未経験から在宅のWebライター|学ぶ順番と初仕事の取り方

長谷川 奈津
長谷川 奈津
未経験から在宅のWebライター|学ぶ順番と初仕事の取り方

この記事のポイント

  • web ライター未経験在宅副業を考えている方に向けて
  • 最初の案件を取るまでの手順を整理しました
  • 報酬が支払われないときの法的な守りまで実務に沿って解説します

web ライター未経験在宅副業という並びで検索する方は、たいてい2つのことを同時に知りたがっています。「未経験でも本当に受注できるのか」と「始めるとしたら何から学べばいいのか」です。結論から言うと、受注はできます。求人も実際に出ています。ただ、受注できることと、続けられる条件で受注することは別です。契約の相談を受ける立場から言うと、後者を知らずに始めた方がいちばん困っています。この記事では、仕事の中身、単価の段階、学ぶ順番、そして契約で必ず確かめる項目までを順に整理します。

未経験の募集は実際に出ている。ただし中身は幅がある

まず事実の確認から。未経験を明記したWebライターの募集は、継続的に出ています。求人サイトに並ぶ文面を見ると、対象の広さがそのまま書かれています。

【この仕事のやりがい】未経験OK!実践で「売れるライティング」が身につく 出典: 求人ボックス

このような募集が出続けている理由は、発注側の事情にあります。Webで集客する会社は、記事を継続的に増やす必要があります。ところが記事を書ける人材を社内で抱えると固定費になるため、外部に出す形が定着しました。量が必要で、かつ継続するので、経験の浅い人にも入り口が開きます。

ただ「未経験OK」の中身には幅があります。大きく3つに分かれます。

1つめは、テストライティングを経て単価が決まる形です。最初に1本書き、その出来で継続と単価が決まります。これはもっとも健全な形で、実力がそのまま反映されます。

2つめは、研修や型の提供がある形です。構成のテンプレートやルール表が渡され、それに沿って書きます。学べる代わりに初期の単価は低めに設定されることが多いです。入り口としては合理的です。

3つめは、単価が極端に低いまま量を求める形です。1文字0.2円で5,000文字、という条件では、1本書いて1,000円です。取材も調査も必要な内容でこの単価なら、実効時給は地域の最低賃金を下回ります。これ、知らない人が本当に多いんですが、単価が低い案件でも実績にはなります。問題は、そこから抜け出す計画があるかどうかです。

未経験から始めるなら、1つめか2つめを狙ってください。3つめは、期間を決めて実績作りに使うならあり得ますが、半年以上続ける場所ではありません。

在宅のWebライターが実際に書いているもの

仕事の中身を知らないまま応募すると、想定と違う作業に当たります。募集で多い順に整理します。

検索から読まれる記事(SEO記事)

もっとも案件数が多い型です。指定されたキーワードについて、検索した人が知りたいことを整理して書きます。構成案が渡される場合と、自分で作る場合があり、後者は単価が上がります。1本3,000文字から8,000文字が一般的で、調査の時間が作業の半分を占めます。

商品やサービスの説明文

通販の商品ページ、サービスの案内文、料金表の説明。文字数は少ないものの、正確さが強く求められます。誤った説明は景品表示法の問題につながるため、発注元の確認が厳しくなる代わりに、丁寧に対応できる人は継続されやすい領域です。

取材記事・インタビュー記事

人に話を聞いて記事にする仕事です。単価は高く、1本2万円から5万円程度の案件もあります。ただし取材の日程に拘束され、録音の書き起こしと確認のやりとりが発生するため、本業がある方にはハードルがあります。未経験からすぐ狙う領域ではありません。

体験を扱う記事

実際に使った、通った、試したことを書く記事です。経験そのものが価値になるため、専門の知識がなくても書けます。注意点は、事実でないことを書かないことです。使っていないものを使ったように書くのは、記事の信用を落とすだけでなく、広告表示の規制に触れる場合があります。

メールマガジン・SNS投稿の文面

短い文を継続的に書く仕事です。1本の単価は低いものの、毎週または毎日という形で続くため、実効時給が安定しやすい特徴があります。

専門分野の解説記事

医療、法律、金融、不動産、教育、建設。資格や実務経験がある人が書く記事です。単価が最も高く、1文字3円を超える案件もあります。未経験からWebライターを始める方でも、本業の分野があればここを最初から狙う価値があります。文章の技能は後から足せますが、分野の知識を後から足すには年数がかかります。

