・団体の担当者の個人情報の件数です。項目は会社名、氏名、メールアドレスが中心で、電話番号と生年月日は一部の担当者のみです。20,846名全員について、すべての項目が含まれるわけではありません。

システムに関する情報(ID・パスワード等)については、件数や対象の企業・団体の数は発表に書かれていません。STNetは、該当する企業・団体に個別に連絡しているとしています。自社が対象かどうかは、その連絡で確かめてください。

STNetの調査結果の書き方は「個人情報の件数:20,846名」です。この記事では、数字の表記を読みやすく直していますが、件数そのものは調査結果のとおりです。

原因についてSTNetが説明していること

調査結果に書かれている原因は、悪意のある第三者が、STクラウドサーバーサービスの構築や運用に関わる専用ネットワークに不正にアクセスし、そのネットワークにつながるサーバーに保存されていたリモートアクセス用の設定ファイルを使って不正に侵入したことです。

初報では、2025年11月18日に、この設定ファイルを使った不正アクセスがあったことが判明し、漏えいした可能性がある設定ファイルの利用権限をすべて無効化したと説明しています。設定ファイルの利用権限を無効化するとは、そのファイルを使っても接続できないようにすることです。

発表に書かれていないこととして、第三者が最初に専用ネットワークへ入った手口、設定ファイルがどのように手に入れられたか、侵入から検知までの期間があります。これらは、2026年11月1日時点で公表されていません。報道や解説記事の中には手口を推測しているものもありますが、この記事では書きません。

STNetの対応と再発防止策

初報と調査結果に書かれているSTNetの対応は次のとおりです。

  • 2025年11月14日に、不正アクセスを受けた専用ネットワークをインターネットから遮断し、調査を開始した
  • 2025年11月18日に、漏えいした可能性がある設定ファイルの利用権限をすべて無効化した
  • 2025年11月20日に、二段階認証を有効にしていないSTクラウドサーバーサービスの利用者の設定を、STNetが有効化した
  • 個人情報保護委員会、外部の専門機関、警察と連携して調査を進めた
  • 緊急対策本部を立ち上げ、外部のセキュリティ専門機関等の協力を得て対応した
  • 情報が漏えいした可能性がある担当者と企業・団体に、個別に連絡している
  • ネットワークのセキュリティ点検はすべて完了し、すべてのサービスを安全に運用しているとしている
  • ネットワークの管理体制や、個人情報等が含まれるファイルの管理体制を見直すなど、恒久的な再発防止策の検討を進める

二段階認証とは、パスワードに加えて、確認コードなど別の手段でも本人を確かめる仕組みのことです。STNetは、利用者が自分で設定していなかった場合でも、予防のために設定を有効にしました。利用者の側では、ログインのときに確認の手順が増えていることになります。

補償やお詫びの品については、発表に書かれていません。発表に無いことは、この記事でもあるとは書きません。情報漏えいの事案でお詫び金やポイントが出た例と、利用者が確かめることは、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026で説明しています。

自分が対象かを確かめる方法

対象になりうるのは、STクラウドサーバーサービスやサーバー構築サービスを利用している企業・団体の担当者です。STNetは、情報が漏えいした可能性がある担当者と企業・団体に個別に連絡しているとしています。

確かめるときは、次の順番で見ると迷いません。

  1. 自分の勤め先や所属する団体が、STクラウドサーバーサービスやサーバー構築サービスを使っているかを確かめる
  2. 自分が、そのサービスの担当者としてSTNetとやりとりしたことがあるかを思い出す
  3. STNetから、この件についての個別の連絡が届いていないかを、メールや郵便で確かめる
  4. 勤め先の情報システムの担当者に、会社として連絡を受けているかを確かめる

担当者が異動や退職をしている場合、STNetからの連絡が、いまの担当者や会社の窓口に届いていることもあります。前の担当者の情報が対象に含まれている可能性もあるので、会社の中で情報を共有しておくと確実です。連絡がどの部署に届いたか分からない場合は、総務や情報システムの部署に、2025年11月以降にSTNetから届いた文書やメールがないかを確かめてもらうと見つけやすくなります。

ピカラ光など、家庭向けのサービスだけを使っている人は、発表の対象として挙げられていません。家庭向けのサービスの利用者を名乗って「あなたの情報が漏れた」と知らせてくる連絡があれば、まず疑ってください。

