就労継続支援A型で受け取る収入の扱い|年金や手当との関わり

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就労継続支援A型で受け取る収入の扱い|年金や手当との関わり

この記事のポイント

  • ✓就労継続支援A型で受け取る収入は雇用契約にもとづく賃金です
  • ✓手取りに影響する保険料と税金
  • ✓障害年金との関係と20歳前障害の所得制限

就労継続支援A型で働き始める前、あるいは働き始めてから、「この収入で年金は止まらないか」「税金や保険料はどうなるのか」と不安になる人は少なくありません。就労継続支援A型の収入は、ほかの制度とつながっている部分が多く、全体像が見えにくいからです。

この記事では、就労継続支援A型で受け取る収入がどのような性格のお金なのかを出発点に、平均的な金額、手取りに影響する保険料と税金、事業所の利用料、障害年金や生活保護との関係を順に整理します。数字は、厚生労働省と日本年金機構が公開している資料で確認しています。

先に結論を書くと、A型で受け取るお金は、事業所と雇用契約を結んで働いた対価としての「賃金」です。障害年金は、20歳前に初診日がある場合の所得制限を除けば、A型の賃金を理由に減らされる仕組みにはなっていません。ただし、生活保護を受けている人は収入として申告が必要で、保護費の額に影響します。個別の事情で扱いが変わる部分もあるので、最後は窓口で確かめることが大切です。

就労継続支援A型で受け取るお金は「賃金」

就労継続支援とは、一般の企業で働くことが難しい障害のある人に、働く場と、知識や能力を高めるための訓練を提供する福祉サービスのことです。A型とB型の2つがあります。

厚生労働省の障害福祉サービスのパンフレットでは、2つの違いを次のように説明しています。A型は雇用契約を結ぶ「雇用型」、B型は雇用契約を結ばない「非雇用型」です。

この違いが、受け取るお金の性格を決めます。A型では事業所と雇用契約を結ぶので、受け取るお金は働いた対価としての「賃金」になります。会社員やアルバイトの給料と同じ扱いです。一方、B型では雇用契約がないので、受け取るお金は生産活動の成果を分けた「工賃」と呼ばれます。

賃金であるということは、次のようなことを意味します。

・都道府県ごとに決められた最低賃金以上が支払われる
・給与明細が出て、所得税や住民税の計算では給与として扱われる
・勤務時間などの条件を満たせば、雇用保険や健康保険、厚生年金にも加入する
・仕事中のけがは労災保険の対象になる

厚生労働省は、A型の利用者の最低賃金と賃金の引き上げに向けた支援策をまとめた資料も公開しています。A型が「働く場」であると同時に「雇用」であることが、制度の前提になっています。

最低賃金は毎年秋ごろに改定され、都道府県ごとに金額と改定の日が違います。時給がいくらになるかは、事業所のある都道府県の最低賃金を確認してください。

平均賃金は月額9万円台、働く時間で大きく変わる

A型で受け取る賃金の水準は、厚生労働省が毎年公表している「工賃(賃金)の実績」で確認できます。令和6年度の実績では、A型事業所の平均賃金月額は91,451円でした。前年度の86,752円から105.4%に上がっています。集計の対象となったA型事業所は4,220か所です。

この平均賃金には、何が含まれているのでしょうか。厚生労働省は、集計の範囲を次のように説明しています。

工賃、賃金、給与、手当、賞与その他名称を問わず、事業者が利用者に支払うすべてのもの。 出典: mhlw.go.jp

つまり、手当や賞与も含めた、支払われたお金の総額をもとにした平均です。保険料や税金が差し引かれる前の金額なので、実際に口座に振り込まれる手取りはこれより少なくなります。

平均はあくまで目安で、個人の賃金は働く時間で大きく変わります。A型の働き方について、医療・福祉の求人情報を扱う会社の解説は次のように書いています。

1日の労働時間は、事業所や利用者によって違いがありますが、おおむね4時間から6時間の間で働いています。1週間に20時間以上働いている人が多いのですが、1日4時間程度の人が最も多いようです。 出典: co-medical.com

時給が最低賃金の水準だとすると、賃金は「時給×1日の時間×日数」でほぼ決まります。1日4時間で月20日働く場合と、1日6時間で月22日働く場合では、月の賃金に1.5倍以上の差が出ます。体調と相談しながら、無理のない時間を事業所と決めることが、収入を安定させる近道です。

