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イラスト素材を販売して長く使われる素材にするための作り方

@SOHO編集部
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イラスト素材を販売して長く使われる素材にするための作り方

この記事のポイント

  • ✓イラスト素材の販売を始めたい人に向けて
  • ✓ストックイラストの仕組み
  • ✓PIXTAやAdobe Stockの報酬の決まり方

描いたイラストを素材として販売したいと考えて、PIXTAやAdobe Stockに登録してみたものの、なかなか売れずに手が止まっている人は少なくありません。イラスト素材の販売は、1枚の絵を何度も売れる仕組みなので、うまく回り始めると作った素材が長く収入を生みます。一方で、売れる素材と売れない素材の差は、絵のうまさよりも「誰が何に使うか」を考えて作ったかどうかで決まることが多い分野です。

この記事では、イラスト素材の販売の仕組みから始めて、主な販売サイトの報酬の決まり方、長く使われる素材の選び方と作り方、タイトルとタグの付け方、審査で落ちやすい点、著作権と税金の注意点までを順に説明します。報酬の割合などの数字は、各サイトの公式の案内で今日時点の記載を確かめたものだけを書いています。

イラスト素材販売の仕組みと、ほかの売り方との違い

イラストを売る方法は、大きく分けて3つあります。1つ目は、依頼を受けてその人のためだけに描く受注制作です。2つ目は、描いたイラストをグッズやデータとして自分のネットショップで売る方法です。3つ目が、この記事で扱うイラスト素材の販売で、ストックイラストとも呼ばれます。

ストックイラストとは、販売サイトに登録した素材を、購入者がライセンス(使う権利)を買って使う仕組みです。購入者は、企業の広報担当、Webデザイナー、資料を作る会社員、学校の先生など、さまざまです。購入者は絵そのものを買い取るのではなく、決められた範囲で使う権利を買います。著作権は描いた人に残るので、同じ素材を何人にでも販売できます。

ほかの売り方と比べたときの特徴は、次のとおりです。

売り方 1回あたりの収入 手間のかかり方 向いている人
受注制作 高くなりやすい 依頼ごとにやり取りと修正がある 相手の要望に合わせて描くのが得意な人
自分のショップで販売 価格を自分で決められる 集客と発送や管理を自分で行う ファンがついている人
ストックイラスト 1回の報酬は小さい 登録したあとは手がかからない 用途を考えて描き続けられる人

ストックイラストは、1回のダウンロードで得られる報酬が小さい代わりに、登録した素材が何年も売れ続けることがあります。販売サイトが集客をしてくれるので、自分でSNSを頑張らなくても、検索で見つけてもらえるのも利点です。その反面、登録している素材の数が少ないうちは、ほとんど売れない期間が続きます。すぐにまとまった収入にしたいなら受注制作、時間をかけて資産を積み上げたいならストックイラスト、と考えると選びやすくなります。

購入者が買う「ライセンス」の基本

イラスト素材の販売で押さえておきたいのが、ライセンスの考え方です。ライセンスとは、決められた範囲で素材を使ってよいという許可のことです。購入者は素材の持ち主になるのではなく、この許可を買っています。

販売サイトの多くは、通常のライセンスと、より広い使い方を認める拡張のライセンスを分けています。通常のライセンスでは、Webサイトや資料、広告などに素材を使うことが認められる一方、素材を主役にしたグッズを作って販売する使い方などには制限がかかるのが一般的です。そうした使い方をしたい購入者は、拡張のライセンスを買います。Adobe Stockの報酬の内訳のページでも、画像の拡張ライセンスは通常のダウンロードとは別の報酬額が示されていて、1回あたりの報酬が大きくなっています。

作り手が知っておきたいのは、ライセンスの範囲を決めるのは販売サイトの規約だということです。ストックイラストのサイトに登録した素材は、そのサイトの規約の範囲で使われます。「この使い方はしてほしくない」という希望がある場合は、登録する前に規約を読み、受け入れられる範囲かを確かめます。たとえば、自分の絵がほかの人の商品のデザインの一部に使われることに抵抗があるなら、登録する題材を選ぶ必要があります。

また、著作権は作り手に残るので、同じ絵を受注制作の作品集に載せたり、自分のショップで販売したりすることは、専属の契約でなければ基本的に自由です。ただし、ある企業から依頼を受けて描いた絵を、後から素材として販売することはできません。依頼の契約で著作権を相手に渡しているか、使い方を限っていることが多いからです。素材として販売するのは、自分の判断で描いた絵だけにします。

