個人事業主 経費 通信費 按分計算|光回線・モバイル・サブスクの按分率


この記事のポイント
- ✓個人事業主の経費で通信費を按分する方法を
- ✓光回線・モバイル・サブスクの按分率の決め方から仕訳例まで具体的に解説
- ✓税務調査で否認されない記録の残し方も実例付きで紹介します
個人事業主として独立して数年経つと、必ず一度はぶつかるのが「通信費って、結局どこまで経費にしていいの?」という疑問です。自宅で仕事をしている私の場合、光回線もスマホもプライベートと共用なので、丸ごと経費に入れるわけにはいきません。かといって、感覚で「半分くらいかな」と決めても、税務調査が入ったときに説明できないのは怖い。本記事では、個人事業主が通信費を按分するときに必要な考え方と、光回線・モバイル・サブスクごとの按分率の決め方、仕訳と記録の残し方まで、実務の現場で使える形で整理しました。
個人事業主の通信費按分は「事業使用分の証明」が9割
通信費の按分というと「何%にするか」ばかり気にされがちですが、税務上もっと重要なのは「その%にした根拠を客観的に説明できるかどうか」です。所得税法上、家事関連費(プライベートと事業が混ざった支出)を必要経費にするには、業務遂行上必要であることと、業務に必要な部分を明確に区分できることが要件になっています。
国税庁の所得税基本通達45-2では、家事上の経費と業務上の経費を明確に区分できる場合に限り、業務上の部分を必要経費に算入できるとされています。つまり「なんとなく半分」では足りず、使用時間・使用面積・使用日数など、計測可能な指標で按分割合を算出する必要があります。
私の周りのフリーランスでも、通信費の按分率は人によって 30% から 80% までかなりばらつきます。これは別に税務署が許す範囲が広いというわけではなく、各人の働き方によって事業使用の実態が違うから当然そうなる、ということです。在宅で週5フルで仕事している人と、外出が多いコンサル業の人では、自宅の光回線の使用比率はまったく違います。
按分は「正解の数字」を選ぶ作業ではなく、「自分の働き方を数字に翻訳する」作業だと考えると、迷いが減ります。
通信費に含まれる経費の範囲を整理する
そもそも個人事業主の通信費という勘定科目には、どこまでが含まれるのでしょうか。実務上は次のような支出が通信費に該当します。
固定費系では、光回線・ADSL・モバイルWiFiなどのインターネット接続料、固定電話の基本料金と通話料、スマートフォンの月額基本料とパケット通信料、業務用のクラウドストレージやVPNの月額利用料などが該当します。
スポット支出系では、切手・ハガキ・宅配便(ヤマト・佐川などのメール便を含む)、私書箱の利用料、Zoom・SlackなどのSaaS型コミュニケーションツールの月額料金などが含まれます。
ここで注意したいのが、スマートフォン本体や周辺機器の購入費用は通信費ではなく「消耗品費」または「工具器具備品(10万円以上の場合)」で処理する点です。月額の通信料金と本体代金を分けて記帳しないと、按分のロジックが崩れます。
ファッションのEC運営代行をしているクライアントから「サブスク系のツール代も全部通信費でいいんですか?」と聞かれることが多いのですが、Canva・Adobe・Photoshopなどのデザインツール、ChatGPTなどのAIサブスクは「通信費」ではなく「諸会費」「支払手数料」「外注費」など別科目で処理するのが一般的です。会計ソフトの初期設定で「通信費」がデフォルトになっているからといって、何でも放り込むと税務調査時に説明が面倒になります。
按分計算で事業利用分が決まったら、経費として計上するのはその部分の金額のみです。勘定科目は「通信費」を使いますが、私用分を除外する仕訳が必要です。例えば月のネット代が2万円で按分割合60%(事業用)なら、12,000円を通信費、残り8,000円は経費にしません。この際、会計上は私用分を「事業主貸」という勘定で処理するのが一般的です。事業主貸とは、個人事業主が事業用口座から私的支出を出した場合などに使う科目で、簡単に言えば「事業のお金で立て替えたプライベート費用」を表します。
この「事業主貸」の処理を理解しておくと、按分の仕訳がぐっと楽になります。事業用クレジットカードで月2万円のネット代を払って60%が事業利用なら、通信費12,000円・事業主貸8,000円・未払金20,000円という形で分解すれば、私用分が経費から自然に除外されます。
光回線の按分率の決め方|時間ベースと利用容量ベース
自宅の光回線の按分率を決める方法は、大きく分けて2通りあります。
1. 使用時間ベースの按分
最も一般的なのが、1日の使用時間のうち事業使用の割合で按分する方法です。フリーランスでよく使われる計算式は次の通りです。
