エクセルでシフト表を作る方法|初心者向けの手順と関数


この記事のポイント
- ✓エクセルでシフト表を作る方法を初心者向けに手順で解説します
- ✓COUNTIF関数での人数と出勤日数の集計
- ✓土日と人手不足の色分け
エクセルでシフト表を作りたいけれど、関数に自信がなく、毎月日付と曜日を手で打ち直している。そんな初心者の方に向けて、この記事ではシフト表の作り方を、白紙のシートから順に説明します。結論から言うと、シフト表に必要な関数は DATE、TEXT、COUNTIF、WEEKDAY の4つと、条件付き書式、データの入力規則でほぼ足ります。この組み合わせで、日付と曜日が自動で並び、日ごとの出勤人数と1人ごとの出勤日数が自動で数えられ、土日や人が足りない日に自動で色が付くシフト表になります。シフトの確定後に、希望の回収や交代の相談といった周りの仕事を担当と期限で共有する方法として、ボードで仕事を管理する Pinateca にも後半で触れます。
シフト表をエクセルで作る人が多い理由と、作る前に決めること
シフト管理の専用システムは数多くありますが、飲食店や小売店、クリニック、介護の事業所、学童や塾など、従業員が10人から20人ほどの職場では、いまもエクセルでシフト表を作るところが少なくありません。理由ははっきりしていて、パソコンにすでに入っていて追加の費用がかからないこと、紙のシフト表と見た目がほぼ同じで従業員に説明しなくても読めること、職場ごとの細かい決まりを自分で表に作り込めることの3つです。
一方で、エクセルのシフト表は作る人の腕で出来が大きく変わります。毎月コピーして日付を打ち直す、出勤人数を目で数える、という作り方を続けると、月末の作業が数時間かかるうえ、数え間違いで人が足りない日を見落とします。関数を少し使うだけで、この手作業の大半はなくなります。
作業を始める前に、紙に次の5点を書き出しておくと、表の形で迷いません。
- 1か月単位で作るか、1週間単位で作るか
- 勤務の種類(早番、遅番、夜勤、休みなど)と、それぞれの開始と終了の時刻
- 日ごとに最低何人必要か(平日と土日で違うなら両方)
- 誰がシフト表を作り、誰が見るか(店長だけか、全員に配るか)
- 1人ごとに守る上限(週の勤務時間、月の出勤日数、扶養の範囲で働きたい人の年間の上限など)
特に勤務の種類は、記号を先に決めておくことが大切です。「早」「遅」「夜」「休」のように1文字にしておくと、セルが狭くても読めて、関数で数えるときにも扱いやすくなります。「早番」と「早」と「A」が混ざると、関数は別のものとして数えてしまうので、記号は最初に固定します。
勤務時間の決まりも、最初に確かめておきます。労働基準法は、休憩について次のように定めています。
使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。 出典: e-Gov法令検索(労働基準法 第34条)
同じ法律の第32条は、休憩を除いて1日8時間、1週40時間を超えて働かせてはならないと定めています。勤務の種類を決めるときは、たとえば9時から18時の勤務なら休憩1時間を引いて8時間、というように、休憩を入れた形で時刻を決めておくと、後で勤務時間を計算するときに迷いません。36協定(時間外労働や休日労働をさせるための労使の取り決め)の有無や、変形労働時間制を使っているかどうかで扱いは変わるので、自分の職場の就業規則を確かめ、分からない点は労働基準監督署に相談してください。
初心者向けの手順1:日付と曜日を自動で並べる
ここからは、1か月単位のシフト表を作る手順を順に説明します。完成形は、横に日付、縦に従業員の名前が並び、交わるセルに「早」「遅」「休」などの記号を入れる形です。これがいちばん多く使われている「月間シフト表」の形です。
年と月を入れるセルを作る
まず、シートの左上に年と月を入れるセルを作ります。
- A1 に「年」、B1 に 2026
- C1 に「月」、D1 に 11
この2つのセルを書き換えるだけで、表全体の日付と曜日が切り替わるようにするのが、この手順の狙いです。来月のシフト表を作るときは、シートをコピーして D1 を 12 に変えるだけで済みます。
1日目の日付を DATE 関数で出す
次に、日付を並べる行を決めます。ここでは3行目に日付、4行目に曜日を並べ、B列に名前を入れることにします。C3 に次の数式を入れます。
