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社会福祉士を活かせる仕事|分野ごとの働き方

@SOHO編集部
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社会福祉士を活かせる仕事|分野ごとの働き方

この記事のポイント

  • ✓社会福祉士を活かせる仕事を
  • ✓高齢者・医療・児童・障害・行政・司法・成年後見の分野ごとに整理
  • ✓法律で配置が決まっている職場

社会福祉士を活かせる仕事を調べる人の多くは、資格を取った、あるいは取ろうとしている段階で「この資格で実際にどんな職場に行けるのか」「介護の仕事とどう違うのか」が見えずに迷っています。社会福祉士は、相談に乗り、必要な支援につなぐ専門職の国家資格です。働く場所は高齢者の分野だけでなく、病院、児童相談所、障害のある人の支援、行政、司法、成年後見まで広がっています。

この記事では、法律で配置が決まっている職場、資格が任用の条件として使える仕事、組織の外で資格を生かす働き方を、条文と公的な統計で確かめながら分野ごとに整理します。自分に合う分野を選ぶための考え方と、分野を移るときの準備も合わせて説明します。

社会福祉士とはどんな資格か

社会福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法で定められた国家資格です。法律では、社会福祉士を次のように定義しています。

この法律において「社会福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者をいう。 出典: laws.e-gov.go.jp

言い換えると、生活に困りごとを抱えた人の相談に乗り、助言をし、福祉や医療のサービスにつなぎ、関係する人たちとの調整をする仕事です。法律ではこれを「相談援助」と呼んでいます。介護福祉士が体の介助を中心にした専門職であるのに対し、社会福祉士は相談と調整を中心にした専門職だと考えると違いがつかめます。

名称独占の資格であることの意味

社会福祉士は、同じ法律の第48条で「社会福祉士でない者は、社会福祉士という名称を使用してはならない」と定められています。これを名称独占といいます。資格がなくても相談援助の仕事そのものはできますが、「社会福祉士」と名乗れるのは登録した人だけです。医師や弁護士のように資格がないとできない仕事(業務独占)とは性格が違います。

この性格から、社会福祉士の資格は「資格がないと就けない仕事」より「資格があると採用や配置で有利になる仕事」「資格が任用の条件の1つになっている仕事」で生きる場面が多くなります。どの仕事でどう生きるのかを分野ごとに見ていきます。

登録している人の数

社会福祉振興・試験センターの登録者数の集計によると、社会福祉士の登録者は令和8年9月末時点で336,732人です。同じ時点の介護福祉士は2,117,045人で、社会福祉士はその6分の1ほどの規模にとどまります。資格を持つ人の数が限られている分、配置が求められる職場では資格を持つ人が求められ続けています。

高齢者の分野:地域包括支援センターと介護の事業所

社会福祉士が働く場所として最もよく知られているのが、高齢者の分野です。中でも、市町村が設けている地域包括支援センターは、社会福祉士の配置が省令で決められている職場です。

地域包括支援センターとは、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、介護・医療・生活の相談を一か所で受け付ける窓口のことです。介護保険法施行規則の第140条の66では、担当する区域の65歳以上の人の数がおおむね3,000人以上6,000人未満ごとに、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員をそれぞれ1人置くことを原則としています。3つの職種がそろって、健康、生活と権利、介護の計画という3つの面から高齢者を支える仕組みです。

地域包括支援センターでの仕事の中身

社会福祉士が中心になって担うのは、権利擁護と総合相談です。権利擁護とは、高齢者がお金をだまし取られたり、虐待を受けたりしないよう守る仕事のことです。具体的には次のような相談に対応します。

  • 一人暮らしの高齢者の生活全般の相談
  • 家族からの虐待が疑われるときの事実の確認と対応
  • 認知症でお金の管理が難しくなった人の成年後見制度の利用の支援
  • 消費者被害にあった高齢者の相談と関係機関への連絡

介護の事業所での相談職

特別養護老人ホームや介護老人保健施設、デイサービスなどには、生活相談員や支援相談員という職種があります。入所や利用の相談、家族との連絡、関係機関との調整を担う仕事で、社会福祉士は生活相談員の資格要件の1つとして扱われることが多い資格です。生活相談員の要件は自治体の条例で決まるため、細かい条件は勤務を考えている自治体の基準で確かめます。

医療の分野:医療ソーシャルワーカー

病院で働く社会福祉士は、医療ソーシャルワーカー(MSW)と呼ばれます。病気やけがで入院した人や家族が、治療費、退院後の暮らし、仕事への復帰などで困ったときに相談に乗る仕事です。

