返信が来る提案文はどこが違うのか、WordPress構築の案件の取り方

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
返信が来る提案文はどこが違うのか、WordPress構築の案件の取り方

この記事のポイント

  • ✓WordPress構築の案件の取り方を
  • ✓提案文の中身から逆算して整理しました
  • ✓返信が来る提案と読まれずに閉じられる提案の違い

WordPress構築の案件の取り方でつまずいている人の多くは、スキルではなく提案文の書き方で落ちています。結論から言うと、返信が来る提案文とそうでない提案文の差は、文章のうまさではありません。募集要項に書かれている情報をどれだけ拾って、どれだけ具体的に返しているかという一点です。この記事では、提案が読まれる仕組みから逆算して、案件の取り方を実務の順番で整理します。

WordPress構築の案件市場は「作れる人」より「任せられる人」が足りない

まず前提を確認します。WordPressは世界のWebサイトで最も広く使われているCMSであり、日本の中小企業サイト、店舗サイト、オウンドメディアの多くがWordPressで動いています。そのため、構築案件そのものは常に一定量が発生し続けています。制作会社の下請け、事業会社の直接発注、個人事業主の店舗サイト、既存サイトのリニューアルと、発注元の種類も幅があります。

一方で、発注側が困っているのは「WordPressを触れる人が見つからない」ことではありません。触れる人は多いのです。困っているのは、途中で連絡が途絶えない人、要件の穴を先に指摘してくれる人、公開後に何かあったときに相談できる人が見つからないことです。ここを取り違えると、提案文が「私はこれができます」の羅列になり、他の応募者と区別がつかなくなります。

単価の水準感も押さえておきます。フリーランス案件を扱う媒体では、経験年数ごとにおおよその相場帯が示されています。

  1. 初級レベル(経験年数1〜2年程度): - 時給換算:1,500円〜2,500円程度 - 月額換算:25万円〜40万円程度 出典: freelance-board.com

同じ媒体では、中級レベル(経験年数3〜5年程度)で時給換算2,500円〜4,000円程度、上級レベル(経験年数5年以上)で時給換算4,000円〜7,000円程度という帯も示されています。これは常駐や準委任に近い長期案件の目安ですが、副業で受ける単発の構築案件の値付けを考えるときの物差しにはなります。1サイトいくらの請負で受けるとしても、自分の想定作業時間で割ったときにこの帯から大きく下振れしていないかを確認する癖をつけると、安請け合いを避けられます。職種としての単価の広がりはソフトウェア作成者の年収・単価相場にも整理されているので、提案前に自分の値付けが市場のどのあたりにあるかを見ておくと迷いが減ります。

正直なところ、初心者向けの記事で語られる「まずは安く受けて実績を作る」という定石は、半分しか合っていません。安く受けること自体は選択肢ですが、安く受ける代わりに何を得るのかを決めていないと、単価が上がらないまま案件だけが増えます。得るものは実績公開の許可でもよいし、レビューでもよいし、次回以降の継続前提でもよい。提案の段階でそこまで設計しておくのが、案件の取り方の出発点です。

返信が来る提案文と、読まれずに閉じられる提案文

発注者が提案を読む時間は長くありません。応募が集まる案件では、最初の数行で読み進めるかどうかが決まります。ここで落ちる提案には共通の型があります。

冒頭3行に「要件を読んだ証拠」を置く

読まれない提案の冒頭は、自己紹介から始まります。「はじめまして。Web制作をしております○○と申します。WordPressでの構築を得意としており」という書き出しは、募集要項を読まなくても書けてしまう文章です。発注者から見れば、テンプレートを貼り付けただけの応募と区別がつきません。

返信が来る提案は、冒頭に募集要項の中の具体的な語を入れます。「既存サイトからの移行とのことですので、まず現行のURL構造を維持するかどうかを確認させてください」「予約フォームからの自動返信メールが必須とのことですので、フォームプラグインとメール配信の経路を分けるご提案をします」のように、その案件でしか成立しない一文を最初に置く。これだけで、読み飛ばされる確率が大きく下がります。

さらに効くのは、要件の穴を1つだけ指摘することです。募集文には、たいてい書かれていない前提があります。サーバーは誰が契約するのか、ドメインの管理権限はどこにあるのか、原稿と写真は誰が用意するのか、公開後の更新は誰がやるのか。この4つは、実務では必ず問題になるのに、募集文で明記されていないことが多い項目です。提案の冒頭でそのうち1つを確認事項として挙げると、発注者は「この人は経験がある」と受け取ります。ただし、一度に5つも6つも並べると詰問に見えるので、最初は1つか2つに絞るのが安全です。

