学生のうちに障害基礎年金を請求するには|受給の要件と在学中の保険料 2026


この記事のポイント
- ✓学生でも障害基礎年金は受け取れます
- ✓初診日が20歳前か後かで変わる要件
- ✓学生納付特例と保険料納付要件の関係
学生のうちに病気やけがで障害が残ったとき、障害基礎年金は受け取れるのか。結論から言うと、学生でも要件を満たせば障害基礎年金を受け取れます。学生の障害基礎年金で大切なのは、初診日が20歳になる前か後か、そして20歳以後なら在学中の保険料の手続きをしていたかどうかです。
これ、知らない人が本当に多いんです。「学生だから保険料を払っていなくても大丈夫」と思っていたら、学生納付特例の申請をしていなかったために要件を満たせなかった、ということが実際に起こります。この記事では、日本年金機構の案内をもとに、受給の要件、20歳前と20歳以後の違い、請求の方法と書類、受給が決まった後の保険料の扱いまでを順に整理します。体の状態や治療についての判断は、必ず主治医に相談してください。この記事が扱うのは、年金の制度と手続きの部分です。
学生でも障害基礎年金を受け取れる
障害基礎年金とは、病気やけがによって生活や仕事が制限されるようになったときに、国民年金から支給される年金のことです。高齢になってから受け取る老齢年金と違い、現役世代の人や学生も受け取ることができます。
障害の程度は、法令で定められた障害等級表の1級と2級に分かれています。日本年金機構の説明を噛み砕くと、1級は他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできない程度、2級は必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活が極めて困難で、労働によって収入を得ることができない程度とされています。対象になる病気やけがは、身体の障害だけでなく、精神の障害や内部の疾患なども含まれます。
令和8年4月分からの年金額は次のとおりです。
| 等級 | 年金額(昭和31年4月2日以後生まれ) |
|---|---|
| 1級 | 1,059,125円+子の加算額 |
| 2級 | 847,300円+子の加算額 |
子の加算額は、生計を維持している子がいる場合に加算され、2人目までは1人につき243,800円、3人目以降は1人につき81,300円です。学生の場合は子の加算に当たらないことが多いので、2級なら年847,300円が目安になります。
在学中に障害を負うと、学業の継続や将来の就職にも影響が出ます。アルバイトができなくなり、生活費のやりくりが難しくなることもあるでしょう。障害基礎年金は、そうした状況で生活を支える公的な仕組みです。学生だからといって最初からあきらめる必要はありません。
障害の程度はどう判断されるか
障害基礎年金を受け取れるかどうかは、障害の程度が1級または2級に当たるかで決まります。この判断は、国が定めた障害等級表と、障害の種類ごとの詳しい基準(障害認定基準)に基づいて行われます。
日本年金機構の説明では、1級に相当するのは、身のまわりのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできない人や、入院や在宅介護を必要として活動の範囲がベッドの周辺に限られるような人です。2級に相当するのは、家庭内で軽食をつくるなどの軽い活動はできても、それ以上重い活動はできない人や、入院や在宅で活動の範囲が病院内や家屋内に限られるような人です。
ここで気をつけたいのは、障害者手帳と障害年金は別の制度だという点です。手帳を持っていることや、その等級は補足資料として使われることがありますが、手帳の等級がそのまま年金の等級になるわけではありません。年金の等級は、医師の診断書や病歴・就労状況等申立書などをもとに、年金の基準で判断されます。
学生の場合、「授業に出られている」「アルバイトを少しできている」といった状況から、自分は対象外だと考えてしまうことがあります。しかし、どの程度の制限があれば等級に当たるかは障害の種類によって基準が違い、日常生活でどのような援助を受けているかも判断の材料になります。自分で判断せず、主治医や年金事務所に相談してから決めてください。
受給の3つの要件
障害基礎年金を受け取るには、次の3つの要件をすべて満たす必要があります。日本年金機構の「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」のページを整理すると、次のとおりです。
