副業で運転手として働く|求人の探し方と必要な免許の確かめ方


この記事のポイント
- ✓副業運転手として働くために必要な免許の線引き
- ✓無料で使える求人の探し方
- ✓就業規則と労働時間の通算
「運転が好きだから副業運転手をやってみたい。でも、普通免許だけで大丈夫なのか」。この相談を受けるとき、私は必ず「どの仕事をやるつもりですか」と聞き返します。運転手という言葉でひとくくりにされている仕事のなかに、普通免許で足りるものと、第二種免許がないと違法になるものが混在しているからです。これ、知らない人が本当に多いんです。
結論から言うと、荷物を運ぶ仕事は第一種免許(いわゆる普通免許)で始められます。一方、お客さんを乗せて対価を取る仕事は、原則として第二種免許が必要です。この線を間違えたまま働くと、無免許運転の問題になり得ます。求人の文面が親切に説明してくれるとは限らないので、自分で確かめる方法を持っておいたほうが安全です。
この記事では、副業運転手の仕事を5種類に分けて必要な免許を対応させ、求人の探し方、契約書で確かめるべき項目、本業の就業規則と労働時間の通算、確定申告までを順番に整理します。法律はあなたの味方です。線を知っておけば、安心して働けます。
副業運転手という言葉が指す仕事は、5種類に分かれる
まず、仕事の種類を整理します。必要な免許も条件も違うので、ここを分けずに求人を見ると混乱します。
貨物の配送ドライバー
宅配、ルート配送、企業間の配送、食材や飲料の配達など、荷物を運ぶ仕事です。軽自動車で運ぶ軽貨物、2トン車や4トン車を使う配送に分かれます。必要な免許は、車両の大きさによって普通、準中型、中型と変わります。旅客を乗せないので、第二種免許は不要です。副業として最も間口が広いのがこの分類です。
送迎ドライバー
介護施設や病院の送迎、幼稚園や保育園のバス、企業の役員送迎、透析患者の通院送迎など。ここは扱いが分かれます。送迎そのものに料金を取らず、施設のサービスに含まれている形(利用料に組み込まれている送迎)であれば第一種免許で従事できる例があります。一方、運送そのものに対価を取る形なら旅客自動車運送事業に当たり、第二種免許が必要になります。求人票に「普通免許でOK」と書かれていても、その根拠がどちらなのかを面接で確認してください。
運転代行
飲酒した利用者の車を運転して自宅まで送る仕事です。これは後の節で詳しく扱いますが、利用者の車を運転する役(随伴される側)には第二種免許が必要です。随伴車(代行業者の車)を運転する役は第一種免許で可能です。1つの現場に2つの役割があり、必要な免許が違う。ここを混同した募集を見かけるので注意してください。
タクシー
第二種免許と、地域によっては地理試験の合格が必要です。副業として成立するかは会社によります。
実際に副業できるかは勤務先の就業規則が決め手となります。多くの企業では従来、副業禁止規定がありましたが、政府の働き方改革推進に伴いモデル就業規則が2018年1月に改定され、副業禁止条項が削除されました(※2)。現在は「労務提供に支障がない限り副業を認める」趣旨の規定が設けられ、各社もそれに倣って副業容認へと動きつつあります。タクシー業界でも副業を許可する会社が増加傾向にあります。 出典: gojob.go.goinc.jp
つまり、タクシーを本業にしている人が別の副業を持つ流れと、会社員がタクシーを副業にする流れの両方があります。後者は隔日勤務の組み方との相性があるため、募集が限られます。
ライドシェアの形での運送
自家用車を使って人を運ぶ仕組みが制度として整備され、地域や時間帯を限って運行されています。制度の枠組みや必要な要件は運行の形で変わるため、求人を見つけたら、事業者がどの制度に基づいて運行しているのかを必ず確認してください。自動車に関する制度の全体像は国土交通省の自動車のページから追えます。「アプリで登録すれば誰でも人を運べる」という説明を鵜呑みにせず、事業者名と許可・登録の根拠を聞くのが安全です。
5つのうち、副業として最も始めやすいのは貨物の配送と送迎です。求人数が多く、週1回や2回から受けられる案件が実際に出ています。