主な販売サイトと報酬の決まり方

イラスト素材を販売できるサイトはいくつもありますが、報酬の決まり方はサイトごとにかなり違います。ここでは代表的なサイトについて、公式の案内に書かれている内容を整理します。

PIXTA

PIXTAは日本の会社が運営する販売サイトで、日本語で素材を探す購入者が多く集まります。日本の行事、日本人の暮らし、ビジネスの場面といった、日本の利用者向けの素材が求められやすいのが特徴です。

報酬の割合は、過去1年間に売れた回数で決まるクリエイターランクによって変わります。PIXTAのクリエイターランクの案内によると、単品購入の場合、ほかのサイトでも同じ素材を販売する一般のクリエイターは、販売実績が0回から149回なら22%で、5000回以上になると42%まで上がります。PIXTAだけで販売する専属のクリエイターは、同じ区分で30%から53%です。売れるほど割合が上がるので、最初は低い割合から始まることを知っておきます。

報酬は、獲得したクレジットを現金に交換して受け取ります。交換するときには所得税の源泉徴収が差し引かれます。

著作物利用に対する報酬の源泉徴収の税率は原則として10.21%となっております。 出典: pixta.jp

源泉徴収とは、報酬を支払う側があらかじめ税金を差し引いて、本人の代わりに国に納める仕組みのことです。差し引かれた税金は、確定申告で精算されます。

Adobe Stock

Adobe Stockは、PhotoshopやIllustratorなどのAdobeのアプリから素材を探す購入者に作品が届くサイトです。デザインの仕事をしている購入者が多く、ベクター形式の素材が使われやすい場です。

Adobe Stockの報酬の内訳のページでは、写真、ベクター、イラストのロイヤリティ(報酬の割合)を33%としています。1回のダウンロードで受け取る額は購入者のプランによって変わり、たとえば購入者が1か月あたり3クレジットの月プランを使っている場合は3.30ドルと示されています。報酬はドル建てで、購入者が大きな定額プランを使っている場合は1回あたりの額が小さくなります。

Shutterstock

Shutterstockは、世界中の購入者を相手にする販売サイトです。英語圏の購入者が多いため、文字の入らない汎用的な素材や、世界共通の行事の素材が使われやすくなります。報酬の割合は、その年に素材がライセンスされた数に応じて段階的に変わる仕組みです。具体的な割合は、Shutterstockのコントリビューター向けサイトの収益の内訳で確かめてください。

Shutterstockは独占の契約ではないので、同じ素材をほかのサイトでも販売できます。

Shutterstockは独占契約ではないため、他の非独占的なサイトでもコンテンツをライセンスすることができます。 出典: submit.shutterstock.com

複数のサイトに登録するか、1つに絞るか

最初のうちは、専属の契約を結ばずに、複数のサイトに同じ素材を登録する人が多くいます。どのサイトで自分の素材が売れやすいかは、試してみないと分からないからです。複数のサイトで売れ方を見比べ、1つのサイトで売れる回数が大きく伸びてきたら、専属にして割合を上げることを考えます。専属には応募の条件があり、ほかのサイトから素材を取り下げる必要もあるので、各サイトの決まりを読んでから判断します。

長く使われるイラスト素材の選び方

ストックイラストで収入を積み上げるうえで大事なのは、1年後も3年後も使われる素材を作ることです。そのためには、描きたいものではなく、購入者が探しているものから題材を選びます。

購入者が素材を探す場面を思い浮かべる

イラスト素材を買う人は、何かを作る途中で素材を探しています。たとえば次のような場面です。

  • 会社の資料に、会議や在宅勤務の様子を表す挿絵を入れたい
  • 学校の配布物に、季節の行事や子どもの生活の絵を入れたい
  • お店のチラシに、季節感のある飾りの枠や背景を入れたい
  • Webサイトの記事に、手順や考え方を表す説明の絵を入れたい

この場面を思い浮かべると、必要な素材が具体的になります。会議の挿絵なら、表情が分かりすぎない人物、男女や年齢が偏らない組み合わせ、文字を後から入れられる余白などが求められます。