たとえば時給を1,100円と仮定すると、1日4時間で月20日働く場合の月の賃金は88,000円、1日6時間で月22日働く場合は145,200円になります。実際の時給は事業所のある都道府県の最低賃金と事業所の条件で決まるので、自分の時給に置き換えて計算してみてください。

なお、B型の令和6年度の平均工賃月額は24,141円で、A型とは4倍近い開きがあります。雇用契約の有無が、収入の水準にもはっきり表れています。

手取りに影響する社会保険料と雇用保険

A型の賃金からは、条件によって社会保険料が差し引かれます。どの保険に入るかは、働く時間や事業所の規模で決まります。

雇用保険は、一般に、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上働く見込みがあれば加入します。A型では週20時間以上働く人が多いので、加入している人も多くいます。雇用保険に入っていると、事業所を辞めたときに条件を満たせば失業中の給付を受けられます。保険料は賃金に応じた少額で、令和8年度の一般の事業の労働者負担は1,000分の5です。

健康保険と厚生年金は、パートタイムで働く人の場合、勤務時間や賃金、事業所の規模などの条件を満たすと加入します。この条件は段階的に見直されているので、自分が加入の対象になるかは事業所に確認してください。加入すると、保険料が賃金から差し引かれる代わりに、病気で働けない間の傷病手当金や、将来の厚生年金を受け取れるようになります。

健康保険と厚生年金に加入しない場合は、国民健康保険と国民年金に自分で加入します。国民年金は、障害基礎年金の1級か2級を受けている人は、保険料が法定免除になります。日本年金機構は、障害基礎年金または障害厚生年金の1級か2級を受けている人について、国民年金第1号被保険者であれば年金証書が届いたら市区町村の窓口に相談するよう案内しています。

手取りがいくらになるかは、加入する保険の組み合わせで変わります。給与明細の控除の欄を見て、何が差し引かれているかを一度確かめておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

所得税と住民税、障害者控除の扱い

A型の賃金は給与なので、所得税と住民税の計算でも給与所得として扱われます。

所得税は、年間の給与の額が一定を下回ればかかりません。国税庁の令和8年分の基準では、給与所得控除の最低額が74万円、合計所得132万円以下の人の基礎控除が104万円なので、給与の収入だけなら年178万円までは所得税がかからない計算になります。A型の平均賃金月額は9万円台なので、平均的な働き方であれば、所得税はかからないことが多い水準です。

事業所では、毎月の給与から所得税が仮に差し引かれていることがあります。年末調整で精算されるので、年の途中で辞めた人や、複数の勤め先がある人は、確定申告をすると差し引かれた分が戻る場合があります。

障害のある人は、税金の計算で「障害者控除」を受けられます。障害者控除とは、障害のある人やその家族の税負担を軽くするために、所得から一定額を差し引く仕組みのことです。国税庁の案内(令和8年4月1日現在の法令)では、控除額は障害者が27万円、特別障害者が40万円、同居している特別障害者を扶養している場合は75万円です。障害者手帳を持っている場合は、年末調整の申告書に記入するのを忘れないようにしましょう。

住民税は、障害のある人について所得が一定以下なら課税されない仕組みがありますが、基準は市区町村ごとの扱いも含めて確認が必要です。住んでいる市区町村の税務の窓口で確かめてください。なお、住民税は前の年の所得をもとに計算されるので、働き始めた年ではなく、その翌年度から課税されるのが一般的です。急に給与からの差し引きが始まって驚かないよう、覚えておきましょう。

給与明細で確かめておきたい項目

A型の賃金は雇用契約にもとづく給与なので、毎月の給与明細で中身を確かめることができます。制度との関係を把握するためにも、次の項目を見る習慣をつけておきましょう。

1つ目は、総支給額です。基本の賃金に、手当や賞与を加えた、差し引かれる前の金額です。障害年金の所得制限や、健康保険の扶養の判断、税金の計算は、この金額をもとにした数字で行われます。

2つ目は、時給と勤務時間です。時給が事業所のある都道府県の最低賃金を下回っていないか、記録された勤務時間が実際に働いた時間と合っているかを確かめます。最低賃金が秋に改定された後は、時給が新しい金額に変わっているかも確認しましょう。

