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象印マホービンの台湾子会社への不正アクセスと情報漏洩の可能性|台湾のお客様の氏名・メールアドレス等 日本の利用者への影響と確かめること 2026

@SOHO編集部
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象印マホービンの台湾子会社への不正アクセスと情報漏洩の可能性|台湾のお客様の氏名・メールアドレス等 日本の利用者への影響と確かめること 2026

この記事のポイント

  • ✓象印の情報漏洩について
  • ✓2026年5月15日の発表と7月27日の第2報をもとに整理
  • ✓台湾の子会社が管理する台湾国内のお客様の氏名・メールアドレス等が流出した可能性と

象印の情報漏洩について、象印マホービン株式会社は2026年5月15日、台湾の連結子会社である台象股份有限公司(以下、台象)が第三者のサイバー攻撃を受け、台象が管理する一部の個人情報と機密情報が外部へ流出した可能性があると発表しました。流出した可能性があるのは、台湾国内のお客様の個人情報(氏名・メールアドレス等)、一部の従業員のパスポート情報、財務情報などです。会社は、象印マホービン自身と、国内外の他のグループ会社への影響はないと書いています。 2026年11月1日時点の最新は7月27日の第2報で、システムの復旧と安全性の確認、対象となる人への個別の案内と通知が済み、二次被害は確認されていないとされています。件数は公表されていません。 日本で象印の製品を使っている人が、今回の件を理由にすることは示されていません。気をつけたいのは、今回の件に便乗して象印を名乗る、心当たりのないメールやSMSです。

この記事は、2026年11月1日時点で象印マホービンの企業情報のサイトに載っている2本の発表を開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。象印には2019年に、日本の通販サイトへの不正アクセスという別の件がありました。検索でそちらの記事に当たった人が混乱しないよう、後半の節で分けて説明します。

象印の台湾子会社への不正アクセスで何が起きたのか

象印マホービンは、炊飯ジャーや電気ポット、ステンレスボトルなどを作る大阪の会社です。台湾には台象という連結子会社があり、今回の件はこの台象のシステムで起きました。連結子会社とは、親会社が経営を支配していて、決算を親会社とまとめて報告するグループの会社のことです。

公式発表の骨子は次のとおりです。

  • 2026年4月13日、台象で第三者によるサイバー攻撃を起点としたシステム障害が発生し、不正アクセスを検知した
  • 当該サーバーをネットワークから遮断するなどの緊急措置をとった
  • 外部の専門家の支援を受けて調べた結果、5月11日に、台象が管理する一部の個人情報と機密情報が外部へ流出した可能性があると判明した
  • 流出した可能性がある情報は、台湾国内のお客様の個人情報(氏名・メールアドレス等)、一部の従業員のパスポート情報、財務情報など
  • クレジットカード情報や決済手段などの情報の漏洩は確認されていない
  • 象印マホービン自身と、国内外の他のグループ会社への影響はない

会社の表現は「外部へ流出した可能性がある」です。流出したと言い切ってはいません。この記事でも同じ言い方で書きます。また、何人分の情報が対象になったのかは、第1報にも第2報にも書かれていません。

この発表でまず押さえたいのは、対象が台湾の子会社の情報で、お客様の情報としては「台湾国内のお客様」と書かれている点です。日本で象印の製品を買った人、日本の公式サイトのサービスに登録している人について、会社は影響がないと明記しています。日本の利用者にとっては、自分の情報が流出したかを心配するよりも、象印の名前を使った便乗の連絡に気をつけるほうが、今できる意味のある備えです。

公表の経緯と第2報で分かったこと

象印の件は、2本の発表に分かれています。日付ごとに並べると次のとおりです。

日付 出来事・発表 分かったこと
2026年4月13日(月) 不正アクセスを検知 サイバー攻撃を起点としたシステム障害が発生、サーバーを遮断
2026年5月4日 復旧作業 影響を受けたサーバーのシステムの復旧作業が完了(第1報の記載)
2026年5月11日(月) 調査で判明 一部の個人情報と機密情報が外部に流出した可能性
2026年5月15日(金) 第1報「連結子会社に対する不正アクセスおよび情報漏洩に関するお知らせ」 流出した可能性がある情報、日本と他の拠点への影響はないこと
2026年7月27日 第2報「連結子会社に対する不正アクセスおよび情報漏洩に関するお知らせ(第2報)」 復旧と安全性の確認、個別の案内と通知、再発防止策、業績への影響