毎年使われる題材と、流行の題材を組み合わせる

題材は、毎年同じ時期に使われるものと、その時の流行に合わせたものに分けて考えます。

毎年使われる題材の代表が、季節の行事です。正月、節分、ひな祭り、入学式、母の日、夏祭り、敬老の日、ハロウィン、クリスマスなどは、毎年同じ時期に探されます。一度作れば、毎年その時期に売れる可能性があります。行事の素材は、購入者が準備を始める1〜2か月前から探されるので、登録はさらにその前に済ませておきます。

流行の題材は、短い期間に大きく売れることがありますが、時間がたつと使われなくなります。両方を組み合わせ、毎年使われる題材を土台にしながら、流行の題材で目新しさを加えるのが、素材を長く売るための基本の考え方です。

ほかの人が作っていない隙間を探す

人気の題材は、すでに大量の素材が登録されています。たとえば「ビジネス 握手」で探すと、似た素材が数えきれないほど出てきます。そこに同じような素材を加えても、検索結果の奥に埋もれてしまいます。

販売サイトで自分が作ろうとしている題材を検索し、登録されている素材を眺めてみてください。「この場面の素材はあるが、高齢の人物が少ない」「この行事の素材はあるが、横長の背景が少ない」といった隙間が見つかります。その隙間を埋める素材は、数が少ない分だけ見つけてもらいやすくなります。

使いやすい素材にするための作り方

同じ題材でも、使いやすさの違いで売れ方が変わります。購入者が手を加えずにそのまま使えるか、少しの加工で使えるかを意識して作ります。

背景を透明にする、パーツを分ける

人物や物の素材は、背景を透明にした形式や、白い背景の上に余白を取った形で作ると、購入者が自分の資料に合わせやすくなります。ベクター形式で作る場合は、人物、物、背景などを別のまとまりに分けておくと、購入者が必要な部分だけを使えます。

1つのイラストをもとに、色違いや向き違い、表情違いをまとめたセット素材も使われやすい形です。たとえば、同じ人物のうれしい表情、困った表情、考えている表情を並べた素材は、資料の説明で使い分けられます。

文字を入れない、入れるなら余白を設ける

素材の中に文字を入れると、その文字が合わない購入者には使えなくなります。題名やキャッチコピーは購入者が自分で入れることが多いので、文字は入れずに、文字を入れられる余白を設けておくほうが使い道が広がります。季節の挨拶のように文字が主役の素材を作る場合は、文字を入れた版と入れない版の両方を登録する方法もあります。

色とタッチを統一する

複数の素材を同じ資料で使う購入者は、色とタッチがそろった素材を探しています。自分の作る素材の色合いと線の太さをある程度そろえておくと、1人の購入者が同じ作り手の素材を続けて買ってくれることがあります。描き手の名前で検索してもらえるようになると、素材の数が増えるほど売れやすくなります。

縦長と横長の両方を用意する

背景や飾り枠の素材は、使われる場所によって必要な縦横の比率が違います。資料の表紙や記事の見出し画像なら横長、スマートフォン向けの画面やチラシなら縦長が求められます。同じ題材で縦長と横長の両方を用意しておくと、どちらの購入者にも見つけてもらえます。人物の素材も、全身、上半身、顔だけの3種類があると、使う場所の広さに合わせて選んでもらえます。

登録の前に、購入者の目で見直す

描き終えた直後は、作り手の目でしか素材を見られません。登録する前に、一度、実際の資料やチラシの見本に素材を当てはめてみてください。余白が足りない、線が細すぎて小さく表示すると見えない、色が背景に沈む、といった使いにくさに気づけます。購入者の目で見直す習慣は、審査に通る率と、売れる率の両方を上げます。

解像度と形式は各サイトの基準を確かめる

画像の大きさや保存の形式には、サイトごとに受け付けの基準があります。基準に合わない素材は審査で落ちます。登録を始める前に、使うサイトのクリエイター向けの案内で、必要な画像の大きさ、受け付ける形式、ベクターの場合の決まりを確かめておきます。

タイトルとタグの付け方で見つけてもらう

ストックイラストは、購入者が販売サイトで検索して見つけるのが基本です。どれだけよい素材でも、検索に引っかからなければ売れません。そのために大切なのが、タイトルとタグ(検索用のキーワード)です。

