記事作成を副業にする|案件の探し方と書き進め方


この記事のポイント
- ✓記事作成の副業を始めたい方へ
- ✓つまずきやすい箇所と対処
- ✓続けるための心の守り方まで丁寧に整理しました
「記事作成の副業をやってみたいけれど、自分に書けるんでしょうか」。このご相談、本当によく受けます。そして多くの方が、同じところでつまずいています。文章を書く才能があるかどうかを気にしているんです。大丈夫ですよ。記事作成の副業で求められているのは、才能ではありません。決められた条件のなかで、読む人に伝わる文章を、約束した日までに出すこと。この3つです。この記事では、案件がどのくらいあるのか、単価はどのくらいなのか、どうやって探して、どう書き進めるのかを、順番にお話しします。そして、途中で心が折れないための工夫も最後にお伝えします。
案件の数は、思っているよりずっと多い
まず、需要の話からしましょう。ここを知らないまま「自分には無理」と決めてしまう方が多いんです。
ネットで最短即日発注ができるランサーズなら、ライティングの仕事が872,595件。ライティングの仕事情報の検索から納品、報酬の受け取りまで、すべてランサーズで完結します。時間や場所にとらわれず、在宅や副業で理想的な働き方を実現可能です。24時間365日のサポート体制をご用意しています。 出典: lancers.jp
1つの仲介サイトだけで、これだけの件数が累積しています。もちろん、すべてが今募集中というわけではありません。それでも、ライティングという仕事が継続して発注されていることは分かります。
そして、記事作成が副業として選ばれる理由もあります。始めるための費用がほとんどかからないからです。パソコンと通信環境があれば、他に買うものがありません。在庫も設備も要りません。
副業そのものの効果についても、調査の結果があります。
パーソルキャリア株式会社の調査(2023年9月)によると、副業経験者の55.1%が「副業が本業に良い影響を与えている」と回答しました。また同調査では「新しい視点が生まれた・視野が広がった」と答えた人も51.3%にのぼっています。 出典: hipro-job.jp
半数を超える方が、本業への良い影響を感じています。55.1%という数字です。
記事作成の副業には、この効果がとくに出やすいと感じています。理由は、書くために調べる必要があるからです。調べた内容は、本業でも使えます。そして、他人に伝わる形にまとめる訓練は、どんな仕事でも役に立ちます。
金額の話より先に、この点を知っておいてください。得られるものが金銭だけではない、という前提があると、単価の低い時期を乗り越えやすくなります。
単価の相場と、時間あたりの実入り
では、金額の話をします。ここは幅が大きいので、条件を分けてお伝えします。
記事作成の報酬は、文字単価で示されるのが一般的です。1文字あたり何円、という形です。
未経験から応募できる案件は、1文字0.5円から1円あたりが中心です。3,000文字の記事で1,500円から3,000円になります。
実績ができてくると、1文字1円から2円の案件に手が届きます。専門の分野を持っている方は、1文字3円から5円の案件もあります。医療、法律、金融、不動産、IT。資格や実務の経験が必要な分野は、書ける人が限られるため単価が上がります。
ここで必ず計算してほしいのが、1時間あたりの実入りです。
3,000文字の記事を、調べる時間を含めて何時間で仕上げられるか。初めての方は、5時間から8時間かかります。1文字1円の案件なら報酬は3,000円で、時間あたりは375円から600円です。
正直に申し上げると、最初の数本はこの水準です。ここで「割に合わない」と感じて離れてしまう方が、本当に多いんです。
でも、この数字は変わります。同じ分野の記事を10本書くと、調べる時間が大きく減ります。使う資料の場所が分かり、書く順番が身につくからです。同じ3,000文字を3時間で仕上げられるようになると、時間あたりは1,000円になります。
つまり、記事作成の副業で最初に上げるべきは単価ではなく、自分の作業速度です。速度が上がってから単価の交渉をすると、両方が効きます。順番を逆にすると、慣れていない分野の高単価案件を引き受けて苦しくなります。
なお、仲介サイトを使う場合は報酬から手数料が引かれます。引かれる割合は運営者によって異なり、十数パーセントから2割程度が一般的です。1文字1円で3,000文字の記事なら、手元に残るのは2,400円から2,700円あたりになります。
向いている人には、傾向があります
「自分に向いているかどうか」を気にされる方が多いので、ここをはっきりさせておきましょう。
