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社会福祉士の資格を生かす副業|相談支援・成年後見・記事監修という選択肢

@SOHO編集部
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社会福祉士の資格を生かす副業|相談支援・成年後見・記事監修という選択肢

この記事のポイント

  • ✓社会福祉士の副業として
  • ✓記事の監修と執筆の3つを中心に
  • ✓始め方と注意点を整理しました

社会福祉士の資格を持っていても、本業の職場では資格手当が少しつくだけで、学んだ知識を十分に生かせていないと感じる人は少なくありません。社会福祉士の副業を調べると、相談の仕事、成年後見、記事の執筆など色々な選択肢が出てきますが、どれが現実的で、何に気をつければよいのかは分かりにくいものです。

この記事では、社会福祉士の資格を生かせる副業として、相談支援、成年後見、記事の監修と執筆の3つを中心に、始め方と注意点を順番に説明します。副業の前に勤め先の規則をどう確かめるか、社会福祉士という名称を使うときの決まり、2026年に成立した成年後見制度の見直しまで扱うので、自分に合う働き方を判断する材料として使えます。

社会福祉士の副業を考える前に、資格の性格を確かめる

社会福祉士は、福祉に関する相談に応じ、助言や支援、関係機関との連絡や調整を行う専門職の国家資格です。法律では次のように定められています。

この法律において「社会福祉士」とは、第二十八条の登録を受け、社会福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上若しくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者(第四十七条において「福祉サービス関係者等」という。)との連絡及び調整その他の援助を行うこと(第七条及び第四十七条の二において「相談援助」という。)を業とする者をいう。 出典: e-Gov法令検索(社会福祉士及び介護福祉士法 第2条)

副業を考えるうえで押さえておきたいのは、社会福祉士が「名称独占」の資格だという点です。名称独占とは、資格を持たない人がその名前を名乗ることは禁じられているものの、仕事の中身そのものは資格がなくても行える、という形の資格のことです。医師や弁護士のように、資格がなければその仕事ができない「業務独占」とは違います。

この性格は、副業を考えるときに2つの意味を持ちます。1つは、相談の仕事そのものは資格がなくてもできるので、資格を持っているだけで仕事が回ってくるわけではない、ということです。もう1つは、社会福祉士という肩書きが、相談の質や専門性を示す信頼の目印として働く、ということです。副業で資格を生かすとは、この信頼を、依頼する側に分かる形で示すことだと言えます。

副業を始める前に、勤め先の規則を確かめる

社会福祉士の多くは、社会福祉法人、医療機関、自治体、福祉事業所などに勤めています。副業ができるかどうかは、まず勤め先の規則で決まります。

会社員や法人職員の場合は、就業規則に副業についての定めがあるかを確かめます。厚生労働省は、副業や兼業について、労働者が労働時間以外の時間をどう使うかは基本的に自由であるという考え方を示し、企業向けのガイドラインやモデル就業規則を公開しています(厚生労働省「副業・兼業」)。ただし、実際に副業を認めるかどうか、届け出や許可が必要かどうかは、勤め先ごとの就業規則で決まります。

確かめるときは、次の点を就業規則や人事の担当者に確認します。

  • 副業が禁止されているか、許可制か、届け出制か
  • 同業他社や競合する事業所での仕事に制限があるか
  • 本業の利用者や家族と、副業で関わることに制限があるか
  • 労働時間の上限や、本業の勤務に支障が出ない範囲の考え方

自治体に勤める公務員の社会福祉士は、地方公務員法により、営利を目的とする仕事や報酬を得る仕事には任命権者の許可が必要です。許可が出るかどうか、どの範囲なら認められるかは自治体ごとに違うので、所属の人事担当に確かめてください。

福祉の仕事では、本業の利用者と副業の場面で関わってしまうと、利益が相反する立場になりかねません。たとえば、本業の事業所の利用者に、副業で別のサービスを紹介する形になると、どちらの立場で助言しているのかが分からなくなります。規則で禁止されていなくても、本業の利用者とは副業で関わらない、という線を自分で引いておくのが安全です。

名称の使い方と、秘密を守る義務

社会福祉士として副業をするときは、法律で定められた2つの決まりを常に意識します。

1つ目は、名称の使い方です。社会福祉士でない人が社会福祉士と名乗ることは法律で禁止されています。資格を持っている人は名乗れますが、登録を受けていることが前提です。合格しただけで登録の手続きをしていない場合は、社会福祉士と名乗ることはできません。副業のプロフィールや記事の監修者の欄に資格名を書くときは、登録が済んでいるかを確かめておきます。