購入者が入れる言葉で書く

タイトルとタグには、購入者が検索窓に入れそうな言葉を選びます。作り手の目線で「水彩風の優しいタッチの女性」と書くより、購入者の目線で「在宅勤務 女性 パソコン 自宅 テレワーク」と書くほうが検索で見つかります。

タグを考えるときは、次の4つの切り口で書き出すと漏れが減ります。

  1. 何が描かれているか(女性、パソコン、机、猫)
  2. どんな場面か(在宅勤務、会議、勉強、子育て)
  3. どんな気持ちや雰囲気か(明るい、困る、達成感、穏やか)
  4. 何に使えそうか(ビジネス、教育、季節の挨拶、説明図)

関係のない言葉を入れない

検索で見つけてもらいたいからといって、関係のない人気の言葉をタグに入れるのは避けます。購入者が検索してがっかりする素材は、結局買われません。関係の薄い言葉を並べることを規約やガイドラインで禁じているサイトもあるので、登録前に確かめておきます。タグの数にも上限があるサイトが多いので、関係の深い言葉から順に並べます。

売れた素材から言葉を学ぶ

素材がいくつか売れたら、どの素材がどの言葉で検索されて売れたのかを見返します。販売サイトの管理画面で、売れた素材の傾向を確かめられることがあります。売れた素材と同じ方向の素材を作り、同じ系統の言葉を使うと、売れやすい素材の割合が上がっていきます。

審査で落ちやすい素材と、その直し方

販売サイトに登録した素材は、多くの場合、公開される前に審査を受けます。審査で落ちる理由は、絵のうまさよりも、決まりに合っていないことが多くを占めます。よくある理由を知っておくと、無駄な作り直しが減ります。

他人の権利にかかわるものが描かれている

いちばん気をつけたいのが、他人の権利にかかわるものです。実在の企業のロゴ、商品のパッケージ、アニメや漫画のキャラクター、有名な建物の特徴的なデザインなどが描かれていると、審査で落ちるか、販売できても後で問題になるおそれがあります。

著作権とは、絵や文章や音楽などの作品を作った人が持つ権利のことです。他人の作品をまねて描いた素材は、その作品の著作権を侵害するおそれがあります。著作権の基本はe-Govの著作権法で条文を確かめられます。特定の誰かの作風に寄せすぎた素材や、写真をなぞって描いた素材も避けます。

品質や形式の基準に合っていない

線のはみ出し、色の塗り残し、余計な点やゴミ、画像の粗さなどは、審査で指摘されやすい点です。登録の前に画像を拡大して、細かいところまで確かめます。ベクターの場合は、不要な点や線が残っていないか、決められた形式で保存されているかを確かめます。

似た素材をまとめて大量に登録している

色だけ少し変えた素材を大量に登録すると、似た素材が多すぎるとして落とされることがあります。色違いを販売したいなら、セット素材として1つにまとめるほうが、審査でも購入者にとっても扱いやすくなります。

生成AIで作った素材の扱い

生成AIで作った素材の受け付けについては、サイトごとに決まりがあります。受け付けていても、AIで作ったことを登録時に明らかにすることを求めるサイトもあります。生成AIを使う場合は、登録するサイトの最新のガイドラインを必ず確かめてから登録します。

登録から販売開始までの流れ

イラスト素材の販売は、どのサイトでもおおむね同じ流れで始まります。初めての人がつまずきやすいのは、絵を描くことよりも、登録の手続きと審査の待ち時間です。全体の流れを先に知っておくと、焦らずに進められます。

  1. 販売サイトでクリエイター(寄稿者)としてアカウントを作る
  2. 本人確認や、報酬の受け取り先、税務の情報を登録する
  3. 各サイトの受け付けの基準を読み、素材を書き出す
  4. 素材をアップロードし、タイトルとタグを付ける
  5. 審査を待つ(数日から、混み合う時期はそれ以上かかることもある)
  6. 審査を通った素材が公開され、購入されると報酬が記録される
  7. 報酬が一定額に達したら、決められた方法で受け取る

2の税務の情報は、後回しにしがちですが、未登録のままだと報酬が受け取れないサイトもあります。アカウントを作った日に済ませておきます。

5の審査で落ちた場合は、理由が通知されることが多いので、理由を読んで直してから再び登録します。落ちた理由をメモしておくと、次の素材で同じ指摘を受けずに済みます。最初の10点ほどは、審査の傾向をつかむための練習と考えて、少しずつ登録するのがおすすめです。いきなり100点を登録して全部が同じ理由で落ちると、直す手間が大きくなります。

