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就職に有利な資格|職種別の選び方

@SOHO編集部
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就職に有利な資格|職種別の選び方

この記事のポイント

  • ✓目指す職種で変わります
  • ✓保育など職種別に役立つ資格と
  • ✓履歴書と面接での伝え方

就職に有利な資格を調べると、ランキングや「取るべき資格○選」が数多く見つかり、どれから手を付ければよいのか、本当に役に立つのかが分からなくなる人は少なくありません。資格が就職で有利に働くかどうかは、資格そのものの知名度より、目指す職種や業界でその知識が使われるかどうかで決まります。この記事では、就職で資格が評価される理由と限界、資格の3つのタイプ、職種別に役立つ資格の選び方、代表的な資格の特徴と取り方、新卒と転職での考え方、履歴書や面接での伝え方、資格選びで気をつけたい点までを順に説明します。

就職で資格は本当に有利になるのか

最初に押さえておきたいのは、多くの会社の採用で、資格だけで合否が決まることは少ないという点です。採用する側が見ているのは、仕事への意欲、これまでの経験、人柄、会社との相性などを含めた全体です。資格は、その中の1つの材料にとどまります。

それでも、資格が有利に働く場面は確かにあります。

  • その資格がないと担当できない仕事がある職種に応募するとき
  • 未経験の職種に応募し、学んだ知識を客観的に示したいとき
  • 応募の条件や歓迎の条件に、特定の資格が書かれているとき
  • 同じような経歴の応募者の中で、意欲の高さを示したいとき
  • 入社後に資格手当が出る会社で、待遇に関わるとき

逆に、目指す職種と関係の薄い資格をいくつ並べても、評価にはつながりにくいのが一般的です。「何のために取ったのか」「仕事でどう使うのか」を説明できる資格こそが、就職で意味を持ちます。

資格の勉強そのものが評価されることもある

資格の勉強は、決めた目標に向けて計画を立て、続ける力を示す材料にもなります。とくに新卒の就職活動では、学生時代に取り組んだことの1つとして、資格の勉強の過程を話せると、計画性や継続力を伝えられます。合格したかどうかだけでなく、なぜその資格を選び、どう勉強を進めたかを説明できるように準備しておくと、面接で話が広がります。

資格の3つのタイプを知っておく

資格は、仕事との関わり方で大きく3つのタイプに分けられます。タイプを知っておくと、就職でどのくらい効くかの見当が付きます。

タイプ 意味 例
業務独占資格 その資格がないと、決められた仕事ができない 医師、看護師、弁護士、税理士、宅地建物取引士(重要事項の説明など)
名称独占資格 資格がないと、その名前を名乗れない 保育士、介護福祉士、社会福祉士、中小企業診断士
能力を証明する資格 知識や技能の水準を示す 日商簿記、ITパスポート、TOEIC、MOS

業務独占資格は、その資格がなければ担当できない仕事があるため、その職種を目指す人にとっては、就職で最も直接に効く資格です。名称独占資格は、資格がなくても似た仕事に就ける場合がありますが、専門職として認められるために重視されます。能力を証明する資格は、職種を問わず使えるものが多い一方で、それだけで就職が決まることは少なく、経験や他の強みと組み合わせて生かします。

国家資格と民間資格

もう1つの分け方が、国家資格と民間資格です。国家資格は、法律に基づいて国や国の指定を受けた機関が実施する資格で、社会的な信用が高いものが多くあります。民間資格は、団体や会社が独自に作った資格で、内容や評価は資格によって大きく違います。民間資格の中にも、業界で広く知られ、採用で評価されるものがある一方、ほとんど知られていないものもあります。民間資格を選ぶときは、実施している団体の実績と、目指す業界の求人でその資格が書かれているかを確かめます。