3つ目は、差し引かれている保険料と税金です。雇用保険料、健康保険料、厚生年金保険料、所得税、住民税のうち、何が差し引かれているかを見ます。加入していると思っていた保険の保険料が差し引かれていない場合や、その逆の場合は、事業所に理由を聞いてみましょう。

4つ目は、有給休暇の残り日数です。A型の利用者は雇用契約を結んだ労働者なので、勤務の条件を満たせば年次有給休暇が与えられます。体調を崩したときに賃金を減らさずに休めるよう、残り日数を把握しておくと安心です。

給与明細は、生活保護の収入の申告や、年金の手続き、扶養の確認などで提出を求められることがあります。少なくとも1年分は保管しておきましょう。

事業所の利用料の上限と、世帯の範囲

A型は福祉サービスでもあるので、雇用契約を結んで賃金を受け取る一方で、サービスの利用料がかかる場合があります。

障害福祉サービスの利用料は、所得に応じて1か月あたりの負担の上限が決まっています。厚生労働省のパンフレットでは、次の4つの区分が示されています。

区分 世帯の収入状況 負担上限月額
生活保護 生活保護を受けている世帯 0円
低所得 市町村民税が非課税の世帯 0円
一般1 市町村民税が課税で、所得割16万円未満の世帯 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

ここでいう世帯は、住民票の世帯とは違います。パンフレットでは、18歳以上の障害のある人の場合、所得を判断する世帯の範囲は「障害のある人とその配偶者」とされています。親と同居していても、親の収入は判断に含まれません。

A型の平均的な賃金の水準なら、本人と配偶者の市町村民税が非課税の世帯にあたることが多く、その場合は利用料の負担は0円です。ただし、配偶者に収入がある場合などは、一般1や一般2にあたることがあります。

利用料の区分は、市区町村が発行する受給者証に書かれています。賃金が増えて課税されるようになると区分が変わることもあるので、受給者証の更新のたびに確認しておきましょう。

家族の扶養に入っている場合の、健康保険と税金への影響

A型で働く人の中には、親や配偶者の健康保険の扶養に入っている人もいます。賃金が増えると扶養から外れることがあるので、基準を知っておきましょう。

まず、健康保険の扶養です。日本年金機構の案内では、会社員の健康保険の被扶養者になれる収入の基準は、年間収入130万円未満で、60歳以上の人や障害者の場合は年間収入180万円未満とされています。同居している場合は、収入が扶養している人の収入の半分未満であることも条件です。

ここで注意したいのは、年間収入に含まれるものです。同じ案内では、雇用保険の失業給付や公的年金、健康保険の傷病手当金なども被扶養者の収入に含まれると書かれています。障害年金も公的年金なので、A型の賃金と障害年金を合わせた額で判断されます。障害年金を受けている人は、賃金だけを見て安心しないようにしましょう。

年間収入は、過去の実績ではなく、これから1年間に見込まれる収入で判断されます。給与の収入の場合、月額108,333円以下であれば130万円未満の基準を満たすと案内されています。障害者の180万円未満の基準なら、月額にするとおよそ15万円です。

次に、税金の扶養です。親が税金の計算で扶養控除を受けるには、扶養される人の年間の合計所得金額が一定以下である必要があります。国税庁の案内では、令和8年分からは合計所得金額62万円以下で、給与の収入だけなら年136万円以下にあたります。扶養される人が障害者であれば、親は扶養控除に加えて障害者控除も受けられます。

健康保険と税金では基準の金額も数え方も違います。賃金が増えそうなときは、扶養している家族の勤め先や、税務署に早めに確認しておくと安心です。

障害年金とA型の賃金の関係

A型で働く人の多くが気にするのが、障害年金への影響です。ここは2つに分けて考える必要があります。

1つ目は、年金の額そのものが、賃金によって減らされるかどうかです。障害基礎年金は、原則として本人の収入によって額が減る仕組みにはなっていません。日本年金機構の案内では、令和8年4月分からの障害基礎年金の額は、1級が年1,059,125円、2級が年847,300円(いずれも昭和31年4月2日以後生まれの人)で、生計を維持している子がいる場合は加算があります。

