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チューリッヒ保険のZ-Dashへの不正アクセス|最大1,668名 個人情報漏えいの可能性 2026

@SOHO編集部
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チューリッヒ保険のZ-Dashへの不正アクセス|最大1,668名 個人情報漏えいの可能性 2026

この記事のポイント

  • ✓チューリッヒの情報漏洩について
  • ✓2026年8月27日の公式発表をもとに整理
  • ✓ドライブレコーダーのデータをアップロードするシステム「Z-Dash」への不正アクセスで

チューリッヒの情報漏洩について、先に結論を書きます。チューリッヒ保険会社は2026年8月27日、ドライブレコーダーのデータをアップロードするための同社のシステム「Z-Dash」が第三者から不正アクセスを受け、個人情報が漏えいした可能性があると発表しました。対象は、このシステムにドライブレコーダーのデータをアップロードしたお客さまで、最大で1,668名(2026年8月27日時点)です。項目は事案管理番号、氏名、メールアドレスで、ドライブレコーダーの映像、クレジットカードや口座の情報は含まれていないと明記されています。 Z-Dashにデータをアップロードしたことがある人がまずすることは、事故の番号や保険金の話を持ち出すメールに注意し、届いたメールのリンクではなく、自分で調べた公式の窓口で確かめることです。

2026年11月1日時点で、チューリッヒ保険会社のお知らせ一覧を開き直して確かめたところ、続報は公式サイトに掲載されていません。会社は詳細が分かりしだい、該当するお客さまに郵送で知らせ、調査の進み具合をウェブサイトで報告するとしています。この記事は、2026年8月27日の公式発表だけをもとに書いています。報道の数字や推測は入れていません。

Z-Dashへの不正アクセスで何が起きたのか

チューリッヒ保険会社は、自動車保険やバイク保険などを扱う損害保険会社です。今回の発表の対象になったZ-Dashは、ドライブレコーダーのデータをアップロードするための同社のシステムとされています。ドライブレコーダーは、車の前後の様子を録画する機器のことで、事故のときの状況を確かめる材料として使われます。

公式発表の骨子は次のとおりです。

  • 2026年8月18日、社内調査で、Z-Dashに脆弱性が認められた
  • 過去のアクセス状況を調べたところ、2026年4月1日と4月6日に第三者による不正アクセスがあった
  • その結果、お客さまの個人情報が漏えいした可能性があることを確認した
  • 現在、Z-Dashの利用を停止し、詳細を調査している
  • 対象は、Z-Dashにドライブレコーダーのデータをアップロードしたお客さまで、最大で1,668名(2026年8月27日時点)

脆弱性とは、悪用されると本来見られないはずの情報に手が届いてしまうような、システムの弱点のことです。今回は、その弱点が2026年8月18日に社内の調査で見つかり、さかのぼって記録を調べたところ、4月に不正なアクセスがあったと分かった、という順番です。

2026年8月18日、社内調査により、ドライブレコーダーのデータをアップロードするための当社のシステム(名称:Z-Dash、以下、「当該システム」)に脆弱性が認められました。過去のアクセス状況を調査したところ、2026年4月1日および4月6日に第三者による不正アクセスがあり、以下に記載するお客さまの個人情報が漏えいした可能性があることを確認いたしました。 出典: チューリッヒ保険会社「当社システムに対する不正アクセスおよび個人情報漏えいの可能性について」

発表の言葉は「漏えいした可能性」です。会社は、不正アクセスがあったことは確認していますが、情報が外へ持ち出されたと確定したとは書いていません。この記事でも、発表の表現どおり「漏えいした可能性」として扱います。

公表の経緯と2026年11月1日時点で分かっていること

発表に書かれた日付を時系列で並べると、次のようになります。

日付 出来事(公式発表の記載)
2026年4月1日 第三者による不正アクセス
2026年4月6日 第三者による不正アクセス
2026年8月18日 社内調査でZ-Dashに脆弱性が認められた
2026年8月27日 チューリッヒ保険会社が公表。最大で1,668名(同日時点)
2026年11月1日時点 続報は公式サイトに掲載されていない

