看護学生が就職に有利な資格|在学中に取れるもの


この記事のポイント
- ✓看護学生が就職に有利な資格を
- ✓在学中に取れるものに絞って整理しました
- ✓BLSやICLSの位置づけ
看護学生が就職に有利な資格を探している人の多くは、実習や国家試験の勉強の合間に「ほかの学生と差をつけられるものはないか」と考えている最中です。結論から書くと、病院の採用で最も重く見られるのは看護師国家試験に合格する見込みと、実習での姿勢です。そのうえで、在学中に取っておくと面接で話しやすく、入職後にも役立つ資格や講習がいくつかあります。
この記事では、看護学生が在学中に取れる資格を、救命処置の講習、臨床の知識を確かめる検定、英語や事務やお金の検定の3つに分けて整理します。あわせて、どの資格がどの職場で活きるのか、履歴書にどう書くか、国家試験の勉強とどう両立するかまで扱います。国家試験の日程や合格率は、厚生労働省が公表している今日時点の数字だけを使っています。
看護学生の就職で病院が見ているもの
最初に押さえておきたいのは、看護師の採用は「資格の数」で決まる仕組みではないという点です。看護師として働くには看護師免許が必要で、その免許は国家試験に合格して初めて得られます。病院から見ると、新卒の看護学生は全員がこの1つの資格を目指している同じ立場です。
厚生労働省の発表によると、令和8年2月に行われた第115回看護師国家試験は受験者59,614人、合格者52,666人で、合格率は88.3%でした。新卒者に限ると合格率は94.1%です。新卒の大半が合格する試験ですが、裏を返せば、内定を出した学生のうち毎年一定の人数が不合格になり、入職できない事態が起こります。採用する側がまず確かめたいのは「この学生はきちんと国家試験に受かるか」です。
次に見られるのが、実習での様子と学校の成績、面接での受け答えです。看護の仕事はチームで患者を受け持つ仕事なので、報告や相談ができるか、指導を素直に受けられるか、体調管理ができるかが問われます。実習先の病院にそのまま就職する学生が多いのは、病院側が実習中の姿を見て判断できるからでもあります。
そのうえで、在学中に取った資格や講習は「意欲の証拠」として働きます。たとえばBLS(一次救命処置)の講習を自分から受けた学生は、面接で「なぜ受けたのか」「何ができるようになったのか」を具体的に話せます。資格そのものより、資格を取った理由と、そこで学んだことを自分の言葉で説明できることが評価につながります。
ここを取り違えると、資格集めに時間を使いすぎて国家試験の勉強が手薄になるという失敗が起こります。資格は国家試験の勉強や実習の妨げにならない範囲で、目的をはっきりさせて選ぶのが基本です。この記事でも、その前提で「取るならこれ」という優先順位を示していきます。
看護学生が在学中に資格を取るメリット
在学中に資格を取るメリットは、大きく分けて3つあります。
1つ目は、就職活動での話の材料になることです。履歴書の資格欄に書けるものがあると、面接官はそこから質問をしやすくなります。「BLSの講習で何が難しかったか」「心電図の勉強で役立ったことは何か」と聞かれたときに、実習の場面と結びつけて答えられれば、学んだことを現場で使える人だと伝わります。
2つ目は、入職後の負担が軽くなることです。新人の看護師は、入職直後から急変対応や心電図モニターの見方、電子カルテの記録など、多くのことを短い期間で覚える必要があります。在学中にその一部を学んでおけば、配属後の研修でつまずく場面が減ります。とくに救命処置と心電図は、どの診療科に配属されても避けて通れない分野です。
3つ目は、自分の興味のある分野を見つけるきっかけになることです。救急や集中治療に関心があるなら救命処置の講習、循環器に関心があるなら心電図の検定、海外や外国人の患者に関わりたいなら英語の検定というように、資格選びは将来の進路を考える作業にもなります。志望する病院や診療科を絞り込むときにも、自分が何に時間を使ってきたかが判断材料になります。
