Excelで工程表を作る手順と、日付に合わせて棒が伸びる仕組みの組み方


この記事のポイント
- ✓Excelで工程表を作る手順を
- ✓日付の見出しを式で並べる方法から
- ✓条件付き書式で開始日と終了日に合わせて棒が伸びる仕組み
Excelで工程表を作ろうとしてテンプレートを探したものの、配布されているファイルの仕組みが分からず、日付を変えたら棒がずれた、行を加えたら色が付かなくなった、という経験はないでしょうか。工程表のテンプレートは便利ですが、中身の仕組みを知らないまま使うと、直したいときに手が出せません。
この記事では、Excelで工程表を一から作る手順を、日付の見出しを式で並べるところから、開始日と終了日を入力するだけで棒が自動で伸び縮みする仕組み、土日と祝日の色分け、進捗に合わせた色の変え方まで、順番に説明します。仕組みが分かれば、配布されているテンプレートも自分で直せるようになります。後半では、表で回すのが苦しくなったときの選択肢として、ガントのボードを無料から使えるPinatecaにも触れます。
Excelで工程表を作る人が多い理由と、つまずく場所
工程表を作る道具はいろいろありますが、今も多くの職場でExcelが選ばれています。社内の誰もが開ける、取引先にそのまま渡せる、印刷しやすい、追加の費用がかからない。経理の仕事でも、月次の締めや決算の作業の予定をExcelで管理している事務所は少なくありません。
一方で、Excelには工程表専用の機能がありません。Microsoftの公式ヘルプでも、Excelにはあらかじめ用意されたガントチャートの種類はないと書かれており、積み上げ横棒グラフを書式設定して作る方法と、テンプレートを使う方法が案内されています(Excel でデータをガント チャートで表示する)。
専用の機能がないため、工程表は、いくつかの機能の組み合わせで作ることになります。日付を並べる式、色を付ける条件付き書式、営業日を数える関数。どれも単体では難しくありませんが、組み合わせ方を知らないと、次のような場所でつまずきます。
・日付の見出しを手で入力していて、開始日を変えるたびに全部打ち直している
・棒の色を手で塗っていて、予定が変わるたびに塗り直している
・条件付き書式を入れたのに、一部の行にだけ色が付かない
・土日や祝日を除いた日数で終了日を出したいのに、方法が分からない
この記事では、これらを1つずつ解決しながら、工程表を組み立てていきます。
完成形のイメージと、シートの構成
作る前に、完成形のイメージを決めておきます。この記事で作る工程表は、次のような形です。
・左側に、番号、作業名、担当、開始日、日数、終了日、進捗率、状態の列が並ぶ
・右側に、1日ずつの日付の欄が横に並び、開始日から終了日までの欄に棒が表示される
・土日と祝日の欄は灰色になる
・今日の日付の列に色が付く
・進捗率に応じて、棒の一部の色が濃くなる
ブックの中は、3つのシートに分けます。
- 工程表のシート(作業を入力し、棒を表示する)
- 設定のシート(祝日の一覧、担当者や状態の選択肢を入力する)
- 説明のシート(列の意味と更新のルールを書く)
設定を別のシートに分けておくと、祝日や担当者が変わったときに、そこだけを直せば工程表のシート全体に反映されます。説明のシートは、後から引き継ぐ人のためのものです。経理の仕事で言えば、仕訳のルールを別紙にまとめておくのと同じで、作った本人がいなくなっても回る形にしておくことが大切です。
手順1:見出しと左側の列を作る
工程表のシートを開き、1行目に工程表の名前と、工程表の開始日を入力するセルを作ります。例えば、B1に「開始日」と書き、C1に工程表の最初の日付を入力します。この1つのセルが、日付の欄の起点になります。
3行目を見出しの行にし、A列から順に、番号、作業名、担当、開始日、日数、終了日、進捗率、状態の8つの見出しを入力します。4行目から下が、作業を入力する行です。
開始日と終了日の列は、セルの表示形式を日付にしておきます。日数の列は数値、進捗率の列はパーセントの表示にします。
担当と状態の列には、データの入力規則でドロップダウンリストを設定します。データタブの「データの入力規則」を開き、入力値の種類で「リスト」を選び、元の値に設定のシートの担当者の一覧の範囲を指定します(ドロップダウン リストを作成する)。選択肢を一覧から選ぶ形にしておくと、「田中」「田中さん」のような書き方の揺れがなくなり、後で担当ごとに絞り込むときに困りません。
手順2:日付の見出しを式で並べる
次に、右側に日付の欄を作ります。左側の8列の右、例えばJ列から日付を並べます。