1つ目は、初診日の要件です。初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。この初診日が、国民年金の加入期間中か、20歳前(年金制度に加入していない期間)か、日本国内に住む60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間のいずれかにあることが必要です。
2つ目は、障害の状態の要件です。障害認定日(後で説明します)に、障害等級表の1級または2級に該当していることが必要です。障害認定日以後に20歳になった場合は、20歳に達した日に該当しているかで判断されます。
3つ目は、保険料納付要件です。日本年金機構は次のように定めています。
初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。 ただし、初診日が令和18年3月末日までのときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。 出典: 日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
つまり、加入期間の3分の2以上を納めているか免除を受けているか、または直近1年間に未納がないか、のどちらかを満たせばよいということです。ここでいう「保険料免除期間」には、学生納付特例の承認を受けた期間も含まれます。そして、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、この納付要件そのものが不要です。
初診日が20歳前か後かで、扱いが大きく変わる
学生の障害基礎年金を考えるとき、最初に確かめるのが初診日の時期です。
| 初診日の時期 | 保険料納付要件 | 所得による支給制限 |
|---|---|---|
| 20歳前(年金制度に加入していない期間) | 不要 | あり |
| 20歳以後(国民年金の加入期間中) | 必要(学生納付特例の期間は納付要件の対象期間になる) | なし |
日本に住む人は、20歳になると国民年金に加入します。20歳前は年金制度に加入していない期間なので、保険料を納める義務もなく、納付要件も問われません。高校生や大学1年生のうちに初診日がある場合は、多くがこちらに当たります。
一方、20歳になった後は国民年金の被保険者です。学生であっても保険料を納めるか、学生納付特例を申請していなければ、その期間は未納になります。20歳以後に初診日がある学生は、この納付要件を満たしているかが受給を左右します。
注意したいのは、初診日は「障害の原因となった病気やけがで初めて診療を受けた日」であって、障害の診断を受けた日や、障害者手帳を受け取った日ではないという点です。たとえば19歳で体調を崩して内科を受診し、21歳になってから専門の病院で診断がついた場合、初診日は19歳のときの内科の受診日になる可能性があります。初診日の判断は事情によって変わるので、年金事務所で確認してください。
20歳前の傷病による障害基礎年金
初診日が20歳前にある場合の障害基礎年金は、「20歳前の傷病による障害基礎年金」と呼ばれます。保険料を納めていない時期の傷病なので、ほかの障害基礎年金とは違う決まりがあります。
いつから受け取れるか
障害認定日が20歳になる前にある場合は、20歳に達した日に障害の状態にあれば、20歳に達した日の翌月分から受け取れます。障害認定日が20歳以後にある場合は、障害認定日の翌月分からです。在学中に20歳を迎える学生は、20歳になる時期にあわせて請求の準備を進めることになります。
所得による支給制限
20歳前の傷病による障害基礎年金には、本人の前年の所得による支給制限があります。日本年金機構によれば、前年の所得額が3,858,000円を超える場合は年金額の2分の1が支給停止となり、4,918,000円を超える場合は全額が支給停止となります。扶養親族がいる場合は、1人につき38万円(年齢などによって48万円や63万円)が所得制限額に加算されます。
支給停止となる期間は、10月から翌年9月までです。毎年、前年の所得が確認されます。学生のうちはこの所得制限に当たることはまれですが、卒業して就職し、収入が増えたときには関係してきます。
そのほかの支給制限
恩給や労災保険の年金などを受け取っている場合は、その額に応じて障害基礎年金が調整されます。また、海外に住んだときや刑務所などの矯正施設に入所した場合は、全額が支給停止となります。留学で海外に住む場合は、この点に注意が必要です。
20歳以後に初診日がある学生と、学生納付特例
20歳以後に初診日がある学生にとって、もっとも大事なのが学生納付特例です。学生納付特例とは、在学中の学生が申請することで、国民年金保険料の納付を猶予してもらえる制度のことです。