一方で、注意しておきたい点もあります。民間の検定や講習は、取ったからといって給料に手当がつくものではありません。病院によっては資格手当の対象になるのは専門看護師や認定看護師のような、入職後に経験を積んで取る資格に限られます。在学中の資格は、あくまで「学ぶ姿勢を示すもの」と考えておくと、期待と現実のずれが起きません。
看護学生向けの就職情報サイトでも、在学中の資格の意味は面接での説明のしやすさにあると書かれています。
さらに、BLSプロバイダー、ACLSプロバイダー、心電図検定などの資格は、救命処置や循環器ケアに関する基礎知識を有していることの証明となり、面接でも具体的な経験や学びを説明しやすくなります。 出典: nurse.mynavi.jp
最優先は救命処置の講習(BLS・ICLS)
看護学生が在学中に取る資格として、最も優先度が高いのが救命処置の講習です。BLSとは、心臓や呼吸が止まった人に対して、胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸、AEDを使って命をつなぐ処置のことです。病院では、患者の急変はどの病棟でも起こりうるため、看護師には全員この技術が求められます。
日本救急医学会が認定するBLSコースは、医療従事者向けの講習です。公式サイトでは、受講の対象として医師や看護師などの医療従事者に加え、医学部の学生などの医療系の学校の学生も挙げています。講習は講義が少なく、実技の練習が中心で、コースの時間は90分以上、1つのグループは6名以下と定められています。
同じ学会が認定するICLSコースは、BLSの一歩先の内容です。ICLSは、心停止が起きてから最初の10分間に、医療者がチームでどう動くかを練習する講習です。公式サイトでは目的をこう説明しています。
ICLSコースとは、「突然の心停止に対する最初の10分間の適切なチーム蘇生を習得する」ことを目標とした、医療従事者のための心肺蘇生のトレーニングコースです。講義はほとんど行わず、実技実習を中心とした内容となっています。 出典: icls-web.com
ICLSでは、胸骨圧迫やAEDの操作に加えて、心停止のときの心電図の波形の見分け方、電気ショックが必要かどうかの判断、気道の確保、薬の投与までを学びます。看護学生にとっては難しい内容も含まれますが、受講の対象に医療系の学校の学生が含まれているので、学生のうちに受けることができます。
BLSやACLSは、アメリカ心臓協会(AHA)の基準に沿った講習も国内で開かれています。ACLSとは、BLSに薬や電気ショック、チームでの役割分担を加えた二次救命処置の講習のことです。AHAの講習は修了の証明に有効期限が設けられていることがあるため、受講する団体の案内で更新の決まりも確かめておきましょう。費用や日程は講習を開く団体ごとに違うので、申し込む前に各団体の案内で確かめてください。
どれから受けるか迷ったら、BLSから始めるのが順当です。BLSは土台となる技術で、学校の授業で学んだ内容を実技で確かめる意味もあります。そのうえで、救急や集中治療、循環器の病棟を志望しているならICLSやACLSに進むと、志望理由とのつながりが強くなります。
救命処置の講習は、学校が団体受講の機会を用意していることもあります。まず学校の掲示や先生に確認し、学内で受けられるなら個人で申し込むより費用と移動の負担を抑えられます。
臨床の知識を確かめる検定(心電図など)
救命処置の次に取り組みやすいのが、臨床の知識を確かめる検定です。代表的なのが心電図検定です。心電図とは、心臓が動くときの電気の流れを波形で表したもので、病棟のモニターや検査で毎日のように目にします。新人の看護師が最初に苦手意識を持ちやすい分野の1つでもあります。
心電図検定は学会が主催する検定で、級が分かれており、自分の理解の段階に合わせて受けられます。看護学生であれば、基本的な波形の読み方を問う級から挑戦するのが現実的です。試験の日程や級ごとの出題範囲、受験料は年度で変わることがあるので、主催学会の最新の案内で確かめてから申し込んでください。
