総務の仕事に役立つ資格|種類と選び方


この記事のポイント
- ✓総務の仕事に役立つ資格を
- ✓衛生管理者や防火管理者のように会社に必要な資格
- ✓労務や法務の知識を示す資格
総務の資格を調べている人は、総務の仕事に就きたい、総務として今の仕事の幅を広げたい、評価につながる資格を取りたい、と考えています。総務の仕事は、会社の設備や備品の管理、社内の行事、文書の管理、株主総会の準備、安全と衛生の管理、社内のITの管理まで幅が広く、会社によって担当する範囲も大きく違います。この記事では、総務の仕事に資格が必須ではない理由を確かめたうえで、会社に必要とされる資格、労務や法務の知識を示す資格、事務とITの力を示す資格に分けて紹介し、自分の業務に合わせた選び方と、取ったあとの生かし方までを整理します。
総務の仕事に資格は必須ではない
総務は資格がなくても始められる
最初に知っておきたいのは、総務の仕事をするのに、法律で必須とされる資格はない、ということです。総務の求人の多くは、資格よりも、事務の経験、社内外の人との調整の力、パソコンの操作の力を重視しています。未経験の人が総務の仕事に就く場合も、資格がないことが理由で応募できない、ということはほとんどありません。
それでも資格が役立つ3つの場面
それでも、総務の仕事で資格が役立つ場面は、大きく3つあります。
- 会社に配置することが法律で求められる資格を持つことで、会社の役に立つ場面
- 労務や法務の知識を体系的に学び、仕事の判断の根拠を持つ場面
- 転職や社内の異動のときに、知識と意欲を示す場面
この3つのどれを目指すかで、選ぶ資格は変わります。
総務の仕事の範囲を確かめる
総務の仕事の範囲は、会社の規模で大きく変わります。大きな会社では、総務、人事、経理、法務が別の部署に分かれていることが多く、総務は設備の管理や社内の行事、文書の管理が中心になります。小さな会社では、総務の担当者が人事の手続き、給与の計算、経理、ITの管理まで一手に引き受けることもあります。自分の会社、または目指す会社の総務の範囲を確かめてから資格を選ぶと、取ったあとに生かしやすくなります。
総務の仕事の主な内容
設備と備品の管理
総務の代表的な仕事の1つが、会社の設備と備品の管理です。事務所の机や椅子、複合機、パソコンなどの備品の購入と管理、事務所の賃貸の契約、清掃や警備の会社との契約、社用車の管理などが含まれます。備品の在庫を管理し、必要なときに必要な分を発注する、壊れたときに修理の手配をする、といった細かな仕事の積み重ねで、社員が働きやすい環境を保ちます。
文書と社内の規程の管理
社内の規程(就業規則、経費の規程、文書の管理の規程など)の作成と見直し、契約書や重要な書類の保管、社印の管理も、総務の仕事です。法律の改正があったときに、社内の規程を合わせて見直す必要があるので、法律の動きに目を配る力が求められます。
社内の行事と会議の運営
入社式、社員の研修、社内の表彰、忘年会のような社内の行事の企画と運営、株主総会や取締役会の準備も、総務が担うことが多い仕事です。会場の手配、参加者への案内の文書の作成、当日の進行まで、段取りを組む力が試されます。
安全と衛生、災害への備え
職場の安全と衛生の管理、健康診断の手配、防災の訓練、災害のときの備蓄品の管理、社員の安否を確かめる仕組みづくりも、総務の大事な仕事です。衛生管理者や防火管理者のような資格が、直接結び付く分野です。
社外との窓口
来客の対応、代表の電話の応対、郵便物の仕分け、取引先からの問い合わせの取り次ぎなど、総務は会社の窓口としての役割も担います。会社の第一印象を左右する仕事なので、ビジネスのマナーや言葉づかいが求められます。
総務に向いている人と、求められる力
段取りを組んで抜け漏れなく進める力
総務の仕事は、期限のある細かな仕事が同時にいくつも進むのが特徴です。健康診断の手配、備品の発注、行事の準備、規程の見直しを並行して進めるには、仕事を一覧にして、期限と優先順位を決めて進める段取りの力が欠かせません。チェックの表を作って抜け漏れを防ぐような、地道な工夫が得意な人に向いています。
社内外の人と調整する力
総務は、社内のあらゆる部署と関わり、社外の業者や役所とも連絡を取ります。立場の違う人の要望を聞き、落としどころを見つける調整の力は、資格では示しにくいものの、総務の仕事で最も評価される力の1つです。
法律や制度の変化を追う力
労働の法律、社会保険、税の制度、個人の情報の保護のルールは、毎年のように見直されます。変化に気付いて社内の仕組みを合わせて直すことが、総務の大事な役割です。資格の勉強は、こうした法律や制度の基本の考え方を体系的に学ぶ機会になり、変化を理解する土台になります。