見積りは総額だけでなく内訳の考え方を書く

「一式30万円」とだけ書かれた見積りは、比較のしようがありません。発注者が知りたいのは金額そのものより、その金額が何によって増減するのかです。ページ数なのか、テンプレートの種類数なのか、フォームの数なのか、デザイン作成の有無なのか。ここを分解して書くと、予算が合わないときに「では、この部分を減らせますか」という相談に変わります。相談に変わった時点で、比較検討の土俵から外れて交渉の相手になっています。

内訳の粒度は細かすぎないほうがよく、初期構築、テンプレート実装、機能実装、コンテンツ投入、公開作業、公開後の初期サポート程度に分ければ十分です。加えて、含まれないものを明記します。原稿執筆、写真撮影、ロゴ制作、既存データの手作業移行、公開後の恒常的な運用代行。これらを最初に線引きしておくことは、後の追加請求の交渉を楽にするだけでなく、提案の段階で誠実に見えます。

期間は「着手可能日」と「返信できる時間帯」で書く

副業でWordPress構築を受ける場合、発注者が最も不安に思うのは本業との兼ね合いです。ここを曖昧にしたまま「2週間程度で納品可能です」と書くと、平日日中に連絡が取れないことが後から判明して信頼を落とします。

書き方はシンプルで、着手可能日、想定納期、連絡が取れる時間帯の3点を並べます。「平日は21時以降、土日は日中に対応可能です。ご連絡には遅くとも翌日中に返信します」と書くだけで、発注者は自分の進め方を組み立てられます。実際、平日日中に即レスできないことは、事前に共有されていれば大きな問題になりません。問題になるのは、共有されないまま連絡が止まるケースです。

実績は数を並べず、1件を掘り下げる

実績のURLを10件並べた提案より、1件について「どんな課題があり、どう解決し、公開後にどうなったか」を書いた提案のほうが返信率は高くなります。発注者は制作物の量ではなく、思考の筋道を見ています。守秘義務で公開できない案件が多い場合は、案件名を伏せて業種と規模と担当範囲だけを書けば足ります。実績が乏しい段階での見せ方は、練習で作ったサイトの扱いも含めて別途整理していますが、案件獲得の文脈で言えば「1件を深く語れるか」が分岐点です。

案件を探す場所ごとに、取り方の勝ち筋は違う

同じ提案文をどこにでも投げるのは効率が悪いやり方です。案件が発生する経路ごとに、発注者が見ているポイントが違います。

クラウドソーシングサイト

応募数が多く、単価が下がりやすい市場です。ここでの勝ち筋は、募集直後に応募することと、募集文の中の固有名詞を拾うことの2つに集約されます。掲載から時間が経った案件は、すでに候補が絞られていることが多く、後発の提案は読まれにくくなります。

注意したいのは手数料です。大手のクラウドソーシングでは、報酬から一定割合のシステム利用料が差し引かれます。年間で受注額が積み上がるほど、この差は無視できない金額になります。実績づくりの場として使いながら、継続する取引は手数料のかからない直接契約に切り替えていく。この二段構えを最初から想定しておくと、後で単価の話をしやすくなります。中間マージンが乗らない手数料0%の取引は、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなるという、単純ですが効く違いを生みます。

制作会社の下請け

デザインが確定した状態でコーディングと実装だけを担当する形が多く、要件のブレが少ないのが利点です。単価は直接取引より下がる傾向がありますが、営業の手間がかからず、実装だけに集中できます。ここで評価されるのは、納品物の作法です。ファイル構成、命名規則、テーマの改修方法、プラグインの選定基準、引き継ぎ資料の有無。制作会社は次の担当者が触ることを前提にしているので、「他人が保守できる状態」で納めるかどうかを見ています。

下請け取引には法的な保護のルールもあります。発注内容や支払期日を書面で明示する義務、受領後に定められた期日までに支払う義務などが定められており、口頭発注のまま進めない習慣は自分を守ります。取引条件の確認は、案件を取る段階から始まっていると考えたほうが実務に合います。

事業会社や店舗への直接提案

もっとも単価が安定するのが直接取引です。飲食店、クリニック、士業事務所、教室、地域の工務店など、サイトを持っているが更新できていない事業者は多く存在します。ここでは提案の切り口が変わります。「WordPressで構築します」ではなく、「予約の電話を減らすためにフォームを整えます」「スマートフォンでの表示崩れを直します」という、相手の業務の言葉で書く必要があります。

