案件の取り方で効くのは資格の列挙より、ファイナンシャルプランナーの相談例


この記事のポイント
- ✓ファイナンシャルプランナーの案件の取り方を
- ✓資格の列挙が効かない理由から整理します
- ✓案件が発生する4つの場所
ファイナンシャルプランナーの案件の取り方について、結論から言います。資格の列挙は、ほとんど効きません。効くのは「どんな相談を、どう扱ったか」という相談例です。
正直なところ、ここを取り違えている人がかなり多いという印象があります。プロフィール欄にFP2級、証券外務員、簿記、宅建と並べる。それ自体は悪いことではありませんが、依頼する側から見ると、資格の羅列は「何ができるか」を教えてくれません。依頼者が知りたいのは「自分の状況に近い相談を、この人は扱ったことがあるか」だけです。
この記事では、案件が発生している場所を4つに分けたうえで、それぞれで何を見せると選ばれるのかを整理します。案件獲得でつまずいている人が、どこを直せばいいのかが分かる構成にしています。
案件の取り方でつまずくのは、初心者だけの現象ではない
まず、つまずくこと自体は珍しくないという前提を共有しておきます。知識があっても、仕事の探し方が分からないという段階は多くの人が通ります。
初心者FPが最初につまずくのは、案件の取り方です。実際、僕も初めて記事を書こうと思ったとき、どこで仕事を探せばいいのかすら分かりませんでした。 出典: one-quest.jp
この「どこで探せばいいのか分からない」という感覚には、構造的な理由があります。ファイナンシャルプランナーという肩書きが、特定の業務と1対1で結びついていないからです。エンジニアなら開発案件、デザイナーならデザイン案件と、探すべき対象が名前から分かります。FPの場合、相談業務なのか、執筆なのか、企業内の企画職なのか、名前だけでは決まりません。
つまり、案件の取り方を考える前に「自分が取りたい案件はどの種類か」を先に決める必要があります。ここが決まっていない状態で探し始めると、求人サイトを眺めても自分に関係のある募集が見つからない、という状態になります。
求人として存在している案件は、実は少なくない
需要の側から見ると、FPの知識が求められる募集そのものは幅広く存在しています。
ファイナンシャル・プランニングの知識が活かせる現場は幅広いため、求人数自体は多い傾向です。Indeed で検索可能なデータによると、5,000件以上の案件が常にヒットするため、多くの企業でその知識が求められているとわかります。内容を見ていくと、保険会社の企業FPとして働く求人が多く出ています。無資格でも営業経験があれば挑戦できる案件もあるので、未経験からの転職であれば、このような職場からステップアップしていくことも選択肢の1つです。未経験者もキャリアアップを望む人も、まずは自分の希望条件に合う求人があるかどうか、Indeed で探してみてはいかがでしょうか。 出典: jp.indeed.com
注目すべきは「無資格でも営業経験があれば挑戦できる案件もある」という部分です。これは、企業側が資格ではなく実務の遂行能力を見ているという証拠になります。資格を持っていることと、案件を取れることは別の話だという事実が、募集要項の側にも表れています。
案件が発生している4つの場所と、それぞれで見られるもの
案件の種類を整理します。取り方はこの4つで大きく変わりますし、求められる準備もまったく違います。自分がどの型を狙うのかを決めずに動くのが、最も時間を無駄にするパターンです。
企業の募集に応募する型
保険会社、金融機関、不動産会社、事業会社の福利厚生部門。ここは求人として案件が可視化されているため、探しやすい型です。応募時に見られるのは、実務の経験と、単独で成果を出せるかどうか。
この型で資格が効くのは、書類選考の通過という限定的な場面です。応募者が多い募集では、資格が最初のふるいとして使われます。ただし面接に進んだ後は、資格の話はほとんど出ません。「これまでどんな相談に対応したか」「どう判断したか」に質問が集中します。つまり資格は入場券であって、決め手ではないということです。
代理店や事務所と提携する型
既存のFP事務所や保険代理店と提携し、案件の一部を任される形です。ここで見られるのは、任せて事故を起こさないかという一点に尽きます。
提携側が最も恐れるのは、コンプライアンス上の逸脱です。個別銘柄の推奨、税務の代行、断定的な将来予測。これらに踏み込む人を入れると、事務所全体がリスクを抱えることになります。だから提携の可否を判断する際、「どこまでが自分の領域で、どこからは専門家に渡すか」を明確に説明できるかが問われます。この説明ができるかどうかが、資格の数より重く見られます。