J2のセルに =$C$1 と入力し、工程表の開始日を参照させます。K2には =J2+1 と入力します。K2を右へ必要な日数分だけコピーすれば、1日ずつ増える日付が並びます。これで、C1の開始日を書き換えるだけで、日付の見出しがすべて連動して動くようになります。手で日付を打ち込んだ工程表は、開始日が変わるたびに全部を打ち直す必要があり、ここが更新の手間の大きな原因になります。
日付の見出しは、セルの表示形式を「d」にすると日だけが表示され、列の幅を狭くできます。月が変わる場所が分かるように、1行上の1行目に月を表示する式を入れておくと便利です。J1に =IF(DAY(J2)=1,TEXT(J2,"m月"),"") のような式を入れて右へコピーすれば、各月の1日の上にだけ月の名前が表示されます。最初の列だけは月の途中から始まることが多いので、J1には =TEXT(J2,"m月") を入れておきます。
曜日も表示したい場合は、3行目の見出しの行に =TEXT(J2,"aaa") と入れて右へコピーします。「月」「火」のように曜日の1文字が表示されます。
期間が長く、1日ずつでは横に長くなりすぎる場合は、K2の式を =J2+7 にして、1週間ずつ並べる形にします。その場合、棒を塗る条件の式も週の単位に合わせて変える必要があります。この記事では、1日ずつの形で説明を続けます。
手順3:土日と祝日に色を付ける
日付の欄のうち、土日と祝日の列を灰色にします。作業のない日が一目で分かり、終了日を見積もるときの目安にもなります。
まず、設定のシートに祝日の一覧を作ります。日付だけを縦に並べたリストです。日本の祝日は、内閣府が「国民の祝日について」のページで、昭和30年から令和9年までの祝日の一覧をCSV形式で公開しています(国民の祝日について)。これを開いて、工程表の期間に当たる日付を設定のシートに貼り付けます。会社独自の休業日や、年末年始の休みも同じ一覧に加えておきます。この一覧の範囲に「休日」という名前を付けておくと、式が読みやすくなります。名前は、範囲を選んで、数式バーの左にある名前ボックスに入力すれば付けられます。
次に、工程表のシートで、日付の欄の範囲(見出しも含めて、J2から右下の作業の行の最後まで)を選び、条件付き書式を設定します。ホームタブの条件付き書式から新しいルールを選び、「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選びます(条件付き書式を使用して Excel 内の情報を強調表示する)。式には次のように入力します。
=OR(WEEKDAY(J$2,2)>5,COUNTIF(休日,J$2)>0)
WEEKDAY関数に2を指定すると、月曜を1、日曜を7として曜日を数字で返します。5より大きい、つまり6の土曜と7の日曜が土日です。COUNTIF関数は、その日付が休日の一覧に含まれていれば1以上を返します。どちらかに当てはまれば、書式で設定した灰色の塗りつぶしが付きます。
ここで大切なのが、J$2 の $ の位置です。行の番号の前にだけ $ を付けると、どの行のセルでも、日付は常に2行目の見出しを見に行きます。列の記号の前には付けないので、右の列に行くほど、それぞれの列の日付を見るようになります。この $ の付け方を間違えると、色が1行目だけ、あるいは1列目だけにしか付かなくなります。
手順4:開始日と終了日に合わせて棒を伸ばす
いよいよ、工程表の中心の仕組みです。作業の行ごとに、開始日から終了日までの日付の欄に色を付けます。
日付の欄の作業の行の範囲(J4から右下まで)を選び、新しい条件付き書式のルールを作ります。式は次のとおりです。
=AND(J$2>=$D4,$F4>=J$2)
D列が開始日、F列が終了日の場合です。その列の日付が開始日以上で、かつ終了日以下なら、色を付けるという意味になります。書式で、棒の色にしたい塗りつぶしを選びます。
この式でも $ の位置が鍵です。J$2 は、手順3と同じく、常に2行目の日付を見ます。$D4 と $F4 は、列の記号の前に $ を付けているので、どの列のセルでも、常にD列とF列を見ます。行の番号の前には付けないので、5行目のセルは5行目の開始日と終了日を、6行目のセルは6行目の開始日と終了日を見ます。
これで、開始日と終了日を入力するだけで、棒が自動で表示されるようになりました。開始日を1日後ろにずらせば棒も1日ずれ、終了日を延ばせば棒も延びます。手で色を塗る工程表と比べて、予定の変更にかかる手間がほとんどなくなります。
土日と祝日の灰色と、棒の色が重なる場合は、条件付き書式のルールの管理の画面で、どちらのルールを優先するかを決めます。一覧の上にあるルールほど優先されます。休日でも作業する仕事なら棒の色を上に、休日は作業しない仕事なら灰色を上にします。