必要な免許の確かめ方。第一種と第二種を分ける1本の線
ここが記事の核心です。線は1本で、覚え方も単純です。
道路交通法は、旅客自動車を旅客運送のために運転する場合には第二種免許が必要だと定めています。つまり、人を乗せて、その運送自体の対価を受け取るなら第二種、それ以外は第一種という整理です。荷物を運ぶ仕事に第二種は要りません。
ここから、実務上の確かめ方を3ステップで示します。
第1ステップは、「運ぶのは人か荷物か」です。荷物なら第一種で足ります。ただし車両の大きさに応じた免許が必要です。車両総重量3.5トン未満は普通免許、7.5トン未満は準中型、11トン未満は中型。2017年3月12日より前に普通免許を取得した人は、車両総重量5トン未満まで運転できる経過措置があります。自分の免許証の「免許の種類」欄と取得日を見て、どこまで運転できるかを確認してください。
第2ステップは、人を運ぶ場合に「その運送に対価が発生しているか」です。発生していれば旅客自動車運送事業に当たり、第二種免許が必要です。発生していなければ第一種で足りる場合があります。判断が微妙なのは、送迎が施設のサービスに含まれているケースです。
第3ステップは、「事業者がどの許可・登録を受けているか」を聞くことです。旅客を運ぶ事業には許可が必要で、許可を持たない事業者の指示で人を運べば、事業者も運転者も法律に触れます。面接で「この送迎はどの制度に基づいていますか」と聞いて、答えられない会社は避けてください。
※判断に迷う案件は、実際に相談として来ます。介護施設の送迎で、利用者から「ガソリン代として」現金を受け取っていた例がありました。これは運送の対価と見られる可能性があり、扱いが変わります。微妙だと感じたら、運輸支局の窓口か弁護士に確認してください。無免許運転は、本人だけでなく本業の勤務先にも影響が及ぶ問題です。
第二種免許を取る場合の条件も書いておきます。受験資格は、第一種免許を受けていた期間が通算3年以上(特別な教習を修了した場合の例外あり)で、年齢は21歳以上(同じく例外あり)。教習所に通う場合の費用は20万円から30万円程度が目安です。会社が費用を負担する制度を持つ求人もあるので、条件を比べてください。
運転代行の法的な位置づけを、条文から確認する
運転代行は、副業として人気がありながら、免許の話が最も誤解されている分野です。正確に整理します。
運転代行業は、自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律で規律されています。営業するには都道府県公安委員会の認定を受ける必要があり、認定を受けていない事業者が営業することはできません。求人に応募するとき、認定を受けた事業者かどうかは確認すべき点です。
そして、免許の話です。運転代行の現場には2台の車が動きます。1台は利用者の車(代行運転自動車)、もう1台は代行業者の車(随伴用自動車)です。利用者の車を運転する役は、利用者を乗せて運送の対価を受け取る形になるため第二種免許が必要です。随伴車を運転する役は、旅客を運んでいないので第一種免許で足ります。
つまり、「普通免許で運転代行の副業ができる」という説明は、随伴車のポジションに限れば正しく、利用者の車を運転するポジションについては誤りです。求人票に「普通免許OK」とあっても、どちらの役なのかを必ず確認してください。実務では、人手が足りない夜に「今日だけ代わりに運転して」と言われる場面があります。ここで断れるかどうかが、自分を守る分かれ目になります。
もうひとつ、運転代行の仕事には損害保険の要件があります。代行運転中の事故に備える保険への加入が求められており、事業者がその内容を掲示する義務も課されています。応募時に、事故が起きたときの自己負担額を書面で確認してください。
私が相談を受けたケースで印象に残っているのは、「深夜だけの副業」として運転代行に入った方が、事故の自己負担が全額自分にかかる契約になっていたと後から気づいた例です。契約書は、働く前に読むものです。読む時間をくれない会社は、それだけで判断材料になります。
