ガントチャートのエクセルテンプレートの使い方と、更新が大変になる場面

@SOHO編集部
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ガントチャートのエクセルテンプレートの使い方と、更新が大変になる場面

この記事のポイント

  • ✓ガントチャートのエクセルテンプレートの入手先と使い方を
  • ✓Microsoftの公式ページをもとに手順で整理します
  • ✓積み上げ横棒グラフと条件付き書式の2つの作り方

プロジェクトの工程表を作ることになり、まずはエクセルのガントチャートのテンプレートを探している。新しい道具を入れるほどではないけれど、タスクと期間をひと目で見られる表がほしい。そう考える人にとって、エクセルは最も身近な選択肢です。社内の誰もが開けて、印刷もしやすく、追加の費用もかかりません。

ただ、エクセルのガントチャートは、作るのは簡単でも、使い続けるうちに更新が大変になる場面がやってきます。予定がずれるたびにセルの塗りを直す、担当者ごとにファイルが分かれて最新版が分からなくなる、といった悩みです。テンプレートを選ぶ段階で、こうした場面を知っておくと、作り方を工夫して負担を減らせます。

この記事では、Microsoftの公式ページを一次資料にして、エクセルのガントチャートのテンプレートの入手先と使い方を、手順を追って整理します。テンプレートを使わずに自作する2つの方法、祝日を除いた日付の計算、依存関係の表し方を押さえたうえで、更新が大変になる場面と、その負担を減らす工夫まで書いていきます。

エクセルのガントチャートには3つの作り方がある

最初に、エクセルでガントチャートを作る方法の全体像を押さえておきます。Microsoftのサポートページ「Excel でデータをガント チャートで表示する」には、Excelには事前に用意されたガントチャートの種類はないと書かれています。そのため、次の3つのどれかで作ることになります。

作り方 仕組み 向いている人
テンプレートを使う 公開されている表に入力する すぐに使い始めたい人
積み上げ横棒グラフで作る グラフの一部を透明にして横棒に見せる 見た目を自由に整えたい人
条件付き書式で塗る 日付の列のセルを、期間に合わせて自動で塗る 日単位で細かく管理したい人

ガントチャートとは、縦にタスクを並べ、横に日付を取り、それぞれのタスクの期間を横棒で表した工程表のことです。どの作り方でも、元になるのは「タスク名」「開始日」「終了日」の3つの列です。ここに担当者や進み具合の列を加えていくのが基本の形です。

迷ったら、まずテンプレートから始めるのがおすすめです。テンプレートには、日付の計算や横棒の色分けの仕組みがあらかじめ組み込まれているので、入力するだけでガントチャートになります。自分のプロジェクトに合わない部分が出てきたら、そこで初めて自作の方法を学べば十分です。

テンプレートの入手先と選び方

エクセルのガントチャートのテンプレートは、Microsoftが公式に無料で公開しています。Microsoftのテンプレートのページは、次のように紹介しています。

無料のガント チャート テンプレートを Excel で利用し、時系列上でタスクの進捗状況を視覚化しましょう。既製のグラフを、独自のタスク カテゴリ、リスク レベル、進捗状況、開始日などを設定してカスタマイズしましょう。 出典: excel.cloud.microsoft

同じページによると、Excel用のガントチャートのテンプレートには、日と週の時間の単位で月を表示する機能が含まれていて、列ごとに月を対応させたい場合は、時間の単位を月に変えて使えます。

同じページでは、Microsoft Copilot in Excelを使える環境なら、チャットでタイムラインの列を広げたり、タスクの依存関係の列を作ったり、タスクの表をもとにガントチャートを作らせたりできるとも紹介されています。Copilotとは、Microsoftが提供するAIの手伝いの機能のことです。使えるかどうかは契約しているプランや職場の設定によるので、使えない場合は、これから紹介する手作業の方法で十分にガントチャートを作れます。

テンプレートを選ぶときは、次の3つの観点で見比べると、自分のプロジェクトに合うものを見つけやすくなります。

1つ目は、時間の単位です。数週間で終わるプロジェクトなら日単位、半年から1年の計画なら週単位か月単位のテンプレートが見やすくなります。日単位で1年分を並べると、横に長くなりすぎて全体が見えません。

2つ目は、列の項目です。担当者、進み具合の割合、工程の区分、メモなど、どの列が最初から用意されているかを確かめます。使わない列が多すぎると入力が面倒になり、必要な列がないと自分で加える手間がかかります。