文字単価の段階と、実効時給の出し方

在宅副業としての収入を考えるうえで、単価の段階を知っておくと目標が立てやすくなります。目安を示します。

1文字0.5円未満は、実績を作る段階の単価です。0.5円から1円は、構成に沿って書ける段階。1円から2円は、構成から任される段階。2円以上は、分野の知識か取材の力がある段階です。この階段は、書いた本数ではなく「任される判断の範囲」で上がります。

そして必ずやってほしいのが実効時給の計算です。報酬を、実際にかかった全部の時間で割ります。含めるのは、依頼内容を読む時間、検索して調べる時間、構成を作る時間、書く時間、見直す時間、そして戻ってきた修正に対応する時間です。

例で確かめます。5,000文字の記事を1文字1円で受けると報酬は5,000円です。調査に2時間、執筆に4時間、修正に1時間なら実効時給は714円台。同じ分野で10本書き、調査が30分で済むようになれば1,100円近くまで上がります。

ここから分かるのは、Webライターの収益性を決めるのは単価そのものより「同じ分野で書き続けられるか」だということです。分野を毎回変えると、調査の時間を毎回払うことになります。最初に分野を2つか3つに絞り、そこで本数を重ねるほうが、結果として早く単価が上がります。

職種としての水準を確かめたい場合は、統計に基づいた整理が参考になります。文章を扱う仕事の相場は著述家,記者,編集者の年収・単価相場にまとまっているので、副業の単価と本業の水準を並べて見ると、どこまで上げられるかの見当がつきます。

手数料の話も避けません。仲介サイトを経由すると、報酬から10%台から20%程度が差し引かれる形が一般的です。年に60万円を受け取る方なら10万円前後が消えます。実績を作る段階では仲介を使い、継続する関係になったら手数料0%で直接やりとりできる場に移す。手取りの面ではこれが合理的です。

学ぶ順番を5段階で

未経験の方が講座選びから始めて止まってしまうのを、何度も見てきました。学ぶ順番には効率のよい並びがあります。

第1段階は、読みやすい文の型です。一文を短く切る、主語と述語を対応させる、同じ語尾を続けない、接続詞に頼りすぎない。この4つだけで、文章の読みやすさは大きく変わります。教材を探すより、自分で書いた文を音読して直す作業のほうが効きます。

第2段階は、構成です。何を先に書き、何を後に回すか。検索から来る読者は、結論を先に知りたがります。導入で答えを示し、その後に理由と手順を並べる形が基本になります。この型を身につけると、書く速度が上がります。

第3段階は、検索意図の読み方です。同じ言葉で検索する人が何を知りたいのかを推測する作業です。実際に検索して上位の記事を5本読み、共通して書かれている項目を洗い出す。この作業を案件ごとに行えるようになると、構成から任されるようになります。

第4段階は、一次情報の確かめ方です。制度、税金、法律、統計に触れる記事では、官公庁の公式ページで裏を取る必要があります。他のブログに書かれている内容をそのまま写すと、古い情報を広げることになります。ここを丁寧にやる人は、校閲の手間が減るので発注側に重宝されます。

第5段階は、分野を決めることです。本業、資格、経験、生活の中で詳しい領域のいずれかを選びます。

学びの進度を客観的に測りたい場合、資格を使う手もあります。Webライティング技能検定Webライティング能力検定は、受注の条件になるものではありませんが、自分がどこを曖昧にしているかを知る材料になります。※資格を取ってから応募するのではなく、応募と並行して学ぶ順番をおすすめします。

主婦の方が未経験から始める場合の具体的な流れは主婦からWebライターを始める方法|未経験でも月5万円稼ぐまでの手順にまとまっています。生活の時間割に合わせた進め方という点で、参考になる部分が多いです。

最初の案件を取るまでの手順

順番に進めれば、応募までたどり着きます。

第1に、作業に使える時間を確定します。平日の夜に1.5時間、土日に3時間なら週13.5時間。5,000文字の記事1本に7時間かかるなら、週に受けられるのは1本から2本です。この計算を先にしておかないと、納期に追われます。

第2に、サンプル記事を2本書きます。実績がない段階で最も効くのがこれです。狙う分野のテーマを自分で決め、構成から作って書きます。公開の場は、無料のブログでも、文書の共有リンクでも構いません。大事なのは、URLを1つ渡すだけで読んでもらえる形にすることです。