求人の探し方。無料で使える経路と、見るべき条件
求人の探し方を具体的に示します。費用をかけずに使える経路が複数あります。
第1に、求人検索サイトです。複数の媒体の求人を横断して探せるので、条件の比較がしやすい。「副業・WワークOK」「週1日からOK」といった絞り込みが使えます。実際の求人票には、条件が細かく並んでいます。
【休日・休暇など】<休日・休暇>日曜、他シフトによる休日年次有給休暇(法定通り付与)<長期休暇・特別休暇>年末年始(12/30~1/3) 【求人の特徴】<特徴・待遇の一覧>送迎、副業・WワークOK、交通費支給、扶養控除内考慮、研修制度あり、午前のみ勤務、午後のみ勤務、週1日からOK、週2日からOK、未経験可、ブランク可、駅近(10分以内)、駅近(15分以内) 出典: 求人ボックス.com
このなかで副業向けに効く条件は「週1日からOK」「午前のみ勤務」「午後のみ勤務」の3つです。時間を細かく切れる案件は、本業と重ねやすい。
第2に、公共職業安定所(ハローワーク)です。無料で相談でき、地域の中小の運送会社や施設の送迎の求人が出ています。ネット上の求人サイトには載らない案件があるため、地域で探すならここを外さないほうがいい。
第3に、地域の運送会社や施設への直接の問い合わせです。求人を出していない会社でも、送迎の人手が足りていない施設は実際にあります。電話で「週1回の送迎で入れる枠はありますか」と聞く方法は、地味ですが通ります。
第4に、業務委託の案件を扱う在宅ワーク求人サイトや業務委託マッチングサービスです。軽貨物の配送は業務委託の形で募集されることが多く、こうした経路にも案件が出ます。
求人票で見るべき条件を7つ挙げます。免許の種類(普通、準中型、中型、第二種のどれが必要か)、雇用形態(雇用か業務委託か)、報酬の計算方法(時給、日給、個建て、歩合)、車両の用意(自分か会社か、リースなら月額)、燃料代の負担者、事故時の自己負担、最低稼働日数の縛り。この7つが書かれていない求人は、面接で聞いてください。
求人票の文言だけでは実態がわかりません。ドライバーの求人には、条件の良さを前面に出した表現が並びます。時給や月収の数字が大きく書かれていても、それが最大値なのか平均なのか、手当を含むのかで意味が変わります。基本の時給と手当を分けて聞く。この一手間で、入ってからの落差を防げます。
報酬の形と、手残りの考え方
報酬の形は4つあります。それぞれで手残りの計算が変わります。
時給制は、雇用契約で最もわかりやすい形です。送迎ドライバーの時給は1,100円から1,600円程度の幅で募集が出ており、運転手当が別途付く案件もあります。ガソリン代や車両費は会社負担なので、受け取る額がほぼ手残りです。
日給制は、配送の業務委託で多い形です。1日1万2,000円から1万8,000円程度の設定が見られますが、車両リース料や保険料が引かれる契約があります。引かれる項目の合計を先に確認してください。
個建ては、1個あたりの単価で計算する形です。1個100円から170円程度の設定で、配達密度が高いエリアなら効率が上がり、郊外だと落ちます。同じ単価でもエリアで手残りが変わる仕組みです。
歩合制は、タクシーやライドシェアの形で使われます。売上に対する一定割合を受け取るため、時間帯と地域で収入が動きます。
業務委託で自分の車を使う場合、手残りの計算には固定費を入れる必要があります。車両のリース料または減価償却、事業用の任意保険料、駐車場代、自動車税、車検と整備費。これらを月額に直して、稼働日数で割る。月4日しか稼働しないなら、固定費の1日あたりの負担は月16日稼働の4倍になります。副業として週1回だけ働くつもりなら、車両を自分で用意しない案件のほうが合理的です。
20万円という確定申告の基準を後で扱いますが、その前に、この固定費の計算を先にやってください。額面の報酬が高くても、手残りが時給換算で本業を下回るなら、選ぶ意味が薄れます。
本業の就業規則と、労働時間の通算という落とし穴
法務の観点から、最も強く申し上げたい部分です。始める前に、本業の就業規則を確認してください。