執筆や監修を受託する型
金融メディアの記事執筆、記事監修、セミナー資料の作成、動画のシナリオ確認。この型は成果物がデータなので、居住地も稼働時間も問われません。案件の取り方としては、最も入口が広い部類に入ります。
ここで見られるのは、文章として正確に書けるかどうかです。知識があっても、読者に伝わる形で書けなければ使われません。逆に言えば、書けることが証明できれば、実務経験が浅くても入りやすい。執筆や編集の仕事がどの水準で取引されているかは著述家,記者,編集者の年収・単価相場に職種別の相場としてまとまっており、相談業務との単価の違いを比較する材料になります。
文書の作法を体系で確認したい場合はビジネス文書検定の出題範囲が参考になります。何が読み手に伝わる文書とされているのか、基準を知っておくと監修の依頼にも対応しやすくなります。
個人から直接依頼を受ける型
相談者から直接依頼を受ける形です。単価は自分で決められますが、案件が発生するまでの導線を自分で作る必要があります。4つの中で最も難易度が高い型と言っていいでしょう。
ここで見られるのは、ほぼ100パーセント「相談例」です。依頼する側は、あなたの資格を検証する手段を持っていません。持っているのは、あなたが公開している文章と、そこに書かれた相談の扱い方だけです。
相談例が効く理由は、依頼者の判断材料がそれしかないから
なぜ資格の列挙より相談例が効くのか。依頼する側の立場に立つと明快です。
依頼者は、FP2級と1級の違いを正確には知りません。証券外務員一種と二種の差も分かりません。分かるのは「自分と同じような状況の人が、この人に相談してどうなったか」だけです。
たとえば「子ども2人、住宅ローン残り20年、教育費のピークが定年前に来る家庭で、資金の並べ方をどう考えたか」という説明があれば、同じ状況の人は自分に引き寄せて読めます。資格の列挙にはこの効果がありません。
相談例を出すときの、守秘との折り合い
ここで必ず問題になるのが守秘義務です。相談内容は個人の機微情報であり、そのまま公開することはできません。だから相談例は、必ず抽象化して語ります。
抽象化のやり方には型があります。個人が特定される情報、つまり具体的な勤務先、居住地、家族の年齢の組み合わせは落とす。残すのは、構造だけです。「収入の構成」「支出のピークの位置」「保有資産の偏り」「本人が最初に思っていたこと」「実際の論点はどこにあったか」。この5つが残っていれば、読み手は十分に自分を重ねられます。
さらに安全側に倒すなら、複数の相談を統合した架空の事例として書く方法もあります。この場合は「よくあるケースを想定した例」と明示すること。実在の相談として提示すると、後で説明がつかなくなります。※相談内容の取り扱いで判断に迷う場合は、契約先の規定や個人情報保護の相談窓口で確認してください。
相談例に必ず入れるべきなのは、判断の理由
もう1つ、抜けやすいポイントがあります。相談例に「何をしたか」だけ書いて「なぜそうしたか」を書かない人が多いのです。
依頼者が知りたいのは結果ではなく、判断の筋道です。同じ状況でも家庭ごとに答えは変わるので、結果だけ見せられても自分に適用できません。「この家庭では教育費より住宅ローンの繰上げ返済を優先しなかった。理由は、繰上げ返済で手元資金が薄くなると、収入が一時的に途切れたときに耐えられなくなるからだ」。ここまで書いて、初めて判断力の証明になります。
相談例は、場面ごとに長さを変える
もう1点、実務的な話をしておきます。相談例は1種類作れば済むものではありません。使う場面によって、適した長さが違います。
応募書類や提案の場では、短い形が要ります。3行程度で、状況、論点、判断の方向だけを示す形です。読む側は複数の候補を並べて見ているので、長い文章は読まれません。短い形を分野ごとに3本持っておくと、どの案件にも即座に対応できます。
一方、記事や公開のプロフィールに載せる場合は、長い形が効きます。判断の理由まで含めて書き切ると、読み手が納得したうえで問い合わせてくるため、その後のやり取りが短くて済みます。長い相談例は、集客だけでなく、依頼者との認識合わせの役割も果たします。
面談の場では、また別です。ここでは口頭で話すことになるので、書き言葉のまま話しても伝わりません。「似たご状況で、こういう論点が出たことがあります」という一言から入り、相手の反応を見ながら深さを調整する。相談例を持っていることと、それを場面に合わせて出せることは別のスキルです。
資格の書き方は、列挙ではなく相談への紐付けに変える