職種別に見る就職に役立つ資格

就職に有利な資格は、目指す職種によって変わります。主な職種ごとに、役立つ資格を整理します。

目指す職種 役立つ資格の例 ポイント
一般事務 MOS、日商簿記3級、ビジネス文書検定 パソコンの操作と文書づくりの力を示す
経理・会計 日商簿記2級、日商簿記3級 帳簿と決算書を読める力を示す
金融・保険 FP技能検定(2級・3級) お金の制度の知識を示す
IT ITパスポート、基本情報技術者、CCNA ITの基礎から専門の技術までを段階的に示す
不動産 宅地建物取引士 業務独占の仕事があり、評価されやすい
医療事務 医療事務の検定(民間資格) 診療報酬の仕組みの知識を示す
介護 介護職員初任者研修、介護福祉士 訪問介護では研修の修了が必要
保育 保育士 保育所で保育士として働くための国家資格
外資系・観光・貿易 TOEIC 英語の力を点数で示す
営業・配送 普通自動車免許 社用車での移動が多い仕事で求められる

表に挙げたのは代表例です。同じ職種でも、会社によって重視する資格は違います。応募したい会社の求人票を集めて、応募の条件や歓迎の条件に書かれている資格を確かめるのが、最も確実な選び方です。

求人票の読み方

求人票では、資格の書き方によって、会社がどのくらいその資格を重視しているかが読み取れます。「必須」「応募資格」と書かれている資格は、持っていないと応募できないか、選考で大きく不利になる資格です。「歓迎」「尚可」と書かれている資格は、持っていれば評価が上がるものの、なくても応募できる資格です。歓迎の条件に書かれた資格は、入社してから取ることを前提にしている会社もあるので、持っていなくても、取る意欲があることを伝えれば評価される場合があります。

同じ資格でも、級や点数の条件が書かれていることがあります。「簿記2級以上」「TOEIC600点以上」のような条件は、その会社が求める水準を示しています。目指す会社の条件を書き出しておくと、どの級や点数まで勉強すればよいかの目安になります。

職種を問わず役立つ資格

どの職種を目指すか決まっていない人や、幅広く使える資格から始めたい人には、職種を問わず評価されやすい資格があります。

日商簿記検定

日商簿記検定は、日本商工会議所が実施する、簿記(お金の出入りを記録し、会社の成績をまとめる技術)の検定です。級は1級、2級、3級と、初級などがあります。公式サイトによると、2級と3級は、決められた日に全国で一斉に行う統一試験のほか、パソコンで受けるネット試験でも受験できます。

3級では、お店や会社の日々の取引の記録と、決算の基本を学びます。ネット試験は、全国のテストセンターで自分の都合のよい日時を選んで受けられるため、学校や仕事の予定と合わせやすい受け方です。2級になると、製造業の原価の計算や、より複雑な会計の処理まで範囲が広がります。経理を目指す人は2級まで取ると評価されやすく、経理以外の職種でも、会社のお金の流れが分かる人として役立ちます。試験の案内は日本商工会議所の簿記の検定のページで確かめられます。

ITパスポート

ITパスポート試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験です。IPAは、この試験の対象を、職業人やこれから職業人になる人が持っておくべき、ITに関する共通の基礎知識を持つ人としています。試験はCBT方式(試験会場のパソコンで受ける方式)で、随時実施されています。

ITの技術そのものだけでなく、会社の経営の考え方、法律、情報セキュリティまで幅広く学ぶため、IT以外の職種を目指す人にも役立ちます。会社の業務でパソコンやインターネットを使わない仕事は少なくなっていて、ITの基礎の知識を持っていることは、どの職種でも強みになります。試験の案内はIPAのITパスポート試験のページで確かめられます。

MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)

MOSは、WordやExcel、PowerPointなどのソフトの操作の力を証明する資格です。事務の仕事では、文書づくりや表計算、資料づくりが毎日の業務になるため、操作の力を具体的に示せるMOSは評価されやすい資格です。科目はソフトごとに分かれていて、事務の仕事で使う場面の多いExcelから受ける人が多くいます。関数やグラフ、データの集計まで扱えることを示せると、データを扱う事務の仕事でとくに評価されます。科目や区分は公式サイトで確かめます。試験は、パソコンで実際にソフトを操作する実技の形式です。