不正アクセスがあった日と、弱点が見つかった日の間には4か月ほどの開きがあります。発表の流れからすると、不正アクセスは起きた時点では気づかれておらず、8月に弱点が見つかったあとで、過去の記録を調べて分かったということです。なぜ4月の時点で気づかなかったのかは、発表に書かれていません。

人数の「最大で1,668名」には「2026年8月27日時点」という但し書きがついています。調査が進めば数字が変わる可能性があるという意味で読むのが正確です。発表は、調査の進捗状況などをウェブサイトで報告するとしていますが、2026年11月1日時点で、お知らせ一覧に続報は掲載されていません。お知らせ一覧には、その後も台風や大雨の被害を受けた人へのお知らせなどが掲載されており、続報が出ていないことは一覧から確かめられます。

漏えいした可能性がある情報と含まれない情報

発表に書かれた項目を、漏えいした可能性がある情報と、含まれないと明記された情報に分けて表にしました。

区分 項目
漏えいした可能性がある情報 事案管理番号、氏名、メールアドレス
含まれないと明記された情報 ドライブレコーダーの映像など、クレジットカードや口座情報など
対象のお客さま Z-Dashにドライブレコーダーのデータをアップロードしたお客さま
人数 最大で1,668名(2026年8月27日時点)

会社は、事案管理番号、氏名、メールアドレスの内訳、つまり1人ごとにどの項目の組み合わせが対象になったかは、現在調査中としています。そのため、全員の3項目すべてが漏えいした可能性があるとは限りません。氏名だけの人、メールアドレスだけの人がいる可能性もあり、そこは続報を待つ必要があります。

事案管理番号については、発表に説明がついています。損害調査の業務を行うにあたって、事案ごとに割り当てている8桁の番号で、番号そのものにお客さまの情報を推測させるものは含まれていない、という内容です。損害調査とは、事故の状況や損害の大きさを調べて、保険金の支払いにつなげる作業のことです。

事案管理番号とは、当社において、損害調査業務を行うにあたって事案ごとに割り当てている8桁の番号で、番号自体にお客さまの情報を類推させるものは含まれておりません。 出典: チューリッヒ保険会社「当社システムに対する不正アクセスおよび個人情報漏えいの可能性について」

番号そのものから住所や車の情報が分かるわけではありません。ただ、事案管理番号は、事故の対応をしている人にとっては「自分の事故の番号」です。この番号と氏名、メールアドレスが結びついた状態で悪用されると、本物の保険会社からの連絡に見えやすくなります。次の節で、この点を詳しく見ます。

事案管理番号が含まれることの意味

一般的な情報漏洩の事案では、氏名やメールアドレスが漏れたときに「偽のメールに注意」と言われます。今回はそこに、事故の対応で使われる番号が加わっている点が特徴です。

事故の対応をしている人は、保険会社とのやり取りを待っている状態にあります。保険金の支払いの手続き、修理の見積もり、過失の割合の話など、保険会社からの連絡には実際に返事をする必要があります。そこへ、自分の事案管理番号と氏名が入ったメールが届けば、本物の連絡だと受け取ってしまいやすくなります。

考えられる悪用の形は、たとえば次のようなものです。実際にこうした被害が確認されたという発表はありません。

  • 「事案管理番号○○○○○○○○の保険金のお支払いにあたり、振込先口座の確認をお願いします」とリンクを貼ったメール
  • 「ドライブレコーダーの映像の再提出が必要です」と、別のアップロード先に誘導するメール
  • 「手続きに不備があるため、本日中にご連絡ください」と、知らない電話番号への連絡を求めるメール

いずれも、事故の対応中であれば自然に見える文面です。会社は、クレジットカードや口座の情報は含まれていないとしていますが、偽のメールに応じて入力すれば、その時点で口座やカードの情報が相手に渡ってしまいます。「口座は漏れていないから安心」ではなく、「口座の情報を聞いてくる連絡は、まず疑う」と考えるのが安全です。

原因として発表されたこと

原因について、発表で分かっているのは、Z-Dashに脆弱性があり、それを使って第三者が2026年4月1日と4月6日に不正アクセスした、というところまでです。どのような弱点だったのか、誰がどこからアクセスしたのか、なぜ4月の時点で気づかなかったのかは、発表に書かれていません。会社は根本原因を調査中としています。