手順5:終了日を営業日で自動計算する
終了日を手で入力する代わりに、開始日と日数から自動で計算させることもできます。日数の列に、その作業にかかる日数を入力し、終了日の列に式を入れます。
土日と祝日を除いた営業日で数えたい場合は、WORKDAY関数を使います。WORKDAY関数は、開始日から指定した稼働日数だけ後の日付を返す関数で、土曜、日曜と、指定した祝日を除いて数えます(WORKDAY 関数)。終了日のF4に次の式を入れます。
=WORKDAY(D4,E4-1,休日)
E列が日数です。開始日も1日目として数えるため、日数から1を引いています。例えば、月曜に始めて5日かかる作業なら、終了日は同じ週の金曜になります。
土日以外を休みにしている職場では、WORKDAY.INTL関数を使うと、週末にする曜日を指定できます。日曜だけが休みの現場や、水曜が定休日のお店でも、営業日で終了日を出せます。
反対に、開始日と終了日から営業日の日数を数えたい場合は、NETWORKDAYS関数を使います。予定どおりの日数で終わったかどうかを、後から確かめるのに役立ちます。
終了日を式で出す形にしておくと、前の作業が遅れて開始日をずらしたときに、終了日も自動で後ろにずれます。前後の作業がつながっている場合は、次の作業の開始日に、前の作業の終了日の翌営業日を出す式(=WORKDAY(F4,1,休日))を入れておけば、1つの遅れが後ろの作業すべてに反映されます。
手順6:進捗に合わせて棒の色を変える
棒が表示されるようになったら、進み具合も棒で見えるようにします。進捗率に応じて、棒の左側の一部を濃い色にする方法です。
進捗率の列(G列)に、0%から100%までを入力します。日付の欄の作業の行の範囲を選び、もう1つ条件付き書式のルールを作ります。
=AND(J$2>=$D4,$D4+($F4-$D4+1)*$G4>J$2)
開始日から、全体の日数に進捗率を掛けた日数分だけ、濃い色を付けるという意味です。進捗率が50%なら、棒の前半の半分が濃い色になります。このルールは、手順4の棒のルールより上に置き、優先させます。
この式は、暦の日数で計算しているため、土日や祝日が含まれる期間では、営業日で見た進み具合と少しずれます。厳密さより、見た目で進み具合をつかむことを優先した方法だと考えてください。
進捗率は、1%刻みで入力させると担当者が迷います。0%、25%、50%、75%、100%の5段階から選ぶドロップダウンにしておくと、入力が速くなり、人による基準のばらつきも減ります。
手順7:今日の列と遅れを目立たせる
最後に、今日がどこかと、遅れている作業が分かるようにします。
今日の列に色を付けるには、日付の欄全体を選び、=J$2=TODAY() という条件付き書式を設定します。表を開くたびに今日の列に色が付くので、予定に対して今どこにいるのかがすぐに分かります。
遅れている作業を目立たせるには、作業名の列(B列)を選び、=AND(TODAY()>$F4,NOT($H4="完了")) という条件付き書式で、文字を赤くします。H列が状態の列です。終了日を過ぎているのに、状態が完了になっていない作業が赤く表示されます。
経理の仕事で決算の作業の工程表を作っていたとき、最初は棒だけの工程表で、遅れに気づくのはいつも締め切りの数日前でした。今日の列と、遅れている作業の赤字を加えてからは、表を開いた瞬間に危ない作業が目に入るようになり、早めに手を打てるようになりました。工程表の価値は、予定を書くことより、ずれに早く気づけることにあると実感しています。
作り終えたら、実際の作業を入力して確かめる
仕組みができたら、実際の作業を入力して、思ったとおりに動くかを確かめます。ここでは、経理の決算の準備を例にします。
作業の例は次のとおりです。「銀行の残高の確認」「売掛金の残高の確認」「買掛金の残高の確認」「在庫の棚卸し」「固定資産の確認」「仕訳の修正」「試算表の作成」「顧問税理士への資料の送付」「決算書の確認」。9つの作業を、作業名の列に上から入力します。
次に、担当と日数を入れます。残高の確認はそれぞれ2日、棚卸しは1日、仕訳の修正は3日、といった具合です。最初の作業の開始日だけを入力し、2つ目以降の作業の開始日には、前の作業の終了日の翌営業日を出す式を入れます。ただし、残高の確認のように同時に進められる作業は、前の作業を待たずに同じ開始日にします。どの作業が前の作業を待つ必要があるかを考えながら入力すると、決算の準備のどこに時間がかかるのかが見えてきます。
入力が終わったら、次の3点を確かめます。