第1報には、同じ内容のPDF版もあり、PDFの日付は2026年5月13日になっています。一方、ニュースリリースの一覧の掲載日は5月15日で、第2報の本文も「2026年5月15日(金)に公表いたしました」と書いています。この記事では、会社が第2報で公表日として書いている5月15日を公表日として扱います。

第2報で新しく分かったことは4つです。1つ目は、被害を受けたシステムについて、5月中にすべての復旧作業と安全性の確認を終え、今は通常どおり事業を続けていることです。2つ目は、対象となるお客様と関係者へ、注意喚起を含めた個別の案内と通知を終えたことです。3つ目は、再発防止策として、外部接続環境での多要素認証の導入と適用の強化を終え、各種のセキュリティ設定の点検と強化をしたことです。4つ目は、今回の件が2026年度の連結業績に与える影響は軽微と見込んでいることです。

第2報の時点で、情報の悪用や二次被害、具体的な被害の申告は確認されていないとされています。公式の発表は第1報のお知らせと第2報のお知らせで、2026年11月1日時点でも同じ内容を確かめられます。ニュースリリースの一覧には、この件の第3報は出ていません。

流出した可能性がある情報と含まれない情報

公式発表で「漏洩した可能性のある情報」として挙げられた項目と、確認されていないとされた項目を分けると次のとおりです。

区分 項目
流出した可能性がある情報 台湾国内のお客様の個人情報(氏名・メールアドレス等)、一部の従業員のパスポート情報、財務情報など
漏洩が確認されていない情報 クレジットカード情報や決済手段などの情報
影響がないとされた範囲 象印マホービン自身、国内外の他のグループ会社

第1報の文面は次のとおりです。

台湾国内のお客様の個人情報(氏名・メールアドレス等)、一部の従業員のパスポート情報、財務情報など クレジットカード情報や決済手段などの情報漏洩は確認されていません。 出典: zojirushi.co.jp

この表から読み取れることを、利用者の目線で言い換えます。

まず、お客様の情報として挙がっているのは「台湾国内のお客様」の分です。項目は「氏名・メールアドレス等」と書かれていて、「等」の中に何が含まれるのかは公表されていません。住所や電話番号が含まれるかどうかも、公式発表からは分かりません。書かれていないことを、この記事で付け加えることはしません。

次に、パスポート情報は「一部の従業員」のものです。お客様のパスポート情報が対象とは書かれていません。財務情報は会社の経営に関わる情報で、お客様の個人情報とは別の扱いです。

最後に、クレジットカード情報や決済手段の情報は、漏洩が確認されていないとされています。第2報でも「クレジットカード情報など決済関連情報の流出は確認されておりません」と、同じ趣旨が書かれています。今回の件だけを理由にカードを止める必要は、公式発表からは示されていません。

日本の利用者への影響

検索で「象印 情報漏洩」を調べる人の多くは、日本で象印の製品を使っていて、自分の情報が対象になったのかを知りたい人のはずです。公式発表の答えははっきりしています。第1報には「日本国内および他の海外拠点への影響について」という項目があり、本件による当社および国内外の他のグループ会社への影響はないと書かれています。

これを日本の利用者の場面に当てはめると、次のように考えられます。

  • 日本の家電量販店やネット通販で象印の製品を買った人について、会社は影響を発表していない
  • 象印の日本の公式サイトのサービスに登録している人についても、会社は象印マホービン自身への影響はないとしている
  • 対象として書かれているのは、台象が管理する台湾国内のお客様の情報と、台象の一部の従業員の情報

