ケアクラークの試験を在宅で受ける方法と、介護事務の仕事での使い道


この記事のポイント
- ✓ケアクラークの在宅試験は
- ✓自宅のパソコンで受けるIBT方式です
- ✓必要な機器と部屋の条件
ケアクラークの在宅試験を調べている人の多くは、「自宅で本当に受けられるのか」「紙の問題が届く形なのか、パソコンで受ける形なのか」「資料を見てよいなら簡単なのか」という点を知りたいはずです。結論から言うと、ケアクラーク技能認定試験は、自宅のパソコンからインターネットで受けるIBT方式で実施されていて、試験中はWebカメラを通じて試験官が監視します。紙の問題が郵送で届く在宅試験は、ケアクラークでは行われていません。紙で受けたい人には、別の団体が実施する介護事務管理士という資格があります。この記事では、公式の案内をもとに、自宅で受けるための準備、試験の中身、申し込みの流れを整理し、合格した後に介護事務の仕事でどう使うかまで説明します。
ケアクラークとは介護事務の知識と技能を認定する資格
ケアクラークは、一般財団法人日本医療教育財団が実施する「ケアクラーク技能認定試験」に合格した人に与えられる称号です。介護事務とは、介護サービスを提供する事業所で、介護保険の請求、窓口での受付、書類の作成などを受け持つ仕事のことです。
日本医療教育財団は、試験の対象となる仕事を次のように説明しています。居宅介護サービス機関(自宅で暮らす人に介護サービスを届ける事業所)や介護保険施設での日常的な事務処理、窓口業務、居宅サービスや施設サービスの報酬請求事務などの職業能力を評価の対象とする、というものです。
この試験は、介護保険制度が始まる前の平成10年度から実施されています。介護保険の仕組みが始まると、事業所は毎月、提供したサービスの費用を請求する事務を担う人が必要になります。その事務を担う人の技能を確かめ、そろえるために作られた試験です。
受験資格はありません。介護の仕事の経験がない人でも、学生でも、年齢を問わず受けられます。介護の現場で働いている人が、事務の仕事に移るために受けることもあれば、事務の仕事を初めてする人が、知識があることを示すために受けることもあります。
ケアクラークの特徴は、請求の事務だけでなく、介護保険制度、社会福祉、ソーシャルワーク、リハビリテーション、介護の知識、高齢者や障害のある人の心理、医学一般までを出題の範囲に含めていることです。介護事務の人は、窓口で利用者やその家族と話す場面が多いので、請求の計算だけでなく、相手の状態を理解して話す力も求められます。その幅の広さが、この資格の中身になっています。
在宅で受けるIBT方式の仕組み
ケアクラーク技能認定試験は、IBT方式で実施されています。IBTとは、インターネットを通じて自宅や学校のパソコンで試験を受ける方式のことです。日本医療教育財団は、この方式を次のように説明しています。
個人のご自宅や学校などで、個別にパソコンでインターネットを通じて試験を受ける試験方式です。IBTシステムの有人対応により、パソコンのWebカメラを通じて、試験中の監視や本人確認をリアルタイムで行います。トラブルなどについても、IBTシステム上で対応します。 出典: jme.or.jp(IBT方式について)
「在宅試験」という言葉から、問題が郵送されてきて、自分の都合のよい時間に解いて送り返す形を思い浮かべる人もいます。ケアクラークはその形ではありません。決められた日時にパソコンの前に座り、試験官がカメラで見ている状態で受けます。自宅で受けられるという点では在宅ですが、試験そのものは会場で受けるのと同じように、時間も環境も管理されています。
IBT方式で受ける利点として、日本医療教育財団は次の点を挙げています。
- 自宅など好きな場所で受けられるので、会場までの移動の時間がかからない
- 候補の日の中から試験日時を選べるので、仕事や学習の進み具合に合わせられる
- その場で採点されるので、すぐに合否が分かる