TOEIC

TOEIC(トーイック)は、英語でのコミュニケーションの力を測る試験で、合否ではなく点数で結果が出ます。点数には有効期限が決められていないものの、応募の条件として「2年以内に取得した点数」を求める会社もあります。就職活動の時期から逆算して、直近の点数を用意しておくと安心です。英語を仕事で使う機会が多い職種では、話す力と書く力を測る試験の結果を求められることもあります。外資系の会社や、海外との取引がある会社、観光や貿易の仕事では、応募の条件に点数が書かれていることがあります。点数で示せるため、英語の力を比べやすい点が特徴です。

普通自動車免許

営業、配送、介護の訪問、地方での仕事など、社用車で移動する仕事では、普通自動車免許が応募の条件になっていることが多くあります。とくに地方の就職では、免許の有無が仕事の選択肢を大きく左右します。オートマチック車限定かどうかを条件にしている求人もあるので、応募の前に確かめます。

専門の職種を目指す人に役立つ資格

特定の職種や業界を目指す人には、その分野の専門の資格が直接役に立ちます。

FP技能検定(ファイナンシャル・プランニング技能検定)

FP技能検定は、税金、保険、年金、住宅ローン、資産の運用など、暮らしのお金に関わる知識を問う国家資格の技能検定です。日本FP協会などが実施していて、2級と3級はCBT方式で受けられます。銀行、証券、保険、不動産の会社を目指す人に役立ちます。仕事にしない人でも、自分の暮らしのお金の判断に使える知識が身に付きます。

宅地建物取引士

宅地建物取引士(宅建士)は、不動産の売買や賃貸の取引で、契約の前に大切な事項を説明する仕事などを担う国家資格です。この説明は宅建士でなければできない業務独占の仕事で、不動産の会社では、事務所ごとに一定の数の宅建士を配置することが法律で求められています。そのため、不動産の業界では宅建士の資格が強く評価され、資格手当を出す会社も多くあります。試験は年に1回、10月に実施されます。不動産適正取引推進機構のサイトによると、令和8年度の試験の受験票は10月2日に発送されています。

IT技術者向けの資格

ITの技術者を目指す人は、ITパスポートの次の段階として、IPAの基本情報技術者試験に進む道があります。プログラムの考え方やネットワーク、データベースの基礎まで学べます。ネットワークの技術者を目指す人には、ネットワーク機器の大手が実施する認定資格もあります。内容はCCNA(シスコ技術者認定)で紹介しています。

保育士

保育士は、保育所などで子どもの保育を行う国家資格です。保育士として働くには資格が必要で、資格がない人は保育士を名乗れません。通信講座の案内では、需要の高まりについて次のように説明されています。

保育のプロであることを証明する国家資格。共働き世帯の増加により、保育所利用児童数は増える一方。比例して、有資格者へのニーズも高まっています。 出典: u-can.co.jp

保育士の資格は、保育士の養成校を卒業するか、保育士試験に合格して取得します。

医療事務と介護の資格

病院やクリニックの受付や会計を担う医療事務は、資格がなくても働ける仕事ですが、診療報酬(医療の料金の計算の仕組み)の知識を示す民間の検定が評価されることがあります。介護の分野では、訪問介護で働くには介護職員初任者研修などの研修の修了が必要で、介護福祉士は国家資格として専門職の中心を担います。

新卒と転職で変わる資格の考え方

資格の生かし方は、新卒の就職活動か、社会人の転職かで変わります。

新卒の就職活動

新卒の採用では、多くの会社が入社後に仕事を教える前提で採用するため、資格より、人柄や意欲、学生時代に取り組んだことが重視される傾向があります。資格は、目指す業界への関心の強さを示す材料として使います。