ただし、台湾に住んでいる人、台湾で象印の製品を買ったり、台湾のサービスに登録したりしたことがある人は、台象が管理する情報に含まれている可能性があります。第2報では、対象となるお客様と関係者へ、注意喚起を含めた個別の案内と通知を終えたと書かれています。台湾で登録した覚えのある人は、台象からの案内が届いていないかを確かめてください。日本語の公式発表には、台湾のお客様向けの問い合わせ先は載っていません。

家族や知人が台湾に住んでいる人は、この件を伝えておくと親切です。台湾国内で象印を名乗る連絡が届いたときに、本物かどうかを確かめるきっかけになります。伝えるときは、会社が個別の案内と通知を終えていること、カード情報の漏洩は確認されていないこと、案内のURLは開かずに公式のサイトから確かめること、の3点を添えると、相手も落ち着いて受け止められます。

日本の利用者が気をつけるべきことは、自分の情報が漏れたかどうかよりも、今回の件をきっかけに象印の名前を使った不審な連絡が来ることです。この点は、次の節以降で具体的に説明します。

台湾で象印のサービスに登録したことがある人がすること

台湾に住んでいる人や、以前住んでいた人、台湾で象印の製品を買って登録したことがある人は、台象が管理する情報に含まれている可能性があります。会社は対象となるお客様へ個別の案内と通知を終えたと書いているので、まずはその案内が届いていないかを確かめます。登録したメールアドレスの受信箱や、迷惑メールのフォルダも見ておきます。

流出した可能性がある項目として公式に書かれているのは「氏名・メールアドレス等」です。この2つがそろうと、本人の名前で呼びかける、それらしいメールを送ることができます。そこで、次の点を順に見直しておくと安心です。

  1. 台湾で登録したサービスのパスワードを、他のサービスでも使っていないかを確かめる。使っていれば、他のサービスのほうを別のパスワードに変える
  2. 登録したメールアドレスのアカウントに、多要素認証を設定する
  3. 象印や台象を名乗るメールのURLは開かず、案内の内容は公式のサイトを自分で開いて確かめる
  4. クレジットカードの明細に、身に覚えのない請求がないかを見る

パスワードは公式発表の項目に挙がっていません。それでも、メールアドレスが出回った可能性がある以上、同じメールアドレスで登録している別のサービスへのログインが試されることは考えられます。メールのアカウントは、他のサービスのパスワードを再設定するときの受け取り先にもなるため、最初に守っておきたい場所です。

台湾の言葉で届くメールは、日本語のメールより見分けにくいと感じる人もいるはずです。言葉に自信がないときほど、本文の指示どおりに操作せず、公式のサイトを自分で開いて確かめる、という順番を守ってください。

グループ会社の件で自分が対象かを見分ける考え方

今回のように、親会社の名前で、海外の子会社の件が発表されることがあります。見出しで「象印」の名前を見ると、日本で製品を使っている人も自分のことだと感じやすくなります。こうした発表を読むときは、次の3つを順に確かめると、自分が対象かどうかを落ち着いて判断できます。

1つ目は、被害を受けたのがどの会社かです。今回は台湾の連結子会社 台象で、象印マホービン自身ではありません。

2つ目は、対象の情報が誰のものかです。今回は「台湾国内のお客様」と「一部の従業員」で、日本のお客様は挙がっていません。

3つ目は、自分が情報を登録した先がどの会社かです。製品を買っただけで、どこにも登録していなければ、その会社が自分の情報を持っていないこともあります。会員登録や製品の登録をしたことがある場合は、登録したサイトのプライバシーポリシーに書かれた事業者名を見ると、自分の情報を預けた会社が分かります。

この3つを確かめて、自分が対象の範囲に入らないと分かれば、必要以上に心配することはありません。それでも、会社の名前を使った便乗の連絡は、対象かどうかに関係なく届くことがあります。対象外の人も、心当たりのない連絡への注意だけは続けておくと安心です。