この記事では、発表に書かれていない技術的な中身を推測しません。分かっているのは次の3点です。

  • 弱点は2026年8月18日に社内の調査で見つかった
  • 不正アクセスは2026年4月1日と4月6日の2回
  • Z-Dashの利用は停止している

反対に、2026年11月1日時点で公式に分かっていないことは次のとおりです。

  • 弱点の種類と、第三者が不正アクセスした手段
  • 4月1日と4月6日のアクセスで、どの人のどの項目に手が届いたか
  • 不正アクセスをした第三者が誰か
  • Z-Dashの利用をいつ再開するか

分かっていないことは、続報が出るまで「分からない」として扱うのが正確です。ニュースやSNSで、分かっていない部分を埋めるような話が出回っても、公式の発表で確かめられるまでは判断の材料にしないようにします。

Z-Dashが停止しているため、ドライブレコーダーのデータを提出する必要がある人は、どの方法で提出すればよいかを担当者に確かめる必要があります。提出の方法を案内するメールが届いたら、それが本物かどうかを確かめてから動きます。

チューリッヒ保険会社の対応

発表に書かれた会社の対応は次のとおりです。

  • 事案を確認したあと、速やかにZ-Dashの利用を停止した
  • 対象となったお客さまの特定と、根本原因の調査を行っている
  • 監督当局へ事故の報告を行った
  • 詳細が分かりしだい、該当するお客さまに郵送で通知する
  • 調査の進捗状況などは、ウェブサイトで報告する

ここで注目したいのは、通知の方法が「郵送」とされている点です。漏えいした可能性がある項目にメールアドレスが含まれているため、会社からの正式な通知はメールではなく郵便で届く、と発表から読み取れます。逆にいえば、「Z-Dashの件で」とメールで連絡が来た場合は、会社が発表した通知の方法と食い違うことになります。食い違う連絡は、その時点で疑うのが基本です。

お詫びの品や補償があるかどうかは、発表に書かれていません。書かれていない以上、この記事でも推測しません。情報漏洩のときに会社がどのような対応をとることが多いか、利用者の側で何を確かめればよいかは、情報漏洩の補償はもらえるのかで、お詫び金やポイントの例とあわせて整理しています。

自分が対象かを確かめる方法

対象は、Z-Dashにドライブレコーダーのデータをアップロードしたお客さまです。会社は詳細が分かりしだい、該当する人に郵送で通知するとしています。

確かめるときの手順は次のとおりです。

  1. チューリッヒ保険会社で事故の対応を受けたときに、ドライブレコーダーのデータをアップロードしたかを思い出す
  2. 事故の担当者から届いたメールや書類に、データのアップロードの案内があったかを見る
  3. 会社からの郵便での通知が届いていないかを確かめる
  4. 分からないときは、お客さま相談室(0120-860-697)に問い合わせる

ドライブレコーダーのデータを郵送や別の方法で渡した人、そもそもデータを提出していない人が対象になるかについて、発表は「当該システムにドライブレコーダーのデータをアップロードされたお客さま」とだけ書いています。自分がZ-Dashを使ったか分からないときは、推測で判断せず、相談室に確かめるのが確実です。

対象かもしれない人がすること

漏えいした可能性がある項目は、事案管理番号、氏名、メールアドレスの3つです。項目に合わせて、要るものだけを進めます。

保険会社を名乗るメールのリンクを開かない

いちばん大切なのは、事案管理番号や保険金の話を持ち出すメールへの備えです。メールの中のリンクから、口座番号、カード番号、ログインの情報を入力しないようにします。

警察庁は、フィッシングのメールについて次のように注意を呼びかけています。

電子メール等の文面は、「個人情報の漏えい」、「不正アクセス検知」、「取引の停止」等、切迫感を煽り、ログインさせようとするものが多数確認されています。 出典: 警察庁「フィッシング対策」