学生のうちに取り組みやすいのは、試験の日程の自由が利きやすく、勉強の範囲が決まっている資格です。日商簿記3級、ITパスポート、TOEIC、MOSなどは、就職活動が始まる前の学年から計画的に取り組めます。就職活動の時期と試験の日程が重ならないよう、早めに予定を立てておきます。

社会人の転職

転職では、これまでの仕事の経験が最も重視されます。同じ職種への転職なら、経験の中身と成果のほうが資格より評価されます。一方、未経験の職種に移る場合は、資格が「その分野を学んできた」ことの証明になり、書類の選考を通りやすくする材料になります。

たとえば、営業職から経理職に移りたい人が日商簿記2級を取る、事務職からIT業界に移りたい人がITパスポートや基本情報技術者を取る、といった使い方です。転職の場合は、資格の勉強と並行して、今の仕事の中で目指す分野に関わる経験を積めないかも考えます。経理の書類の作成を手伝う、社内のパソコンの困りごとを担当するといった経験は、資格以上に説得力があります。

主婦や主夫、ブランクのある人の再就職

子育てや介護で仕事から離れていた人の再就職では、資格がブランクの期間に学んだことを示す材料になります。事務の仕事なら MOSや日商簿記、医療や介護の仕事なら医療事務の検定や介護の研修など、働きたい職場に直接つながる資格を選ぶと、面接で話しやすくなります。

製造・物流・販売の現場で役立つ資格

事務や専門職だけでなく、工場や倉庫、店舗の現場の仕事でも、就職に役立つ資格があります。現場の資格は、その資格がないと担当できない作業が法律で決められているものが多く、求人で応募の条件になりやすい点が特徴です。

危険物取扱者

危険物取扱者は、ガソリンや灯油などの燃えやすい物を扱う作業や、その作業の立ち会いに必要な国家資格です。消防試験研究センターの案内では、免状には甲種、乙種、丙種の3種類があり、甲種と乙種は取り扱いの作業と立ち会いが、丙種は乙種第4類の危険物のうち指定された物に限って取り扱いの作業ができると説明されています。ガソリンスタンド、化学や塗料の工場、燃料を扱う物流の会社などで評価されます。乙種第4類は受験の条件がなく、学生から社会人まで受けやすい区分です。

フォークリフトの運転の資格

倉庫や工場で荷物を運ぶフォークリフトは、労働安全衛生法の決まりで、運転できる人が限られています。一定以上の大きさのフォークリフトを運転するには、都道府県労働局長の登録を受けた機関の技能講習を修了する必要があります。物流の仕事では、応募の条件や歓迎の条件によく書かれる資格です。講習は数日で修了できるものが多く、仕事を探している人が短い期間で取り組める資格の1つです。

販売や接客の資格

小売の店舗で働く人には、商品の知識や売り場づくり、接客の考え方を学ぶ検定があります。販売の仕事は資格がなくても始められますが、店長や売り場の責任者を目指す段階で、学んだ知識を示す材料として使われます。

合格した後に登録が必要な資格

資格の中には、試験に合格しただけでは名乗れず、登録の手続きが必要なものがあります。履歴書に書くときや、就職先で資格手当を受けるときに関わるため、取る前に知っておきます。

  • 宅地建物取引士:試験に合格した後、実務の経験か登録の講習などの条件を満たして都道府県に登録し、取引士証の交付を受けて仕事ができるようになる
  • 保育士:試験に合格した後、都道府県に登録し、保育士証の交付を受ける
  • 介護福祉士や社会福祉士:試験に合格した後、登録の手続きをして名乗れるようになる