自分がふだん使っているメールアドレスが、過去に公表された別の漏えいに含まれていないかを調べる方法もあります。メールアドレスを入れて確かめられるサービスの使い方は、Have I Been Pwnedの使い方で紹介しています。今回の件をきっかけに、他のサービスの分もまとめて点検しておくと、どこから手を付ければよいかが分かります。

原因について発表で分かっていること

原因について公式発表に書かれているのは、次の点だけです。

  • 2026年4月13日に、第三者によるサイバー攻撃を起点としたシステム障害が台象で発生した
  • 同じ日に不正アクセスを検知し、当該サーバーをネットワークから遮断した
  • 外部の専門家の支援を受けた調査で、5月11日に、情報が外部に流出した可能性があると判明した
  • 第1報の時点では、専門家や現地の警察機関など関連機関の支援のもとで、原因の特定と情報流出の詳しい調査を続けているとされた

どこから侵入されたのか、どのような手口だったのかは、第1報にも第2報にも書かれていません。第2報の再発防止策に「外部接続環境における多要素認証の即時導入および適用強化」とありますが、これは今後の対策の説明で、侵入の経路をそう説明したものではありません。この記事では、公式に書かれていない原因を推測で書くことはしません。

多要素認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認の番号や認証アプリなど、別の手段でも本人であることを確かめる仕組みのことです。外部接続環境とは、社外から会社のシステムに接続するための仕組み、たとえば出張先や自宅から社内のネットワークに入るための入口を指すことが多い言葉です。会社がこうした入口に多要素認証を入れたことは、社外からの接続を守る対策を強めたことを意味します。

なお、象印は第1報で、現地の警察等の関係機関への報告もしたと書いています。

象印マホービンの対応

会社が公式発表で明らかにしている対応を整理します。

対応 内容
緊急措置 当該サーバーをネットワークから遮断するなど
調査 外部の専門家の支援を受けた調査、現地の警察機関など関連機関の支援
復旧 影響を受けたサーバーは5月4日に復旧作業を完了(第1報)、5月中にすべての復旧作業と安全性の確認を完了(第2報)
本人への連絡 対象となるお客様と関係者へ、注意喚起を含めた個別の案内と通知を完了(第2報)
再発防止策 外部接続環境での多要素認証の導入と適用の強化を完了、各種のセキュリティ設定の点検と強化(第2報)
業績への影響 2026年度の連結業績への影響は軽微と見込む(第2報)

お詫びの品やポイントなどの補償についての記載は、第1報にも第2報にもありません。会社が発表していない補償を、この記事が「ある」とも「ない」とも書くことはできません。他の会社の情報漏えいでどのような補償があったのか、利用者が確かめておくことは何かは、情報漏洩の補償はもらえるのかで整理しています。

業績への影響が「軽微」と書かれているのは、主に株主や投資家に向けた情報です。象印の株を持っている人や、取引先として象印と仕事をしている人は、第2報のこの一文を確かめておくと、今回の件の大きさをつかむ手がかりになります。

取引先や株主の立場で確かめること

今回の件は、お客様の情報だけでなく、台象が管理する機密情報や財務情報も流出した可能性があるとされています。象印や台象と取引がある会社や、象印の株を持っている人は、利用者とは別の視点で発表を読むことになります。

取引先の立場では、自社と台象のあいだでやりとりした書類やメールが、機密情報に含まれるかどうかが気になるところです。公式発表には、機密情報の中身は書かれていません。台象と直接の取引がある場合は、台象からの個別の案内と通知が届いていないかを確かめ、分からない点は取引の窓口に問い合わせるのが確実です。第2報では、対象となるお客様と関係者への個別の案内と通知を終えたとされているので、関係者に取引先が含まれるかも、あわせて確かめておくとよいでしょう。

取引先を名乗る請求書や振込先の変更の連絡にも注意が要ります。取引の書類が外に出ると、それをまねた偽の請求や、口座の変更を求める連絡が届くことがあります。振込先の変更の連絡が届いたら、メールの返信ではなく、以前から知っている電話番号で担当者に確かめてから手続きします。

