会社の登記を調べる手順|募集元が実在するかを確かめる方法


この記事のポイント
- ✓会社の登記を調べる手順を
- ✓無料で確かめられる範囲と有料でしか分からない範囲に分けて整理しました
- ✓登記事項証明書の使い分けと手数料
結論から書きます。会社の登記を調べる手段は3つあり、目的で使い分けます。相手の名称と所在地が実在するかを確かめるだけなら、国税庁法人番号公表サイトで無料かつ即時に分かります。役員、資本金、設立年月日、目的といった登記の中身まで見たいなら、登記情報提供サービスで商業・法人登記情報の全部事項が1件330円です。第三者に提出する証明として必要なら、登記事項証明書を法務局で取ります。手数料は書面請求が600円、オンライン請求で郵送してもらう場合が520円です。
在宅の仕事を探していて、聞いたことのない会社から声がかかった。業務委託の契約を交わす前に相手を確かめたい。取引先の与信を見たい。動機はどれでも、手順は同じです。この記事では、3つの手段の使い分け、実際の画面で何を入力するのか、登記の何を読むのか、そして登記以外で裏を取る窓口までを順番に整理します。
無料で確かめられることと、費用がかかること
最初に切り分けます。ここを混同したまま調べ始めると、無料で済む作業に費用をかけるか、逆に有料でしか取れない情報を無料で探して時間を使うことになります。
無料で分かるのは、法人の基本3情報です。国税庁法人番号公表サイトは、法人番号の指定を受けた法人等の情報を公開しています。
このサイトでは、法人番号の指定を受けた法人等の基本3情報を検索することができます。基本3情報とは、1.商号又は名称、2.本店又は主たる事務所の所在地、3.法人番号のことを指します。 出典: houjin-bangou.nta.go.jp
つまり、無料で確かめられるのは「その名前の法人が、その住所で登録されているか」までです。誰が代表者なのか、いつ設立されたのか、資本金がいくらなのかは出てきません。
費用がかかるのは、登記簿の中身です。代表者の氏名と住所、役員の一覧、設立年月日、資本金の額、事業の目的、支店の所在地、株式の内容。これらは登記情報提供サービスか、登記事項証明書で取ります。
そして、どちらでも分からないこともあります。売上、利益、従業員数、借入の状況、取引先。これらは登記事項ではないため、登記を何通取っても出てきません。財務の状況を見たいなら、決算公告、信用調査会社の情報、または相手から直接決算書を出してもらう必要があります。
正直なところ、ここを理解していない人が多いと感じます。「登記を取れば会社の実態が分かる」と思って取り、出てきた紙を見て「これだけ?」となる。登記は会社の身分証明のようなもので、健康診断の結果ではありません。確かめられるのは存在と形式で、中身の良し悪しではないのです。
国税庁法人番号公表サイトで確かめる手順
まず無料の窓口から始めます。ここで見つからなければ、有料の調査に進む前に立ち止まったほうがよい合図になります。
検索は2つの入口があります。名称や所在地から調べる方法と、法人番号から調べる方法です。法人番号は13桁の数字で、請求書や契約書に書かれていることがあります。
名称から調べる場合、検索方法を4つから選べます。部分一致検索、前方一致検索、読み仮名での検索(カタカナ)、そして英語表記での検索です。英語表記を選ぶと、英語版のサイトに掲載されている法人が対象になります。
絞り込みの条件も用意されています。都道府県、市区町村、丁目番地等での指定。郵便番号での指定。法人種別(国の機関、地方公共団体、株式会社、有限会社、合名・合資・合同会社、その他の設立登記法人、外国会社等、その他)での指定。法人番号の指定年月日での指定。ここで注意したい仕様が1つあります。株式会社と有限会社だけを選んで検索することはできません。
丁目番地の入力にも作法があります。「三丁目」を探すなら「三」を算用数字の「3」に、「1番1号」なら「1-1」に置き換えて入力する、と案内されています。表記のゆれで見つからないときは、ここを疑ってください。
そして、実務でもっとも重要なのが2つの追加オプションです。
変更履歴を検索対象に含める。 会社が商号や本店を変えている場合、現在の表記だけで探すと出てきません。古い名前で連絡が来ている、古い住所が書かれている、というときはこの指定が必要です。逆に言えば、名称や住所が変わっているという事実そのものが、確かめるべき情報になります。
登記記録の閉鎖等が生じた法人を検索対象に含める。 解散した会社、合併で消えた会社は、通常の検索では表示されません。この指定を入れて初めて出てくる相手なら、その法人は現在活動していない可能性があります。