会社に必要とされる資格
衛生管理者
衛生管理者は、働く人の健康の障害を防ぐために、職場の衛生の管理を担う国家資格です。労働安全衛生法と、その施行令で、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を選ばなければならないとされています。e-Gov法令検索の労働安全衛生法施行令の第4条に、この規模の定めがあります。総務の担当者が衛生管理者を兼ねる会社が多く、総務の仕事と最も結び付きやすい資格の1つです。
衛生管理者には第一種と第二種があります。試験を行う安全衛生技術試験協会は、次のように説明しています。
第一種衛生管理者免許を有する者は、すべての業種の事業場において衛生管理者となることができます。 出典: 安全衛生技術試験協会 衛生管理者の資格紹介
第二種は、情報通信業、金融や保険業、卸売や小売業のように、有害な業務との関わりが少ない業種の事業場に限って衛生管理者になれます。事務の仕事が中心の会社なら第二種でも足りることが多いですが、製造業や建設業の会社では第一種が求められます。
受験には、学歴に応じた労働衛生の実務の経験が必要です。協会の案内によると、大学や短大などの卒業者は卒業後1年以上、高校の卒業者は卒業後3年以上の実務の経験が必要で、学歴に関係なく10年以上の経験でも受けられます。試験の科目は、労働衛生、関係法令、労働生理の3つで、科目ごとに40%以上、合計で60%以上の得点が合格の基準です。
防火管理者
防火管理者は、建物の火災を防ぐための計画を立て、消火や避難の訓練を行う役割を担う資格です。消防法で、一定の規模以上の建物の管理について権原を持つ人は、防火管理者を定めることが求められています。資格は、消防署などが行う講習を修了することで取れるので、試験の勉強は必要ありません。建物の規模や用途によって、甲種と乙種の講習があり、講習の日数が違います。総務の担当者が防火管理者を任されることも多いので、会社の建物の規模と必要な区分を確かめておきます。防火管理者に選ばれたら、消防計画を作って消防署に届け出る、消火の設備や避難の経路を定期的に点検する、消火と通報と避難の訓練を行う、といった仕事が続きます。複数の会社が入っているビルでは、建物全体の防火の管理を協力して進める仕組みもあるので、ビルの管理の会社とも連絡を取り合います。講習で学ぶのは、こうした実務の基本です。
安全管理者と産業医との連携
製造業や建設業などの一定の業種では、衛生管理者に加えて、安全管理者を選ぶことも求められます。安全管理者は、資格の試験ではなく、学歴と実務の経験、決められた研修の修了などで選任される仕組みです。また、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、産業医を選ぶことも求められています。総務の担当者は、産業医との日程の調整や、健康診断の結果の管理、ストレスチェックの実施の手配などを担うことがあり、衛生管理者の知識があると、こうした仕事を進めやすくなります。
労務や法務の知識を示す資格
社会保険労務士
社会保険労務士は、労働と社会保険の法律の専門家として、手続きの代理や相談を行う国家資格です。総務の担当者が、社員の入社や退社のときの社会保険の手続き、労働時間の管理、就業規則の見直しを担う会社では、社会保険労務士の試験で学ぶ知識がそのまま仕事に役立ちます。試験は難しく、合格までに長い勉強の期間が必要ですが、総務や人事の仕事を長く続けたい人にとって、目標にする価値の高い資格です。試験には学歴や実務の経験などの受験の条件があるので、試験の実施団体の案内で確かめます。
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定は、東京商工会議所が実施する、仕事で必要な法律の知識を問う民間の検定です。契約、会社の仕組み、知的財産、個人の情報の保護、労働の法律など、総務や法務の仕事で触れる法律を幅広く学べます。級ごとに難しさが分かれているので、まずは基本の級から始め、仕事の必要に応じて上の級を目指せます。取引先との契約書の確認や、社内の規程の見直しの場面で、法律の考え方を知っていると、どこに注意して読めばよいかの見当がつき、専門家に相談すべき点にも早く気付けるようになります。
個人の情報の保護やマイナンバーに関わる検定