厚生年金に加入している間に初診日がある場合は、障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されます。日本年金機構の案内によれば、障害の程度が2級に届かない軽いものでも、3級の障害厚生年金が支給されることがあります。A型で厚生年金に加入して働いている間に初診日のある病気やけがについても、この仕組みの対象になります。

例外は、20歳前に初診日がある病気やけがによる障害基礎年金です。20歳前は年金の保険料を納めていないため、本人の所得による支給制限が設けられています。次の節で詳しく書きます。

2つ目は、働いていることが、障害の状態の判断に影響するかどうかです。障害年金は、障害の状態が定められた等級にあたるかどうかで受給が決まり、更新の際にも状態が確認されます。日本年金機構が公開している障害認定基準では、知的障害の認定について次のように定めています。

就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。 したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。 出典: nenkin.go.jp

精神の障害についても、同じ趣旨の定めがあります。働いているという事実だけで等級が判断されるのではなく、どんな援助や配慮を受けて働いているかが確認されます。A型で受けている支援の内容を、診断書を書く医師に伝えておくことが大切です。

20歳前に初診日がある場合の所得制限

20歳前に初診日がある病気やけがによる障害基礎年金には、本人の前年の所得による支給制限があります。日本年金機構の案内では、次のように定められています。

前年の所得額が3,858,000円を超える場合は年金の2分の1が支給停止、4,918,000円を超える場合は全額が支給停止になります。扶養親族がいる場合は、1人につき38万円などが制限額に加算されます。支給停止となる期間は、10月から翌年9月までです。

ここでいう所得は、給与の収入そのものではなく、給与所得控除などを差し引いた後の額です。A型の平均賃金月額91,451円を12か月分にすると、年間の給与の収入は110万円ほどです。この水準なら、所得は制限額を大きく下回るので、A型の賃金だけで支給が止まることは考えにくいといえます。

ただし、ほかにも収入がある場合や、一般の企業で働いて給与が大きく伸びた場合は、制限額に近づくことがあります。所得の計算に迷ったら、年金事務所に相談してください。所得による支給制限の詳細は、日本年金機構の20歳前の傷病による障害基礎年金のページで確認できます。

生活保護を受けている場合の収入の申告

生活保護を受けながらA型で働く人もいます。この場合、A型の賃金は収入として扱われ、保護費の額に影響します。

厚生労働省は、生活保護の仕組みを次のように説明しています。厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費から、年金や就労収入などの収入を引いた額を、保護費として毎月支給する。生活保護を受けている間は、収入の状況を毎月申告する。

つまり、A型で賃金を受け取ったら、その額を毎月、福祉事務所に申告する必要があります。申告をしないと、後から保護費の返還を求められることがあります。給与明細は捨てずに保管し、ケースワーカーに見せられるようにしておきましょう。

働いて得た収入のうち、どれだけが保護費の計算に反映されるかは、福祉事務所が個別に計算します。働いた分だけ保護費が減って意味がない、と思い込んで働くことをあきらめる前に、自分の場合の計算をケースワーカーに確かめてみてください。

障害年金を受けている場合も、年金は収入として扱われます。生活保護の制度は、年金や手当など他の制度で受けられるものをまず活用することが前提になっています。

A型で働く収入と、ほかの支援制度の組み合わせ

A型の賃金だけで生活費のすべてをまかなうのは、平均的な働き方では難しいのが実情です。生活の安定には、ほかの制度との組み合わせを考えることになります。

主な選択肢は次のとおりです。

障害年金は、要件を満たしていれば、A型の賃金と合わせて受け取れます。まだ請求していない人は、初診日や保険料の納付状況を確認したうえで、年金事務所に相談してみましょう。

障害福祉サービスの利用料は、所得に応じた上限があり、市町村民税が非課税の世帯なら0円です。

自立支援医療は、精神疾患の通院などの医療費の自己負担を軽くする制度です。所得に応じて1か月あたりの負担の上限が決まっています。

生活保護は、ほかの制度を使っても最低生活費に届かない場合の最後の支えです。A型で働きながら受けることもできます。

税金の面では、障害者控除を受けることで、所得税や住民税の負担を軽くできます。

どの制度をどう組み合わせるかは、収入の額や家族の状況によって変わります。事業所の支援員や、市区町村の障害福祉の窓口、相談支援事業所に相談すると、自分に合った組み合わせを一緒に考えてもらえます。相談支援事業所とは、障害福祉サービスを使うための計画づくりや、利用に関する相談を受け持つ事業所のことです。年金については年金事務所、税金については税務署、生活保護については福祉事務所と、制度ごとの窓口も覚えておくと、聞きたいことを迷わずに尋ねられます。