1つ目は、土日と祝日の上に棒がかかっていないかです。WORKDAY関数で終了日を出していれば、休日をまたぐ作業は自動で後ろに延びているはずです。棒が休日の灰色の欄を飛び越えて続いていることを確かめます。
2つ目は、全体の終わりの日が、締め切りに間に合っているかです。最後の作業の終了日が、税理士との約束の日より前になっているかを見ます。間に合わない場合は、同時に進められる作業がないか、日数を短くできる作業がないかを見直します。
3つ目は、開始日を1つ変えたときに、後ろの作業がすべて連動して動くかです。最初の作業の開始日を1日後ろにずらし、最後の作業の終了日も後ろにずれれば、式のつながりは正しく組めています。
このように、実際の作業を入れて動かしてみると、式の間違いだけでなく、段取りそのものの無理にも気づけます。工程表は、作る過程で段取りを考え直すための道具でもあります。
作業を洗い出すときのこつ
Excelの仕組みが整っても、作業の書き出し方が粗いと、工程表は役に立ちません。作業を洗い出すときのこつを3つ紹介します。
1つ目は、作業の大きさをそろえることです。1つの作業が、おおむね1日から2週間の間に収まるようにします。「決算をする」のような大きすぎる作業は分け、「メールを送る」のような小さすぎる作業はまとめます。大きさがそろっていると、棒の長さで作業の重さを比べられます。
2つ目は、作業名を動詞で終えることです。「棚卸し」ではなく「在庫を数えて記録する」、「試算表」ではなく「試算表を作って確認する」と書きます。何をすれば終わりなのかが、担当者によって違って受け取られるのを防げます。
3つ目は、待ちの時間も作業として書くことです。取引先から書類が届くのを待つ、上司の承認を待つ、といった時間は、自分が手を動かしていなくても日数を消費します。「残高証明書が届くのを待つ」のように1行にしておくと、工程の全体の長さを正しく見積もれます。
積み上げ横棒グラフで作る方法との違い
ここまで説明したのは、セルに色を付けて棒を表示する方法です。もう1つ、Microsoftの公式ヘルプが案内している、積み上げ横棒グラフを使う方法もあります。
グラフで作る方法は、作業名、開始日、日数の3列の表からグラフを作ります。挿入タブのおすすめグラフから積み上げ横棒グラフを選び、最初のデータ系列(開始日の部分)の塗りつぶしをなしにすると、日数の部分だけが棒として残り、工程表のような見た目になります。縦軸の項目の順番を逆にすれば、上から作業の順に並びます。
| 方法 | 向いている場面 | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 条件付き書式(セルの色) | 日々の管理、細かな更新、印刷 | 作業や日数が多いと動作が重くなることがある |
| 積み上げ横棒グラフ | 報告書や会議の資料で全体を見せる | 土日の色分けや今日の線を出すには手間がかかる |
日々の管理には条件付き書式の方法、報告の資料にはグラフの方法、と使い分けるのが現実的です。管理用の表から、報告用のグラフを作ることもできます。
印刷と共有の設定
工程表を印刷して配る場合や、取引先に渡す場合の設定も整えておきます。
印刷するときは、ページレイアウトタブで、印刷の向きを横にし、拡大縮小の設定で、横を1ページに収めます。日付の欄が長くて1ページに入らない場合は、印刷範囲を1か月分や2週間分に区切ります。見出しの行と、作業名の列を「印刷タイトル」に設定しておくと、2ページ目以降にも見出しが表示されます。印刷した紙の上には、何月何日時点の工程表かを必ず書いておきます。
画面で見るときは、表示タブのウィンドウ枠の固定で、見出しの行と左側の8列を固定します。右へスクロールしても、作業名と開始日が見えたままになります。
複数人で更新する場合は、メールでファイルを送り合うのではなく、OneDriveやSharePointなどの共有の場所に1つだけ保存し、リンクで共有します。ファイルが何通りにも分かれると、どれが最新か分からなくなり、工程表そのものが信用されなくなります。
式やルールを壊されないための工夫
複数の人が同じ工程表を更新するようになると、誰かが誤って式を上書きしたり、条件付き書式の範囲を崩したりすることがあります。仕組みを守るための工夫を3つ紹介します。
1つ目は、入力する列と、式の入った列を色で分けることです。開始日、日数、進捗率、状態のように担当者が入力する列は白、終了日のように式で計算する列は薄い灰色、というように決めておけば、どこを触ってよいかが一目で分かります。