直接提案では、技術の説明を減らすほど通りやすくなります。プラグイン名やテーマ名を並べても相手には判断材料になりません。代わりに、公開後に誰が何を更新するのか、そのとき費用は発生するのかを明示する。発注側が最も心配しているのは、作った後に手が離れて放置されることだからです。

知人紹介と過去の取引先

案件の取り方として最も再現性が高いのが、既存の関係からの紹介です。ただし、これは営業しないと発生しません。過去に納品した相手に対して、公開から一定期間が経った時点で状況を尋ねる連絡を入れる。表示速度の劣化、プラグインの更新、問い合わせフォームの動作確認など、点検の切り口はいくらでもあります。この定期連絡が、追加案件と紹介の入口になります。

応募数が多い案件で埋もれないための一手

人気案件では、提案の中身が良くても順番の問題で読まれないことがあります。ここで効くのは、提案文の1行目です。多くの媒体では一覧画面に冒頭の数十文字だけが表示されるため、その範囲に案件固有の語を入れておくと、開かれる確率が上がります。「はじめまして」で始めると、その貴重な数十文字を挨拶で使い切ることになります。

もう1つは、提案の長さです。長ければ丁寧に見えるというのは思い込みで、実際には読み切られずに閉じられます。目安として、画面をスクロールせずに全体像がつかめる分量に収め、詳細は「ご要望があれば工程表をお送りします」と後段に回す。読む負担を減らすことが、そのまま返信率に効きます。

提案文のひな型と、案件ごとに書き換える箇所

型を持っておくと、応募のたびに悩まずに済みます。以下は骨組みで、太字の箇所は案件ごとに必ず書き換えます。

1つ目のブロックは、要件の理解を示す2文。募集文の固有名詞を必ず含めます。2つ目は確認事項が1つか2つ。サーバー、ドメイン、原稿、公開後の更新のいずれかから選びます。3つ目は進め方の提示で、ヒアリング、設計、実装、確認、公開の各段階に何日かかるかを並べます。4つ目は概算見積りと、増減の要因。5つ目は実績1件の掘り下げ。6つ目は着手可能日と連絡可能時間帯。最後に、返信をもらうための具体的な次のアクション(「ご都合のよいタイミングで、現行サイトのURLをお知らせいただければ、より正確な見積りをお出しします」など)を書きます。

この最後の一文が抜けている提案がとても多い。読み終えた発注者が何をすればよいかわからない提案は、そのまま閉じられます。相手の次の一手を1つだけ書いておくのは、費用ゼロでできる改善です。

値付けを守るための実務的な線引き

案件の取り方の話は、最終的に値付けの話に行き着きます。受注できても採算が合わなければ続きません。

見積りを出す前に必ず確認したいのが、ページ数の数え方です。「10ページのサイト」と言われたとき、下層ページのテンプレートが何種類あるかで工数は大きく変わります。同じテンプレートでコンテンツだけ違う10ページと、10種類の異なるレイアウトの10ページでは、作業量が数倍違います。ここを確認せずに総額を出すと、着手後に苦しくなります。

修正回数も先に決めます。「デザイン確認は2回まで、それ以降は追加費用」と書いておくのは冷たい対応ではなく、双方の予算管理のための線引きです。回数制限を書いた提案が理由で落ちたのなら、その案件は受けなかったほうがよかった案件である可能性が高い。

公開後のサポート範囲も、期間を切って明示します。「公開から2週間以内の不具合修正は無償、それ以降と機能追加は別途」といった形です。WordPressはプラグインとテーマの更新が継続的に発生するため、無期限の無償サポートを約束すると、時間だけが削られていきます。技術的な守備範囲を広げたい場合は、サーバーやネットワークの基礎知識が効いてきます。インフラ寄りの知識を体系的に補うならCCNA(シスコ技術者認定)のような資格の学習範囲が参考になりますし、見積書や提案書の文書としての整え方はビジネス文書検定の範囲と重なります。

受注が決まる前に確認しておく項目リスト

提案が通り、打ち合わせに進んだ段階で聞く内容をあらかじめ決めておくと、見積りの精度が上がり、着手後の揉め事が減ります。WordPress構築の案件で確認が漏れやすいのは、次の領域です。

サーバーとドメインの権限は最初の確認事項です。既存サイトのリニューアルでは、サーバーの契約者が退職した前任者のままだったり、ドメインの管理会社がわからなくなっていたりするケースが実際にあります。この確認を後回しにすると、公開直前になって権限が取れず、納期だけが延びます。契約者名義、管理画面のログイン情報の所在、ドメインの更新期限の3点は、着手前に押さえておきます。