保険の手続きに関する連絡は、ふだんから期限が書かれていることが多く、急いで応じたくなるものです。期限を強調するメールほど、いったん手を止めて、担当者から最初に案内された連絡先や、チューリッヒ保険会社の公式サイトに載っている電話番号で確かめます。フィッシングのメールを見分ける手順は、フィッシング詐欺メールの見分け方で説明しています。

事故の担当者の連絡先を控えておく

事故の対応を受けている人は、担当者の名前と、最初に案内された電話番号を手元に控えておくと、不審な連絡が来たときにすぐ確かめられます。メールの署名にある電話番号は、偽のメールなら偽の番号が書かれているため、確かめる手段になりません。最初の案内の書類や、公式サイトで調べた番号を使います。

メールアドレスの使われ方を確かめる

メールアドレスが漏えいした可能性があるため、そのアドレスが過去のほかの漏洩事案に含まれていないかを確かめておくのも一つの方法です。調べ方は、Have I Been Pwnedの使い方で紹介しています。今回の件ではパスワードは項目に含まれていませんが、同じメールアドレスで多くのサービスに登録している人は、パスワードの使い回しがないかも見直しておくと、ほかの事案が起きたときの被害を防ぎやすくなります。

しなくてよいこと

今回の発表では、クレジットカードや口座の情報、ドライブレコーダーの映像は含まれていないとされています。そのため、今回の件だけを理由に次のことをする必要は示されていません。

  • クレジットカードを止める
  • 銀行口座を変える
  • 保険の契約を解約する

心配なことがあれば、手続きを変える前に、お客さま相談室に確かめるのが順番です。

保険会社を装う連絡の具体例と見分け方

ここでは、今回の項目の組み合わせから考えられる連絡の例と、見分けるときの手がかりを挙げます。実際にこうした連絡が確認されたという発表はありません。見分ける練習として読んでください。

メールの場合

件名に「【チューリッヒ】事案管理番号のご確認」「保険金お支払いのご案内」などと書かれ、本文に本名と8桁の番号が入っているメールが考えられます。本文には「お支払い手続きを進めるため、下記のURLから振込先口座をご登録ください」とリンクが貼られている、という形です。

見分けるときの手がかりは次のとおりです。

  • 会社は、該当するお客さまへの通知は郵送で行うと発表している
  • 口座番号やカード番号を、メールのリンクから入力させる手続きは、まず疑う
  • 送信元のアドレスは偽装できるため、アドレスだけで本物と決めない
  • 期限を短く区切り、「本日中」「至急」と急がせる

どれか1つでも当てはまったら、リンクを開かずに、担当者から最初に案内された連絡先か、お客さま相談室で確かめます。

SMSの場合

メールアドレスと氏名が対象の項目で、電話番号は発表の項目に挙げられていません。それでも、保険会社を装うSMSは今回の件と関係なく出回ることがあります。「お支払いの手続きに不備があります」と短いURLだけが書かれたSMSは、開かずに無視するのが安全です。

電話の場合

「チューリッヒ保険の者です。事案管理番号の件で、口座の確認をさせてください」といった電話も考えられます。電話で番号を言われると本物らしく聞こえますが、今回はその番号自体が漏えいした可能性のある項目です。電話を受けたら、相手の名前と用件を聞いていったん切り、自分で調べた番号にかけ直して確かめます。相手が教えてくる折り返しの番号は使いません。

郵便の場合

会社は、該当するお客さまに郵送で通知するとしています。そのため、郵便で届いた通知は本物である可能性が高いものの、郵便を装う偽物がまったく出ないとも言い切れません。郵便に書かれた連絡先が、チューリッヒ保険会社の公式サイトに載っている番号と同じかを照らし合わせてから連絡します。郵便の中で、二次元コードを読み取ってカード番号を入力させるような案内があれば、相談室に確かめます。

入力してしまったとき

偽の連絡に応じて情報を入力してしまったときは、入力した内容に応じて次の順に動きます。

  1. 口座番号や暗証番号を入力した場合は、すぐに銀行の公式の窓口に連絡して、口座の取引を止める
  2. クレジットカードの番号を入力した場合は、カード会社の公式の窓口に連絡して、カードを止める
  3. パスワードを入力した場合は、そのパスワードを使っているサービスすべてで、別のパスワードに変える
  4. お金を振り込んでしまった場合は、警察の相談窓口(#9110)に相談する
  5. チューリッヒ保険会社のお客さま相談室にも、どのような連絡が来たかを知らせる