=DATE($B$1,$D$1,1)
DATE 関数は、年、月、日の3つの数字から日付を作る関数です。$ が付いているのは、数式をコピーしても参照先がずれないようにする印(絶対参照)です。このままだと「2026/11/1」のように表示されて列の幅を取るので、セルを右クリックして「セルの書式設定」から「表示形式」の「ユーザー定義」を選び、種類に d と入力します。すると日付が「1」とだけ表示されます。
2日目以降は前の日の翌日を出す
D3 には次の数式を入れます。
=IF(C3="","",IF(MONTH(C3+1)=$D$1,C3+1,""))
前の日の翌日がまだ同じ月なら日付を出し、翌月にはみ出すなら空欄にする、という意味です。この数式を D3 から AG3 まで(31日目まで)右にコピーすると、30日までの月は31日目が空欄になり、2月は29日目以降が空欄になります。毎月、末日を手で消す必要がなくなります。
Microsoft 365 や Excel 2021 を使っている場合は、SEQUENCE 関数で1つの数式から日付を並べる方法もあります。ただし、職場に古い版の Excel が混ざっていると、受け取った人の画面で表示が崩れることがあるので、配る相手の環境が分からないうちは、上のように1列ずつ数式を入れる方法が無難です。
曜日を TEXT 関数で出す
4行目には曜日を出します。C4 に次の数式を入れて、AG4 まで右にコピーします。
=IF(C3="","",TEXT(C3,"aaa"))
TEXT 関数は、日付や数字を指定した形の文字に変える関数です。"aaa" は「月」「火」のような1文字の曜日、"aaaa" は「月曜日」のような曜日の全部を表します。
Microsoftの TEXT 関数の説明には、使える表示形式の一覧が載っているので、曜日以外の形にしたいときに確かめてください。
ここまでで、D1 の月を変えると、3行目の日付と4行目の曜日が自動で変わる表ができました。手で打っていたころは、曜日を1日ずらして打ち間違える事故がよく起きますが、関数にすればその心配はなくなります。
初心者向けの手順2:記号をリストから選べるようにする
日付が並んだら、5行目から下に従業員の名前を入れます。B5 から B14 まで、10人の名前を入れたとします。名前の右側、C5 から AG14 までが、記号を入れるセルです。
データの入力規則でリストを作る
記号を自由に打てるままにしておくと、全角と半角の違い、「早番」と「早」の混在、余計な空白などが入り、後で関数が正しく数えられなくなります。そこで、セルに入れられる文字をリストに限ります。
- C5 から AG14 までを選ぶ
- 「データ」タブの「データの入力規則」を開く
- 「入力値の種類」で「リスト」を選ぶ
- 「元の値」に 早,遅,夜,休 と半角のカンマで区切って入れる
- 「OK」を押す
これで、セルを選ぶと右側に小さな三角が出て、リストから記号を選べるようになります。リストにない文字を打つとエラーが出て入力できないので、表記ゆれが起きません。
勤務の種類が多い職場では、「元の値」に直接書かずに、別のシートに記号の一覧表を作り、その範囲を指定する方法が便利です。たとえば「設定」という名前のシートを作り、A列に記号、B列に開始時刻、C列に終了時刻、D列に休憩の分数を並べておきます。この一覧表は、後で勤務時間を計算するときにも使います。
名前の列と日付の行を固定する
シフト表は横に長いので、右へスクロールすると名前が見えなくなり、下へスクロールすると日付が見えなくなります。C5 のセルを選んだ状態で「表示」タブの「ウィンドウ枠の固定」を選ぶと、B列の名前と4行目までの日付と曜日が、スクロールしても常に表示されるようになります。小さな手順ですが、入力の間違いがかなり減ります。
希望休を先に入れておく
従業員から休みの希望を集めたら、記号を入れる前に、まず希望休だけを「休」で入れておきます。希望休を入れた後で早番と遅番を割り振るほうが、後から希望休を差し込んで組み直すより、作業がずっと少なくて済みます。希望休を別の記号(たとえば「希」)にして、確定した休みと区別する職場もあります。その場合は、入力規則のリストにも「希」を追加しておきます。
初心者向けの手順3:COUNTIF 関数で人数と出勤日数を数える