2つ目は、秘密を守る義務です。社会福祉士には、仕事で知った人の秘密を漏らしてはならない義務があり、資格者でなくなったあとも続きます。

社会福祉士又は介護福祉士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない。社会福祉士又は介護福祉士でなくなつた後においても、同様とする。 出典: e-Gov法令検索(社会福祉士及び介護福祉士法 第46条)

この義務は、記事の執筆やブログ、講演など、本業の経験を語る副業で特に重くなります。名前を伏せても、年齢、地域、家族の状況、出来事の時期などを組み合わせると、本人や家族が読めば自分のことだと分かってしまうことがあります。経験を語るときは、複数の事例を混ぜて特定できない形にする、細部を変える、そもそも個別の事例に触れずに一般的な話として書く、といった配慮が欠かせません。

選択肢1:相談支援の仕事

社会福祉士の専門性がもっともそのまま生きるのが、相談支援の仕事です。障害のある人が福祉サービスを使うときに、本人の希望を聞いて利用の計画を作り、関係機関と調整する仕事で、これを担うのが相談支援専門員です。

厚生労働省のリーフレットによると、相談支援専門員になるには、介護や福祉の分野での実務経験と、都道府県などが行う研修の受講が必要です。

相談支援専門員になるためには、介護・福祉分野における 3 〜 10 年の実務経験と相談支援従事者養成研修(初任者研修)の受講が必要です。 出典: 厚生労働省「相談支援員」リーフレット

同じリーフレットでは、令和6年度から「相談支援員」という職種が新しく設けられたことも紹介されています。社会福祉士か精神保健福祉士の資格があれば、実務経験がなくても、一定の要件を満たす相談支援事業所で、主任相談支援専門員の指導を受けながら相談支援の仕事に就ける、という仕組みです。ただし、この相談支援員は常勤専従での勤務が必要とされ、兼務は業務と育成に支障がないと市町村が認める範囲に限られています。副業として週に数時間だけ関わる形には向きません。

そのため、相談支援の分野で副業を考えるなら、次のような形が現実的です。

  • すでに相談支援専門員の研修を終えている人が、別の事業所で非常勤として関わる
  • 自治体や社会福祉協議会の相談窓口で、非常勤の相談員として働く
  • 地域の相談会やイベントで、相談の担当として単発で協力する

非常勤の相談員の求人は、自治体の募集、ハローワーク、福祉の専門の求人サイトなどに出ます。勤務日数、時間、報酬の形は募集ごとに違うので、本業の勤務と両立できるかを確かめてから応募します。相談支援の指定事業所で働く場合は、配置や兼務についての決まりがあるので、事業所の側に勤務の形が問題ないかを確かめてもらうことも大切です。

選択肢2:成年後見の仕事

成年後見制度とは、認知症や障害などで判断する力が十分でない人について、家庭裁判所が選んだ人が財産の管理や契約の手続きを支える仕組みです。家族が後見人になることもありますが、事情によっては専門職が選ばれます。裁判所の案内にも、社会福祉士が専門職の例として挙げられています。

申立書に候補者として記載された方が必ず選任されるわけではありません。事案に応じて弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門職を後見人等に選任したり、複数の後見人等を選任する場合もあります。 出典: 裁判所「成年後見制度の概要を知りたい方へ」

社会福祉士が専門職の後見人として活動するには、職能団体である社会福祉士会の研修を受け、後見人の候補者として名簿に登録する流れが一般的です。日本社会福祉士会では「ぱあとなあ」という名前で後見活動の仕組みを運営しており、各都道府県の社会福祉士会が研修や名簿の管理を行っています。研修の内容や登録の条件は都道府県の社会福祉士会ごとに違うので、所属する会の案内を確かめてください(日本社会福祉士会)。

後見人の報酬は、自分で決めるものではありません。裁判所の案内によると、後見人などへの報酬は、家庭裁判所が付けるかどうかと金額を決め、本人の財産から支払われます。本人の財産が少ない場合は、報酬が少額になったり、自治体の助成の対象になったりすることもあります。副業として収入を見込むというより、専門職としての社会的な役割を引き受ける仕事だと考えたほうが実態に合います。