第3に、応募文を型にします。含めるのは、書ける分野、対応できる曜日と時間帯、初稿までの日数、修正への対応方針、サンプルのURLの5点です。未経験の方が省きがちなのは3つめと4つめですが、発注側がいちばん不安なのは連絡が途絶えることなので、ここを書くだけで通過率が変わります。

第4に、登録先を2つに絞ります。クラウドソーシング、在宅ワークの求人サイト、業務委託のマッチングサービスのいずれでも入り口になります。5つ登録すると通知の管理で時間が溶けます。

第5に、テストライティングを受けます。有償のテストが基本ですが、1本だけ無償という条件も現実には存在します。判断の基準は、テスト後の単価と本数が事前に示されているかどうかです。示されない相手は避けてください。

第6に、納品後に1つ提案します。「次回はこの部分を補うと読者の疑問が残りません」といった短い一言でいいです。これがあるかないかで、2本目が来るかどうかが変わります。

Webの仕組み側も少し分かると、発注元との会話がかみ合いやすくなります。記事を入稿する環境や運用の全体像はWeb制作 WordPressの全手順!2026年最新の作り方と案件獲得術に整理されています。運用や集客の支援まで含む案件がどう並んでいるかはWeb運営・Webマーケ支援のお仕事で確認できます。

契約で確かめる6項目と、法律で守られている部分

ここが本題です。先日、在宅で記事を書いている方から相談を受けました。10本の記事を納品したのに、発注元が「品質が想定と違う」と言って報酬の支払いを止めたというケースです。やりとりはメッセージアプリだけ、発注時の条件は口頭でした。

結論から言うと、こうした状況で受け手を守る仕組みはすでにあります。2024年11月に施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」、いわゆるフリーランス保護新法です。この法律は、発注者が個人に業務を委託するとき、業務の内容、報酬の額、支払期日などの取引条件を書面または電磁的方法で明示することを義務づけています。そして報酬は、発注者が給付を受け取った日から数えて60日以内の、できる限り短い期間内に支払わなければならないと定めています。つまり、「想定と違う」という主観的な理由で支払いを止めることは、正当な理由になりません。制度の内容は公正取引委員会の案内で確認できます。

そのうえで、受注前に次の6項目を文字で残してください。メッセージのやりとりでも、内容が残っていれば記録になります。

第1に、記事の本数、文字数、テーマです。第2に、報酬の額と算定方法。文字単価なら、見出しや引用を文字数に含めるかまで決めます。第3に、支払期日。第4に、修正の回数の上限です。2回までを報酬に含み、3回目以降は追加とする形が扱いやすいです。決めておかないと、際限なく続きます。

第5に、著作権の扱いです。Webライターの案件では、納品した記事の著作権を発注元に譲渡する条項が入るのが一般的です。これ自体は珍しいことではありません。ただ、押さえておくべき点が2つあります。1つは、譲渡したあとは自分の記事として公開できなくなるため、ポートフォリオに載せてよいかを別に確認する必要があること。もう1つは、著作権のうち著作者人格権は法律上譲渡できないと定められていることです(著作権法第59条)。つまり、氏名の表示や内容を勝手に改変されない権利は、契約書に「すべての権利を譲渡する」と書かれていても移りません。実務では「著作者人格権を行使しない」という条項で調整されます。

第6に、記名か無記名かです。記名の記事は実績として示せるため、単価が同じなら記名のほうが価値があります。無記名の案件でも、発注元の許可があれば「どの媒体で書いたか」を口頭で伝えることは可能な場合があります。

※報酬の未払いで相手が連絡を絶った、金額が大きいといった場面では、自己判断で粘るより早めに弁護士や公的な相談窓口へ相談してください。時間が経つほど回収は難しくなります。

避けるべき募集の見分け方

未経験を狙った良くない募集も混ざります。基準を挙げます。

第1に、着手の前にお金を求めるものです。登録料、教材費、添削料。名目が何であれ、働く側が先に払う構造は業務委託ではありません。第2に、報酬の根拠が示されないもの。1本いくらか、何本あるのかが書かれていない募集は、応募前に必ず質問してください。第3に、無償のテストを何本も求めるもの。1本は相性確認として理解できますが、複数本の無償は成果物を集めているだけの可能性があります。