試験の日程は毎月あり、土日を中心に月に複数回設けられています。たとえば2026年10月は、3日、4日、10日、11日、17日、18日、24日、25日、31日が試験日として公開されています。介護の仕事をしながら受ける人でも、休みの日に合わせて受けやすい日程です。
学科と実技のどちらも、参考資料を見ながら受けられます。テキストやノート、電卓、筆記用具を手元に用意して解けるので、用語や点数を丸暗記する必要はありません。ただし、資料を見られることと、時間内に解き切れることは別の話です。この点は、後の節で詳しく説明します。
試験の内容・時間・合格基準・受験料
ケアクラーク技能認定試験は、学科と実技の2つで構成されています。日本医療教育財団の試験概要で確かめた内容を表にしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学科(50分) | 介護事務知識 60問(入力・選択、○×と択一) |
| 実技(70分) | 介護保険請求実務 20問、介護給付費請求額計算 2事例、介護報酬明細書作成 1事例 |
| 合格基準 | 学科と実技、それぞれの得点率が70%以上 |
| 受験料 | 7,920円(税込) |
| 支払い方法 | クレジットカード決済またはコンビニ払い |
| 申込期間 | 試験日の1か月前から1週間前まで |
学科は、介護保険制度、社会福祉、介護の知識、医学一般など、出題の範囲が広いのが特徴です。実技は、介護サービスの費用を計算し、介護報酬の明細書(事業所が請求のために作る書類)を作る問題が中心で、実際の請求の仕事にいちばん近い内容です。
合格の基準は、学科と実技のそれぞれで70%以上です。片方が高くても、もう片方が70%に届かなければ不合格になります。学科で点を稼いで実技の苦手を埋める、という戦い方はできません。
実技の計算は、どの時点の介護報酬にもとづいて出題されるかが決まっています。日本医療教育財団のIBTのページでは、ケアクラーク技能認定試験の対応報酬は「2024年6月1日施行の介護報酬等」とされています。介護報酬は数年ごとに改定されるので、テキストを選ぶときは、受ける時期の試験が対応している報酬の年に合ったものを使います。古い年度のテキストを使うと、単位数や加算の内容が違っていて、計算の答えが合わなくなります。
試験の結果は、学科と実技の2科目を終えた後に、試験結果の画面に表示されます。1科目だけ受けた場合は、結果は表示されません。合格した場合は、試験結果の画面から合格証書がPDFで交付されます。
自宅で受けるために必要な機器と部屋の条件
IBT方式で受けるには、パソコンと部屋の条件をそろえる必要があります。日本医療教育財団が案内している条件は次のとおりです。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| パソコン | ノート型かデスクトップ型。タブレットやスマートフォンでは受けられない |
| OS | Windows 11 または Mac OS の最新版を推奨 |
| ブラウザ | Google Chrome または Microsoft Edge の最新版のみ |
| ネットワーク | 上り下りとも5Mbps以上。Wi-Fiやテザリングより有線の接続を推奨 |
| カメラ | パソコン内蔵か外付けのWebカメラが必要。スマートフォンをカメラにはできない |
| 音の機器 | イヤホンとヘッドセットは使えない |
| 場所 | 個室など1人の静かな場所で、ほかの人が同じ空間にいないこと |
気をつけたいのは、ブラウザの指定です。SafariやFirefoxでは受けられません。Macを使っている人は、Google Chromeを入れておく必要があります。また、家族と共用のパソコンを使う場合は、試験の日にほかの人が使う予定がないかも先に確かめておきます。
部屋の条件も見落としやすい点です。家族がいる家で受ける場合は、試験の時間だけ1つの部屋を空けてもらう必要があります。リビングの一角で受けると、途中で家族が入ってきたときに不正を疑われるおそれがあります。小さな子どもがいる家庭では、試験の時間に誰かに預かってもらう段取りまで考えておきます。