資格を書くなというわけではありません。書き方を変えるという話です。
「FP2級、証券外務員二種、簿記2級」という並びを、「保険の見直し相談ではFPの知識を、資産運用の説明では証券外務員の範囲を、事業をされている方の相談では簿記の知識を使っています」と書き換える。同じ情報でも、後者は「この人に何を相談できるか」を伝えています。
資格取得の努力そのものは、依頼者にとって関心の対象ではありません。関心があるのは、その知識が自分の相談にどう使われるかです。この視点の転換だけで、プロフィールの働きが変わります。
なお、資格を足す方向で幅を広げたい場合、自宅で完結する仕事に直結する資格の選び方は在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるに用途別で整理されています。すでにFP資格を持っている人が、周辺に何を足すと受けられる案件が増えるかを考える材料になります。
案件を受ける前に決めておく3つのポイント
案件が取れ始めてから慌てないよう、先に決めておくべきことがあります。
業務範囲の線引き
FP資格は業務独占資格ではないため、資格の有無で業務が制限されるわけではありません。制限がかかるのは、扱う内容の側です。個別銘柄の売買推奨は投資助言業の領域、申告書の作成や個別の税額計算は税理士の領域、法律事務は弁護士の領域になります。
この線を案件を受ける前に決めておかないと、相談の途中で「じゃあ具体的にどの銘柄を買えばいいですか」と聞かれたときに、その場で判断することになります。準備していない場面での即断は危険です。※税額の計算や申告そのものが論点になる場合は、税理士または所轄の税務署へ案内してください。制度の一次情報は国税庁で確認できます。
価格の決め方
相談料を決めるとき、相場を調べて中央あたりに置く人が多いですが、これはあまり良い決め方とは言えません。自分がその案件に投じる時間から逆算するほうが確実です。
ヒアリング、分析、資料作成、面談、記録。1件あたりに必要な工数を出し、そこに時間単価をかける。この計算をせずに価格を決めると、受注は取れても手元に残らないという状態になります。
年収の水準については、雇用されている場合の目安として次のようなデータがあります。
やりがいのあるファイナンシャルプランナーの仕事ですが、どの程度の収入になるのでしょうか。Indeed(インディード)で検索可能なデータによれば、ファイナンシャルプランナーの年収は全国平均で500万円とされていますが、企業で働いている場合は、業界によって大きく差があり、特に不動産業界は収入が高額になる傾向にあるようです。収入アップを望むのであれば、転職する方法もありますが、独立・起業をすると言うパターンもあります。個人事務所を経営しているファイナンシャルプランナーの中には、営業スキルや人脈を武器に数多くの案件を受け、年収が1,000万円を超えている人もいるようです。 出典: jp.indeed.com
ここで読み取るべきは金額ではなく、「業界によって大きく差がある」という部分です。同じ知識でも、どの業界のどの立場で使うかで報酬が変わる。案件の取り方を考えるとき、この差は無視できません。
断る基準
受けない案件をあらかじめ決めておくことも、案件の取り方の一部です。稼働の限界を超えた依頼、業務範囲を外れる依頼、報酬の条件が合わない依頼。これらを都度考えていると、判断に時間を取られます。
断る基準を先に文章にしておくと、依頼が来たときの返答が速くなります。返答が速いこと自体が、依頼者からの評価につながります。
案件の取り方で失敗しやすい3つのパターン
うまくいかないケースには、はっきりした共通点があります。
誰にでも当てはまることしか書いていない
「家計の見直しからライフプランの設計まで、幅広くご相談に対応します」。この一文には情報がありません。誰でも書けるからです。依頼者はこれを読んでも、自分が相談すべき相手かどうかを判断できません。
対象を狭めることを、機会損失だと感じる人がいます。実際は逆です。「共働きで子どもが小学生、住宅ローンの返済が始まって数年という家庭の資金の並べ方」と書けば、その条件に当てはまる人は強く反応します。当てはまらない人は最初から依頼しないので、失っているものは実質的にありません。
資格の取得順に経歴を並べている
経歴を時系列で書く人が多いのですが、依頼者は履歴を検証したいわけではありません。読むのは冒頭の数行だけです。そこに「何の相談を扱っているか」が書かれていなければ、その先は読まれません。