心電図の勉強が就職に役立つ理由は、どの診療科に配属されても使う知識だからです。循環器の病棟はもちろん、手術室、救急外来、集中治療室、一般病棟の夜勤でもモニターの異常に気づけるかが問われます。面接で「心電図の勉強を続けている」と話せれば、急変に備える姿勢を伝えられます。
ほかにも、臨床の知識に関わる検定や講習はいくつかあります。たとえば医療安全や感染対策を学ぶ講習、栄養や薬の基礎を学ぶ検定などです。ただし、看護学生の段階では国家試験の勉強そのものが臨床の知識の土台になります。新しい検定に手を広げるより、国家試験の範囲と重なる検定を選ぶと、勉強が二重にならずに済みます。
心電図検定の勉強は、国家試験の循環器分野の勉強と重なる部分が多い点も利点です。不整脈の種類や心筋梗塞のときの波形の変化は、国家試験でも出題されます。検定の勉強を国家試験の対策の一部として位置づければ、時間を有効に使えます。
英語・手話など、関わる患者を広げる資格
看護学生が取る資格として、英語の検定もよく挙がります。外国人の患者が多い地域の病院や、国際的な医療を行う病院、将来海外で働くことを考えている人には、英語力を示す資格が役立ちます。TOEICや英検は、学生のうちに受けやすく、点数や級で英語力を客観的に示せます。
ただし、英語の検定がどこまで就職で評価されるかは病院によって大きく違います。外国人の受診が少ない地域の病院では、英語の点数が採用の決め手になることは多くありません。志望する病院が外国人の患者を受け入れているか、国際部門があるかを、病院の採用ページや説明会で確かめてから判断すると、時間の使い方を誤りません。
手話の資格も、看護学生にとって意味のある選択肢です。耳が聞こえにくい患者とのやりとりは、病院のどの場面でも起こりえます。手話の検定や講習で学んだことは、筆談や身振りを交えたやりとりの工夫にもつながります。面接では、なぜ手話を学ぼうと思ったのかを、実習や生活の中で感じたことと結びつけて話すと伝わりやすくなります。
英語や手話の資格は、結果が数字や級で残るので、履歴書に書きやすいという特徴もあります。ただし、目的がないまま取ると、面接で理由を聞かれたときに答えに詰まります。「どんな患者と関わりたいか」という自分の考えと結びつけて選ぶのが大切です。
事務・お金・パソコンの検定はどこまで役立つか
看護学生向けの資格の紹介では、医療事務やFP(ファイナンシャルプランナー)技能検定、パソコンの資格もよく挙がります。これらは、看護の仕事に直接使うものではありませんが、使いどころを理解して取れば役立ちます。
医療事務や医療秘書の検定は、病院の受付や会計、診療報酬の仕組みを学ぶものです。看護師が診療報酬の請求を担当することはありませんが、病院がどのように収入を得ているかを知っておくと、記録の大切さや、入院の手続きの流れを理解しやすくなります。ただ、看護学生の就職で強く評価されるものではないので、優先度は低めです。
FP技能検定は、お金の計画や税金、社会保険、年金の基礎を学ぶ国家検定です。看護の現場では、入院が長引く患者や、医療費の負担に悩む家族と接する場面があります。高額療養費制度のように医療費の負担を抑える仕組みを知っておくと、医療ソーシャルワーカーにつなぐ判断がしやすくなります。自分自身の家計や奨学金の返済を考えるうえでも役立ちます。ただし試験の実施団体の案内は時期によって変わるので、受験を考えるときは実施団体の公式の案内で日程を確かめてください。
パソコンの資格は、電子カルテが当たり前になった今の病院で、入力に慣れていることを示す材料になります。ただ、病院の電子カルテは独自の画面で操作するため、一般的なパソコンの資格がそのまま使えるわけではありません。記録を正確に、わかりやすく書く力のほうが大切です。
記録の書き方を鍛えたい人には、文書の書き方を問う検定も選択肢になります。ビジネス文書検定は、報告書やメールなど仕事の文書を正しく書く力を問う検定で、試験の内容や級の違いをこのページで確認できます。看護記録は医療の専門の書式ですが、事実と判断を分けて書く、簡潔に書くといった基本は共通しています。