コンテンツの供給元も詰めておく必要があります。テキスト原稿を誰がいつまでに用意するのか、写真は既存素材を使うのか撮影するのか、有料素材の購入費は誰の負担か。構築側の作業が終わっているのに原稿が届かず、納品が数か月止まるという事態は珍しくありません。原稿の入稿期限を工程表に明記し、遅れた場合の納期の扱いも一文で合意しておくと、後で責任の押し付け合いになりません。

既存サイトからの移行では、URLの扱いが技術的な争点になります。既存のURL構造を維持するのか、変更して転送設定を入れるのか。検索経由の流入がある事業者にとっては死活問題になり得るので、ここは必ず発注者の意思を確認します。転送設定の作業量は移行するページ数に比例するため、見積りの前提としても重要です。

公開後の運用体制も、この段階で聞いておきます。誰が更新するのか、その人はどの程度パソコンに慣れているのか、更新頻度はどのくらいか。ここが決まると、管理画面の作り込みの深さが決まります。月に1回しか更新しない相手に、複雑なカスタム投稿タイプを組んでも使われません。逆に毎日更新する相手には、入力の手間を減らす作り込みが価値になります。

最後に、意思決定者を確認します。窓口の担当者と、最終承認する人が別であることは非常に多い。承認者が後から登場してデザインが振り出しに戻る事故を避けるには、「最終的にご確認いただくのはどなたになりますか」と早い段階で聞いておくのが確実です。

見積書、発注書、請求書という事務の型を先に作る

副業でWordPress構築を受ける人の多くが、技術より先に事務でつまずきます。逆に言えば、ここを整えておくだけで、発注者からの信頼は一段上がります。

見積書には、宛名、発行日、有効期限、作業項目と金額、含まれない範囲、支払条件、振込先を記載します。有効期限を入れておくのは、数か月後に同じ金額で発注される事態を防ぐためです。支払条件は、着手金と納品後の分割にするかどうかを含めて明記します。個人が受ける構築案件では、着手金として総額の一部を先に受け取る形が広く使われています。金額が大きい案件ほど、この設計が資金繰りを守ります。

発注書は、発注者側から出してもらうのが原則ですが、出てこないことも多い。その場合は、こちらから注文請書や合意内容の確認メールを送り、作業範囲、金額、納期、支払期日を文面に残します。取引条件を書面で明示することは下請取引の分野では法令上の要請にもなっており、口頭で進める習慣は双方にとってリスクです。文書としての体裁を整える基礎はビジネス文書検定の学習範囲とも重なります。

請求書は、納品後すぐに出します。当たり前のようでいて、忙しさに紛れて請求が翌月にずれ、入金が2か月先になるという話は頻繁に聞きます。納品と請求をセットの作業として工程表に入れておくと、この取りこぼしがなくなります。インボイス制度に登録しているかどうかで記載事項が変わるため、自分の登録状況は把握しておく必要があります。制度の詳細や自分の場合の扱いは、国税庁の案内や税務の専門家に確認するのが確実です。

単発の構築を、継続の取引に変える設計

案件の取り方を考えるとき、1件を取ることより、1件から次を生む設計のほうが効率が高くなります。WordPressは公開して終わりではなく、本体とプラグインとテーマの更新が継続的に発生します。この構造は、受け手にとって継続取引の入口になります。

現実的なのは、公開時に「保守の選択肢」を提示しておくことです。更新作業とバックアップの確認を月次で行う形、不具合が起きたときだけ都度対応する形、完全に発注者側で運用する形の3つを並べ、それぞれの費用と対応範囲を書いた紙を渡す。選ばれなくても構いません。選択肢を提示した事実が、後で何か起きたときの相談先を自分にします。

もう1つは、公開後の点検連絡です。公開から1か月、3か月、半年といったタイミングで、表示の確認結果と気づいた点を短く送る。売り込みの文面にせず、事実の報告に留めるのがコツです。この連絡が、追加ページの制作、機能追加、別サイトの相談につながっていきます。

継続が生まれると、単価の話もしやすくなります。初回は相場並みで受けた相手でも、2件目以降は要件の把握が済んでいるぶん作業効率が上がり、実質の時間単価が改善します。この積み上げが、副業として無理なく続く状態を作ります。単発の受注数を追うより、取引先の数を数えるほうが、案件の取り方としては筋が良いと考えています。

提案の前後にある、地味だが効く運用

提案文を磨くのと同じくらい、その周辺の運用が結果を変えます。

返信速度は、質より先に見られています。「確認して明日までにご回答します」という一次返信を数時間以内に返すだけで、印象は変わります。副業で時間が限られているなら、一次返信だけは早く返す運用を決めておくのが現実的です。