問い合わせ先は次のとおりです。

  • お客さま専用窓口:STNetビジネス営業本部
  • 電話:087-887-2404
  • 受付時間:平日9:00から17:20

報道関係の専用窓口(STNet 経営戦略部 広報課)も発表に載っていますが、利用企業の担当者の問い合わせは、お客さま専用窓口が案内されています。

利用企業の担当者がすること

システムのパスワードを変える

STNetは初報で、STクラウドサーバーサービスなどで構築しているシステムに関するパスワードの変更をお願いしています。調査結果でも、システムに関する情報としてID・パスワード等が漏えいした可能性があるとされています。まだ変えていない場合は、優先して変えてください。

パスワードを変えるときは、次の点に気をつけると効果が上がります。

  • 以前のパスワードと似たもの(数字を1つ変えただけなど)にしない
  • 同じパスワードを、ほかのシステムやサービスで使い回さない
  • 管理者の権限を持つアカウントから先に変える
  • 変えたパスワードを、メールやチャットで共有しない

パスワードの使い回しを見直す順番は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026にまとめています。

二段階認証の設定を確かめる

STNetは、二段階認証を有効にしていない利用者の設定を、2025年11月20日にSTNet側で有効にしました。利用企業の側では、確認コードを受け取る手段が、いまの担当者の手元にあるかを確かめておくと、ログインできなくなる事態を防げます。担当者が交代したときは、受け取りの手段も引き継いでください。

不審な連絡に用心する

調査結果では、不正取得された情報が悪用された場合に考えられる二次被害として、架空請求やフィッシングメール、SNSやインターネット上での不正利用、迷惑電話やスパムメールの増加を挙げています。会社名、氏名、メールアドレスがそろっているので、取引先やSTNetを名乗る本物らしいメールが届く可能性を考えておくと安心です。

電話がかかってきたときの対応

電話番号は一部の担当者のみが対象ですが、会社の代表番号や部署の番号は、もともと多くの人に知られています。STNetや取引先、セキュリティの会社を名乗って、「今回の件の調査で」「システムの安全を確かめるため」と言って、IDやパスワード、接続の情報を聞き出そうとする電話には応じないでください。

電話で求められても、その場で答えずに、いったん切ります。そのうえで、STNetのお客さま専用窓口(087-887-2404、平日9:00から17:20)など、自分で調べた公式の番号にかけ直して確かめます。パスワードを電話で伝えることは、どの相手に対しても避けてください。

項目ごとに考えておきたいこと

漏えいした可能性がある項目ごとに、起きうることと備えを整理します。

項目 起きうること 備え
会社名・氏名・メールアドレス 実在の取引先や事業者を名乗るフィッシングメール、架空請求 差出人のアドレスを見る。URLを開く前に、知っている連絡先で確かめる
電話番号(一部) 事業者や取引先を名乗る迷惑電話 知らない番号にすぐ折り返さない。用件を聞いてから公式の番号でかけ直す
生年月日(一部) 本人確認を装って、ほかの情報を聞き出そうとする連絡 生年月日を言われても、それだけで相手を信用しない
システムのID・パスワード等 システムへの不正なログイン パスワードを変える。ログインの記録を確かめる

会社名と氏名とメールアドレスがそろうと、「いつもお世話になっております。STNetの担当の◯◯です」といった、業務のやりとりに見えるメールを作りやすくなります。請求書の送付や、契約の更新、システムの緊急のメンテナンスを装うメールには、特に気をつけてください。

フィッシングメールとは、実在の会社を装って偽のサイトに誘い込み、IDやパスワードを入力させようとするメールのことです。見分け方と、開いてしまったあとの対処は、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で説明しています。

メールが本物か迷ったときの確かめ方

STNetを名乗るメールや、取引先を名乗るメールが届いて、本物かどうか迷ったときは、次の順番で確かめると落ち着いて判断できます。

  1. 差出人の名前ではなく、アドレスのドメイン(@より後ろの部分)を見る。普段のやりとりと違うドメインなら、まず疑う
  2. 本文に、急がせる言葉(本日中、至急、アカウント停止、緊急メンテナンスなど)がないかを見る
  3. URLを開かず、文字の上にカーソルを合わせたときに表示される行き先を見る
  4. 添付ファイルを開く前に、送り主に心当たりがあるかを考える
  5. 本物かどうかを、メールに書かれていない連絡先(STNetのお客さま専用窓口や、いつもの担当者の電話番号)で確かめる

特に、システムのIDやパスワードの入力を求めるメールには、どの差出人であっても、メールのURLから入力しないでください。システムにログインするときは、普段使っているブックマークや、自分で入力したアドレスから開くのが確実です。