総務の仕事では、社員の個人の情報や、マイナンバー(個人番号)を扱う場面があります。個人の情報の保護や、マイナンバーの実務の扱いを問う民間の検定もあり、情報の扱いのルールを体系的に学ぶ手段になります。ただし、こうした検定は国家資格ではなく、仕事に必須とされるものでもないので、自分の会社で情報の扱いの役割を担うかどうかで判断します。
知的財産や著作権の検定
会社のWebサイトや広報の資料、社内の研修の資料を作る総務の担当者は、写真やイラスト、文章の著作権に触れる場面が多くなります。知的財産や著作権の知識を問う検定は、他人の権利を侵さずに資料を作るための知識を身に付ける手段になります。知的財産管理技能検定は、技能検定の仕組みにもとづく国家検定です。
事務とITの力を示す資格
日商簿記検定
日商簿記検定は、日本商工会議所が実施する簿記の検定です。総務と経理を兼ねる会社では、経費の精算、備品の購入、固定資産の管理など、お金に関わる仕事が多く、簿記の知識が役立ちます。経理を兼ねない総務でも、会社のお金の流れを理解していると、予算を立てる、費用を見直す、といった仕事で判断がしやすくなります。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
MOSは、WordやExcelなどの操作の力を示す民間資格です。総務の仕事では、社内の文書の作成、備品の管理の表、行事の参加者の集計など、ExcelやWordを使う場面が非常に多くあります。関数や表の機能を使いこなせると、手作業の時間が大きく減ります。資格の勉強を通じて、普段使っていない機能を知るきっかけにもなります。
秘書検定とビジネス文書の資格
秘書検定は、ビジネスのマナーや、来客の対応、電話の応対、文書の作成などを問う民間の検定です。総務は、社外からの来客や電話の窓口になることが多く、会社の顔としての対応が求められます。社内外に出す文書を作る力を示したい人には、ビジネス文書検定のように、文書の書き方を体系的に学べる資格もあります。社内の通知、案内状、お礼状など、総務が作る文書の質を上げるのに役立ちます。
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験で、ITを使う社会人に共通して求められる基本の知識を問うものです。IPAの試験区分一覧によると、随時の実施で、パソコンで受ける方式です。小さな会社では、総務の担当者が社内のパソコンやネットワーク、アカウントの管理、情報の安全の対策まで担うことがあります。ITパスポートで学ぶ、情報の安全の基本や、ITの管理の考え方は、そうした仕事の土台になります。
ネットワークや情報の安全の資格
社内のネットワークの管理まで本格的に担う場合は、ネットワークの機器のメーカーが認定するCCNA(シスコ技術者認定)のような資格や、情報処理推進機構の情報セキュリティマネジメント試験も選択肢になります。社内のITの管理は、外の専門の会社に任せることも多いので、自分で担う範囲を決めてから選びます。
総務の業務別の資格の選び方
業務と資格の対応表
| 担当する業務 | 役立つ資格の例 |
|---|---|
| 職場の安全と衛生、健康診断の管理 | 衛生管理者 |
| 建物の管理、消防の訓練 | 防火管理者 |
| 入社と退社の手続き、社会保険 | 社会保険労務士 |
| 契約書の確認、社内の規程の管理 | ビジネス実務法務検定 |
| 経費の精算、備品と固定資産の管理 | 日商簿記検定 |
| 社内の文書、行事の案内 | 秘書検定、ビジネス文書の資格、MOS |
| 社内のパソコンとネットワークの管理 | ITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験 |
この表を、自分が今担当している業務、またはこれから担当したい業務に当てはめて、候補の資格を2つか3つに絞ります。
会社の規模で選ぶ
従業員が50人以上の事業場で働いているなら、衛生管理者は会社にとって欠かせない資格です。まだ社内に衛生管理者がいない、または担当者が1人しかいない会社なら、資格を取ることで会社に直接貢献できます。小さな会社で幅広い仕事を担っているなら、簿記、MOS、ITパスポートのように、日々の業務の効率を上げる資格が役立ちます。
将来の進み方で選ぶ
総務として長く働き、管理職を目指したいなら、社会保険労務士やビジネス実務法務検定のように、労務と法務の判断の土台になる資格が向いています。人事の仕事に進みたいなら、労働の法律と社会保険の知識、経理に進みたいなら簿記の上の級、というように、将来進みたい方向に合わせて選びます。
総務の資格の勉強の進め方
仕事の中で学んだことと結び付ける