パスワードを変える順番と使い回しの見直し方は、パスワードが漏洩したらどうなるで説明しています。

ドライブレコーダーのデータを提出するときの考え方

発表によると、Z-Dashの利用は停止しています。事故の対応の途中で、ドライブレコーダーのデータを提出するよう求められている人は、どの方法で提出すればよいかを、担当者に電話で確かめる必要があります。

データの提出を求める連絡が届いたときに確かめたいのは次の点です。

  • その連絡は、自分が受けている事故の対応の流れの中で来たものか
  • 提出先として、Z-Dash以外の見慣れない名前のサイトやアプリが指定されていないか
  • 提出の前に、ログインのIDやパスワード、カード番号の入力を求められていないか

ドライブレコーダーの映像には、自分の車のナンバーや、走った道、同乗者の声などが記録されていることがあります。今回の発表では映像は含まれていないとされていますが、映像は個人の生活が分かる情報になりえます。提出先が本物かどうかを確かめてから渡すのが、映像を守る基本です。

提出の方法について会社から新しい案内が出る場合は、担当者からの連絡か、公式サイトのお知らせで確かめます。メールで「新しい提出先」としてURLが送られてきても、そのまま開かず、担当者に確かめてから使います。

家族に伝えておきたいこと

自動車保険は、家族の誰かが契約者で、別の家族が運転していた、ということがよくあります。事故の対応で家族がZ-Dashにデータをアップロードしていた場合、氏名やメールアドレスは、その家族のものかもしれません。

家族で共有しておきたいのは次の点です。

  • 事故の対応で、誰がドライブレコーダーのデータをアップロードしたか
  • 会社からの通知は郵送で届く予定であること
  • 保険金や口座の話をするメールや電話は、担当者か相談室に確かめてから応じること
  • 不審な連絡が来たら、削除する前に家族と相談室に知らせること

高齢の家族が契約者になっている場合は、電話での連絡に特に気をつけます。事故の番号や名前を言われると、相手を信じてしまいやすくなるためです。「保険会社からの電話で口座を聞かれたら、いったん切って家族に知らせる」と、具体的な場面を挙げて話しておくと伝わりやすくなります。

事故の対応中の人が気をつけること

今まさに事故の対応が続いている人は、保険会社からの本物の連絡と、偽の連絡が混ざる状態になりえます。次の点を決めておくと、迷わずに済みます。

  • 保険金の振込先は、メールのリンクから入力しない。担当者に電話で確かめる
  • ドライブレコーダーのデータの再提出を求められたら、Z-Dashが停止していることを踏まえ、提出の方法を担当者に確かめる
  • 修理工場やレッカーの手配、示談の話など、お金が動く連絡は、必ず最初に案内された連絡先で確かめる
  • 家族の名義で契約している場合は、家族にも今回の件を伝えておく

事故のあとは、体の不調や車の修理、仕事の調整などで忙しく、メールを1通ずつ確かめる余裕がないこともあります。だからこそ、「保険のお金の話はメールのリンクでは進めない」と1つだけ決めておくと、忙しいときにも守りやすくなります。

事故の対応がすでに終わっている人も、油断はできません。4月の時点でZ-Dashにデータをアップロードし、その後に保険金の支払いまで終わっている人にも、「追加のお支払いがあります」「過払いの返金のお願い」といった、終わった事故を蒸し返す連絡が届く可能性があります。終わったはずの事故について、お金の話が急に来たときこそ、担当者か相談室で確かめてから動きます。

発表を読むときに押さえたい3つの言葉

今回の発表には、読み落とすと事案の大きさを取り違えやすい言葉が3つあります。

1つ目は「可能性」です。会社が確認したのは、第三者による不正アクセスがあったことと、それによって個人情報が漏えいした可能性があることです。情報が実際に外へ持ち出され、どこかで使われたことが確認されたわけではありません。