このサイトには、まとめて扱う機能もあります。基本3情報のダウンロード機能と、Web-API機能が用意されているため、確認する相手が多数ある場合は一件ずつ画面で調べる必要がありません。
登記情報提供サービスで登記の中身を読む
名称と所在地の確認が済んだら、中身に進みます。登記情報提供サービスは、一般財団法人民事法務協会が運営し、登記所が保有する登記情報をインターネットで閲覧できる形にしたものです。
料金は明記されています。商業・法人登記情報の全部事項が330円です。不動産登記情報は全部事項が330円、所有者事項が140円、地図と図面がそれぞれ360円です。この金額は、国に納入する登記手数料と、協会の手数料10円を合算したものと説明されています。
利用の形は4つあります。
一時利用。 あらかじめ申込手続をせずに、1日限り使えるID番号を取得し、クレジットカードの即時決済ですぐ使えます。1回だけ確かめたい場合は、これで足ります。
個人の登録利用。 先に申込手続をして登録します。登録費用は300円です。請求するたびにクレジットカード会社へ請求される形です。
法人の登録利用。 登録費用は740円です。毎月末日に利用実績を集計し、翌月の口座振替で支払う形になります。確かめる相手が継続して出てくる業務なら、この形が向きます。
公共機関の利用。 登録費用は560円です。
利用時間には制限があります。平日は午前8時30分から午後11時まで、土日祝日は午前8時30分から午後6時まで。年末年始(12月29日から1月3日まで)は休業日です。地図と図面の情報は平日の午前8時30分から午後9時までに限られます。夜中に急いで確かめたい、という使い方はできません。
課金の仕組みも押さえておきます。請求して課金確認の画面で操作した時点でPDFが作られ、課金されます。該当する情報がない場合は課金されませんが、請求した事項の記録がない場合は「その旨の情報」が表示されて課金されます。つまり「役員の記載がない」という結果でも330円かかります。
ここで決定的な注意点があります。このサービスで取得できるのは閲覧用の情報であり、証明書ではありません。取引先や金融機関、役所に提出する目的では使えません。提出が必要な場面では、次の登記事項証明書を取ります。
登記事項証明書を取る場合の手数料と請求先
登記事項証明書は、登記の内容を法務局が証明した書面です。請求できる人に制限はありません。
会社・法人の登記事項証明書及び登記簿の謄本・抄本については,どなたでも,所定の手数料を納付して,その交付を請求をすることができます。 出典: moj.go.jp
取引相手の会社の登記事項証明書を、本人の同意なく取ることができます。これは制度としてそう作られています。会社の基本情報は公開されることを前提にしているからです。
手数料は令和7年4月1日から次のとおりです。
| 請求の方法 | 手数料 |
|---|---|
| 登記事項証明書(書面請求) | 600円 |
| 登記事項証明書(オンライン請求・送付) | 520円 |
| 登記事項証明書(オンライン請求・窓口交付) | 490円 |
| 登記事項要約書の交付・登記簿等の閲覧 | 500円 |
| 印鑑証明書(書面請求) | 500円 |
| 印鑑証明書(オンライン請求・送付) | 450円 |
| 印鑑証明書(オンライン請求・窓口交付) | 420円 |
1通の枚数が50枚を超える場合は、超える枚数50枚までごとに、登記事項証明書は100円が加算されます。登記事項要約書は50円の加算です。役員の変更が多い会社は枚数が増えるので、この加算が効いてきます。
請求の手順は、申請書に会社の商号と本店(法人の名称と事務所)を記載し、手数料額に相当する収入印紙を貼って、登記所の窓口に提出する形です。窓口に証明書発行請求機が設置されている場合は、それを操作すれば申請書の記載は不要になります。
管轄についても、実務で役に立つ仕様があります。商業・法人登記情報交換システムにより、最寄りの登記所から他の登記所が管轄する会社の登記事項証明書を取得できます。相手の本店が遠方でも、近くの登記所で済みます。ただし、コンピュータで管理されていない登記簿の謄本や抄本は、本店または支店の所在地を管轄する登記所でのみ取得できます。
なお、印鑑証明書は請求できる人が限られます。印鑑を登記所に提出している本人(会社の代表者等)が、印鑑カードを添えて請求する形です。取引相手の印鑑証明書を自分で取ることはできません。契約で必要なら、相手に取得を依頼します。
証明書には種類がある。どれを取ればよいのか
窓口で「登記事項証明書をください」と言うと、どの種類かを聞かれます。主に4つあり、載っている範囲が違います。種類と記載事項は商業登記規則30条で決められています。