総務の資格の勉強は、日々の仕事と結び付けると、理解が早く進みます。衛生管理者の勉強なら、自分の会社の健康診断の流れや、職場の照明や温度の管理と照らし合わせながら学ぶと、試験の知識が実感を持って身に付きます。簿記の勉強なら、実際の経費の精算の伝票と照らし合わせると、仕訳の意味が分かりやすくなります。
会社の支援を確かめる
会社によっては、業務に必要な資格の受験料や講座の費用を補助する制度があります。衛生管理者のように会社に必要な資格なら、受験の費用を会社が負担してくれることもあります。就業規則や社内の案内を確かめ、上司に相談してから勉強を始めると、勉強の時間の確保についても理解を得やすくなります。会社が社員の研修や資格の取得の費用に使える助成の仕組みの例は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で紹介されています。
衛生管理者の試験に向けた勉強の進め方
総務の担当者が最初に挑戦することの多い衛生管理者の試験は、労働衛生、関係法令、労働生理の3つの科目で出題されます。勉強の進め方としては、まず過去の問題を1回分眺めて、どんな言葉や数字が問われるかをつかみ、次にテキストで科目ごとの基本を学び、最後に過去の問題を繰り返し解く、という順番が進めやすい方法です。
関係法令の科目では、衛生管理者や産業医を選ぶ事業場の規模、健康診断の種類と時期、作業の環境の基準など、数字を覚える問題が多く出ます。数字は、自分の会社の実際の様子と結び付けて覚えると忘れにくくなります。労働生理の科目は、人の体の仕組みの知識を問うもので、総務の実務ではなじみが薄い人も多いため、早めに取りかかって時間をかけます。科目ごとに40%以上、合計で60%以上という合格の基準があるので、苦手な科目を作らないことが大切です。
試験の勉強は仕事の繁忙期と重ねない
総務の仕事には、年度の初めの入社の手続き、株主総会の準備、年末の調整のように、忙しい時期があります。試験の時期がこうした繁忙期と重なると、勉強の時間が取れなくなります。受ける日を選べる試験なら、繁忙期を避けて予定を立てます。
資格を総務の仕事に生かす方法
社内に知らせて役割を広げる
資格を取ったら、上司や社内に知らせます。衛生管理者なら、選任の届け出の手続きを進めてもらい、正式に役割を担うことができます。資格を持っていることが知られると、関係する仕事を任される機会が増え、社内での役割が広がります。
社内の仕組みの見直しに生かす
資格の勉強で学んだ知識は、社内の仕組みの見直しに生かせます。衛生管理者の知識で職場の環境の点検の手順を整える、簿記の知識で経費の精算の流れを簡単にする、MOSの知識で手作業の集計を自動にする。こうした改善の実績は、資格そのものより強く、総務の担当者としての評価につながります。
業務の自動化やAIの活用に広げる
総務の仕事には、定型の手続き、問い合わせへの対応、書類の作成など、自動化やAIの活用で効率を上げられる業務が多くあります。資格で身に付けた業務の知識と、ITの道具を組み合わせると、業務の改善の担い手として活躍の場が広がります。AIを業務に取り入れる支援の仕事の内容は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で確かめられます。
総務の1年の仕事の流れと資格の関わり
年間の主な仕事
総務の仕事には、毎年決まった時期にやってくるものが多くあります。会社によって違いはありますが、主な流れの例は次のとおりです。
| 時期 | 主な仕事 | 関わる知識や資格 |
|---|---|---|
| 春 | 新しい社員の入社の手続き、入社式、名刺や備品の準備 | 社会保険の知識、秘書検定 |
| 春から夏 | 株主総会の準備、社員の健康診断の手配 | ビジネス実務法務検定、衛生管理者 |
| 夏 | 社会保険の定時の届け出、夏の節電と暑さの対策 | 社会保険労務士の知識、衛生管理者 |
| 秋 | 防災の訓練、ストレスチェックの実施の手配 | 防火管理者、衛生管理者 |
| 冬 | 年末の調整の準備、年末年始の休みの案内、来年度の予算 | 簿記、ビジネス文書の資格 |
年間の流れが見えると、どの時期にどの知識が必要になるかが分かり、資格の勉強の優先順位も決めやすくなります。忙しい時期の前に、関係する知識を学んでおくと、実際の仕事でも慌てずに済みます。
毎月の仕事
毎月の仕事としては、備品の発注と在庫の確認、郵便物や来客の対応、経費の精算の確認、衛生委員会の開催の準備などがあります。常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生委員会を設けて毎月開くことが求められており、衛生管理者は委員会の一員になります。毎月の決まった仕事を手順書にしておくと、担当が変わったときの引き継ぎもしやすくなります。