2つ目は「最大で」と「2026年8月27日時点」です。1,668名は、対象になりうる人の上限として示された数字で、しかも発表の日の時点のものです。調査が進めば数字が変わる可能性があり、続報でどう示されるかを見る必要があります。

3つ目は「内訳は調査中」です。事案管理番号、氏名、メールアドレスの3つがそろって漏えいした可能性があるのか、そのうちの一部なのかは、1人ずつ違うかもしれません。メールアドレスが含まれない人には、偽のメールが届く心配は小さくなりますが、自分がどれにあたるかは、会社からの郵送の通知を待つ必要があります。

この3つを押さえると、「チューリッヒで大量の情報が流出した」といった強い言い方に出会ったときにも、公式の発表と比べて落ち着いて判断できます。

Z-Dashを使っていない契約者が気をつけること

チューリッヒ保険会社と契約していても、事故の対応でZ-Dashにデータをアップロードしたことがない人は、発表の対象として挙げられていません。発表は、Z-Dash以外のシステムや、契約者向けのWebサービスに影響があるとは書いていません。

ただし、ニュースで「チューリッヒ」の名前を見た人を狙って、対象でない人にも偽の連絡が送られる可能性はあります。たとえば「情報漏えいの対象となったため、お見舞いのポイントを付与します。こちらからログインしてください」といったメールです。発表には、お見舞いやポイントの話は出てきません。発表に書かれていない手続きを求める連絡は、対象かどうかにかかわらず疑ってかかります。

契約者向けのWebサービスを使っている人は、そのログインのパスワードをほかのサービスと使い回していないかを、この機会に見直しておくと安心です。今回の件で、契約者向けのWebサービスのパスワードが漏れたという発表はありません。見直しは、今回の件とは別の、ふだんの備えとして行うものです。

不審な連絡を受け取ったときの記録の残し方

不審なメールや電話を受けたときは、すぐに削除したり忘れたりせず、記録を残しておくと、相談するときや続報と照らし合わせるときに役に立ちます。

メールの場合に残したいのは次のものです。

  • 件名、送信元として表示されたアドレス、届いた日時
  • 本文に書かれていた事案管理番号や氏名が、自分のものと合っていたか
  • リンクを開いたか、開いた場合は何を入力したか

メールの画面をスクリーンショットで保存しておくと、相談室に伝えるときに説明しやすくなります。ただし、記録を残すためにリンクを開く必要はありません。開かずに、表示された内容だけを保存します。

電話の場合は、かかってきた日時、相手が名乗った名前と会社名、表示された電話番号、言われた内容を、忘れないうちにメモします。相手が事案管理番号を言った場合は、それが自分の番号と合っていたかも書いておきます。

こうした記録は、会社に知らせるときだけでなく、警察の相談窓口や消費生活センターに相談するときにも使えます。消費生活センターには、消費者ホットライン(188)から相談できます。被害が出ていない段階でも、「こういう連絡が来た」と伝えておくことは、同じ手口の広がりを防ぐ手がかりになります。

お客さま相談室への問い合わせ

公式発表に記載されている問い合わせ先は次のとおりです。

項目 内容
窓口 チューリッヒ保険会社 お客さま相談室
電話番号 0120-860-697
受付時間 午前9時から午後5時(土日祝・年末年始は除く)

問い合わせるときは、次のことを手元にそろえておくと話が早く進みます。

  • 事故の日付と、事故の対応を受けた保険の種類
  • ドライブレコーダーのデータをアップロードしたかどうか、いつごろか
  • 届いた不審なメールがあれば、その件名と送信元のアドレス、届いた日時

不審なメールが届いた場合は、メールを削除する前に、内容を相談室に伝えると、会社が状況を把握する手がかりになります。メールの中の電話番号やリンクは使わず、この記事に書いた番号、またはチューリッヒ保険会社の公式サイトで確かめた番号にかけます。

続報で確かめたいこと

会社は、調査の進捗状況などをウェブサイトで報告するとしています。続報が出たときは、次の点に注目すると、内容の変化を読み取りやすくなります。

  • 最大で1,668名という人数が確定したか、変わったか
  • 事案管理番号、氏名、メールアドレスの内訳(1人ごとの組み合わせ)が分かったか
  • 「漏えいした可能性」という表現が変わったか
  • 該当する人への郵送の通知がいつ始まったか
  • Z-Dashの利用が再開されたか、提出の方法が変わったか

