ピラティスインストラクターの副業|資格の取り方とレッスンの持ち方

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
ピラティスインストラクターの副業|資格の取り方とレッスンの持ち方

この記事のポイント

  • ✓ピラティスインストラクターを副業にする方法を整理しました
  • ✓団体ごとの取り方と費用の幅
  • ✓スタジオ所属とオンラインでのレッスンの持ち方

ピラティスインストラクターを副業にできるのか。結論から言うと、できます。しかも、平日夜と週末だけで成立させている人が一定数います。ただし、資格を取ればレッスンが持てるという単純な話ではありません。資格を取ったあとに「どこで教えるか」を設計していない人が、ほとんど動けないまま止まっています。

この記事では、資格が実質的に必要になる理由、団体ごとの取り方と費用の幅、そしてレッスンをどこで持つかという3点を順に整理します。結論の順番としては、レッスンの置き場所を先に決めて、そこに合う資格を選ぶのが合理的です。

資格は法律上の必須ではない、それでも必要になる理由

まず事実を押さえます。ピラティスのインストラクターには国家資格がありません。名称も業務も法律で独占されていないので、無資格で指導しても違法ではありません。ここだけ見ると「資格は不要」という結論になりそうです。

しかし実務では、ほぼ必要になります。理由は3つです。

1つ目は、スタジオやジムの採用条件です。求人の多くが「養成コース修了者」「指導資格保有者」を条件に挙げています。つまり、どれだけ自分の身体が動いても、資格がないと採用の入り口に立てないケースが多いということです。

2つ目は、保険です。指導中に受講者がけがをした場合の賠償責任保険は、指導資格を持っていることを加入条件にしているものがあります。無資格で個人レッスンを行うと、事故が起きたときに自己負担でカバーすることになります。副業として続けるなら、ここは避けられません。

3つ目は、指導の安全性です。ピラティスは呼吸と体幹の使い方を扱うので、受講者の既往症や妊娠中の状態によって禁忌となる動きがあります。この知識を独学で網羅するのは現実的ではありません。正直なところ、独学で人に教えるのはリスクが大きいと考えています。

というわけで、「法律上は不要だが、実務上は必要」というのが正確な答えです。目的が「自分のために深く学ぶ」なら資格は必須ではありませんが、「副業として人に教えて報酬を得る」なら取得を前提に計画を立ててください。

資格の種類と、取り方の全体像

資格は民間団体が発行しています。大きな分け方は2つです。

1つはマットピラティスの資格です。マット1枚で行う指導法を学びます。学習期間は数か月で、費用は団体とコースによって20万円から40万円程度の幅に入ることが多いです。マットだけならスタジオを持たなくても指導できるので、副業として始めるならここが入り口になります。

もう1つはマシンピラティスの資格です。リフォーマー、キャデラック、チェア、バレルといった専用の器具を使う指導法を学びます。マシンを扱う指導ができると求人の選択肢が広がる一方、費用は上がり、総合的なコースでは50万円を超えることもあります。学習期間も長く、実技の時間を確保する必要があります。

コースの中身は団体ごとに設計が違います。器具の種類をどこまで扱うか、実技をどれだけ対面で行うか、解剖学の学習がどの程度含まれるか。この3点で比べてください。実際の養成コースの説明を見ると、扱う器具の幅を打ち出しているものがあります。

マットやリフォーマーはもちろん、TRXやトリガーポイント、チェア、バレルなど15種類以上のツールを使った実践的な指導法を、対面での丁寧な指導を通じて習得できます。座学だけでなく、実際のスタジオで実技レッスンを重ねられるため、副業デビュー後もすぐに現場で通用する実践力を身につけやすい点は大きな強みです。 出典: clubpilates.co.jp

ここで注目したいのは「対面での丁寧な指導」という部分です。オンライン中心のコースは費用を抑えられますが、実技の修正を受ける機会が少なくなります。ピラティスの指導は、受講者の動きを見て言葉で直す作業が中心なので、その練習を自分がどれだけ受けたかが現場での差になります。安さだけでコースを選ぶと、修了後に指導が怖くなるという結果になりがちです。