3つ目は、タスクの階層です。大きな工程の下に細かな作業を並べる形、いわゆるWBSに対応しているかどうかです。WBSとは、プロジェクトの作業を細かく分けて一覧にしたもののことです。工程の多いプロジェクトでは、階層を持てるテンプレートのほうが整理しやすくなります。

観点 確かめること
時間の単位 日・週・月のどれで表示するか
列の項目 担当者・進み具合・区分の列があるか
タスクの階層 大きな工程と細かな作業を分けられるか

公式のテンプレートのほかにも、プロジェクト管理の道具を扱う会社などが、エクセルのテンプレートを無料で配っています。どこから入手する場合も、マクロを含むファイルは、出どころが確かなものだけを開くようにしてください。マクロとは、エクセルの操作を自動で行う小さなプログラムのことで、悪意のあるものが含まれていると、パソコンに被害が出ることがあります。

テンプレートの基本の使い方

テンプレートを開いたら、入力の順番を決めて進めると、途中で迷いません。基本の流れは次のとおりです。

エクセルのガントチャートテンプレートは、プロジェクトの進行状況を視覚的に管理できる便利なツールです。使い方は非常にシンプルで、「タスク名」「開始日」「終了日」「担当者」などを入力するだけで、簡易的なガントチャートを作成できます。 出典: edraw.wondershare.jp

手順としては、まずプロジェクトの開始日を入れます。多くのテンプレートでは、この日付をもとに横軸の日付が自動で並びます。次に、タスクを上から順に、作業の流れに沿って入力します。そのうえで、各タスクの開始日と終了日、または開始日と日数を入れると、横棒が表示されます。最後に、担当者と進み具合を入れます。

順番 入力するもの ポイント
1 プロジェクトの開始日 横軸の起点になる
2 タスク名 作業の流れの順に並べる
3 開始日と終了日 日付の形式で入れる
4 担当者と進み具合 割合は0から100で統一する

つまずきやすいのは、日付の入れ方です。「10/5」のように入れたつもりが、文字として扱われて計算に使われないことがあります。日付のセルの表示形式が「日付」になっているかを確かめ、横棒が表示されないときは、まず日付が正しく入っているかを疑ってください。

もう1つのつまずきは、行の追加です。テンプレートの表の途中に行を加えるとき、計算式や書式が新しい行に引き継がれないことがあります。行を加えたら、上の行から計算式と書式を写して、横棒が正しく表示されるかを確かめます。資格試験の実技の練習と同じで、最初の数回は手順を確かめながら操作し、慣れてから速く進めるのが失敗を減らすこつです。

積み上げ横棒グラフで自作する手順

テンプレートを使わずに、グラフの機能でガントチャートを作る方法もあります。Microsoftのサポートページでは、積み上げ横棒グラフをカスタマイズしてタスクの開始日と終了日を表示することで、ガントチャートを再現できると案内されています。

手順は、サポートページに沿うと次のとおりです。まず、タスク名、開始日、日数の3つの列を持つ表を作ります。表を選んで、「挿入」から「おすすめグラフ」を開き、「積み上げ横棒グラフ」を選びます。グラフの最初のデータ系列、つまり横棒の開始部分をクリックし、「書式」タブの「図形の塗りつぶし」で「塗りつぶしなし」を選びます。こうすると、開始日までの部分が透明になり、日数の部分だけが横棒として残ります。

このままでは、表の下のタスクがグラフの上に表示されます。縦軸のタスクを選んで「軸の書式設定」を開き、「軸の位置」で項目を逆順にすると、表と同じ順番に並びます。そのあと、目盛線やラベル、棒の色を整えれば完成です。

サポートページによると、作ったグラフを何度も使う場合は、グラフをテンプレートとして保存できます。次のプロジェクトでは、表を入れ替えるだけで同じ見た目のガントチャートを作れます。

手順 操作
1 タスク名・開始日・日数の表を作る
2 「挿入」から積み上げ横棒グラフを選ぶ
3 開始日の系列を「塗りつぶしなし」にする
4 縦軸の項目を逆順にする
5 色やラベルを整え、必要ならテンプレートとして保存

この方法の利点は、見た目の自由度が高いことです。報告の資料にそのまま貼り付けられる、整ったガントチャートを作れます。一方で、タスクを加えるたびにグラフのデータの範囲を広げる必要があり、頻繁に更新する工程表には手間がかかります。