資格と一緒に身に付けたいITの道具の使い方
表計算の関数と集計
総務の仕事の多くは、表計算のソフトで管理されています。備品の台帳、行事の参加者の一覧、健康診断の受診の状況、契約の更新の期限の一覧など、扱う表の数は少なくありません。並べ替え、絞り込み、条件に合う件数を数える関数、表どうしを照らし合わせる関数を使いこなせると、手作業の確認の時間が大きく減ります。MOSの勉強は、こうした機能を体系的に学ぶ機会になります。
共有のフォルダと文書の管理
社内の規程や書式を、共有のフォルダで管理する会社が増えています。フォルダの構成とファイルの名前の付け方のルールを決め、最新の版がどれかがすぐに分かるようにしておくと、社員からの問い合わせが減ります。古い版のファイルを残す場合は、別のフォルダに分けて保存し、誤って古い書式が使われるのを防ぎます。
社内の問い合わせの受け付け
総務には、備品の申請、規程の確認、手続きの方法など、社員からの問い合わせが日々寄せられます。問い合わせを口頭やメールで個別に受けていると、対応の抜け漏れや、同じ質問への繰り返しの回答に時間がかかります。よく寄せられる問い合わせと回答を社内の共有の場所に掲載しておく、問い合わせの受け付けの窓口を1つにまとめる、といった工夫で、対応の時間を減らせます。
未経験から総務を目指す人の資格の選び方
事務の基本を示す資格から
未経験から総務の仕事を目指す人は、まず事務の基本の力を示す資格から始めるのがおすすめです。MOSでExcelとWordの操作の力を、秘書検定でビジネスのマナーと文書の基本を、日商簿記の3級で会社のお金の流れの基本を示すと、総務の仕事に必要な土台があることを伝えられます。いずれも数か月で合格を目指せる資格なので、転職の活動と並行して取り組めます。
衛生管理者は実務の経験を積んでから
衛生管理者は総務の仕事と結び付きの強い資格ですが、受験には労働衛生の実務の経験が必要です。未経験の段階では受けられないことが多いので、総務の仕事に就いて実務の経験を積んでから目指します。入社したときに、会社に衛生管理者が足りているかを確かめておくと、将来の目標を立てやすくなります。
前の仕事の経験とつなげる
営業、販売、接客、経理など、前の仕事の経験は、総務の仕事でも生かせます。接客の経験は来客の対応に、経理の経験は経費の精算や予算の管理に、営業の経験は社外の業者との交渉に、それぞれつながります。応募のときは、資格に加えて、前の仕事の経験が総務のどの仕事に生かせるかを具体的に伝えると、未経験でも評価されやすくなります。
資格選びで失敗しやすい点
難しい資格から始めてしまう
総務に役立つ資格の中でも、社会保険労務士のような難しい国家資格から始めると、合格までに長い時間がかかり、途中で続かなくなることがあります。まずは取りやすい資格で合格の経験を積み、勉強の習慣を付けてから、難しい資格に進む順番がおすすめです。
会社の業務と関係のない資格を選ぶ
人気のある資格だからといって、自分の会社の総務の業務と関係のない資格を選ぶと、取っても生かす場面がありません。業務と資格の対応表を参考に、今の仕事、または近い将来に担う仕事に直結する資格を選びます。
取ったあとの登録や更新を忘れる
資格によっては、合格したあとに登録の手続きが必要だったり、決められた期間ごとに更新の講習が必要だったりします。衛生管理者は、合格したあとに免許の申請の手続きをして初めて免許が交付されます。手続きを忘れて、いざ選任しようとしたときに困ることがないよう、合格したらすぐに手続きを進めます。
資格の費用と勉強の時間の目安の調べ方
公式の案内で受験料と日程を確かめる
資格の受験料、試験の日程、受験の条件は、資格ごとに試験を行う団体の公式の案内で確かめます。講座の会社やまとめのサイトの情報は便利ですが、古い情報が残っていることがあるので、申込みの前には必ず公式の案内を見ます。
勉強の時間は自分の経験で見積もる
勉強の時間の目安は、講座の会社や合格者の体験記に書かれていることが多いですが、自分の経験によって大きく変わります。総務の実務で触れている内容が多い資格なら短く、まったく初めての分野なら長く見積もります。1週間に使える勉強の時間と比べて、試験の日までに間に合うかを確かめてから、受ける時期を決めます。
講座の費用は給付の制度も確かめる
