文章を書いて収入にする|仕事の種類と最初の受け方

長谷川 奈津
長谷川 奈津
文章を書いて収入にする|仕事の種類と最初の受け方

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この記事のポイント

  • ✓文章副業にはどんな種類があり
  • ✓相場はどのくらいなのか
  • ✓最初の1件をどう受けるか

文章を書いて収入にしたい、というご相談は本当に多いんです。特別な設備が要らず、家でできて、時間の融通が利く。始めやすい条件が揃っています。

ただ、始めやすいということは、決まりを知らないまま始めてしまう人も多いということです。書いたものの権利は誰のものか、実績として公開していいのか、契約書がないまま進めて大丈夫なのか。これ、知らない人が本当に多いんです。

この記事では、文章の仕事にどんな種類があるか、それぞれの相場、最初の1件をどう受けるか、そして後でもめないために確かめておく項目を順番にお話しします。法律の話も出てきますが、必ず「つまりこういうことです」と言い換えますので、身構えずに読んでください。

文章の仕事には、どんな種類があるのか

「文章の副業」とひとことで呼ばれていますが、中身はかなり違います。求められる力も、報酬の決まり方も、契約の形も違います。

仕事の種類 何を書くか 報酬の決まり方
Web記事の執筆 検索から来る読者向けの解説記事 1文字いくら、または1本いくら
取材記事・インタビュー 人の話を聞いてまとめる 1本いくら。取材費が別立てのこともある
商品説明・広告文 通販サイトの説明文、広告の見出し 1点いくら、または成果に応じた形
メールマガジン・SNSの文章 配信する文章、投稿文 月額、または1本いくら
文字起こし・整形 音声を文字にして読める形に整える 音声1分いくら
電子書籍・冊子の原稿 まとまった分量の原稿 1冊いくら、または印税の形
校正・校閲 他の人が書いた文章を直す 1文字いくら、または時間いくら

この中で、始めやすいのはWeb記事の執筆と文字起こしです。募集の数が多く、未経験でも入れる案件があります。逆に取材記事や電子書籍の原稿は、実績を見せる必要があることが多いです。

つまり、最初にやるべきなのは「どの種類から入るか」を決めることです。全部に応募していると、準備が散ります。1つに絞って、そこで3件こなしてから次を考える。この順番が結局は早いです。

校正・校閲は、意外な選択肢としてお伝えしておきます。書くことより直すことが得意な方は、こちらのほうが向いています。文章を生み出す負荷がないので、体力的にも続けやすい。募集は少なめですが、できる人も少ないので競争が緩やかです。

種類を選ぶときに、もうひとつ見ておいてほしい軸があります。責任の重さです。

Web記事の執筆でも、扱う分野によって責任の重さが変わります。暮らしの工夫を書く記事と、医療や法律や金融について書く記事では、間違えたときの影響がまったく違います。後者は単価が高いのですが、それは書ける人が少ないからであり、同時に間違えられないからです。

つまり、単価だけで分野を選ぶと、自分が背負えない責任を引き受けることになります。制度や数字を確かめる作業が苦にならない方は進んでいい領域ですが、「たぶんこうだろう」で書いてしまう癖がある方は、まず責任の軽い分野で確かめる習慣を身につけたほうが安全です。これは能力の話ではなく、順番の話です。

取材が入る仕事も同じです。人の話を聞いて書くときは、相手の言ったことを正確に書く責任が生じます。言っていないことを書いてしまえば、書いた人だけでなく掲載したメディアの問題にもなります。録音を取る、原稿を相手に確認してもらう、といった段取りが必要になります。

相場を、種類ごとに見ておきましょう

金額の話をします。期待と現実がずれたまま始めると、続かないからです。

Web記事の執筆は、未経験で受けられる案件が1文字0.5〜1円あたりに集まります。3,000字の記事なら1,500円から3,000円です。実績ができてくると1文字1.5円から3円、専門分野では3円から5円以上の水準も出てきます。

文字起こしは、音声1分あたり50〜150円程度が目安です。60分の音声で3,000円から9,000円。ただし作業時間は音声の長さの3倍から4倍かかるのが普通なので、時給換算では思ったほど高くなりません。

