手描きのイラストを販売するには|原画とデータ化した作品の売り方


この記事のポイント
- ✓手描きのイラストを販売したい人に向けて
- ✓スキャンや撮影でデータ化してプリントやダウンロードで売る方法
- ✓グッズにする方法を整理しました
紙に描いた水彩画や色鉛筆の絵、ペンで描いたイラストを、自分の作品として販売してみたい。手描きのイラストの販売は、デジタルの絵とは違う魅力を持つ一方で、売り方の選択肢が多く、どこから始めればよいか迷いやすい分野です。手描きのイラストの売り方は、大きく分けると「原画そのものを売る」「データにして複製を売る」「グッズにして売る」の3つです。それぞれ、準備するもの、手間、利益の残り方が違います。この記事では、3つの売り方の違い、販売先の選び方と手数料、値段の付け方、梱包と発送、そして著作権とファンアートの扱いや税金まで、順番に説明します。
手描きのイラストの売り方は3つ
手描きのイラストを販売する方法を、まず3つに整理します。
原画を売る
紙やキャンバスに描いた作品そのものを売る方法です。世界に1つしかないものなので、買う人にとっては特別な価値があります。一方で、1枚の絵は1回しか売れないため、描いた時間がそのまま売上の上限になります。描くのに時間がかかる作品ほど、値段の付け方が大切になります。
データにして複製を売る
描いた絵をスキャナーやカメラでデータにして、そのデータから複製を作って売る方法です。ポストカード、ポスター、高品質のプリントなどの印刷物として売る方法と、画像のデータそのものをダウンロードで売る方法があります。1枚の絵から何度でも売れるので、原画より手頃な値段で多くの人に届けられます。
グッズにして売る
絵のデータをもとに、ステッカー、トートバッグ、マグカップ、アクリルの小物などのグッズを作って売る方法です。注文を受けてから1つずつ作るオンデマンドのサービスを使えば、在庫を抱えずに始められます。
3つの売り方の違いを表で比べます。
| 売り方 | 準備するもの | 1作品から売れる数 | 手間 |
|---|---|---|---|
| 原画 | 作品そのもの、額や梱包の材料 | 1つ | 梱包と発送に手間がかかる |
| データ化した複製 | スキャンや撮影の環境、印刷の手配 | 何度でも | データ化と印刷の手配に手間がかかる |
| グッズ | 絵のデータ、グッズのサービス | 何度でも | オンデマンドなら発送の手間が少ない |
はじめての人は、原画とポストカードのような手頃な複製を組み合わせて始めると、売れ方の違いを確かめられます。原画は値段が高くなりがちで売れるまでに時間がかかることもありますが、ポストカードなら気軽に手に取ってもらえ、作品を知ってもらうきっかけになります。
販売先の選び方
手描きのイラストを売る場所は、大きく分けて、作品の販売に特化したマーケット、個人どうしの売買のアプリ、自分のネットショップ、対面のイベントの4つです。
ハンドメイドや作品のマーケット
ハンドメイドの作品や、作家の作品を売り買いするマーケットのサービスです。作品を探しに来る人が集まっているので、はじめての人でも見つけてもらいやすいのが利点です。代表的なサービスの販売手数料を、各社の公式の案内から確かめました。
minneは、公式の案内で、初期費用と月額費用はすべて0円、販売手数料は10.659%(税込)で、送料とオプションの価格を含む金額にかかるとしています。有料の会員サービスに入ると、手数料の率が下がる仕組みもあります。
Creemaは、公式のヘルプで、出店と出品には費用がかからず、成約したときだけ手数料がかかると案内しています。
出店や出品に対して、費用はかかりません。 成約手数料のみいただきます。 1.作品・素材の売買が成立した場合 成約時に決済総額の10.67%(税込)がかかります。 出典: Creema ヘルプ
イラストやグッズの販売で使われることが多いBOOTHも、作品を売る場の1つです。手数料や仕組みはサービスごとに違い、改定されることもあるので、出品の前に必ず各社の公式の案内で今日時点の内容を確かめてください。
個人どうしの売買のアプリ
フリマアプリでも、手描きのイラストを売っている人がいます。使っている人が多いので、目に留まる機会は多くなります。ただし、もともと中古品の売り買いが中心の場なので、作品の値段が安く見られやすい傾向があります。作品として売りたいのか、気軽に手放したいのかで使い分けるとよいでしょう。
自分のネットショップ