事業使用時間 ÷(事業使用時間 + プライベート使用時間)= 按分率
例えば、平日8時間を事業に使い、夜と土日を合わせて週20時間プライベートで使うとします。週ベースで計算すると、事業使用が8時間×5日=40時間、プライベートが20時間。按分率は40÷(40+20)= 66.7%になります。
ただし、光回線は常時接続なので「使ってない時間」が長いという反論を受けることがあります。実務的には「業務利用可能時間」と「私的利用可能時間」で按分するほうが説明しやすい場面もあります。
2. 使用日数ベースの按分
週5日を事業日、土日をプライベート日とする日数按分も認められやすい方法です。
例:1ヶ月の通信費が1万6,000円で週5日使用している場合
(1)按分率:5日間 ÷ 7日間 = 0.71…(約71%)
(2)経費計上できる額:
・16,000円(1ヶ月の通信費)× 71%(按分率)= 11,360円
この日数按分は計算がシンプルで、税務調査でも「週5で稼働している実態」と整合性が取れているため通りやすい方法です。
3. 利用容量ベースの按分
最近増えているのが、ルーターやプロバイダの管理画面から取得できる「上り下りのデータ通信量」で按分する方法です。動画編集やオンライン会議をする人は、業務での通信容量が圧倒的に多いため、時間按分より高い按分率を主張しやすくなります。
私はクライアント向けの撮影データや動画素材を扱うため、月の総通信量のうち 85% 程度が業務用のクラウドアップロードに費やされていることがあります。ただし、容量ベースでの按分は「データを取得した期間と方法」を記録しておかないと再現性がなく、後から反証されにくいぶん根拠資料の保管が重要です。
光回線の場合、現実的には 50〜80% 程度の按分率が多く採用されています。それ以上を計上したい場合は、業務専用回線を別途引くか、データ通信量の証跡を確実に残すかの2択になります。
モバイル(スマホ・タブレット)の按分率の決め方
スマートフォンや業務用タブレットの通信費按分は、光回線とは別のロジックで考える必要があります。
通話履歴と利用時間で按分する
スマホは「業務上の通話・SMS・LINE・チャット」と「プライベートの連絡・SNS・動画視聴」が混在します。一番現実的な方法は、毎月の通信時間や通話履歴のうち業務使用分を抽出して按分率を算出することです。
例えばiPhoneなら「設定 > スクリーンタイム > すべてのアクティビティを確認する」で、アプリ別の利用時間を週単位・月単位で取得できます。Slack・Gmail・Zoom・会計アプリ・SNS運用アプリの利用時間を業務用として集計すれば、客観的な按分根拠になります。
私の場合、Instagram・TikTokのアルゴリズム調査がそのまま業務なので、SNSアプリの利用時間も業務時間として計上します。ただし、プライベートでも投稿を見る時間が混ざるため、Instagram全体のうち 7割 を業務利用として記録し、残りはプライベートに振り分けています。
2台持ちなら全額経費にできる
最もシンプルなのは、業務専用のスマホを別途契約する方法です。法人格を持たない個人事業主でも、業務専用回線として契約して業務以外には使わなければ、通信費・本体代を全額経費にできます。
月額 3,000円 程度の格安SIMで業務専用回線を持つフリーランスは増えています。プライベートのスマホで業務LINEを受けるよりも、按分計算が不要になるメリットのほうが大きいケースが多いです。
ただし、業務専用といいながら家族や友人との連絡もそこで取っていると「事業専用とは言えない」と判断されることがあります。完全に業務専用として運用する覚悟がなければ、按分のほうが安全です。
モバイルの按分率の相場
実務上のスマホ按分率の相場は 30〜70% 程度です。営業電話が多い士業や、SNS運用代行など業務でスマホを多用する職種では70%前後、PC作業中心でスマホはサブ的に使う職種では30〜40%程度が多い印象です。
ファッション系のSNSコンサルをしている私の例だと、Instagramのリール撮影・編集・分析を業務でスマホで完結させる日があるため、スマホ全体の按分率は 65% で計上しています。Instagram運用は単価が見えにくい仕事ですが、年収相場については著述家,記者,編集者の年収・単価相場に近い構造で、案件単価が積み上がる業務スタイルです。
サブスク・SaaS・クラウドサービスの按分
近年、フリーランスの通信費は固定電話・光回線よりも、クラウドサービスやサブスクの割合が大きくなっています。
完全に業務専用のサブスクは100%経費