後見の仕事は、本人に関わる期間が長く、急な入院や施設の入所、亡くなったときの対応など、平日の日中に動く必要がある場面も出てきます。本業が平日の日中勤務の人は、何件まで受け持てるかを慎重に考える必要があります。

成年後見制度は見直しが決まっている

成年後見制度は、法律の改正による大きな見直しが決まっています。法務省によると、令和8年6月17日に「民法等の一部を改正する法律」が成立し、同月24日に公布されました。改正の内容として、後見と保佐の制度を廃止して補助の制度に一元化し、本人にとって必要な範囲で利用できるようにすることなどが挙げられています(法務省「民法等の一部を改正する法律(成年後見及び遺言の制度の見直し)について」)。

成年後見制度の見直しに関する部分は、公布の日から2年6か月を超えない範囲で政令で定める日に施行されるとされています。これから後見の分野に関わる人は、今の制度で活動を始めつつ、改正後の仕組みでの役割の変化を追っていく必要があります。社会福祉士会の研修でも、改正をテーマにした研修が組まれ始めています。

選択肢3:記事の監修と執筆

福祉や介護の情報を扱うウェブサイトや出版物では、内容の正確さを担保するために、専門職の監修者を求めることがあります。社会福祉士として記事を監修したり、自分で記事を書いたりする副業は、時間と場所の制約が少なく、本業と両立しやすい選択肢です。

福祉の専門職向けの求人情報サイトでも、社会福祉士の経験を発信する副業が紹介されています。

社会福祉士としてのあなたの経験や、資格を取るまでの話は、これから社会福祉士になりたい人や、同じ仕事で頑張る仲間にとって、大変役立つ情報です。 出典: co-medical.com

記事の仕事には、大きく分けて次の3つの形があります。

形 仕事の中身 向いている人
監修 他の人が書いた記事の内容を確認し、誤りを直す。監修者として名前が出る 制度や実務に詳しく、文章を読んで誤りを見つけられる人
執筆 福祉の制度や仕事について記事を書く 文章を書くのが苦にならず、調べて整理するのが得意な人
自分の発信 ブログやSNSで、資格の勉強法や仕事の話を発信する 長く続けられ、収入より発信そのものに意義を感じる人

監修の仕事では、名前と資格が記事に載るので、内容の誤りは監修者の信用にも響きます。引き受ける前に、どこまでの範囲を確認するのか、修正の指示を出したときにどこまで反映されるのか、公開後に制度が変わったときの更新はどうするのかを、依頼する側と取り決めておきます。介護保険や障害福祉の制度は改定が多く、古い情報のまま記事が残ると、読む人に不利益が出かねません。

執筆の仕事では、文章の書き方と、調べた情報の出典を示す習慣が求められます。制度について書くときは、厚生労働省や自治体の一次資料を確かめ、そこに書かれた内容をもとに書きます。自分の経験だけで制度を説明すると、地域や時期による違いを見落としがちです。文章の仕事の基本を固めたい人は、ビジネス文書検定で、伝わる文書の書き方を体系立てて確かめられます。

執筆の仕事を受けるときは、実績を見せる材料があると依頼につながりやすくなります。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、書いた記事を見せる形の作り方を紹介しています。単価の上げ方についてはWebライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】が参考になります。専門職の資格を持つ書き手は、制度の正確さを担保できる点で、一般の書き手と差をつけやすい立場にあります。

監修や執筆の依頼を見つける方法は、主に3つあります。1つ目は、在宅ワークの仲介サイトやクラウドソーシングで、福祉や介護の記事の募集に応募する方法です。2つ目は、専門家に監修を頼みたい企業と専門職をつなぐサービスに登録する方法です。3つ目は、福祉の情報を扱う企業やメディアに、自分から実績と得意分野を伝えて連絡する方法です。最初は1つ目の方法で小さな依頼を受けて実績を作り、その実績を見せながら2つ目、3つ目に広げていくと、無理なく依頼の質を上げていけます。どの方法でも、応募の文面には資格の登録の有無と、得意な分野、確認できる制度の範囲を具体的に書きます。