株主の立場では、第2報の「2026年度の当社連結業績に与える影響は軽微であると見込んでおります」という一文が、今回の件の大きさを測る手がかりになります。新しい事実が分かった場合は、ニュースリリースに載るはずなので、決算の発表とあわせて確かめてください。

2019年の「象印でショッピング」の件との違い

「象印 情報漏洩」で検索すると、2019年の件の記事が出てくることがあります。これは今回の件とは別の件です。

象印の公式サイトには「個人情報流出についての重要なお知らせ」というページがあり、2019年12月5日に掲載された「弊社グループ会社が運営する「象印でショッピング」への不正アクセスによる個人情報流出に関するお詫びとお知らせ」が載っています。あわせて、2020年2月3日の「第三者調査機関による調査結果のご報告と今後の対応について」、2019年12月16日の「象印マホービンを装った偽装メールにご注意ください」、2020年1月16日の「他社通販サイトを装った偽装メールにご注意ください」、2020年3月4日の「偽装メールにご注意ください」も並んでいます。ページは象印の個人情報流出についての重要なお知らせで確かめられます。

違いを整理すると次のとおりです。

項目 2019年の件 2026年の件
対象 グループ会社が運営する日本の通販サイト「象印でショッピング」 台湾の連結子会社 台象
発表の時期 2019年12月から2020年3月 2026年5月15日と7月27日
日本の利用者への影響 日本の通販サイトの件 当社と国内外の他のグループ会社への影響はないと発表

2019年の件の中身は、この記事では詳しく扱いません。検索で古い記事や古い窓口の情報を見かけても、それは2019年の件の話で、今回の台湾の件とは別だと分けて読んでください。

2019年の件のときには、象印を装った偽装メールへの注意を、会社が何度も呼びかけていました。情報漏えいの発表のあとに、会社の名前をかたる偽のメールが出回ることがあると、象印自身の過去のお知らせが示しています。今回の件でも、同じことに気をつけておく意味があります。

象印を名乗る連絡に備える

今回の件で、日本の利用者がいちばん気をつけたいのは、象印の名前を使った便乗の連絡です。「象印の情報漏洩の件で確認が必要です」「お詫びのクーポンをお送りします」といった文面で、URLを開かせたり、カード番号を入力させたりする手口が考えられます。いずれも、実際にそうした被害が確認されたという意味ではなく、注意しておきたい例です。

メールとSMSの場合

本文のURLを開かないのが基本です。送信元の名前やアドレスは偽れるため、「象印」と表示されていても本物とは限りません。気になる案内が届いたら、象印の公式サイトを自分で検索するかブックマークから開いて、同じ案内が出ているかを確かめます。SMSの本文やURLから偽物を見分ける手順は、スミッシング詐欺の見分け方で詳しく説明しています。

電話の場合

象印や「お客様センター」を名乗る電話で、カード番号、暗証番号、口座番号を聞かれたら、答えずに切ります。かけ直すときは、相手が言った番号ではなく、象印の公式サイトに載っている連絡先を使います。

「補償」や「返金」をうたう連絡

公式発表には補償の記載がありません。そのため、「情報漏洩のお詫びの返金手続き」などをうたって口座番号を聞く連絡は、まず疑ってください。

入力してしまったとき

偽のサイトにパスワードを入れてしまった場合は、すぐにそのパスワードを変え、同じパスワードを使っている他のサービスも変えます。カード番号を入れてしまった場合は、カードの裏面に書かれた番号でカード会社に連絡し、利用の停止を相談します。パスワードを変える順番はパスワードが漏洩したらどうなるで説明しています。

発表の言葉の読み方

情報漏えいの発表には、ふだんあまり使わない言い回しが多く出てきます。今回の象印の発表を例に、読み方を整理します。

「流出した可能性がある」は、外に出たと確かめられたわけではないが、出ていないとも言い切れない、という意味です。調査の結果、情報が外に出た痕跡や、出たと考えられる状況が見つかったときに使われます。発表を読む側は、自分の情報が含まれる範囲にあるなら、出たものとして備えておくのが安全です。