日本年金機構は、学生納付特例の承認を受けている期間は、保険料納付済期間と同様に障害基礎年金の要件の対象期間になると説明しています。つまり、学生納付特例を申請しておけば、保険料を1円も納めていなくても、障害基礎年金の納付要件では納めた期間と同じように扱われるということです。
申請が遅れると要件に数えられない
ここが最大の落とし穴です。学生納付特例は2年1カ月前までさかのぼって申請できますが、日本年金機構は、学生納付特例の申請が遅れると、申請日より前に生じた事故や病気による障害について、障害基礎年金を受け取ることができない場合があると注意しています。納付要件は「初診日の前日」の時点で判断されるため、初診日の後に慌てて申請しても、その分は数えてもらえないのです。
未納のままだとどうなるか
たとえば20歳になってから一度も保険料を納めず、学生納付特例も申請しないまま21歳で初診日を迎えた学生を考えます。加入期間のほとんどが未納なので、3分の2の要件は満たせません。直近1年間にも未納があるので、もう1つの要件も満たせません。この場合、障害基礎年金は受け取れない可能性が高くなります。
反対に、20歳になってすぐ学生納付特例を申請していた学生なら、同じ時期に初診日を迎えても、納付要件を満たします。手続き1つで結果がこれほど変わるので、20歳になったら学生納付特例をすぐに申請すること、そして毎年度の申請を忘れないことが何より大切です。
学生の間にしておく保険料の手続き
20歳以後に初診日がある場合の受給を左右するのは、在学中の保険料の手続きです。改めて、学生の間にしておくべき手続きを整理します。
20歳になったら届く書類を確認する
日本年金機構によれば、日本国内に住む人は20歳になると国民年金の被保険者になり、20歳になってからおおむね2週間以内に、基礎年金番号通知書、国民年金加入のお知らせ、保険料の納付書、学生納付特例の申請書などが届きます。約2週間たっても届かない場合は、住所地の市区役所・町村役場か年金事務所で加入の手続きが必要です。保険料は、20歳の誕生日の前日が含まれる月の分からかかります。
学生納付特例を申請する
学生納付特例の対象は、大学(大学院)、短期大学、高等専門学校、専修学校、一定の各種学校などに在学する学生で、夜間・定時制課程や通信課程の学生も含まれます。審査されるのは本人の前年所得だけで、基準は「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」です。家族の所得は問われません。
申請先は、住民登録をしている市区役所・町村役場の国民年金担当窓口、年金事務所、または学生納付特例事務法人の指定を受けている学校です。郵送やマイナポータルからの電子申請もできます。在学証明書か学生証の写しと、基礎年金番号がわかる書類かマイナンバーカードを用意します。
毎年度の申請を忘れない
学生納付特例の年度は4月から翌年3月までです。年度ごとに申請が必要なので、1年生のときに申請して終わり、ではありません。申請が途切れた年度は未納になり、その間に初診日があると納付要件を満たせない可能性があります。毎年4月に申請する、と決めておくのが確実です。
家族が保険料を納めている場合
親などが保険料を代わりに納めている場合は、その期間は保険料納付済期間になり、学生納付特例を申請する必要はありません。国民年金の保険料は、世帯主にも連帯して納付する義務があるとされています。ただし、親が納めているつもりで実際には納付が途切れていた、ということもあるので、ねんきんネットや年金事務所で自分の納付記録を一度確認しておくと安心です。
学生によくある3つのケース
ここまでの内容を、学生によくある3つのケースに当てはめてみます。いずれも考え方を示すための例で、実際の判断は年金事務所で確認してください。
ケース1:高校3年生の19歳でけがをした
19歳のときに事故でけがをして初めて受診した場合、初診日は20歳前の年金制度に加入していない期間にあります。保険料納付要件は問われません。障害認定日が20歳前にあれば、20歳に達した日に障害の状態にあるかで判断され、該当すれば20歳に達した日の翌月分から受け取れます。この場合は20歳前の傷病による障害基礎年金になるので、卒業後に就職して所得が増えると、所得による支給制限に当たる可能性があります。
ケース2:大学3年生の21歳で病気を発症した
20歳になってすぐ学生納付特例を申請し、毎年度の申請を続けていた学生が、21歳で病気を発症し初めて受診したとします。初診日は国民年金の加入期間中なので、納付要件が問われます。学生納付特例の承認を受けている期間は保険料納付済期間と同様に対象期間になるので、初診日の前々月までの加入期間がすべて学生納付特例の期間であれば、3分の2の要件を満たします。障害認定日(原則として初診日から1年6カ月後)に障害の状態に当たれば、請求できます。