第4に、業務と無関係な個人情報を求めるもの。記事の受注に、銀行口座の暗証番号やクレジットカード番号が必要になることはありません。第5に、会社名も所在地も示さず個人アカウントだけでやりとりする相手。トラブルのときに追えません。

これらに当たったら、応募しないという判断でいいと思います。焦って1件取ることの損失より、怪しい相手に時間と情報を渡す損失のほうが大きいです。

続けるための時間設計と、税金の確認

在宅副業として続けるうえで、収入より先に決めるべきは時間です。週に確保できる時間を決め、その中に収まる本数だけ受ける。この順番を守らないと、本業に影響が出ます。

体調の面も一点。長時間座って書く作業は、目と肩と腰に来ます。50分書いて10分離れる形にすると、後半の誤字も減ります。休むことは効率を落とす行為ではなく、精度を保つ工程です。

税金と社会保険についても触れておきます。給与所得のある方が副業で得た所得が年20万円を超える場合は確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要になるため、報酬と経費の記録は最初から残してください。要件の詳細は国税庁の案内が一次情報になります。なお、会社員として働きながら副業をする場合、勤務先の健康保険と厚生年金に引き続き加入する形が基本です。加入関係の確認は日本年金機構の案内で行えます。

そして順番として、税金より先に勤務先の就業規則を確かめてください。副業の届出が必要な会社は少なくありません。届出を出さずに始めて、あとから問題になるほうが面倒です。

在宅ワーク市場のデータから見える、未経験から続く人の条件

在宅の仕事を仲介する場を長く運営してきた立場から見ると、未経験でWebライターを始めた方の行き先は、はっきり2つに分かれます。半年で離れる道と、単価を上げながら続く道です。

続いた方が何をしていたかを振り返ると、共通するのは文章力ではありませんでした。共通していたのは3つです。締切より早く初稿を出す。修正の指示を受けたら、指示された箇所だけでなく同じ種類の箇所をまとめて直す。そして、分野を絞って本数を重ねる。この3つです。文章の巧拙より、発注側の手間を減らす動き方のほうが、継続の依頼に直結していました。

20年この市場を見てきた立場から言えば、長く続く方ほど、単発の受注ではなく「この人に任せると楽だ」という関係づくりに時間を使っています。発注側にとって、探して説明して確かめる工程はコストです。想定読者、避けたい表現、参照してよい情報源。それを毎回新しい相手に伝えるのは負担になります。その説明が省ける相手が見つかったとき、依頼は自然にそこへ集まります。

手取りの構造にも触れます。仲介の手数料が乗る形では、発注側が出した10万円のうち、受け手に届くのは8万円台になります。中間のマージンが乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。双方が得をする構造です。手数料0%でやりとりできる場に意味があるのは、金額の大小ではなく、同じ仕事の同じ時間から何が残るかという質の差にあります。運営者として見てきた限りでは、実績を作る段階と関係が固まってからの段階で使う場を切り替えている方が、いちばん効率よく伸びています。

方向の話を最後に。文章の仕事から始めて、構成、編集、企画へ広がる道もありますし、Webの仕組み側へ寄せる道もあります。後者に進む場合の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。どちらに進むにしても、条件を曖昧にしたまま受けないことが出発点になります。取引条件を書面で確かめることは、相手を疑う行為ではなく、双方が安心して続けるための手順です。法律はあなたの味方です。

月3万円を目標にしたとき、手元にいくら残るのか

目標額を決めても、引かれるものを知らないと生活の設計に使えません。数字で置きます。

1文字1円で5,000文字の記事を月に6本書くと、報酬は3万円です。ここから3つが引かれます。

1つ目は仲介サイトの手数料です。20%なら6,000円が引かれて2万4,000円になります。2つ目は源泉徴収です。支払う側が源泉徴収義務者で、その報酬が原稿料などに当たる場合、支払金額が100万円以下の部分には10.21%が課されます。3万円なら3,063円です。100万円を超える部分は20.42%になり、税額に1円未満の端数が出たときは切り捨てます。この表は国税庁のタックスアンサーに載っています。自分の報酬がこの対象になるかどうかは、支払元に確認するのが早いです。3つ目は道具と通信の費用で、月2,000円程度を見ておきます。