費用と時間の負担を抑える考え方
在学中の資格には、受講料や受験料、テキスト代、会場までの交通費がかかります。看護学生は実習やアルバイトの時間の制約が大きいので、費用と時間の両方を考えて選ぶ必要があります。
負担を抑える方法として、まず学校の団体受講を確かめるのが近道です。救命処置の講習は、学校が授業の一環や課外の講習として受講の機会を用意していることがあり、個人で申し込むより安く、移動の手間もかかりません。次に、国家試験の参考書と重なる教材を選ぶ方法があります。心電図の検定のように国家試験の範囲と重なる資格なら、新しく買う教材を最小限にできます。
時間の面では、1つの資格に取り組む期間を区切ることが大切です。「夏休みの間にBLSを受ける」「春休みに心電図の基本をひととおり学ぶ」というように、終わりの時期を決めておくと、国家試験の勉強の時間を圧迫せずに済みます。複数の資格を同時に進めるより、1つずつ順に終わらせるほうが、結果として多くを身につけられます。
志望する職場ごとの選び方
どの資格を選ぶかは、志望する職場によって変わります。ここでは、看護学生がよく志望する職場ごとに、優先して取り組みたいものを整理します。
| 志望する職場 | 優先したい資格・講習 | 理由 |
|---|---|---|
| 大学病院・急性期の病院 | BLS、ICLS、心電図検定 | 急変対応と重症の患者の看護が多い |
| 救急・集中治療・循環器 | ICLS、ACLS、心電図検定 | 心停止や不整脈への対応が日常的にある |
| 小児科・小児病院 | BLS、小児の救命処置の講習 | 子どもの急変は大人と対応が違う |
| 外国人の受診が多い病院 | 英語の検定、BLS | 説明と同意のやりとりで言葉の力が要る |
| 訪問看護・地域の診療所 | BLS、普通自動車免許 | 患者の自宅へ車で移動することが多い |
| 保健師・養護教諭を目指す | 国家試験と教職の単位を優先 | 別の国家試験や免許が必要になる |
訪問看護では、多くの事業所が車で患者の自宅を回るため、普通自動車免許があると選べる職場が広がります。在学中の長い休みに取っておくと、就職先の選択肢が狭まらずに済みます。
保健師や助産師を目指す人は、看護師国家試験とは別の国家試験を受ける必要があります。厚生労働省の案内によると、第113回保健師国家試験は令和9年2月12日に行われます。保健師や助産師の受験資格を得られる課程に在籍しているなら、民間の検定より国家試験の勉強を優先するのが自然です。
自分の志望がまだ決まっていない人は、BLSだけを先に受けておき、あとは国家試験の勉強に集中するのも立派な選択です。BLSはどの職場でも共通して役立つので、取っておいて損になることはありません。
履歴書の資格欄の書き方
在学中に取った資格や講習は、履歴書の「免許・資格」の欄に書きます。書くときは、取った年月と、正式な名前を書くのが基本です。略称で書くと、読む人によっては何の資格かわからないことがあります。
書き方の例を挙げます。
- 2026年6月 日本救急医学会認定BLSコース修了
- 2026年9月 日本救急医学会認定ICLSコース修了
- 2026年11月 普通自動車第一種運転免許取得
- 2027年3月 看護師国家試験受験予定
講習の場合は「取得」ではなく「修了」と書くのが自然です。検定は「合格」、免許は「取得」と書き分けると、読む人に正しく伝わります。正式な名前は、修了証や合格証に書かれている表記に合わせてください。
看護師国家試験は、在学中は合格前なので「受験予定」と書きます。厚生労働省の案内では、第116回看護師国家試験は令和9年2月14日に行われ、合格者は令和9年3月24日に発表される予定です。就職活動の時期には合格が決まっていないので、国家試験を受ける予定であることをはっきり書いておくと、採用担当者が確認しやすくなります。