ケース3:学生納付特例を申請しないまま21歳で受診した
同じ21歳での発症でも、20歳から保険料を納めず、学生納付特例も申請していなかった場合は、加入期間のほとんどが未納です。3分の2の要件も、直近1年間に未納がないという要件も満たせず、障害基礎年金を受け取れない可能性が高くなります。受診した後に学生納付特例をさかのぼって申請しても、初診日の後の申請は納付要件には数えられません。ケース2との違いは、手続きをしていたかどうかだけです。
障害認定日と、請求の2つの方法
障害基礎年金を請求するときに知っておきたいのが、障害認定日です。
障害認定日とは
障害認定日とは、障害の状態を定める日のことです。日本年金機構の年金用語集によれば、原則として初診日から1年6カ月を過ぎた日、または1年6カ月以内にその病気やけがが治った場合(症状が固定した場合)はその日をいいます。人工透析を始めた場合や人工関節を入れた場合など、1年6カ月以内でも特定の日が障害認定日になる場合があります。
障害認定日による請求
障害認定日に障害の状態にあるときは、障害認定日の翌月分から(障害認定日以後に20歳になったときは、20歳に達した日の翌月分から)年金を受け取れます。請求書は障害認定日以降いつでも提出できますが、さかのぼって受け取れる年金は、時効により5年分が限度です。
事後重症による請求
障害認定日には障害の状態に該当しなかった人でも、その後症状が悪化して障害の状態になったときは、請求日の翌月分から年金を受け取れます。これを事後重症による請求といいます。請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があります。請求した日の翌月分からの受け取りになるので、請求が遅くなると、その分だけ受け取り始める時期も遅くなります。
学生の場合、治療や学業に追われて請求が後回しになりがちです。しかし事後重症による請求では、請求が1か月遅れれば受け取りも1か月遅れます。障害の状態に当たる可能性があるとわかったら、早めに相談を始めることが大切です。
請求までの流れを時系列で整理する
障害基礎年金の請求は、思い立ってすぐに出せるものではなく、いくつかの段階を踏みます。大まかな流れは次のとおりです。
- 初診日を確かめる。いつ、どの医療機関で初めて受診したかを整理し、受診の記録や診察券を集める
- 年金事務所で納付要件を確認する。20歳以後に初診日がある場合は、初診日の前日時点での納付状況や学生納付特例の承認状況を確認してもらう
- 障害認定日を確かめる。原則として初診日から1年6カ月を過ぎた日で、それまでに症状が固定した場合などはその日になる
- 書類をそろえる。初診の医療機関に受診状況等証明書を、今の主治医に診断書を依頼し、病歴・就労状況等申立書を自分で書く
- 年金請求書を提出する。提出先は原則として住所地の市区町村役場
- 審査を待つ。結果は通知され、受給が決まれば年金証書が届く
- 受給が決まったら、法定免除の届出をする
この中で時間がかかりやすいのは、1つ目の初診日の確認と、4つ目の書類集めです。診断書は所定の様式で、障害認定日より3カ月以内の現症のものが必要なので、受診のタイミングも関係します。病歴・就労状況等申立書は、発症から現在までの経過や、日常生活や学業でどのような制限があるかを書く書類です。学生の場合は、授業への出席や通学の状況、家族の援助の内容などを具体的に書くことになります。
20歳前の傷病の場合は、20歳になる時期から逆算して準備を始めると、20歳に達した日の翌月分からの受け取りに間に合わせやすくなります。
請求の手続きと必要な書類
障害基礎年金の請求は、「年金請求書(国民年金障害基礎年金)」を提出して行います。請求書は住所地の市区町村役場、年金事務所、街角の年金相談センターの窓口に備え付けられています。
主な書類
日本年金機構が案内している主な添付書類は次のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 戸籍謄本・住民票など | 生年月日を確認するため(マイナンバーが登録されていれば原則不要) |
| 医師の診断書 | 所定の様式。障害認定日より3カ月以内の現症のもの |
| 受診状況等証明書 | 初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が違う場合に、初診日を確認するため |
| 病歴・就労状況等申立書 | 障害の状態を確認するための補足資料 |
| 受取先金融機関の通帳など | 本人名義のもの(公金受取口座を使う場合は不要) |