条件付き書式でセルを塗る作り方

日単位で細かく管理したい場合によく使われるのが、条件付き書式でセルを塗る方法です。条件付き書式とは、Microsoftのサポートページの説明によると、セルの値に基づいてセルの書式を決めるルールを作る機能のことです。

仕組みはシンプルです。表の右側に、1日1列で日付を並べます。そして、「その列の日付が、タスクの開始日以上かつ終了日以下なら、セルを塗る」というルールを条件付き書式で設定します。数式で書くと、たとえば日付が3行目、開始日がC列、終了日がD列、塗る範囲がF列からなら、F4のセルに対して「=AND(F$3>=$C4,$D4>=F$3)」のようなルールになります。このルールを範囲全体に当てはめると、開始日と終了日を入れるだけで、該当する日のセルが自動で塗られます。

この方法の良いところは、日付を直せば塗りも自動で変わることです。セルを手で塗る方法と違い、予定がずれても塗り直す必要がありません。さらに、土日の列を別の色で塗るルールや、今日の列に印を付けるルールも加えられます。

ただし、日付の列を1日1列で並べるため、期間が長いプロジェクトでは表が横に長くなります。半年分なら180列を超えるので、画面で全体を見るのも、印刷するのも難しくなります。期間が長い場合は、週の単位で列を並べるか、工程ごとにシートを分けると扱いやすくなります。

営業日と祝日を考えた日付の計算

工程表で意外と手間がかかるのが、土日と祝日を除いた日付の計算です。「作業に10日かかる」と言っても、カレンダーの10日後ではなく、営業日で10日後を終了日にしたいことがほとんどです。エクセルには、このための関数があります。

Microsoftのサポートページによると、WORKDAY関数は、開始日から指定した稼働日数だけ前または後の日付を返します。稼働日とは、土曜、日曜、指定した祝日を除く日のことです。書き方は「=WORKDAY(開始日, 日数, 祝日)」で、祝日の引数には、祝日の日付を並べたセルの範囲を指定します。

逆に、開始日と終了日の間に営業日が何日あるかを知りたいときは、NETWORKDAYS関数を使います。書き方は「=NETWORKDAYS(開始日, 終了日, 祭日)」です。

関数 使い道 書き方
WORKDAY 開始日から営業日で何日後かを出す =WORKDAY(開始日, 日数, 祝日)
NETWORKDAYS 2つの日付の間の営業日を数える =NETWORKDAYS(開始日, 終了日, 祭日)

祝日の一覧は、別のシートにまとめておき、毎年更新します。祝日の一覧を更新し忘れると、翌年の工程表で祝日が営業日として数えられてしまいます。年の初めに祝日の一覧を確かめることを、工程表の運用の決まりに入れておくと安心です。

サポートページによると、週末の曜日が土日ではない場合は、WORKDAY.INTL関数で週末の曜日を指定できます。土曜も営業する店舗や、平日に定休日がある職場の工程表に使えます。

依存関係はどう表すか

工程表では、「この作業が終わらないと次に進めない」というつながり、いわゆる依存関係を示したいことがあります。エクセルでの表し方について、Microsoftのテンプレートのページは次のように案内しています。

Excel のガント チャート テンプレートから始めて、開始日と終了日を含む依存タスクを追加します。条件付き書式を使用して、他のタスクに依存するタスク名を強調表示できます。また、矢印を手動で挿入して、依存タスクを示すこともできます。 出典: excel.cloud.microsoft

つまり、エクセルでは依存関係を、色で目立たせるか、矢印を手で描き込むことで表すのが基本です。前のタスクの終了日を参照して次のタスクの開始日を計算する数式を入れておけば、前のタスクが遅れたときに後ろの日付も自動でずれる仕組みも作れます。たとえば、次のタスクの開始日のセルに「=WORKDAY(前のタスクの終了日, 1, 祝日)」と入れれば、前のタスクが終わった翌営業日が開始日になります。

ただし、手で描いた矢印は、日付がずれても自動では動きません。予定を変えるたびに矢印の位置を直す必要があり、ここが更新の手間を増やす原因の1つになります。依存関係が多いプロジェクトほど、矢印ではなく、数式で日付をつなぐ方法を選ぶほうが、更新の負担を抑えられます。

進み具合を横棒で見せる工夫

ガントチャートでは、予定の期間だけでなく、どこまで進んでいるかも一緒に見せたくなります。エクセルでは、進み具合の割合の列を作り、それを横棒の表示に反映させる工夫がよく使われます。