「確認されていません」は、調べた範囲では見つかっていない、という意味です。「ない」と言い切る表現とは違います。今回の発表では、クレジットカード情報の漏洩と、二次被害がこの言い方で書かれています。

「影響はございません」は、会社が影響がないと判断して言い切っている表現です。今回の発表では、象印マホービン自身と、国内外の他のグループ会社への影響について、この言い方が使われています。日本の利用者が自分は対象外だと考える根拠は、この一文です。

「氏名・メールアドレス等」の「等」は、ほかにも項目があることを示しますが、何が含まれるかは書かれていません。こうした場合は、書かれている項目だけを事実として受け取り、書かれていない項目を自分で付け加えないことが大切です。

このように言葉を分けて読むと、慌てる必要があるのか、何に備えればよいのかが見えやすくなります。他の会社の発表を読むときにも、同じ読み方が使えます。

公表から半年たった今も確かめておきたいこと

象印の件は、2026年5月15日の公表から半年ほどがたっています。第2報で復旧と個別の案内が済み、二次被害も確認されていないとされているため、多くの人にとっては、もう意識しなくてよい話に見えるかもしれません。

それでも、確かめておきたいことが残っています。1つ目は、続報が出ていないかです。第1報は、今後公表すべき事項が生じた場合には速やかに知らせると書いています。新しい事実が分かれば、象印の企業情報のサイトのニュースリリースに載るはずなので、気になる人は数か月に一度、一覧を見ておくと安心です。

2つ目は、古い情報との取り違えです。検索の結果には、第1報だけを伝える古い記事や、2019年の件の記事が混ざって出てきます。記事の日付と、それがどの件の話かを確かめてから読むようにすると、すでに済んだ対応や、別の件の窓口の情報に振り回されずに済みます。

3つ目は、自分の他のアカウントの点検です。今回の件で日本の利用者は対象外とされていますが、ふだん使うメールアドレスやパスワードが、別の会社の漏えいに含まれている可能性はあります。今回の件を、自分のアカウントをまとめて見直すきっかけにすると、次に別の会社の発表を見たときにも慌てずに済みます。

会社の発表を一度読んで終わりにせず、日付をそろえて読み直す習慣は、どの会社の件でも役に立ちます。

問い合わせ窓口

今回の件の発表には、次の問い合わせ先が載っています。

名称 電話番号 対象
象印マホービン株式会社 経営企画部 広報・サステナ推進グループ 06-6356-2329 リリース内の情報についての問い合わせ

この窓口は、発表(リリース)の内容についての問い合わせ先として案内されています。受付時間は発表に書かれていません。お客様向けの専用の窓口は、日本語の発表には載っていません。台湾で登録した情報についての問い合わせは、台象からの案内に書かれた連絡先を確かめてください。

問い合わせる前に、次の点をメモにしておくと話がまとまりやすくなります。

  • 確かめたいこと(日本で登録した自分の情報が対象か、台湾で登録した情報か、など)
  • 象印や台象を名乗る不審なメールや電話が届いていれば、その日時と内容
  • 台湾で製品の登録や会員の登録をしたことがあれば、そのおおよその時期

問い合わせのときに、パスワードやカード番号を伝える必要はありません。もし電話口でそれらを聞かれたら、その番号が本当に公式の連絡先かを確かめ直してください。

日本で使っている象印の製品の修理や使い方の相談は、今回の件とは別の窓口になります。製品の相談は、象印の公式サイトのお客様サポートから確かめてください。

在宅で仕事をする人が気をつけること

今回の象印の再発防止策の中に、外部接続環境での多要素認証という言葉が出てきました。これは、在宅で仕事をする人にとっても身近な話です。在宅で業務委託の仕事をする人は、取引先のクラウドやチャット、ファイル共有のサービスに、自宅から接続することがよくあります。自分の端末やアカウントが乗っ取られると、預かった取引先の情報まで外に出るおそれがあります。