つまり、月3万円の案件を仲介経由で受けて源泉徴収もされる場合、口座に入るのは2万937円です。源泉徴収された分は前払いの税金なので確定申告で精算されますが、入金額だけを見ていると「約束と違う」と感じます。ここを先に知っておくと動じません。

年でまとめます。月3万円は年36万円です。手数料20%なら7万2,000円が1年で消えます。同じ36万円を直接の取引で受けられるなら、この7万2,000円が丸ごと残ります。1文字1円を1文字1.2円に上げる交渉は簡単ではありませんが、受ける場を変えるだけで同じ差が出るという点は覚えておいてください。

税まで通した実額も出します。年間の売上36万円、経費が手数料7万2,000円と道具や通信費2万4,000円で合わせて9万6,000円とすると、所得は26万4,000円です。会社員として給与を受けていて、給与と合わせた課税所得が330万円から695万円の帯に入る方なら、所得税の速算表では税率20%、控除額42万7,500円の区分に当たります。この帯で追加の26万4,000円にかかる所得税は5万2,800円、住民税を10%として2万6,400円、合わせて7万9,200円です。最終的に残るのは18万4,800円で、月あたり1万5,400円になります。金額や勤め先の規則で結果は変わるので、自分の税額は税務署に確認してください。

始めてから初報酬までを、日付順に並べる

学ぶ段階で止まってしまう方が多いので、90日の並べ方を書きます。

1日目から7日目は、分野を2つに決める期間です。過去の職歴、続けてきた趣味、資格。この3つから、調べなくても書ける領域を選びます。分野を毎回変えると調査の時間を毎回払うことになるので、ここで絞る価値があります。あわせて勤務先の就業規則の副業の条項を読み、届出が必要かを確認します。

8日目から21日目は、サンプルを2本書く期間です。狙う分野の記事を、構成から自分で作って仕上げます。1本目は自分が詳しい題材、2本目は調べて書く題材。公開の場に置けるなら置き、置けないなら応募時に添える形で用意します。文字数は3,000字前後で十分です。

22日目から35日目は、応募です。10件出します。1件ずつ丁寧に書くより、同じ型の応募文を分野に合わせて微調整するほうが効率が良い。応募文には、書ける分野、対応できる曜日と時間帯、初稿を出せる日数を具体的に書きます。「なるべく早く」ではなく「依頼から4日で初稿」と書くと、依頼する側が予定を組めます。

36日目から60日目は、最初の受注と納品です。単価の高い案件を待たず、分量の小さい案件を3件取ります。目的は実績と評価で、収入ではありません。ここで、依頼内容を読む時間から修正の対応まで含めた所要時間を記録し始めます。

61日目から90日目は、入金と見直しです。仲介サイトの報酬は締め日の後に支払われるため、書いた月の翌月に入ることが普通です。入金されたら、日付、相手先、文字数、報酬、実際にかかった時間の5列を表に残します。3か月分そろえば実効時給が出せるので、どの分野を伸ばすかを数字で決められます。

確定申告でどう書くか

副業の原稿料は、放っておくと申告漏れになります。書き方を具体的に置きます。

判定の線はこうです。給与を1か所から受けていて、その給与のすべてが源泉徴収の対象になっている場合、給与所得と退職所得を除いた各種の所得金額の合計が20万円を超えると確定申告が必要になります。給与を2か所以上から受けている場合は、年末調整されなかった給与の収入金額と、給与と退職所得を除く所得金額の合計で判定します。月3万円を1年続ければ、この20万円は超えます。

金額の書き方の例を置きます。年間の売上が36万円、支払手数料が7万2,000円、通信費が1万2,000円、消耗品費が8,000円、新聞図書費が4,000円という年なら、必要経費の合計は9万6,000円で、所得は26万4,000円です。源泉徴収された税額が36万円の10.21%で3万6,756円あるなら、それを申告書の源泉徴収税額の欄に書きます。年間の税額がこれより少なければ、差額が還付されます。

勘定科目は毎年同じものを使ってください。仲介サイトの手数料は支払手数料、書籍や資料は新聞図書費、プリンターのインクや用紙は消耗品費、通信回線の業務で使った割合は通信費。家庭と兼用のものは按分し、その計算のメモを残します。

事業所得として青色申告が認められる規模なら、複式簿記で記帳して貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添え、翌年3月15日の期限までに提出すると55万円の控除が使えます。優良な電子帳簿の要件を満たすか、確定申告書と決算書を期限までにe-Taxで送信すれば65万円です。どちらの要件にも当たらない青色申告者は10万円になります。副業の規模では雑所得として扱われて青色申告特別控除が使えないこともあるので、どちらで申告するかは税務署に確認してください。