先に引いたとおり、モデル就業規則は2018年1月に改定され、副業禁止の条項が削除されました。ただしこれは国が示すひな型です。個々の会社の規則が直っているとは限らず、許可制を残している会社は今も多くあります。無断で始めると、懲戒の対象になり得ます。
つまり、順番はこうです。まず規則を読む。許可制なら申請する。申請が要らない規則なら、念のため記録を残しておく。
もうひとつ、雇用される形で副業する人が見落とすのが労働時間の通算です。労働基準法の原則は1日8時間、1週40時間で、雇用契約を2つ持つ場合、労働時間は通算して考えます。原則は厚生労働省の労働時間・休日のページで確認できます。本業で週40時間働いている人が、副業先でも雇用されて働くと、その時間は法定労働時間を超えた部分として扱われ、割増賃金の問題が生じます。
一方、業務委託契約は労働者としての労働時間に当たらないため、通算の対象外という整理になります。ですから、本業がフルタイムの会社員なら、業務委託の配送案件のほうが労務上の整理が単純です。これは会社に隠すための話ではありません。逆に、申請するときに「業務委託なので労働時間の通算は生じません」と説明できるほうが、許可が下りやすい。
運転の仕事には、もう1つ固有の論点があります。自動車運転者の労働時間等については、拘束時間や休息期間の基準が定められており、運送事業者はこれを守る義務があります。副業で運転の仕事に入ると、本業の勤務時間と合わせて休息が足りているかという問題が出ます。眠気を抱えて運転する状態は、事故に直結します。会社が「大丈夫」と言っても、最終的に運転するのは自分です。断る判断は自分で持ってください。
雇用と業務委託。契約書で確かめる8項目
契約の形で、守られる範囲がまったく変わります。
雇用契約なら、労働基準法が適用され、最低賃金、割増賃金、有給休暇、労災保険の対象になります。一定の要件を満たせば雇用保険や社会保険にも入ります。守りは厚いですが、労働時間が本業と通算されます。
業務委託契約なら、通算の問題はありませんが、労働基準法の保護は原則として及びません。労災も自分で備える必要があります。その代わり、時間の使い方の自由度は高くなります。
ここで実務上の注意点を述べます。業務委託と書かれていても、実態が雇用に近い場合があります。シフトを指定され、業務の手順を細かく指示され、他社での稼働を禁じられ、報酬が時間で計算されている。この状態は、契約書の名前が何であれ、労働者性が認められる可能性があります。労災も雇用保険もない扱いのまま働かされているなら、相談する価値があります。
契約前に書面で確認する8項目を挙げます。報酬の計算方法と単価、支払期日、車両の用意とリース料の月額、燃料代の負担者、事故時の自己負担額の上限、荷物の紛失や破損時の扱い、最低稼働日数の縛りと違約金、契約解除の条件と予告期間。
この8項目を「後で書面にします」と言われたら、着手を待ってください。口頭の説明と契約書の記載が食い違った場合、原則として契約書が優先します。読む前に働き始めると、後から取り返すのが難しくなります。
契約書や連絡文を読み書きする力そのものが、この分野では自分を守る道具になります。文書の型を固めたいならビジネス文書検定のような検定の教材が、条項の読み方の足場を作るのに役立ちます。
メリットを4つ、デメリットを4つ
判断材料として、対称に並べます。
メリットの1つ目は、特別な資格なしに始められる案件が多いことです。貨物の配送と一部の送迎は、普通免許で入れます。未経験可、ブランク可の募集も実際に出ています。
2つ目は、時間の単位が細かいことです。「午前のみ」「午後のみ」「週1日からOK」という条件の案件があるため、本業の休みに合わせて組めます。
3つ目は、対人のやり取りが少ないことです。運転している時間は一人です。接客の負荷が低い仕事を探している人には、この点が大きい。
4つ目は、身につけた経験が他の案件に通じることです。配送の段取り、時間の読み方、地理の把握。会社が変わっても持ち歩ける経験になります。
