未経験から小規模多機能型居宅介護で働く|受け入れている募集と、慣れるまで

中西 直美
中西 直美
未経験から小規模多機能型居宅介護で働く|受け入れている募集と、慣れるまで

この記事のポイント

  • ✓未経験から小規模多機能型居宅介護で働きたい方へ
  • ✓資格要件の無い人員基準
  • ✓未経験可の募集の形(日勤の介護職

「介護の経験は無いけれど、小規模多機能というところで働いてみたい。でも、通いも訪問も泊まりもあると聞いて、自分に務まるのか不安」

こういうご相談、本当に多いんです。

大丈夫ですよ。小規模多機能型居宅介護は、未経験の人を受け入れている職場が少なくありません。むしろ、規模が小さいからこそ、先輩の目が届きやすく、一人ひとりの利用者と時間をかけて向き合える場所でもあります。

ただ、デイサービスや特養とは仕事の組み立てがかなり違います。何も知らずに入ると、「こんなはずじゃなかった」と感じる場面があるのも事実です。

この記事では、未経験の人を受け入れている募集の形、入ってから慣れるまでに何を覚えるのか、戸惑いやすい場面とその乗り越え方、求人票で見ておきたいところを、順番にお話しします。

小規模多機能は、未経験の人を受け入れやすい仕組みを持っている

まず、この職場がどういう場所なのかを、ゆっくり押さえておきましょう。

小規模多機能型居宅介護は、介護保険の「地域密着型サービス」の1つです。住み慣れた地域で暮らし続けたい高齢者のために、1つの事業所が「通い」「訪問」「泊まり」の3つを組み合わせて提供します。

・通い:日中、事業所に来て過ごす ・訪問:職員が自宅に行って、身の回りの手伝いをする ・泊まり:事業所に泊まる

利用者は、事業所に「登録」して使います。登録できる人数は29人以下です。1日に通いで来られるのは原則15人以下、泊まりは原則9人以下と決まっています。

つまり、特養のように何十人もの入居者がいるわけではありません。関わる利用者は最大でも29人。この「顔が全員分かる規模」が、未経験の人にとっては大きな安心材料になります。

次に、働く人の決まりです。

人員基準では、日中の通いに対して、利用者3人に1人以上の介護従業者を置き、それとは別に訪問を担当する従業者を1人以上置くことになっています。夜間は、泊まりの利用者のための夜勤職員を1人以上、自宅への夜間訪問に対応する宿直職員を1人以上置きます。

ここで大切なのは、介護従業者に「資格が必要」とは書かれていないことです。求められているのは、従業者のうち1人以上が看護師か准看護師であることくらいです。

もう1つ、未経験の方に知っておいてほしいことがあります。訪問介護事業所で自宅に行って体に触れる介助をするには、初任者研修などの修了が必要です。でも、小規模多機能の「訪問」は、訪問介護とは別のサービスとして組み立てられていて、訪問を担当する職員に資格の決まりがありません。

だから、小規模多機能では未経験可の募集が出やすいんです。

とはいえ、資格の決まりが無いことと、何も学ばなくてよいことは違います。医療や福祉の資格を持たない介護職員は、採用から1年以内に「認知症介護基礎研修」を受けることが、事業所に義務づけられています。eラーニングで6時間ほどの研修です。

小規模多機能は、認知症のある方の利用がとても多い職場です。この研修は、義務だから受けるというより、自分を守るための知識として早めに受けておくと、ずいぶん気持ちが楽になります。

未経験を受け入れている募集には、どんな形があるか

「未経験可」と一口に言っても、募集の形はいくつかあります。自分の生活に合う入り口を選べるのは、小規模多機能の良いところです。

実際の求人を見ると、介護職の未経験可の募集が普通に出ています。

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介護職以外の入り口もあります。グループホームと同じ建物で運営している事業所では、食事づくりの募集も出ています。