勘違いしやすい5つ

1つ目は「単価の高い案件を選べば収入が増える」という思い込みです。知らない分野の案件は調査に時間がかかり、実効時給では安い案件と変わらないことがあります。判断の材料は文字単価ではなく、報酬を全部の所要時間で割った数字です。

2つ目は「源泉徴収された分は取られたまま」という誤解です。引かれた分は前払いの税金で、確定申告で年間の税額と突き合わせて精算されます。税率の低い方なら戻ってきます。

3つ目は「20万円以下なら何もしなくていい」という読み方です。所得税の確定申告が不要になる場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。

4つ目は「書けば書くほど単価が上がる」という期待です。単価が上がるのは本数ではなく、任される判断の範囲が広がったときです。構成から任される、分野の知識で内容を提案できる。この変化がないまま本数だけ増やしても階段は上がりません。

5つ目は「実績がないと応募してはいけない」という遠慮です。未経験を明記した募集は継続して出ています。応募しないことによる損のほうが、落ちることによる損より大きい。

会社員と主婦(夫)と学生で、どこが違うか

同じ在宅の執筆でも、立場によって確かめる場所が変わります。

会社員の方は、勤務先の就業規則の副業の条項を先に読みます。許可制、届出制、業種の限定と、会社ごとに違います。勤務先の顧客や競合に関わる題材を書く場合は利益相反の問題が出るので、分野を選ぶ段階で外しておくのが安全です。税の面では、副業の所得が20万円を超えたら確定申告が必要になる点と、住民税の徴収方法をどうするかが実務の要点になります。

主婦(夫)の方は、扶養の判定が絡みます。配偶者の勤め先で扶養として扱われている場合、自分の所得が一定の額を超えると配偶者側の控除が減り、さらに健康保険の扶養から外れることがあります。所得税の扶養の基準と健康保険の扶養の基準は別の物差しで、金額も違います。どちらも売上ではなく売上から経費を引いた額で見るのが原則なので、経費の記録が判定に効きます。具体的な金額は配偶者の勤め先の規則と加入している健康保険で変わるので、勤め先か保険の窓口に確認してください。

学生の方は、締切に余裕のある案件を選べる点が有利に働きます。1本に時間をかけて品質で評価を取る戦略が取れるので、単価の階段を早く上がれることがあります。一方で親の扶養に入っている場合は所得の額に注意が必要です。勤労学生控除のような仕組みもありますが適用の条件があるので、税務署に確認してください。

どの立場でも共通するのは、記録を残すことです。日付、相手先、文字数、報酬、所要時間。この5列があれば、税の申告でも単価の交渉でも、話が短く終わります。

よくある質問

Q. 未経験でも在宅のWebライターとして受注できますか?

できます。未経験を明記した募集は継続的に出ています。通りやすくするために、狙う分野のサンプル記事を2本用意し、応募文には書ける分野、対応できる曜日と時間帯、初稿までの日数、修正への対応方針、サンプルのURLを明記してください。連絡の取りやすさが評価されます。

Q. 文字単価はどのくらいから始まりますか?

実績を作る段階は1文字0.5円未満、構成に沿って書ける段階で0.5円から1円、構成から任される段階で1円から2円、分野の知識や取材の力があると2円以上が目安です。単価は書いた本数ではなく、任される判断の範囲が広がると上がります。

Q. 納品した記事の著作権はどうなりますか?

発注元へ譲渡する条項が入るのが一般的です。譲渡後は自分の記事として公開できなくなるため、ポートフォリオ掲載の可否は別に確認してください。なお著作者人格権は法律上譲渡できないと定められており(著作権法第59条)、実務では行使しない旨の条項で調整されます。

Q. 報酬が支払われないときはどうすればいいですか?

フリーランス保護新法により、発注者は給付を受け取った日から60日以内に報酬を支払う義務があり、取引条件の明示も義務づけられています。まずやりとりと納品物の記録を保全し、支払期日を明記して書面で請求してください。連絡が取れない場合や金額が大きい場合は、早めに弁護士や公的な相談窓口へ相談するのが安全です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年9月11日最終更新:2026年9月21日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド

職種別ガイド

職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方