質問の質も評価対象です。調べればわかることを聞くと信頼を落とし、相手しか知らないことを聞くと信頼が上がります。サーバーの仕様は調べればわかる。社内で誰が承認するのかは聞かないとわからない。この線引きを意識するだけで、やり取りの質が変わります。

辞退の伝え方も、次につながります。予算や納期が合わない案件を断るとき、理由を1行添えて「この条件であればお受けできます」と代案を残す。その場では成立しなくても、条件が変わったときに声がかかることがあります。断り方が雑な人には、次の相談は来ません。

案件の幅を広げたいなら、隣接領域の需要も見ておくとよいでしょう。Webサイトの構築だけでなく、業務システムやアプリ側の実装まで含む依頼は継続しやすい傾向があり、アプリケーション開発のお仕事ではその領域の仕事内容が整理されています。近年はサイト運用と広告・解析をまとめて任せたいという相談も増えており、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事の領域と組み合わせると提案の幅が広がります。社内の業務にAIをどう組み込むかという相談まで受ける人も出てきており、AIコンサル・業務活用支援のお仕事はその入口を知る材料になります。

運営者として見てきた、案件が続く人の共通点

在宅ワークとフリーランスの市場を20年見てきた立場から言えば、案件を継続的に取れている人は、営業がうまい人ではありません。発注者にとって「確認の手間が少ない人」です。

具体的には、進捗を聞かれる前に報告している、できないことを早い段階で言っている、納品時に触り方の説明が付いている。この3つが揃っている人は、次の案件が自然に来ます。逆に、技術力が高くても、連絡が遅く、仕様の解釈を勝手に決め、納品して終わりにする人は、単発で終わります。発注者は毎回新しい人を探すコストを避けたいので、一度「この人に任せると楽だ」と感じた相手には、次も声をかけます。

もう1つ、長く続いている人に共通するのが、取引の形を選んでいることです。実績づくりの期間は仲介手数料が引かれる場でも構いませんが、関係が続く相手とは直接の取引に移していく。中間マージンが乗らない取引は、依頼側が同じ予算でより多く頼めるようになり、受け手の手取りも厚くなります。金額の大小より、この構造の違いが数年単位で効いてきます。運営者として見てきた限りでは、単価交渉に強い人より、取引の場を選べる人のほうが安定しています。

在宅で作業する前提なら、環境面の整備も受注の安定に効きます。オンライン打ち合わせと大きなファイルのやり取りが日常になるため、通信環境の選び方は在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方が判断材料になりますし、副業として時間を確保する工夫は在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックにまとまっています。名刺代わりになる資格を検討するなら在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるも併せて見ておくとよいでしょう。

WordPress構築の案件の取り方は、突き詰めると「相手の不安を先に潰す」という一点に集約されます。提案文の書き方も、値付けの内訳も、連絡の運用も、すべて同じ目的のための手段です。技術の習得と並行して、この部分に時間を配分できるかどうかが、副業として続くかどうかを分けています。

よくある質問

Q. WordPress構築の副業は、どのくらいの単価で受けるのが妥当ですか?

フリーランス案件の媒体では、経験1〜2年で時給換算1,500円〜2,500円程度、3〜5年で2,500円〜4,000円程度という帯が示されています。請負で受ける場合も、想定作業時間で割ってこの帯から大きく下振れしていないかを確認すると、安請け合いを避けられます。

Q. 提案文で実績はいくつ載せるべきですか?

数を並べるより、1件を掘り下げるほうが返信率は高くなります。課題、対応内容、公開後の変化を書くと、思考の筋道が伝わります。守秘義務で公開できない場合は、業種と規模と担当範囲だけを書けば十分です。

Q. クラウドソーシングと直接取引は、どう使い分ければよいですか?

実績とレビューを作る段階はクラウドソーシングが早く、継続する取引は手数料のかからない直接契約に移すのが現実的です。仲介手数料は受注額が積み上がるほど差が大きくなるため、最初から二段構えで考えておくと単価の話がしやすくなります。

Q. 副業で平日日中に連絡が取れないのは不利になりますか?

事前に共有されていれば大きな問題にはなりません。着手可能日、想定納期、連絡が取れる時間帯の3点を提案文に明記し、一次返信だけは早く返す運用にしておけば、発注者は自分の進め方を組み立てられます。問題になるのは共有のないまま連絡が止まるケースです。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年1月6日最終更新:2026年9月24日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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