試験の当日には、次の確認が行われます。
- 申し込みのときに登録した身分証明書による本人確認
- 受験するパソコンの画面の共有
- パソコンのカメラで、部屋の周り360度と机の上を映して確認
机の上には、持ち込んでよい物だけを置きます。持ち込めるのは、テキスト、ノート、電卓、筆記用具です。試験が始まるまでは、これらを机の左側にまとめ、テキストは重ねて置くよう案内されています。
準備の手順として、申し込みの前に「受験環境テスト」を実施するよう求められています。これは、試験の当日に使う機器が、OS、ブラウザ、ネットワークの条件を満たしているかを確かめるテストです。申し込んだ後で条件を満たしていないと分かると、当日に受けられなくなるので、必ず申し込みの前に済ませます。
申し込みから合格証の受け取りまでの流れ
個人で自宅から受ける場合の流れを、順に並べます。
- 日本医療教育財団のIBTのページで、受験規約と受験マニュアルを読む
- 受験環境テストを実施して、パソコンとネットワークが条件を満たすことを確かめる
- 体験版のサンプル試験で、問題の出方と答え方を確かめる
- オンライン試験の仕組みであるExcertの申込サイトから、受けたい日時を選んで申し込む(試験日の1か月前から1週間前まで)
- 受験料7,920円(税込)を、クレジットカードかコンビニで支払う
- 試験の当日、本人確認と部屋の確認を受けてから、学科と実技を受ける
- 2科目を終えた後に、画面で合否を確かめる
- 合格した場合は、試験結果の画面から合格証書のPDFを受け取る
4つ目の申し込みの期間には注意します。試験日の1週間前で締め切られるので、受けたい日の直前になって申し込もうとしても間に合いません。学習の計画を立てるときは、申し込みの締め切りから逆算します。
3つ目の体験版は、初めてIBTで試験を受ける人には欠かせません。介護報酬明細書を作る問題は、画面で数字を入力したり選んだりする形なので、紙で練習してきた人ほど、画面の操作に戸惑います。体験版で入力の流れを一度通しておくと、本番で操作に使う時間を減らせます。
学校などの教育機関から受験の案内を受けた人は、その案内にある専用の申込サイトから申し込みます。個人の申込サイトとは別なので、間違えないようにします。
資料を見てよいのに不合格になる理由
ケアクラークの試験は、テキストやノートを見ながら受けられます。そう聞くと、簡単な試験だと考える人もいますが、実際には時間が足りなくなる人が多い試験です。理由は3つあります。
1つ目は、問題の数に対して時間が限られていることです。学科は50分で60問なので、1問あたり1分もかけられません。問題を読むたびにテキストを開いて答えを探していると、それだけで時間を使い切ります。資料は「知らないことを調べるため」ではなく、「覚えていることを確かめるため」に使うものだと考えたほうが、時間内に解き切れます。
2つ目は、実技の計算に手順の理解が要ることです。介護給付費の請求額を計算する問題では、サービスの単位数を出し、加算や減算を当てはめ、地域ごとに決まった単価をかけて金額にし、利用者の負担と保険で払う分に分ける、という順番で進めます。テキストにはそれぞれの数字が載っていますが、どの順番で何を当てはめるかが分かっていないと、資料をめくっても答えにたどり着けません。
3つ目は、合格の基準が学科と実技のそれぞれで70%以上と決まっていることです。学科は満点に近くても、実技の明細書の作成で間違いが重なると不合格になります。
この3つを踏まえると、学習のしかたも決まってきます。テキストのどこに何が書いてあるかを把握し、付せんやインデックスで素早く開けるようにしておくこと。計算の問題は、手順を何度も通して練習し、資料を見なくても順番が分かる状態にすること。この2つをしておけば、資料を見てよいという条件を時間の節約に使えます。
インフラの仕事の資格試験でも、手元で調べられる環境ほど、調べ方の速さで差が出ます。調べる場所が頭に入っている人は、確かめるだけで次に進めます。介護事務の試験も同じで、テキストを「辞書」として使えるように準備した人ほど、落ち着いて時間内に終えられます。