...早朝手当・年末年始手当があり、設立30年以上、女性管理職登用実績もある安心の職場です。高齢者グループホーム・小規模多機能型居宅介護施設での調理リーダーとして、約30食分の食事・おやつの調理、盛付、洗浄、仕込み、清掃などをお願いします。未経験OKで、栄養士・調理師資格者は優遇いたします。駅から徒歩5分以内、1日4h以内OK、週2~3日からOK、10時以降始業、16時前までの勤務で、シフト制です。交通費支給、労災保険、正社員登用制度あり、試用期間ありです。 出典: 求人ボックス

未経験の方が選べる入り口を、整理してみます。

1. 日勤の介護職(常勤・パート)

いちばん多い形です。通いのフロアでの見守り、食事や入浴の介助、送迎、訪問を担当します。最初から夜勤が無い「日勤のみ」の募集を選ぶと、生活のリズムを崩さずに始められます。

2. 短時間のパート

朝の送迎の時間帯だけ、昼食の前後だけ、というように、忙しい時間帯に絞った募集もあります。子育て中の方や、介護の仕事が自分に合うか確かめたい方には、無理のない始め方です。

3. 調理スタッフ

利用者と職員の食事をつくる仕事です。介助の場面は少ないですが、利用者と同じ空間で過ごすので、介護の仕事の雰囲気を知ることができます。調理から始めて、介護職に移る人もいます。

4. 送迎ドライバー

普通自動車免許があれば応募できる募集です。通いの利用者を自宅まで迎えに行き、送り届けます。車いすの方の乗り降りを手伝う場面もあるので、簡単な介助は入職後に教わります。

5. 夜勤専従や宿直

未経験の方にはあまりおすすめしません。小規模多機能の夜勤は、泊まりの利用者を1人で見る体制がほとんどです。慣れないうちに1人で夜を任されるのは、心の負担がとても大きいんです。まずは日中の仕事で利用者の顔と様子を覚えてから考えても、遅くありません。

どの入り口を選ぶにしても、「最初から全部できなくていい」ということを覚えておいてください。小規模多機能は仕事の幅が広い職場ですが、その幅を一度に背負う必要はありません。

小規模多機能の1日を、未経験の人の目線で追う

募集の形が分かったところで、実際の1日がどう動くのかを見ておきましょう。日勤の介護職として入った場合の、よくある流れです。事業所によって時間は前後しますが、全体の形はだいたい似ています。

8時30分ごろ 出勤と朝の申し送り

出勤したら、まず夜勤の職員から申し送りを受けます。泊まりの利用者が夜に何度起きたか、朝ごはんをどれくらい食べたか。それから、ホワイトボードで今日の通いのメンバー、訪問の予定と担当、泊まりの人数を確認します。

未経験のうちは、この時間に「今日、自分は誰と一緒に動くのか」をはっきりさせておくと安心です。

9時ごろ 通いの迎え

事業所の車で、通いの利用者を自宅まで迎えに行きます。1台に2人から3人を乗せて回ることが多いです。玄関先で家族から「昨日は少し熱っぽかった」などの話を聞くのも、この時間です。

最初は運転する先輩の横に乗って、乗り降りの介助と、家族の話を聞く役を担当することが多いと思います。

10時ごろ 通いのフロアと、朝の訪問

通いの利用者が集まったら、お茶を出して、体温や血圧を測ります。その後、入浴の順番が回ってきます。並行して、1人暮らしの利用者への服薬確認の訪問に、職員が交代で出かけていきます。

通いの定員が少ないので、フロアには職員が常にいる状態を保ちながら、訪問に抜ける人を回していきます。「いま誰がフロアにいて、誰が外に出ているか」を全員が意識しているのが、小規模多機能らしい光景です。

12時ごろ 昼食と休憩

昼食の介助をして、利用者が食後にくつろいでいる間に、職員が交代で休憩をとります。昼食をつくる調理スタッフがいる事業所もあれば、職員が利用者と一緒に簡単な料理をする事業所もあります。