選び方のポイントを3つ挙げます。第1に、修了までに必要な実技時間と、その時間を自分の生活で確保できるか。第2に、修了後に所属できるスタジオがあるか(団体が運営するスタジオへの就業につながるコースもあります)。第3に、更新の条件と費用です。資格には数年ごとの更新や継続学習の要件が設けられているものがあり、維持費が発生します。

費用をどう回収するか

副業として考えるなら、投資と回収の見通しを立ててください。ここを飛ばすと、資格取得で終わってしまいます。

仮に取得費用が30万円だとします。グループレッスンを1本担当して受け取る報酬が3,000円なら、100本で回収です。週2本のペースなら1年で104本になるので、1年で回収できる計算になります。週1本なら2年かかります。

この計算をすると、「週に何本持てるか」が投資判断の中心だとわかります。だから、資格を取る前にレッスンを持てる場所を探しておくのが合理的です。近隣のスタジオの採用条件を見る、通っているジムのインストラクター募集を確認する、オンラインで教える場合の集客手段を考える。この下調べを先にやってください。

費用を抑える方法もあります。1つは、マットの資格から始めて、必要になった段階でマシンを足す形です。2つは、団体が実施する分割払いや、修了後にスタジオで働くことを前提とした支援制度を使う形です。3つは、本業の福利厚生や自治体の学習支援制度を確認することです。

なお、資格取得の費用が経費として扱えるかどうかは、状況によって判断が変わります。事業を開始する前の学習費用と、事業を始めた後の技能維持の費用では扱いが異なるため、国税庁の公式情報で確認し、迷う場合は税務署に相談してください。領収書は必ず保管しておいてください。

レッスンをどこで持つか、4つの選択肢

ここが本題です。資格を取ったあと、教える場所は4つに分かれます。

1つ目は、スタジオやジムに所属する形です。業務委託または雇用で、決まった時間のレッスンを担当します。集客はスタジオ側が行うので、自分は指導に集中できます。副業として最も始めやすい形です。報酬は1レッスンあたりで決まることが多く、グループレッスンで2,000円から5,000円、経験や指名の有無で上下します。

2つ目は、レンタルスタジオを借りて自分で開く形です。場所代を払い、自分で受講者を集めます。1時間あたり1,000円から3,000円程度で借りられる施設があり、受講者が集まれば所属より手元に残る額は大きくなります。ただし集客が自分の仕事になるので、指導とは別の時間が必要です。

3つ目は、出張して教える形です。企業の福利厚生として社内で実施するケース、個人宅やコミュニティスペースで少人数に教えるケースがあります。移動の時間が発生しますが、場所代がかからない利点があります。

4つ目は、オンラインです。自宅から画面越しに指導する形で、在宅で完結します。移動がないので平日夜に組み込みやすく、副業との相性が良い選択肢です。一方で、画面では受講者の身体の細かい動きが見えにくいため、指導できる内容に制約があります。カメラの角度、画角、音の環境を整える工夫が必要になります。

オンラインで教えるなら、通信環境の安定が品質そのものになります。レッスン中に映像が止まると、それだけで受講の体験が崩れます。回線の選び方は在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方に判断の材料がまとまっているので、オンライン中心で組み立てる人は先に確認しておくと安全です。

現実的な進め方としては、1つ目で経験を積みながら4つ目を試し、受講者が付いてきたら2つ目や3つ目に広げるという順番です。最初から自分で集客する形を選ぶと、指導の経験が浅いまま集客に時間を取られて、どちらも伸びません。

報酬の考え方と、時間あたりで見る視点

報酬は1レッスンあたりで提示されるので、時間あたりに換算する習慣を持ってください。

1レッスン3,000円で、レッスン時間が50分だとします。これだけ見ると時間あたり3,600円ですが、実際には準備と移動が加わります。着替えと準備に20分、往復の移動に60分かかるなら、拘束時間は約2時間20分です。時間あたりで見ると1,300円前後になります。

この計算をすると、選ぶ基準が変わります。自宅から近いスタジオを選ぶ、同じ日に2本まとめて担当する、オンラインで移動をなくす。この3つはいずれも時間あたりの報酬を上げます。報酬の額そのものを上げるより、先にここを整えたほうが効率が良いというのが実態です。