商品説明や広告文は、1点数百円から数千円と幅が広いです。成果に応じて報酬が変わる形もありますが、この形は収入が読めないので、生活の当てにはしにくいです。

校正・校閲は1文字0.3円から1円程度、または時間あたりの契約になることもあります。

ここで大事な点をひとつ。報酬の額面と手取りは違います。クラウドソーシングサイトを経由すると、報酬から16.5〜20%程度のシステム手数料が引かれます。3,000円の報酬なら手取りは2,400円台です。つまり、額面で判断していると、実際の収入は2割少ないことになります。手数料0%で直接やり取りできる在宅ワーク求人サイトもあるので、実績ができた段階で使い分けると手取りが変わります。

さらに、支払いを受けるときに源泉徴収される場合もあります。この扱いは契約の形や相手によって違うので、報酬の連絡が来たときに内訳を確認してください。

最初の1件を受けるまでに、何が起きるか

始めたばかりの方が最初にぶつかるのは、応募が通らないことです。これは能力の問題ではなく、数の問題です。

実際の声を見てみましょう。

全滅しました。まあ、そりゃそうよね。という感じです。副業やってみっか、と思い立ってからここまで1時間程度、早くも挫折の気配です。 出典: note.com

これ、まったく珍しいことではありません。人気のある案件には数十人が応募します。10件応募して1件通れば順調です。1件目で落ちたことを自分の実力の話にしないでください。

通過率を上げる具体的な手は3つあります。

1つ目は、プロフィールを埋めること。 空欄のまま応募している方が本当に多いんです。使える時間帯、連絡が取れるまでの目安、扱える分野、本業での経験。これだけで印象が変わります。発注する側は、顔が見えない相手に仕事を任せる不安を持っています。その不安を減らす材料を渡してあげてください。

2つ目は、書いたものを見せられる状態にすること。 実績がなくても作れます。応募したい分野で2,000字程度の記事を2本書いて、自分のブログやnoteに公開する。これで「読める文章が書ける人」だと示せます。

3つ目は、応募文で募集を読んだ証拠を残すこと。 「未経験ですが頑張ります」だけの応募文は読まれません。募集内容の具体的な部分に触れて、確認したい点を1つ質問する。この形にするだけで、目に留まる確率が上がります。

※応募の段階で「登録料」や「教材代」を求められた場合は、そこで止めてください。仕事を受けるために先にお金を払う仕組みは、仕事ではありません。

テストライティングについても触れておきます。選考として文章を書かせる募集があります。報酬が出るテストは選考として妥当です。しかし無報酬で本番と同じ分量を求めるテストは、10人に応募させれば相当な量の文章が無料で集まる仕組みになっています。つまり、選考の形をした調達です。

判断の目安はこうです。報酬が出るなら受けてよい。無報酬なら文字数が1,000字程度までにとどまっているか。そして修正の要求が何度も来ないか。2回目の修正依頼が届いた時点で、条件を確認していいと思います。テストの段階で理不尽な扱いをする相手は、契約後も同じです。

契約で必ず確かめる6つの項目

ここからが、私がいちばんお伝えしたい部分です。

文章の仕事は、口約束で進んでしまいがちです。チャットで「じゃあ3,000字でお願いします」と言われて、それだけで書き始める。そして納品後に「思っていたものと違う」と言われて報酬が減る。こういうご相談が定期的に届きます。

確かめておく項目は6つです。

1. 報酬の額と計算の根拠。 1文字いくらなのか、1本いくらなのか。文字数に幅がある場合、上限はどうなるか。3,000字の依頼で5,000字書いたとき、追加分が払われるのかどうか。

2. 支払いの時期と方法。 納品から何日後に支払われるか。月末締めの翌月払いなのか。振込手数料はどちらが負担するか。

3. 修正の回数と範囲。 何回まで無料か。「納得いくまで修正」という条件は、時間の上限がないということです。つまり、事実上いくらでも働かされる契約になりえます。

4. 納期と、遅れた場合の扱い。 体調を崩したときにどうなるか。これを先に確認しておくと、無理をしすぎずに済みます。

5. 著作権の扱い。 これは次の節で詳しくお話しします。

6. 実績として公開していいか。 これも次の節で扱います。

つまり、確かめるのは「お金」「時間」「権利」の3つです。この3つが文字で残っていれば、後でもめる余地はかなり減ります。

※「契約書を交わしてください」と言うと嫌がられるのではないか、と心配される方がいます。しかし正当な確認を嫌がる発注者は、そもそも組むべき相手ではありません。条件を確かめることは、相手を疑う行為ではなく、お互いの認識を揃える行為です。