条件付き書式で塗る作り方なら、ルールを2つに分けます。1つは、開始日から終了日までを薄い色で塗るルールです。もう1つは、開始日から「開始日+期間×進み具合の割合」の日までを濃い色で塗るルールです。こうすると、横棒の中で、終わった部分が濃く、残りの部分が薄く表示されます。進み具合の割合を50%と入れれば、横棒の左半分が濃い色になります。

もっと手軽に済ませたい場合は、進み具合の列そのものにデータバーを付ける方法もあります。データバーとは、条件付き書式の機能の1つで、セルの値の大きさに応じてセルの中に棒を表示するものです。Microsoftのサポートページでも、条件付き書式の標準のルールとして、データバー、アイコンセット、カラースケールが挙げられています。横棒そのものは期間を表し、進み具合は隣の列の棒で見る、という分け方です。

今日の日付の列に印を付けるルールも、あわせて設定しておくと便利です。今日の列より左にあるのに進み具合が100%になっていないタスクは、遅れているタスクです。目で見て遅れに気づける仕組みを作っておくと、週の会議で確かめるべきタスクがすぐに分かります。

工夫 見えるようになること
進み具合で濃淡を分けて塗る 横棒の中で終わった部分と残り
進み具合の列にデータバー 割合を棒の長さで比べる
今日の列に印を付ける 今日より前で終わっていないタスク

テンプレートを自分の職場用に作り直す手順

テンプレートをそのまま使い続けると、使わない列や、職場の言葉と合わない見出しが残り、入力する人が迷う原因になります。最初のプロジェクトで使ってみたあとに、職場用に作り直しておくと、次からの準備が楽になります。

最初にすることは、使わなかった列の整理です。1つのプロジェクトを最後まで管理してみると、一度も入力しなかった列が分かります。その列は削除するか、非表示にします。逆に、毎回メモ欄に書いていた情報があれば、それを独立した列にします。

次に、見出しの言葉を職場の言い方に合わせます。「タスク」より「作業」、「担当者」より「担当」のほうが通じる職場なら、そちらに直します。言葉がそろっていると、新しく加わった人でも迷わずに入力できます。

そのうえで、祝日の一覧のシートと、入力の決まりを書いたシートを加えます。入力の決まりとは、日付の形式、進み具合の割合の付け方、ステータスの選択肢などです。決まりを同じファイルの中に書いておけば、別の資料を探さずに済みます。

最後に、プロジェクトの情報を空にした状態で、エクセルのテンプレートの形式で保存します。次のプロジェクトでは、このファイルから新しいブックを作れば、毎回同じ形で工程表を始められます。

手順 やること
1 使わなかった列を削除または非表示にする
2 見出しを職場の言葉に合わせる
3 祝日の一覧と入力の決まりのシートを加える
4 中身を空にしてテンプレートの形式で保存する

印刷とPDFで共有するときの注意

エクセルのガントチャートは、会議で紙に印刷したり、PDFにして取引先に送ったりする場面も多いはずです。画面で見やすい表が、そのまま印刷で見やすいとは限らないので、いくつかの点に気をつけます。

いちばんの問題は、横に長くなりすぎることです。日単位で数か月分の列を並べると、1枚の紙に収まらず、何ページにも分かれて印刷されます。印刷する前に、印刷範囲を必要な期間だけに絞るか、週単位の表示に切り替えると、1枚に収めやすくなります。用紙を横向きにし、ページに合わせて縮小する設定も使います。

次に、タスク名の列が2ページ目以降に表示されない問題です。横に長い表を複数ページに分けて印刷すると、2ページ目からはタスク名が見えず、どの横棒が何の作業か分からなくなります。印刷の設定で、タスク名の列をすべてのページに繰り返し表示するようにしておくと、どのページでも読めるようになります。

さらに、色の見え方です。画面では見分けられる薄い色の違いが、白黒の印刷やコピーでは同じ灰色になってしまうことがあります。色だけで区別するのではなく、ステータスを文字でも表示しておくと、どんな印刷でも情報が伝わります。

PDFにして送る場合は、作った日付をファイル名か表の上に入れておきます。工程表は更新されるものなので、受け取った人がいつ時点の予定かを判断できるようにしておくと、古い版をもとに話が進む行き違いを防げます。

更新が大変になる場面

エクセルのガントチャートは、作った直後は便利でも、使い続けるうちに更新が大変になる場面がいくつかあります。よくあるものを挙げておきます。

1つ目は、予定が頻繁にずれるプロジェクトです。日付を直すたびに、横棒の塗り、矢印の位置、後ろのタスクの日付を確かめる必要があります。条件付き書式と数式でつないでいれば自動で直りますが、手で塗ったり描いたりしている部分は、すべて手作業です。