指名が付くと単価が上がる仕組みのスタジオもあります。プライベートレッスンを担当できるようになると、1本あたりの報酬はグループより高くなります。ただし、プライベートは受講者の身体の状態に合わせた組み立てが求められるので、指導の経験が要ります。急がなくて構いません。

収入が増えてきたら、税の手続きも視野に入ります。給与を1か所から受けていて源泉徴収されている人は、給与所得と退職所得を除く各種の所得金額の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。業務委託でスタジオと契約している場合、受け取る報酬は給与ではないため、事業所得または雑所得として扱われます。レッスンのための移動費、ウェア代、小道具、研修の受講料は経費に入り得るので、日々の収支を記録しておくと計算が楽になります。

ここで重要なのは「収支を記録しておく」という部分です。移動費、ウェア代、マットや小道具、オンライン用の機材。こうした支出を記録していないと、経費として差し引けません。レッスンの日付と本数、受け取った額、その日の交通費を1行ずつ書き留めるだけで足ります。表計算に1行ずつ書いていくだけで足ります。申告の要否や経費の範囲は国税庁の情報で確認してください。

メリットとデメリットを並べる

判断材料として、両側を並べておきます。感情ではなく条件で比べたほうが、あとで後悔しません。

メリットの1つ目は、単価が時間に対して比較的高いことです。1レッスン50分で数千円という設計は、時間単価で見ると副業の中では上のほうに入ります。移動を短くできれば、実質の効率はさらに上がります。

2つ目は、身体を使う仕事なので自分の健康管理につながることです。デスクワークが本業の人にとって、指導のために身体を整える習慣ができるのは副産物として大きいという声があります。

3つ目は、受講者との関係が資産になることです。継続して通う人がつくと、集客に使う時間が減り、収入の土台ができます。単発の作業を積み上げる副業とは、この点が違います。

4つ目は、オンラインに展開できることです。在宅で完結する形に移せるので、生活の変化に合わせて働き方を変えられます。

デメリットの1つ目は、初期費用が大きいことです。資格取得に数十万円かかるため、回収の見通しを立てずに始めると負担になります。

2つ目は、身体が使えないと収入が止まることです。故障や体調不良の期間は、代講を頼むことになり報酬が発生しません。傷病時の備えは自分で用意する必要があります。

3つ目は、時間帯が固定されることです。受講者が集まるのは平日の夜と週末です。つまり、本業の後と休日が稼働時間になります。ここを負担なく使えるかどうかが、続けられるかの分かれ目になります。

4つ目は、指導の学習が続くことです。資格を取っても、そこで終わりではありません。継続学習の要件がある資格もありますし、受講者の状態に応じた対応力は経験で積み上げるものです。学ぶことが好きな人には向いていますが、資格を取って終わりにしたい人には合いません。

この4つを見て「時間帯が合わない」と感じるなら、無理に進めなくてよいと思います。副業は本業を支えるためのものなので、生活の形に合わないものを選ぶ理由はありません。

未経験から始める人の、最初の3か月

手順に落としておきます。資格を取ってから動き出す人が多いのですが、順番を逆にしたほうが動きやすくなります。

最初の1か月でやることは、通える範囲のスタジオとジムを調べることです。採用条件、必要な資格、レッスンの時間帯、報酬の形。この4点を書き出します。5件ほど並べると、地域の相場と求められる資格が見えてきます。ここで「自分が持てそうな時間帯にレッスンの枠があるか」を確認してください。枠がない地域で資格を取っても、オンラインか出張に進むしかなくなります。

同時に、自分が受講者としてレッスンを受けてください。教える側になる前に、良い指導と合わない指導の違いを体験しておくことが、後の学習効率を上げます。費用はかかりますが、これは無駄になりません。

2か月目は、コースの比較です。実技時間、対面の割合、修了後の就業支援、更新の条件、総額。この5項目で表を作って並べます。説明会に参加できるものは参加して、実際の雰囲気を見てください。