13時から15時ごろ 午後の活動と、昼の訪問

午後は、散歩や体操、洗濯物をたたむ、季節の飾りをつくるといった活動の時間です。この間にも、昼食の準備を手伝う訪問や、安否確認の訪問が入ります。

15時30分ごろ おやつと送り

おやつの後、通いの利用者を自宅まで送ります。帰宅したら、そのまま部屋の明かりをつけたり、夕食をテーブルに出したりしてから事業所に戻る、という短い訪問を兼ねることもあります。

17時ごろ 記録と申し送り、退勤

1日の記録を書いて、遅番や夜勤の職員に申し送りをして退勤します。

こうして並べてみると、1日の中で「通い」と「訪問」が細かく入れ替わっているのが分かると思います。未経験の方が最初に疲れを感じるのは、介助そのものより、この頭の切り替えの多さです。

でも、1週間、2週間と同じ流れを繰り返すうちに、「この時間はこの方の訪問」という形が体に入ってきます。最初はメモ帳を持ち歩いて、自分用の1日の流れを書き留めておくといいですよ。

未経験で入った人が、最初の1か月で覚えること

では、入職してからの最初の1か月、何を覚えていくのでしょうか。

小規模多機能の職場に固有の話を中心に書きますね。

利用者29人の「暮らし方」を覚える

特養なら、入居者は施設で暮らしています。でも小規模多機能の利用者は、自宅で暮らしています。ある方は週3日の通い、ある方は毎日の訪問と週末の泊まり、ある方は朝の服薬確認の訪問だけ。一人ひとり、使い方がまったく違います。

だから、最初に覚えるのは介助の技術よりも、「この方はいつ来て、いつ自宅にいて、家族は誰がいて、何に困っているのか」という暮らしの全体像です。

多くの事業所では、事務所のホワイトボードや予定表に、その日の通いのメンバー、訪問の時間と担当、泊まりの人が書き出されています。これを毎朝見て、「今日の自分の動き」を確認することから1日が始まります。

訪問の道順と、家の中のルールを覚える

訪問では、利用者の自宅へ事業所の車で向かいます。道順はもちろん、鍵の置き場所、玄関の開け方、ごみを出す曜日、冷蔵庫の中の何を使ってよいか。家ごとに決まりがあります。

最初は必ず先輩と一緒に行きます。事業所によって違いますが、同じ家に数回同行してから、1人で行くようになる流れが一般的です。

記録と申し送りの型を覚える

同じ利用者に、通いのときは日勤の職員、訪問のときは別の職員、泊まりのときは夜勤の職員が関わります。だから、「いつ、誰が、何を見たか」を記録でつなぐことが、他の職場以上に大切になります。

「朝の訪問で、食パンが減っていなかった」「通いのとき、いつもより歩くのが遅かった」。こうした小さな変化を書き残すことが、在宅の生活を支える小規模多機能の仕事の中心なんです。

介助の基本動作を覚える

移乗(ベッドから車いすへの移動など)、排泄の介助、入浴の介助、食事の介助。これは他の介護の職場と同じです。通いの定員が少ないので、特養のように次々と入浴介助が続くことは少なく、1人ずつ丁寧に教わりやすい環境です。

私がカウンセリングで話を聞いた方の中に、事務職から小規模多機能に転職した方がいました。最初の2週間は、介助よりも、利用者の名前と家族構成と訪問先の地図を覚えるだけで精一杯だったそうです。「介護の仕事なのに、介護をしていない気がして焦った」と話していました。

でも、1か月たつころには、通いに来た方の顔色を見て「昨日の夜、眠れなかったのかな」と気づけるようになった。それが自信になったと言っていました。

焦らなくて大丈夫です。暮らしを知ることが、この職場ではいちばん大事な介護の準備なんです。

慣れるまでに戸惑いやすい場面と、その乗り越え方

未経験の方が小規模多機能で戸惑いやすい場面には、はっきりした傾向があります。前もって知っておくと、実際にぶつかったときに「あ、これのことか」と受け止められます。

予定が当日に変わる

小規模多機能は、利用者の暮らしに合わせて柔軟にサービスを変えられるのが特徴です。裏を返すと、家族から「今日、急に仕事が入ったので泊まりをお願いしたい」「朝、母が起きてこない」と電話が入ると、その日の予定がまるごと組み替わります。