Webライターの仕事は、文章を書くことが基本です。そのため、日頃から本やブログを読むのが好きな人や、文章を書くことに抵抗がない人は、Webライターの副業に向いている可能性があります。文章を書くのが苦痛に感じる場合は、継続が難しくなってしまう可能性があります。Webライターの副業は、文章を書くことが好きなら、成長のチャンスが広がる可能性もあります。 出典: hipro-job.jp
ここに書かれているとおり、「文章を書くことに抵抗がない」ことが分かれ目です。
上手いかどうかではありません。抵抗があるかどうかです。この違いは大きいんです。
文章が下手でも、書くのが嫌でなければ続きます。続けば上手くなります。逆に、書くこと自体が苦しい方は、上手くても続きません。
自分がどちらかを確かめる方法を、1つお伝えします。1,000文字くらいの文章を、何かのテーマで書いてみてください。家族に説明したいこと、最近調べたこと、何でも構いません。書き終わったときに、疲れてはいても嫌ではなかったなら、向いています。
続く方の傾向として、他にも3つあります。
1つは、調べるのが好きな方です。記事作成の作業時間の半分以上は、調べる時間です。書く時間より長いんです。調べること自体が楽しめる方は、この時間が苦になりません。
もう1つは、指摘を受け取れる方です。原稿には修正の依頼が来ます。最初は毎回来ます。これを「否定された」と感じてしまうと、続けるのがつらくなります。専門的には、指摘の対象は原稿であって自分ではない、という切り分けが必要になります。
3つ目は、約束を守るのが得意な方です。記事作成の仕事で、依頼する側が最も気にしているのは納期です。文章の上手さよりも、約束した日に出てくることが優先されます。
案件の探し方:3つの経路
探す場所は3つに分かれます。それぞれ性質が違うので、順に見ていきましょう。
1つ目は、クラウドソーシングのサイトです。案件の数が最も多く、未経験から応募できるものも並んでいます。実績がゼロの状態から始めるなら、ここが入口になります。ただし応募する人が多いため、単価の低い案件から始まるのが普通です。
2つ目は、メディアの直接の募集です。企業が運営するWebサイトや、情報メディアが、自社のページでライターを募集している形です。仲介の手数料が引かれないため、同じ文字単価でも手元に残る額が多くなります。探し方は、自分が読んでいるサイトのフッターを見ることです。「ライター募集」というリンクが置かれていることがあります。
3つ目は、在宅ワークの仲介サイトや求人検索サイトです。継続前提の業務委託や、雇用契約の在宅ライターの募集が出ます。安定を求めるなら、この経路を目標に置いてください。
最初の3か月は、1つ目で実績を作ることに集中してよいと思います。実績とは、受注した本数と評価です。これが積み上がると、2つ目と3つ目の経路で相手にされやすくなります。
案件を選ぶときの基準も、お伝えしておきます。
第1に、自分が知っている分野を選んでください。未知の分野は調べる時間が3倍になります。前の仕事、趣味、子育て、介護、住んでいる地域。すでに言葉を知っている領域から始めてください。
第2に、指定が細かい案件を選んでください。意外に思われるかもしれませんが、条件が細かく決まっている案件のほうが書きやすいんです。文字数、見出しの数、参考にする資料、書いてはいけないこと。指定がある分だけ、迷いが減ります。「自由に書いてください」という案件が、実はいちばん難しいです。
第3に、修正の範囲が書かれている案件を選んでください。「修正は2回まで」と決まっていると、作業量が読めます。回数の上限がない案件は、差し戻しが続いたときに時間あたりの実入りが大きく下がります。
第4に、継続の予定が書かれている案件を選んでください。「月4本、3か月継続」のように書かれている案件は、1本目で手順を覚えれば2本目からが楽になります。単発の案件を1本ずつ受けると、毎回新しいルールを覚えることになり、慣れが積み上がりません。単価が同じなら、継続の案件のほうが時間あたりの実入りは確実に高くなります。
逆に、避けたほうがよい案件の特徴も挙げます。
1つは、テスト記事が無報酬で、かつ本記事と同じ分量を求める案件です。テストそのものは珍しくありませんが、3,000文字を無報酬で書かせる募集は、テストの名前で本番の記事を集めている可能性があります。分量が本番と同じなら、その時点で辞退してよいと思います。
もう1つは、参考にする記事を1本だけ指定して「これと同じように書いて」と指示する案件です。他人の記事をもとに書くことを求められた場合、著作権の面で問題が起きる余地があります。公的な資料や一次の情報を参照する形で書けるかを、受注前に確かめてください。
3つ目は、応募の段階で費用を請求する募集です。「添削の指導料」「教材費」。記事作成の仕事を得るために、先にお金を払う必要はありません。
応募で通るための準備