登録には手数料がかかり、手続きに時間がかかることもあります。就職の時期に合わせて資格を使いたい場合は、合格から登録までの期間も見込んで予定を立てます。

資格手当と入社後の評価

資格が就職の後にも効いてくるのが、資格手当です。資格手当とは、会社が決めた資格を持っている社員に、毎月の給与に上乗せして払う手当のことです。不動産の会社の宅建士、建設の会社の施工管理技士、介護の事業所の介護福祉士などで、資格手当を設けている会社がよく見られます。

資格手当の有無や額は、会社によって大きく違います。求人票の給与の欄や、面接の場で確かめます。入社した後に資格を取ると手当が付く会社や、資格の受験料やテキスト代を会社が負担してくれる会社もあります。今すぐ取れない資格でも、入社後に取る道があるかを聞いておくと、会社を選ぶ材料になります。

年代別に見る資格の生かし方

資格の選び方は、年代によっても変わります。

20代は、仕事の経験がまだ少ない分、資格が「学ぶ姿勢」と「基礎の知識」を示す材料として働きやすい時期です。職種を問わず使える日商簿記やITパスポート、目指す業界の入口になる資格から取り組むと、仕事の選択肢を広げられます。

30代は、これまでの仕事の経験が評価の中心になります。今の仕事の延長で専門性を高める資格か、未経験の分野に移るための資格かを、目的をはっきりさせて選びます。管理職を目指す人は、経営やマネジメントの知識を示す資格も選択肢に入ります。

40代以上は、資格より経験と実績が重視されます。資格は、長年の経験を客観的に裏付ける材料や、定年の後も働き続けるための備えとして考えます。宅建士、FP、介護の資格のように、年齢を重ねても仕事に結び付けやすい資格を選ぶ人も多くいます。

資格の選び方の手順

資格は数が多いため、次の手順で絞り込むと迷いが減ります。

  1. 目指す職種や業界を、できるだけ具体的に決める
  2. その職種の求人票を10件ほど集め、応募の条件と歓迎の条件に書かれている資格を書き出す
  3. よく書かれている資格の中から、業務独占かどうか、取るまでにかかる期間と費用を調べる
  4. 今の自分の知識や経験から、無理なく取れる順番を決める
  5. 試験の日程から逆算して、勉強の計画を立てる

職種がまだ決まっていない人は、まず職種を問わず役立つ資格から1つ取りつつ、仕事の内容を調べたり、職場の見学やインターンシップに参加したりして、目指す方向を絞っていきます。

取るまでの期間の目安を知る

資格によって、合格までにかかる勉強の時間は大きく違います。日商簿記3級やITパスポート、MOSのように、数か月の勉強で合格を目指せる資格もあれば、宅建士や基本情報技術者のように、半年以上の計画が必要になる資格もあります。働きながら、または学校に通いながら勉強する場合は、1日にどれだけ時間を取れるかから逆算して、無理のない資格を選びます。

文系と理系で考える資格の選び方

学生の就職活動では、文系か理系かで、目指す職種と役立つ資格の傾向が分かれます。

文系の学生は、事務、営業、金融、不動産、公共の仕事など、幅広い職種を目指せます。日商簿記、FP、宅建士、TOEICなど、ビジネスの知識や語学の力を示す資格が生かしやすい傾向があります。営業の仕事を目指すなら、普通自動車免許も早めに取っておくと選べる会社が増えます。

理系の学生は、研究、開発、技術、ITの仕事を目指す人が多く、専攻で学んだ内容そのものが評価の中心になります。資格は、専攻の外の知識を示す材料として使います。ITの基礎を示すITパスポートや基本情報技術者、化学系なら危険物取扱者、電気系なら電気の資格など、専攻と仕事をつなぐ資格を選ぶと、志望の理由を説明しやすくなります。

文系の学生がIT業界を目指す、理系の学生が金融業界を目指すといった、専攻と違う分野に進む場合は、資格が「その分野を学んできた」ことを示す材料として、とくに役に立ちます。