朝に確認した動きが、昼には変わっている。これに疲れてしまう人は少なくありません。

乗り越え方としては、「予定は変わるもの」と最初から思っておくことです。そして、変わったときは自分で抱え込まず、リーダーに「私はこのあと何をすればいいですか」と確認する。変更を整理するのはリーダーの役目です。未経験のうちは、指示を確かめることが立派な仕事です。

1人で訪問に行く

事業所の中なら、困ったときに周りに誰かがいます。でも訪問では、利用者の自宅で自分1人です。インターホンを押しても返事が無い、利用者が床に座り込んでいる、頼まれたことと家族の希望が違う。こうした場面で、1人で判断を迫られます。

これはとても緊張しますよね。

乗り越え方は、「迷ったら電話していい」という約束を事業所と交わしておくことです。多くの事業所では、訪問中に困ったら事務所に電話して指示を受ける体制をとっています。入職時に、誰に電話すればよいのか、夜間はどうするのかを確認しておきましょう。

利用者や家族との距離が近い

同じ利用者に、通いでも訪問でも泊まりでも会います。家族とも、送迎や訪問のたびに顔を合わせます。関係が深まる分、家族から愚痴を聞いたり、職員個人に頼みごとをされたりすることもあります。

心理学では、相手の気持ちに入り込みすぎて自分が消耗することを「共感疲労」と呼びます。つまり、優しい人ほど疲れやすいということです。

大切なのは、「自分1人の判断で約束しない」ことです。「事業所で相談してからお返事しますね」と一度持ち帰る。これは冷たい対応ではなく、チームで利用者を支えるための正しい動きです。

泊まりの利用者の夜の様子

日勤だけで働いていても、夜勤明けの職員から「昨夜は何度も起きていた」と申し送りを受けます。自宅と違う場所で眠ることで、落ち着かなくなる方がいるんです。慣れないうちは、「自分の対応が悪かったのかな」と気にしてしまうかもしれません。

でも、それはあなたのせいではありません。環境が変わると混乱しやすいのは、認知症という病気の特徴の1つです。認知症介護基礎研修で学ぶ内容とつながる部分なので、研修を早めに受けておくと、こうした場面を落ち着いて受け止められるようになります。

異業種から入る場合と、他の介護の職場から移る場合の違い

「未経験」にも、2つの意味があります。介護そのものが初めての人と、介護の経験はあるけれど小規模多機能は初めての人です。それぞれ、慣れるまでにつまずくところが違います。

介護そのものが初めての人

つまずきやすいのは、体の動かし方です。移乗や入浴の介助は、力任せにやると腰を痛めます。最初の数か月は、利用者を支える体の使い方を先輩からしっかり教わってください。

一方で、異業種から来た人ならではの強みもあります。接客業の経験がある人は家族とのやり取りが上手ですし、事務職の経験がある人は記録や予定の整理が得意です。運転の仕事をしていた人は、送迎や訪問の道順をすぐに覚えます。小規模多機能は仕事の幅が広いので、前の仕事で身につけたことが活きる場面が多いんです。

デイサービスから移る人

通いの仕事はすぐに馴染めます。戸惑うのは、訪問と泊まりです。特に、デイサービスでは利用者の自宅の中を見る機会が少ないので、訪問で生活の現実を目の当たりにして驚く人がいます。

特養やグループホームから移る人

夜勤や泊まりの対応は慣れています。戸惑うのは、利用者が「帰っていく」ことです。施設ではずっと一緒にいた利用者が、小規模多機能では自宅に帰ります。自宅での様子が見えない分、訪問や家族からの情報で補う必要があります。

訪問介護から移る人

1人で自宅に行くことには慣れています。一方で、訪問介護では決められた時間に決められた内容を提供していたのに対し、小規模多機能の訪問は短時間で何度も行ったり、必要に応じて内容を変えたりします。この柔軟さに最初は落ち着かないと感じる人が多いです。