続報は、チューリッヒ保険会社の公式サイトのお知らせ一覧で確かめます。ニュースサイトやSNSでは、公式の発表より強い言葉で伝えられることがあるため、判断の材料にするのは会社の公式発表の文面です。

在宅で仕事をする人が気をつけること

在宅で仕事をしている人の中には、車を仕事で使っている人や、仕事用と同じメールアドレスで保険の手続きをしている人もいます。仕事の連絡に使うアドレスに、保険会社を装ったメールが届くと、取引先からの本物の連絡と見分けにくくなり、誤って開いてしまうおそれが高まります。

在宅で仕事をする人が見直したいのは次の点です。

  • 保険や銀行などお金の手続きと、仕事の連絡に使うメールアドレスを分ける
  • 仕事の端末で不審なメールのリンクを開いてしまったときに、取引先の情報が入ったアカウントに影響が出ないよう、多要素認証を設定しておく
  • 取引先の個人情報を預かっている場合は、自分の側で漏えいやそのおそれが起きたときの対応を、個人情報保護委員会の案内で確かめておく

個人情報保護委員会は、漏えいやそのおそれが起きた場合に、一定の条件で委員会への報告と本人への通知が必要になると案内しています。条件の1つは、本人の数が1,000人を超える漏えい等(又はそのおそれ)です。自分が仕事で扱う情報がこれにあたるかは、扱う情報の種類や件数で変わります。詳しくは個人情報保護委員会の「漏えい等報告について」を読み、迷ったときは取引先や委員会の相談窓口に確かめてください。

アカウントを守る力を仕事に生かす

情報漏洩の発表を正確に読み、「可能性」と「事実」を分け、保険会社や銀行を装う連絡に落ち着いて対処する力は、在宅で仕事をするうえでも役に立ちます。取引先とのやり取りの多くがメールやチャットになる在宅の働き方では、偽の連絡を見分けることが、そのまま自分と取引先の情報を守ることにつながるからです。

アカウントを守る基本は、多要素認証の設定です。多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届くコードなど別の手段でも本人であることを確かめる仕組みのことです。設定できるサービスでは、メールやSNS、クラウドの保存先など、仕事の情報につながるアカウントから順に有効にしておくと、パスワードが知られてしまったときにも、ログインされにくくなります。

セキュリティの知識を在宅の仕事に生かしたい人は、まず自分のアカウントの管理を整え、事案の発表を正確に読む習慣をつけるところから始められます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。

よくある質問

Q. チューリッヒ保険の自動車保険に入っていれば、全員が対象ですか?

いいえ。発表の対象は、ドライブレコーダーのデータをアップロードするためのシステム「Z-Dash」にデータをアップロードしたお客さまで、最大で1,668名(2026年8月27日時点)です。契約しているだけの人が対象とは書かれていません。分からない場合は、お客さま相談室(0120-860-697)に確かめてください。

Q. ドライブレコーダーの映像も漏れたのですか?

発表では、ドライブレコーダーの映像などは含まれていないと明記されています。漏えいした可能性がある項目は、事案管理番号、氏名、メールアドレスの3つです。クレジットカードや口座の情報も含まれていないとされています。1人ごとの項目の組み合わせは、2026年8月27日時点で調査中とされています。

Q. 会社からの連絡はどのように届きますか?

発表では、詳細が分かりしだい、該当するお客さまに郵送で通知するとされています。調査の進捗状況などはウェブサイトで報告するとしています。2026年11月1日時点で、お知らせ一覧に続報は掲載されていません。メールでZ-Dashの件の連絡が来た場合は、リンクを開かず、相談室に確かめてください。

Q. 事案管理番号が書かれたメールは本物と考えてよいですか?

今回、事案管理番号が漏えいした可能性があるとされているため、番号が書かれていることだけで本物とは判断できません。口座番号やカード番号の入力、知らない電話番号への連絡を求めるメールは、リンクを開かず、事故の担当者から最初に案内された連絡先か、お客さま相談室で確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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