試験の当日に慌てないための段取り
自宅で受ける試験は、会場に行く手間がない代わりに、パソコンと部屋の準備をすべて自分で整える必要があります。会場の試験なら試験の運営側が用意してくれることを、自分で先に済ませておく、と考えると準備の抜けが減ります。当日の段取りを、時間の順に並べます。
- 前日までに、パソコンのOSとブラウザの更新を済ませておく。試験の直前に更新が始まると、再起動で時間を取られる
- 前日までに、受験マニュアルの準備の手順をもう一度読み、身分証明書を手元に用意する
- 当日は、開始時刻よりかなり早めにパソコンを起動し、不要なアプリを閉じ、通知が出ないようにしておく
- ノート型のパソコンは電源につないでおく。試験の途中で電池が切れると、試験を続けられなくなるおそれがある
- 机の上を、テキスト、ノート、電卓、筆記用具だけにする。付せんを貼ったテキストはすぐ開ける向きにそろえる
- 家族に試験の時間を伝え、その間は部屋に入らないよう頼んでおく。インターホンや電話にも出られないことを伝えておく
試験中にトラブルが起きたときは、IBTのシステム上で対応すると案内されています。画面が止まった、カメラが映らなくなった、といったときに慌てて自分で再起動を繰り返す前に、受験時トラブル対応マニュアルに書かれた手順を確かめます。このマニュアルは試験の前に一度目を通しておき、どんなときにどうするかを頭に入れておくと安心です。
ネットワークの準備も大切です。推奨は有線の接続で、Wi-Fiやテザリングは推奨されていません。自宅のパソコンに有線のLANの差し込み口がない場合は、変換のアダプターを用意する人もいます。どうしても無線で受ける場合は、受験環境テストを試験の日と同じ時間帯に実施しておくと、家族が動画を見ている時間に回線が遅くなるといった問題に気づけます。
学科と実技の間の時間の使い方も、事前に決めておきます。学科50分で集中した後に、70分の実技が続きます。合わせて2時間を超える試験なので、飲み物を机に置いてよいかなど、受験規約で決まっていることは先に確かめ、規約にないことは自己判断せず問い合わせておきます。
紙の在宅試験を受けたい人は介護事務管理士を比べる
パソコンで受けるのが不安な人や、カメラで監視される形が合わない人には、紙で受けられる別の資格があります。一般社団法人技能認定振興協会が実施する介護事務管理士技能認定試験です。この試験には、紙の問題を自宅で解く在宅試験と、インターネットで受ける試験の2つがあります。
技能認定振興協会は、紙の在宅試験を次のように説明しています。
紙の試験問題が受験日の3日前頃に郵便でお届け。ご自宅でテキスト、ノート等の資料や計算機を使用し、答案用紙に受験日までに回答し返信いただきます。 出典: ginou.co.jp(在宅試験について)
ケアクラークと介護事務管理士の違いを、公式の案内で確かめた範囲で表にしました。
| 項目 | ケアクラーク | 介護事務管理士 |
|---|---|---|
| 実施団体 | 日本医療教育財団 | 技能認定振興協会 |
| 受け方 | IBT方式のみ(自宅のパソコン、カメラで監視) | 紙の在宅試験、またはインターネット受験 |
| 試験時間 | 学科50分、実技70分 | 実技と学科を合わせて120分 |
| 出題 | 学科60問、実技は請求実務20問と計算2事例と明細書1事例 | 実技はレセプト点検2問(6問から選択)、学科10問 |
| 合格基準 | 学科と実技それぞれ70%以上 | 紙の試験とインターネット受験で基準が違う |
| 受験料 | 7,920円(税込) | 5,500円(税込) |
介護事務管理士の紙の在宅試験は、日程が決まっています。2026年は10月25日、11月29日、12月20日、2027年は1月24日、2月28日、3月28日と、月に1回、日曜日に設定されています。申し込んだ後は、受験の月の変更やキャンセルはできないとされています。