3か月目に申し込みます。ここで大事なのは、学習期間中の生活を想定しておくことです。週末に実技が入るコースなら、その期間は他の予定を入れられません。本業の繁忙期と重ならない時期を選んでください。

そして修了後は、本数を抑えて始めます。最初は週1本か2本で、指導の型を固める期間として使います。レッスンの組み立てに時間がかかるのは最初だけです。同じ構成を繰り返しながら少しずつ変える形にすると、準備の負担が下がっていきます。

3か月続けた時点で、1本あたりの準備時間、移動時間、実際に受け取った金額を記録から集計してください。ここで初めて、自分にとってこの副業が成立しているかが数字でわかります。感覚で判断せず、記録で判断するほうが正確です。

注意したいこと、3つ

副業としてピラティスを教えるうえで、事前に確認しておきたい点を挙げます。

第1に、医療行為との線引きです。ピラティスの指導は運動の指導であって、治療ではありません。「痛みを治す」「症状を改善する」といった表現で集客すると、医業や施術に関する資格が必要な領域に踏み込む可能性があります。受講者に既往症がある場合は、医師の判断を確認してもらうよう案内するのが基本です。この線引きは、自分を守るためのものでもあります。

第2に、本業の就業規則です。副業が届出制や許可制になっている会社は多くあります。国は副業を認める方向で指針を示していますが、会社が届出を求めること自体は認められています。副業に関する国の考え方や資料は厚生労働省の公式サイトで公開されています。あわせて、勤務時間や日数の条件によっては副業先でも社会保険の加入対象になる場合があるため、判断は日本年金機構の公式情報で確認してください。

第3に、契約条件の確認です。スタジオと業務委託で契約する場合は、1レッスンあたりの報酬、支払いの期日、代講が必要になったときの扱い、受講者が集まらなかった場合の報酬の有無を事前に確認してください。2024年11月に施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律では、発注する側に取引条件を明示する義務があり、報酬は受け取った日から起算して60日以内に支払う義務が定められています。制度の内容や相談窓口は公正取引委員会の公式サイトで案内されています。

稼働の上限を先に決める

副業として続けるうえで、いちばん実務的な助言はこれです。レッスンの本数に上限を決めてください。

引用元の解説でも、同じ趣旨が書かれています。

副業の目的はあくまで「本業を支えながら、プラスの収入や経験を得ること」です。レッスンを詰め込みすぎて本業に支障が出てしまうと、せっかくの副業が負担になってしまいます。夜間・週末に集中してレッスンを組む、月の稼働上限を決めておくなど、無理のないペースで続けられる仕組みを作りましょう。 出典: clubpilates.co.jp

具体的な置き方としては、平日は2本まで、週末に3本まで、といった形で決めます。週5本なら月に20本前後になります。この範囲なら、本業の繁忙期にも調整が利きます。

上限を決めずに受け続けると、声が出なくなったり、身体を痛めたりします。指導する側が身体を故障すると、収入がその月から止まります。これは本業のデスクワークとは性質の違うリスクです。だから、休む日を先にカレンダーに入れておくのが合理的です。

もうひとつ、レッスン以外の時間も見積もりに入れてください。レッスンの内容を組み立てる時間、受講者への連絡、継続学習。実務では、レッスン1本につき準備が20分から30分ほど発生します。この時間を計算に入れておかないと、思ったより時間を取られていると感じることになります。

編集部が資格系の取材を重ねて見てきた傾向として、修了直後に一気に本数を入れた人ほど、半年で止まっています。最初の3か月は本数を抑えて、指導の型を固めるほうが長く続いています。

続けている人に共通する傾向

この市場を20年運営してきた立場から言えば、指導系の副業で長く続いている人の共通点は、指導の腕前だけではありません。受講者との関係を、単発ではなく継続として設計していることです。

運営者として見てきた限りでは、収入が安定する転換点は「同じ人が次も来る状態」を作ったときに来ています。1回ごとに新しい受講者を集める形は、集客の負担が減りません。一方で、継続して通う人が10人いれば、月の収入の土台ができます。だから、レッスンの質を上げる努力は、集客の努力と同じ方向を向いています。