資格欄に書くことが少なくても、気にする必要はありません。新卒の看護学生の多くは、資格欄に看護師国家試験の予定と運転免許くらいしか書きません。資格の数で比べられることは少なく、面接で何を話せるかのほうがずっと大切です。
面接で資格について聞かれたときは、「なぜ受けたか」「何を学んだか」「入職後にどう活かしたいか」の3つを順に話すと、まとまりのある答えになります。たとえば「実習で患者さんの急変に立ち会い、何もできなかったことが悔しくてBLSを受けました。胸骨圧迫の深さとテンポを体で覚えられたので、入職後も急変のときに迷わず動けるようにしたいです」というように、実際の体験と結びつけて話すと説得力が増します。
国家試験の勉強と両立するスケジュール
在学中に資格を取るときに最も気をつけたいのが、国家試験の勉強との両立です。看護学生の後半は、臨地実習と国家試験の勉強が重なり、時間に余裕がなくなります。資格を取るなら、比較的余裕のある時期に計画的に進めるのが基本です。
学年ごとのおおまかな目安は次のとおりです。学校の時間割や実習の時期によって変わるので、自分の予定に合わせて調整してください。
- 1年生から2年生の前半は、授業と並行して英語の検定や運転免許など、看護と直接関係のない資格に取り組みやすい時期
- 2年生の後半から3年生の前半は、基礎的な看護技術を学んだあとなので、BLSや心電図の勉強を始めやすい時期
- 3年生の後半から4年生は、臨地実習と就職活動、国家試験の勉強が重なるので、新しい資格には手を広げず国家試験に集中する時期
国家試験の受験の手続きは、卒業の前の年の秋に始まります。厚生労働省の案内によると、第116回看護師国家試験の受験手数料は5,400円で、書類を郵送する場合は令和8年11月27日の消印までのものが受け付けられます。学校を通じて手続きをする場合が多いので、学校の案内に従って準備を進めてください。
資格の勉強に時間を使いすぎて、国家試験の勉強が手薄になっては本末転倒です。迷ったときは、その資格が国家試験の範囲と重なるかを基準に考えると判断しやすくなります。心電図の勉強のように国家試験の範囲と重なるものは、両立しやすい資格です。
資格選びで失敗しやすいパターン
看護学生の資格選びには、よくある失敗のパターンがあります。事前に知っておくと、時間とお金を無駄にせずに済みます。
1つ目は、目的がないまま資格を集めてしまうパターンです。「何か取っておいたほうがいい」という焦りから、看護と関係の薄い民間資格をいくつも取っても、面接で理由を説明できなければ評価にはつながりません。資格を選ぶ前に、志望する職場と、そこで必要な力を考えることが先です。
2つ目は、費用の高い講座に申し込んでしまうパターンです。民間の資格の中には、高額な通信講座を受けなければ取れないものもあります。看護学生向けにうたわれていても、就職での評価が高いとは限りません。申し込む前に、その資格を持っている先輩の看護師がどう感じているか、学校の先生がどう評価しているかを聞いてみると判断しやすくなります。
3つ目は、更新が必要な資格の期限を忘れるパターンです。救命処置の講習の中には修了の証明に有効期限があるものがあり、期限が切れたあとは「現在有効」として扱われなくなります。就職活動の時期と期限が重ならないように、受ける時期を考えておきましょう。
4つ目は、国家試験の勉強を後回しにするパターンです。これが最も大きな失敗です。資格はあくまで補助で、国家試験に合格しなければ看護師として働けません。資格の勉強は、国家試験の勉強の妨げにならない範囲にとどめてください。
就職活動の流れの中で資格を伝える時期
看護学生の就職活動は、一般の大学生よりも早く始まり、早く終わる傾向があります。多くの学生は、卒業の前の年の春から夏にかけて病院の説明会やインターンシップ(病院見学や看護体験)に参加し、夏から秋にかけて採用試験を受けます。資格や講習は、この流れのどこで伝えるかを意識しておくと活かしやすくなります。