どちらを選ぶかは、何を重視するかで決まります。介護保険制度や社会福祉、介護の知識まで含めて幅広く学んだことを示したいならケアクラーク、紙で落ち着いて受けたいなら介護事務管理士、という分け方ができます。介護事務の求人に応募するときは、どちらの資格を求めているかを求人票で確かめておくと、資格を選び直す手間が省けます。
合格に向けた学習の進め方
ケアクラークの学習は、独学でも通信講座でも進められます。独学で進める場合の手順を、時間配分の目安とあわせて並べます。
- 受ける時期の試験が対応している介護報酬の年に合ったテキストを用意する
- 出題の範囲(介護保険制度、社会福祉、介護の知識、心理、医学一般、介護報酬請求事務)を1周読み、全体を把握する
- 実技の計算と明細書の作成を、例題で何度も通して練習する
- テキストに付せんを貼り、よく開くページにすぐ戻れるようにする
- 体験版のサンプル試験を本番と同じ時間で解き、学科と実技の時間配分を確かめる
- 間違えた分野のテキストに戻り、もう一度例題を解く
時間の使い方は、実技の練習に多く割くのが効果的です。学科は範囲が広いものの、1問ずつの問いは基本的な内容が中心です。一方で実技は、計算の手順を体で覚えていないと時間内に終わりません。練習の半分以上を実技に回すくらいの配分が、学科と実技の両方で70%を超えるための近道です。
通信講座を使う場合は、講座がケアクラークの試験に対応しているかを確かめます。介護事務の講座には、ケアクラークに対応したもの、介護事務管理士に対応したもの、両方に触れるものがあります。講座の説明に、どの試験の対策なのかが書かれているので、申し込みの前に読みます。日本医療教育財団のページには、試験に対応した学習を行う受験校の一覧も載っています。
介護の現場で働いている人が受ける場合は、職場の請求の画面や書類を思い浮かべながら学ぶと、内容が頭に入りやすくなります。ただし、利用者の個人情報が載った書類を、学習のために家に持ち帰ってはいけません。試験の出題範囲にも、介護関係事業者での個人情報の適切な扱いが入っています。
介護事務の仕事でケアクラークをどう使うか
ケアクラークを取った後の使い道は、主に介護事務の仕事です。介護事務の仕事は、大きく分けて次の3つです。
- 介護報酬の請求 … 提供したサービスの費用を計算し、明細書を作り、毎月決まった期日までに国民健康保険団体連合会(国保連。介護保険の請求の審査と支払いを担う団体)へ請求する
- 窓口と電話の対応 … 利用者やその家族、ケアマネジャー(介護サービスの計画を立てる専門職)からの問い合わせを受ける
- 書類の作成と管理 … 契約書、利用者の記録、職員の勤務の記録などをそろえて保管する
ケアクラークの試験は、このうち請求の仕事を中心に、窓口で必要な知識までを扱っています。資格があれば、未経験でも、介護報酬の計算と明細書の仕組みを理解していることを示せます。応募したい求人が資格を条件や歓迎の項目に挙げているかは、求人票の応募資格の欄で確かめます。
働く場所は、介護保険施設、居宅介護サービスの事業所、訪問看護の事業所、病院などです。事業所によっては、介護事務の人が、送迎の手配や利用者の受付、職員の勤務表の作成まで受け持つことがあります。事務だけでなく、現場の職員と連絡を取り合う場面が多い仕事です。
介護事務の仕事を在宅でできるかについては、慎重に考える必要があります。請求の事務は、利用者の個人情報を扱い、事業所の請求のソフトや記録を使って進める仕事なので、多くの事業所では事業所の中で行っています。在宅での勤務を認めているかどうかは事業所ごとに違うので、求人を探すときは、勤務の形を求人票と面接で確かめます。
事業所で働いていて、介護職員として資格や研修の費用を職場に支援してもらえるかを知りたい人は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法が参考になります。事業所が職員の研修に使える国の助成金の仕組みを説明しています。助成金を使うかどうかは事業所が決めることなので、受けたい資格がある人は、職場に研修の支援の制度があるかを尋ねてみるところから始めます。