おかしいと感じたメールは、削除する前に、会社の情報システムの担当者に報告すると、同じメールを受け取ったほかの社員を守ることにつながります。

情報システムの担当者が社内で確かめておくこと

この件は、担当者個人の情報だけでなく、企業・団体のシステムに関わる情報も含まれているのが特徴です。情報システムの担当者は、個人の対処とは別に、会社として次の点を確かめておくと安心です。

  1. STNetから個別の連絡を受けているか、受けている場合はどのシステムが対象か
  2. 対象のシステムのパスワードを、すべて変えたか
  3. 2025年11月以降のログインの記録に、覚えのない接続がないか
  4. 二段階認証の確認コードの受け取り手段が、いまの担当者の手元にあるか
  5. システムの管理者のアカウントを、退職した人や異動した人がまだ持っていないか
  6. 社員に、STNetや取引先を名乗る不審なメールや電話に用心するよう伝えたか

ログインの記録の見方は、システムによって違います。分からない場合は、STNetのお客さま専用窓口に、自社のシステムで何を確かめればよいかを相談するのが近道です。アクセスの記録から不正なアクセスを見つける考え方は、アクセスログ解析で不正アクセスを見抜く確認項目で紹介しています。

社内に注意を呼びかけるときは、「被害が出た」と伝えるのではなく、STNetの発表のとおり「二次被害は確認されていない」と正しく伝えたうえで、用心を求めるのがよいでしょう。

前の担当者や退職した担当者の情報について

対象の個人情報は、STクラウドサーバーサービスやサーバー構築サービスを利用する企業・団体の担当者のものです。ファイルサーバーの全ファイルが調べられているので、いまの担当者だけでなく、以前にSTNetとやりとりしていた担当者の情報が含まれている可能性もあります。

前の担当者が異動や退職をしている場合、STNetからの個別の連絡が本人に届かないことがあります。会社の側で連絡を受けたら、次の点を確かめておくと安心です。

  • 連絡に書かれた対象者に、すでに会社を離れた人が含まれているか
  • 含まれている場合、本人に知らせる必要があるか、どう知らせるか
  • 前の担当者のメールアドレスが、会社のアドレスのまま残っているか。残っていれば、そのアドレスに届くメールを誰が見ているか

退職した人の会社のアドレスを止めていない場合、そこに届いたフィッシングメールに誰も気づかない、ということが起こりえます。使わなくなったアドレスやアカウントの扱いを、この機会に見直しておくと役に立ちます。

自分が以前に勤め先でSTNetのサービスの担当をしていた人は、前の勤め先に、STNetから連絡が来ていないかを問い合わせることもできます。個人のメールアドレスを登録していた場合は、そのアドレスに届く不審なメールにも気をつけてください。

サービスを使い続けるかを考えるときに確かめること

利用企業の中には、この件を受けて、サービスの使い方を見直したいと考える会社もあるはずです。STNetは調査結果で、ネットワークのセキュリティ点検はすべて完了し、すべてのサービスを安全に運用しているとしています。続けるかどうかは各社の判断ですが、どちらにする場合でも、次の点を確かめておくと判断の材料になります。

  1. STNetから受けた個別の連絡で、自社のどのシステムの情報が対象だったか
  2. 自社の側で、パスワードの変更とログインの記録の確認を終えたか
  3. 二段階認証の設定が、いまも有効になっているか
  4. 恒久的な再発防止策の中身が公表されたら、その内容が自社の求める水準に合うか

4つめは、2026年11月1日時点でまだ公表されていません。STNetのニュースの一覧で、続報が出たかを確かめてください。

リモートアクセスの設定ファイルの扱いで学べること

今回の侵入には、サーバーに保存されていたリモートアクセス用の設定ファイルが使われました。リモートアクセスの設定ファイルには、接続先の情報や、場合によっては接続に使う鍵や認証の情報が書かれています。このファイルを手に入れた人は、正規の利用者と同じようにネットワークの中に入れてしまうことがあります。

小さな会社や在宅で働く人も、離れた場所から会社のネットワークや取引先のサーバーにつなぐためのVPNなどの設定ファイルを持っていることがあります。VPNとは、インターネットの上に、外から見えない専用の通り道を作って安全につなぐ仕組みのことです。次の点を確かめておくと、同じ型の被害を防ぎやすくなります。

  • 接続用の設定ファイルを、誰でも見られる共有フォルダや、使い終わったサーバーに保存したままにしていないか
  • 設定ファイルを、メールやチャットで送っていないか
  • 使わなくなった接続の権限を、無効にしているか
  • 接続のときに、設定ファイルだけでなく、パスワードや二段階認証も求める設定になっているか