医療ソーシャルワーカーが扱う相談の代表例は次のとおりです。

  • 入院費や治療費の支払いが難しいときの、高額療養費などの制度の案内
  • 退院後に自宅へ戻るか、施設や別の病院へ移るかの調整
  • 介護保険や障害福祉のサービスを使うための手続きの支援
  • 病気で仕事を休む人の、職場や制度との調整

病院の相談職は、法律で資格が必須とされているわけではありませんが、求人の多くが社会福祉士の資格を条件にしています。退院の支援に関わる診療報酬の仕組みの中で、社会福祉士の配置が評価される項目があることも、病院が資格を持つ人を求める理由の1つです。医療の知識は働きながら身に付ける部分が大きいため、最初は経験の長い先輩のもとで学べる病院を選ぶ人が多くいます。

医療の分野が合う人

医療ソーシャルワーカーの仕事は、医師や看護師、リハビリの専門職と連携しながら、限られた入院期間の中で次の暮らしを決めていく仕事です。短い期間で多くの人と調整を重ねるため、段取りを組むのが得意な人、複数の立場の意見をまとめるのが苦にならない人に向いています。

児童・家庭の分野:児童相談所と児童福祉施設

子どもと家庭を支える分野でも、社会福祉士の資格は大きな意味を持ちます。都道府県が設置する児童相談所には、子どもの相談や虐待への対応を担う児童福祉司が置かれています。児童福祉法の第13条は、児童福祉司として任用できる人を列挙していて、その中に社会福祉士がはっきり含まれています。

児童福祉司として任用できる人の例(児童福祉法第13条)
都道府県知事が指定する養成施設の卒業者、または講習会の修了者
大学で心理学・教育学・社会学などを修め、1年以上相談援助の仕事をした人
医師
社会福祉士
精神保健福祉士
公認心理師
社会福祉主事として2年以上相談援助の仕事をし、講習会を修了した人

このように資格が任用の条件の1つになっていることを「任用資格」と呼びます。児童相談所の職員は地方公務員なので、実際に児童福祉司として働くには、都道府県や児童相談所を設ける市の職員採用試験に合格する必要があります。自治体によっては、社会福祉士などの資格を持つ人を対象にした福祉職の採用枠を設けています。

児童福祉施設や学校で働く道

児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設などの児童福祉施設でも、社会福祉士は相談の担当や家庭との調整の担当として働いています。また、学校に配置されるスクールソーシャルワーカーは、子どもの不登校や家庭の困りごとについて、学校と家庭、福祉の機関をつなぐ仕事です。スクールソーシャルワーカーの採用は各教育委員会が行い、社会福祉士や精神保健福祉士の資格を条件にしていることが多くあります。

障害のある人の支援の分野

障害のある人の暮らしと仕事を支える分野でも、社会福祉士の資格は生きます。代表的な職場と仕事は次のとおりです。

職場 社会福祉士が担う主な仕事
相談支援事業所 障害福祉サービスを使うための計画づくりと、利用中の相談
就労移行支援・就労継続支援の事業所 働きたい人の職場探し、職場に定着するための支援
障害者支援施設 入所している人と家族の相談、地域へ移るための調整
基幹相談支援センター 地域の相談支援の中心として、困難な事例への対応

相談支援事業所で障害福祉サービスの計画をつくる相談支援専門員になるには、実務経験と研修の修了が必要です。社会福祉士の資格を持っていると、必要な実務経験の年数の扱いが変わる場合があります。要件は国の基準と都道府県の研修の案内で決まるため、目指すときは住んでいる都道府県の相談支援従事者研修の案内で確かめます。

働くことを支える仕事の広がり

就労支援の仕事は、障害のある人に限らず、生活保護を受けている人やひとり親家庭の親なども対象になります。福祉事務所やハローワークと連携しながら、働きたい人の力に合った職場を探し、働き始めた後も続けられるよう支えます。資格がなくても就ける仕事ですが、事業所によっては社会福祉士を条件にしていることもあり、相談援助の専門性が評価される分野です。

行政・司法の分野

福祉の現場だけでなく、行政や司法の分野にも社会福祉士の働き場所があります。

福祉事務所の社会福祉主事

市や都道府県の福祉事務所で、生活保護や福祉の相談を担う職員は、社会福祉主事という任用資格を持つ人から任用されます。社会福祉法の第19条は、社会福祉主事として任用できる人の1つとして、社会福祉士を挙げています。大学で決められた科目を修めて卒業した人なども対象になりますが、社会福祉士を持っていれば、この条件を満たすことになります。