シフト表でいちばん手間がかかるのが、日ごとの人数と1人ごとの出勤日数を数える作業です。ここは COUNTIF 関数にまかせます。COUNTIF 関数は、指定した範囲の中で、条件に合うセルがいくつあるかを数える関数です。
Microsoftの COUNTIF 関数の説明にあるとおり、書き方は =COUNTIF(範囲,条件) の2つだけです。
日ごとの人数を数える
名前の下、16行目から下に集計の行を作ります。B16 に「早番の人数」、B17 に「遅番の人数」、B18 に「夜勤の人数」と書き、C16 に次の数式を入れます。
=COUNTIF(C$5:C$14,"早")
C17 は "遅"、C18 は "夜" に変えます。この3行を AG列まで右にコピーすれば、日ごとに何人が入っているかが一目で分かります。範囲の行番号に $ を付けているのは、右にコピーしたときに列だけが動き、行の範囲が変わらないようにするためです。
さらに B19 に「出勤の合計」として、次の数式を入れておくと便利です。
=C16+C17+C18
1人ごとの出勤日数と休みの日数を数える
右側の AH列に「出勤日数」、AI列に「休み」を作ります。AH5 に次の数式を入れて、AH14 まで下にコピーします。
=COUNTIF(C5:AG5,"早")+COUNTIF(C5:AG5,"遅")+COUNTIF(C5:AG5,"夜")
AI5 には =COUNTIF(C5:AG5,"休") を入れます。勤務の種類が多い場合は、記号を1つずつ加えていくより、「休でもなく、空欄でもないセル」を数えるほうが短く書けます。
=COUNTIFS(C5:AG5,"<>休",C5:AG5,"<>")
COUNTIFS 関数は、条件を2つ以上付けられる COUNTIF 関数です。"<>休" は「休ではない」、"<>" は「空欄ではない」という意味です。
数え間違いが起きる典型的な原因
関数を入れたのに人数が合わないときは、ほとんどが次のどれかです。
- 記号の前後に空白が入っている(入力規則を設定する前に打った分に多い)
- 全角と半角が混ざっている
- 範囲が名前の行からずれている(人を追加したときに範囲を広げ忘れた)
従業員を追加するときは、14行目の下に行を追加するのではなく、5行目から14行目の間に行を挿入すると、数式の範囲が自動で広がります。表の最後に追加すると範囲の外になり、その人の分が数えられません。初心者がいちばん踏みやすい落とし穴なので、覚えておいてください。
初心者向けの手順4:土日と人手不足の日に自動で色を付ける
数字が並んでいても、色が付いていないと見落とします。条件付き書式を使うと、条件に合うセルに自動で色が付きます。
Microsoftの条件付き書式の説明に、ルールの作り方が画面つきで載っています。
土曜日を青、日曜日を赤にする
- C3 から AG14 までを選ぶ
- 「ホーム」タブの「条件付き書式」から「新しいルール」を選ぶ
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選ぶ
- 数式の欄に =WEEKDAY(C$3)=7 と入れる
- 「書式」で塗りつぶしを薄い青にして「OK」を押す
同じ手順で、数式を =WEEKDAY(C$3)=1 にして薄い赤のルールを追加すると、日曜日の列が赤くなります。WEEKDAY 関数は、日付から曜日を数字で返す関数で、初期設定では日曜日が1、土曜日が7です。C$3 のように行だけに $ を付けるのは、どのセルでも3行目の日付を見に行くようにするためです。
祝日にも色を付ける
祝日は、別のシートに一覧を作っておき、COUNTIF 関数で一覧にあるかどうかを調べます。祝日の一覧は、内閣府の国民の祝日についてのページで、令和8年(2026年)と令和9年(2027年)の分が公開されており、CSVの形でも取得できます。「祝日」という名前のシートの A列に日付を貼り付けたら、条件付き書式に次のルールを追加します。
=COUNTIF(祝日!$A:$A,C$3)>0
人が足りない日を目立たせる
いちばん役に立つのが、人手不足の日に色を付けるルールです。19行目の出勤の合計に、次のルールを付けます。
=AND(C$3<>"",C19<3)
出勤が3人に届かない日だけ、セルが濃い赤になります。平日と土日で必要な人数が違うなら、=AND(C$3<>"",WEEKDAY(C$3,2)>5,C19<4) のように土日だけ別の人数のルールを追加します。WEEKDAY の2つ目の引数に2を入れると、月曜日が1、日曜日が7になり、6以上を土日として扱えます。