ネットショップを作れるサービスを使って、自分専用のお店を開く方法です。自分の世界観に合わせてお店を作れ、作品のファンを育てていく場になります。一方で、お客さんを自分で集める必要があり、SNSなどで作品を知ってもらう工夫が欠かせません。
自分のネットショップで売る場合は、通信販売にあたるため、特定商取引法の表示が必要になります。販売する人の名前、住所、電話番号、価格、送料、支払いの方法と時期、返品の扱いなどを、お店のページに表示します。詳しくは消費者庁の特定商取引法のページで確かめてください。
対面のイベント
作品の展示や販売のイベントに出店する方法です。作品を直接見てもらえるので、手描きの質感や色の美しさが伝わりやすいのが利点です。原画は画面の写真では伝わりにくい魅力があるため、対面で手に取ってもらうと売れやすいこともあります。出店料や交通費がかかるので、売上と費用のバランスを考えて参加するイベントを選びます。
手描きのイラストをデータにする方法
原画を売るだけでなく、複製やグッズにして売るには、絵をデータにする必要があります。データにする方法は、スキャナーで読み取る方法と、カメラで撮影する方法の2つです。
スキャナーで読み取る
紙に描いた平らな絵なら、スキャナーで読み取るのが基本です。光の当たり方が均一なので、色むらや影が出にくく、きれいなデータになります。印刷に使うなら、仕上がりの大きさに合った解像度で読み取ります。一般に、印刷物では仕上がりの大きさで300dpi前後が目安とされることが多く、大きく引き伸ばして印刷するほど、元のデータに細かさが求められます。
スキャナーの読み取れる大きさより大きな絵は、何回かに分けて読み取り、ソフトでつなぎ合わせる方法があります。つなぎ目がずれないよう、絵を動かさずに少しずつ重ねて読み取るのがこつです。
カメラで撮影する
キャンバスのように厚みのある絵や、スキャナーに入らない大きな絵は、カメラで撮影します。撮影するときは、絵に対してカメラをまっすぐに構え、ゆがみが出ないようにします。光は窓からのやわらかい光か、左右から同じ明るさで当てると、影やてかりが出にくくなります。
データを整える
読み取ったり撮影したりしたデータは、画像を編集するソフトで整えます。紙の色を白に近づける、ごみやほこりの跡を消す、色を原画に近づける、といった作業です。色は画面によって見え方が違うので、印刷する前に試しに少量を印刷して、原画と見比べると安心です。
重くなったデータの扱い
高い解像度で読み取ると、データの容量がとても大きくなり、Webにアップロードできないことがあります。販売のサイトに載せる見本の画像は、表示に必要な大きさに縮めたものを使い、印刷用の高解像度のデータは別に保存しておきます。用途ごとにデータを分けて保存しておくと、扱いやすくなります。
データにした作品は、パソコンが壊れると失われてしまいます。外付けのディスクやクラウドに、控えを保存しておいてください。
ダウンロードで売るときに決めておくこと
絵のデータをダウンロードで売る場合は、物を送る手間がない代わりに、買った人がデータをどう使ってよいかを、はっきり決めておく必要があります。データは簡単に複製できるので、使ってよい範囲を決めていないと、思わぬ使われ方をすることがあります。
決めておきたいのは、次のような点です。
- 個人で楽しむ使い方に限るのか。たとえば、スマートフォンの壁紙や、自宅で印刷して飾る使い方
- SNSのアイコンやヘッダーに使ってよいか
- 商用の使い方を認めるか。たとえば、お店のチラシやWebサイトに使うこと
- 加工してよいか。色を変える、切り取る、文字を入れる、など
- 再配布や転売を禁じること
これらを作品のページに書いておくと、買う人も安心して使えます。商用の使い方を認める場合は、個人向けより高い値段にするなど、使われ方に合わせた値段を考えます。
データの形式と大きさも、作品のページに書いておきます。画像の形式、縦と横の画素数、印刷に向くかどうかを書いておくと、買ったあとに「思っていた大きさと違った」という食い違いを防げます。
原画の保管と画材の選び方
原画を売る人は、売れるまでの間、作品をよい状態で保管しておく必要があります。紙の作品は、湿気や日光で傷みやすいものです。
保管するときは、直射日光の当たらない、湿気の少ない場所を選びます。作品どうしが直接こすれないよう、間に薄い紙を挟んで、平らな状態で保管します。丸めて保管すると、くせがついて元に戻りにくくなることがあります。