二 履歴事項証明書 前号の事項、当該証明書の交付の請求があつた日(以下「請求日」という。)の三年前の日の属する年の一月一日(以下「基準日」という。)から請求日までの間に抹消する記号を記録された登記事項及び基準日から請求日までの間に登記された事項で現に効力を有しないもの 出典: laws.e-gov.go.jp
現在事項全部証明書。 現在効力を持っている登記事項が載ります。加えて、会社成立の年月日、取締役や代表取締役や監査役の就任の年月日、会社の商号と本店の変更履歴のうち直前のものが含まれます。今の状態を確かめたいだけなら、これで足ります。
履歴事項全部証明書。 交付請求の日の3年前の日の属する年の1月1日より後に抹消された事項も含めて載ります。過去の役員、過去の商号、過去の本店が読み取れるため、相手の変遷を追いたいときはこれを取ります。実務でもっとも使われるのがこの種類です。枚数が増えるので、50枚を超えると加算が発生します。
閉鎖事項全部証明書。 履歴事項の対象から外れた古い記録や、閉鎖された登記記録が載ります。かなり前の経緯を調べる場合に使います。
代表者事項証明書。 代表権を持つ人に関する事項だけを証明します。契約の相手に代表権があるかどうかを確かめる目的なら、これで目的を満たせて枚数も少なくなります。
加えて、「全部証明書」と「一部証明書」の区別もあります。一部証明書は、必要な区(株式・資本区、役員区など)だけを指定して取る形です。目的が決まっているなら、一部証明書のほうが読みやすくなります。
どれを取るか迷ったら、履歴事項全部証明書を選ぶのが無難です。現在の状態と、直近の経緯の両方が1通で分かります。窓口で目的を伝えれば、職員が適切な種類を案内してくれます。
手数料の一覧は法務省が公開している
金額は改定されます。だから、取りに行く前に一覧を見るのが確実です。法務省は「登記手数料について」のページで、不動産登記と商業・法人登記の主な手数料を並べています。令和7年4月1日からの金額として、登記事項証明書の書面請求が600円、オンライン請求で送付が520円、オンライン請求で窓口交付が490円と記載されています。登記事項要約書の交付と登記簿等の閲覧が500円です。
登記情報提供サービス側の料金についても、運営している一般財団法人民事法務協会が明記しています。
利用料金は、登記手数料令第12条により国に納入する登記手数料(預り金)と協会手数料(消費税及び地方消費税を含みます。)10円とを合算した金額です。 出典: www1.touki.or.jp
この構造を知っておくと、金額の意味が分かります。330円のうち320円は国に入る登記手数料で、協会が取っているのは10円です。安く見えるのはそういう理由で、サービスの質とは関係がありません。なお、利用料金にはインターネットへの接続に必要なプロバイダーの手数料や回線使用料は含まれていない、という注記もあります。
支払い方法も形ごとに違います。一時利用は利用時にクレジットカード会社へ請求されます。個人の登録利用は、登記情報を請求するたびに、一度に複数を請求した場合は合算した額がクレジットカード会社へ請求されます。法人の登録利用は、毎月末日に利用実績を集計し、翌月の第3営業日から第6営業日までの間に「口座振替のお知らせ兼料金領収証」がWEB配信され、27日に口座から引き落とされる形です。
不動産の登記も同じ窓口で調べられる
会社の登記を調べていると、その会社が名乗っている所在地が本当にその会社のものなのか、という疑問が出てきます。不動産登記も同じ窓口で調べられます。
登記情報提供サービスでは、不動産登記情報の全部事項が330円、所有者事項が140円、地図が360円、図面(土地所在図・地積測量図・地役権図面・建物図面・各階平面図)が360円です。
ただし、検索の仕様に落とし穴があります。不動産登記情報を請求するときは、「住所(住居表示)」ではなく「地番」または「家屋番号」で特定する必要があると明記されています。郵便物を届ける住所と、登記上の地番は一致しません。地番が分からない場合は、法務局の窓口や自治体の地図で調べる手順が先に入ります。
所有者事項だけなら140円なので、「その建物の所有者が誰か」を確かめるだけなら全部事項を取る必要はありません。相手が本店として登記している建物の所有者が別の会社である、という結果が出ても、それは賃貸しているだけかもしれません。判断の材料が1つ増える、という位置づけで使うのが正確です。
なお、地図と図面の情報は提供時間が短く、平日の午前8時30分から午後9時までに限られます。土日は取得できません。
会社以外の相手を確かめるとき
仕事の依頼元が株式会社ではない場合もあります。相手の形によって、確かめられる範囲が変わります。