- 病院見学やインターンシップでは、看護師との会話の中で、受けた講習や勉強していることを話す機会がある。たとえば救急外来を見学したときに「BLSを受けて胸骨圧迫の練習をした」と伝えると、案内役の看護師が具体的な現場の話をしてくれることが多い
- エントリーシートや履歴書では、資格欄に正式な名前で書くだけでなく、自己PRや志望動機の欄で資格を取った理由に触れる。資格欄だけでは「持っている」ことしか伝わらない
- 面接では、資格について聞かれたときに備えて、受けた理由と学んだことと入職後の活かし方を1分ほどで話せるように準備しておく
採用試験の前に資格を取り終えておきたい場合は、受験したい講習や検定の日程から逆算して計画を立てる必要があります。講習は定員があり、人気のある日程はすぐに埋まります。とくにICLSのような実技中心の講習は、1つのグループの人数が少なく決められているので、早めに申し込むのが無難です。
採用試験が終わってから取った資格は、履歴書には書けませんが、入職後に役立つことに変わりはありません。内定を得たあとの時期は、国家試験の勉強が本格的になる時期でもあります。内定後に何か取りたい場合は、国家試験と重なる心電図の勉強などに絞ると、無理なく続けられます。
実習で資格の学びを活かす方法
在学中に取った資格や講習の学びは、就職活動だけでなく臨地実習でも活かせます。実習は、学校で学んだ知識を実際の患者の看護で使う場であり、病院の看護師から直接評価を受ける場でもあります。資格で学んだことを実習で意識して使うと、学びが深まるうえ、実習先の病院に好印象を残すきっかけにもなります。
たとえば心電図の勉強をしていれば、受け持ちの患者がモニターをつけているときに、波形の変化に気づきやすくなります。気づいたことは自分で判断せず、必ず指導者の看護師に報告するのが基本です。そのうえで「この波形は何を表しているのか」と質問すると、指導者から詳しく教わる機会になります。報告と相談ができる学生だと伝わることが、実習での評価につながります。
救命処置の講習を受けていれば、病棟の救急カートやAEDの置き場所を最初に確かめる習慣がつきます。急変はいつ起こるかわからないので、どこに何があるかを知っておくことは、看護師にとって基本の備えです。実習の初日に病棟の配置を確かめる姿勢は、指導者の看護師からも見えています。
実習記録にも、資格の学びが役立ちます。看護記録や実習記録では、観察した事実と、そこから考えた判断を分けて書くことが求められます。文書の書き方を学んでいれば、事実と考えを区別して簡潔に書く力がつき、記録に時間をかけすぎずに済みます。実習中は睡眠時間を確保することも大切なので、記録の時間を短くできることは体調管理の面でも利点です。
入職後に目指す資格を知っておく
在学中に取れる資格とは別に、看護師として経験を積んでから目指せる資格があることも知っておくと、将来の見通しが立てやすくなります。代表的なのは、日本看護協会が認定する認定看護師、専門看護師、認定看護管理者です。これらは看護師免許を持ち、一定の実務経験を積んだうえで、教育課程を修了して審査に合格する必要があります。
学生のうちにこれらの資格を取ることはできませんが、志望する分野を考えるヒントになります。たとえば、救急看護や集中ケア、感染管理、緩和ケアなど、関心のある分野の認定看護師がいる病院を選ぶと、入職後にその分野を学ぶ機会を得やすくなります。病院の採用ページで、認定看護師や専門看護師の人数や、資格取得の支援制度を確かめておくとよいでしょう。
入職後の資格取得には、病院が費用の一部を負担する制度を設けていることがあります。国の助成金を活用して職員の研修を支援する事業所もあり、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法では、事業所が人材開発支援助成金を使って研修を進める流れを紹介しています。働く側から見ても、どんな研修の支援がある職場かは、就職先を選ぶときの判断材料になります。