画材によっては、光に当たると色があせやすいものがあります。飾って楽しんでもらう原画を売るなら、色あせにくい画材や紙を選ぶと、買った人に長く楽しんでもらえます。画材の性質は、画材のメーカーの説明で確かめられます。
値段の付け方
手描きのイラストの販売で、多くの人が迷うのが値段です。安すぎると続けるほど負担になり、高すぎると手に取ってもらえません。値段を決めるときは、次の要素を分けて考えます。
原画の値段
原画の値段は、材料の費用、描くのにかかった時間、作品の大きさ、額装の有無を考えて決めます。手描きの作品は、描く時間が長いほど値段も上がるのが自然です。最初は、同じような大きさや画材の作品が、販売先でいくらで売られているかを調べて、目安にします。
複製の値段
ポストカードやプリントの値段は、印刷の費用、梱包の材料、販売の手数料を引いても利益が残るかを確かめて決めます。少ない枚数で印刷すると1枚あたりの印刷の費用が上がるので、最初はどのくらい売れるかを見ながら、印刷の枚数を決めていきます。
手数料と送料を引いて考える
マーケットで売る場合は、売れた金額から手数料が引かれます。送料も含めた金額に手数料がかかるサービスもあります。たとえば手数料が約10%なら、3,000円の作品が売れても、手元に残るのは手数料を引いた約2,700円です。そこから材料の費用や梱包の費用を引いたものが、本当の利益になります。値段を決めるときは、手元に残る金額で考える習慣をつけてください。
値上げのタイミング
最初は手頃な値段で始め、作品が売れるようになったら少しずつ値段を見直す人もいます。ただし、一度買ってくれた人がいる中で大きく値上げすると、戸惑わせることがあります。新しいシリーズを出すとき、作品の大きさや画材を変えるときなど、理由のあるタイミングで見直すと、受け入れてもらいやすくなります。
作品ページの作り方
オンラインで手描きのイラストを売るときは、作品のページが店頭の代わりになります。写真と説明の文章で、作品の魅力を伝える必要があります。
写真
原画を売るなら、作品の全体の写真に加えて、筆の跡や紙の質感が分かる近くの写真、額に入れた様子や部屋に飾った様子の写真があると、買う人が完成のイメージを持ちやすくなります。写真の色が原画とずれていないかも確かめます。
説明の文章
説明には、作品の大きさ、画材、紙の種類、額の有無、制作の年を書きます。作品に込めた思いや、描いたときのエピソードを短く添えると、作品への関心が深まります。複製の場合は、原画ではなく複製であることをはっきり書いてください。原画と誤解されると、トラブルのもとになります。
注意書き
手描きの作品は、画面と実物で色の見え方が違うことがあります。「お使いの画面によって色の見え方が異なる場合があります」と書いておくと、届いたあとの食い違いを減らせます。原画は1点ものなので、売れたあとの再販売ができないことも書いておきます。
原画の梱包と発送
原画を売るとき、もっとも気を使うのが梱包と発送です。届くまでに折れたり、濡れたり、汚れたりすると、取り返しがつきません。
- 絵の表面を保護する。薄い紙やフィルムで表面を覆い、こすれを防ぐ
- 水に濡れないよう、透明の袋に入れる
- 折れないよう、厚紙や板で両面を挟む
- 箱や封筒の中で動かないよう、すき間を埋める
- 外側に「折り曲げ厳禁」「水濡れ注意」などの注意を書く
- 追跡ができ、補償のある発送の方法を選ぶ
額に入れた作品は、ガラスやアクリルの面が割れないよう、角を保護する材料を使い、箱の中でしっかり固定します。発送の方法によっては、大きさや重さの上限があるので、事前に確かめてください。
マーケットの中には、匿名で送れる配送の仕組みを用意しているところもあります。自宅の住所を相手に知らせずに送れるので、個人で販売する人には安心です。使える配送の方法と料金は、各サービスの案内で確かめてください。
買った人とのやり取り
作品を売ると、買った人や、買うかどうか迷っている人とのやり取りが生まれます。このやり取りの丁寧さが、次の購入や口コミにつながります。
問い合わせには、なるべく早く返事をします。作品の大きさや色について質問されたら、写真を追加で送るなど、具体的に答えます。発送したら、発送したことと届く目安を伝えます。
届いた作品に傷があった、思っていた色と違った、といった連絡を受けることもあります。まずは事情を丁寧に聞き、写真を送ってもらうなどして状況を確かめます。返品や交換をどう扱うかは、あらかじめ作品のページに書いておき、その決まりに沿って対応します。原画は1点ものなので交換が難しく、返品の扱いを先に決めておくことが大切です。