3か月で1つの資格を取る計画の例

働きながら、または学校に通いながら資格を取る場合の計画の立て方を、3か月で取り組める資格を例に紹介します。

  1. 1週目:試験の範囲と出題の形式を確かめ、テキストと問題集を1冊ずつ決める
  2. 1か月目:テキストを1日1章のペースで通して読み、章ごとの練習問題を解く
  3. 2か月目:問題集を最初から解き、間違えた問題に印を付けてテキストで確かめる
  4. 3か月目の前半:印を付けた問題だけを解き直し、苦手な分野をなくす
  5. 3か月目の後半:本番と同じ時間で模擬の問題を解き、時間配分を確かめる

1日に取れる時間が30分でも、毎日続ければ3か月でおよそ45時間になります。まとまった時間を取ろうとするより、通勤の時間や昼休みなど、毎日決まった時間に少しずつ進めるほうが、働きながらでも続けやすくなります。

資格以外に就職で評価されること

資格はあくまで材料の1つです。就職で評価されることには、次のようなものもあります。

  • アルバイトや前の仕事で、責任を持って取り組んだ経験
  • チームで目標に向けて動いた経験と、その中での自分の役割
  • 失敗したときに、どう考えて立て直したか
  • 志望する会社の事業や商品を、自分の言葉で説明できること
  • 文章や話で、相手に分かりやすく伝える力

資格の勉強に時間を使う前に、これらの準備が十分かも見直しておきます。資格と経験の両方を組み合わせて話せると、面接での説得力が大きく増します。

資格の勉強と費用を抑える方法

勉強の進め方

資格の勉強は、公式のテキストや定評のある問題集を1冊決め、繰り返し解くのが基本です。最初にテキストを通して読んで全体を見渡し、問題を解いて分からないところをテキストで確かめる、という流れを繰り返します。試験の直前には、過去の問題を時間を計って解き、本番の時間配分に慣れておきます。

費用を抑える制度

社会人が講座を受ける場合は、雇用保険に入っていた期間などの条件を満たすと、厚生労働大臣の指定を受けた講座の費用の一部が、教育訓練給付金として支給される場合があります。一般教育訓練の場合は、費用の20%(上限10万円)が修了後に支給されると案内されています。対象の講座は厚生労働省の教育訓練給付制度のページから探せます。受講の前に、ハローワークで自分が対象になるかを確認します。

仕事を探している人は、ハローワークで公的な職業訓練を相談すると、資格の取得を目指せる訓練を受けられる場合もあります。

履歴書と面接での資格の伝え方

履歴書の資格欄の書き方

履歴書の資格欄には、資格の正式な名前を、取得した年月の順に書きます。

  • 「簿記3級」ではなく「日本商工会議所簿記検定試験3級 合格」
  • 「宅建」ではなく「宅地建物取引士資格試験 合格」(登録をしていれば「宅地建物取引士 登録」)
  • 「普通免許」ではなく「普通自動車第一種運転免許 取得」
  • TOEICは「TOEIC Listening & Reading Test 750点 取得」のように点数と取得の年月を書く

勉強中の資格は、「○○取得に向けて勉強中(○年○月受験予定)」と書く方法もあります。目指す職種に関わる資格なら、意欲を示す材料になります。

面接での伝え方

面接では、資格の名前を言うだけでなく、次の3点をセットで話すと伝わりやすくなります。

  • なぜその資格を選んだのか(目指す仕事とのつながり)
  • どのように勉強したのか(計画と工夫)
  • 入社後に、その知識をどう使いたいのか

たとえば「経理の仕事に就きたいと考え、日商簿記2級を取りました。毎朝30分を勉強の時間に決め、半年かけて合格しました。入社後は、月次の締めの作業を早く覚えて、決算の業務にも関わりたいと考えています」のように話すと、資格が仕事への意欲と結び付いていることが伝わります。

資格選びで気をつけたいこと

取ることが目的にならないようにする

資格の数を増やすこと自体が目的になると、目指す職種と関係の薄い資格に時間を使ってしまいます。1つ取ったら、それを仕事でどう使うかを考えてから、次の資格に進むようにします。