2つ目は、複数の人が更新するプロジェクトです。ファイルをメールで送り合って更新すると、「工程表_最新」「工程表_最新2」のように版が増え、どれが本当の最新版か分からなくなります。2人が別々のファイルを更新すると、片方の変更が消えることもあります。

3つ目は、タスクが増え続けるプロジェクトです。行を加えるたびに、計算式や書式、グラフのデータの範囲を広げる必要があります。どこかで写し忘れると、その行だけ横棒が表示されない、という不具合が起きます。

4つ目は、担当者ごとに見たい場面です。全員のタスクが1枚の表に並んでいると、自分のタスクだけを探すのに時間がかかります。フィルターで絞り込めますが、誰かがフィルターをかけたまま保存すると、次に開いた人が一部のタスクしか見えない状態になります。

5つ目は、進み具合の報告です。毎週の会議の前に、担当者から進み具合を聞いて表に入れ、報告用の資料に貼り直す、という作業が積み重なります。

場面 起きること
予定が頻繁にずれる 塗りや矢印を手で直す
複数人で更新する 版が増えて最新版が分からない
タスクが増え続ける 数式と書式の写し忘れ
担当者ごとに見たい フィルターの掛けっぱなし
毎週の報告 聞き取りと貼り直しの繰り返し

更新の負担を減らす工夫

更新が大変になる場面を知っておけば、作り方の工夫で負担を減らせます。エクセルのまま続けるときに効果のある工夫を紹介します。

1つ目は、手で塗らない、手で描かないことです。横棒は条件付き書式で、依存関係は数式で日付をつなぐ形にしておけば、日付を直すだけで工程表全体が正しく直ります。手作業で整えた部分は、更新のたびに直す場所になります。

2つ目は、ファイルを1つに決めて共有することです。Microsoftのテンプレートのページでは、オンラインのExcelで共有リンクを作り、相手ごとに閲覧と編集の権限を決め、リンクの有効期限も設定できると案内されています。ファイルをメールで送り合うのをやめ、全員が同じファイルを開いて更新する形にすると、版の食い違いが起きにくくなります。

3つ目は、入力する場所と見る場所を分けることです。タスクの一覧のシートには入力だけをし、ガントチャートや担当者別の表は別のシートで、数式で一覧を参照して表示します。入力する人が見た目の部分に触れないので、書式や数式を壊しにくくなります。

4つ目は、更新の担当と曜日を決めることです。全員が自由に直すのではなく、各自のタスクの進み具合は担当者が、日付の変更は責任者が、というように役割を分けます。毎週決まった曜日に更新し、その日の会議で確かめる流れにすると、表と実態のずれが小さいうちに直せます。

5つ目は、当初の予定を別の列に残すことです。日付を上書きしていくと、最初の計画からどれだけずれたかが分からなくなります。「当初の終了日」の列を作っておけば、遅れの大きさを後から振り返れます。次のプロジェクトで期間を見積もるときにも、この記録が役に立ちます。どの工程が予定より長くかかりやすいかが分かれば、最初から余裕を持った計画を立てられるからです。

エクセルを続けるか、別の道具に移るかの目安

工夫をしても更新の負担が大きいと感じたら、別の道具に移ることも考えます。判断の目安を表に整理しておきます。

状況 エクセルのままでよい 別の道具を考える
関わる人数 1〜3人程度 更新する人が4人以上
予定の変更 月に数回 毎週のように変わる
見る人 社内の決まった人 取引先や外部の人も見る
更新のしかた 1人がまとめて更新 各自が自分のタスクを更新

エクセルの強みは、誰でも開けること、印刷しやすいこと、自由に作り込めることです。工程表を1人で管理し、月に一度、報告の資料に貼るような使い方なら、エクセルで十分です。一方で、複数の人が毎日のように更新する工程表は、エクセルの仕組みとは相性がよくありません。ファイルの共有の仕組みを整えても、同時に直したときの食い違いや、数式の写し忘れといった問題は残ります。

別の道具に移る場合も、エクセルで作った工程表は無駄になりません。タスクの一覧をCSVで書き出して読み込める道具も多く、整理したタスクと期間の情報はそのまま生かせます。CSVとは、表のデータをカンマで区切って並べたファイルの形式のことです。