複数のサイトに登録する場合、サイトごとにアップロードとタグ付けの作業が必要になります。タイトルとタグを表計算ソフトにまとめておくと、2つ目以降のサイトに登録するときに写すだけで済みます。

1年分の制作計画を立てる

ストックイラストを続けるうえで役に立つのが、1年分の制作計画です。季節の素材は、使われる時期より前に登録しておく必要があるので、思いついたときに描くやり方では間に合いません。

計画の立て方は次のとおりです。

  1. 1月から12月までの行事と季節の題材を書き出す(正月、節分、卒業、入学、梅雨、夏休み、運動会、ハロウィン、年末など)
  2. それぞれの題材について、購入者が探し始める時期を考える(行事のおよそ1〜2か月前)
  3. 審査の期間を見込んで、登録の締め切りを決める(探し始める時期のさらに1か月前)
  4. 登録の締め切りから逆算して、毎月作る題材を割り振る

たとえば、12月のクリスマスの素材なら、購入者が探し始めるのは10月ごろなので、9月中には登録を終えておきたいところです。そうすると、8月から9月にかけて制作することになります。季節と制作の時期が半年近くずれるのが、季節の素材の特徴です。

季節の素材だけでなく、ビジネスや暮らしの素材のように1年中使われる題材も、毎月少しずつ計画に入れます。季節の素材が売れない時期にも、通年の素材が売れる状態を作っておくと、収入の波が小さくなります。

販売サイト以外で素材を売る方法

ストックイラストの販売サイトのほかに、自分のネットショップで素材のデータを販売する方法もあります。たとえばBASEは、公式の料金ページによると、スタンダードプランなら初期費用と月額費用が0円で、商品が売れたときに決済手数料3.6%+40円とサービス手数料3%がかかる仕組みです。売上が大きくなった人向けには、月額費用がかかる代わりに手数料が下がるグロースプランもあります。料金は改定されることがあるので、始める前にBASEの料金ページで確かめてください。

自分のショップで売る場合、価格を自分で決められ、素材のセットや使い方の範囲を自由に設計できます。その代わり、購入者を集めるのは自分の仕事です。SNSで作品を見てくれている人がいる、特定の分野で名前を知られている、といった集客の手段がない状態では、なかなか売れません。

自分のショップで販売するときは、購入者がどこまで素材を使ってよいのかを、利用規約としてはっきり書いておく必要があります。商用で使ってよいか、加工してよいか、グッズにして販売してよいか、使える人数や回数に制限があるかなどです。ストックイラストのサイトでは、この規約をサイトが用意してくれていますが、自分のショップでは自分で決めて書く必要があります。

ストックイラストのサイトで素材の数と経験を積み、名前を知ってもらえるようになってから、自分のショップを加える順番が、無理のない広げ方です。

収入の目安と、売れるまでに時間がかかる理由

イラスト素材の販売を始めた人が最初につまずくのは、登録してもしばらく売れないことです。これは、作り手の腕が足りないからとは限りません。仕組みの上で、売れるまでに時間がかかるのが普通です。

理由の1つ目は、素材の数です。ストックイラストは、登録した素材の数が多いほど、検索で見つけてもらえる回数が増えます。10点や20点のうちは、見つけてもらえる機会そのものが少ないのです。

2つ目は、季節の題材の時期です。季節の行事の素材は、その時期が来るまで売れません。夏に作ったクリスマスの素材が売れるのは、早くても秋です。1年を通して素材を作り続けると、毎月どこかの季節の素材が売れる状態に近づきます。

3つ目は、報酬の小ささです。先に見たとおり、Adobe Stockの場合、1回のダウンロードの報酬は購入者のプランによって0.33ドルから3.30ドルほどです。まとまった収入にするには、多くの素材が少しずつ売れる状態を作る必要があります。

このため、イラスト素材の販売は、短期間で収入を得る方法ではなく、作った素材を積み上げていく方法だと考えておくのが現実的です。最初の目標は金額ではなく、「1か月に何点登録するか」で立てると続けやすくなります。月の目標を決めたら、作業の時間を毎週のどこに取るかも決めておきます。在宅で作業を続けるための工夫は、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックでも紹介しています。