著作権のこと、知らない人が本当に多いんです

ここは誤解が多いので、丁寧にお話しします。

文章を書くと、書いた人に著作権が発生します。これは原則です。つまり、あなたが書いた記事の著作権は、最初はあなたのものです。

ただし、多くの案件では「著作権は納品時に発注者へ譲渡する」という条件が付いています。この条件がある場合、納品後にその文章はあなたのものではなくなります。同じ文章を他に使い回すことはできません。

ここで注意していただきたい点が2つあります。

1つ目は、著作者人格権です。これは譲渡できない権利で、氏名を表示するかどうかや、内容を勝手に改変されないことに関わります。契約書に「著作者人格権を行使しない」という条項が入っていることがあり、これがあると名前を出すよう求めることはできなくなります。つまり、無記名で公開されても文句は言えない、ということです。

2つ目は、実績としての公開です。著作権を譲渡した文章を「私が書きました」と公開できるかどうかは、別の話になります。契約に守秘の条項があれば、書いたこと自体を明かせない場合もあります。

ですから、契約の段階で「実績として公開してよいか」を確認してください。公開できる案件と、できない案件を分けて把握しておかないと、ポートフォリオを作れません。「公開可」の案件を意識的に混ぜておくのが、後々のためになります。

著作権の基本的な考え方は法務省や関係省庁の案内で確認できます。※個別の契約条項の解釈で不安がある場合は、弁護士に相談してください。金額が大きい契約や、継続の契約では特にそうしてほしいです。

秘密保持と、書いてはいけないこと

もうひとつ、法律の面で気をつけていただきたいことがあります。

秘密保持契約(NDA)を結んだ場合。 業務で知った情報を外に出せなくなります。取材で聞いた話、まだ公開されていない商品の情報、社内の資料。これらを自分のSNSに書くと契約違反になります。悪意がなくても、「今日はこんな取材をしました」と書いただけで違反になることがあります。

他人の文章を写すこと。 これは著作権の侵害になります。調べて書く仕事では、参考にした文章の表現をそのまま使ってしまう事故が起きます。事実やデータは引用の形で出典を示して使えますが、表現をそのまま持ってくるのは別問題です。自分の言葉に置き換える習慣をつけてください。

根拠のない効果をうたうこと。 健康食品や化粧品の記事では、書ける表現に決まりがあります。医薬品医療機器等法や景品表示法に関わる部分で、発注者から指示があるはずですが、指示がなくても書き手の側で線を引く必要があります。「これを飲めば痩せる」のような表現は、書いた本人も責任を問われる可能性があります。

広告であることを隠すこと。 事業者から依頼を受けて商品を紹介する場合、それが広告であることを分かるように表示する必要があります。いわゆるステルスマーケティングの規制です。景品表示法に関わる部分で、公正取引委員会や消費者庁の案内で内容を確認できます。

つまり、文章の仕事には「書いていいこと」の範囲があります。この範囲を知らずに書くと、発注者だけでなく書いた本人も責任を負うことになります。不安なときは、発注者に確認してください。確認したやり取りを残しておくことも大事です。

フリーランス保護新法で、何が変わったのか

2024年11月1日に、いわゆるフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が施行されました。文章の仕事で受注する方にも関係する法律です。

主な内容を、噛み砕いてお伝えします。

取引条件を明示する義務。 発注する側は、業務の内容、報酬の額、支払期日などを、書面や電子メールなどで示さなければなりません。つまり「口約束で終わらせてはいけない」ということが、法律で決まったわけです。

報酬の支払期日の決まり。 納品を受けた日から原則として60日以内に支払う必要があります。「支払いはいつになるか分からない」という状態は、この法律のもとでは認められません。

継続的な取引での禁止事項。 一定期間以上続く取引では、受け取ってもらえない、報酬を後から減らされる、著しく低い報酬を決められる、といった行為が禁止されています。

ハラスメントへの対応と、育児や介護への配慮。 これも定められています。

つまりこの法律は、「立場の弱い個人が、無理な条件を押しつけられないようにする」ためのものです。法律はあなたの味方です。

相談先も用意されています。制度の内容や相談窓口は公正取引委員会や厚生労働省の案内で確認できます。困ったときに相談できる場所があることを、頭の片隅に置いておいてください。