ChatGPT Plus、Notion、Slack、Zoom、Adobe Creative Cloud、GitHub、AWSなどのアカウントが業務専用であれば、按分の必要はなく 100% 経費計上できます。アカウントを業務用メールアドレスで取得し、業務用クレジットカードで決済するルールを徹底すれば証明も簡単です。
これらは厳密には「通信費」ではなく「諸会費」「支払手数料」「ソフトウェア利用料」など別科目で処理されることもありますが、勘定科目を統一して継続的に運用していれば問題ありません。
プライベートと共用しているサブスクは按分
Adobe Creative Cloudの個人プランを業務と趣味の写真編集で共用していたり、Netflixを業務リサーチ(映像トレンド調査)でも使っていたりするケースは按分対象です。Netflixを「業務用」として計上する場合は、業務での使用ログ・参考にした映像作品のリストを残しておかないと税務調査では認められにくいです。
私の経験上、エンタメ系サブスクを業務経費に入れるのは、業種と業務内容との関連性が明確でない限り避けたほうが無難です。アパレル系のEC運営支援であれば、Vogue Online Storeの会員費は競合リサーチとして説明できますが、Disney+を「映像演出の参考」として全額計上するのは無理筋です。
クラウドストレージの按分
Google One、Dropbox、iCloudなど、業務とプライベートを同一アカウントで運用しているクラウドストレージは按分対象です。容量ベースで按分するなら、各フォルダの使用容量を確認して「業務用フォルダの占有率」で按分するのがロジカルです。
例えば総容量2TBのうち1.3TBが業務用クライアントデータなら、按分率は 65%。これは「フォルダ別容量のスクリーンショット」と「使用容量レポート」を保存しておけば、税務調査でも通りやすい根拠資料になります。
通信費按分の仕訳例|事業主貸・未払金の使い方
実際の仕訳を具体例で見ていきます。
ケース1:事業用クレジットカードで支払い(按分率60%)
月の光回線代6,000円を事業用クレジットカードで支払い、按分率60%(事業用3,600円・プライベート2,400円)の場合。
支払い時の仕訳:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 通信費 | 3,600円 | 未払金(クレジットカード) | 6,000円 |
| 事業主貸 | 2,400円 |
ケース2:個人用口座から引き落とし(按分率70%)
スマホ代10,000円を個人用口座から引き落とし、按分率70%(事業用7,000円)の場合。
支払い時の仕訳:
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 通信費 | 7,000円 | 事業主借 | 7,000円 |
事業主借は「個人のお金で事業の支出を立て替えた」状態を表します。事業用の経費だけを切り出して通信費に計上し、私用分は最初から仕訳しません。
ケース3:年払いの按分
年払いのプロバイダ料金48,000円を1月にまとめて支払った場合、按分率は月別ではなく年単位で適用するか、月割で「短期前払費用」として処理する方法があります。継続的に年払いし、その年に対応する支払いであれば、年払い分を全額その年の経費にしてよいというのが実務上の一般ルールです(短期前払費用の特例)。
按分計算は会計ソフトで自動化できる
freee・マネーフォワード・弥生青色申告などの会計ソフトでは、特定の支出について「家事按分率」を事前設定しておくと、決算時に自動で按分処理してくれる機能があります。私はマネーフォワードに「光回線=65%」「スマホA=70%」「スマホB=100%(業務専用)」と設定して、月次の仕訳作業を最小化しています。
会計ソフトに頼ると数字が正確になるぶん、按分率の根拠資料(スクリーンタイム・通信量ログ)は別途保管しておく必要があります。
税務調査で否認されないための記録の残し方
通信費の按分は、税務調査で必ず確認されるポイントの一つです。否認されないために、最低限残しておきたい記録を整理します。
1. 按分率の算出根拠
「なぜ65%にしたのか」を文書化しておきます。エクセルやNotionに「2026年通信費按分率算定根拠」というファイルを作り、計算ロジック・使用したデータ(スクリーンタイム集計・ルーター通信量ログ)・算出結果を残しておくと、調査時に即答できます。
2. 通信明細の保存
携帯電話会社・プロバイダから発行される明細書(PDF)は、最低でも7年間保存します。法人ではなく個人事業主でも、青色申告者は帳簿書類を7年間保存する義務があります(白色申告は5年間)。
3. 業務関連の通信ログ
クライアントとのSlackやメッセンジャー履歴、Zoom会議の録画リストなど、業務で通信を使った事実を裏付ける資料を残しておきます。Gmailの「送信済み」フォルダや、SlackのWorkspace一覧などは、業務利用の実態を示す客観的証拠になります。