40代、50代から初めて入る人

年齢のことを気にされる方もとても多いです。でも、小規模多機能は年齢を重ねてから入る人が珍しくない職場です。利用者の多くは地域で長く暮らしてきた高齢の方なので、同じ地域の生活の感覚を持っている職員は、会話のきっかけをつかみやすいんです。昔の商店街の話、季節の行事、郷土の料理。こうした話題に自然に乗れることは、若い職員には無い強みになります。

体力の面が心配なら、入浴介助が多い時間帯を避けたパートや、送迎と訪問を中心にした働き方から始める方法もあります。面接で「体力に不安があるので、最初はこの業務を中心にしたい」と正直に伝えて大丈夫です。人の少ない職場ほど、長く続けてくれる人を大切にします。

どこから来た人でも、「前の職場のやり方」を一度脇に置いて、この事業所のやり方を教わる姿勢でいると、慣れるのが早くなります。

介護職員として働いたときの収入が、経験年数や勤め先の種類によってどう変わるのかは、統計をもとに相場をまとめた介護職員の年収・単価相場で確認できます。未経験から始める前に、数年後の見通しを知っておくと、焦らずに続けやすくなります。

働きながら資格を考えるなら、どの順番がよいか

未経験で入って、しばらく働いてみて「この仕事を続けたい」と思えたら、資格のことも考え始めてみてください。急ぐ必要はありませんが、順番を知っておくと迷わずに済みます。

まずは認知症介護基礎研修

先ほどお話ししたとおり、無資格の介護職員は採用から1年以内に受けることになっています。受講は事業所の義務なので、費用を事業所が負担し、勤務時間内に受けさせてくれるのが一般的です。もし「休みの日に自分で受けて」と言われたら、どういう扱いになるのかを一度確かめてみてください。

次に介護職員初任者研修

介護の基本を学ぶ研修で、カリキュラムは130時間です。通学とオンラインを組み合わせて、1〜4か月ほどで修了できます。受講料はスクールによって差があり、数万円から10万円程度が目安です。

小規模多機能では、初任者研修で学ぶ「利用者を観察する視点」が、訪問のときにとても役立ちます。冷蔵庫の中身、部屋の温度、薬の飲み残し。自宅の中で何を見ればよいのかが分かるようになると、1人で訪問に行く不安がぐっと減ります。

その先に実務者研修と介護福祉士

実務者研修は450時間のカリキュラムで、初任者研修の修了者は一部が免除されます。介護福祉士は国家資格で、介護の仕事に3年以上従事し、実務者研修を修了すると受験できます。小規模多機能での勤務も、この実務経験に含まれます。

資格取得支援を使うときの注意

事業所が受講費用を出してくれる制度は、とてもありがたいものです。ただ、「修了後一定期間内に辞めたら費用を返す」という条件が付いていることがあります。入職前や申し込み前に、条件を書面で見せてもらいましょう。不安なときは、一人で悩まず、労働相談の窓口に聞いてみてください。

それから、資格を取るタイミングは、心と体に余裕があるときを選んでくださいね。慣れない仕事に入ったばかりの時期に、勉強まで詰め込むと、どちらも苦しくなります。まずは職場に慣れること。資格は、その後で十分間に合います。

未経験の人が求人票で見ておくところ

最後に、未経験の方が求人票で確かめておきたいところをまとめます。

「未経験可」と一緒に書かれている言葉

「未経験可」に続けて「研修制度あり」「資格取得支援あり」「同行期間あり」と書かれているかを見てください。書かれていれば、未経験の人を育てる前提で募集していると読めます。反対に、「未経験可」だけで他に何も書かれていない場合は、面接で研修の中身を具体的に聞きましょう。

夜勤の有無と始める時期

「日勤のみ」なのか、「夜勤あり」なのか。夜勤ありの場合は、入職してからどれくらいで夜勤に入るのか。未経験なら、少なくとも日中の仕事に慣れてからにしてもらえるかを確認します。

訪問で使う車の条件

訪問や送迎で運転があるか。普通自動車免許のAT限定で良いか。事業所の車を使うのか、自分の車なのか。自分の車を使う場合、ガソリン代や事故のときの保険の扱いがどうなっているかは、必ず確かめておきたいところです。