2つ目は、シートの保護です。校閲タブのシートの保護を使えば、式の入ったセルを編集できないようにできます。保護をかける前に、入力してよいセルだけを選び、セルの書式設定の保護のタブで「ロック」を外しておくのがこつです。こうすると、入力の列は自由に書き換えられ、式の列だけが守られます。ただし、保護をかけると行の挿入ができなくなる場合があるので、作業の行はあらかじめ多めに用意しておきます。
3つ目は、壊れたときに戻れるようにしておくことです。OneDriveやSharePointに保存したファイルは、以前の版に戻すことができます。共有の場所を使わない場合は、仕組みが完成した時点のファイルを、別の名前で保存しておきます。壊れたときに、そこから作業の行だけを貼り直せば元に戻せます。
うまく棒が出ないときの直し方
条件付き書式を設定したのに、棒が表示されない、ずれて表示される、という場合によくある原因と直し方を整理します。
| 症状 | よくある原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| どの行にも棒が出ない | 開始日や終了日が日付ではなく文字として入力されている | セルの表示形式を日付にし、日付を入力し直す |
| 1行目だけに棒が出る | 式の $ の位置が違う |
$D4 のように、列の記号の前にだけ $ を付ける |
| 1列ずれて棒が出る | ルールを設定した範囲の左上のセルと、式の中のセルが合っていない | 範囲の左上のセルを基準に式を書き直す |
| 加えた行にだけ棒が出ない | ルールの適用先の範囲に新しい行が含まれていない | ルールの管理の画面で適用先の範囲を広げる |
| 色が重なって見分けにくい | 複数のルールの優先順位が意図と違う | ルールの管理の画面で順番を入れ替える |
特に多いのが、日付が文字として入力されているケースです。他のファイルから貼り付けた日付や、「2026.10.13」のように点で区切った日付は、見た目は日付でも、Excelには文字として扱われることがあります。セルを選んで、数式バーの表示や、セルの左寄せ・右寄せで見分けられます。日付として認識されているセルは、既定では右寄せで表示されます。
行を加えるときは、作業の行の途中に挿入すると、条件付き書式の適用先が自動で広がることが多くあります。表の一番下に加えると広がらないことがあるので、最後の行の1つ上に挿入するか、ルールの適用先を最初から多めの行まで指定しておきます。
配布されているテンプレートを使うときの見方
ここまでの仕組みが分かれば、配布されている工程表のテンプレートも、中身を確かめてから使えるようになります。
建築業界で使用しやすい、工程表のエクセルテンプレートです。一般的なフォーマットから、便利なフォーマットまで、豊富な種類のテンプレートを無料ですぐにご使用いただけます。 出典: aippearcloud.com
このように、業種に合わせたテンプレートを配布しているサイトは多くあります。ダウンロードしたら、使い始める前に次の3点を確かめます。
1つ目は、日付の見出しが式で並んでいるかどうかです。最初のセルを選んで、数式バーに式が表示されるかを見ます。日付が1つずつ手で入力されている場合は、手順2の方法で式に置き換えます。
2つ目は、棒が条件付き書式で表示されているかどうかです。ホームタブの条件付き書式からルールの管理を開き、どの範囲に、どんな式が設定されているかを確かめます。棒が手で塗られている場合は、手順4の方法でルールを作り直します。
3つ目は、マクロが含まれているかどうかです。拡張子が「.xlsm」のファイルにはマクロが含まれている場合があります。提供元が信頼できるかを確かめ、必要がなければマクロを有効にせずに使います。
仕組みが分かっていれば、テンプレートは「そのまま使うもの」ではなく、「自分の仕事に合わせて直す下書き」になります。
表で回すのが苦しくなったときの選択肢
ここまでの方法で作ったExcelの工程表は、ある規模までは十分に役立ちます。ただし、作業が100行を超える、5人以上が同時に更新する、作業ごとのやり取りが別のチャットに散らばる、といった状況になると、表で回すこと自体が負担になってきます。条件付き書式のルールが増えるとファイルの動作が重くなり、誰かが誤ってルールを壊すと、直せる人が限られるという問題も出てきます。
そうした場面では、棒の伸び縮みや作業の前後関係を画面の上で操作できる、プロジェクト管理のツールを試す価値があります。