税金と確定申告で知っておくこと

イラスト素材の販売で収入が出たら、税金のことも考える必要があります。会社員として働きながら副業で販売している場合、国税庁の案内では、給与を1か所から受けている人は、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要とされています。詳しくは国税庁の「給与所得者で確定申告が必要な人」で確かめられます。

所得とは、売上からその仕事のためにかかった費用を差し引いた額のことです。イラスト素材の販売なら、ペンタブレット、パソコン、描画のソフト、資料の本などの費用が考えられます。どこまでを費用にできるかは事情によって変わるので、判断に迷うときは税務署や税理士に確かめます。

先に触れたとおり、国内のサイトでは報酬から源泉徴収が差し引かれていることがあります。差し引かれた税金は、確定申告をすると精算され、納めすぎていれば戻ってくることがあります。20万円以下で申告が不要な人でも、源泉徴収された税金を取り戻すために申告する、という選択もあります。また、所得税の申告が不要な場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあるので、住んでいる市区町村の案内を確かめます。

海外のサイトでは、アメリカの税務の書類を提出するよう求められることがあります。提出しないと報酬の支払いが止まったり、多くの税金が差し引かれたりすることがあるので、登録したら早めに各サイトの案内を確かめて手続きを済ませます。

会社員の副業として始める場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかも確かめておきます。

素材販売から仕事の幅を広げる人の共通点

在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、イラストで長く収入を得ている人は、素材の販売だけに頼っていないことが多くあります。素材の販売で、購入者がどんな絵を求めているかを学び、その経験を企業からの挿絵や資料のイラストを直接請け負う仕事に生かしています。素材を見た企業から「この作り手に描いてほしい」と連絡が来ることもあり、素材の一覧がそのまま作品集の役割を果たしています。

依頼を直接受ける形なら、仲介の手数料が差し引かれない分だけ手取りが厚くなり、依頼する側も同じ予算でより多くの絵を頼めます。手数料0%で直接やり取りできる仲介サイトは、こうした仕事の受け口として使いやすい仕組みです。素材の販売で積み上げた素材の数と、売れた素材の傾向は、直接の依頼を受けるときの強い材料になります。

デザインの仕事の収入の目安はデザイナーの年収・単価相場で確かめられます。イラストに加えて、広告やSNSの運用など周辺の仕事も受けたい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事の内容も参考になります。在宅で仕事の幅を広げるための資格を探している人には、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるも役に立ちます。

まずは、毎年使われる季節の題材から1つ選び、文字を入れない使いやすい形で3点作って登録するところから始めてみてください。

よくある質問

Q. イラスト素材は何点くらい登録すれば売れ始めますか?

決まった点数はありませんが、登録した素材の数が多いほど検索で見つけてもらえる機会が増えるため、数十点のうちは売れない期間が続くのが普通です。季節の行事の素材は、その時期が近づくまで売れないこともあります。最初は金額ではなく、1か月に何点登録するかを目標にして、少しずつ数を積み上げていくと続けやすくなります。

Q. 同じイラスト素材を複数のサイトで販売してもよいですか?

専属の契約を結んでいなければ、多くのサイトで同じ素材を販売できます。Shutterstockも独占の契約ではないと案内しています。ただし、PIXTAの専属のように、ほかのサイトで販売しないことを条件に報酬の割合が上がる契約もあります。専属を選ぶ場合は、ほかのサイトから素材を取り下げる必要があるので、各サイトの決まりを読んでから判断してください。

Q. 絵が上手でなくてもイラスト素材は売れますか?

売れるかどうかは、絵のうまさよりも、購入者が使う場面を考えて作ったかどうかに左右されることが多い分野です。会議の挿絵や季節の飾り枠のように、資料作りで必要とされる素材は、シンプルな絵でも使われます。文字を入れずに余白を設ける、背景を透明にするなど、使いやすさを意識すると売れる可能性が上がります。

Q. イラスト素材の販売で確定申告は必要ですか?

会社員で給与を1か所から受けている人は、給与と退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。所得は売上から道具やソフトなどの費用を差し引いた額です。国内のサイトで報酬から源泉徴収が差し引かれている場合は、申告で精算できます。所得税の申告が不要でも住民税の申告が必要な場合があるので、市区町村の案内も確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月16日最終更新:2026年10月19日
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