応募の段階で用意するものは、2つだけです。
1つは、書いた文章の見本です。自分のブログでも構いませんし、何もない方はテーマを決めて1本書いてみてください。1,500文字から2,000文字あれば十分です。見本があるだけで、応募が通る確率が変わります。
もう1つは、書ける分野の一覧です。「子育て」「介護」「事務の仕事」「地域の情報」のように、3つから5つ挙げてください。何でも書けますと書くより、範囲を示したほうが選ばれます。
応募文には、次の4つを書いてください。
書ける分野。1週間に納品できる本数。これまでに書いた文章の見本の場所。そして、連絡が取れる時間帯です。
長い自己紹介や意気込みは要りません。依頼する側が知りたいのは、任せた記事が約束の日に出てくるかどうかだけです。
なお、応募して返事が来ないことは、普通にあります。1つの案件に数十人が応募することもあります。返事がないのは、あなたの文章が悪いからではありません。並行して5件から10件に応募して、返事が来た順に検討する形が現実的です。
ここで1つだけお願いがあります。落ちたときに、自分の文章を否定しないでください。選ばれなかった理由は、分野が合わなかった、納品できる本数が足りなかった、先に応募した人が決まった、といったことが大半です。文章の質とは関係ないところで決まっています。
書き進め方の手順
原稿の書き方には、順番があります。この順番を守るだけで、書く時間が半分になる方がいます。
第1に、構成を作ってください。見出しだけを並べた骨組みです。本文は書きません。ここで全体の流れが決まります。
第2に、構成を依頼元に見せてください。可能な案件では、必ずやってください。構成の段階で方向のずれが分かれば、直すのは見出しだけで済みます。本文を書いたあとで「方向が違う」と言われると、全部書き直しになります。
第3に、調べた内容を見出しの下に貼ってください。文章にはしません。事実と数字と出典だけを箇条書きで置きます。
第4に、本文を書いてください。この段階では、調べ物をしないでください。手が止まるので、書く速度が落ちます。分からないことが出たら印を付けて進み、後でまとめて調べます。
第5に、通しで読み返してください。書いている間は部分に注意が向いているので、全体の流れの破綻に気づけません。一度時間を置いてから読むと、より見つかります。
第6に、条件と照合してください。文字数、見出しの数、使ってはいけない表現、指定された参考資料。募集に書かれていた条件を1項目ずつ確認します。ここを飛ばすと、内容が良くても差し戻されます。
この6つを毎回同じ順番でやってください。順番を変えないことが大切です。手順が固定されていると、1本にかかる時間が安定します。時間が安定すると、受けられる本数を正確に見積もれます。そして納期を落とさなくなります。
もう1つ、記録のことをお伝えします。1本ごとに、日付、案件名、文字数、構成にかかった時間、調べた時間、書いた時間、受け取った報酬を残してください。7項目です。面倒に見えますが、書くのは1行です。
この記録があると、自分のどの工程に時間がかかっているかが分かります。調べる時間が長い方は分野の選び方を変えればよく、書く時間が長い方は構成の作り方を変えればよい。感覚で「遅い」と悩むより、数字で原因が分かったほうが早く直ります。そして確定申告の準備も、この記録がそのまま使えます。
つまずきやすいところと、その対処
実際に相談が多い箇所を挙げます。自分に当てはまるものがあれば、対処だけ覚えてください。
1つ目は、最初の1行が書けないことです。これは非常によくあります。対処は、最初の1行を最後に書くことです。導入文を飛ばして、本文の2つ目の見出しから書き始めてください。全体が見えてから書くほうが、導入は簡単になります。
2つ目は、調べているうちに時間が過ぎることです。対処は、調べる時間に上限を決めることです。「この見出しは20分」と先に決めて、時計を見ながら進めます。完璧に調べようとすると、終わりがありません。
3つ目は、書いた文章が説明ばかりになることです。対処は、読む人が何を知りたいかを1行で書いておくことです。構成の段階で、各見出しの横に「この節で答えること」を1行書いてください。答えから離れた説明は、削ります。
4つ目は、修正の依頼が来ると手が止まることです。これは気持ちの問題なので、後の章でお話しします。
5つ目は、納期が近づいてから焦ることです。対処は、締め切りの2日前を自分の締め切りにすることです。2日の余裕があると、通しで読み返す時間と、条件を照合する時間が取れます。この2つを飛ばした原稿は、必ず差し戻されます。
生成AIが使えるようになって、何が変わったか
この点に触れておかないと、いまの状況を正しくお伝えできません。