個人情報保護委員会の漏えい等の対応のページでは、事業者に委員会への報告が義務づけられる場合として、要配慮個人情報(病歴など、とくに慎重に扱う情報)を含む漏えい等、不正に使われるとお金の被害が出るおそれがある漏えい等、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等、本人の数が1,000人を超える漏えい等が挙げられています。不正アクセスによる漏えいは、不正の目的で行われたおそれがある例として示されています。

業務委託で個人情報を扱う人が、自分の端末やアカウントから預かった情報を漏らしてしまった場合、まず対応を迫られるのは委託元の取引先です。どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。ただ、気づいた時点ですぐ取引先に伝えることが、取引先が必要な手続きを進めるうえで欠かせない点は変わりません。

今回の件をきっかけに、仕事で使うアカウントについて次の点を見直しておくと安心です。

  • 取引先のシステムやクラウドに接続するアカウントに、多要素認証を設定しているか
  • 仕事のメール、クラウドストレージ、チャットのパスワードが、買い物のサイトと同じになっていないか
  • 取引先から預かったデータを、必要がなくなったあとも手元に残していないか
  • 自分の端末で不審な動きに気づいたとき、取引先の誰に、どの手段で連絡するかを決めているか

多要素認証の仕組みと選び方はMFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較で紹介しています。

運営者として見てきた、情報を守る人が信頼される理由

フリーランス・在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く取引が続く人ほど、納品物の質だけでなく、預かった情報の扱い方で信頼を得ています。接続するアカウントに多要素認証を入れる、仕事と個人のアカウントを分ける、取引先の名簿を必要以上に手元に残さない、といった地味な手当ては、取引先から見ると「この人に任せれば安心」という評価に直結します。

中間の手数料が乗らない直接の取引では、同じ予算で依頼する側はより多くを頼めて、受ける側は手取りが厚くなります。その分、間に立つ担当がいないので、情報の扱いで信頼を得られるかどうかが、そのまま次の依頼につながります。発表を正確に読み、何が含まれて何が含まれないかを自分で整理できることは、そのまま仕事の力にもなります。

企業の中には、社員向けのセキュリティの研修資料の作成、顧客向けの注意喚起の文面づくり、社内のアカウントの棚卸しの手伝いなどを、外部の人に頼むところがあります。在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。

象印の件は、2026年11月1日時点で、台湾の子会社のシステムの復旧と、対象となる人への個別の案内が済み、二次被害は確認されていない段階です。日本で象印の製品を使っている人は、会社が日本への影響はないと発表していることを確かめたうえで、象印を名乗る心当たりのない連絡のURLを開かないことを心がけ、続報は象印の企業情報のサイトのニュースリリースで確かめてください。

よくある質問

Q. 日本で象印の炊飯ジャーを買いました。自分の情報も漏れていますか?

象印マホービンは、本件による当社および国内外の他のグループ会社への影響はないと発表しています。流出した可能性があるのは、台湾の子会社 台象が管理する台湾国内のお客様の情報などです。日本で製品を買ったことだけを理由に、何か手続きをする必要は示されていません。

Q. クレジットカードを止める必要はありますか?

公式発表では、クレジットカード情報や決済手段などの情報の漏洩は確認されていないとされています。そのため、今回の件だけを理由にカードを止める必要は示されていません。ただし、明細に身に覚えのない請求があれば、今回の件と関係があるかにかかわらず、すぐにカード会社へ連絡してください。

Q. 何件の情報が流出した可能性があるのですか?

2026年5月15日の第1報にも、7月27日の第2報にも、件数は書かれていません。報道などで件数を見かけても、会社が公表した数字ではありません。書かれているのは、台湾国内のお客様の氏名・メールアドレス等、一部の従業員のパスポート情報、財務情報などが対象という範囲です。

Q. 2019年の象印の情報漏洩とは同じ件ですか?

別の件です。2019年の件は、グループ会社が運営する日本の通販サイト「象印でショッピング」への不正アクセスでした。2026年の件は台湾の連結子会社 台象への不正アクセスで、会社は日本と他の拠点への影響はないと発表しています。

この記事について

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編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年11月1日
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