色のルールが増えると、どの色が何を意味するか分からなくなります。表の上の余白に「赤は人手不足、青は土曜、薄い赤は日曜と祝日」と凡例を1行書いておくと、表を受け取った従業員が迷いません。
手順5:勤務時間を計算して、上限を超えていないか確かめる
出勤日数だけでなく、勤務時間を管理したい職場も多いはずです。扶養の範囲で働きたいパートの方や、週の時間に上限がある方がいる場合は、時間まで出しておくと、シフトを組む段階で調整できます。
記号ごとの勤務時間を一覧表から引く
先に作った「設定」シートに、記号ごとの実働時間を出しておきます。開始時刻が B2、終了時刻が C2、休憩の分数が D2 なら、E2 に次の数式を入れます。
=MOD(C2-B2,1)*24-D2/60
エクセルでは時刻を1日を1とした小数で扱います。終了から開始を引いて24を掛けると時間になります。MOD 関数を使っているのは、22時から翌朝6時のように日付をまたぐ夜勤で、引き算がマイナスになるのを防ぐためです。22時から6時、休憩60分なら、E列は7になります。
1人ごとの月の勤務時間を出す
シフト表の AJ列に「勤務時間」を作り、AJ5 に次の数式を入れます。
=SUMPRODUCT(COUNTIF(C5:AG5,設定!$A$2:$A$4)*設定!$E$2:$E$4)
記号ごとに何回入っているかを数え、それぞれの時間を掛けて合計する数式です。設定シートの範囲は、記号の数に合わせて変えてください。勤務の種類が4つなら $A$2:$A$5 です。
上限を超えた人に色を付ける
AJ列に条件付き書式で =AJ5>120 のようなルールを付けておけば、月の勤務時間が決めた上限を超えた人の欄が赤くなります。上限は人によって違うことが多いので、AK列に1人ずつの上限を入れ、=AJ5>AK5 にすると、それぞれの上限と比べられます。
ここで出している勤務時間は、シフト上の予定の時間です。給与の計算は、実際に打刻した時間や残業の扱いで変わるので、この表の数字をそのまま給与の根拠にはしないでください。税金や社会保険の扶養の範囲も、収入の見込みで判断されるもので、年によって基準の数字が変わります。働く人から相談を受けたときは、勤め先の担当者や税務署、年金事務所で確かめるよう伝えるのが確実です。
手順6:印刷と共有で失敗しないための設定
シフト表は作って終わりではなく、全員に見てもらってはじめて役に立ちます。印刷と共有のところで、初心者がよくつまずく点を整理します。
A4の横1枚に収める
31日分の列があるシフト表は、そのまま印刷すると2枚から3枚に分かれます。「ページレイアウト」タブで「印刷の向き」を「横」にし、「拡大縮小印刷」の「横」を「1ページ」にすると、A4の横1枚に収まります。文字が小さくなりすぎる場合は、B列の名前を短くする、日付の列幅を狭くするなどで調整します。勤務時間や上限の列は、店長だけが見ればよい情報なので、印刷の範囲から外しておく職場が多いです。「印刷範囲の設定」で、名前から AI列の休みの日数までだけを選んでおきます。
数式を消されないように守る
共有フォルダに保存して何人もが開く場合、誰かが数式のセルにうっかり数字を打つと、集計が壊れます。記号を入れる C5 から AG14 だけを選び、「セルの書式設定」の「保護」タブで「ロック」を外してから、「校閲」タブの「シートの保護」をかけると、記号のセル以外は書き換えられなくなります。
確定版と作業中を分ける
いちばん多い事故は、作業中の表を確定版と思われて、休みの人が出勤してしまうことです。ファイル名に「2026年11月_確定」「2026年11月_作業中」と状態を入れる、確定したらPDFに書き出して配る、という2つを決めておくだけで、この事故はほぼなくなります。PDFにすると、スマートフォンでもレイアウトが崩れずに見られます。
クラウドで共有する場合
Microsoft 365 の Excel や Googleスプレッドシートを使えば、ファイルを送らずに同じ表を全員が見られます。ただし、全員に編集の権限を渡すと、誰がいつ変えたのかが分かりにくくなります。シフトを作る人だけに編集を許し、ほかの人は閲覧だけにするのが基本です。Googleスプレッドシートでも、ここまでに紹介した DATE、TEXT、COUNTIF、WEEKDAY と条件付き書式、入力規則はほぼ同じ書き方で使えます。