一般社団法人、一般財団法人、NPO法人。 これらも設立登記をするため、法人番号公表サイトと登記の両方で確認できます。NPO法人は、所轄庁への事業報告書の提出が義務づけられており、内閣府のポータルサイトで法人の情報や提出状況を見られる仕組みがあります。
合同会社、合名会社、合資会社。 株式会社と同じく登記があります。登記事項の種類は少し違い、合同会社には代表取締役ではなく代表社員が登記されます。契約に署名する人が代表社員かどうかを確かめてください。
個人事業主。 登記がありません。だから、法人番号公表サイトでも登記情報提供サービスでも出てきません。確かめる手立ては、適格請求書発行事業者公表サイトでの登録番号の照合、開業届の控えの提示、所在地と電話番号の確認、そして過去の取引実績の確認です。相手が個人事業主だから危ないという話ではなく、確かめる方法が違うということです。
外国の会社。 日本国内で継続して取引をするには、日本における代表者を定めて登記する必要があります。この登記がない外国会社との取引は、もめたときの手続きが国内の会社より複雑になります。
相手の形が分からないときは、請求書か契約書の署名欄を見てください。「株式会社○○ 代表取締役」「合同会社○○ 代表社員」「○○(個人名)」のどれで書かれているかで、調べる先が決まります。
調べた結果をどう残すか
確認は、やっただけでは意味が半分になります。記録が残っていないと、次に同じ相手と取引するときにもう一度やり直すことになります。
残すのは4項目です。確認した日付。確認した相手の商号と法人番号。使った窓口(法人番号公表サイト、登記情報提供サービス、登記事項証明書のどれか)。そして、確認した結果のうち気になった点です。
取得したPDFは捨てないでください。登記情報提供サービスで取ったPDFは、後から無料で見直せるものではありません。同じ内容をもう一度見るには、再び330円かかります。取引ごとのフォルダに入れて、ファイル名に「商号_取得日」を含める形で保存すると、後から探せます。
もう1つ、記録が効く場面があります。報酬が支払われず、相手と連絡が取れなくなったときです。相手の本店所在地と代表者名が記録に残っていれば、内容証明を送る先が分かります。登記事項証明書を取る意味は、相手を疑うためというより、いざというときに追いかける手段を確保しておくことにあります。
登記の何を読むか。実在を疑うときに見る7つの項目
証明書や登記情報を手に入れても、どこを見ればよいかが分からなければ意味がありません。募集元や取引先の実在を確かめる目的で見る項目を、優先順に並べます。
会社成立の年月日。 設立から数か月の会社が、大きな案件を持ちかけてくることがあります。設立が新しいこと自体は問題ではありませんが、実績を語る内容と設立日が矛盾していれば、そこが確かめるべき点になります。
本店の所在地。 求人票やサイトに書かれた住所と、登記の本店が一致するかを見ます。一致しない場合、支店や営業所かもしれませんし、登記を変えていないだけかもしれません。どちらなのかを相手に聞ける材料になります。
代表者の氏名と住所。 名刺やメールの署名にある代表者名と一致するかを確認します。登記された代表取締役と、交渉の窓口に出てくる人物が違うのは普通のことですが、契約書に署名する人が代表権を持つかどうかは確かめる必要があります。
目的。 会社が行うと登記している事業の一覧です。頼まれている仕事が、この目的の中に読み取れるかを見ます。まったく関係のない事業だけが並んでいる場合、その会社の本業ではない話を持ちかけられている可能性があります。
資本金の額。 金額の大小で相手を判断するのは短絡的です。資本金1円でも健全に回っている会社はあります。見るべきは、資本金の額と、頼まれている取引の規模が釣り合っているかという点です。
役員に関する事項。 役員の変更が短期間に繰り返されている履歴は、確かめる材料になります。全部事項証明書には過去の役員の記載も残ります。
登記記録に関する事項。 会社の解散、清算、合併、そして「みなし解散」に関する記載がないかを確認します。ここに記載があれば、その会社は現在活動していない可能性があります。
登記が古いまま放置されている会社をどう見るか
登記の内容が現実と合っていない会社は、実際にあります。変更の登記には期限が定められているためです。会社法は、登記した事項に変更が生じたときは2週間以内に本店の所在地で変更の登記をしなければならないと定めています。
守らなかった場合の扱いも定められています。
法人登記を怠ると、会社としての活動が制限されるだけでなく、代表者個人に100万円以下の過料が科される可能性があります。そのため、登記懈怠は信用の失墜に加え、最終登記から12年経過し… 出典: biz.moneyforward.com