| 本人の所得証明書 | 20歳前障害の場合(マイナンバーの記入で省略可) |
障害認定日と請求日が1年以上離れている場合は、直近の診断書(請求日前3カ月以内の現症のもの)も必要です。身体障害者手帳や療育手帳を持っている場合は、補足資料として使えることがあります。
提出先
提出先は、住所地の市区町村役場の窓口です。ただし、初診日が国民年金第3号被保険者の期間中にある場合は、年金事務所か街角の年金相談センターになります。学生の多くは第1号被保険者か、20歳前の傷病なので、市区町村役場に提出するケースが中心です。書類の準備で迷うことが多いので、事前に年金事務所で相談しておくと手戻りが少なくなります。
受給が決まったら、在学中の保険料は法定免除に
障害基礎年金(1級または2級)を受けるようになると、国民年金の保険料は「法定免除」になります。法定免除とは、法律で定められた事情に当てはまる人について、申請の審査なしに保険料が免除される仕組みのことです。
日本年金機構によれば、障害基礎年金や被用者年金の障害年金(2級以上)を受けている人は、認定された日を含む月の前月の保険料から免除となります。手続きとして、「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を住民登録をしている市区役所・町村役場の国民年金担当窓口に提出します。日本年金機構は、年金証書が届いたら市区役所または町村役場に相談するよう案内しています。
法定免除の期間の老齢基礎年金の額は、平成21年4月以降の期間について1か月を2分の1で計算します。さかのぼって法定免除の要件に該当した場合、該当した日以降に納めた保険料は原則として返還されます。その期間の年金額を満額にしたい場合は、追納することもできます。
学生納付特例を受けていた学生が障害基礎年金を受けるようになったら、学生納付特例から法定免除に切り替わると考えてください。法定免除の期間は老齢基礎年金の額に2分の1が反映されるので、年金額に反映されない学生納付特例よりも、将来の年金の面では有利な扱いになります。
卒業して働き始めるときに確かめること
在学中に障害基礎年金を受けるようになった人も、卒業後は就職や在宅での仕事など、さまざまな形で働き始めます。そのときに年金の面で確かめておきたい点を整理します。
20歳前の傷病なら、所得による支給制限
20歳前の傷病による障害基礎年金を受けている人は、働いて所得が増えると、所得による支給制限の対象になることがあります。前年の所得が3,858,000円を超えると2分の1、4,918,000円を超えると全額が、10月から翌年9月まで支給停止になります。ここでいう所得は年収ではなく、給与なら給与所得控除を差し引いた後の金額です。扶養親族がいれば制限額は上がります。毎年、前年の所得が確認されるので、収入が大きく変わった年は翌年10月からの支給額が変わる可能性があると覚えておいてください。
法定免除の届出
会社に就職して厚生年金に加入すると、国民年金の第2号被保険者になり、国民年金の保険料を自分で納める必要はなくなります。在宅の仕事などで第1号被保険者のまま働く場合は、引き続き法定免除の対象です。法定免除の要件に当てはまらなくなったときは、「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を市区役所・町村役場に提出します。
学生納付特例の期間の追納
障害基礎年金を受ける前に学生納付特例を受けていた期間は、老齢基礎年金の額には反映されていません。10年以内であれば追納できるので、将来の老齢基礎年金も考えて、余裕ができたら追納を検討する選択肢もあります。法定免除の期間についても、追納することで年金額を満額に近づけられます。障害基礎年金と老齢基礎年金の関係は個別の事情で変わるので、追納するかどうかは年金事務所で相談してから決めてください。
初診日の証明でつまずかないために
障害基礎年金の請求でもっとも苦労することが多いのが、初診日の証明です。初診日によって、20歳前の傷病として扱われるか、納付要件が問われるかが決まり、障害認定日もそこから計算されます。
初診日を証明する書類が受診状況等証明書です。初めて受診した医療機関と、今かかっている医療機関が違う場合に、初めて受診した医療機関に書いてもらいます。学生時代の受診から年月が経つと、医療機関が閉院していたり、記録が残っていなかったりして、証明書を取るのが難しくなることがあります。
学生のうちにできる備えとしては、受診した医療機関の名前と時期をメモしておく、診察券やお薬手帳、領収書を保管しておく、といったことが挙げられます。これらは初診日を確認するための参考資料になる場合があります。どの資料が使えるかは個別の事情によって変わるので、年金事務所で確認してください。