共有と更新を楽にしたいときの候補

ここまで見てきたように、複数の人で更新する工程表を、手間なく共有したい場合は、プロジェクト管理の道具を試してみるのも1つの方法です。少人数のチームで、ガントチャートを無料から試したいときの候補の1つに、国産のプロジェクト管理ツールのPinateca(ピナテカ)があります。

公式の料金ページによると、フリープランは5人まで、ボード10個まで、期限なしで無料で、クレジットカードの登録は不要です。カンバン、ガント、カレンダー、リストなど8種類のボード、チャット、コメント、受信箱、カスタムフィールド、権限ロールが無料プランから使え、ファイル容量は1GBです。公式サイトでは、ガントのボードはカードの期間がそのまま横棒で並び、バーをドラッグすると開始日も締切もその場で変わると案内されています。自分宛のメンションや担当の割り当て、締切は受信箱に集まる仕組みです。人数が6人以上になる、またはボードが11個以上になると、スタンダードプラン(1人あたり月額500円、年払いなら月額400円、税抜)に移る仕組みで、料金が変わるのは人数とボードの数が増えたときだけだと書かれています。

一方で、エクセルのように関数を組み合わせて自由に計算する道具ではありません。営業日の計算や独自の集計を作り込みたい場合は、その点も踏まえて比べてください。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

表計算と工程管理の力が仕事につながる場面

最後に、エクセルで工程表を作る力を、働き方の面から見ておきます。

エクセルの関数や条件付き書式を使いこなせる人は、どの職場でも重宝されます。工程表のテンプレートを整え、チームが更新しやすい形に作り直す仕事は、業務の効率化そのものです。業務の進め方を見直し、道具の使い方を整える仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で紹介しています。表計算の範囲を超えて、業務の仕組みそのものを作る側に回りたいなら、ソフトウェア作成者の年収・単価相場の相場も参考になります。事業の計画と管理を体系的に学ぶなら、経営の診断と助言を扱う国家資格の中小企業診断士も選択肢です。

20年にわたって在宅ワークと業務委託の市場を運営してきた立場から見ると、長く仕事が続く人ほど、自分の作業の見通しを早めに相手へ示しています。工程表を作って共有し、遅れそうなときには理由と新しい見通しを伝える。それだけで、取引先の安心感は大きく変わります。仲介を通さずに直接やりとりする関係では、頼む側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手数料0%で手取りが厚くなります。その分、進行の管理も自分で担うことになるので、エクセルで工程表を整える力は、そのまま仕事の信頼につながります。

エクセルのガントチャートは、テンプレートから始め、手で塗らず数式と条件付き書式で動く形に整えれば、長く使える工程表になります。更新が大変になる場面を先に知っておき、プロジェクトの規模に合わせて、エクセルを続けるか別の道具に移るかを判断してください。

よくある質問

Q. エクセルのガントチャートのテンプレートは無料で使えますか?

Microsoftは、Excel用のガントチャートのテンプレートを無料で公開しています。タスクのカテゴリやリスクの度合い、進み具合、開始日などを自分のプロジェクトに合わせて設定できます。ほかの会社が配っているテンプレートもありますが、マクロを含むファイルは、出どころが確かなものだけを開くようにしてください。

Q. 土日と祝日を除いて終了日を計算するにはどうすればよいですか?

WORKDAY関数を使います。「=WORKDAY(開始日, 日数, 祝日)」と入れると、土曜、日曜、指定した祝日を除いて、開始日から指定した日数の営業日の後の日付を返します。祝日は別のシートに一覧にしておき、毎年更新します。週末が土日でない職場では、WORKDAY.INTL関数で週末の曜日を指定できます。

Q. 予定がずれるたびにセルを塗り直すのが大変です。楽にする方法はありますか?

条件付き書式で、日付の列の値がタスクの開始日以上かつ終了日以下のときにセルを塗るルールを設定すると、日付を直すだけで塗りも自動で変わります。前のタスクの終了日を参照して次の開始日を数式で計算しておけば、遅れが後ろのタスクにも自動で反映されます。

Q. 複数人でエクセルの工程表を更新すると、最新版が分からなくなります。どうすればよいですか?

ファイルをメールで送り合うのをやめ、オンラインのExcelで1つのファイルを共有して、全員が同じファイルを更新する形にします。共有リンクには閲覧と編集の権限や有効期限を設定できます。あわせて、日付を直す人と進み具合を入れる人を決め、毎週決まった曜日に更新すると、食い違いが起きにくくなります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年8月21日最終更新:2026年10月6日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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