知名度の低い民間資格に注意する

短い講座を受けるだけで取れる民間資格の中には、業界でほとんど知られていないものもあります。「この資格があれば就職に有利」「必ず仕事を紹介する」といった宣伝で、高額の講座や教材を勧められる場合は、申し込む前に、その資格が求人票に書かれているかを自分で確かめます。契約で困ったときは、消費生活センターに相談できます。講座の契約を急がせる勧誘を受けたときは、その場で申し込まず、家族や学校の就職の担当者に相談してから決めるようにします。資格の講座の中には、受講料のほかに教材費や受験料が別にかかるものもあるため、総額がいくらになるかを書面で確かめます。

情報が古くなっていないか確かめる

試験の方式や日程、受験の条件は、変わることがあります。CBT方式に切り替わった試験や、級の区分が変わった資格もあります。受験を決めたら、必ず実施団体の公式サイトで今の情報を確かめてください。

在宅の仕事でも役立つ資格

会社に就職するだけでなく、在宅で仕事を受ける働き方でも、資格は役に立ちます。在宅の仕事では、依頼者は相手の顔を見ないまま仕事を頼むことになるため、知識や技能を客観的に示せる資格が、信頼の材料になります。

経理の知識がある人なら記帳や経理の代行、文書の力がある人なら資料づくりや文章の作成、ITの知識がある人ならパソコンの設定やデータの整理の仕事などがあります。文書づくりの力を示せる資格として、ビジネス文書検定のような資格もあります。

在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた範囲では、資格を仕事につなげている人ほど、資格の名前をプロフィールに書くだけで終わらせず、その資格で何ができるかを具体的に書いています。「日商簿記2級。月の取引が数百件規模の帳簿の記帳と、決算の資料づくりの補助ができます」のように、依頼者が自分の困りごとに当てはめられる形で書くと、資格は仕事を呼び込む材料になります。依頼する側と受ける側が直接やりとりする形なら、間に仲介の手数料が乗らない分、受け手の手取りが厚くなり、資格の勉強にかけた時間を回収しやすくなります。就職でも在宅の仕事でも、資格は「何ができる人か」を伝えるための道具として選ぶことが大切です。

よくある質問

Q. 就職に一番有利な資格は何ですか?

すべての人にとって一番有利な資格はありません。有利かどうかは、目指す職種でその資格の知識が使われるかで決まります。不動産なら宅地建物取引士、経理なら日商簿記2級のように、職種によって評価される資格が違います。応募したい会社の求人票を集めて、応募の条件や歓迎の条件に書かれている資格を確かめるのが確実な選び方です。

Q. 新卒の就活で取っておくとよい資格はありますか?

新卒の採用では資格より人柄や意欲が重視される傾向がありますが、目指す業界への関心を示す材料になります。日商簿記3級、ITパスポート、TOEIC、MOSなどは、試験の日程に自由が利きやすく、学生のうちから計画的に取り組めます。就職活動の時期と試験が重ならないよう、早めに予定を立てます。

Q. 履歴書に書ける資格がない場合はどうすればよいですか?

資格がなくても、多くの会社では応募できます。目指す職種に関わる資格の勉強を始めているなら、「○○取得に向けて勉強中」と書く方法があります。資格の代わりに、アルバイトや前の仕事で身に付けたパソコンの操作や接客の経験など、仕事に生かせる経験を自己PRの欄で具体的に書くことも大切です。

Q. 民間資格は就職で評価されますか?

民間資格でも、日商簿記やTOEIC、MOSのように業界で広く知られ、求人票に書かれることが多いものは評価されやすい資格です。一方、短い講座で取れて業界でほとんど知られていない資格は、評価につながりにくいことがあります。受ける前に、その資格が目指す職種の求人票に書かれているかを確かめます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月16日最終更新:2026年10月25日
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