福祉事務所の職員も地方公務員なので、自治体の採用試験を受けることになります。一般の行政職として採用された後に福祉事務所へ配属される場合と、福祉職として採用される場合があり、自治体によって違います。

自治体の福祉職の採用情報の集め方

自治体の福祉職を目指すときは、受けたい自治体の職員採用のページを、前の年の募集から確かめておくのが確実です。採用試験の時期は自治体によって春から秋までばらつきがあり、募集の期間が短いこともあります。確かめておきたいのは次の点です。

  • 福祉職の採用枠があるか、あるなら社会福祉士の資格が受験の条件か
  • 受験できる年齢の上限と、社会人の経験者向けの採用枠があるか
  • 筆記試験に教養試験と専門試験のどちらがあるか、論文や面接の比重はどうか
  • 採用後に配属される職場の範囲(福祉事務所、児童相談所、障害者の相談の窓口など)

資格の取得見込みで受けられる自治体もあるので、在学中や養成施設で学んでいる間から情報を集めておくと、受験の機会を逃しません。

司法の分野での福祉の専門職

刑務所や少年院などの矯正施設、保護観察所では、罪を犯した人が社会に戻った後の暮らしを支えるため、福祉の専門職が関わっています。高齢や障害のために、出所後の住まいや生活の手段が見つかりにくい人を、福祉のサービスにつなぐ仕事です。各都道府県の地域生活定着支援センターも、この分野で社会福祉士などが働く職場の1つです。

成年後見の分野:専門職として選ばれる

社会福祉士の資格が独自の強みを発揮するのが、成年後見の分野です。成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などで判断する力が十分でない人のために、家庭裁判所が選んだ後見人などが財産の管理や契約を代わりに行う仕組みです。

最高裁判所事務総局家庭局がまとめた成年後見関係事件の概況(令和7年1月から12月まで)では、成年後見人などに選ばれた人のうち親族以外が約83.6%を占めています。内訳は次のとおりです。

選ばれた人 件数(令和7年) 前年
司法書士 11,966件 11,875件
弁護士 8,903件 8,794件
社会福祉士 7,280件 6,873件
市民後見人 390件 330件

社会福祉士が選ばれた件数は7,280件で、前年から400件あまり伸びています。司法書士や弁護士が財産の管理や法律の手続きで強みを持つのに対し、社会福祉士は本人の暮らしや医療・介護のサービスの調整、いわゆる身上保護で強みを持つ専門職として選ばれています。

後見人として活動するには

社会福祉士が成年後見人として家庭裁判所に選ばれるには、専門職の団体が設けている研修を受け、候補者の名簿に登録するのが一般的な流れです。後見人の報酬は、本人の財産の状況などをもとに家庭裁判所が決めるもので、金額を自分で決めることはできません。財産の管理や裁判所への報告には責任が伴うため、相談援助の実務を積んでから取り組む人が多い分野です。

組織の外で資格を生かす働き方

社会福祉士の多くは施設や病院、行政に勤めていますが、組織の外で資格を生かす人もいます。代表的な働き方を挙げます。

  1. 独立型社会福祉士として事務所を開き、成年後見や相談の仕事を受ける
  2. 福祉や介護の分野の記事を書いたり、内容を確かめる監修をしたりする
  3. 介護の事業所や企業向けに、相談の進め方や制度の研修の講師をする
  4. 福祉系の学校で非常勤の講師として授業を受け持つ

このうち記事の執筆や監修は、勤めながら副業として始める人もいる働き方です。福祉や介護の制度は改正が多く、正確に書ける人は限られます。現場の経験と資格は、記事の内容の確かさを示す材料になります。ただし、勤め先によっては副業に許可が必要だったり、利用者の個人情報に関わる内容を書くことが禁じられていたりするので、事前に就業規則を確かめます。

執筆の仕事を始めるときの準備

福祉の分野で執筆の仕事を受けるには、書いたものを見せられる形にしておくことが最初の準備になります。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、実績が少ない時期でも作れるポートフォリオの形と、見せ方の工夫を具体的に説明しています。報酬の決まり方や単価の上げ方は、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で、専門分野を持つことが単価にどう効くかと合わせて整理しています。