※法律があるからといって、自動的に守られるわけではありません。条件の明示を求める、やり取りを残す、といった自分の側の備えは変わらず必要です。

よくあるトラブルと、その対処

匿名化した相談の形でお話しします。

報酬が支払われない。 まず、納品した事実とやり取りの記録を揃えます。メールやチャットの履歴、納品したファイルの送信記録。そのうえで、支払期日を過ぎていることを文面で伝えます。それでも応じない場合は、上記の相談窓口に相談してください。少額であっても、記録を残して声を上げることは意味があります。

納品後に報酬を減らされた。 契約で決めた条件と違う扱いをされた場合、応じる必要はありません。ここで効いてくるのが、最初に条件を文字で残しておいたかどうかです。残していれば話は早く、残していなければ主張が難しくなります。

修正が終わらない。 修正の回数を決めていなかった場合に起きます。途中からでも「ここまでを今回の範囲とし、それ以降は追加の報酬をお願いしたい」と提案していいです。言いにくいことですが、言わなければ延々と続きます。

書いた記事が別の場所で無断で使われた。 著作権を譲渡していない案件であれば、権利の侵害になりえます。※この種の問題は判断が難しいので、弁護士に相談してください。

どのトラブルにも共通するのは、記録があるかどうかで結果が変わるということです。案件名、日付、条件、やり取りの内容。これを残す習慣が、いちばんの備えになります。

会社員が副業として受けるときの確認事項

お勤めの方からのご相談で多いのが、この部分です。

就業規則の確認。 まず勤務先の就業規則を見てください。副業を禁止している、または許可制にしている会社があります。許可制の場合、届け出をせずに始めると就業規則違反になります。つまり、収入の話ではなく雇用の話になってしまいます。

法律上、勤務時間外に何をするかは本来その人の自由です。ただし、本業に支障が出る場合、競合する相手の仕事を受ける場合、会社の信用を損なう場合には、制限が正当と判断されることがあります。文章の仕事では、この「競合する相手」が問題になりえます。勤務先と同じ業界のメディアで記事を書くと、内部の情報を使ったと見られる可能性があります。

社会保険と住民税。 副業の所得が一定額を超えると、住民税の通知を通じて勤務先に知られる場合があります。確定申告の際に住民税の納め方を選べる仕組みもありますが、扱いは自治体によって異なります。※詳しくはお住まいの自治体の税務担当に確認してください。

時間の管理。 これは制度より前の問題です。本業の後に3時間書く生活を続けると、どこかで体が音を上げます。週に使える時間を先に決めて、その範囲で受ける本数を決める。この順番を守ってください。受けてから時間を作ろうとすると、睡眠を削ることになります。

公務員の方の場合。 扱いが大きく異なります。国家公務員法や地方公務員法に基づく制限があり、報酬を得る仕事は原則として許可が必要です。※必ず所属先の規定を確認し、人事担当に相談してから進めてください。ここを飛ばすと、収入の話ではなく身分の話になります。

在宅で続けるための土台を整える

制度の話だけでなく、続けるための実務面にも触れておきます。

文章の仕事は、調べる時間が作業の半分以上を占めます。ですから、通信環境が作業効率に直接影響します。資料を10個開いて行き来する作業では、回線の速さの差が1日で数十分の違いになります。在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方では住環境ごとの選び方が整理されているので、環境を整える段階で参考になります。

集中が続かないと感じる方も多いです。文章を書く作業は、中断すると再開に時間がかかります。在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックには、時間の区切り方の工夫がまとめられています。

何か資格を持っておきたい方には在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるが、目的別に選択肢を整理しています。文書の作り方そのものを固めたい方にはビジネス文書検定のような資格が、依頼者とのやり取りで使う文面の精度を上げてくれます。

報酬の水準を知っておくと、契約の交渉で判断しやすくなります。著述家,記者,編集者の年収・単価相場で全体の相場を確認できます。技術分野の記事に進む方はソフトウェア作成者の年収・単価相場も見ておくと、その分野の相場観が持てます。仕事の種類を広く知りたい方にはAIコンサル・業務活用支援のお仕事が、業務を効率化する仕事の内容を示しています。