その選択肢の1つがPinatecaです。公式サイトによると、カンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードとチャットが使え、5人までのチームなら無料プランで期限なく使えます。ガントのボードを使えば、この記事で説明した条件付き書式や式を組まなくても、作業ごとの棒で工程を表示できます。同じ作業をカンバンのボードで状態ごとに並べて見ることもでき、作業ごとのカードにはコメントを残せるので、確認のやり取りを工程と同じ場所にまとめられます。6人目、または11個目のボードからは有料のスタンダードプラン(1人あたり月額500円、税抜)が必要になります。
Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
Excelの工程表は、仕組みを理解して自分で直せることが強みです。人数や作業が増えて、その強みより更新の負担のほうが大きくなったときが、道具を見直す目安です。
Excelの工程表を作れる力が活きる場面
Excelで工程表を一から組み立てられる力は、事務や経理の仕事でそのまま評価されます。業務委託の仕事でも、「Excelの管理表を作ってほしい」「今のファイルを使いやすく直してほしい」という依頼は珍しくありません。
業務の流れを整理し、ツールの使い方を提案する仕事では、まず今のExcelの管理表を見直すところから始まることが多くあります。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、こうした業務改善の支援の仕事を紹介しています。Excelで組んだ仕組みが限界に来たとき、専用のシステムやアプリを作る仕事もあります。アプリケーション開発のお仕事で、開発の仕事の種類を確かめられます。
事業者の業務の改善を専門にしたい人には、中小企業診断士という国家資格もあります。医療機関の事務では、レセプトの締め切りに向けた作業の予定をExcelで管理する場面が多く、医療事務の資格の内容は医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)で確かめられます。
人を雇って作業を分担し、工程表で管理する事業者に向けては、トライアル雇用助成金 2026で試行の雇用に使える制度を、介護・福祉事業所のDX化2026|IT導入補助金で介護記録を完全デジタル化で記録の電子化の進め方を紹介しています。
フリーランスと在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、長く仕事が続く人ほど、自分が作った表を、相手が自分で直せる形で渡しています。式に名前を付け、説明のシートを添え、設定を1か所にまとめる。そうした工程表は、作った人がいなくなっても回り続け、結果として「またこの人に頼みたい」という信頼につながります。仲介の手数料がかからない直接取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを任せられ、受ける側は手取りが厚くなります。その関係を支えるのが、相手の手元で長く使われ続ける1枚の表です。
よくある質問
Q. Excelの工程表で、日付を変えると棒がずれるのはなぜですか?
棒を手で色塗りしているか、条件付き書式の式の中のセルの参照が固定されていないことが主な原因です。日付の見出しを式で並べ、棒は開始日と終了日を見る条件付き書式で表示する形にすると、日付を変えても棒が正しく追従します。式の中の $ の位置も確かめてください。
Q. 土日と祝日を除いて終了日を計算するにはどうすればよいですか?
WORKDAY関数を使います。開始日、日数、祝日の一覧の範囲を指定すると、土曜と日曜と指定した祝日を除いた稼働日で数えた日付が返ります。土日以外を休みにしている場合は、週末の曜日を指定できるWORKDAY.INTL関数を使います。祝日の一覧は内閣府が公開しているものを使えます。
Q. 工程表は条件付き書式とグラフのどちらで作るのがよいですか?
日々の管理や細かな更新には、セルに色を付ける条件付き書式の方法が向いています。会議や報告書で全体の流れを見せるなら、積み上げ横棒グラフの方法が見やすくなります。管理用の表から報告用のグラフを作るなど、目的に応じて使い分けるのが現実的です。
Q. Excelの工程表を複数人で同時に更新できますか?
OneDriveやSharePointなどの共有の場所にファイルを保存し、リンクで共有すれば、複数人で同時に開いて編集できます。メールでファイルを送り合うと、どれが最新か分からなくなるので避けます。担当者が自分の行だけを更新するルールにしておくと、書き換えの衝突も防げます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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