そのほかの選択肢

相談支援、成年後見、記事の仕事のほかにも、社会福祉士の知識が生きる副業はあります。

研修や講座の講師

福祉の事業所の職員向け研修、地域住民向けの講座、介護職員の初任者向けの研修などで、講師を務める仕事です。人前で話す経験が少ない人は、まず職場の内部研修や、社会福祉士会の勉強会で発表する経験を積むと、外部の依頼を受けるときの自信になります。講師の報酬は依頼する団体ごとに大きく違うので、引き受ける前に、時間、資料作成の有無、交通費の扱いを確かめます。オンラインで行う研修も増えており、移動の時間がかからない分、本業の勤務と組み合わせやすくなっています。資料は一度作れば他の研修にも手直しして使えるので、得意なテーマを1つ決めて資料を育てていくと、回を重ねるほど準備の負担が軽くなります。

国家試験の受験対策

社会福祉士の国家試験を目指す人向けの学習支援です。予備校や通信講座の講師、模擬問題の作成、学習相談などの形があります。試験の出題基準や制度の改定に合わせて内容を更新し続ける必要があるので、最新の情報を追う手間を見込んでおきます。

調査研究の補助

福祉の分野では、自治体や研究機関、シンクタンクが実態調査を行うことがあり、聞き取りの調査員や、調査票の設計、結果の整理を手伝う人が求められることがあります。調査研究に関わる仕事の報酬の目安は研究者の年収・単価相場でも確かめられます。福祉の現場を知る人の視点は、調査の設計の段階で特に重宝されます。

福祉の分野以外の仕事

社会福祉士の資格そのものとは関係のない副業を選ぶ人もいます。相談を受けて状況を整理し、関係者と調整する力は、福祉以外の仕事でも生きます。たとえば、企業の人事や総務の補助、ウェブサイトの問い合わせ対応、文章の作成などです。資格を前面に出さない仕事であれば、本業との利益の相反も起きにくくなります。

得意分野ごとに、資格が生きる場面を整理する

社会福祉士の仕事の場は広く、高齢者、障害のある人、子ども、医療、地域と、人によって経験の中心が違います。副業を選ぶときは、資格の名前より、自分がどの分野で何年、どんな相談を受けてきたかを軸にすると、依頼する側に伝わる強みが見えてきます。

経験の中心 生かしやすい副業の例 依頼する側が期待すること
高齢者の福祉(地域包括支援センター、介護施設など) 介護保険や施設選びの記事の監修、家族向けの講座、後見の活動 介護保険の仕組みと、家族が迷う場面の具体的な知識
障害福祉(相談支援事業所、就労支援など) 非常勤の相談員、障害福祉サービスの記事の執筆 サービスの種類と利用の流れ、本人の希望を聞く姿勢
子どもと家庭(児童相談所、学校など) 子育て支援の講座、保護者向けの情報発信 相談先の案内と、家庭の事情に配慮した伝え方
医療(病院の相談室など) 医療費や退院後の生活についての記事の監修 医療と福祉の制度をつなぐ知識
地域(社会福祉協議会、自治体など) 地域活動の講師、調査研究の補助 地域の資源と、住民の声を拾う力

表のどれにも当てはまらない経験でも、副業の材料になります。たとえば、事業所の運営や職員の育成に関わってきた人は、福祉の事業所向けの研修や、運営の手引きの作成で力を発揮できます。自分の経験を年数と相談の種類で書き出してみると、思っていたより多くの分野で話せることがあると分かります。

書き出した内容は、そのまま副業のプロフィールの下書きになります。「高齢者の相談を8年、うち5年は地域包括支援センターで家族の相談を担当」のように、年数と場面が分かる書き方をすると、依頼する側は何を頼めるかを判断しやすくなります。

依頼を受けるときに、取り決めておくこと

副業で仕事を受けるときは、雇われて働く場合と違い、仕事の範囲や報酬の条件を自分で確かめる必要があります。口約束で始めると、後から「そこまで頼んだつもりはない」「その金額では聞いていない」といった食い違いが起きます。最低限、次の項目を文書やメールで残しておきます。

  1. 仕事の範囲(監修なら確認する記事の本数と文字数、講師なら時間と資料作成の有無)
  2. 報酬の金額と、源泉徴収の有無、交通費などの扱い
  3. 支払いの時期と方法
  4. 修正の回数と、追加の作業が出たときの扱い
  5. 秘密の扱い(相談の内容や事例をどこまで扱うか)
  6. 記事の場合は、名前の掲載の仕方と、公開後の更新や削除の扱い