相談の現場では、学生時代に一度だけ受診した病院が初診日だったとわかり、その病院の記録を探すのに苦労したという話をよく聞きます。今は元気でも、受診の記録を残しておくことは自分を守る備えになります。
相談先と、学業や仕事との両立
障害基礎年金の請求は、書類が多く、判断の難しい点もあります。主な相談先は、お近くの年金事務所と街角の年金相談センターです。市区町村役場の国民年金担当窓口でも、請求書の受け取りや基本的な案内を受けられます。請求の代理や書類作成の支援を社会保険労務士に依頼する人もいます。依頼する場合は、費用や支援の範囲を事前に確認してください。
相談に行くときは、基礎年金番号通知書やマイナンバーカード、学生証、受診した医療機関の名前と時期を書き出したメモ、診察券やお薬手帳などを持っていくと、初診日や納付要件の確認が進めやすくなります。家族が付き添って説明を補うのもよい方法です。本人が体調の都合で窓口に行けない場合の手続きも含めて、まずは電話で相談の進め方を聞いてみてください。
障害基礎年金を受け取りながら学業を続け、卒業後に働く人も少なくありません。障害の状態や働き方は人によって違うので、就労と年金の関係は年金事務所や主治医とよく相談しながら考えていくことになります。
在宅でできる仕事は、通院や体調にあわせて働く時間を調整しやすいのが特長です。たとえば文章を書く仕事なら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で職種全体の年収や単価の水準が整理されています。プログラミングを学んでいる学生は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場で開発の仕事の相場を確認できます。
在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、体調に波がある人ほど、仲介の手数料がかからない直接取引で発注者と長く付き合える関係をつくり、無理のない量の仕事を安定して受けている印象があります。手取りが厚ければ、受ける仕事の量を抑えても生活を組み立てやすくなります。
在宅で受けられる仕事の内容を知りたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で、生成AIの導入支援や業務改善の仕事がどのようなものかを確認できます。文書作成の力を形にしたい人には、ビジネス文書検定の試験の内容や活かせる場面をまとめたページも参考になります。
学生のうちに障害を負っても、初診日の時期と保険料の手続き次第で、障害基礎年金を受け取れる道はあります。20歳になったら学生納付特例を申請し、毎年度の申請を続けること。そして受診の記録を残しておくこと。法律は、手続きをした人の味方です。
よくある質問
Q. 学生でも障害基礎年金は受け取れますか?
受け取れます。初診日の要件、障害の状態の要件、保険料納付要件の3つを満たせば、学生でも障害基礎年金が支給されます。初診日が20歳前にある場合は保険料納付要件が不要です。20歳以後に初診日がある場合は、学生納付特例の承認を受けていればその期間は納付要件の対象期間になります。
Q. 学生納付特例を申請していなかった場合、後から申請すれば間に合いますか?
学生納付特例は2年1カ月前までさかのぼって申請できますが、初診日より後に申請した分は障害基礎年金の納付要件に数えられません。納付要件は初診日の前日の時点で判断されるためです。20歳になったらすぐに申請し、毎年度の申請を続けておくことが大切です。
Q. 20歳前に初診日がある障害基礎年金には所得制限がありますか?
あります。本人の前年所得が3,858,000円を超えると年金額の2分の1が、4,918,000円を超えると全額が支給停止になります。扶養親族がいる場合は所得制限額が加算されます。支給停止の期間は10月から翌年9月までで、毎年前年の所得が確認されます。
Q. 障害基礎年金を受けるようになったら在学中の保険料はどうなりますか?
障害基礎年金の1級または2級を受けるようになると、国民年金保険料は法定免除になります。認定された日を含む月の前月分から免除され、住民登録をしている市区役所・町村役場に国民年金保険料免除事由該当届を提出します。法定免除の期間は老齢基礎年金の額に2分の1が反映されます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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