文章を自動で作る仕組みが普及して、記事作成の仕事は内容が変わりました。単純に情報をまとめるだけの記事は、発注そのものが減っています。
その代わりに価値が上がったのは、3つです。
1つ目は、実際に経験した人の話です。使った、行った、やってみた。この一次の情報は、自動では作れません。前の仕事の経験、子育ての経験、介護の経験。自分が通ってきたことは、そのまま価値になります。
2つ目は、正確さを確かめる力です。自動で作られた文章には、誤りが混ざります。事実かどうかを公式の資料で確かめて直す作業には、はっきりと値段が付いています。
3つ目は、構成を組む力です。何をどの順番で伝えるかを決める作業は、目的と読者を理解していないとできません。
ですから、「自動で作れるなら仕事がなくなる」とは考えないでください。求められることが移っただけです。そして移った先は、経験のある方に有利な方向です。
自分の作業に取り入れる場合の注意も、お伝えしておきます。
案件によって、自動生成の文章を使ってよいかどうかが指定されています。禁止されている案件で使うと、契約に反します。使ってよい案件でも、事実の誤りが混ざっていないかを自分で確かめる責任は、納品する側にあります。
そして、使い方には向き不向きがあります。構成の候補を出させる、調べる切り口を挙げさせる、書いた文章の誤字を探させる。この使い方は安全です。逆に、事実や数字をそのまま書かせるのは危険です。出てきた数字は、必ず公式の資料で確かめてください。
数字や制度の話を書く記事では、出典を自分で確かめる習慣が守りになります。省庁のサイトで元の資料に当たり、公表された日付まで確認する。この手間をかけている方は、差し戻しが少なくなります。そして、こういう記事を書ける方は単価が上がります。手間をかけられることが、そのまま強みになる時期に入っています。
技術の分野に興味がある方には、業務の改善や自動化を支援する仕事も視野に入ります。書く仕事と組み合わせている方も実際にいます。仕事の内容はAIコンサル・業務活用支援のお仕事で確認できます。
文字単価を上げる具体的な段階については、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップに整理されています。職種としての報酬の水準は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。文書の型そのものを学びたい方にはビジネス文書検定の学習範囲が実務に直結します。
心が折れないための続け方
ここが、私がいちばんお伝えしたい章です。
記事作成の副業をやめてしまう方の理由は、単価の低さではありません。修正の依頼を受けたときのつらさです。
自分が時間をかけて書いたものに、赤が入って戻ってくる。これはこたえます。とくに最初の数本は、指摘の量が多くなります。
まず知っておいてください。修正の依頼は、あなたへの評価ではありません。原稿と、依頼元が想定していたものの差を埋める作業です。差があるのは当たり前です。相手の頭の中は見えないのですから。
それでもつらいときに効く方法を、3つお伝えします。
1つ目は、指摘を種類で分けることです。事実の誤り、条件の見落とし、表現の好み。この3つに分けて数えてください。事実の誤りと条件の見落としは、次から防げます。表現の好みは、相手に合わせるだけの話で、あなたの文章が悪いわけではありません。分けて数えると、直すべき箇所が少ないことに気づけます。
2つ目は、良かった点を1つ書き留めることです。差し戻しの連絡の中には、たいてい褒めている箇所があります。「調べ方が丁寧」「構成は良い」。見落とさずに、メモに残してください。次の原稿を書く前に読み返すと、手が動きやすくなります。
3つ目は、比べる相手を過去の自分にすることです。他のライターの文章と比べると、必ず落ち込みます。3本前の自分の原稿と比べてください。差し戻しの数が減っているはずです。
そして、書く時間の置き方についても一言。夜遅くに書いた原稿は、翌朝読むとほぼ必ず直したくなります。同じ時間をかけるなら、夜に構成を作って、朝に本文を書くほうが効率が良い方が多いです。集中の保ち方については在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックに、時間の区切り以外の方法もまとめられています。
無理に毎日書こうとしなくていいんです。週に2本書けたら十分です。続いていれば、半年後には確実に速くなっています。
契約と税金で、押さえておくこと
安心して続けるために、制度の話も簡単にしておきます。