順番を入れ替えるだけで結果が変わることがあります。扱う相談、判断の考え方、根拠となる知識。この順に並べると、依頼者が知りたい順序と一致します。
価格の目安を書いていない
相談料をまったく書かない人が一定数います。「内容によるので個別見積もり」というのは、提供側の都合としては理解できますが、依頼側から見ると問い合わせのハードルが上がります。
正直なところ、これは機会を捨てているのに近い状態です。価格を1円単位で確定させる必要はありません。「初回相談は60分で一律、設計を含む場合は範囲によって変動」という程度の目安があるだけで、問い合わせの入りやすさは変わります。目安を示すことは、値引き交渉を招く行為ではなく、対象を絞る行為です。
最初の1件を取るまでに、現実的に踏む順番
未経験に近い状態から案件を取るなら、順番が重要です。同時に全部やろうとすると、どれも中途半端になります。
第1段階は、扱う相談を1つに決めることです。教育資金、住宅資金、退職後の資金設計、保険の見直し。どれか1つを選びます。選んだ分野で想定される質問を20個ほど書き出し、それぞれに自分の言葉で答えを用意しておく。この作業をやると、自分がどこを理解していないかが分かります。
第2段階は、その分野の相談例を文章にすることです。前述の抽象化の型に沿って、判断の理由まで含めて書きます。この時点では実際の相談者がいなくても構いません。想定事例として、条件を設定して書けばよいのです。ただし、想定であることは明示します。
第3段階で、入口の広い案件から実際に受け始めます。執筆や監修の受託、既存事務所の補助業務など、単独で相談者と向き合う前の段階から入るのが安全です。ここで実務の感覚を掴んでから、直接相談の比率を上げていく。この順番なら、最初の1件で事故を起こす可能性を抑えられます。
副業として案件を受ける場合の実務
会社員が副業でFPの案件を受ける場合、事務面で押さえておくべきことがあります。
まず勤務先の副業規定です。許可制か届出制かを確認し、金融機関勤務であれば競業避止の観点で制限がないかを見ます。※判断に迷う場合は、勤務先の人事部門に事前に確認してください。
次に確定申告です。副業の所得が一定額を超えると申告が必要になります。案件を受け始めた初月から、報酬の入金と経費の記録を取っておくべきです。後からまとめて整理しようとすると、記憶を頼りにすることになり、精度が落ちます。会計ソフトを使うか表計算ソフトで管理するかは好みですが、記録を発生時に取る習慣は最初に作るのが確実です。※申告の要否や具体的な計算は、税務署または税理士に確認してください。
契約書についても触れておきます。業務委託で案件を受ける場合、業務範囲、報酬、支払期日、成果物の権利、秘密保持を書面で確認しておくことが重要です。口頭の合意だけで進めると、認識のずれが後から表面化します。特に業務範囲は、書いていない作業を追加で頼まれたときの判断基準になるため、最初に文章にしておく価値があります。
屋号や開業の届出をどうするかも、早い段階で考えておくとよい論点です。副業の規模が小さいうちは必須ではありませんが、継続的に案件を受けるなら、事業としての形を整えておいたほうが取引先の信用を得やすくなります。法人相手の受託では、請求書の様式や支払サイトの確認も必要になります。※開業や届出の要否は状況によって変わるため、税務署または税理士に確認してください。
受注後の進め方が、次の案件を決めている
案件の取り方という言葉は、獲得の技術だけを指すように聞こえます。実際には、受注した後の進め方が次の案件量を左右しています。
依頼者が次も同じ人に頼むかどうかを決めているのは、成果の良し悪しだけではありません。進行中に不安がなかったかどうかです。今どこまで進んでいるのか、次に何が必要なのか、いつ返ってくるのか。この3つが常に分かる状態を保てているかが、体感を大きく変えます。
具体的には、着手時に工程と日程を文章で共有し、途中で1回進捗を伝え、納品時に判断の理由を添える。これだけです。特別なことは何もありませんが、実行している人は思ったより少ない。だから差がつきます。
もう1つ、終わり方も次に影響します。納品して終わりにするのではなく、「この後、こういう時期にもう一度見直すとよい」と伝えておく。押し売りではなく、次に考えるべきタイミングを示すだけです。相談者の側に「また相談する理由」が残るため、時期が来たときに自然と連絡が来ます。
この市場を20年見てきた立場からの観察
フリーランスと副業の市場を20年運営してきた立場から見ると、案件が続く人と続かない人の差は、営業の巧拙ではないところにあります。