買った人から感想が届いたら、お礼の返事をします。作品を飾った様子の写真を送ってくれる人もいます。こうしたやり取りを重ねていくと、作品のファンが少しずつ増えていきます。
画材ごとの売り方の違い
手描きのイラストといっても、使う画材によって、作品の魅力も、データにするときの注意点も違います。代表的な画材ごとに整理します。
水彩
水彩の作品は、にじみや透明感が魅力です。スキャナーで読み取ると、紙の凹凸や薄い色が飛んでしまうことがあるので、読み取りの設定を調整したり、データを整えるときに原画の色に近づけたりする手間がかかります。紙が水で波打っている場合は、平らにしてから読み取ると、きれいなデータになります。
色鉛筆
色鉛筆の作品は、重ねた線の細かさが魅力です。読み取るときは、線の質感がつぶれないよう、高めの解像度で読み取ります。原画を発送するときは、表面がこすれると色がにじんだり薄くなったりすることがあるので、表面の保護を丁寧に行います。
ペンや墨の線画
ペンや墨で描いた線画は、白と黒のはっきりした作品が多く、データにしやすい画材です。グッズにしても線がはっきり出るので、ステッカーや布製品にも向いています。
アクリルや油彩
キャンバスに描いたアクリルや油彩の作品は、厚みがあり、絵の具の盛り上がりが魅力です。スキャナーに入らないことが多いので、カメラで撮影してデータにします。原画は重さと大きさがあるので、発送の方法と送料を先に確かめておきます。
対面のイベントに出店するときの準備
作品の販売のイベントに出店するときは、オンラインとは違う準備が必要です。
- 作品の並べ方を考える。机の大きさに合わせて、原画、プリント、ポストカードを並べる配置を、家で一度試しておく
- 値段を分かりやすく表示する。値札や価格表を用意し、まとめて買うと割安になる組み合わせがあれば書いておく
- お釣りと支払いの方法を用意する。現金のほか、キャッシュレスの支払いに対応するかを決める
- 原画を守る。ほこりや手の汚れから守るため、透明の袋に入れて展示する
- 作品を知ってもらう材料を用意する。SNSやネットショップの案内を書いたカードを、作品と一緒に渡す
イベントでは、作品を見てくれた人と直接話せます。どの作品に足を止める人が多いか、どんな感想を言われたかを記録しておくと、次の作品づくりやオンラインでの見せ方に活かせます。
販売を始めるまでの手順
ここまでの内容をもとに、手描きのイラストの販売を始めるまでの流れを手順にします。
- 売り方を決める。原画、複製、グッズのどれから始めるか
- 販売先を決める。マーケット、自分のネットショップ、イベントのどれを使うか
- 作品を選ぶ。オリジナルの作品か、権利の問題がないものを選ぶ
- 複製やグッズを作るなら、作品をデータにする
- 値段を決める。手数料、送料、材料の費用を引いても利益が残るか確かめる
- 作品のページを作る。写真、大きさ、画材、注意書き、使ってよい範囲を書く
- 梱包の材料と発送の方法を用意する
- SNSなどで作品を知ってもらう
- 売れた作品と売れなかった作品を記録し、次の作品づくりに活かす
最初から多くの作品を並べる必要はありません。数点の作品から始めて、どんな作品に関心が集まるかを見ながら、少しずつ作品を加えていけば十分です。
売れないときの見直し方
作品を出してもしばらく売れない、ということはよくあります。そんなときは、次の点を順に見直してみてください。
1つ目は、作品が見られているかどうかです。販売のサービスによっては、作品のページが何回見られたかを確かめられます。見られていないなら、作品の写真や題名、SNSでの紹介の仕方を見直します。
2つ目は、見られているのに買われていない場合です。写真で作品の魅力が伝わっているか、値段が作品の大きさや手間に合っているか、送料が高すぎないかを見直します。説明の文章が短すぎて、作品の大きさや画材が分からないことが原因の場合もあります。
3つ目は、売る場所が合っているかどうかです。同じ作品でも、販売先によって集まる人が違います。原画は対面のイベントで売れやすく、手頃なポストカードはマーケットで売れやすい、といった違いが出ることもあります。
すぐに結果が出なくても、作品を作り続け、見せ続けることが、手描きのイラストの販売を続けるための基本です。
著作権とファンアートの扱い
手描きのイラストを販売するときに、必ず知っておきたいのが著作権の扱いです。
自分の作品の権利