条文を見ると、この2つはそれぞれ根拠があります。会社法976条は、取締役などが「この法律の規定による登記をすることを怠ったとき」に100万円以下の過料に処すると定めています。これは刑罰ではなく行政上の秩序罰で、会社ではなく個人に科される形です。
12年という数字は、休眠会社のみなし解散の制度です。会社法472条は、株式会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過した会社を休眠会社と定め、法務大臣が官報で公告した場合において2か月以内に「事業を廃止していない旨の届出」をしないときは、その期間の満了時に解散したものとみなすと規定しています。ただし、その期間内に登記がされたときは適用されません。
つまり、登記の最終更新から10年以上が経っている会社は、制度上は消える手前にいます。取締役の任期は長くても10年なので、10年を超えて役員変更の登記がない会社は、少なくとも登記の管理が行われていないことになります。これは事業の実態がないという証明ではありませんが、契約の相手として見るなら、事業の状況を直接聞いて確かめる理由になります。
登記以外で裏を取る3つの窓口
登記は形式の確認です。取引の実態まで見るなら、別の公開情報を組み合わせます。
適格請求書発行事業者公表サイト。 国税庁が、消費税のインボイス制度で登録された事業者の情報を公開しています。登録番号は「T」を除く13桁の数字で、一度に10件までまとめて検索できます。相手が発行した請求書に登録番号が書かれているなら、その番号が実在し、名称が一致するかを確かめられます。番号が存在しない場合は不正なインボイスが疑われるため、情報提供のフォームが用意されていると案内されています。法人の場合、登録番号は法人番号の前に「T」を付けた形になるので、法人番号公表サイトの結果と突き合わせられます。
許可や登録が必要な業種の名簿。 人材紹介、労働者派遣、宅地建物取引、建設、古物、旅行、金融商品取引といった業種は、許可番号や登録番号を表示する義務があります。番号が公開の名簿に載っているかを、所管の官庁や都道府県の一覧で確かめられます。求人や業務委託で「紹介料」を求められる形なら、この確認は必須です。
特定商取引法に基づく表記。 通信販売を行う事業者は、事業者の氏名または名称、住所、電話番号を表示する義務があります。この表記が見つからない、あるいは電話番号が書かれていないサイトから仕事の話が来た場合、確かめる手立てが減ります。
この3つは、どれも無料です。登記に330円をかける前に、まずここを見たほうが早い場面もあります。
登記を調べても分からないことと、その先の判断
冷静に書いておきます。登記の調査で分かるのは「実在する法人か」「形式が整っているか」までです。支払いが行われるか、条件どおりの仕事か、という判断材料にはなりません。
実際に相談として多いのは、登記がきちんとある会社から仕事を受けて、報酬が支払われなかったという形です。登記があることは、支払能力の証明ではないのです。だから、登記の確認は「最低条件の確認」と位置づけるのが正確です。
契約書を交わす。 業務の範囲、報酬額、支払期日、支払方法、修正の回数、著作権の扱い。口約束で始めた仕事がもめると、登記を調べていたかどうかは何の助けにもなりません。
先に一部を受け取る形にする。 初めて取引する相手と大きな案件を進めるなら、着手金を設定するか、工程を分けて分割で受け取る形にします。全額を納品後にする条件は、相手を選んでから受けるべきものです。
連絡手段を複数確保する。 メールだけの相手は、連絡が途絶えると追いかけられません。電話番号と所在地を押さえておきます。登記に書かれた本店所在地は、この意味でも役に立ちます。
なお、明らかに詐欺と思われる勧誘や、個人情報を不正に集める形の募集に当たった場合は、警察相談専用電話や消費生活センターへの相談が窓口になります。自分で対処しようとせず、記録を保存して相談してください。
確認作業を仕事の一部として組み込む
ここからは、在宅の仕事の市場を長く見てきた運営者としての観察を書きます。
20年この市場を見てきた立場から言えば、相手を確かめる作業を習慣にしている人は、トラブルの数が明確に少ないです。ただし、その人たちは毎回330円をかけて登記を取っているわけではありません。無料で確かめられる範囲を先に通し、金額が大きい案件と、初めての相手のときだけ有料の調査に進む。この切り分けができている、という違いです。