続く人は、最初の1件で「この人に任せると楽だ」という状態を作っています。連絡が速い、記録が整っている、次に何が必要かが明示されている。この3つが揃っていると、依頼者は次も同じ人に頼みます。案件を取る労力より、案件を続ける設計のほうが効率が良いという構造です。
逆に、営業だけが上手い人は、毎回新規を取り続けることになります。取るたびに関係をゼロから作るため、時間あたりの成果が伸びません。案件の取り方という問いに対する最も実務的な答えは、「1件目を丁寧にやること」だったりします。
運営者として見てきた限りでは、この差は手取りの厚さにも表れます。仲介の取り分が乗らない直接の取引であれば、依頼する側は同じ予算でより多くを頼めますし、受ける側の手元には多く残る。手数料0%で直接つながる形が効くのは、継続する関係ほど差が積み上がるからです。単発で終わる関係では、この構造の恩恵はほとんど出ません。
職種横断のデータから見る、案件が発生する条件
FP以外の職種で案件がどう発生しているかを見ると、共通の条件が見えてきます。
相談型の仕事では、依頼者が最初に見るのは「自分の課題と同じ課題を扱った経験があるか」です。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、業務の棚卸しと改善提案という抽象度の高い仕事が発注されていますが、選ばれる基準は資格ではなく、扱った課題の近さになっています。FPの相談業務とまったく同じ構造です。
継続的な支援の形も広がっています。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、単発の助言ではなく月次で関与する契約が増えており、この場合の判断材料は「一度任せてみた結果」に移ります。つまり最初の1件の質が、その後の案件量を決めています。
成果物の定義が明確な領域では、判断材料が別のところにあります。アプリケーション開発のお仕事では、完成した成果物そのものが証明になるため、経歴より作ったものが見られます。単価の構造はソフトウェア作成者の年収・単価相場に職種別で整理されており、専門性が報酬にどう反映されるかの比較材料になります。技術系の知識を体系で足したい場合はCCNA(シスコ技術者認定)の学習範囲が、独学の道筋として参考になります。
これらを並べると、案件が発生する条件は職種を問わずほぼ同じだと分かります。依頼者は、自分の課題に近い仕事を扱った証拠を探している。資格はその証拠にはなりません。相談例が効くのは、それが唯一の証拠になり得るからです。オンラインで完結する仕事が増えるほど、この傾向は強まっています。会って人柄を伝える機会が減った分、文章として残っている相談例が、その人の代わりに説明する役割を担うようになっているからです。
よくある質問
Q. ファイナンシャルプランナーの案件は、どこで探すのが現実的ですか?
案件は4つの型に分かれます。企業の募集に応募する型、FP事務所や代理店と提携する型、執筆や監修を受託する型、個人から直接依頼を受ける型です。入口が最も広いのは執筆や監修で、成果物がデータのため居住地や稼働時間を問われません。直接依頼は単価を自分で決められる反面、導線を自分で作る必要があります。
Q. 案件を取るために、資格はいくつ必要ですか?
数を増やすことより、持っている資格を相談内容に紐付けて説明できるかが重要です。資格は書類選考の通過という限定的な場面では効きますが、面接や依頼の判断では「どんな相談をどう扱ったか」に質問が集中します。資格の列挙を、どの相談でどの知識を使うかという説明に書き換えるだけでも効果があります。
Q. 相談例を公開する際、守秘義務との折り合いはどう付けますか?
個人が特定される情報を落とし、構造だけを残す形にします。収入の構成、支出のピークの位置、保有資産の偏り、本人が最初に思っていたこと、実際の論点。この5つが残っていれば読み手は自分を重ねられます。複数の相談を統合した想定事例として書く方法もありますが、その場合は想定である旨を明示してください。
Q. 案件を受ける前に決めておくべきことは何ですか?
業務範囲の線引き、価格の決め方、断る基準の3つです。個別銘柄の推奨は投資助言業、申告書の作成は税理士の領域に該当し得るため、相談中に判断を迫られる前に線を決めておきます。価格は相場ではなく、1件あたりの工数から逆算します。断る基準を文章にしておくと、依頼への返答が速くなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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