自分で描いたオリジナルの作品の著作権は、描いた人にあります。原画を売っても、著作権まで買った人に移るわけではありません。買った人は原画を飾ったり持っていたりできますが、その絵を印刷してグッズにして売るといった使い方は、別に許可が必要です。原画を売るときに、この点を説明しておくと、あとの食い違いを防げます。
ほかの人の作品をもとにした絵
アニメやゲーム、漫画のキャラクターを描いたファンアートを販売したいと考える人もいます。キャラクターや作品には、それを作った人や会社の権利があります。ファンアートの販売を認めるかどうか、どんな条件で認めるかは、権利を持つ会社や作者ごとに違います。ガイドラインを公開して個人の販売の範囲を示しているところもあれば、販売を認めていないところもあります。
ファンアートを販売したいときは、必ずその作品の権利を持つ会社や作者が公開しているガイドラインを確かめてください。ガイドラインが見つからない、条件が分からない、といった場合は、販売を控えるのが安全です。人気のキャラクターのファンアートは目に留まりやすい反面、権利の問題が起きたときの影響も大きくなります。
写真や資料をもとに描いた絵
ほかの人が撮った写真をそのまま写して描いた絵も、もとの写真の権利との関係が問題になることがあります。販売する作品は、自分で撮った写真や、自分で見て描いたものをもとにするのが安全です。
グッズにして売るときのポイント
絵のデータをグッズにして売る場合は、オンデマンドのサービスを使うと、在庫を持たずに始められます。注文が入ると、サービスの側で作って発送してくれる仕組みです。
グッズにするときは、絵がグッズの形に合っているかを考えます。横長の絵はトートバッグには合っても、丸いバッジには合わないことがあります。手描きの絵の線の細かさや色の濃さが、グッズの印刷でどう出るかも、サービスの見本や試しの注文で確かめると安心です。
グッズの値段には、サービスの製作の費用が含まれ、そこに自分の利益を上乗せする形になることが多くあります。どのくらいの利益を上乗せできるかは、サービスによって違うので、料金の仕組みを確かめてから選んでください。
副業として続けるための時間の使い方
手描きのイラストの販売を副業として続けるには、描く時間だけでなく、データにする、写真を撮る、作品のページを作る、梱包して発送する、問い合わせに答える、といった時間も必要になります。描くことが好きで始めた人ほど、描く以外の作業の多さに驚くことがあります。
続けるためには、作業をまとめて行う工夫が役立ちます。たとえば、写真の撮影は晴れた週末の昼にまとめて行う、発送は決まった曜日にまとめて行う、と決めておくと、毎日少しずつ時間をとられることが減ります。作品のページに「発送は毎週土曜日に行います」と書いておけば、買う人も届く時期の見通しが立ちます。
会社に勤めている人は、副業を始める前に勤め先の就業規則を確かめてください。副業を認めている会社でも、届け出が必要なことがあります。
副業で手描きのイラストを売るときの税金
会社に勤めながら副業で手描きのイラストを売っている人は、税金の扱いを知っておく必要があります。国税庁は、給与をもらっている人の副収入について、次のように案内しています。
しかし、年末調整が済んでいる給与所得者であっても、その給与所得以外に副収入等によって20万円を超える所得を得ている場合には、確定申告をすれば税金が還付される人を除いて、確定申告が必要となります 出典: 国税庁 No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合
ここでいう所得は、売上そのものではなく、売上から材料の費用や手数料、送料などの経費を引いた金額です。絵を売った売上が20万円を超えていても、経費を引いた所得が20万円以下なら、所得税の確定申告が要らない場合があります。
ただし、この20万円の線は所得税の話で、住民税には当てはまりません。所得税の確定申告が要らない場合でも、住民税の申告は必要です。住民税の申告は、住んでいる市区町村で行います。
作品の販売を事業として続けるなら、開業届を出し、事業所得として申告する道もあります。どの所得に当たるか、どこまで経費にできるかは、続け方や金額で変わるので、税務署で確かめてください。
作品を知ってもらう方法
手描きのイラストは、作品を見てもらえなければ売れません。販売のページを作るだけでなく、作品を知ってもらう工夫が欠かせません。