業務委託で記事を書く場合、2024年11月に施行されたフリーランス保護新法が関係します。発注する事業者には、業務の内容、報酬の額、支払期日を書面または電子メール等で明示する義務があります。つまり、条件が示されないまま書き始めさせる依頼は、法律の求める手続きを踏んでいません。報酬の支払期日は、成果物を受け取った日から起算して60日以内に定めなければなりません。制度の詳細は公正取引委員会の案内で確認できます。
とくに記事作成で相談が多いのが、「修正の範囲」と「著作権の扱い」です。修正は何回までか、どこまでが範囲か。納品した記事の権利がどう移るか。この2点は契約書に書かれているので、読んでください。※金額が大きい案件や、権利の扱いに不安があるときは専門家に相談してください。
税金については、給与を受け取っている方が副業をしている場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。判定するのは売上ではなく、売上から必要経費を引いた所得です。20万円以下で所得税の申告が不要な場合も、住民税の申告は別に必要になります。詳しくは国税庁の案内で確かめてください。
経費になりうるのは、通信費、パソコンの購入費、参考にした書籍、取材のための交通費などです。日付、案件名、作業時間、受け取った報酬、かかった経費を毎回記録してください。後からは作れません。
20年この市場を見てきた立場からの考察
20年この市場を見てきた立場から言えば、記事作成の副業で長く続いている方に共通するのは、文章の上手さではありませんでした。分野を絞っていたことです。
何でも書ける方は、便利ではあるけれど記憶されません。介護の記事ならこの人、住宅ローンの記事ならこの人。そう覚えられた方に、次の依頼が来ます。そして単価が上がるのは、この段階に入ってからです。
絞る分野は、好きなものより、知っているものを選んでください。自分が通ってきた経験は、調べ直す必要がありません。それが速度になり、速度が時間あたりの実入りになります。
運営者として見てきた限りでは、長く続く方ほど、1本ごとの単価交渉ではなく「この人に任せると楽だ」という関係づくりに時間を使っています。記事作成でこれを作る方法は明確です。構成を先に見せる。納期より早く出す。調べたけれど分からなかった点を1行残す。この3つをやっている方には、依頼が継続します。
もう1つ、手元に残る金額の構造にも触れておきます。仲介の手数料が引かれる取引では、依頼する側が支払った金額と、受け取る側の手元に残る金額に差が出ます。同じ予算でも、仲介が薄い経路なら依頼する側はより多く頼めて、受け取る側の手取りは厚くなります。手数料0%という条件が意味を持つのは、金額の派手さではなく、この手取りの厚さという質の部分です。記事作成は1本あたりの金額がまとまっているので、割合で引かれる差が年間では大きく効いてきます。
最後に、もう一度お伝えします。記事作成の副業に必要なのは才能ではありません。決められた条件のなかで、伝わる文章を、約束した日に出すこと。この3つだけです。そして最初の数本は必ず時間がかかります。それは能力の問題ではなく、慣れていないだけです。大丈夫ですよ。10本書いた自分は、いまの自分とは違う速さで書いています。
よくある質問
Q. 記事作成の副業の文字単価はどのくらいですか?
未経験から応募できる案件は1文字0.5円から1円あたりが中心です。実績ができると1円から2円、専門の分野を持つと3円から5円の案件も出てきます。ただし仲介サイトを使う場合はここから十数パーセントから2割程度の手数料が引かれます。単価ではなく1時間あたりの実入りで比べてください。
Q. 未経験でも案件は取れますか?
取れます。クラウドソーシングのサイトには未経験から応募できる案件が並んでいます。用意するのは書いた文章の見本1本と、書ける分野の一覧だけです。見本は自分で決めたテーマで1,500文字から2,000文字書けば十分です。返事が来ないことは普通なので、並行して複数に応募してください。
Q. 1本書くのにどのくらい時間がかかりますか?
3,000文字の記事で、調べる時間を含めて初めての方は5時間から8時間かかります。同じ分野を10本書くと調べる時間が減り、3時間程度まで短くなります。最初に上げるべきは単価ではなく作業速度です。速度が上がってから単価の交渉をすると、両方が効きます。
Q. 修正の依頼が来るのがつらいときはどうすればよいですか?
指摘を「事実の誤り」「条件の見落とし」「表現の好み」の3つに分けて数えてください。前の2つは次から防げ、3つ目はあなたの文章の質とは関係ありません。分けると直すべき箇所が少ないことに気づけます。比べる相手は他のライターではなく、3本前の自分にしてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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