看護師の働き方は病院だけではありません。経験を積んだあとに、研究や教育、企業での健康管理、医療の知識を生かした執筆など、別の道に進む人もいます。研究の道に関心があるなら、研究者の年収・単価相場で研究職の収入の相場を確かめられます。在学中の資格選びは、こうした長い道のりの最初の一歩として考えると、目先の就職だけにとらわれずに済みます。
看護学生の資格選びを長い目で見る
2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた立場から見ると、医療や看護の資格を持つ人の働き方は、ここ数年で大きく広がっています。病院で経験を積んだ看護師が、医療系の記事の監修や、健康に関する講座の講師、企業の産業保健の仕事を業務委託で受ける例は珍しくなくなりました。そうした仕事で信頼されるのは、資格の数よりも、現場で積んだ経験と、それをわかりやすく説明できる力です。
業務委託の仕事では、仲介する会社が報酬の一部を手数料として受け取る形が多く、同じ依頼でも受け手の手取りは仲介の仕組みによって変わります。手数料0%で依頼者と直接やりとりできる仕組みなら、依頼者は同じ予算でより多くを頼め、受け手は手取りが厚くなります。看護師として経験を積んだあとに、こうした働き方を選ぶ人にとっては、どこで仕事を受けるかも長い目で見て大切な判断になります。
看護学生のうちに大切なのは、まず国家試験に合格し、看護師として確かな経験を積むことです。在学中の資格は、その土台の上に乗る小さな積み重ねにすぎません。BLSのように現場で必ず使う技術を身につけ、志望する分野に合わせて心電図や英語の勉強を少しずつ進めておけば、入職後の自分を助けてくれます。
資格の情報をさらに調べたいときは、CCNA(シスコ技術者認定)のように資格ごとの試験内容や難易度をまとめたページも参考になります。看護とは分野が違いますが、資格の位置づけや受け方を比べる見方は共通しています。自分に必要な資格を見極め、国家試験の勉強と両立できる計画を立てて、就職活動に臨んでください。
よくある質問
Q. 看護学生のうちに取っておくと一番役立つ資格は何ですか?
最も優先度が高いのはBLS(一次救命処置)の講習です。心臓や呼吸が止まった人への胸骨圧迫やAEDの使い方を実技で身につけるもので、どの病棟に配属されても使います。日本救急医学会のBLSコースは医療系の学校の学生も受講できます。そのうえで、志望する分野に合わせてICLSや心電図検定に進むと、志望理由と結びつけて話しやすくなります。
Q. 資格が少ないと看護師の就職で不利になりますか?
資格の数で不利になることはほとんどありません。病院がまず確かめるのは、看護師国家試験に合格する見込みと、実習での姿勢や面接での受け答えです。新卒の看護学生の多くは、資格欄に国家試験の受験予定と運転免許くらいしか書きません。資格を取ったなら、なぜ取ったのか、何を学んだのかを自分の言葉で話せるようにしておくことのほうが大切です。
Q. 履歴書に看護師国家試験はどう書けばよいですか?
在学中は合格前なので「看護師国家試験受験予定」と書きます。第116回看護師国家試験は令和9年2月14日に行われ、合格発表は令和9年3月24日の予定です。講習は「修了」、検定は「合格」、免許は「取得」と書き分け、正式な名前は修了証や合格証の表記に合わせてください。略称だけで書くと何の資格か伝わらないことがあります。
Q. 資格の勉強と国家試験の勉強はどう両立すればよいですか?
臨地実習と国家試験の勉強が重なる最終学年は、新しい資格に手を広げず国家試験に集中するのが基本です。資格に取り組むなら、1年生から3年生の前半の比較的余裕のある時期に進めます。心電図の勉強のように国家試験の範囲と重なるものを選ぶと、勉強が二重にならずに済みます。迷ったら、国家試験の範囲と重なるかを基準に判断してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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