SNSで作品を見せる方法は、もっとも手軽で効果的な方法の1つです。完成した作品だけでなく、描いている途中の様子や、画材の紹介を見せると、手描きならではの魅力が伝わります。描いている手元の動画は、デジタルの絵とは違う手描きの面白さを伝えられます。
作品の傾向をそろえることも大切です。いろいろな絵柄の作品を並べるより、自分らしい作品の傾向がそろっているほうが、「この人の作品が好き」というファンがつきやすくなります。
在宅でできる仕事の幅を広げたい人は、絵の販売と組み合わせて学べる資格を調べておくのも1つの方法です。色の知識やデザインの基礎を学べる資格は、作品づくりにも、依頼を受けて描く仕事にも役立ちます。在宅の仕事に活かしやすい資格は在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるで紹介しています。
作品を作り続けるには、描く時間を確保することが前提です。副業で続ける人は、本業や家事の合間に集中して描く時間をつくる工夫が必要になります。集中の続け方は在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックで紹介しています。作品の写真や大きなデータをアップロードすることが多い人は、回線の速さも作業の効率に関わります。回線の選び方は在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方で比べています。
手描きの絵を仕事につなげる考察
20年にわたって在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた限りでは、手描きのイラストの販売を続けている人の中には、作品の販売をきっかけに、依頼を受けて描く仕事へと広げていく人が少なくありません。作品を見た人から、店のロゴや、本の挿絵、結婚式のウェルカムボードを描いてほしいと頼まれる、といった広がり方です。
作品の販売は、自分の絵を気に入ってくれる人と出会う場でもあります。売上の額だけで判断せず、どんな人が、どんな作品に関心を持ってくれたかを見ていくと、自分の作品の強みが見えてきます。その強みは、依頼を受けて描く仕事の土台になります。
依頼を受けて描く仕事では、依頼する人と直接取引をする形なら、仲介の手数料が間に入らない分、同じ予算でも描き手の手取りが厚くなります。依頼する人はその分を、描き手が丁寧に描ける納期の余裕に回せます。手描きの作品の販売と、依頼を受けて描く仕事を組み合わせると、収入の道が1つに偏らず、長く描き続けやすくなります。イラストを含むデザインの仕事の相場は、デザイナーの年収・単価相場で確かめられるので、依頼を受けるときの見積もりの目安にしてください。
よくある質問
Q. 手描きのイラストはどこで販売できますか?
ハンドメイドや作品のマーケット、フリマアプリ、自分のネットショップ、対面のイベントなどで販売できます。マーケットは作品を探しに来る人が多く、はじめての人でも見つけてもらいやすい場所です。手数料や仕組みはサービスごとに違うので、出品の前に各社の公式の案内で今日時点の内容を確かめてください。
Q. 原画を売ったら著作権も買った人に移りますか?
原画を売っても、著作権は描いた人に残ります。買った人は原画を飾ったり持っていたりできますが、その絵を印刷してグッズにして売るといった使い方には、別に許可が必要です。原画を売るときにこの点を説明しておくと、あとの食い違いを防げます。
Q. ファンアートを販売してもよいですか?
ファンアートの販売を認めるかどうかは、作品の権利を持つ会社や作者ごとに違います。ガイドラインで個人の販売の範囲を示しているところもあれば、販売を認めていないところもあります。販売したいときは必ずその作品のガイドラインを確かめ、条件が分からない場合は販売を控えるのが安全です。
Q. 副業でイラストを売ったら確定申告は必要ですか?
給与をもらっている人で、副収入の所得が20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。所得は売上から材料の費用や手数料などの経費を引いた金額です。20万円以下で所得税の確定申告が要らない場合でも、住民税の申告は必要です。扱いは事情で変わるので税務署で確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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