4. 按分率の継続性
一度決めた按分率は、合理的な理由なく頻繁に変更すべきではありません。「去年は50%、今年は80%」と急に上げると、税務署から「なぜ変わったのか」と必ず聞かれます。働き方や使用実態が変わったのであれば(例:業務専用回線を追加した、外出が増えた等)、変更理由を文書化しておきます。
5. 領収書ではなく明細書を残す
クレジットカード明細だけで「光回線5,500円」と書かれていても、それが業務利用分かプライベート分か区別できません。プロバイダ発行の利用明細書を別途取得し、領収書と紐付けて保管するのが望ましい運用です。
按分でよく失敗するパターンと回避策
実務でよく見かける失敗例を共有します。
失敗1:按分率を毎月変える
「今月は忙しかったから80%、来月は60%」のように毎月按分率を変えると、年末に按分根拠を整理するのが地獄になります。実態が大きく変わった年度を除けば、年間で同じ按分率を適用するのが基本です。
失敗2:本体代と通信料を混ぜる
スマホ本体代金を分割で払っている場合、毎月の請求には「本体代分割金」と「通信料」が混在しています。本体代は通信費ではなく消耗品費または工具器具備品で処理するため、明細を確認して切り分ける必要があります。
失敗3:家族契約のスマホを業務按分する
夫婦・家族で契約しているスマホの料金プランを、業務按分しようとする例が見られます。ただし、家族の名義で契約していて支払者も家族なら、そもそも事業主の経費にはなりません。事業主本人の名義・支払いのものだけが按分対象です。
失敗4:開業前の通信費を計上
開業届を出す前に契約していた通信回線を、開業後に按分計上することは可能ですが、開業前の月分まで遡って経費にすることはできません。開業日以降の按分のみが対象です。
開業届を含む青色申告の準備全般は、税理士に丸投げするのも一つの選択肢ですが、自分で会計を理解しておくと、見積もりや確定申告で迷いません。経理を効率化する人材として、AIコンサル・業務活用支援のお仕事では会計ソフトの導入支援なども含む業務支援が増えており、フリーランスの業務効率化ニーズと連動しています。
業種別・通信費按分率の目安
参考までに、私の周りや業界で見聞きする業種別の按分率の目安をまとめます。これはあくまで実態の集計であり「この数字なら税務署が認める」という保証ではありません。
| 業種 | 光回線 | スマホ | 主な業務利用 |
|---|---|---|---|
| Webライター | 70〜80% | 30〜50% | 取材・原稿執筆・クライアント連絡 |
| Webデザイナー | 70〜85% | 30〜50% | 素材ダウンロード・クラウドアップロード |
| エンジニア | 80〜90% | 30〜50% | コード送受信・サーバアクセス |
| SNS運用代行 | 60〜80% | 60〜80% | スマホでの撮影・投稿・分析 |
| 動画編集 | 80〜90% | 30〜50% | 大容量データ送受信 |
| 翻訳・通訳 | 70〜80% | 40〜60% | オンライン会議・資料送受信 |
| ECコンサル | 70〜85% | 50〜70% | 商品撮影ディレクション・運用 |
| 営業代行 | 50〜70% | 70〜90% | 顧客連絡・テレアポ |
この表からわかるのは、スマホが業務の中心になる業種(SNS運用代行、営業代行)はスマホの按分率が高く、PC作業中心の業種(エンジニア、Webデザイナー)は光回線の按分率が高いということです。
エンジニアの単価相場はソフトウェア作成者の年収・単価相場でも公開されていますが、業務時間のほぼ全てを通信回線越しに行う業種では、通信費を高い按分率で経費計上することに合理性があります。
通信費按分と確定申告で押さえるべきポイント
確定申告で通信費の按分を反映させるときの実務的なポイントを整理します。
青色申告と白色申告で考え方が異なる
青色申告では家事按分の要件として「業務上必要であり、業務に必要な部分を明確に区分できること」が求められます。白色申告では、業務に必要な部分が 50% を超える場合のみ全額経費にできる、または明らかに区分できる場合に区分計上できるという扱いです。
青色申告のほうが家事按分の柔軟性が高く、節税効果も大きくなります。フリーランスとして本気で活動するなら青色申告の届出を出しておくのがおすすめです。
仕入税額控除との関係
インボイス制度に登録している個人事業主は、通信費の支払先(NTT・KDDI・ソフトバンク・楽天モバイル等)が適格請求書発行事業者かどうかで仕入税額控除の扱いが変わります。多くの通信キャリアはインボイス対応済みですが、明細書にインボイス番号が記載されているかを確認しておきます。