もうひとつの傾向は、教える仕事とあわせて、家でできる仕事を1つ持っている人が多いことです。指導の仕事は身体が使えないと止まります。季節や体調で本数が減る月があるため、座ってできる収入源があると生活が崩れません。在宅でできる仕事の選択肢と、それに役立つ資格は在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるにまとまっています。指導の内容を文章にして発信する方向に進む人もいて、その場合の報酬水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場が目安になります。

在宅の仕事を選ぶときに知っておきたいのが、額面と手取りの違いです。仲介するサービスを通すと、報酬から手数料が引かれます。20%の手数料は、年間60万円受け取る人なら12万円が消えるという意味です。中間のマージンが乗らない直接の取引なら、依頼する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側の手元に残るものは厚くなります。手数料0%の強みは、金額の派手さではなく、この手取りの厚さにあります。指導の仕事も同じ構造で、スタジオを通す形と自分で受講者を持つ形では、同じレッスン1本でも手元に残る額が変わります。

オンラインでレッスンを提供する人が増えたことで、資料や動画を作る作業も仕事の一部になってきました。書類や案内文を整える作法を身につけたい場合はビジネス文書検定の学習範囲が実務と重なります。在宅での作業時間が長くなってきたら、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックにある区切り方の工夫も使えます。

資格を取ることは入り口です。どこで教えるかを決めて、続けられる本数に収める。この2つを設計した人が、副業として定着させています。

修了から初めての報酬までを、日付順に置く

資格を取ったあと何が起きるかを知らないまま申し込む人が多いので、時期の順に並べます。

修了の直後。まず履歴に書ける形を整えます。取得した資格の名称、修了した年月、実技の時間数。この3つを1枚にまとめておくと、スタジオへの応募がその日から出せます。

修了から1週目から2週目。応募です。通える範囲のスタジオとジムに、稼働できる曜日と時間帯を明記して送ります。「土日の午前とその他の平日夜」ではなく「土曜9時から12時、火曜と木曜の19時以降」のように書くと、枠に当てはめてもらいやすくなります。

3週目から4週目。面談と実技の確認です。多くのスタジオでは実際に指導する様子を見る工程があります。ここで見られているのは技術の完成度ではなく、受講者への声かけと安全への配慮です。

5週目から6週目。代講から入ることが多い時期です。既存のレッスンの担当が休む枠に入る形で、1本ずつ経験を積みます。この段階で固定の枠を約束されないのは普通のことなので、焦る必要はありません。

7週目から8週目。固定の枠が付きます。週1本から2本が現実的な始まりです。ここまでで修了から2か月ほどかかります。

初めての入金。業務委託でスタジオと契約する場合、月末締めの翌月払いが多く見られます。つまり最初のレッスンから入金までは1か月半前後かかります。取得費用を払った直後に収入がない期間が2か月から3か月続くことになるため、手元の資金はそこまで持つ形で用意しておいてください。

確定申告でどう書くか、勘定科目と金額の例

給与を1か所から受けていて源泉徴収されている人は、給与所得と退職所得を除く各種の所得金額の合計が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要になります。要件は国税庁のタックスアンサーNo.1900 給与所得者で確定申告が必要な人に示されています。この20万円は受け取った報酬の合計ではなく、報酬から経費を引いた後の所得の額です。

週3本のレッスンを1本3,000円で年48週担当した場合を例にします。売上は432,000円です。経費を勘定科目に分けて置きます。

・旅費交通費:スタジオへの往復。1回600円で年144回なら86,400円 ・消耗品費:ウェア、マット、小道具、タオル、消毒用品。年30,000円 ・研修費:継続学習のワークショップや講習の受講料。年40,000円 ・諸会費:資格の更新料と団体の年会費。年15,000円 ・通信費:オンラインでレッスンをする場合の回線と携帯の按分。年24,000円

経費の合計は195,400円になり、所得は236,600円です。20万円を超えるので確定申告が必要になります。売上の4割強が経費で消える構造で、指導系の副業ではこの比率が高く出ます。逆に言えば、記録を残していない人は払うべきでない税を払うことになります。