地域の分野:社会福祉協議会

高齢者、障害、子どもといった対象ごとの分野とは別に、地域全体を支える職場として社会福祉協議会があります。社会福祉協議会とは、社会福祉法にもとづいて市区町村や都道府県ごとに置かれている民間の団体で、地域の福祉活動の中心になる組織です。略して「社協」と呼ばれます。

社会福祉協議会では、社会福祉士が次のような仕事を担っています。

  • 判断する力が十分でない人の、福祉サービスの利用の手続きや日常のお金の出し入れを手伝う事業
  • 生活に困った世帯への、生活費などの貸付の相談
  • ボランティアセンターの運営と、住民の助け合い活動の支援
  • 地域の困りごとを住民と一緒に見つけ、解決の仕組みをつくる仕事

社会福祉協議会の仕事の特徴は、困っている1人を支えるだけでなく、地域の住民や団体を巻き込んで仕組みをつくる点にあります。個別の相談と地域づくりの両方に関わりたい人に向いている職場です。職員の採用は各社会福祉協議会が行うので、募集の時期と条件はそれぞれの社協のホームページで確かめます。

民間の団体ならではの働き方

社会福祉協議会は行政と深くつながっていますが、職員は公務員ではありません。そのため、自治体の採用試験とは別の日程と方法で採用されます。行政に近い立場で地域の福祉に関わりたいけれど、公務員の採用試験の年齢の上限を超えている人にとって、選択肢の1つになります。

社会福祉士になるまでのルート

ここまでの仕事を目指すには、まず社会福祉士の国家試験に合格して登録する必要があります。受験資格は、社会福祉士及び介護福祉士法の第7条で12通りの道が決められていて、社会福祉振興・試験センターの資格取得ルート図でも確かめられます。主な道を整理すると次のとおりです。

今の立場 受験資格を得る主な道
福祉系の大学で決められた科目(指定科目)を修めて卒業した人 そのまま受験できる
福祉系の大学で基礎科目を修めて卒業した人 短期養成施設などで6か月以上学ぶ
福祉系でない大学を卒業した人 一般養成施設などで1年以上学ぶ
短大を卒業した人 卒業した学科と科目に応じて、相談援助の実務を1〜2年積み、必要に応じて養成施設で学ぶ
大学を出ていない人 指定施設で相談援助の仕事を4年以上した後、一般養成施設などで1年以上学ぶ

働きながら社会福祉士を目指す人に多いのは、福祉系でない大学を卒業していて、一般養成施設の通信課程で1年以上学ぶ道です。通信課程でもスクーリングや実習が組まれているので、勤め先と日程の調整が必要になります。養成施設に入るための学歴や実務経験の審査は、それぞれの養成施設が行うので、自分が入学できるかは養成施設に直接問い合わせます。

相談援助の実務経験を数えるときの注意

大学を出ていない人や短大を卒業した人が実務経験で受験資格を得る場合、どの施設で、どの職種として働いた期間が「相談援助の業務」に当たるかが決められています。介護の仕事として働いた期間は、相談援助の業務には数えられないのが原則です。試験を実施する社会福祉振興・試験センターのホームページに、相談援助の実務に当たる施設と職種の一覧があるので、自分の経験が当たるかを先に確かめます。

第39回試験の申し込みは終わっている

社会福祉振興・試験センターの案内では、令和8年度の第39回社会福祉士国家試験の受験申し込みは、10月2日で受付を終えています。これから目指す人は、翌年度の第40回が目標になります。

精神保健福祉士との違いと、両方を持つ意味

社会福祉士とよく比べられる資格に、精神保健福祉士があります。精神保健福祉士は、精神障害のある人の社会参加や暮らしを支える相談援助の専門職で、同じく社会福祉振興・試験センターが試験を実施する国家資格です。

項目 社会福祉士 精神保健福祉士
主な対象 高齢者、障害のある人、子ども、生活に困っている人など幅広い 精神障害のある人とその家族
主な職場 地域包括支援センター、病院、児童相談所、福祉事務所、施設 精神科の病院やクリニック、障害福祉の事業所、保健所
登録者数(令和8年9月末) 336,732人 118,749人

2つの資格は、養成課程の科目の一部が共通しているため、片方を取った後にもう片方を目指す人もいます。精神科の病院や、心の不調を抱える人の就労支援に関わりたい人は、両方を持つと仕事の幅が広がります。児童福祉司の任用の条件にも、社会福祉士と並んで精神保健福祉士が挙げられています。