デメリットの1つ目は、事故のリスクです。運転する時間が増えれば、確率は上がります。副業の収入で賠償を負う事態になれば、本業の生活まで影響します。保険の内容を確認することが、この仕事の入口の条件です。
2つ目は、身体への負荷です。長時間の運転は腰に来ますし、配送なら荷物の上げ下ろしが加わります。本業のあとに入れると、蓄積します。
3つ目は、収入の不安定さです。業務委託や歩合制は、稼働できない週の収入がゼロになります。
4つ目は、制度の複雑さです。免許、許可、保険、契約形態。確認する項目が多く、どれかを飛ばすと後から問題になります。この記事で挙げた確認項目を、1つずつ潰してください。
確定申告と経費。20万円の正しい読み方
税の話を整理します。
給与を1か所から受けている人で、給与以外の所得の合計が20万円を超える場合、確定申告が必要です。条件は国税庁のNo.1900 給与所得者で確定申告が必要な人に整理されています。ここで大事なのは、20万円が売上ではなく所得、つまり売上から必要経費を引いた残りだという点です。
副業先で給与として受け取る場合(雇用契約のパート・アルバイト)は、判定が変わります。給与を2か所以上から受けている人は、年末調整をしていない給与の収入金額とその他の所得の合計が20万円を超えるかで判定します。この形だと経費を引く仕組みがないため、収入がそのまま判定対象になります。
業務委託で受け取る場合は、事業所得または雑所得になります。継続して反復して行い、営利性があり、事業としての実体が備わっている規模なら事業所得です。考え方は国税庁のNo.1350 事業所得の課税のしくみに示されています。事業所得として青色申告の承認を受ければ、青色申告特別控除や損失の繰越しが使えます。車両という大きな資産を持つなら、検討する価値があります。
経費として計上できるものを並べます。ガソリン代、高速道路料金、駐車場代、車両のリース料または減価償却費、事業用の任意保険料、自動車税、車検と整備費、タイヤ交換、スマートフォンの通信費の業務使用分、作業着と安全靴、台車や軍手などの消耗品、第二種免許の取得費用(事業のために取得したものとして扱える場合)、会計ソフトの利用料。
記録の取り方も書いておきます。稼働日、稼働時間、報酬額、走行距離、給油量と金額。この5項目を毎回残せば、按分の根拠になります。年度末に1年分を思い出すのは無理です。
住民税についても一言。所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告が別に必要になることがあります。自治体の窓口で確認してください。
転職を考える場合と、副業を続ける場合の分かれ目
副業から先に進むことを考えている人向けに、判断の材料を整理します。
運転の仕事を本業にする場合、確認すべき点が3つあります。第1に、社会保険です。業務委託で独立すると、厚生年金から国民年金に、健康保険は国民健康保険に変わります。将来受け取る年金の水準が変わるので、制度の内容は日本年金機構のトップページから確認しておいてください。第2に、収入の季節変動です。配送は繁忙期と閑散期で荷物量が動きます。第3に、身体の耐用年数です。長時間の運転と荷物の扱いを、10年後も同じ量でできるかを前提に置く必要があります。
おすすめの進め方は、副業のまま6カ月続けて記録を取ることです。稼働日数、報酬、経費、手残り、体調。6カ月分の実績があれば、本業化したときの生活の見通しが自分の数字で立ちます。1カ月やって「思ったより稼げる」と感じた時点で本業を辞めるのは、繁忙期に当たっただけの可能性があります。
副業のまま続ける場合は、性質の違う仕事を1本持つことをおすすめします。運転は身体と時間をそのまま金額に換える仕事なので、ケガや繁忙期の変動で止まる月が必ず来ます。机で完結する仕事をもう1本持っておくと、収入が途切れません。どういう技能が在宅の仕事につながるかは、在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるに選び方の基準が整理されています。書く方向に寄せるなら、著述家,記者,編集者の年収・単価相場が報酬水準の目安になります。