個人で仕事を受ける人を守るための法律として、フリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス法)があります。この法律は、会社などが個人に仕事を頼むときに、仕事の内容や報酬の額、支払期日などを明示することや、報酬を決められた期日までに支払うことなどを定めています。厚生労働省のページでも、この法律の概要と相談先が紹介されています(厚生労働省「フリーランスの方へ」)。依頼する側から条件の書面が出てこない場合は、こちらから条件をメールで送り、了解の返事をもらっておくと安心です。

本業と両立するために気をつけること

社会福祉士の本業は、相談の内容によって心の負担が大きくなりやすい仕事です。副業を始めると、休む時間が減り、本業の質にも影響が出かねません。両立のために、次の3つを意識します。

1つ目は、働く時間の合計です。副業が雇われて働く形(パートや非常勤職員)の場合、本業と副業の労働時間は通算して扱われるのが原則です。厚生労働省の副業・兼業のガイドラインでも、労働時間の通算の考え方が示されています。どちらの勤め先にも副業の勤務時間を正しく伝え、時間外労働の扱いで食い違いが起きないようにします。業務委託で受ける記事や監修の仕事は、この通算の対象にはなりませんが、疲れがたまることに変わりはありません。

2つ目は、気持ちの切り替えです。本業で重い相談を受けた日に、副業でも相談の仕事をすると、気持ちが休まる時間がなくなります。副業は、本業と違う種類の頭の使い方をする仕事を選ぶ、本業の繁忙期には受ける量を減らす、といった工夫で負担を分散します。

3つ目は、相談できる相手を持つことです。副業で判断に迷う場面に出会ったとき、本業の上司には相談しにくいこともあります。社会福祉士会の勉強会や、同じように副業をしている専門職の仲間と、事例を特定しない形で話せる場があると、1人で抱え込まずに済みます。

引き受ける前に立ち止まりたい依頼

社会福祉士の資格を持っていると、副業を探す中で、条件だけを見ると魅力的に見える依頼に出会うことがあります。次のような依頼は、引き受ける前に立ち止まって中身を確かめてください。

1つ目は、資格の名前だけを貸してほしいという依頼です。実際には仕事をしないのに、事業所の職員として名前を載せる、監修者として名前だけを出す、といった形です。事業所の人員の基準を満たすために名前だけを使う行為は、事業所側の不正につながり、名前を貸した側も責任を問われかねません。監修でも、記事を読まずに名前だけを出すと、誤った情報の責任を負うことになります。

2つ目は、個人を相手にした有料の相談サービスを、十分な準備なしに始めることです。オンラインで家族の悩みを聞く、施設選びの相談に乗る、といったサービスは需要がありますが、相談の中で虐待や命に関わる状況が分かったときに、どこにつなぐか、どこまで責任を持つかを決めておかないと、対応しきれなくなります。始めるなら、相談の範囲、緊急時に案内する公的な窓口、記録の保管方法を先に決めておきます。

3つ目は、副業を始める前に高額な講座や教材の購入を求められるものです。「資格を生かして在宅で稼げる」とうたい、登録料や教材費を先に払わせる勧誘は、福祉の専門職に向けたものも見られます。仕事を紹介する前にお金を払わせる形の勧誘は、内容をよく確かめ、少しでも不安があれば消費生活センターに相談してください。

4つ目は、本業の利用者や家族から、個人的に仕事を頼まれる場合です。善意から始まった依頼でも、本業の立場と副業の立場が混ざると、トラブルになったときに職場にも迷惑がかかります。本業で関わる人からの依頼は、職場のルールに沿って断るか、上司に相談するのが基本です。

副業を始めるまでの手順

社会福祉士の副業を始めるときは、次の順番で進めると、後から困ることが減ります。

  1. 勤め先の就業規則を確かめ、副業の許可や届け出が必要なら手続きをする
  2. 自分の得意分野を書き出す(高齢者、障害、子ども、医療、地域など)
  3. 副業に使える時間を、平日と休日に分けて現実的に見積もる
  4. 3つの選択肢のうち、時間の制約と得意分野に合うものを1つ選ぶ
  5. 選んだ分野で、研修の受講、名簿への登録、実績の作成など、最初の準備に取りかかる
  6. 小さな依頼を受け、本業との両立に無理がないかを確かめてから広げる

副業に使える時間の見積もりは、甘くなりがちです。福祉の仕事は、本業でも急な対応が入りやすく、副業の締め切りと重なると両方の質が落ちます。最初は週に数時間で回せる範囲から始め、続けられると分かってから受ける量を広げていきます。