講座を使う場合は、雇用保険に一定の期間加入している人などが使える教育訓練給付金の対象になっているかを確かめます。対象の講座なら、費用の一部が支給されます。対象になるかどうかは、講座を申し込む前に、ハローワークで確かめます。
総務の経験を在宅や業務委託で生かす
総務の仕事を外から手伝う
総務の経験は、会社の外からでも生かせます。小さな会社や個人の事業主の中には、総務の担当者を雇う余裕がなく、社内の文書の作成、規程の整備、備品の管理の仕組みづくりなどを、外の経験者に頼みたいと考えるところがあります。在宅で受けられる総務の仕事は、業務委託の仲介サイトや、在宅の求人で探せます。
文書の作成の実績を見せる
在宅で総務の仕事を受けるときは、作れる文書の見本を用意しておくと、発注する側に力を伝えやすくなります。社内の通知、案内状、手順書、規程のひな型など、個人の情報や会社の秘密を含まない形で作った見本を、ポートフォリオとしてまとめておきます。実績の見せ方の考え方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】が参考になります。
ITとマーケティングの仕事に広げる
社内のITの管理や、会社のWebサイトの更新、SNSでの発信を担ってきた総務の担当者は、その経験を在宅のITやマーケティングの仕事に広げることもできます。情報の安全の対策や、広報とマーケティングに関わる仕事の内容は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確かめられます。
運営者として見てきた、総務の経験を生かして働く人
在宅ワークと業務委託の仲介を長く続けてきた立場から見ると、総務の経験を持つ人は、業務委託の仕事でも求められる場面が多くあります。小さな会社や新しく立ち上がった会社では、総務の担当者を正社員で雇う余裕がなく、社内の規程の整備、手続きの代行、文書の作成などを、外の経験者に頼みたいという需要があるからです。
こうした仕事を受けている人に共通するのは、資格の名前より、「何をどこまで任せられるか」を具体的に示していることです。社会保険の手続きの代行ができる、社内の規程の文書を作れる、衛生委員会の運営を手伝える。仲介の手数料が乗らない直接の取引なら、同じ予算で発注する側は多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。総務の資格と経験を、具体的な仕事の形にして示すことが、会社の中でも外でも長く頼られるための近道です。総務の仕事は、会社の中で目立ちにくい仕事ですが、資格の知識に裏付けられた正確な手続きと、社員が働きやすい環境づくりは、会社の土台そのものです。資格を取ったあとも、法律や制度の変化を追い続ける姿勢が、総務の担当者としての信頼を育てます。
よくある質問
Q. 総務の仕事に就くのに資格は必要ですか?
法律で必須とされる資格はなく、資格がなくても総務の仕事に就けます。求人の多くは、資格より事務の経験、社内外との調整の力、パソコンの操作の力を重視しています。ただし、衛生管理者のように会社に配置が求められる資格や、労務や法務の知識を示す資格を持っていると、任される仕事の幅が広がり、転職のときにも知識と意欲を示せます。
Q. 総務の担当者が最初に取るならどの資格がおすすめですか?
従業員が50人以上の事業場で働いているなら、衛生管理者が会社に直接貢献できる資格です。受験には学歴に応じた実務の経験が必要なので、条件を確かめてから挑戦します。実務の経験が足りない人や小さな会社で幅広く担っている人は、MOS、日商簿記、ITパスポートのように日々の業務の効率を上げる資格から始めるのがおすすめです。
Q. 衛生管理者の第一種と第二種はどちらを取ればよいですか?
第一種はすべての業種の事業場で衛生管理者になれます。第二種は情報通信業、金融や保険業、卸売や小売業など、有害な業務との関わりが少ない業種の事業場に限られます。事務の仕事が中心の会社なら第二種で足りることが多いですが、製造業や建設業、将来の転職で幅広い業種を考えるなら第一種を選びます。
Q. 防火管理者の資格はどうすれば取れますか?
防火管理者は、試験ではなく、消防署などが行う講習を修了することで取れます。建物の規模や用途によって甲種と乙種の区分があり、講習の日数が違います。会社の建物でどちらの区分が必要かを確かめてから申し込みます。講習の日程や申込みの方法は、建物のある地域の消防署や消防本部の案内で確かめます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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