もう1つ、運営者として見てきた傾向があります。長く続いている人は、相手を疑う作業を「失礼なこと」だと思っていません。契約の前に相手の所在地を確認するのは、商取引として当たり前の手続きです。むしろ、確認の手順を持っている人は相手からも信頼されます。こちらの確認に応じない相手は、その時点で情報が得られたことになります。
金額の構造についても書きます。仲介の段が増えるほど、依頼する側が払う額と受ける側が受け取る額の差は開きます。逆に依頼主と直接つながる形なら、依頼主は同じ予算でより多く頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%で直接つながる仕組みの価値は、単価の高さではなく、同じ仕事をした後に残る額が違うという点にあります。ただし直接取引には、相手を自分で確かめる手間が伴います。その手間が、この記事で書いてきた手順です。
企業の側から見ると、相手を確かめる仕組みは情報を守る取り組みの一部です。取引先のなりすましを使った請求書の偽装や、担当者を装ったメールによる送金の指示は、実際に起きています。個人で仕事を受ける立場でも、同じ手口の対象になります。メールの真偽を見分ける訓練の考え方は社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドに整理されていて、個人でも使える判断の順序が分かります。
認証の面から固めるなら、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版に方式ごとの違いがまとまっています。取引先とやりとりするメールや、請求書を保存しているクラウドの入口を守る話なので、個人事業でも関係します。組織として対策を進める立場なら、費用の手当てを含めて中小企業のサイバーセキュリティ対策2026|IT導入補助金で防御力を強化する方法が参考になります。
仕事の側に目を向けると、確認や検証を業務として行う領域は需要があります。企業のセキュリティや業務の見直しを支援する仕事の中身はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に、業務そのものを組み替える支援はAIコンサル・業務活用支援のお仕事に整理されています。技術で裏付けを作りたいならCCNA(シスコ技術者認定)がネットワークの基礎を体系的に押さえる選択肢で、報酬の水準を見るならソフトウェア作成者の年収・単価相場に分布がまとまっています。契約書や請求書の書式を確実にしたいならビジネス文書検定の範囲がそのまま実務に重なります。
会社の登記を調べる作業は、慣れれば数分で終わります。法人番号公表サイトで名称と所在地を突き合わせ、必要なら330円で全部事項を読み、提出用なら証明書を取る。この3段階を覚えておけば、次に知らない相手から声がかかったときに迷いません。
よくある質問
Q. 会社の登記は無料で調べられますか?
名称と所在地の確認までは無料です。国税庁法人番号公表サイトで、商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、法人番号の3つを検索できます。代表者、設立年月日、資本金、事業の目的といった登記の中身を見るには、登記情報提供サービス(商業・法人登記情報の全部事項が330円)か、登記事項証明書が必要です。
Q. 取引相手の登記事項証明書を、本人の同意なく取れますか?
取れます。法務省は、会社・法人の登記事項証明書および登記簿の謄本・抄本について、どなたでも所定の手数料を納付して交付を請求できると案内しています。手数料は書面請求が600円、オンライン請求で郵送してもらう場合が520円、オンライン請求で窓口交付が490円です。ただし印鑑証明書は請求できる人が限られます。
Q. 登記情報提供サービスで取った情報を、提出書類に使えますか?
使えません。このサービスで取得できるのは閲覧用の登記情報で、法務局が証明した書面ではありません。取引先や金融機関、役所へ提出する目的では登記事項証明書を取ってください。自分が内容を確認するだけであれば、費用が安く時間も早い登記情報提供サービスで足ります。
Q. 登記が長く更新されていない会社は、活動していないと判断してよいですか?
判断材料の1つですが、断定はできません。会社法は、登記した事項に変更が生じたときは2週間以内に変更の登記をしなければならないと定め、怠った場合は100万円以下の過料の対象としています。また、株式会社に関する登記が最後にあった日から12年が経過した会社は、休眠会社として解散したものとみなされる手続の対象になります。事業の状況は相手に直接確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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