収入が増えたときに見直しが必要になる手続き

A型で働く時間が伸びたり、時給が上がったりして収入が増えると、いくつかの手続きや区分が変わることがあります。慌てないよう、見直しが必要になるものを整理しておきます。

1つ目は、障害福祉サービスの利用料の区分です。本人や配偶者が市町村民税を課税されるようになると、利用料の上限が0円から9,300円などに変わることがあります。区分は受給者証の更新の際に見直されるので、更新の通知が届いたら内容を確かめましょう。

2つ目は、健康保険の扶養です。先に書いたとおり、障害年金と賃金を合わせた年間の見込み収入が基準を超えると、家族の健康保険の扶養から外れ、自分で健康保険に加入する必要が出てきます。

3つ目は、税金の扶養です。親が受けている扶養控除の条件から外れると、親の税金が増えることがあります。年末調整の前に、年間の収入の見込みを家族に伝えておくと、手続きの誤りを防げます。

4つ目は、20歳前に初診日がある障害基礎年金の所得制限です。前年の所得が制限額を超えると、10月分から翌年9月分までの年金の一部または全部が止まります。A型の賃金だけで超えることは考えにくいものの、ほかの収入がある人は注意が必要です。

5つ目は、生活保護の収入の申告です。収入が増えた月は、その分を申告します。

どの手続きも、収入が増えたこと自体を責められるものではありません。働く力が伸びた結果として、制度の側の扱いが変わるだけです。分からないことは、事業所の支援員や市区町村の窓口に相談しながら進めれば十分です。

事業所を選ぶときに、収入の面で確かめたいこと

これからA型の事業所を探す人は、仕事の内容や通いやすさに加えて、収入に関わる条件も見学のときに確かめておきましょう。

1つ目は、1日と1週間の勤務時間です。勤務時間は月の賃金に直結し、雇用保険や健康保険の加入の条件にも関わります。自分の体調で続けられる時間と、事業所が用意している勤務時間が合っているかを確認します。

2つ目は、時給と、賞与や手当の有無です。多くの事業所では時給は最低賃金に近い水準ですが、手当や賞与の扱いは事業所によって違います。

3つ目は、加入できる保険です。雇用保険、健康保険、厚生年金に加入できるかどうかは、将来の給付にも関わります。

4つ目は、利用料以外にかかる費用です。昼食代や送迎の費用など、賃金から差し引かれたり、別に支払ったりするものがあるかを確かめます。

5つ目は、一般の企業への就職を支援する体制です。A型で経験を積んだあと、次の働き方へ進みたい人は、就職の支援の実績や方法も聞いておくとよいでしょう。

見学や体験の際に、こうした点を遠慮なく質問してかまいません。条件を書面でもらえるか聞いておくと、複数の事業所を比べやすくなります。

A型から次の働き方へ進むときの収入の考え方

A型で働く経験を積んだあと、一般の企業での就職を目指す人もいます。そのときの収入の変化も考えておきましょう。

一般の企業で働くと、勤務時間が長くなる分、賃金は増えることが多くなります。一方で、社会保険料や税金の負担も増え、障害福祉サービスとしての支援は受けられなくなります。

障害年金は、一般の企業で働いても、それだけで止まる仕組みではありません。ただし、20歳前に初診日がある人は、所得の制限額に近づくことがあります。また、更新の際には、どんな配慮を受けて働いているかが確認されます。

在宅で働く道もあります。文章の作成やデータの入力、デザインなど、在宅でできる仕事は、通勤の負担がなく、自分のペースで働きやすい面があります。ただし、業務委託の形で仕事を受ける場合は、A型のような雇用契約ではないので、最低賃金の保障や社会保険の加入はなく、税金も自分で申告することになります。