開業届を出して青色申告の承認を受け、複式簿記で記帳すると、事業所得として青色申告特別控除が使えます。控除額は10万円が基本で、貸借対照表と損益計算書を確定申告書に添えると55万円、期限内にe-Taxで送信すると65万円になります。要件は国税庁No.2072 青色申告特別控除のとおりです。控除額は所得の金額が限度になるため、この例の236,600円は枠内に収まります。

ただし、この副業が事業所得に当たるか雑所得に当たるかは、継続性や規模で判断が変わります。所得税の税率も課税される所得の合計で動き、課税所得195万円以下は5%、195万円を超えて330万円以下は10%(控除額97,500円)です。自分の税額や扶養への影響は金額や勤め先の規則で変わるので、所轄の税務署か勤め先に確認してください。

記録の付け方は簡単です。レッスンの日付、本数、受け取った額、その日の交通費を1行ずつ書く。月末に集計する。これだけで申告の準備は終わります。

会社員と主婦(夫)と学生で、気をつける点が違う

同じピラティスインストラクターの副業でも、立場によって先に確かめることが変わります。

会社員の場合。勤務先の就業規則で副業の届出や許可が必要かを先に見ます。確定申告をすると住民税の通知を通じて副収入の存在が勤務先に伝わり得るため、隠して進める設計にしないほうが安全です。レッスンは平日夜と週末に寄せ、本業の繁忙期は本数を落とす前提で枠を持ちます。担当を固定でもらう場合は、繁忙期に代講を頼める体制があるかを先に確認してください。

主婦(夫)の場合。配偶者の扶養の範囲を意識する人が多い領域です。扶養親族に当たる条件のうち所得の要件は、年間の合計所得金額が58万円以下(令和8年分からは62万円以下)です。レッスンの報酬は給与ではないため、経費を引いた後の所得で判断します。健康保険の扶養は税の基準とは別で、加入している保険者ごとに条件が違います。線引きの金額は配偶者の勤務先と保険者に確認してください。なお、スタジオと雇用契約を結ぶ形では給与として扱われるため、判断の仕方が変わります。契約の形を先に確かめてください。

学生の場合。身体を動かす仕事なので体力の面では相性が良く、平日夜の枠にも入りやすいです。アルバイトの給与とレッスンの報酬は別の種類の所得として扱われるため、合算の考え方が変わります。親の扶養に影響する可能性があるので、年内に受ける見込み額を先に共有しておくほうが揉めません。資格の取得費用を親が出す場合は、回収の見通しも一緒に説明できるようにしておくと話が通りやすくなります。

よくある質問

Q. ピラティスインストラクターの資格は必ず必要ですか?

国家資格はなく、無資格での指導が違法になるわけではありません。ただしスタジオやジムの採用条件に資格が入っていることが多く、賠償責任保険の加入条件になっている場合もあります。受講者の既往症による禁忌の判断も必要なため、報酬を得て教えるなら取得を前提に計画するのが安全です。

Q. 資格取得にかかる費用と期間の目安を教えてください?

団体とコースで幅がありますが、マットピラティスの資格は20万円から40万円程度、期間は数か月が目安です。リフォーマーなどの器具を含む総合的なコースでは50万円を超えることもあります。更新や継続学習の要件がある資格もあるため、維持にかかる費用も確認してください。

Q. 副業として、週に何本くらいのレッスンが現実的ですか?

本業がフルタイムなら、平日2本と週末3本の週5本程度が無理のない範囲です。レッスン1本につき準備に20分から30分かかるほか、移動時間も発生します。上限を先に決めておくと本業の繁忙期に調整できます。身体を痛めると収入が止まるため、休む日を先に確保してください。

Q. 在宅のオンラインレッスンだけで副業として成立しますか?

成立させている人はいますが、集客と通信環境の準備が必要です。移動がないぶん平日夜に組みやすい一方、画面では受講者の細かい動きが見えにくいため、指導できる内容に制約があります。まずスタジオで経験を積みながらオンラインを試し、受講者が付いた段階で比重を移す進め方が現実的です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年6月15日最終更新:2026年9月21日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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