1日の時間帯を見るシフト表の作り方
ここまでの月間シフト表は、誰がどの日に入るかを見るための表でした。飲食店やコールセンターのように、同じ日の中でも昼の混む時間と夕方の空く時間で必要な人数が違う職場では、1日の時間帯ごとに誰が入っているかを見る表もあると便利です。これを「タイムシフト表」や「時間帯別のシフト表」と呼びます。
横に時刻、縦に名前を並べる
新しいシートを作り、B列に名前、C列から右に時刻を並べます。C3 に 9:00 と入れ、D3 に =C3+TIME(0,30,0) と入れて右にコピーすると、30分きざみの時刻が並びます。TIME 関数は、時、分、秒の3つの数字から時刻を作る関数です。閉店が22時なら、9時から22時まで27列になります。
時刻の列とは別に、表の右側に開始時刻と終了時刻を入れる欄を作っておきます。たとえば AE列に開始、AF列に終了とします。
勤務している時間帯に色を付ける
C4 から AC13 までを選び、条件付き書式で次のルールを追加します。
=AND(C$3>=$AE4,C$3<$AF4)
その時刻が、その人の開始時刻以上で、終了時刻より前なら色を付ける、という意味です。開始と終了を入れるだけで、勤務している時間帯が横の棒のように塗られ、1日の人の厚みが目で見て分かります。休憩の時間帯を別の色にしたい場合は、休憩の開始と終了の列をもう1組作り、同じ形のルールを上に重ねます。
時間帯ごとの人数を数える
14行目に「人数」を作り、C14 に次の数式を入れて右にコピーします。
=COUNTIFS($AE$4:$AE$13,"<="&C$3,$AF$4:$AF$13,">"&C$3)
開始がその時刻以前で、終了がその時刻より後の人を数える数式です。ランチの12時から13時に4人いるのか、2人しかいないのかが数字で出るので、月間シフト表で人数が足りていても、時間帯で見ると穴が空いている、という見落としを防げます。
月間の表と時間帯の表を使い分ける
時間帯の表は1日分しか見られないので、毎日作ると手間がかかります。土日や月末の繁忙日など、人の配置が難しい日だけ作る、あるいは曜日ごとの型を1枚ずつ作っておき、月間シフト表を組むときの参考にする、という使い方が現実的です。月間の表で日ごとの人数を、時間帯の表でその日の中の偏りを確かめる、と役割を分けると、どちらの表も複雑になりすぎません。
シフトを組む順番のコツ
関数で表を整えても、記号をどの順番で入れるかで、作業の時間は大きく変わります。シフトを組み慣れた店長が実際に使っている順番は、おおむね次のとおりです。
- 希望休と、動かせない予定(研修、定期の通院など)を先に入れる
- 資格や鍵の管理など、毎日1人は必要な役割の人を先に割り振る
- 土日や月末など、人が足りなくなりやすい日を先に埋める
- 残った平日に、出勤日数の少ない人から順に割り振る
- 人数と勤務時間の集計を見て、上限を超えた人や足りない日を直す
難しい日から先に埋めるのがこつで、平日から順に埋めていくと、最後に土日の人が足りなくなって全体を組み直すことになります。
また、毎月ゼロから組むのではなく、「基本の週」を1つ作っておくと作業が大幅に減ります。たとえば月曜日はAさんとBさんが早番、Cさんが遅番、という標準の形を作り、それを4週分コピーしてから希望休の分だけ入れ替えます。入れ替えた後は、人数の集計と色の付いたセルを見て直すだけで済みます。
組み終わったら、確定する前に一度、従業員に「仮のシフト」として見てもらう時間を取ると、休みの希望の伝え漏れや、勘違いによる出勤のずれを事前に拾えます。仮の段階で直すほうが、確定後に交代を探すよりはるかに手間がかかりません。
テンプレートから始める場合の注意
ゼロから作る時間がない場合は、Excel の「新規」の画面で「シフト」と検索すると、Microsoft が用意しているシフト表のテンプレートが見つかります。インターネット上にも無料のテンプレートは数多くあります。テンプレートを使うと見た目はすぐに整いますが、次の3点は必ず確かめてから使ってください。
- 日付と曜日が、年と月を変えるだけで切り替わる作りになっているか
- 人数の集計の範囲が、自分の職場の人数まで届いているか
- 記号が、自分の職場の勤務の種類と合っているか