介護報酬の請求が1か月の中でどう進むか
ケアクラークの実技で問われる内容が、実際の仕事のどこに当たるかを知っておくと、学習の意味がつかみやすくなります。介護報酬の請求は、毎月同じ流れで繰り返されます。事業所の種類によって細かい違いはありますが、居宅サービスの事業所での一般的な流れは次のとおりです。
- ケアマネジャーが立てた介護サービスの計画にもとづいて、その月に提供する予定のサービスが事業所に伝えられる
- 月の間、実際に提供したサービスの記録をつける
- 月が終わったら、予定と実際に提供した内容を突き合わせ、ずれがあれば確かめる
- 翌月の上旬に、サービスの単位数を計算し、介護給付費の明細書を作って国保連へ請求する
- 国保連の審査を経て、保険で払う分が事業所に支払われる
- 利用者が負担する分は、利用者に請求書を出して受け取る
試験の実技にある「介護給付費請求額計算」は4つ目と6つ目の計算に、「介護報酬明細書作成」は4つ目の書類づくりに当たります。月の上旬は請求の作業が集中するので、介護事務の人にとっていちばん忙しい時期です。
請求の書類に不備があると、国保連から差し戻されることがあります。これを返戻(へんれい)と言い、差し戻された分は直して翌月以降にもう一度請求します。返戻が続くと、事業所に入るお金が遅れます。介護事務の人が計算と書類の正確さを強く求められるのは、事業所の資金の流れに直結するからです。
ケアクラークの試験で、資料を見ながらでも正確に計算し、明細書を作る練習をしておくことは、そのままこの月初めの作業の練習になります。請求のソフトを使う職場でも、ソフトが出した結果が正しいかを確かめるには、計算の仕組みを知っている必要があります。仕組みが分かっている人は、ソフトの設定の誤りや、入力の漏れに気づけます。
資格を取った後に知識を保つ方法
ケアクラークには、取った後の更新の手続きは案内されていません。一方で、介護報酬は数年ごとに改定されるので、取ったときの知識のままでは、実際の請求の仕事で通用しなくなります。資格を取った後も、知識を新しく保つ習慣が欠かせません。
知識を保つ方法として、次のようなものがあります。
- 介護報酬の改定の年は、改定の内容をまとめた資料を読み、加算や単位数の変わった点を確かめる
- 職場の請求の担当者が集まる研修や勉強会に参加する
- 改定に合わせて出る新しい年度のテキストで、計算の例題を解き直す
介護報酬の改定の内容は、厚生労働省の介護報酬のページで確かめられます。改定のたびに、何がどう変わったかの資料が掲載されます。介護事務の仕事をしている人は、改定の発表があった時期にこのページを開く習慣をつけておくと、職場の請求の変更にも慌てずに対応できます。
また、介護事務の仕事では、文書を書く場面が多くあります。利用者や家族への案内、ケアマネジャーへの連絡、職場の手順書などです。文章の書き方を体系的に学びたい人には、文書の作り方と敬語の使い方を問う検定もあります。介護事務の知識と、相手に伝わる文書を書く力の両方があると、事務の仕事の幅が広がります。
ケアクラークが向いている人と、別の選択が合う人
ケアクラークの在宅試験が向いているのは、次のような人です。
- 介護の現場で働いていて、事務の仕事にも関わりたい人
- 未経験から介護事務の仕事に応募するために、知識があることを示したい人
- 会場まで行く時間を取りにくく、休みの日に自宅で受けたい人
- 請求の計算だけでなく、介護保険制度や高齢者の心理まで幅広く学びたい人
一方で、次のような人は、別の選択も比べたほうがよい場合があります。
- 自宅に1人になれる部屋を用意できない人 … 介護事務管理士の紙の在宅試験なら、部屋の監視はない
- Webカメラのあるパソコンを持っていない人 … 機器をそろえる費用と、紙の試験の受験料を比べる
- 医療事務の仕事も視野に入れている人 … 同じ財団の医療事務の試験もIBT方式で受けられるので、どちらを先に受けるかを決める