収入が出たら、税金の手続きがあります

報酬を受け取ったら、記録をつけてください。後からまとめようとすると必ず漏れます。

給与以外の所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になるのが原則です。所得は売上から経費を引いた金額です。資料として買った書籍、通信費の一部、パソコンの周辺機器、取材の交通費などは経費として扱える可能性があります。

扶養に入っている方は、収入の額によって扶養の判定が変わることがあります。住民税の扱いも別にあります。※この判断は家庭の状況で変わるため、国税庁の案内を確認し、迷う場合は税務署の相談窓口や税理士に確認してください。

記録はfreeeのような会計サービスを使うと、案件ごとの収支が自動でまとまります。1年分の記録が残っていると、翌年の計画も立てやすくなります。

20年この市場を見てきた立場からの観察

運営者として在宅ワークの市場を長く見てきた立場から、感じていることをお話しします。

長く続いている方に共通しているのは、文章がうまいことではありません。「この人に任せると楽だ」という状態を作れていることです。確認すべき点を先に聞く、納期より少し早く出す、指摘された点を次の原稿で直している。この積み重ねがある方には、同じ発注者から次の依頼が届きます。

そしてもうひとつ、契約を丁寧に確かめる方のほうが、長く続いています。条件の確認を嫌がられるのを恐れて曖昧なまま進めた方が、半年後にもめて疲れ果てている。逆に最初に確かめた方は、もめる余地がないので執筆に集中できています。確認することは、関係を壊す行為ではなく、関係を長持ちさせる行為です。

額面と手取りの話も、この観察に含まれます。仲介が入る取引では、発注者が払った金額の一部が手数料として抜けます。発注者は同じ予算で頼める本数が減り、受け手は同じ作業で手取りが薄くなる。両方が少しずつ損をしている構造です。中間のマージンが乗らない直接の取引では、この損が消えます。発注者は同じ予算でもう1本頼めるようになり、受け手は同じ原稿で手元に残る額が厚くなる。手数料0%の意味は、単価が上がるという話ではなく、この「双方が得をする」構造そのものにあります。

最後に、始めるときの心構えについて。

私は最初『副業?これ以上働いてられっかよボケ。しなくてもいいくらい給料よこせや』くらいに思ったのですが、それと同時に面白そうだな、とも感じました。 出典: note.com

この正直さは大事だと思います。副業は、やらなければならないものではありません。やってみたいと思ったから始める。そのくらいの距離感で入ったほうが、続きます。

文章を書く仕事は、道具が変わっても消えません。ただし「調べたことをまとめるだけ」の部分は、これから単価が下がっていきます。残るのは、誰に何を伝えるかを決める部分、実際に人に話を聞く部分、そして責任を持って言葉を選ぶ部分です。書く人の判断が問われる部分に自分を置いていけば、道具の変化に振り回されずに済みます。

条件を確かめ、記録を残し、無理をしない範囲で始めてください。法律はあなたの味方です。

よくある質問

Q. 文章の副業は未経験でも始められますか?

始められます。Web記事の執筆や文字起こしには未経験可の募集があります。ただし応募は通りにくいので、10件応募して1件通れば順調だと考えてください。プロフィールを埋め、応募したい分野の記事を2本ほど自分のブログやnoteに公開しておくと、読める文章が書ける人だと示せます。

Q. 報酬の相場はどのくらいですか?

Web記事の執筆は未経験で受けられる案件が1文字0.5円から1円あたり、実績ができると1文字1.5円から3円、専門分野では3円以上の水準も出てきます。文字起こしは音声1分あたり50円から150円程度です。クラウドソーシング経由だと報酬から16.5%から20%程度の手数料が引かれるため、手取りで計算してください。

Q. 書いた記事を実績として公開してもいいですか?

契約の内容によります。著作権を発注者に譲渡する条件が付いていることが多く、さらに守秘の条項があると書いたこと自体を明かせない場合もあります。契約の段階で「実績として公開してよいか」を必ず確認し、公開できる案件を意識的に混ぜておくと、後でポートフォリオを作れます。

Q. 契約書がない依頼は受けても大丈夫ですか?

2024年11月に施行されたフリーランス保護新法では、発注する側が業務内容、報酬額、支払期日などを書面や電子メールなどで明示する義務があります。つまり口約束のままで進めるのは、制度上も適切ではありません。条件の明示を嫌がる相手とは組まない判断をしてよいと思います。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月28日最終更新:2026年9月21日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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