求人を見るときに確かめること

社会福祉士の求人は、同じ「相談員」という名前でも、仕事の中身や働き方が職場によって大きく違います。求人を見るときは、次の点を確かめると、入ってからの思い違いを防げます。

  1. 相談の仕事だけか、介護などほかの仕事を兼ねるのか
  2. 資格手当があるか、いくらか(資格を持っていても手当がない職場もある)
  3. 夜勤や土日の勤務があるか
  4. 同じ職場に社会福祉士の先輩がいて、相談できる体制があるか
  5. 研修や資格の更新に関わる費用を職場が負担するか

特に1は大事です。施設の生活相談員の中には、介護の人手が足りないときに介護の仕事にも入る働き方のところがあります。相談援助の経験を積みたい人は、面接の段階で1日の仕事の流れを具体的に聞いておきます。

自分に合う分野の選び方

ここまで見てきたように、社会福祉士の働く場所は幅広く、分野によって仕事の進め方も、求められる知識も違います。自分に合う分野を選ぶときは、次の3つの軸で考えると整理しやすくなります。

軸 考えること 向いている分野の例
関わる相手 高齢者、子ども、障害のある人、病気の人のうち、誰を支えたいか 地域包括支援センター、児童相談所、相談支援事業所、病院
関わる期間 短い期間で多くの人を支えるか、長く同じ人を支えるか 短期は病院、長期は施設や成年後見
働き方 公務員として働くか、民間の事業所で働くか、独立するか 行政は採用試験、民間は求人、独立は実務経験を積んでから

たとえば、短い期間で次々と調整を進めるのが得意な人は病院の相談職、同じ人と長く関わって変化を見守りたい人は施設や成年後見の分野が合いやすくなります。安定した身分で制度の運用に関わりたい人は、自治体の福祉職の採用を目指すのが向いています。

実習やボランティアで分野を確かめる

資格の勉強の途中で受ける相談援助の実習は、自分に合う分野を確かめる機会でもあります。実習で行けなかった分野に興味がある場合は、施設の見学やボランティア、自治体の説明会に参加して、実際の仕事の様子を見てから決めると、入ってからの思い違いを防げます。

分野を移るときに準備すること

社会福祉士は、分野を移りながら経験を重ねる人が多い資格です。高齢者の施設から地域包括支援センターへ、病院から行政へといった移り方もよく見られます。分野を移るときは、次の準備をしておくと新しい職場に入りやすくなります。

  • 移る先の分野の制度を、基本から学び直す(介護保険、障害福祉、児童福祉はそれぞれ仕組みが違う)
  • これまでの仕事で担った相談の種類と件数、関わった関係機関を整理しておく
  • 移る先で必要な研修や任用の条件があるかを、公式の案内で確かめる
  • 公務員を目指す場合は、自治体ごとの採用試験の年齢の上限と試験の内容を確かめる

職務経歴書で伝わる書き方

相談援助の仕事は、成果が数字で表しにくい仕事です。職務経歴書では「どんな相談に、どの機関と連携して、どう対応したか」を具体的に書くと、採用する側に経験の中身が伝わります。個人が特定されない形で、対応した事例の種類と役割を書くのが基本です。記録や報告書を分かりやすく書く力は、どの分野でも評価されます。文書の形式と表現を体系的に学びたい人には、ビジネス文書検定のように、社内外の文書の書き方を問う検定もあり、記録や報告の質を高めたいときの学習の候補になります。

分野ごとに求められる知識の違い

社会福祉士の試験では幅広い分野を学びますが、実際の仕事で深く使う知識は分野によって違います。働く分野を決めたら、その分野で特に使う制度を重点的に学び直すと、仕事に慣れるまでの時間が短くなります。

分野 特によく使う制度と知識
高齢者 介護保険の仕組みと手続き、認知症の理解、高齢者虐待への対応、成年後見制度
医療 健康保険の給付(高額療養費、傷病手当金など)、障害年金、退院後に使えるサービス
児童・家庭 児童福祉法の仕組み、虐待への対応の流れ、ひとり親家庭への支援、学校との連携
障害 障害福祉サービスの種類と利用の手続き、就労の支援、障害年金
行政 生活保護の仕組み、各種手当の制度、自治体の事務の進め方
成年後見 民法の後見の規定、財産の管理と家庭裁判所への報告、医療や介護の契約