迷ったときは、応募したい求人がどの資格を挙げているかを見るのが、いちばん確かな決め方です。
在宅の仕事を見てきた運営者の視点と、資格の生かし方
在宅の仕事とフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、介護や医療の事務の資格は、それだけで在宅の仕事につながるものではありません。請求の事務は事業所の中で行うことが多く、資格を取ったからといって、自宅で請求を受け持つ仕事がすぐに見つかるわけではないからです。資格が生きるのは、事業所で働きながら経験を積み、その知識を別の形で使うときです。
たとえば、介護事務の経験と知識を持つ人が、介護の分野の記事を書く仕事を受けることがあります。介護保険の仕組みや、介護サービスの使い方を、利用者や家族に向けて分かりやすく書ける人は多くありません。事務の現場で制度に触れてきた人は、その説明を正しく書けるので、介護の分野を専門にする書き手として見てもらいやすくなります。書いたものを見せる形については、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で具体的に紹介しています。
仲介の手数料が乗らない直接のやりとりでは、同じ予算で依頼する側はより多くの作業を頼め、受ける側の手取りは厚くなります。介護の分野の記事や資料を作る仕事は、小さな事業所が直接頼むことが多い分野です。手数料0%で直接取引できる場では、受けた報酬がそのまま手取りになります。
ケアクラークの在宅試験は、自宅のパソコンとWebカメラ、1人で過ごせる部屋があれば、会場に行かずに受けられます。受験料は7,920円(税込)で、試験は毎月、土日を中心に何回も設けられています。まずは受験環境テストと体験版で、自分のパソコンと部屋で受けられるかを確かめ、実技の計算の練習から始めてください。事務の仕事では文書の力も問われるので、ビジネス文書検定のように、介護事務の知識と組み合わせて生きる資格もあわせて確かめておくと、仕事の幅を広げる次の一歩が決めやすくなります。
よくある質問
Q. ケアクラークの在宅試験は紙の問題が郵送されてきますか?
郵送はされません。ケアクラーク技能認定試験はIBT方式で、自宅のパソコンからインターネットで受けます。試験中はWebカメラを通じて試験官が監視し、本人確認と部屋の確認も行われます。紙の問題を自宅で解く形で受けたい場合は、技能認定振興協会の介護事務管理士の在宅試験が選べます。
Q. 自宅で受けるにはどんなパソコンが必要ですか?
ノート型かデスクトップ型のパソコンで、Webカメラが使えるものが必要です。推奨はWindows 11かMac OSの最新版で、ブラウザはGoogle ChromeかMicrosoft Edgeの最新版に限られます。タブレットとスマートフォンでは受けられません。申し込みの前に、公式の受験環境テストで条件を満たすか確かめてください。
Q. テキストを見ながら受けられるのに、なぜ不合格になる人がいるのですか?
時間が限られているからです。学科は50分で60問あり、1問ごとにテキストを探していると時間が足りなくなります。実技の計算は手順を理解していないと資料を見ても答えにたどり着けません。合格には学科と実技のそれぞれで70%以上が必要なので、計算の手順を繰り返し練習しておくことが大切です。
Q. ケアクラークを取れば在宅で介護事務の仕事ができますか?
資格だけで在宅の仕事につながるとは限りません。介護報酬の請求は利用者の個人情報と事業所のソフトを使うので、多くの事業所では事業所の中で行っています。在宅での勤務を認めるかどうかは事業所ごとに違うため、求人票と面接で勤務の形を確かめてください。経験を積んだ後に、介護の分野の記事を書く仕事に生かす人もいます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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