看護小規模多機能かどうか

「看護小規模多機能型居宅介護」という名前の事業所もあります。通い・訪問・泊まりに「訪問看護」が加わった形で、医療的なケアが必要な方の利用が多くなります。看護師が多く配置されている安心感はありますが、医療の話題が多い職場なので、未経験の方は職場見学で雰囲気を確かめてからにすると安心です。

職場見学ができるか

小規模多機能は、事業所ごとの雰囲気の差が大きい職場です。職員が10数人の規模なので、誰と一緒に働くかで働きやすさが大きく変わります。見学を受け入れてくれる事業所なら、ぜひ一度見に行ってください。見るポイントは、職員同士の声のかけ合い方と、ホワイトボードの予定表が整理されているかどうかです。

面接で聞きにくいかもしれませんが、「前に未経験で入った方は、今どうされていますか」と聞いてみるのもおすすめです。続いている人がいる事業所は、受け入れの経験がある事業所です。

介護の仕事が自分に向いているのか、別の働き方と比べて迷っている方は、働く人の相談を専門に受ける仕事について解説した職場・転職・キャリア相談のお仕事を読んでみてください。どんな人がどんな相談に乗っているのかが分かり、一人で抱えずに誰かに話すきっかけになります。

現場を長く見てきた立場から

在宅ワークとフリーランスの市場を20年運営してきた立場から、1つだけ書かせてください。

未経験から新しい仕事に入って長く続く人は、最初の数か月で「できること」を増やそうとするより、「頼れる相手」を増やしています。小規模多機能の職員でも、在宅で仕事を受けている人でも、それは同じです。困ったときに電話できる先輩、相談できる看護師、事情を分かってくれるリーダー。そういう関係を先に作った人ほど、少し大変な時期を越えていきます。

働く人と仕事の間に入る事業者が増えるほど、働く人の手元に残るものは薄くなります。これも、長く市場を見てきて感じることです。仲介の手数料が乗らない直接のやり取りであれば、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は手取りが厚くなります。手数料0%という形の値打ちは、金額の大小ではなく、この手取りの厚みという質にあります。

未経験から小規模多機能に入ることは、決して無謀な挑戦ではありません。29人の暮らしを、少しずつ覚えていけばいいんです。

あなたは一人じゃありません。

よくある質問

Q. 小規模多機能型居宅介護は未経験・無資格でも働けますか?

働けます。人員基準では介護従業者に資格の決まりが無く、訪問を担当する職員にも資格は求められていないため、未経験可の募集が多く出ています。ただし、医療や福祉の資格が無い介護職員は、採用から1年以内に認知症介護基礎研修を受けることが事業所に義務づけられています。

Q. 未経験で入ったら、すぐに1人で訪問や夜勤をしますか?

事業所によりますが、訪問は先輩と数回同行してから1人で行く流れが一般的です。夜勤は泊まりの利用者を1人で見る体制が多いため、日中の仕事で利用者の様子を覚えてから入るのが望ましいです。独り立ちまでの期間は、面接で具体的に確認しておきましょう。

Q. 小規模多機能で未経験の人が戸惑いやすいことは何ですか?

当日に予定が変わること、1人で自宅へ訪問すること、利用者や家族との距離が近いことの3つが多く挙がります。予定変更はリーダーに指示を確かめ、訪問中に迷ったら事務所に電話し、家族からの頼みごとは一度持ち帰って相談する。この3つを習慣にすると負担が軽くなります。

Q. 未経験から小規模多機能に応募するとき、求人票で何を見ればいいですか?

「未経験可」と一緒に研修制度や同行期間が書かれているか、夜勤の有無と始める時期、訪問や送迎で運転があるか、自家用車を使う場合の保険やガソリン代の扱いを確認しましょう。職員の人数が少なく雰囲気の差が大きい職場なので、職場見学ができるかも大切な判断材料です。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年6月14日最終更新:2026年9月22日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

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