STNetが初報の段階で設定ファイルの利用権限をすべて無効化したように、漏れたおそれのある接続の権限を止めることは、被害を広げないための基本の手当てです。

もう一つ学べるのは、守るべき情報が「どこにあるか」を知っておくことの大切さです。STNetは、専用ネットワークにつながるファイルサーバーの全ファイルを調べることで、どの情報が対象かを突き止めました。自分のパソコンやクラウドの保存場所に、取引先の連絡先や接続の情報がどれくらい残っているかを把握しておけば、万一のときに、誰に何を知らせればよいかをすぐに判断できます。使い終わったファイルを定期的に整理して削除しておくことは、漏れたときの範囲を小さくすることにもつながります。

続報が出たときに見るところ

この件の続報が出るとすれば、STNetのサイトのニュースの一覧に載ると考えられます。2026年11月1日時点で、一覧に並んでいるこの件の発表は、2025年11月21日の初報と2026年1月21日の調査結果の2本です。

調査結果では、恒久的な再発防止策の検討を進めるとしています。再発防止策の中身が公表されるとすれば、同じ一覧に載ると考えられます。報道や解説記事には、発表に書かれていない推測が混ざっていることがあるので、数字や項目は、STNetの発表で確かめてください。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で業務委託の仕事を受けている人の中には、取引先のサーバーの管理や、システムの保守を請け負う人もいます。取引先のクラウドサーバーにつなぐための設定ファイルやパスワード、取引先の担当者の連絡先を預かる立場になることがあります。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等を挙げています。いずれも、実際に漏えいした場合だけでなく、そのおそれがある場合も含まれます。報告は発覚したら速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。同じページには、クラウド事業者による代行報告の記入例も載っています。

取引先のシステムに関わる仕事をするときは、次の点を確かめておくと安心です。

  • 取引先から預かった接続の設定ファイルやパスワードを、仕事が終わったあとも手元に残していないか
  • 自分のパソコンで、接続の設定ファイルを保存している場所を把握しているか
  • 取引先のシステムのアカウントに、二段階認証を設定しているか
  • 不審なことに気づいたとき、すぐに取引先に知らせる連絡先を知っているか

どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、仕事が終わったら預かった接続の情報を削除して報告する、という手当ては、どの契約でも役に立ちます。

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、技術の確かさだけでなく、預かった鍵やパスワードを最後まで丁寧に扱う姿勢で信頼を得ています。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼がそのまま手取りの厚さに結びつきます。

情報を守る力を仕事に生かす

クラウドの設定、リモートアクセスの管理、ネットワークの守り方は、企業の情報システムを支える仕事で求められる知識です。ネットワークの基礎を学べる資格として、CCNA(シスコ技術者認定)があります。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

STNetの件は、2026年11月1日時点で1月21日の調査結果のあとに続報がなく、二次被害は確認されていないとされています。STクラウドサーバーサービスやサーバー構築サービスを使う企業・団体の担当者は、STNetからの個別の連絡を確かめ、システムのパスワードを変え、STNetや取引先を名乗る不審なメールや電話に用心することを先に済ませてください。

よくある質問

Q. ピカラ光を使っているだけでも対象になりますか?

発表で対象とされたのは、STクラウドサーバーサービスやサーバー構築サービスを利用している一部の企業・団体の担当者です。家庭向けのサービスの利用者は、発表の対象として挙げられていません。家庭向けのサービスの利用者を名乗って、情報が漏れたと知らせてくる連絡があれば、まず疑ってください。

Q. 20,846名全員の電話番号や生年月日が含まれるのですか?

いいえ。調査結果では、項目は会社名、氏名、メールアドレス、電話番号、生年月日で、電話番号と生年月日は一部の担当者のみとされています。自分にどの項目が含まれるかは、STNetからの個別の連絡か、お客さま専用窓口(STNetビジネス営業本部、電話 087-887-2404、平日9:00から17:20)で確かめてください。

Q. 利用企業はまず何をすればよいですか?

STNetは初報で、STクラウドサーバーサービスなどで構築しているシステムに関するパスワードの変更をお願いしています。まだ変えていなければ優先して変え、ログインの記録に覚えのない接続がないかを確かめます。そのうえで、STNetや取引先を名乗る不審なメールや電話に用心するよう、社内に伝えておくと安心です。

Q. 2026年11月1日時点で、続報は出ていますか?

STNetのニュースの一覧を2026年11月1日時点で確かめたところ、2026年1月21日の調査結果のあとに、この件の続報は見当たりませんでした。調査結果では、恒久的な再発防止策の検討を進めるとしています。補償やお詫びの品は発表に書かれていません。今後STNetが発表した場合は、そちらが正しい情報になります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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