時間の使い方を整えたい人は、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックにある区切り方が、運転と休息を分ける発想の参考になります。
市場の構造から見た、副業運転手の続け方
最後に、在宅と副業の市場を長く見てきた立場からの観察を書きます。
20年この市場を見てきた立場から言えば、長く続く人は、報酬の高い案件を渡り歩いている人ではありません。同じ曜日、同じ時間帯に入る形を固定できた人です。身体がその時間に慣れ、道順が頭に入り、担当者との連絡が短くなる。結果として、同じ時間で運べる量が増えます。逆に、空いた日に取れそうな案件を探すという動き方をしている人は、収入も体調も読めなくなり、半年以内に止まる例が目立ちます。単価の交渉より先に、稼働の型を固定してください。
もうひとつ、運営者として見てきた限りでは、手元に残る額は単価の高さよりも取引の形で決まります。間に何段か入る仕事では、荷主や利用者が支払った額と、運ぶ人が受け取る額の差が大きくなります。中間の取り分が乗らない直接の取引なら、同じ予算で依頼側はより多く頼めて、受け手の手元は厚くなる。手数料0%で結ばれる関係の価値は、金額の大きさより「同じ稼働で手取りが厚い」という質にあります。案件を比べるとき、単価だけでなく間に何が入っているかを数えてみてください。
業務の切り出し方が今どう動いているかを知る材料としては、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のような分野別の解説が、企業がどんな業務を外に出しているかを掴む手がかりになります。運転と方向が違って見えますが、身体を使う仕事と机で完結する仕事を両方持っておくことは、事故やケガに備えるという意味で効きます。
副業運転手は、免許の線、事業者の許可、契約書の8項目、そして本業の就業規則。この4つを着手前に確認すれば、安心して始められる仕事です。確認に使う時間は、合わせて2時間もかかりません。その2時間を飛ばした人だけが、後で困っています。法律は、知っていれば自分を守る壁になります。
よくある質問
Q. 普通免許だけで副業運転手として働けますか?
荷物を運ぶ仕事なら第一種免許(普通免許)で働けます。車両総重量3.5トン未満は普通免許、7.5トン未満は準中型、11トン未満は中型が必要です。一方、人を乗せてその運送の対価を受け取る仕事は原則として第二種免許が必要になります。送迎ドライバーは、送迎に料金を取っているかどうかで扱いが変わるため、面接で根拠を確認してください。
Q. 運転代行は普通免許でできますか?
役割によって変わります。代行業者の随伴車を運転する役は第一種免許で足りますが、利用者の車を運転する役は第二種免許が必要です。「普通免許OK」という募集は随伴車のポジションに限って正しい説明です。応募先が都道府県公安委員会の認定を受けた事業者かどうか、事故時の自己負担がいくらかも、書面で確認してください。
Q. 求人はどこで無料で探せますか?
求人検索サイトで「副業・WワークOK」「週1日からOK」「午前のみ勤務」といった条件で絞る方法、公共職業安定所(ハローワーク)での無料相談、地域の運送会社や施設への直接の問い合わせ、業務委託の案件を扱う在宅ワーク求人サイトの4経路があります。求人票では免許の種類、雇用形態、報酬の計算方法、車両の用意、燃料代の負担者、事故時の自己負担を確認してください。
Q. 本業の会社に申請しないと副業運転手はできませんか?
まず就業規則を確認してください。モデル就業規則は2018年1月に副業禁止の条項を削除しましたが、許可制を残している会社は今も多くあります。雇用契約で副業すると本業と労働時間が通算されるため、業務委託の案件のほうが労務の整理は単純です。運転の仕事は休息が足りないと事故に直結するので、本業の勤務時間と合わせて無理のない稼働に抑えてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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