テンプレートの数式は作った人の職場に合わせてあるので、そのまま使うと、勤務の種類が1つ足りない、夜勤の時間の計算が入っていない、といったずれが起きます。この記事の手順で関数の意味が分かっていれば、テンプレートの数式を開いて、自分の職場に合わせて直せます。
エクセルでシフト表を作るメリットとデメリット
ここまでの手順でシフト表は作れますが、エクセルが向いている職場と、そうでない職場があります。どちらに当てはまるかで、続けるか乗り換えるかを判断してください。
メリット
- 追加の費用がかからない。パソコンに入っている Excel か、無料の Googleスプレッドシートで足りる
- 見た目と決まりを自由に作れる。職場ごとの記号や、独自の上限のルールを数式で組み込める
- 紙に印刷して休憩室に貼るといった、これまでの運用をそのまま続けられる
- 関数の知識が職場に残る。作り方が分かれば、別の担当者にも引き継げる
デメリット
- 希望休の回収は別の方法(紙、メッセージアプリ、口頭)になり、転記の手間と転記ミスが残る
- 作る人が1人に偏りやすく、その人が休むとシフトが組めなくなる
- 人数が多くなると、条件の組み合わせ(この2人は同じ日に入れない、資格のある人を毎日1人など)を数式で表すのが難しくなる
- スマートフォンで見ると表が小さく、従業員が自分の行を探しにくい
目安として、従業員が20人前後までで、勤務の種類が3から5つほど、シフトを作る人が1人から2人なら、エクセルで十分に回ります。30人を超える、店舗が複数ある、資格や役割の組み合わせの条件が多い、希望の回収と交代の申請をスマートフォンで済ませたい、といった職場では、シフト管理の専用サービスを比べてみる価値があります。専用サービスは月額の費用がかかり、1人あたりの料金で決まるものが多いので、各社の公式ページで今の料金を確かめてから比べてください。
よくある失敗と、その防ぎ方
最後に、エクセルのシフト表で実際によく起きる失敗を、防ぎ方と一緒に並べておきます。
- 先月のシートをコピーして日付を直し忘れる。年と月のセルを1か所にまとめ、そこだけを書き換える作りにする
- 行を追加したら集計から漏れる。新しい人は表の途中に行を挿入して追加する
- 夜勤の時間がマイナスになる。終了から開始を引くときは MOD 関数を使う
- 色のルールが重なって意味が分からない。凡例を書き、色は3色ほどに絞る
- 誰が最新版を持っているか分からない。保存先を1か所に決め、確定版はPDFで配る
シフト表の周りの仕事を共有する方法
シフト表そのものはエクセルで作れても、その周りには、表に収まりにくい仕事が残ります。来月分の希望休を誰がいつまでに集めるか、確定版をいつ配るか、急な欠勤が出たときに誰が代わりを探すか、新しく入った人にいつ研修を入れるか、といった仕事です。これらは「担当」と「期限」と「いまどこまで進んだか」がはっきりしていないと、店長が1人で抱えることになります。
人数が少ない職場なら、シフト表の横に「今月の段取り」という欄を作り、「希望休の回収、担当は副店長、25日まで」と書いておくだけでも十分です。紙のチェックリストでも構いません。
店長と副店長、本部の担当者など、シフトに関わる人が複数いて、それぞれの段取りの進み具合をお互いに確かめたい場合は、ボードで仕事を共有できる道具が役に立ちます。その候補の1つが Pinateca です。公式サイトによると、Pinateca ではカードに担当と期限を付けて、カンバンで進み具合を、ガントチャートで締め切りの重なりを見られます。カードごとのコメントで「欠勤の代わりが見つかった」といった相談をその場に記録でき、人ごとの負荷の偏りを見るリソースボードも用意されています。料金は、5人までのチームならボード10個まで無料で、6人目、または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜)になります。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
なお、Pinateca はシフト表を自動で作る道具ではありません。シフトの割り振りと人数の集計はエクセルで行い、その前後の段取りを担当と期限で回すために使い分けると、店長の負担が分散します。
在宅ワークの案件から見た、シフト表作りの仕事の需要
ここからは、フリーランスと在宅ワークの仲介を長く続けてきた運営者の立場から、シフト表作りに関わる仕事の動きを整理します。