福祉の制度についての記事を書く仕事でよくあるのが、本業の繁忙期と締め切りが重なり、資料を読み込む時間が足りなくなることです。制度の記事は、一次資料を読んで確かめる時間が文章を書く時間と同じくらいかかります。受ける本数を控えめにし、資料を読む時間を予定に先に組み込んでおくと、締め切りに追われずに、正確さを保ったまま書き続けられます。

収入が出たら、確定申告の線引きを確かめる

副業で収入が出たら、税金の手続きが必要になることがあります。国税庁の案内によると、給与を1か所から受けている人で、給与以外の所得の合計が20万円以下の場合は、所得税の確定申告は不要とされています(国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。

ただし、この20万円の線は所得税の話です。住民税には同じ線がなく、所得があれば住んでいる市区町村への申告が必要になります。また、副業がパートやアルバイトとして雇われる形で、給与を2か所から受けている場合は、扱いが変わります。収入の形や金額で必要な手続きが変わるので、国税庁の案内や、住んでいる市区町村の税務の窓口で確かめてください。

副業の収入にかかる経費として、研修の受講料、書籍代、通信費などを計上できる場合があります。経費として認められるかどうかは、その支出が副業の収入を得るために必要かどうかで判断されます。領収書や支払いの記録は、日付と内容が分かる形で保存しておきます。

運営者の視点:資格は「信頼の入口」として使う

フリーランスと在宅ワークの市場を長く見てきた立場から言えば、専門職の資格を生かして副業を続けている人には共通点があります。それは、資格そのものを売りにするのではなく、資格に裏打ちされた「この人に頼めば間違いがない」という信頼を、仕事の積み重ねで育てていることです。

社会福祉士の資格は、福祉の分野では信頼の入口になります。しかし、記事の監修でも講師でも、2回目の依頼が来るかどうかを決めるのは、締め切りを守ったか、修正の指示が的確だったか、依頼する側の手間を減らせたか、といった仕事ぶりのほうです。資格はきっかけで、続く関係を作るのは仕事の質です。

依頼する側と受ける側が直接やり取りできる形は、福祉の専門職の副業と相性が良いと感じます。仲介の手数料が乗らない分、依頼する側は同じ予算で専門職に頼みやすくなり、受ける側は手元に残る金額が厚くなります。専門性の高い仕事ほど、この差は大きく効きます。

福祉の現場の知識は、文章や情報発信、調査といった分野でも求められています。文章や発信の仕事を広げたい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、情報発信に関わる仕事の種類と求められる力を確かめておくと、次に学ぶことが見えてきます。事業所の運営の側に関わっている人は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法も参考になります。勤め先の規則を確かめ、名称と秘密の決まりを守り、時間に無理のない範囲から始めれば、社会福祉士の資格は副業でも確かな支えになります。

よくある質問

Q. 社会福祉士の資格があれば、副業で相談の仕事をすぐに始められますか?

相談の仕事そのものは資格がなくても行えるため、資格だけで依頼が来るわけではありません。障害福祉の相談支援専門員になるには、実務経験と初任者研修の受講が必要です。まずは自治体や社会福祉協議会の非常勤の相談員の募集を確かめ、本業の規則と両立できるかを見て応募するのが現実的です。

Q. 成年後見人の報酬は自分で決められますか?

決められません。裁判所の案内によると、後見人などへの報酬は、家庭裁判所が付けるかどうかと金額を決め、本人の財産から支払われます。本人の財産の状況で金額は変わります。収入源というより、専門職としての役割を引き受ける仕事と考えたほうが実態に合います。

Q. 記事の監修を引き受けるときの注意点は何ですか?

確認する範囲、修正の指示の反映のされ方、公開後に制度が変わったときの更新の扱いを、事前に依頼する側と取り決めておきます。監修者として名前と資格が載るため、内容の誤りは自分の信用にも響きます。制度の記述は、厚生労働省などの一次資料で確かめてから承認してください。

Q. 公務員の社会福祉士でも副業はできますか?

地方公務員は、報酬を得る仕事に任命権者の許可が必要です。許可が出るかどうか、どの範囲なら認められるかは自治体ごとに違います。副業を始める前に、所属の人事担当に確かめてください。許可が出た場合でも、本業の利用者と副業で関わらないなど、利益が相反しない配慮が必要です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月3日最終更新:2026年10月19日
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