経費にできない通信関連支出
通信費でよく勘違いされる項目を整理します。
経費にできないもの:
- 個人用スマホの解約手数料(業務専用に転用した記録がなければ家事費)
- 家族のスマホ料金(事業主名義でないため)
- プライベート目的の海外ローミング料金
- プライベートで購入した周辺機器(イヤホン・ケース等)
経費にできる可能性があるもの(按分対象):
- 自宅光回線の月額利用料
- プライベートと共用するスマホの通信料
- クラウドサービスの月額利用料
- 動画・音楽配信サービスのうち業務利用分
判断に迷ったら、税理士または税務署の電話相談(国税庁の電話相談センター)に確認するのが安全です。
完全在宅型のフリーランスは、自宅の光回線とスマホがそのまま業務インフラになるため、按分率も自然と高くなります。一方、コワーキングスペース併用型や、クライアント先常駐型のフリーランスは、自宅通信費の按分率はそれほど高くならず、代わりにコワーキング利用料や移動中のモバイル通信が経費の中心になります。
通信費の按分以上に重要なのは、確定申告のときに「自分の働き方を数字で説明できる状態」を作っておくことです。会計ソフトでの自動按分、業務利用ログの保管、明細書の整理。地味な作業ですが、これを続けているフリーランスほど、税務リスクが小さく、本業に集中できる時間が長くなります。
按分計算は通信費だけでなく、家賃・電気代・車両費など他の家事関連費にも同じロジックで適用できます。家賃の按分についてはフリーランスの家賃を経費にする方法|按分計算のやり方で、車両費の按分についてはフリーランスの車は経費にできる?按分計算と仕訳のポイント【2026年版】で、それぞれ詳しく解説しています。自宅オフィスの全体的な経費化についてはフリーランスの自宅オフィス|家賃を経費にする按分計算と注意点も参考になります。
事業を継続的に運営していくうえで、通信費を含む経費の把握は経営判断の基礎データになります。「いくら売り上げて、いくら経費がかかって、いくら手元に残ったか」を月次で見える化しておくと、次の案件の単価交渉や、新しい設備投資の意思決定に役立ちます。仕事の幅を広げたい人はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事やアプリケーション開発のお仕事など、隣接スキルの案件にもチャレンジしてみると、通信費のかかり方も変わり、按分率の見直しが必要になることがあります。
スキルセットを広げたい人には、ビジネス文書の基本を体系的に学べるビジネス文書検定や、ネットワークインフラを扱う案件で有利になるCCNA(シスコ技術者認定)などの資格取得もおすすめです。資格と実務経験が組み合わさることで、按分対象の通信費そのものが「事業を伸ばす投資」に変わっていきます。
公的機関・関連参考情報
本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。
よくある質問
Q. 領収書を紛失してしまった場合、経費として一切認められませんか?
領収書がないからといって直ちに否認されるわけではありませんが、支払いの事実を証明する責任は納税者側にあります。クレジットカードの利用明細、出金伝票、メールの履歴などの客観的な証拠を提示し、事業に関連する支出であることを合理的に説明できれば、経費として認められる可能性があります。
Q. 税務調査では過去何年分の帳簿を遡って確認されますか?
通常は過去3年分が対象となりますが、申告漏れなどの問題が見つかった場合は5年分、悪質な隠蔽や仮装(脱税)の疑いがある場合は最大7年分まで遡って調査されます。そのため、領収書や帳簿などの資料は法令に基づき、常に7年間は保管しておくことが重要です。
Q. 個人事業主に税務調査が来る確率はどのくらいですか?
一般的に個人事業主への調査実施率は1%程度と言われていますが、売上の急増時や無申告の状態が続いている場合はその確率が大幅に高まります。全ての事業者に均等に来るわけではなく、申告内容の不自然さや疑義があるケースが優先的に選定される傾向にあります。
Q. 個人事業主会計は未経験でも始められますか?
多くの場合、未経験からでも始められます。最初は小さな案件やシンプルな作業から挑戦し、実績を積みながら少しずつスキルや知識を広げていく進め方が現実的です。公的機関や業界団体が提供する情報を参照し、無理のないペースで取り組むことをおすすめします。

この記事を書いた人
丸山 桃子
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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