働き方を変えるときは、収入の額だけでなく、受けられる支援や保険がどう変わるかを、支援員や相談支援事業所と一緒に整理しておくと、移ったあとで慌てずに済みます。

A型の収入をめぐる、よくある思い込み

ここまでの内容を踏まえて、A型の収入についてよく聞かれる思い込みを、制度の記載に照らして整理しておきます。

1つ目は、「A型で働くと障害年金が減る」という思い込みです。障害基礎年金は、原則として本人の収入で額が減る仕組みではありません。所得による制限があるのは、20歳前に初診日がある場合の障害基礎年金で、その制限額は前年の所得で3,858,000円です。A型の平均的な賃金とは大きな開きがあります。

2つ目は、「A型もB型も受け取るお金の扱いは同じ」という思い込みです。A型は雇用契約にもとづく賃金で、最低賃金が適用され、条件を満たせば雇用保険や社会保険にも加入します。B型の工賃は雇用契約にもとづくものではなく、扱いが異なります。

3つ目は、「生活保護を受けていると働いても意味がない」という思い込みです。生活保護では、収入を申告したうえで、最低生活費から収入を引いた額が保護費として支給されます。働いた収入がどれだけ計算に反映されるかは個別に決まるので、まずはケースワーカーに確かめることが先です。

4つ目は、「平均賃金がそのまま自分の収入になる」という思い込みです。令和6年度の平均賃金月額91,451円は、手当や賞与を含み、保険料や税金を差し引く前の金額です。働く時間や事業所によって、実際の収入は平均から大きく離れます。

5つ目は、「利用料で賃金の大半が消える」という思い込みです。利用料には所得に応じた上限があり、本人と配偶者の市町村民税が非課税なら0円です。課税されている場合でも、1か月あたりの上限は9,300円または37,200円と決まっています。

思い込みのまま判断すると、受けられる支援を逃したり、必要のない心配で働く時間を減らしたりしかねません。迷ったときは、数字の根拠がある窓口に確かめてください。

運営者の視点から見た、無理なく続く働き方

フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、働く時間や場所を自分の状態に合わせて選べることは、障害のある人にとって仕事を続ける大きな条件です。A型で働く経験は、決まった時間に働き、仕事を最後まで仕上げるという、どの働き方にも通じる土台になります。

運営者として見てきた限りでは、長く続く人ほど、収入の額よりも「無理なく続けられるか」を優先して働き方を選んでいます。在宅の仕事に移った人でも、最初から多くを引き受けず、少しずつ仕事の量を伸ばしていく人のほうが、結果的に長く安定しています。

在宅で文章の仕事を目指す場合、収入の幅を公的な統計で確かめたい人は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。事務や文書作成の力を体系立てて身につけたい人には、ビジネス文書検定のような検定を目標にする方法もあります。

仲介の手数料が少ない取引ほど、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%で直接やりとりできる場は、少ない仕事量から始める人ほど効いてきます。どの働き方を選ぶ場合も、収入と制度の関係を一度整理してから一歩を踏み出してください。

よくある質問

Q. 就労継続支援A型の収入は給料ですか、工賃ですか?

A型は事業所と雇用契約を結ぶので、受け取るお金は働いた対価としての賃金です。最低賃金以上が支払われ、税金の計算でも給与として扱われます。雇用契約を結ばないB型で受け取るお金は工賃と呼ばれます。令和6年度の平均はA型が月額91,451円、B型が月額24,141円です。

Q. A型で働くと障害年金は止まりますか?

障害基礎年金は、原則として本人の収入によって額が減る仕組みではありません。例外は20歳前に初診日がある場合で、前年の所得が3,858,000円を超えると2分の1、4,918,000円を超えると全額が支給停止になります。A型の平均的な賃金なら制限額を大きく下回ります。更新の際は、どんな援助を受けて働いているかも確認されます。

Q. A型の利用料はかかりますか?

障害福祉サービスの利用料には所得に応じた上限があり、生活保護を受けている世帯と市町村民税が非課税の世帯は0円、課税世帯は9,300円または37,200円が1か月あたりの上限です。18歳以上の場合、判断に使う世帯の範囲は本人と配偶者で、親の収入は含まれません。

Q. 生活保護を受けながらA型で働けますか?

働けます。A型の賃金は収入として扱われるので、毎月福祉事務所に申告する必要があります。保護費は最低生活費から収入を引いた額で決まるため、賃金に応じて保護費の額が変わります。どれだけ反映されるかは個別に計算されるので、ケースワーカーに確認してください。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月24日最終更新:2026年10月2日
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SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方