業務委託の募集を見ていると、「エクセルのシフト表を関数で自動化してほしい」「手作業で組んでいるシフトを、条件付き書式で人手不足が分かる形にしてほしい」といった依頼は、毎年一定の数が出ています。依頼してくるのは、店長が自分で組んでいる飲食店、看護師と医療事務のシフトを組むクリニック、介護の事業所などが中心です。クリニックの受付や会計の仕事に関心がある方は、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)のページで、医療事務の資格の内容と、受付の仕事で求められる知識を確かめられます。
介護の事業所では、シフト表に限らず、記録や請求の書類を電子化する動きが続いています。介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化では、介護の事業所がIT導入補助金を使って記録を電子化する流れと、補助の対象になる費用の考え方を整理しています。シフト管理のサービスの導入を考えている事業所は、補助金の対象になるかどうかも合わせて確かめておくと、費用の見通しが立てやすくなります。
20年あまりこの市場を見てきた立場から言えば、こうした小さな業務改善の依頼で長く続くのは、関数を組んで納品して終わりにする人ではなく、「来月から別の人が使っても壊れない作り」にして、使い方を1枚の手順書に残す人です。依頼する側は、シフト表を作れる人が辞めた後に誰も直せなくなることを、いちばん心配しています。数式の意味を表の横にメモしておく、記号の一覧を別のシートに分けておく、といった配慮が、次の依頼につながっています。
エクセルの自動化から一歩進んで、業務の流れそのものを見直す仕事に広げたい方は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、業務の整理やツールの導入を支える仕事の内容と、求められる力を紹介しています。シフト管理や在庫の管理表をアプリにする方向に関心がある方は、アプリケーション開発のお仕事も参考になります。業務の改善を経営の側から支える資格としては、中小企業診断士が知られており、資格ガイドで試験の流れと勉強の進め方を確かめられます。
また、業務委託の仲介サービスによって、受け手と依頼する側の間に手数料がかかるかどうかは大きく違います。中間の手数料がかからない手数料0%の直接の取引なら、依頼する側は同じ予算で少し大きな改善まで頼め、受け手は受け取る報酬がそのまま手元に残ります。シフト表の自動化のような、数万円規模の小さな依頼ほど、この差は双方にとって効いてきます。
よくある質問
Q. エクセル初心者でもシフト表は作れますか?
作れます。必要なのは DATE、TEXT、COUNTIF、WEEKDAY の4つの関数と、条件付き書式、データの入力規則です。最初に年と月を入れるセルを作り、日付と曜日を自動で並べ、記号をリストから選べるようにし、人数を COUNTIF 関数で数える、という順に進めれば、1日あれば形になります。
Q. 夜勤の勤務時間がマイナスになるのはなぜですか?
22時から翌朝6時のように日付をまたぐと、終了時刻から開始時刻を引いた値がマイナスになるためです。=MOD(終了-開始,1)*24 のように MOD 関数を使うと、日付をまたいでも正しい時間が出ます。休憩を引く場合は、休憩の分数を60で割って差し引きます。
Q. 従業員を追加したら人数の集計が合わなくなりました。どうすればよいですか?
表の最後の行の下に名前を追加すると、COUNTIF 関数の範囲の外になり、その人の分が数えられません。新しい人は、表の途中に行を挿入して追加すると範囲が自動で広がります。すでに外に追加してしまった場合は、集計の数式の範囲を新しい行まで広げ直してください。
Q. エクセルのシフト表から専用のシステムに乗り換える目安はありますか?
従業員が20人前後まで、勤務の種類が3から5つほどならエクセルで十分に回ります。30人を超える、店舗が複数ある、資格や役割の組み合わせの条件が多い、希望の回収をスマートフォンで済ませたい、といった場合は、専用サービスを比べる価値があります。料金は各社の公式ページで確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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