たとえば医療の分野では、高額療養費のように治療費の負担を軽くする制度を、患者や家族に分かる言葉で説明する場面がよくあります。制度は改正が多いので、厚生労働省や全国健康保険協会、日本年金機構の公式の案内で、その時点の内容を確かめながら説明する習慣が欠かせません。

制度の改正を追う習慣をつける

社会福祉士の仕事は、制度の改正に合わせて説明の中身を変え続ける仕事でもあります。介護保険や障害福祉の報酬の改定、年金や健康保険の金額の変更は、相談に来る人の暮らしに直接響きます。所管の省庁の報道発表や、勤め先の自治体の広報を定期的に確かめると、相談の場で古い情報を伝えてしまう失敗を防げます。

資格を取った後に学び続けること

社会福祉士の資格は、登録した後に更新の手続きが必要な資格ではありません。その一方で、相談援助の質は経験と学びの積み重ねで大きく変わります。資格を取った後に意識して身に付けたい力は次のとおりです。

  • 面接の技術:相手の話を最後まで聞き、本当の困りごとを言葉にしてもらう力
  • 記録の力:相談の内容と対応を、ほかの職員が読んでも分かるように残す力
  • 関係機関とのつながり:地域の病院、事業所、行政の窓口の担当者と顔の見える関係をつくる力
  • 制度の知識:分野ごとの制度を、改正に合わせて更新し続ける力

職能団体である社会福祉士会は、都道府県ごとに研修を開いています。分野ごとの専門の研修や、成年後見人として活動するための研修もあり、勤めながら学び続ける場として使われています。上位の認定の仕組みもあるので、関心のある人は団体の公式の案内で条件を確かめます。

1年目にやっておきたいこと

社会福祉士として働き始めた1年目は、目の前の相談に追われて学びが後回しになりがちです。最初の1年でやっておくと後が楽になるのは、自分の担当地域の関係機関の一覧を自分で作ることです。どの相談をどの窓口につなげばよいかが分かっていると、相談に来た人を待たせずに次の一歩を示せます。

運営者として見てきた、専門資格の生かし方

在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、専門資格を長く生かしている人ほど、資格そのものより「その資格で何を解決できる人なのか」を言葉にできています。社会福祉士でいえば、「高齢者の権利擁護の相談に強い」「退院の調整で病院と地域をつなげる」のように、得意な場面を一言で示せる人は、職場を移るときも、組織の外で仕事を受けるときも、相手に役割が伝わりやすくなります。

組織の外で専門性を生かす場面では、依頼する側と受ける側が直接やり取りし、間に手数料が挟まらない契約ほど、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りも厚くなる様子を多く見てきました。福祉の分野の執筆や監修、研修の講師のように、専門性そのものが価値になる仕事では、この構造が特に生きます。資格を取ったあとは、自分の得意な場面を言葉にし、それが伝わる形で経験を積み重ねていくことが、社会福祉士を活かせる仕事を長く続けるための土台になります。

よくある質問

Q. 社会福祉士の資格がないとできない仕事はありますか?

社会福祉士は名称独占の資格で、資格がないと仕事そのものができない業務独占の資格ではありません。ただし、地域包括支援センターでは省令で配置が原則とされ、児童福祉司や社会福祉主事では任用の条件の1つになっています。資格があると採用や配置で有利になる場面が多い資格です。

Q. 公務員として社会福祉士の資格を生かすにはどうすればよいですか?

児童相談所や福祉事務所の職員は地方公務員なので、自治体の職員採用試験に合格する必要があります。自治体によっては、社会福祉士などの資格を持つ人を対象にした福祉職の採用枠があります。年齢の上限や試験の内容は自治体ごとに違うため、受けたい自治体の採用案内で確かめてください。

Q. 社会福祉士は成年後見人になれますか?

なれます。令和7年に成年後見人などに選ばれた社会福祉士は7,280件で、司法書士や弁護士と並ぶ専門職として選ばれています。一般には、専門職の団体の研修を受けて候補者の名簿に登録し、家庭裁判所に選ばれる流れです。報酬は家庭裁判所が本人の財産の状況などをもとに決めます。

Q. 社会福祉士の資格を副業に生かすことはできますか?

福祉や介護の記事の執筆や監修、研修の講師などで資格を生かす人がいます。制度の改正が多い分野なので、正確に書ける人は重宝されます。ただし、勤め先によっては副業に許可が必要だったり、利用者の個人情報に関わる内容を書くことが禁じられていたりするため、始める前に就業規則を確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月20日最終更新:2026年10月31日
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